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続折々の記 ⑤
【 01 】田中宇     【 02 】田中宇     【 03 】田中宇
【 04 】田中宇     【 05 】田中宇     【 06 】田中宇
【 07 】田中宇     【 08 】田中宇     【 09 】田中宇
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【 02 】
        2021/08/04~12/30まで

 2021/12/30  国際ニュース解説 

◆米覇権衰退で総和解があり得る中東
 【2021年12月30日】サウジアラビア、イラン、イスラエルという中東の3大勢力が三角和解に向けて進んでいる。この傾向は数年前からあり、いつも「間もなく全面展開して正式な和解になりそうな感じ」と「永久に和解せず対立し続ける感じ」が併存している。この間、米国の覇権は低下して中露の台頭が加速し、米国を牛耳ってきたイスラエルが弱くなり、中露の傘下に入ったイランが強くなり、米国の傀儡だったサウジUAEが中露の側に転じて、三角の力関係が均衡に近づいた。来年QEとコロナ愚策の崩壊で米国の覇権衰退が加速すると、中東総和解の可能性がさらに高まる。米覇権が衰退したら中東和平も難問でなくなる。

コロナ帝国の頓珍漢な支配が強まり自滅する欧米
 【2021年12月26日】コロナは病気未満の弱さになったので都市閉鎖もワクチンも不必要だ。そういう時を見計らったかのように、今という頓珍漢なタイミングで、欧米で都市閉鎖やワクチンが強制され始めた。強制はおかしいと思う人が増え、反政府運動が広がり、エリート内でも反逆者が増えている。欧米は自滅していくが、しばらくは頓珍漢さを乗り越えてコロ帝を成功させようとするので強権発動が続き、欧米の人々は、巨大な薬害や人道犯罪であるワクチンや都市閉鎖を強要されてひどい目にあう。

◆QE減額は本当かも
 【2021年12月22日】下落がメルトダウンにつながっていきそうになるたびに、次の日あたりにQE資金らしきもので株価がテコ入れされてメルトアップすることは繰り返されている。だが、全体としての株価は下落傾向だ。株から巨額の資金が逃げ出し、逃避先の長期米国債の金利が下がる局面が繰り返されている(その後QE資金が入って元に戻るが)。もしかすると、QE資金は本当に先細りになっているのでないか。「QE減額はウソっぽい」は「はずれ」かもしれない。

コロナはすでに終わっている
 【2021年12月20日】コロナの重篤性が急減し、ほとんど誰も重症化しない。オミクロンは、既存の風邪よりさらに重症化しない。風邪以下になったのだから、ワクチンなど必要ない。コロナは最初からインフルエンザと同じぐらいの重篤性の病気だった。多くの人は、コロナのウイルスが喉に付着しても発症しないどころか感染もしない。コロナは基本的に自然免疫で乗り越える病気だ。年寄りや持病持ちなど免疫が弱い人だけが発症するが、対症療法で悪化を防げば治せる。全人類にワクチンを接種して乗り越えるような病気では、全くない。

◆敵視と譲歩を繰り返しロシアを優勢にする米国
 【2021年12月17日】米国側がロシアを敵視するほど、ロシアは強くなって国際信用と覇権を拡大し、中露が結束して多極化が進み、米国覇権の衰退が加速する。バイデンの米国が、非現実的なロシア敵視策をぶち上げた後で譲歩する右往左往を繰り返すほど、米国の国際信用が低下し、ロシアが優勢になる。これは意図的な隠れ多極主義の策だ。この状態は来年も続く。

病気として終わっても支配として続く新型コロナ
 【2021年12月12日】これから病気としてのコロナが終わっていくほど、コロナの超愚策の強要が無茶苦茶なものである感じが誰の目にも明らかになっていく。上の方がじたばたしても、コロナは勝手に終わっていく。WHOが新条約でコロナ帝国を確立したり、各国がコロナの重篤性を理由に都市閉鎖やワクチン強要などコロナ独裁を履行していくことが難しくなっていく。超愚策を強硬にやり続けようとすると、各地でコロナ独裁に対する市民の怒りが膨張し、欧米の政情が不安定になっていく。

◆QE減額はウソっぽい
 【2021年12月11日】12月暴落説は「はずれ」になりつつある。重要な本質は「暴落説のはずれ」でなく「減額されたはずのQE資金がいまだに潤沢に存在し、隆々としたメルトアップを実現していること」つまり「米連銀はQEを減額していると言っているが、どうやらそれはウソで、実は減額などしていない」ということだ。連銀の資産総額が縮小傾向でQEの減額を示していても、ウラの簿外でこっそり「裏QE」をやって表裏の総額が減っていないことは十分ありうる。連銀は事前に米金融界にの裏のからくりを話しておくことで、表向きのQE減額が始まっても金融界は慌てず、平然とメルトアップに協力している。

世界の国権を剥奪するコロナ新条約
 【2021年12月10日】新条約は世界各国の国権を剥奪する。国権の剥奪は形式上、感染症対策に限定されているが、感染症対策と称して反対派を自宅軟禁にしたり検疫所と称する強制収容所にぶち込んだりできる。感染状況もPCR検査のサイクル数を変えることでWHO側が自由に調節できる。これは感染症対策に名を借りた国権剥奪の帝国主義(コロナ帝国。コロ帝)である(隠然支配なので正確にはコロナ覇権、コロ覇だが、わかりにくそうなのでコロ帝)。各国の民主主義は踏みにじられている。各国の政治家が独裁力を振るう「コロ独」ですらない。国家レベルの独裁者よりWHO帝国代官のコロナ皇帝の方が上だ。各国の政治家は、WHOの言いなりになる「小役人」「地方議員」にすぎない。ひどい体制なのに、すでに新体制の傀儡である欧米日のマスコミや左派は「もっと強力な世界規模の感染症対策が必要だ」と主張してコロ帝を礼賛している。帝国主義を批判してきた左翼がコロナの帝国主義を称賛している。

◆秩序が崩壊する米国
 【2021年12月5日】バイデンの米民主党政権は、米国の秩序を崩壊させている。インフレやコロナなどに関して秩序を立て直す対策をとるほど、逆に秩序が悪化する。民主党支持者の中にもバイデン政権はダメだと考える人が増えており、来年の中間選挙や、2024年の総選挙(大統領選挙)は民主党が敗北し、トランプらの共和党が巻き返すと予測されている。だが、これからの選挙で民主党がすんなり負けるとは限らない。民主党は諜報界の支援を受け、2020年の大統領選挙でやったような選挙不正を再びやって、来年と2024年の選挙を不正にねじ曲げて民主党の勝ちにするかもしれない。

オミクロン騒動の本質
 【2021年12月3日】今回のコロナ危機では、世界にコロナが伝播した直後から各国で入国停止が行われ、国際的な人の移動が止まっている。それでも変異株が全世界に「ちゃんと」広がり、コロナ危機が世界的な誇張になるような設定が続いている。入国停止策は、医療的に失敗だが、米英諜報界のスパイたちが世界を移動して米覇権運営用の諜報網を維持することを不可能にして米覇権を麻痺させるという国際政治面では入国停止策が「成功」している。オミクロンは医療的に全く大したことない病気だが、「大したことない病気なのにコロナ独裁をやるな」と欧米の人々を怒らせて欧米社会を混乱させて覇権低下を加速させるとか、覇権運営者の米英諜報界の動きを止めて多極化を放置するといった国際政治的には大きな効果をもたらしている。世界大戦の代替としてのコロナ危機に磨きがかかっている。

◆エネルギーが覇権を多極化する
 【2021年12月2日】産業革命後、内燃機関を動かす化石燃料の供給を世界的に牛耳ることが、覇権国である英米の重要課題となってきた。サウジなど産油国の国防を米軍が担当することで、産油国を対米従属させておき、化石燃料の供給を米国が牛耳ってきた。だが今や、(1)人為説の妄想に基づいて化石燃料を毛嫌いする地球温暖化対策、(2)911やイエメン戦争やカショギ殺害でサウジを敵視する米国の自作自演策、(3)シェール石油ガスの増産によって米国はサウジなど海外からの石油輸入が不必要になり、サウジなどと縁切りできると豪語するシェール革命、という3つの要素により、化石燃料と米国覇権との連動性が切り離されてしまっている。

効かないワクチンを強制して市民に反対される
 【2021年11月23日】ワクチンは半年や1年ごとに追加接種が必要で、途中で「おかしいな」と気づいて接種に抵抗し始める人々は反対派・テロリストの側に突き落とされる。反対派は平然と人権を否定され、アパルトヘイトの黒人や、イスラエル占領下のパレスチナ人、ソ連や中共の反体制派のような扱いを受け続ける。コロナ独裁(コロ独)に反対しない人も、感染追跡などの名目で随時監視され、追加接種や断続的な都市閉鎖・外出禁止に従わねばならず、欧米市民は北朝鮮の人民のような存在になっていく。

◆欧日で原発の復活
 【2021年11月21日】世界の上の方(覇権運営体。資本家。米英諜報界)としては、原発の技術をこれまでの米国覇権下でどんどん開花させてしまうと、技術が米英側の所有物になってしまい、中露など非米諸国がそれを使えなくなる。高く売りつけられてしまう。それを防ぐため、原発の技術開発が一定まで達したところで、ちょうど起きたチェルノブイリなどの事故を奇貨として原発の危険性を誇張して市民の反対運動を扇動し、今のように多極化がかなり進むまで欧米日での原発の開発を止めた。その間に、中国は米資本家から入れ知恵されて原発の開発や建設を進めて技術力を涵養した。最近、米国の覇権衰退と中国の台頭、覇権の多極化が不可逆的に進み、原発の技術でも中国が世界最先端になるメドがついたので、そろそろ許してやるかということで、温暖化対策を口実に、欧州や日本が原発を復活して良いことになった。

英米覇権の一部である科学の権威をコロナや温暖化で自滅させる
 【2021年11月20日】コロナや温暖化の歪曲によって科学や医学の権威が落ちていく。歪曲を隠然とやんわり進めていたら、失敗した時の権威の下落も少なかったのだが、歪曲は過激に行われ、ワクチン強要など独裁的なやり方と併用された。温暖化も、人為説以外の考え方があり得ることを認めれば良かったのに、人為説を認めない者を独裁的に抑止したため、これから歪曲がばれていく時の科学界の権威の崩壊もひどくなる。科学者や医者の権威・信用は近現代の発展の基礎であり、資本家や米英覇権にとって大事なものだった。科学者や医者は全体としてコロナや温暖化で延々とウソをついたため権威や信用を失い、米英覇権の自滅を加速していく。

◆QEをやめさせる
 【2021年11月14日】今後、年内か来年に、QE縮小が株価などの暴落を引き起こすかもしれない。その場合、米連銀は相場を戻すためにQEを再増加するだろう。だが同時に、QEと関係ない理由で起きているインフレやエネルギー危機、人手不足は、左翼+米諜報界+中露の扇動によって今後も続き、インフレや人手不足がひどいのだからQEを再増加すべきでない、QE減額・テーパリングを再開せよという圧力が連銀にかけられ続ける。QEは再増加してもまたやめさせられていき、金融危機が再発し、ドルが崩壊させられていく。これは、多極化という国際政治謀略として起きている。

◆後半期に向かうコロナの歪曲体制
 【2021年11月9日】これまでの「コロナ危機の前半」では、コロナの恐ろしさが歪曲誇張され都市閉鎖やワクチン強制などの超愚策が展開されてきたが、これからの「後半」は、ワクチンの薬害など、超愚策がもたらす各種の被害が誇張され、人々とくに欧米人の怒りやパニックを扇動するのでないか。パニック戦略によって欧米の経済や自由な体制が自滅的に破壊された後、逆パニック戦略によって欧米で反政府運動が強まり、覇権を運営してきたエリート政治支配(2大政党制)が壊されていく。

コロナ危機は世界大戦の代わり
 【2021年11月2日】コロナ危機は、世界大戦の代替物として意図的に悪化・長期化されているのでないか。コロナ危機は米国(米欧)覇権の崩壊と、中露の台頭、世界の覇権体制の多極化を引き起こしている。コロナ危機の他に、QEやりすぎによるドル崩壊や、テロ戦争や強制民主化の失敗による米国の信用失墜、地球温暖化対策による欧米経済の自滅などが重なって、米覇権崩壊と多極化が起きている。そして私から見ると、2度の世界大戦も無意味に発生・長期化して繰り返されたものでなく、英国の覇権を壊して多極化するために長期化・繰り返されたものだ。

◆欧米の自滅と多極化を招く温暖化対策
 【2021年10月31日】いずれ温暖化人為説が事実でない(英米諜報界による詐欺だった)ことがバレていくと、欧米も再び石油ガスをどんどん燃やしてかまわないんだと気づくが、その時には、世界の石油ガスの利権を握る勢力が、これまでの欧米から、中露など非米側に替わってしまっている。かつて「世界の石油ガス利権を握る者が覇権を牛耳る」と言われていた。温暖化騒動とともにこの定理が忘れられているが、いずれ温暖化が詐欺話であるとわかり、石油ガス利権を握るものが覇権を握ると欧米人が再び気づいた時には、石油ガス利権を握る者=覇権勢力は、すでに欧米から中露など非米側に移転している。

コロナ危機の意図(2)
 【2021年10月21日】コロナ危機は、欧米を自滅させ米覇権喪失を加速する半面、中国と傘下の日韓では経済成長が保たれている。コロナ危機は、米国(欧米)の覇権が中国に移転する動きを加速している。米国は単独覇権体制だが、中国は多極型の覇権構造を好む。この覇権移転や多極化がコロナ危機の意図でないか、というのが私の以前からの読みだ。米国の覇権中枢(諜報界、深奥国家)では世界の覇権構造をめぐる百年の暗闘がある。単独覇権派(軍産)と多極派とが、諜報界らしく相互に入り込み、騙し合いながら相克している。コロナ危機は、多極派が中共を引っ張り込み、米国覇権を崩壊させて中国台頭と多極化を進めるために展開している謀略だろう、というのが私の推測だ。

コロナ危機の意図(1)
 【2021年10月20日】コロナウイルスは新型も従来型も、生来の自然免疫で乗り越える病気だ。免疫が低い人だけを対象にするとしても、ワクチンを打って効果があるのか、どんなリスクがあるのか、十分な議論や試験が必要だ。しかし実際は、何も議論されないまま、コロナは自然免疫で対応する病気だということすら言えないまま、免疫が強い若者を含む全人類にワクチン接種が行われ、欧米では接種が義務化されている。これは人道犯罪、巨大な薬害だ。今後ワクチンが大変な被害を人類に及ぼさなければ不幸中の幸いである。

◆コロナ、QE、流通崩壊、エネルギー高騰、食糧難・・・多重危機の意味
 【2021年10月18日】リーマン危機で崩壊した金融システム(米金融覇権)を再建させず不健全に延命させて自滅に向かわせているQE。その後QEと米国覇権が意外と長く続いているので、欧米経済を自滅させる追加策として始められたコロナ危機。コロナ恐慌を起こして穴埋めにQEを大幅増額させたのにまだQEが潰れないので、欧米経済をさらに潰す策として追加されつつある流通崩壊とインフレ、エネルギー高騰、そしてこれから起きそうな食糧難。これらの多重な危機はいずれも米国(欧米)の経済覇権を壊すための多極化策として、米諜報界の多極側と中共が共謀して引き起こしている。多重危機は、米国覇権が崩壊するまで続く。

解体していく中東の敵対関係
 【2021年10月15日】イスラエルのベネットは口で強硬姿勢の頓珍漢を言いつつ、裏で現実的な戦略を進めている。イランとの敵対関係はそのままにして、先にサウジなどアラブ諸国との和解を進め、前任のネタニヤフが悪化させたパレスチナ自治政府との関係を改善し、実質的なアブラハム協定の路線を先に進めている。イスラエルがアラブとの関係を改善し、パレスチナ問題を解決の方に進めている限り、イランはイスラエルとの敵対を強めにくい。そのうちに米国の退潮が進んでイスラエルでも右派が弱くなってイランとの和解がやりやすくなる。

◆許されていくアサドのシリア
 【2021年10月13日】バイデン政権は、米国自体のアサド敵視を保持したまま、アラブの対米従属諸国やイスラエルがアサドのシリアと和解していくよう仕向けている。米国は、経済破綻したレバノンがひどい停電になっているのを他のアラブが助けるプロセスを利用して、アラブ諸国がシリアと和解していくよう誘導している。エジプトの天然ガスをヨルダン、シリア経由でレバノンに運ぶパイプラインを再開する計画に沿線の4カ国が9月8日に調印した。このパイプラインにはイスラエル産のガスも混合される点が興味深い。

世界は台湾を助けない
 【2021年10月8日】米欧豪日は「民主主義が最重要」と言うが、それなら台湾といっせいに国交を結ぶべきだ。「一つの中国や国共内戦はもう関係ない。民主主義が何より重要だ」と宣言すれば良い。米欧豪日がいっぺんに台湾と国交を樹立したら、中共は米欧豪日のすべてと国交断絶できない。一つの中国の原則が壊れ、民主主義の台湾と米欧豪日が勝ち、独裁の中共が負ける。万歳。・・・・・もちろん、そんなことはできない。中国が世界最大の市場になることがニクソン訪中から予約されている。中台間の道理は今も「独裁vs民主」でなく国共内戦である。米国の覇権低下で台湾が弱くなり、台頭した中国が台湾を武力で併合しても、米欧豪日は傍観し、容認するしかない。

◆世界的なインフレと物不足の激化
 【2021年10月3日】多極・中共側はコロナ危機への対策として米欧諸国に自滅的な都市閉鎖を厳しくやらせ、米国側で大恐慌を引き起こして経済と覇権を自滅させようとした。米国側では、コロナ恐慌の穴埋めにQEを急拡大し、QEに過剰な負担がかかって潰れるかと思いきや意外に強靭で、すべての穴を埋めてQEは延命し、株も債券も高止まりを続けた。コロナを使ってQEと米覇権を潰す策略は失敗した。このため多極中共側は今秋、次のQE潰しの策として、昨年からの世界的なインフレや物不足の状態を、中国のエネルギー危機の誘発などを皮切りに激化させている。コロナと同様、最初に中国が自滅するが、やがて米欧の自滅に発展するシナリオだ。

◆中国TPP加盟申請の意図
 【2021年9月27日】実利面で考えて、日豪などTPPの側は中国に加盟してもらった方が良いが、中国としては、TPPに入らなくても実利的に大したマイナスにならない。中国は、TPPと似た諸国で構成されるRCEPをすでに持っているからだ。もともとTPPは米国主導、RCEPは中国主導で作られたが、トランプがTPPを離脱し、渋々主導役を引き継いだ安倍晋三はTPPに中国を呼び込んだ。中国はTPPを潰してもかまわないので翻弄している。

豪州に原潜もたせ中国と敵対させる
 【2021年9月24日】米国は、中国の西側のアフガニスタンで覇権を自滅的に放棄して中国に譲渡してしまった後、中国の東側の太平洋地域で中国を封じ込めるのだと言って英国を引き連れてAUKUSを結成し、豪州に原潜を与えて中国敵視の尖兵に仕立てている。中国は対抗して海軍力をますます増強し、豪州との貿易を削減する経済制裁などをやって対抗し、台頭していく。米国は、中国をやっつけたいように見せかけつつこっそり強化している。

◆恒大破綻から中国の国家リスク上昇、世界金融危機への道
 【2021年9月21日】習近平は、中国の金融バブル崩壊を放置する。中国の金融崩壊は、世界の実体経済をへこませ、米国側の金融バブルを維持するためのQEの負担を増大させる。中国の金融崩壊が米国など世界に波及する可能性が高まっている。コロナ危機は中国を潰すはずが米欧を潰している。習近平は今回の金融危機でも、中国が自滅するふりをして米欧のQEバブルを潰す流れを作ろうとしている。

中国を社会主義に戻す習近平
 【2021年9月17日】毛沢東やソ連の失敗によって、社会主義や共産主義は詐欺や妄想だという話が世界的に定着している。世界的に「最もすぐれている経済体制はリベラル・放任的な資本主義だ」という話になっている。だが、もし今後、習近平が中国経済を再国有化・再社会主義化していってそれが失敗せず、意外と成功してしまったらどうなるか。中国の再社会主義化が成功する半面、米欧の資本主義がQEバブルの崩壊で失敗していくとどうなるか。資本主義と社会主義の逆転、米国と中国の逆転が起こる。

◆ドル崩壊の前に多極化が進む
 【2021年9月14日】ドルは、基軸性が低下しても崩壊しない。誰もドルを使ってくれず、誰も債券や株を買わなくなっても、すべてをQEで穴埋めして延命しうる。非米側がドルと完全に縁を切って人民元などを基軸通貨にしても、米側はQEの助けを借りつつ延命できる。通貨が多極化してもドルが崩壊しないシナリオがあり得る。

テロ戦争からコロナ危機へ
 【2021年9月11日】テロ戦争とコロナ危機が後半部分の本質として似ていると思われることは、両方とも、もともとのやるべきことから大きく外れた超愚策を、力いっぱい強硬に進めてしまう点だ。テロ戦争においては、米国がイラクやイランやシリアを敵視・制裁した理由が濡れ衣であり、イラクやイランを潰してもテロはなくならないことなどだ。コロナに関しては最近、恐怖ポルノを使って人々を服従させてきた大成功を自滅的に失敗させかねない新たな流れが出てきている。それは「ワクチン強制」と「ゼロコロナ」だ。コロナは天災(禍)でなく意図的な人災で、テロ戦争と同じく国際政治謀略である。

◆鄧小平のリベラル路線を脱する習近平の中国
 【2021年9月8日】習近平路線を先代の鄧小平路線と比べると、鄧小平はインターナショナリズムとリベラリズム、経済成長重視、米国覇権重視の傾向で、習近平はナショナリズムと反リベラリズム、貧富格差是正重視、中国独自覇権(一帯一路)の傾向だ。鄧小平は毛沢東の反動として「放」をやり、習近平は鄧小平の反動として「収」をやっている。すでに中国は米欧からたくさん学び、米欧に負けない強国になれた。覇権は米国から中国に移りつつある。中共はもう米欧に向けて「良い子」を演じる必要はない。習近平は鄧小平のリベラル路線を捨て、すべてを中共の傘下に入れる独裁の反リベラル路線に戻った。

コロナ帝国と日本
 【2021年9月5日】米覇権が十分に喪失して多極化が一段落したらコロナは終わる。それまであと短くて3年ぐらいか。アングロサクソンやNATOの欧米諸国は、まだまだひどい目にあう自滅の日々が続く。中国とその傘下の諸国はこっそり発展していく。欧米と中国の間にいる日本はどうだろう。日本はこれまで、都市閉鎖やマスク強要、ワクチン強制などの厳しいコロナ対策をできるだけやらないようにしてきた。これは日本政府の意思というよりも、WHOなど世界の上の方の意図が欧米潰しであり「中国が東アジアの覇権国になるなら日本は対中従属でいいですよ」と言っている親中的な日本に対して寛容だったからだ。

◆アフガニスタンを中露側に押しやる米国
 【2021年9月2日】タリバンは米国や欧日に対し、総撤退した外交団やNGOに戻ってきてほしいと言っている。欧米勢が総撤退したのでアフガニスタンは非米側の中露イランの影響下に入っていく。タリバンはそれを望んでおらず、欧米日など米国側に戻ってきてもらい、今後のアフガニスタンが米国側と非米側のバランスの中に居続けることを望んでいる。両者をバランスできる方がタリバン政権に有利だ。米国は、タリバンと仲良くすれば覇権の喪失を減速できる。タリバンもそれを望んでいる。しかし米国はその道を選ばず、タリバンからの残留提案を断って、拙速に総撤退してすべてを失っている。米国は、タリバンを強く中露側に押しやっており、とても隠れ多極主義的だ。これは失策でなく(未必の)故意である。

◆米覇権ゆらぎの加速
 【2021年8月26日】米国の覇権体制が崩壊していきそうなゆらぎが、いくつかの分野で加速している。来年にかけて米覇権の崩壊と多極化が進みそうだ。一つは米国のアフガニスタン撤退の失敗による軍事外交的な信用低下。2番目は、新型コロナウイルス蔓延の誇張が、米国覇権の仲間であるアングロサクソンや独仏で特にひどく、異様に厳しい都市閉鎖やワクチン接種の強要によって国内の政治対立や経済の自滅的な減速が進んでいること。3つ目は、米国中心の金融システムのバブル膨張が激しくなり、巨大な金融危機やドル崩壊の発生を警告する声が強まっていることだ。

米欧アフガン撤退の失敗
 【2021年8月19日】アフガン戦争とは結局のところ、最初から、米国の覇権を自滅させてユーラシアを中露覇権下に転換させるためのものだったのかもしれない。「アフガニスタンをリベラル民主主義の国にする」なんて最初から馬鹿げた妄想だった。リベラルや民主の前に、まず内戦を終わらせて政治経済を安定させ、人々の暮らしをある程度豊かにする必要があった。しかし米国(や、世界中のマスコミ軽信者たち)は、アフガニスタンをリベラル民主主義にするのだと言って米軍に軍事占領をやらせ、20年間に20万人のアフガン人を殺した。そして今、多くのリベラル民主主義者たちは、何が起きているかすらわかっていない。

◆タリバンの復権
 【2021年8月18日】911以来のテロ戦争体制は、諜報界イスラエル軍産の米国側がISアルカイダを涵養支援してテロをやらせ、タリバンやサダムやイランやアサドにテロリストの濡れ衣を着せて敵視・侵攻し恒久戦争体制を作るものだった。その真犯人の米国が撤退していくのだから、今後のアフガニスタンや中東はテロや戦争が減って安定する。もし今後のアフガンや中東でテロが増えたりISカイダの活動が活発化したら、それはタリバンやイランのせいではなく、米イスラエル軍産・諜報界が、中露覇権への妨害や多極化遅延策として最後っ屁的なテロ支援活動をやるからだ。

アングロサクソンを自滅させるコロナ危機
 【2021年8月11日】米共和党などがコロナのインチキを暴露していき、アングロサクソンやEU諸国でコロナのインチキをやめさせようとする市民運動が広がっていく。米民主党のエリートと左翼はしだいに鋭く対立するようになり、民主党は内部崩壊して政権担当能力が低下していく。アングロサクソンやEUがコロナの超愚策をめぐって弱体化していくのをしり目に、中国が隠然と台頭していく。これが、国際政治や覇権の側面からみたコロナ危機の本質である。

◆ワクチン強制も超愚策
 【2021年8月6日】ワクチンの効き目は長続きしないので、欧米で導入されるワクチン旅券の有効期限は数か月になる。接種によっていったん「善良な市民」になれても、数か月ごとに発熱や死亡のリスクをおかして接種を繰り返さないと旅券が無効になり「極悪」な非接種者に転落してしまう。しかも、接種しても「感染」(陽性反応)のリスクは残り、マスク着用や都市閉鎖・外出制限の義務も免除されない。

◆タリバンの訪中
 【2021年8月4日】7月28日、アフガニスタンのタリバンの代表団が中国を訪問した。米軍が事実上のアフガン撤退を完了したことを受け、以前から米軍撤退後のアフガニスタンを傘下に入れたいと考えてきた中国が、与党になっていきそうなタリバンを中国に招待した。米国がアフガニスタンを占領している限り、習近平の一帯一路は未完成だった。中国は、米国がアフガン占領に失敗して出ていくのをずっと待っていた。