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折々の記 2009 @

【心に浮かぶよしなしごと】

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【 03 】01/21

  01 21 オバマ氏大統領に就任
  01 22 緒方洪庵(その時歴史が動いた)

01 21(水) オバマ氏大統領に就任

日本時間の午前1時30分、NHKのTVでアメリカ第44代大統領オバマ氏の就任演説が放映されました。

約20分間の演説は、てらいはなく姿勢は端正、原稿やメモはなく堂々としていました。 聴衆は耳をかたむけ眼を輝かせて聴き入って、眼には涙を浮かべるものもあり諸手をあげて賞賛し感動したと、有働さんが伝えておりました。

きのう参議院での予算審議の国会で石井一(はじめ)氏が麻生総理の国会開始の演説の原稿をもってきて、その中の普段使わない漢字を十数個書き出して、自分で作った原稿でもないものと揶揄していました。(この揶揄という漢字もありました。麻生総理はこの漢字を書きなさいといわれたとき、直ぐ書けるのでしょうか)

政治姿勢がこうも異なるのか、唖然とします。(もちろん私は唖然という漢字は直ぐ書けません。PCだから文字として出てきます)

はじめて、黒人の大統領をアメリカは選んだのです。 アメリカのやり方は「ネオコン」「一国主義」と批判され、国際間ではわがままな振る舞いが多かった。 国内の人たちもそんな様子がわかってきていたと思います。

 

     現在位置:asahi.com>ニュース>国際>北米>記事  2009年1月21日2時29分
   オバマ大統領就任演説〈要旨〉(1/2ページ)

 きょう私は、私たちが負う職務の前に謙虚になり、あなた方が与えてくれた信頼に感謝し、先祖が払ってきた犠牲に心を留めながら、ここに立っている。これまで(私を含め)44人の米国人が大統領の宣誓をしてきたが、それはしばしば雲が集まり、嵐が吹き荒れる中で発せられてきた。そのような時に米国が生きながらえてきたのは、指導者の巧みさや思想だけによってではなく、国民が先人の理想に誠実で、(独立宣言などの)建国時の文書に忠実だったからだ。

 私たちは危機に瀕(ひん)している。我が国は暴力と敵意のネットワークに対する戦争状態にあり、経済はひどく衰弱している。この難問は現実のものだ。深刻で数も多い。短期間で簡単には対処できない。しかし、アメリカよ、それは解決できる。

 きょう、私たちは恐怖より希望を、対立と不和より目的を共有することを選び、集まった。私たちは、つまらない愚痴と口約束を終わらせると宣言する。政治を縛ってきた古びた教義を終わらせると宣言する。

 私たちは今なお若い国だ。しかし、不朽の魂を再確認し、よりよい歴史を選び、何世代にもわたって受け継がれてきた気高い理念を前進させる時が来たのだ。米国の偉大さは決して神から与えられるものではなく、獲得するものなのだ。

 先人らは、私たちがよりよい生活を得られるようにと奮闘し、犠牲になった。私たちは今日も、この旅を続けている。私たちは地球上で最も繁栄した、強力な国であり続けている。私たちは元気を出し、もう一度自分を奮い立たせて、アメリカを再生する仕事を始めなければならない。

 我が国の経済は、力強く迅速な行動を求めている。新たな仕事を創出するだけではなく、成長のための新たな基盤を築かなければならない。経済を活性化させるために、道路や橋を造り、配電網を整備しよう。科学技術の奇跡をヘルスケアの質向上やコスト削減のために利用しよう。そして太陽や風を、車や工場の燃料に転換しよう。学校、大学を新しい世の中の要請に応じたものに作り替えていこう。これらすべてのことを私たちならできる。私たちは実行する。計画が多く、大きすぎて、私たちの組織では達成不可能だ、と疑う人がいる。そうした人たちは忘れているのだ。これまで我が国が成し遂げてきたことを。問題は、政府が大きすぎるか、小さすぎるかではなく、政府が機能するかどうかだ。

   オバマ大統領就任演説〈要旨〉(2/2ページ)

 ファシズムと共産主義に対抗するために、私たちの先人たちは武器を手にしただけではなく、頼もしい同盟国と固い信念に支えられた。彼らは力だけが我が国を守ったのではないことを知った。

 私たちはその遺産を受け継いでいる。世界の国々との、より偉大な協力と理解のもとに、責任ある形でイラクから撤退し、アフガニスタンの平和のために働こうとしている。また古くからの友好国、かつての敵対国とともに、核の脅威を減らし、地球温暖化の悪夢を払うべくたゆまぬ努力を惜しまないだろう。

 テロを起こし罪のない人々を殺りくしようとする者に対し、私たちは言おう。いま私たちの精神はさらに強まり、くじけることはない。先に倒れるのはおまえたちだ。私たちは必ずおまえたちを打ち負かす。

 米国は、キリスト教徒、イスラム教徒、ユダヤ教徒、ヒンドゥー教徒、そして無宗教者からなる国家だ。(宗教、言語、文化の)寄せ集めの伝統は、弱さではなく、強さの証しだ。私たちは、南北戦争と人種隔離という苦い経験を踏まえ、暗黒時代から脱出してより強く、より結束したがゆえに、旧来の敵意はいつか過ぎ去ると信じる。世界がより小さくなるにつれて、共通の博愛が姿を表すだろう。そして、アメリカは、新たな平和の時代を先導する役割を果たさなければならない。

 イスラム世界に対して、私たちは、共通の利益と相互の尊敬という理念に基づき、新しいやり方を目指す。貧しい国の人々に対しては、農園を豊かにし、清潔な水を流し、飢えた体と心をいやすためにあなた方とともに動くことを約束する。

 私たちはもはや、国外の苦難に無関心でいることは許されないし、また影響を考えずに世界の資源を消費することも許されない。世界が変化したのだから、私たちも変化しなければならない。

 挑戦は新たなものかもしれない。だが、私たちの成否を左右するのは昔と変わらぬ勤労と誠実さであり、勇気と公正さであり、忍耐と好奇心であり、忠誠と愛国心である。これが真理だ。私たちの歴史を通じて、前進の静かな力となってきた。求められているのは、こうした真理に立ち戻ることである。今、私たちに求められているのは、新たな責任の時代である。それは私たちが、自分たち自身や国、世界に対して義務を負っていると認識することである。嫌々ではなく、むしろ喜んでつかみ取るべき義務だ。私たちは、難題にすべてをなげうつことほど魂を満たし、私たちの人格を特徴づけるものはないと確信している。

 これは市民権の対価と契約である。不確かな運命を形作るための知恵であり、信頼の源である。すべての人種と宗教の男性や女性、子供たちがこの場で共に祝えることが、我々の自由と信念の意味するところである。

 アメリカよ。共通の危機を前にしたこの困難な冬に、私たちに不朽の言葉を思い出そう。希望と美徳をもって、冷え切った流れや嵐に耐える勇気をもう一度持とう。そして私たちの子供たちの子供たちに語らせよう。試練のときに私たちはこの旅の終わりを拒み、ひるまず、地平線に目を据えたまま、自由という偉大な贈り物を発展させて、次世代に確かに届けた、と。


●きょうは習字の新年会でした。 


   この方は生前、誰を愛し、誰に愛されたでしょうか。誰かに感謝されたことがあったでしょうか。

                   天童荒太著「悼む人」より
                         平成二十一年正月    水鏡


皆さんに色紙額を差し上げました。

01 22(木) 緒方洪庵(その時歴史が動いた)

ゆうべ 10:00 から、

   その時 歴史が動いた「アンコール 天然痘との闘い〜緒方洪庵・医は仁術なり〜」

の放映があった。 次のURLの解説部にある天然痘最古のものと言われるミイラの画像が出ていた。

知徳体の知識を深めていくと、人のためになる真実に出会って、その真実を基に工夫を重ねて、役立つ手立てを創りだすことになる。 これが五箇条の御誓文の五番目の誓文………
  

   一  智識ヲ世界ニ求メ大ニ皇基ヲ振起スヘシ


の基盤になっている考え方でしょう。

世情の変態は急を告げていようとも、これは複数を対象とした世界である。 単数を対象とした為すべきことは知徳体の練成です。 そう思慮したとき、この緒方洪庵の足跡には学ばなくてはならないことが多い。

● つぎのサイトは参考になる。

  http://www.ogata-shunsaku.com/history.html    天然痘関係歴史略年表
    B.C 1100 エジプトのラムセス5世のミイラの顔面に、天然痘の病変と思われる痕跡が見られる。
    天然痘が存在していたことを示す最古のものである。 (この画像は次のURLの2頁目に出ています)

  http://idsc.nih.go.jp/disease/smallpox/1smallpox.pdf    天然痘根絶 歴史と疫学
    天然痘と人類の歴史 ? 568年にメッカで起こったElephant戦争では,エチオピア兵が天然痘により全滅した.
    天然痘の歴史 1967年の状況 ・31カ国で蔓延 ・ 推定症例数1000?1500万人.

● 緒方洪庵  検索では「http://www.geocities.jp/bane2161/ogatakouan.html」がよい。

岡山県指定史跡 緒方洪庵誕生地 (説明板より)        【右の写真は緒方洪庵誕生地(岡山市足守)】

緒方洪庵(1810〜1863年)は、江戸時代後期の蘭学者、教育者。
文化7年(1810)、備中足守藩士佐伯惟因の三男として、この地で生まれた。
15歳の時、大阪の蘭方医、中天游の門に入って蘭学をはじめ、文政13年(1830)、江戸に下り坪井信道の蘭学塾に入った。
また、天保7年(1836)には長崎に遊学し、オランダ商館長らから医学や西洋事情について学んだ。
洪庵29歳の時、医業の傍ら蘭塾「適適斎塾(適塾)」をを大阪に開き、福沢諭吉大村益次郎佐野常民橋本左内ら多くの門弟を育てた。
また、洪庵はオランダ人によって伝えられた種痘に成功した。
そして、嘉永3年(1850)には足守藩主木下利恭の招きに応じて、足守の除痘館で種痘を施した。
近隣を含めてその数500人に及んだと伝えられている。
緒方洪庵には「扶氏経験遺訓」や「病学通論」など翻訳、著述が多数あり、近代医学への貢献は計り知れない。
この生家跡は、指定面積686平方メートル、中央に顕彰碑が建つ。
この顕彰碑下には洪庵の臍の緒、元服の時の遺髪が埋められているという。

平成9年10月
岡山市教育委員会

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● 朝日新聞

  第一面記事

  「新たな責任の時代」
      オバマ大統領就任演説
         米国再生へ協力訴え

【ワシントン=小村田義之】米国が歴史を一つ塗り替えた。 民主党のバラク・オバマ前上院議員(47)は20日正午(日本時間21日午前2時)、連邦議会議事堂前での就任式で、米史上初のアフリカ系(黒人)の第44代大統領に就任した。 オバマ氏は就任演説で「今求められているのは、新たな責任の時代だ」と述べ、米国の再生に向けて米国民一人ひとりの協力を求めた。

200万人以上の大群衆を前にオバマ氏は、歴代の大統領がしばしば危機の時代に就任の宣誓をしてきた、と指摘。 「そのような時を米国が耐え抜いてきたのは、国民が先人の理想に忠実で(独立宣言などの)建国時の文書に忠実だったからだ」と述べ、テロ対策を何より優先させたブッシュ政権時代に傷ついた米国の伝統的な価値観への回帰を呼びかけた。

米国の現状については「われわれは危機のさなかにいる。 わが国は戦時下にあり、経済はひどく疲弊している」との認識を表明。 「この難問は現実のものだ。 短期間では解決できない。 しかし、乗り切ることはできる」と語った。

オバマ氏は「私たちは自らを奮い立たせ、アメリカを再生すする仕事に取りかからなければならない」と呼びかけた。 さらに「今求められているのは、新たな責任の時代だ。 それは、一人ひとりの米国人が、私たち自身と我が国、世界に対する責任があると認識することだ」と述べ、米国の再生の作業への自覚と参加を求めた。

一方、世界との関係については「米国は再び主導する役割を果たす用意がある」と宣言。 またイラク駐留米軍の撤退と、アフガニスタンの平和構築に努力する意向を示した。 テロリストに対しては「先に倒れるのは君たちだ。 私たちは必ず君たちを打ち負かす」と強い姿勢を強調した。

「米国は新たな平和の時代を導く役割を果たさなければならない」とも語った。 そのうえで「イスラム世界に対して、私たちは共通の利益と相互の尊敬という理念に基づき、新たな道を模索する」と宣言。 穏健派イスラム世界との関係構築に意欲を示した。 一方で「紛争の種をまく指導者」に対しては「握りしめたその拳を開くのなら、私たちは手を差し伸べよう」と態度の変化を促した。

オバマ夫妻は20日午後、就任パレードに参加。 リムジンを降り、観衆に手を振りながら歩く場面もあり、人々が大歓声をあげて迎えた。


天声人語   2009年1月22日

 モハメド・アリ氏の、選手時代の逸話を思い出した。まだカシアス・クレイの名前だった若いころ、ローマ五輪のボクシングで金メダルを獲得して意気揚々と帰郷した▼祝賀会のあと友人とレストランに行った。だが「黒人はお断りだ」と追い払われる。彼は怒りに震えてメダルを川に投げ捨てた。脚色された「伝説」と言われもするが、オバマ大統領の生まれたころに黒人が置かれていた、隠れもない現実である▼「つい60年ほど前はレストランで食事もさせてもらえなかったかもしれぬ父を持つ男がいま、あなた方の前に立っている」。黒人初の大統領は就任演説で述べた。奴隷制以来の過酷な差別を思えば、「大統領になったことが最大の仕事」の声が上がるのもうなずける▼それは、自由と平等をかかげた建国の理想の体現だった。だがその「大仕事」はきのうで終わり、今日からは容赦のない現実が待つ。膨らむ期待は、世界に満ちる不平、不満、不幸の裏返しにほかならない。さらに不安、不信、そして不穏。「不」が渦巻く荒海への、いわば船出である▼米国の大統領とは、多種多様な国民が、その時代に求める「かくあらねばならないアメリカ」の象徴といえる。首のすげかえといったお手軽な話ではない。そして期待の横で常に、失望が深々と口を開けている▼歴史的な就任式にはアリ氏の姿もあったそうだ。メダルの一件以来、人生をかけて差別と闘ってきた人である。人種問題を乗り越え、さらなる困難に旅立つオバマ氏に、大きなエールを送ったに違いない。


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オバマ大統領就任演説全文 2009年1月21日9時21分

  難題 解決できる
     
@ 市民のみなさん

〈1〉(1/2ページ)
 市民のみなさん(註1)。  きょう私は、私たちの前にある職務に謙虚な心を持ち、あなた方から与えられた信頼に感謝し、先人が払ってきた犠牲に心を留めながら、ここに立っている。 ブッシュ大統領の我が国に対する貢献と、政権移行期に見せた寛大さと協力に感謝したい。

 これで(私を含め)44人の米国人が大統領の宣誓をしたことになる(註2)。 宣誓は、繁栄の高まりや平和な時にも行われてきた。 だが、多くは、雲が集まり、嵐が吹き荒れる中で行われた。 そのような時を米国が耐え抜いてきたのは、指導者の技量や洞察力だけによってではなく、「我ら合衆国の人民」(註3)が先人の理想に誠実で、(独立宣言など)建国の文書に忠実だったからだ。

 これまではそうだった。そして、この世代の米国人もそうあらねばならない。

 私たちが危機のさなかにあるということは、いまやよくわかっている。 我が国は暴力と憎悪の大規模なネットワークに対する戦争状態にある。 経済はひどく疲弊している。 それは一部の者の強欲と無責任の結果だが、私たちが全体として、困難な選択を行って新しい時代に備えることができなかった結果でもある。

 家が失われ、雇用は減らされ、企業はつぶれた。 医療費は高すぎ、学校は、あまりに多くの人の期待を裏切っている。 (石油などを大量消費する)私たちのエネルギーの使用方法が敵を強大にし地球を脅かしていることが、日に日に明らかになっている。

 これらは、データと統計で示される、危機の指標だ。 測定はより困難だが同様に深刻なのは、米全土に広がる自信の喪失だ。 それは、米国の衰退が不可避で、次の世代は目標を下げなければいけないという、つきまとう恐怖だ。

 これらの難問は現実のものだ。 深刻で数も多い。 短期間で簡単には対処できない。 しかし、アメリカよ、それは解決できる。

〈1〉(2/2ページ)
 今日、私たちは恐怖より希望を、対立と不和より目的を共有することを選び、ここに集まった。 今日、私たちは、長らく我が国の政治の首を絞めてきた、狭量な不満や口約束、非難や古びた教義を終わらせると宣言する。

 米国はなお若い国だ。 しかし、聖書の言葉を借りれば、子供じみたことはやめる時が来た。 不朽の魂を再確認し、よりよい歴史を選び、世代から世代へ受け継がれてきた貴い贈り物と気高い理念を前進させる時が来たのだ。 それは、すべての人は平等かつ自由で幸福を最大限に追求する機会に値するという、神から与えられた約束だ。

 米国の偉大さを再確認する上で、私たちはその偉大さは所与のものではないと理解している。 それは、自ら獲得しなければならないものだ。 私たちの旅に近道はなく、途中で妥協することは決してなかった。 仕事より娯楽を好み、富と名声の快楽だけを求めるような、小心者たちの道ではなかった。

 むしろ、(米国の旅を担ってきたのは)リスクを恐れぬ者、実行する者、生産する者たちだ。 有名になった者もいたが、多くは、日々の労働の中で目立たない存在だった。 彼らが、長く険しい道を、繁栄と自由に向かって私たちを運んでくれたのだ。

 私たちのために、彼らはわずかな財産を荷物にまとめ、新しい生活を求めて海を越えた。

 私たちのために、彼らは汗を流して懸命に働き、西部を開拓した。 むち打ちに耐え、硬い土を耕した。

 私たちのために、彼らは(独立戦争の)コンコードや(南北戦争の)ゲティズバーグ、(第2次世界大戦の)ノルマンディーや(ベトナム戦争の)ケサンで戦い、命を落とした。

 彼らは、私たちがより良い生活を送れるように、何度も何度も奮闘し、犠牲を払い、手がひび割れるまで働いた。 彼らは、米国を個人の野心の集まりより大きなもの、出自の違いや貧富の差、党派の違いよりも偉大なものだとみていたのだ。

(註1) 市民のみなさん(My Fellow Citizens) 初代大統領ワシントンが1789年4月30日の第一回就任式で
    「上下院に集う市民のみなさん」と呼びかけて演説を始めた。 多くの大統領が踏襲してきた。
(註2) 過去の大統領の人数 オバマ氏側の勘違い。 オバマ氏は第44代だが、実際は第22代クリーブランド
     大統領がいったん落選した後、4年後に返り咲き、第24代として宣誓しているため、これまでに
     大統領になった米国人は43人。
(註3) 「我ら合衆国の人民」(We the people) 合衆国憲法前文の書き出しを示している。

  米国再生へ行動
     
A 二者択一を拒絶

〈2〉(1/2ページ)
 これが、私たちが今日も続けている旅だ。 私たちは地球上で最も繁栄した、強力な国であり続けている。 私たちの労働者は、この(経済)危機が始まったときと比べ、生産性が落ちたわけではない。 先週、先月、昨年と比べ、私たちの創造性が低くなったのでもなければ、私たちの商品やサービスが必要とされなくなったのではない。 私たちの能力は衰えていない。 ただ、同じところに立ち止まり、狭い利益を守り、不快な決断を先延ばしする時代は明らかに過ぎ去った。 私たちは今日から、自らを奮い立たせ、ほこりを払い落として、アメリカを再生する仕事を、もう一度始めなければならない。

 あらゆるところに、なすべき仕事がある。 経済状況は、力強く迅速な行動を求めている。 私たちは行動する。 新たな雇用を創出するだけではなく、成長への新たな基盤を築くためにだ。 商業の糧となり、人々を結びつけるように、道路や橋、配電網やデジタル回線を築く。 科学を本来の姿に再建し、技術の驚異的な力を使って、医療の質を高め、コストを下げる。 そして太陽や風、大地のエネルギーを利用し、車や工場の稼働に用いる。 新しい時代の要請に応えるように学校や大学を変革する。 これらすべては可能だ。 そしてこれらすべてを、私たちは実行する。

 私たちの志の大きさに疑念を抱く人がいる。 我々のシステムではそんなに多くの大きな計画は無理だ、と言うのだ。 だが、そうした人たちは忘れるのが早い。 これまで我が国が成し遂げてきたこと、そして、共通の目的や勇気の必要性に想像力が及んだとき、自由な人々がどんなことを成し遂げられるかを、忘れているのだ。

〈2〉(2/2ページ)
 皮肉屋たちは、彼らの足元の地面が動いていることを知らない。 つまり、これまで私たちを消耗させてきた陳腐な政争はもはや当てはまらない。 私たちが今日問わなくてはならないことは、政府が大きすぎるか小さすぎるか、ではなく、それが機能するかどうかだ。 まっとうな賃金の仕事や、支払い可能な医療・福祉、尊厳をもった隠退生活を各家庭が見つけられるよう政府が支援するのかどうかだ。 答えがイエスならば、私たちは前に進もう。 答えがノーならば、政策はそこで終わりだ。 私たち公金を扱う者は、賢明に支出し、悪弊を改め、外から見える形で仕事をするという、説明責任を求められる。 それによってようやく、政府と国民との不可欠な信頼関係を再建することができる。

 市場が良い力なのか悪い力なのかも、問われていることではない。 富を生みだし、自由を広めるという市場の力は、比類なきものだ。 しかし、今回の(経済)危機は、市場は注意深く見ていないと、制御不能になるおそれがあることを、私たちに思い起こさせた。 また、富者を引き立てるだけでは、国は長く繁栄できない、ということも。 私たちの経済的な成功は、国内総生産(GDP)の規模だけではなく、繁栄がどこまで到達するかに常に依存してきた、つまり、意欲のある人にどれだけ機会を広げられたかだ。 慈善心からではなく、それが、私たちの共通の利益への最も確実な道筋であるからだ。

 国防について、私たちは、安全と理想の二者択一(註4)を拒絶する。 米国の建国の父たちは、私たちが想像できないような危険に直面し、法の支配と人権を保障する憲章を起草した。 これは、何世代もが血を流す犠牲を払って発展してきた。 この理想はいまも世界を照らしているし、私たちは便宜のために、それを捨て去ることはない。 大国の首都から、私の父が生まれた小さな村(註5)まで、今日、(式典を)見ている他国の人々や外国政府のみなさんに知ってほしい。 米国は、将来の平和と尊厳を求めるすべての国家、男性、女性、子供の友人であり、再び主導する役割を果たす用意があることを。

(註4) 安全と理想の二者択一(choice between our safety and our ideals) ブッシュ政権が対テロ
     戦争の下で、グアンタナモ収容所での無期限収容やイラク・アブグレイブ刑務所での拷問、礼状
     なし盗聴といった措置を、安全を優先するためには米国の理想からの逸脱もやむをえないという
     姿勢を見せてきたことへの批判だ。 ここでの「法の支配と人権を保障する憲章」(a charter to
    assure the rule of law and the rights of man)とは合衆国憲法を示す。
(註5) 父が生まれた小さな村 オバマ氏の亡くなった父親はケニア西部コゲロ村で生まれ育ったルオ族
     だった。

  私たちの多様性 強み
     
B 手をさしのべる

〈3〉(1/3ページ)
 先人たちがファシズムと共産主義を屈服させたのは、ミサイルや戦車によってだけではなく、頼もしい同盟国と強固な信念によってでもあることを思い起こしてほしい。 彼らは自らの力だけが自分たちを守ったのではないことも、その力が、自分たちが好きなように振る舞う資格を与えたのでもないことを理解していた。

 その代わりに先人たちは、自らの力は慎重に使うことで増大し、自らの安全は、大義の正しさ、模範を示す力、謙虚さと自制心から生まれると知っていた。

 私たちはその遺産の継承者だ。 いま一度こうした原理に導かれることにより、私たちはより厳しい努力、つまり、より強固な国際的協力と理解を必要とする新たな脅威にも立ち向かうことができる。

 私たちは、責任ある形でイラクをその国民の手に委ねる過程を開始し、アフガニスタンの平和構築を始める(註6)。 また古くからの友好国とかつての敵対国とともに、核の脅威を減らし、地球温暖化の恐れを巻き戻す不断の努力を行う。

 私たちは、私たちの生き方を曲げることはなく、それを守ることに迷いもしない。 自分たちの目的を進めるためにテロを引き起こし、罪のない人々を虐殺しようとする者に対し、私たちは言おう。 いま私たちの精神は一層強固であり、くじけることはない。 先に倒れるのは君たちだ。 私たちは君たちを打ち負かす。

 なぜなら、私たちの多様性という遺産は、強みであり、弱点ではないからだ。 私たちの国はキリスト教徒、イスラム教徒、ユダヤ教徒、ヒンドゥー教徒、そして無宗教者からなる国家だ。 世界のあらゆる所から集められたすべての言語と文化に形作られたのが私たちだ。

〈3〉(2/3ページ)
 私たちは、南北戦争と人種隔離という苦い経験をし、その暗い歴史の一章から、より強く、より結束した形で抜け出した。 それがゆえに、我々は信じる。 古い憎悪はいつか過ぎ去ることを。種族的な境界は間もなく消え去ることを。 世界がより小さくなるにつれて、共通の人間性が姿を現すことを。 そして、アメリカは、新たな平和の時代を導く役割を果たさなければならないことを。

 イスラム世界に対して、私たちは、共通の利益と相互の尊敬に基づき、新たな道を模索する。 紛争の種をまき、自分の社会の問題を西洋のせいにする国々の指導者に対しては、国民は、破壊するものではなく、築き上げるものであなたたちを判断することを知るべきだと言いたい。

 腐敗と謀略、反対者の抑圧によって権力にしがみついている者たちは、歴史の誤った側にいることに気づくべきだ。 そして、握りしめたそのこぶしを開くのなら、私たちが手をさしのべる(註7)ことを知るべきだ。

 貧しい国の人々に対しては、農場を豊かにし、清潔な水が流れるようにし、飢えた体と心をいやすためにあなた方とともに働くことを約束する。

 そして、米国同様に比較的豊かな国には、私たちはもはや国外の苦難に無関心でいることは許されないし、また影響を考えずに世界の資源を消費することも許されない、と言わなければならない。 世界が変わったのだから、それに伴って私たちも変わらなければならない。

 私たちの目の前に伸びる道を考えるとき、つつましい感謝の気持ちとともに、いまこの瞬間にもはるかな砂漠や山々をパトロールしている勇敢な米軍人たちのことを思い起こす。

〈3〉(3/3ページ)
 アーリントン国立墓地に眠る戦死した英雄たちの、時代を超えたささやきと同じように、彼らには、私たちに語りたいことがあるはずだ。 私たちが彼らに敬意を表するのは、彼らが私たちの自由の守護者だからというだけでなく、彼らが奉仕の精神の体現者、つまり自分自身より大切なものに意味を見いだそうとしているからだ。 そして今、一つの時代が形作られようとしている今、私たちすべてが抱かなければならないのがこの精神だ。

 なぜなら、政府はできること、しなければならないことをするにせよ、この国が依存するのは、究極的には米国人の信頼と決意であるからだ。 最も難しい局面を乗り切るのは、堤防が決壊した時に見知らぬ人を招き入れる親切心であり、友人が仕事を失うのを傍観するよりは自分の就業時間を削減する労働者の無私の心だ。 煙が充満した階段に突っ込んでいく消防士の勇気、子どもを育てる親の献身の気持ちが、私たちの運命を最終的に決める。

(註6) 責任ある形のイラク撤退(responsibly leave Iraq to its peaple) オバマ氏はイラクから
     16ヶ月以内に駐留米軍の戦闘部隊の大半を撤退させると公約。 アフガンについては、テロ
     との戦いの主戦場と位置づけ、米軍を増派させる。
(註7) 手をさしのべる(extend a hand) オバマ氏は、イランや北朝鮮などの敵対的な国家の指導者
     とでも、それが米国の国益にかなうものならば、米国が指定したタイミングで前提条件なし
     で会うことも辞さない、と公約してきた。

  世界に対し責務ある
     
C 新たな挑戦

〈4〉
 私たちの挑戦は新しいものかもしれない。 立ち向かう手段も新しいものかもしれない。 だが、成否を左右する価値観は、勤労と誠実さ、勇気と公正さ、寛容と好奇心、忠誠と愛国心、といったものだ。 これらは古くから変わらない。 そしてこれらは真理だ。 私たちの歴史を通じて、これらは前に進む静かな力となってきた。 必要なのは、こうした真理に立ち返ることだ。 今私たちに求められているのは、新たな責任の時代だ。 それは、一人ひとりの米国人が、私たち自身や我が国、世界に対する責務があると認識することだ。 その責務は嫌々ではなく、むしろ困難な任務にすべてをなげうつことほど心を満たし、私たち米国人を特徴づけるものはないという確信のもとに、喜んで引き受けるべきものだ。

 これが市民であることの代償と約束である。 これが、不確かな行き先をはっきりさせることを神が私たちに求めているという、私たちの自信の源でもある。 これが、私たちの自由と信念の意味だ。 なぜあらゆる人種と信仰の男性と女性、子供がこの広大な広場に集い、共に祝えるのか。 そしてなぜ、60年足らず前だったら地元のレストランで食事をさせてもらえなかったかもしれない(註8)父を持つ男が、(大統領就任の)神聖な宣誓のためにあなたたちの前に立つことができるのか、ということだ。

 さあ、この日を胸に刻もう。 私たちが何者で、どれだけ遠く旅をしてきたかを。 建国の年、最も寒い季節に、いてついた川の岸辺で消えそうなたき火をしながら、愛国者の小さな集団が身を寄せ合っていた。 首都は放棄された。 敵が進軍していた。 雪は血で染まっていた。 独立革命の行く末が最も疑問視されていたとき、建国の父は広く人々に次の言葉が読み聞かされるよう命じた。

 「将来の世界に語らせよう。 厳寒のなか、希望と美徳だけしか生き残れないとき、共通の危機にさらされて米全土が立ち上がったと」(註9)

 アメリカよ。 共通の危機に直面したこの苦難の冬の中で、時代を超えたこの言葉を思い出そう。 希望と美徳をもって、いてついた流れに再び立ち向かい、どんな嵐が来ようと耐えよう。 私たちの子供たちのまた子供たちに、私たちは試練のときに、この旅が終わってしまうことを許さなかった、と語られるようにしよう。 私たちは後戻りも、たじろぎもしなかったと語られるようにしよう。 そして、地平線と神の恵みをしっかり見据えて、自由という偉大な贈り物を受け継ぎ、未来の世代にそれを確実に引き継いだ、と語られるようにしよう。 =おわり

(註8) 人種隔離政策(segregation) 公民権運動によって撤廃されるまで、米国南部では有色人種は
     飲食店から学校にいたるまで白人用の場所には入れないという法律が横行していた。
(註9) 愛国者の小さな集団(a small band of patriots) ジョージ・ワシントンらが1776年12月、
     英国軍への反撃に成功したトレントン・プリンストンの戦いに打って出る直前の状況を示し
     ている。 引用文は、独立宣言への源流を形作った政治パンフレット「コモン・センス」を
     出版したことで知られるトマス・ペインの文章「アメリカの危機」(The American Crisis)から。
     ワシントンはこれを読ませ士気を鼓舞した。

全体の演説の長さ
    オバマ氏の演説は約21分で終わった。 大統領就任演説としては短め。 過去最短記録はワシントン
    の二度目の就任式(1793年)で、135語だけ。 最長は1841年の第9代ハリソン大統領で、約2時間。
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Full text of Obama's inaugural address (Pt.1)

The following in the inaugural address of Barack Obama, who took the oath as the 44th president of the United States on Tuesday.

My fellow citizens:

I stand here today humbled by the task before us, grateful for the trust you have bestowed, mindful of the sacrifices borne by our ancestors. I thank President Bush for his service to our nation, as well as the generosity and cooperation he has shown throughout this transition.

Forty-four Americans have now taken the presidential oath. The words have been spoken during rising tides of prosperity and the still waters of peace. Yet, every so often the oath is taken amidst gathering clouds and raging storms. At these moments, America has carried on not simply because of the skill or vision of those in high office, but because We the People have remained faithful to the ideals of our forbearers, and true to our founding documents.

So it has been. So it must be with this generation of Americans.

That we are in the midst of crisis is now well understood. Our nation is at war, against a far-reaching network of violence and hatred. Our economy is badly weakened, a consequence of greed and irresponsibility on the part of some, but also our collective failure to make hard choices and prepare the nation for a new age. Homes have been lost; jobs shed; businesses shuttered. Our health care is too costly; our schools fail too many; and each day brings further evidence that the ways we use energy strengthen our adversaries and threaten our planet.

These are the indicators of crisis, subject to data and statistics. Less measurable but no less profound is a sapping of confidence across our land - a nagging fear that America's decline is inevitable, and that the next generation must lower its sights.

Today I say to you that the challenges we face are real. They are serious and they are many. They will not be met easily or in a short span of time. But know this, America - they will be met.

On this day, we gather because we have chosen hope over fear, unity of purpose over conflict and discord.

On this day, we come to proclaim an end to the petty grievances and false promises, the recriminations and worn out dogmas, that for far too long have strangled our politics.

We remain a young nation, but in the words of Scripture, the time has come to set aside childish things. The time has come to reaffirm our enduring spirit; to choose our better history; to carry forward that precious gift, that noble idea, passed on from generation to generation: the God-given promise that all are equal, all are free, and all deserve a chance to pursue their full measure of happiness.

Full text of Obama's inaugural address (Pt.2)

In reaffirming the greatness of our nation, we understand that greatness is never a given. It must be earned. Our journey has never been one of short-cuts or settling for less. It has not been the path for the faint-hearted - for those who prefer leisure over work, or seek only the pleasures of riches and fame. Rather, it has been the risk-takers, the doers, the makers of things - some celebrated but more often men and women obscure in their labor, who have carried us up the long, rugged path towards prosperity and freedom.

For us, they packed up their few worldly possessions and traveled across oceans in search of a new life.

For us, they toiled in sweatshops and settled the West; endured the lash of the whip and plowed the hard earth.

For us, they fought and died, in places like Concord and Gettysburg; Normandy and Khe Sahn.

Time and again these men and women struggled and sacrificed and worked till their hands were raw so that we might live a better life. They saw America as bigger than the sum of our individual ambitions; greater than all the differences of birth or wealth or faction.

This is the journey we continue today. We remain the most prosperous, powerful nation on Earth. Our workers are no less productive than when this crisis began. Our minds are no less inventive, our goods and services no less needed than they were last week or last month or last year. Our capacity remains undiminished. But our time of standing pat, of protecting narrow interests and putting off unpleasant decisions - that time has surely passed. Starting today, we must pick ourselves up, dust ourselves off, and begin again the work of remaking America.

For everywhere we look, there is work to be done. The state of the economy calls for action, bold and swift, and we will act - not only to create new jobs, but to lay a new foundation for growth. We will build the roads and bridges, the electric grids and digital lines that feed our commerce and bind us together. We will restore science to its rightful place, and wield technology's wonders to raise health care's quality and lower its cost. We will harness the sun and the winds and the soil to fuel our cars and run our factories. And we will transform our schools and colleges and universities to meet the demands of a new age. All this we can do. And all this we will do.

Now, there are some who question the scale of our ambitions - who suggest that our system cannot tolerate too many big plans. Their memories are short. For they have forgotten what this country has already done; what free men and women can achieve when imagination is joined to common purpose, and necessity to courage.

What the cynics fail to understand is that the ground has shifted beneath them - that the stale political arguments that have consumed us for so long no longer apply. The question we ask today is not whether our government is too big or too small, but whether it works - whether it helps families find jobs at a decent wage, care they can afford, a retirement that is dignified. Where the answer is yes, we intend to move forward. Where the answer is no, programs will end. And those of us who manage the public's dollars will be held to account - to spend wisely, reform bad habits, and do our business in the light of day - because only then can we restore the vital trust between a people and their government.

Nor is the question before us whether the market is a force for good or ill. Its power to generate wealth and expand freedom is unmatched, but this crisis has reminded us that without a watchful eye, the market can spin out of control - and that a nation cannot prosper long when it favors only the prosperous. The success of our economy has always depended not just on the size of our Gross Domestic Product, but on the reach of our prosperity; on our ability to extend opportunity to every willing heart - not out of charity, but because it is the surest route to our common good.

As for our common defense, we reject as false the choice between our safety and our ideals. Our Founding Fathers, faced with perils we can scarcely imagine, drafted a charter to assure the rule of law and the rights of man, a charter expanded by the blood of generations. Those ideals still light the world, and we will not give them up for expedience's sake. And so to all other peoples and governments who are watching today, from the grandest capitals to the small village where my father was born: know that America is a friend of each nation and every man, woman, and child who seeks a future of peace and dignity, and that we are ready to lead once more.

Recall that earlier generations faced down fascism and communism not just with missiles and tanks, but with sturdy alliances and enduring convictions. They understood that our power alone cannot protect us, nor does it entitle us to do as we please. Instead, they knew that our power grows through its prudent use; our security emanates from the justness of our cause, the force of our example, the tempering qualities of humility and restraint.

Full text of Obama's inaugural address (Pt.3)

We are the keepers of this legacy. Guided by these principles once more, we can meet those new threats that demand even greater effort - even greater cooperation and understanding between nations. We will begin to responsibly leave Iraq to its people, and forge a hard-earned peace in Afghanistan. With old friends and former foes, we will work tirelessly to lessen the nuclear threat, and roll back the specter of a warming planet. We will not apologize for our way of life, nor will we waver in its defense, and for those who seek to advance their aims by inducing terror and slaughtering innocents, we say to you now that our spirit is stronger and cannot be broken; you cannot outlast us, and we will defeat you.

For we know that our patchwork heritage is a strength, not a weakness. We are a nation of Christians and Muslims, Jews and Hindus - and non-believers. We are shaped by every language and culture, drawn from every end of this Earth; and because we have tasted the bitter swill of civil war and segregation, and emerged from that dark chapter stronger and more united, we cannot help but believe that the old hatreds shall someday pass; that the lines of tribe shall soon dissolve; that as the world grows smaller, our common humanity shall reveal itself; and that America must play its role in ushering in a new era of peace.

To the Muslim world, we seek a new way forward, based on mutual interest and mutual respect. To those leaders around the globe who seek to sow conflict, or blame their society's ills on the West - know that your people will judge you on what you can build, not what you destroy. To those who cling to power through corruption and deceit and the silencing of dissent, know that you are on the wrong side of history; but that we will extend a hand if you are willing to unclench your fist.

To the people of poor nations, we pledge to work alongside you to make your farms flourish and let clean waters flow; to nourish starved bodies and feed hungry minds. And to those nations like ours that enjoy relative plenty, we say we can no longer afford indifference to suffering outside our borders; nor can we consume the world's resources without regard to effect. For the world has changed, and we must change with it.

As we consider the road that unfolds before us, we remember with humble gratitude those brave Americans who, at this very hour, patrol far-off deserts and distant mountains. They have something to tell us today, just as the fallen heroes who lie in Arlington whisper through the ages. We honor them not only because they are guardians of our liberty, but because they embody the spirit of service; a willingness to find meaning in something greater than themselves. And yet, at this moment - a moment that will define a generation - it is precisely this spirit that must inhabit us all.

For as much as government can do and must do, it is ultimately the faith and determination of the American people upon which this nation relies. It is the kindness to take in a stranger when the levees break, the selflessness of workers who would rather cut their hours than see a friend lose their job which sees us through our darkest hours. It is the firefighter's courage to storm a stairway filled with smoke, but also a parent's willingness to nurture a child, that finally decides our fate.

Full text of Obama's inaugural address (Pt.4)

Our challenges may be new. The instruments with which we meet them may be new. But those values upon which our success depends - hard work and honesty, courage and fair play, tolerance and curiosity, loyalty and patriotism - these things are old. These things are true. They have been the quiet force of progress throughout our history. What is demanded then is a return to these truths. What is required of us now is a new era of responsibility - a recognition, on the part of every American, that we have duties to ourselves, our nation, and the world, duties that we do not grudgingly accept but rather seize gladly, firm in the knowledge that there is nothing so satisfying to the spirit, so defining of our character, than giving our all to a difficult task.

This is the price and the promise of citizenship.

This is the source of our confidence - the knowledge that God calls on us to shape an uncertain destiny.

This is the meaning of our liberty and our creed - why men and women and children of every race and every faith can join in celebration across this magnificent mall, and why a man whose father less than sixty years ago might not have been served at a local restaurant can now stand before you to take a most sacred oath.

So let us mark this day with remembrance, of who we are and how far we have traveled. In the year of America's birth, in the coldest of months, a small band of patriots huddled by dying campfires on the shores of an icy river. The capital was abandoned. The enemy was advancing. The snow was stained with blood. At a moment when the outcome of our revolution was most in doubt, the father of our nation ordered these words be read to the people: "Let it be told to the future world...that in the depth of winter, when nothing but hope and virtue could survive...that the city and the country, alarmed at one common danger, came forth to meet [it]."

America. In the face of our common dangers, in this winter of our hardship, let us remember these timeless words. With hope and virtue, let us brave once more the icy currents, and endure what storms may come. Let it be said by our children's children that when we were tested we refused to let this journey end, that we did not turn back nor did we falter; and with eyes fixed on the horizon and God's grace upon us, we carried forth that great gift of freedom and delivered it safely to future generations.

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オバマ大統領による世界中の意識変革は、まさに Change の大波になります。

● 両平「むつみ会」

  社協から四人、アコーデオン演奏と歌唱の振舞がありました。

  それぞれ、お若いのにちゃんとして人たちでした。 原さん、下岡さんの歌唱力、声の質の良さにお礼したい。 宮島さんの応対の様子、松島さんのつましさにも感心しました。

● Change という言葉

ランダムハウス英和大辞典

v.t.

1 〈形・内容・性質・進路などを〉変える,変更する,改める;〈政策・立場を〉正反対にする,逆転させる

 【用例】

  change the course of history|歴史の流れを変える

  change one's opinion|自説を変える

  I changed my mind.|私は気が変わった.

 【類語】

  change 元の形をとどめないほど全面的に変える.

  alter 元の形をとどめながら部分的に変える:【用例】

   alter a dress|(体型や流行に合うように)衣服を直す.

2 (…に)変化させる,別のものにする,転化させる((into ...))

 【用例】

  The witch changed the prince into a toad.|魔女は王子をヒキガエルに変えた.

3 (…に)替える,(同種のものと)取り替える((for ...));…を相互にやりとりする,交換する;
 ((話)) …を(人と)交換[やりとり]する((with ...))

 【用例】

  change places with a person|(人と)(居)場所を交代する(◆この意味では exchange のほうが普通)

  I'd like to change this hat for another.|この帽子をほかのと取り替えたいのですが.

4 〈乗り物を〉乗り換える:

 【用例】

  You'll have to change planes in Chicago.|シカゴで飛行機を乗り換えなければなりません.

5 〈お金を〉くずす,(小銭に)両替する((for,into ...)):【用例】

6 外貨と交換する;〈小切手・為替(かわせ)を〉現金に換える:【用例】

7 〈ベッドの〉カバー[敷布]を取り替える,〈赤ん坊の〉おむつを取り替える.

8 〈ギアを〉入れ替える(((米)) shift).

━━ v.i.

1 (別なものに)変わる,違ったものになる;〈性質・内容・傾向などが〉改まる,変わる;〈物価が〉変動する:

2 (姿・形が)変わって(…に)なる((into ...));だんだん(…に)なる,徐々に(…へ)移る((to,into ...)):

3 (人と)席を換わる((with ...)) ,交替する:

4 (列車などを)乗り換える:【用例】

5 (…に)着替える((into ...));おむつを替える:【用例】

6 〈月が〉相が変わる:【用例】

7 〈声が〉声変わりする,低域の音声を持つようになる:【用例】

8 ギアを(…へ)入れ替える((into,to ...)).

9 ((方言)) 〈飲食物が〉味が変わる,酸っぱくなる.

10 ((話)) (動物を)去勢する.

11 ((廃)) 〈顔色が〉青くなる,青ざめる.