雑 記 帳

日々の生活やプレイ中のゲームについての呟きなど。
※今後ヒムロが書き込むことはありません。


2005-07-11(Mon)  WJ32号■在処
朝シャンみたいで語呂が微妙…素直に「たけしゃん」と呼ばせてあげればいいのに。
その武蔵さんはおみ足をセクシーにゴキッとやったりしてヒゲがなくなっても快調にお色気担当でいらっしゃる模様。
相変わらず小さいコマではヒル魔と陸の見分けがつきません。
セナ様ナイス押し倒しっぷり。この下にいるのが陸じゃなくて51番だったらなーなんて思ってませんよ。思ってませんったら。
十文字に好きな数字を聞いたら3って答えるんだろうか。兄弟じゃねえとか言いつつ三人で一単位ってことにこだわりまくりじゃないかアハーハー☆
自分が「三人」を大事にしてるから、他の「三人」も大事にしたいんですねえ。三人が揃ったことで掴んだチャンスをみすみす取りこぼすことのないようにまっすぐ頑張る十文字が愛おしいです。相変わらず半歩遅れてそれについてくる二人もらしくて良い。マジモードの三人は超カッコイイ。ボール取り損ねてから軽くトランス入ってるセナ様も素敵v
西部戦は三兄弟がメインではないにもかかわらずちょこちょこ美味しいシーンがあって嬉しいな。
十文字が庄三さんを「戸叶」と呼んでくれたのでホッとしました。トガ呼びは黒木だけだからいいのだ。なんかこう、付き合いの長さの差って感じが。


最近、妹が休みごとにガンダムW(TV版)のビデオを借りてきてたんですが、ようやく最終話まで観終わったかと思ったら「姉ちゃん昔これにはまってたよね、同人誌ないの?」と聞いてくるもんで、10冊ほど手許に残してたノーマル本を貸してやると要求がエスカレート。
妹「2×ヒルデと4×ドロシーがもっと読みたい」
私「ネットで探せば?」
妹「もう探した。あんまり見つからなかったから中古ショップ行ってきて」
私「命令形かよ!まぁ遠回りすりゃ寄れるからいーけどさ…1×リリーナはええの?」
妹「あれはアニメ観たらお腹いっぱいだから別にいい」
私「(納得)」
まぁGWのノーマルは私も好きだったのでついでに読めるならいいか、と引き受けて行ってきたんですが。
ぜんっぜん見つからねえ_| ̄|○
どこの店にもGW男女カプ本はコーナーこそあるもののほとんど在庫がなく、あったとしても1リリのみ。てか1受2受4受5受は必ずコーナーがあるのに3受はコーナー自体ないかあっても在庫がないかどっちかだったのには笑いましたが。
ノーマル前提に1×3で4総攻という茨道を歩いていた当時、一世を風靡した巨大ジャンルでありながらインテまではるばる本を買いに来てもサークルが片手あるかないかだった3受。んー、懐かしい。
十文字受でイベント参加した時にビビッときた奇妙な既視感は3受にいた頃のあの感じだったのか、と今頃納得してみたり。
これだ!ってカプにスッ転んで思うがままに突っ走って、気づいたらなんでか人のいないところに立ってるのはもう「サガ」ってやつなんですかね。…全然嬉しくないけど。
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2005-07-11(Mon)  本気モード!◆ヒムロ
よっしゃ月曜や、ネタバレ解禁。
語るのはここしかない、十 文 字 本 気 モ ー ド (先輩たち三人揃ったことによるスイッチ)
愛らしすぎます、3人というキーワードに、媚薬のごとく反応する一輝さん。
お前は一体何なんだと。どんだけともだちの事が好きなんだと。
何より二人を失うことを恐れている十文字が、ヒル魔の隠されたエピソードと、それを再び取り戻した今を知ったとき、ヒル魔にどんな思いを抱くのかとか、多分尊敬だろうなあ。だって十文字は、黒木戸叶のうち一人でも欠けたら絶対やってけないもの。武蔵を失っても頑張ってきたヒル魔に対しては、それが現実となることを最も恐れている十文字にはその辛さは推し量ることはできないけど、親近感と尊敬の念は抱くだろうと思います。
基本的に黄色いのに対しては何の感慨も抱いてませんがムサシ関係のときだけは考えてます。





ふと思いついたので、書いてしまいたい。

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 ソニアというの、十文字は言った。父親に虐待されているらしいことを俺と黒木が知った、丁度一週間後のことだった。

 おれが困ったときや苦しいとき、つらいときにたすけに来てくれるの、そんでやなやつみんなふっとばして、おれのことやさしく抱いて、もう大丈夫よっていってくれるの、あたたかくてやさしいの。それでね、おかあさんなの、おれが小さいときに死んでしまったおかあさん、おかあさんがソニアになっておれのことをまもってくれるの。

 組んだ指は白く細い。指だけじゃなくて十文字は全てが白くて細かった。まだ黒い髪はさらさらと額で揺れ、長い睫毛は影で目を縁取る。きれいな子ねと黒木のおばさんが言ってた、俺もそうだと思った。
 俺の部屋の隅で、膝を抱えて小さくなって細々と語る、その足にもいくつか痣がつけられている。殴られて出来たのではない赤い痣が。
 顔には痣はない、十文字の父親も十文字のきれいな顔は気に入っていて、絶対に傷つけようとはしなかった。殴られるのはもっぱら腹だ。ダメージを与え、体の自由も利かなくする。

 こころの中でよぶの、おかあさんって。おかあさんたすけて、そうしたらすぐにとんできてやなやつはみいんなやっつけてくれるの。でもね、

 そっと手を伸ばす。その柔らかな髪に触れたいと思った、撫でてがちがちに硬くなった心を弛緩させてやりたいと思った。俺もそんなに体温は高くはないけれど、十文字を温めてやりたいと思った。髪に手が触れる。どきどきしながら指をその絹のような黒髪に差し込み、そっと梳いた。さらさらと零れ落ちる。抱き寄せてもいいだろうか、抱き寄せて、抱きしめて、大丈夫だよと囁いてやってもいいだろうか。

 でもね、おとうさんのときにはおかあさんは来てくれないの、おかあさんもおとうさんがすきだから、おとうさんにはひどいことできないの。

 心臓が冷えた。そっと手を引っ込める。手に残っていた十文字の体温はあっという間に大気に拡散した。

 おれもね、おれもおとうさんがすきだから、どんなにひどいことされてもいいよってゆるしてしまうの。

 そろりと、十文字から体ひとつ分離した俺のほうをやっと見て、十文字は寂しそうに笑った。
 笑い返す事も出来ずに俺は膝を抱えてその中に顔を埋めて泣いた。最悪の失恋だった。

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そんなかわいそうな子供の妄想。
それにしても私、ソニアを使いまわしすぎ。
学生の頃のホラー漫画に始まりFF風に使い今度は妄想。
クロノクロス引っ張り出すのもいいけど、2周やったデータがなくなったから、凹みすぎてできない。

 突発過ぎて稚拙なので多分ライブラリに再録はしません。人に感化されて書いたものって分かりやすくてダメだなあ。




はい、時間変わって月曜晩です。上までのは月曜になったばかりの深夜に書いてました。
そろそろ本屋を変えないとダメみたい、見たやつばっかり並べてんなよう。
呪怨で有名な大石の「処刑列車」、牧野修「屍の王」、森山東「お見世出し」、それから今年のプレゼントが気になってyonda文庫こと新潮文庫二冊。今年はyondaの金ぴかブックチャームらしい。この歳になってエミリィ・ブロンテ買っちゃうとはおもわなんだ。他に読むものがなかったというか半分以上読んでるからなあパンダー文庫は…

★大石圭「アンダー・ユア・ベッド」
なんかこの人の文あたしに合うぞ。面白い。
 恐怖らしい恐怖はなく、よく出来たドキュメンタリーのようでしたが起こってることは異常でした。ぶっちゃけ言うとホラーじゃないです。ああいるよねこういう人間、と頷くのが3ケース出てきて、どれも歯がゆくて殴って歩きたい気分でした。
 まとめは静かな感じで、暗さは伴っているものの破滅的というわけでもない。読後感はいい感じです。
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2005-07-10(Sun)  見えない未来◆ヒムロ
 将来、十文字は生きていれば企業勤務、戸叶は作家かサラリーマンかもしくはその両立をしてるんだと思うんですが、黒木がどうにも思いつかない。人と話すの好きそうだから営業かなあ、営業にしたって何を売るんだ、会社帰りに同僚と飲みに行く姿だけならありありと想像できるんですが肝心の仕事してる姿はあまり。
 3兄弟は高校卒業と共に進路バラバラになる気がします。十文字は大学進学、戸叶は就職、黒木はやっぱり分からない。専門学校行って整備士になったりしてたら結構萌えるけど。汗と油にまみれて働く男はいいものです。

 先週買って来た8冊+3冊のうち、しっかり7冊を読み切っています。残り4冊…厚い本、400頁を越えたら、2日に分けて読んだほうがいいのか。何にせよ今週末には読む本が無くなる計算なので、その前に本屋行かないと。ジャンプも3兄弟が熱いしね(微バレ)。萌えっ燃えですよ。

★貴志祐介「ISOLA〜13番目の人格〜」
 映画化されて6年?経ってる作品です。舞台が震災直後の阪神なので微妙に土地勘があってもにょ。西宮とか阪神電車とか特にもにょ。虎党が負けた時の虎電車は乗るのが怖い。出来上がったオッサン暴れないで。まあそこは個人の都合だから仕方ないとして。構成は淡々としたものですし芝居がかったところも凝ってるなあと思わせるところもありません。悪めに終わった感じはしますがバッドエンドといえるものでもなく。男性作家より女性作家のほうが肌に合っているのかもしれない。

本屋行ったら小池真理子と和田はつ子を探そう…

☆ぽちぽちと拍手有難うございます。無言でも反応があると嬉しい。
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2005-07-09(Sat) 
突然ですが死にネタ?です。暗くはないです。

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 ちりんと風鈴に似た音のドアベルを鳴らして、十文字が顔を出す。
「よう売れっ子、ゲンコー終わった?」
「まーだ。遊んでくんならお前もトーンくらい貼れよ」
「えー、だってお前注文細かいんだもん、素人にケズリを要求すんなよ」
「黒木よかはお前器用だろ」
「黒木と比べられたって嬉しかねえよ」
 がさりと袋を鳴らしてアイスの箱を出す。
「その代わり差し入れは持って来てやったんだからさ」
「また牛乳バーか。差し入れっつーか、お前が食いたいだけだろ」
 十文字は箱から一本出してお先にーと言って口に咥えた。口の中で溶かして食うのが好きなのだが、やらしいから普通に食えとよく言われる。
「マンガのネタにもなんじゃねえの」
「…したけど」
「早っ。で、どっちに?」
「……両方」
「うっわ、最低お前」
 十文字はからからと笑って、垂れたバニラの汁に舌を伸ばした。
「あーちくしょ、仕事になんねェ。俺にも一本」
「…俺としてはさ」
 十文字がバニラのバーを咥えたまま身を乗り出した。垂れた滴が手の甲に落ちた。
「先に、お前から一本欲しいとこなんだけど、冷たいのじゃなくて熱いほう」
「…あッついのに元気だな」
 溶けてとろとろになった残りの白い部分に舌を這わせる。棒を舐めて唇に辿り着くと、十文字が嬉しそうに笑う。
「だって、」



 眠ってしまったらしい、原稿は体の下でぐしゃぐしゃになり、一枚には涎が垂れている。ペン入れをする前でよかった。
(変な夢だったな)
 好きだった友達は19の時に死んだ。バイクでぶつかった大型トラックの下敷きになって、胸から下をぺちゃんこに潰された。葬式のときに見た棺は顔のところしか開いていなくて、体は見せられないと言っているようなものだった。
 その友達は夢の中で、今と同じ26の姿で出てきた。学生の頃にはなかった落ち着きを垣間見せて、相変らずの毒舌で。そして割に現実どおりの夢だった。今戸叶は男性向けのマンガを描いて生計を立てているし、先月描いたものの中ではアイスを小道具に使ったのも事実だ。
 彼の家庭事情は知っていたし、戸叶も一枚噛んでいる節はあった。父親に敵対するように彼を抱いた。好きだと思ったし、そうしたいと思った。彼の父親は戸叶を蛇蝎のように嫌ったし、戸叶もまた彼の父親を同じように排除しようとした。あまりに対立する二人に彼は、子供なんだからと曖昧に笑った。
 皮肉だ。戸叶の描く漫画は当たり外れが酷い。外れる物は純愛物で、好評を得るのは近親相姦、しかも父娘物が多かった。セックスの描写もさながら、心理描写が生々しいと。彼のせいだ。現に、今下敷きにしていた原稿も父娘物だ。あの人に見捨てられるのが怖いの、主人公の少女の台詞は彼が言ったものだった。
 気鬱になり、煙草に火を点けた。高校では止められた物が今は手放せない。今彼が言うなら止められるだろうか、きっと無理だと戸叶は自嘲的に笑った。
 ふいに携帯が鳴り、戸叶はまだ長い煙草を灰皿に押し付けた。担当からだった、打ち合わせる事があってこちらに来る途中だと言う。修羅場なのがわかっているからこんな距離まで連絡を入れなかったのだろうが、しかし忙しいのを分かっていて来る神経が信じられない。こちらが常に時間に多少の余裕を持って行動するのを知っているからだろうか。きっちり時間を守るようになったのも彼のせいだ、時間には煩かった。ただ煩いだけなら戸叶もムカついて反発するところだが、ある日彼がポツリと言った台詞が原因で時間だけはきっちり守るようになった。一緒にいる時間が減るだろ。
 あんな夢を見たからだ、変に彼のことばかり考えてしまう。もう一本煙草に火を点けようとするとチャイムが鳴った。担当だ。

 担当が持ってきたのは嬉しい話だった、連載が決まりかけているらしい。
「まあこれも父娘物になるんだけどね、連載となるからには解決まで作って欲しいというのが条件だね」
 秀逸な近親相姦と稚拙な純愛物が同居する漫画になるのか、どちらがどう読者の目に映るかは分かっている。ハッピーエンドよりはバッドエンドやネバーエンドを描くことが多かった戸叶にとって、大分ハードルが高くなったような気がする。
「そうだ、」
 灰皿に煙草の灰を落としながら担当が言った。
「さっきここんちの横の窓に、高校生くらいの男の子が張り付いてたよ。エロ漫画家が珍しいんだろうね」
「はあ」
「僕が見たらすぐ逃げてったけどね、きれいな顔だってのに顔にでっかい十字傷があったな」
 戸叶は顔を上げた。
「…もしかしてそいつ、色の薄い金髪でしたか」
「あ、君も見たことあるの?未成年に見せちゃダメだよー、と建前上はね」
 担当はハハ、と笑って煙草を咥えた。
 玄関を開けてそいつが張り付いていたという窓を見る。柵の下に、アイスの袋と棒が転がっていた。箱8本入りのアイスバー。
「どうかした?」
「いいえ」
 口の中に広がるのは、甘いバニラの味。
「連載、頑張ります」
「うわ、君が笑ったの初めて見たかも」
 今からでも救える、そうだアイスを買いに行こう。
 カレンダーは8月のスイカの柄を見せていた。

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 このくらいが、ライトテイストなホラーにありがちな話。
 みんなホラーを怖がらないで下さい。本気で怖いのはオカルトホラーのごく一部です。見つけるのも困難ですから。私でも発掘したの片手で足ります。
 軽いホラーを紹介しようとして書いたけど、本来盆辺りに出したほうがいいネタでした。
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2005-07-09(Sat)  やーばーいー◆ヒムロ
前回息抜きのつもりでうっかり女体書いたら、止まらなくなってきた。長めにするつもりのものは当分出来上がらないでしょうと。全体の構想は柔らかく、文になってる部分は15%ほどなんだもの。

少しずつ話は進んでますので、そろそろももいろ、なだけの色ではなくなってきたはず。
女体、生理の表現があります。苦手な方は自己責任においての判断をお願いします。

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 朝起きると、十文字がもう起きていて、風呂場でバシャバシャやっていた。シャワーにしては音が断続的だし、第一朝シャンなんぞ許可した覚えはない、こちとら赤貧学生だっての。風呂場のドアを開けると、マッパの十文字。
「何してんの、お前」
 振り向いた顔が、心なしか青ざめて見える。何やったんだ一体。
「…ごめん、汚したかも」
 汚したかも、十文字はそう言って立ち上がった。ああそうだ、女だもんな。
 白い太腿の内側を、蛇のように赤黒い血が筋となって流れていた。初めてだし、本来なら体験しないはずの物だ。冷えた頬にキスをして、助けを呼ぶよと言うと少しだけ十文字は笑った。
『ハァ!?』
「お前んちねーちゃんいたろ、生理用品かっぱらって来い!」
『ヤだよねーちゃんに殺される!』
「だったらコンビニで買って来い、出来ればショーツもな」
 ケータイの向こうが黙る。
「十文字がな。来ちゃったって」


 黒木がチャリで駆けつけてくれたので、とりあえずコンビニで買って来た(やはりねーちゃんには勝てなかったらしい)だっせぇショーツとナプキンを十文字に渡す、やり方わかんねえって言われたって、俺もわかる訳ねえだろ。
「だーからこうやって広げて、当てんの。羽はこうショーツの縁にくるっと回してだな」
「黒木何でわかんの」
「…女所帯で育つとこーなんのよ」
 黒木は複雑そうに言って、十文字のショーツを引き上げた。十文字は青い顔でぐったりして、大人しく黒木に寄りかかっている。
「あったかいもん食って、大人しくしときゃすぐだよ。な?」
 何がな?なんだか判らないが、黒木に撫でられて十文字は力なく頷いた。
「腹痛い…」
「メシ食ったら鎮痛剤やるから」
 確か頭痛薬に月経による生理痛にも効能があるとか書かれてた筈だ。乳が張って痛いと言うのでブラジャーはなしで、パイル地のジップアップのパーカーを着せる。大人しくしときゃ乳はそうそう揺れないはずだ。
 インスタントのパスタスープを食べさせ、鎮痛剤を飲ませて、黒木のチャリで学校に行かせた後、ふと思い出して布団を覗くと、べったりと赤い跡がついていた。シーツとカバーをつけ洗いにして、布団はもう諦めたほうがいいかもしれない、安いやつでいいから十文字に買わせようと思った。

 あらかじめメールで連絡しておいたので、マネはいつもより早くに来てくれた。
「気分、悪い…」
「タオルケット持ってきたから、横になってなよ、ね?あったかくして大人しくしてるのよ」
 まるで黒木と同じことを言う。
「ナプキンはこまめに換えてね、…」
 そこまで言って、俺たちはそこまで聞いて気が付いた。部室にはトイレがない。
「戸叶…どうしよう…」
 そんな泣きそうな顔するな。
「朝錬終わったら、一旦かえろ。な?終わるまでウチで寝てたらいいから」
 家にだって三角コーナーなんかないけど、汚物くらいコンビニの袋に入れるなりの対処くらいは十文字にも出来るだろう。
 そこへ栗田がランニングから帰ってきた(奴の場合これが朝イチということではないと思う)。
「十文字君、具合悪いの?」
「ああ、朝練終わったら一旦ウチに帰すから」
 オレンジのパーカーを着た十文字は、色の相乗効果でか蒼白に見える。栗田は心配そうに覗き込んだ。
「でも戸叶君ち、遠いでしょ?よかったらウチにおいで、歩いて十分くらいだから」
 寺の若衆に電話すれば迎えに来てくれるから、戸叶君も授業サボらなくていいよ。そう言いながら返事も待たずにケータイを取り出す。
「そんで、いいか」
「うん」
 ベンチにタオルケットで寝るより、ちゃんとした布団を用意してもらって寝たほうがずっといいのは十文字にも判っているらしい。
「うん、だからお布団とお粥、用意してあげてね。うん、お願い」
「寺って、女人禁制じゃないの」
「まあ、確かにうちには男衆しかいないけどね。あ、大丈夫だよ、具合悪い女の子襲うほど作法なってない訳じゃないから」
 あっけらかんとそんなことを言われて、場がしんとなる。十文字は漸く、はあ、とだけ曖昧に返事した。それに強いもんね十文字君、と栗田は言ったが、今の十文字が力なんて入らないのは見たら判る。
 結局、やはり十分経って朝練中に迎えに来た坊主見習いを、十文字本人に止められるほど黒木と二人してたっぷり脅し、栗田の家に預けた。ちらちらこっちを振り返って歩いていく姿はまるでドナドナだった。

 二限目が始まってから気が付いたが、…そういや、ヒトんち預けるのにノーブラはやばかったか。


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★貴志祐介「クリムゾンの迷宮」
 えーと、これ、ホラーじゃないですよね。サスペンスですよね。食人行為くらいでギャーギャー言ってたらあたしなんてどうなるよ、ホラーワールドの住人ということになってしまう(いやあたしが食ってるということでなくてですね)。貴志はまだ「ISOLA」買ってあるんですが、こんな調子じゃ読むのがとても億劫です。「天使の囀り」は買ってなくてよかったかも。
★岩井志麻子「岡山女」
 ホラーとかこつけたファンタジーですね。ほんとにこの作者、明治大正の岡山しか書く気ないな。前作「ぼっけえ、きょうてえ」のほうがよほどホラーらしかったし印象深かったです。
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