折々の記へ 2022/6/22~2022/12/30まで
続折々の記へ
続折々の記 ⑤
【 01 】田中宇 【 02 】田中宇 【 03 】田中宇
【 04 】田中宇 【 05 】田中宇 【 06 】田中宇
【 07 】田中宇 【 08 】田中宇 【 09 】田中宇
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【 06 】
中国が非米諸国を代表して人民元でアラブの石油を買い占める
【2022年12月30日】世界の石油利権の大半は非米側にある。先進諸国も、OPEC+から石油を輸入しようと思ったら、ドルでなく人民元を用意せねばならなくなる。世界の石油は、中国側に買い占められていく。米欧が、この流れを阻止するためにサウジと中国を経済制裁すると、米欧が買える石油がなくなってしまう。ウクライナ戦争の対露制裁でロシアからの石油ガス輸入を止めたので、欧米とくに欧州が買える石油ガスが足りなくなっているが、それと同じことがもっと大きな規模でこれから起きる。
◆利上げしたくない日銀
【2022年12月25日】コロナや対露制裁、温暖化に関しては、米覇権を積極的に支えてきた欧州ががっつり自滅策をやらされている半面、中露印など非米諸国と、日本や韓国などいずれ中国の傘下に入りそうなアジア諸国は、やったふりだけで本気の自滅をやらなくて許されている。金融政策も同様の傾向になっていくのなら、日本の政府や日銀は、利上げやQTをやれと米国から加圧されても、今回のように金利の可動幅を広げるぐらいで、それ以上の本気の自滅策をやらず、黙認されるシナリオがありうる。
中露が誘う中東の非米化
【2022年12月21日】サウジなど中東諸国はこの百年ほど、独立は名ばかりで、ずっと英米に支配されてきた。だからサウジが対米自立するのは簡単でない。しかし同時にこの四半世紀、米国の覇権はどんどん弱体化している。今年初めのウクライナ開戦後、米英欧は超愚策な対露制裁で資源面での自滅を強め、米覇権の崩壊が加速して世界支配どころでなくなり、サウジが対米自立できる機運が強まっている。意外に早くサウジはBRICSに入れるかも知れない。中東は百年ぶりに米英欧の支配から脱して自立していく。
◆コソボ戦争の2回戦
【2022年12月17日】米傀儡のコソボ政府が、親露なセルビアと、国内セルビア系住民への敵視策を強めているのは、ウクライナ戦争と連動した米国(諜報界)のロシア敵視策だ。以前のセルビアは、後ろ盾のロシアが弱かったこともあり米国側にやられっ放しだったが、ウクライナ戦争が米国側の自滅的な対露制裁によってロシアを強化してEUを弱体化した今、セルビアとロシアはかなり強気になっている。2回戦は、1回戦と様相が違う。
米諜報界が中国のために作る世界政府
【2022年12月7日】・・・これは中国が非米諸国を主導して世界政府の構図を運営し、欧米諸国を、米国の傀儡から、中国主導の世界政府の傀儡に強制的に転換させる多極化の動きでないか(日本はすでに安倍晋三による米中両属化で隠然転換)。大リセットも世界政府もコロナ覇権も温暖化もウクライナ戦争も、構図を作ったのは米諜報界だが、それを牛耳っているのは、米覇権(欧米)をいったん自滅させて覇権構造を米単独から多極型に転換しようとする「隠れ多極主義者」である。多極派は、テロ戦争などを通じて諜報界を乗っ取った。世界政府など一連の構図は、米諜報界が、中国(が主導する非米側)のために作ってやったのでないか。
◆コロナと中国
【2022年12月4日】次のパンデミック条約によって作られる「世界政府」「コロナ覇権体制」を支配するのは米国でなく中国だ。パンデミック条約は、従来の米国覇権体制のためのものでなく、現在進行中の覇権転換(多極化)によって形成されつつある中国主導の非米諸国が中心となる今後の多極型の覇権体制のためのものになる。
ずっと続く米国の選挙不正
【2022年12月2日】2020年の選挙では、トランプが不正に負けさせられたことに怒った共和党支持の草の根の人々が選挙不正を声高に指摘した。マスコミや民主党支持者たちは、そうした指摘を妄想扱いして攻撃するばかりだったが、不正の温床を減らす選挙制度改革が必要だという機運はあった。だが、2年後の今回の中間選挙では、同様の手口での選挙不正が拡大して共和党が勝てない状況が捏造された可能性が高いのに、共和党の草の根勢力の怒りの声は2年前より少ない。この2年間の2回の選挙で不正の構図が定着しており、次の2024年の大統領選でも同じ不正が行われ、トランプが不正に落選させられることが確実になっている。
◆温暖化対策で非米化の加速
【2022年11月30日】今の地球は急激な温暖化などしてないし、化石燃料は気候変動に関係ない。温暖化問題は、欧米が捏造したウソである。1990年代からウソがまかり通っている。ウソだと指摘した専門家は権威を剥奪されて無力化され、急激な温暖化と、原因としての人為説が「疑う余地がなく、もはや議論を蒸し返す必要もない確立した真実」とされている。途中から、この「問題」への「対策」を決める主導権が中国など非米側に移ったが、中国などはウソをウソと指摘せず、欧米が作ったウソの構図を保持したまま「対策」だけ後退させるやり方をしている。
◆仮想通貨とテロ戦争の親密性
【2022年11月23日】仮想通貨の大手取引所だったFTXの倒産は、かつてのBCCIの破綻と同様に、諜報界が裏金作りや送金のシステムとして仮想通貨を使っていた構図が用済みになったために起きたのでないか。FTXの破綻が、BCCIの破綻と同様の意味を持つなら、米諜報界が仮想通貨を使って裏金作りや送金を行ってきた構図の破綻がこれから顕在化することになる。
ウクライナ戦争を世界大戦に発展させる
【2022年11月19日】「ロシアが、NATO加盟国であるポーランドをミサイルで攻撃した」という歪曲話を「事実」とみなし、ロシアを敵として4条から5条への発動に進むと、米国が主導するNATOとロシアが世界大戦に突入する構図ができあがる。11月15日のミサイル騒動は、米露が戦う「第三次世界大戦」を引き起こす捏造された引き金になりかねなかった。
◆債券金融システムの終わり
【2022年11月17日】1980年代から米英を中心に世界に資金を大量供給してきた「債券金融システム」が終わりにさしかかっている。このシステムは、1972年のニクソンショックによる金本位制の崩壊後の状況を利用して構築され、1980-90年代に開花・拡大した。だが、拡大はバブル膨張でもあり、2000年代になるとバブル崩壊し始め、2000年のIT株バブル崩壊、2007-08年のサブプライムローン危機からリーマン倒産で信用不安を引き起こし、いったんシステム破綻した。その後、米欧日の中央銀行群が造幣した資金で債券を買い支えるQEを開始し、破綻した債券システムを蘇生したように見せかけて延命させた。この延命体制は現在まで続いているが、かなり行き詰まっている。
選挙不正が繰り返される米国
【2022年11月11日】トランプ派は、2020年と今回の2回連続で選挙不正をやられており、不正の繰り返しを防ぐことに失敗している。これはトランプ派の力不足の結果とも言える。米国の選挙不正がこのまま完全犯罪であり続けると、トランプ派が盛り返すのは難しくなる。覇権放棄屋のトランプが盛り返すと、日欧など同盟諸国は対米自立を余儀なくされるが、トランプが潰されて旧来の覇権主義が続くと、米国は同盟諸国に対する支配や搾取を続け、同盟諸国は苦しい対米従属が長引く。
◆米中間選挙で大規模不正の可能
【2022年11月10日】米国の中間選挙で、民主党側(+諜報界)によって大規模な不正が行われた可能性が増している。前回2020年の選挙で民主党による不正を可能にした、歪曲された選挙管理体制はそのまま今回の中間選挙まで温存された。民主党が握ってきたネバダやワシントン、オレゴンなどの諸州では、コロナ対策を口実とした郵送投票制度の拡大が継続し、選挙不正が2年前よりもやりやすくなった。開票には数日から数週間かかる(ブラジルは3時間で開票したのに!!)。時間をかけて開票結果を出す、ニセの投票用紙の束を適宜追加するなどして不正の度合いを調整し、最終的な「共和党辛勝」もしくは「民主党の意外な勝利」の形を作っていける。
中間選挙で米国が変わる?
【2022年11月8日】中間選挙でトランプ派が共和党の過半数をとれなくても、米議会の大きな勢力になることは間違いない。トランプ派の議員が議会の調査機能を使い、これまで不問に付されてきたウクライナ支援をめぐる不正や、新型コロナをめぐる数々の不正や超愚策、地球温暖化問題のインチキ構図などを暴いていく可能性が高まる。
◆EU自滅の行方
【2022年11月3日】欧州では、露敵視・米傀儡のエリートと、それに反対する民意や右派ポピュリストとの分裂がひどくなる。EUやNATOが決定不能な状態を続ける状況が今後も続く。米傀儡から対米自立・親露へとすっきり変わることはない。対米自立・親露に転じた諸国は、NATOやEUから離脱するのでなく、残留し、全会一致の制度を逆手にとって何も決められないようにすることで、米覇権の衰退を加速させ、ロシアを助ける。EUには通貨をユーロにしている国が多く、通貨が統合されているので加盟国が簡単に離脱できない。EUは潰れるのでなく、最終的に丸ごと米傀儡から離脱して非米側に転換し、世界の極の一つになることで多極化に対応する。
習近平独裁強化の背景
【2022年10月27日】習近平は、米覇権体制の傘下で中国を発展させてきたトウ小平路線を捨てる策を進めてきた。なぜか。米国覇権が崩壊しつつある(もしくは、すでに崩壊した)からだ。米覇権の崩壊は、マスコミ権威筋が無視する傾向なので、多くの人々に見えていない。米覇権が今後もずっと隆々と強く、中国(や日本)がその傘下にいれば経済発展し続けられるなら、トウ小平路線(や日本的な積極的対米従属)をやめない方が良い。米覇権が永続するなら、習近平の独裁強化は「権力欲におぼれた愚挙」である。だが逆に、米覇権が崩壊するなら、早く自立して他の路線に移らないと米国と一緒に衰退してしまう。
◆巨大な金融危機になる
【2022年10月23日】今のところ、米連銀がスイス中銀を経由して用意したドル資金によって、クレディスイスとの取引を解消したい人、金融商品を売りたい人は、無事に引き出し・売却をして現金を手にしている。だが今後もし、用意した資金を上回る引き出し・売却があった場合、対応しきれず債務不履行・破綻になる。米欧の金融市場は全般に、米英などの中銀群が進めている(効かない)インフレ対策としての利上げとQTにより、以前のゼロ金利QE時代のカネ余り状態から、一転して資金不足・リスクプレミアムの上昇・流動性の危機に直面している。インフレは悪化し続けているので米連銀は今後も利上げを続け、資金不足はさらにひどくなる。
アフリカのクーデター頻発の意味
【2022年10月19日】米軍がアフリカの将校たちにこっそりクーデターのやり方を教えてアフリカを不安定にしているのは、19世紀から帝国側が続けてきた、新興大陸を弱いままにしておく策略の一環なのか??。クーデターを頻発させてアフリカの分裂と混乱に拍車をかけることは、米国にとってむしろ覇権運営のコストを引き上げる有害な行為になっている。米国がアフリカを混乱・不安定化する策をやるほど、アフリカ諸国は「米欧より中露の方がましだ」と考え、中露に頼るようになり、米国から中露への覇権移転を望むようになる。
◆巨大な金融危機になりそう
【2022年10月17日】昨年から続くクレディスイスの危機が悪化して、とどめを刺しそうな事態になっている。背景には、米連銀が(間違った)インフレ抑止策としてQTと利上げを続け、クレディスイスのような今夏から格付け低下・リスク上昇・悪いうわさ頻出の傾向にある金融機関の資金調達が困難・高金利・高コストになっていることがある。昨年までのように、QEとゼロ金利策で安い資金が大量にあった時代なら再建しやすかったが、今のように金利上昇と資金収縮が続いていると、経営再建や延命がどんどん困難になり、債務不履行などの破綻が近づく。クレディスイスが破綻したら、欧米だけでなく日本や中国の大手銀行も危なくなる。大きすぎて潰せない銀行が潰れると、それは金融の世界システム(米覇権)の崩壊になる。
世界大戦への仮想現実に騙される
【2022年10月15日】米国と中露が世界大戦になると喧伝する最近の騒動に接して私は「これは新型コロナや地球温暖化、テロ戦争、冷戦などと同質の、脅威を針小棒大・闇夜の枯れすすき的に誇張して巨大な仮想現実を作り出す米諜報界の策略だろう」と感じている。この策略の目的は、世界支配の強化、軍産による覇権乗っ取り、もしくはそれらを過激に稚拙にやって意図的に大失敗・破綻させる隠れ多極主義の策略と推測される。
◆英国から始まった金融危機
【2022年10月12日】英政府としては、英国の国家と経済を自滅させる利上げやQTを続けたくないだろうが、米国の最上層部からの厳命なのでやらないわけにいかない。この「米国の最上層部」はおそらく、ウクライナ戦争で欧米に過激な対露経済制裁をやらせ、欧米を自滅的な資源不足とインフレの経済破綻に陥れている「多極派が牛耳る米諜報界」と同じものだ。彼らの目的はドルと米覇権の破壊であり、米英の金融システムが完全に壊れるまで中銀群に利上げやQTを続けさせたい。中銀群が方向転換して利下げやQT再開を開始するとしたら、それは遅すぎる事態になってからだ。
◆産油国の非米化
【2022年10月10日】米政府はサウジやUAEに対し、兵器販売を減少・中止したり、WTOに提訴したり、在米資産を凍結することまでも検討している。これらの策は一見、サウジなどを困らせる策に見えるが、実のところ米国の影響力・覇権を低下させる自滅策だ。サウジやUAEは、米国が兵器を売ってくれなくなったらロシアや中国から買うだけだ。在米資産を凍結されるなら、サウジなどOPECは石油をドルでなく人民元など非米諸国の通貨で売るようにして、ドルや米国を回避する傾向を強める。この流れはドルの基軸性喪失・ドル崩壊につながる。
◆産油国の非米化
【2022年10月10日】米政府はサウジやUAEに対し、兵器販売を減少・中止したり、WTOに提訴したり、在米資産を凍結することまでも検討している。これらの策は一見、サウジなどを困らせる策に見えるが、実のところ米国の影響力・覇権を低下させる自滅策だ。サウジやUAEは、米国が兵器を売ってくれなくなったらロシアや中国から買うだけだ。在米資産を凍結されるなら、サウジなどOPECは石油をドルでなく人民元など非米諸国の通貨で売るようにして、ドルや米国を回避する傾向を強める。この流れはドルの基軸性喪失・ドル崩壊につながる。
◆産油国の非米化
【2022年10月10日】米政府はサウジやUAEに対し、兵器販売を減少・中止したり、WTOに提訴したり、在米資産を凍結することまでも検討している。これらの策は一見、サウジなどを困らせる策に見えるが、実のところ米国の影響力・覇権を低下させる自滅策だ。サウジやUAEは、米国が兵器を売ってくれなくなったらロシアや中国から買うだけだ。在米資産を凍結されるなら、サウジなどOPECは石油をドルでなく人民元など非米諸国の通貨で売るようにして、ドルや米国を回避する傾向を強める。この流れはドルの基軸性喪失・ドル崩壊につながる。
米英覇権を潰す闘いに入ったロシア
【2022年10月5日】ウクライナ戦争で最も重要な分野は、ウクライナでの戦闘の状況でなく、金融で世界を支配してきた米国覇権が崩壊していき、ロシアが非米諸国を誘って世界の資源類を握り、米国覇権の崩壊を加速させる国際政治闘争を展開しつつ、世界の覇権構造を米単独覇権から多極型に転換していく国際政治経済の分野である。ウクライナでの戦闘は、この覇権転換にタイミングを合わせる形で、一進一退の感じを長引かせつつ展開していく。
◆破綻が進む英米金融
【2022年10月2日】世界金融の中心だった英米の金融システムが崩壊し始めている。英国で先に崩壊が進んでいる。いきなり国債と為替が崩れるのは新興市場の現象だ。トラス政権の経済政策は愚策だが、従来の平時なら、この程度の愚策でいきなり英国債が崩壊することはない。英国債が新興市場の国債さながらに崩壊する現状は、冷戦後構築されてきた英米金融覇権の崩壊を示している。英米覇権は間もなく終わる。
◆特殊作戦から戦争に移行するロシア
【2022年9月21日】ロシアが4州を併合した時点で、ウクライナとロシアの和解は不可能になる。ウクライナが今後よっぽど負けて、4州をロシアに奪われた状態で良いからロシアと和解したいと言い出せば別だが、米英は今後もずっとゼレンスキーをテコ入れして和解させないだろうから、この道もない。欧州はロシア敵視を続けねばならず、欧州経済は自滅が進み、エリート支配が崩れてポピュリスト支配になって米国側から離脱し、ロシア敵視をやめていく。これがプーチンの目標の一つだろう。
世界を多極化したがる米国
【2022年9月19日】米英覇権体制は、米国にとって良い戦略でない。いったん覇権を米国に譲渡した英国が、その後逆に米国を牛耳って採らせてきた戦略だ。米国は、英国の傀儡にさせられた。覇権初心者の米国は、覇権維持策を稚拙に過激にやってわざと失敗して覇権を自滅させるやり方で、英国の隠然支配を振りほどこうとしてきた。米国は、残虐な戦争や汚い手法での政権転覆などを次々とやって、世界から自国への信用を落とし、覇権を自滅させようとしてきた。だが、そのたびに英国勢(諜報界)が支配してきたマスコミ権威筋が米国の信用低下を食い止めるプロパガンダを世界に流布し、人々の多くがそれを軽信し、米国の覇権はなかなか下がらなかった。
ロシア敵視で進む多極化
【2022年9月16日】ウクライナ戦争でロシアが欧州と断絶してアジアの国になり、中露印など非米諸国がアジアを発展させて世界経済の中心にしていく。日本や韓国など表向きは米国側の諸国もそこに参加して実質的な非米諸国になる。世界は多極型に転換し、中露など非米化した東アジアが世界経済の牽引役になり、日韓もそこに参加する。
◆米英の金相場抑止とロシア
【2022年9月12日】米長期金利の上昇はドル崩壊・信用低下の象徴だ。ドルが崩壊するほど、石油ガス穀物など資源類が高騰する。今はまだ石油相場が金相場と同様、米英側から金融的に引き下げられている。だが今後、ドル崩壊が進行すると、石油や金の相場を引き下げるドルの金融技能も低下し、金も石油も高騰する。原油は、金融技能が低下すると200ドルに向けて高騰する。歴史的に見て、金相場は原油相場の10-30倍だから、金相場も1オンス2000-5000ドルへと高騰する。これらは資源類の高騰というよりもドル崩壊の具現化である。
◆意外と正しい日銀の円安放置
【2022年9月8日】日本が緩和策をやめず、円安を放置しているのは意外と良い策だ。最良の策でないが次善の策だ。米英中銀がQTと利上げを加速するのは愚策であり、近いうちに巨大な金融危機を引き起こす。日銀はQEを続けることにより、米英が金融危機になった時、日本だけ危機をいくらか緩和できる。
ユーラシアの逆転と日韓米軍の撤退
【2022年8月29日】ユーラシアを席巻した中露は今後、ユーラシアを外側から包囲してきた韓国と日本の米軍基地を撤去させようとする。在韓米軍の撤退は、これから中露が朝鮮半島の和平仲裁を主導していく際の最終目標になっていく。半島和平を成功させる最重要点は、和平や米軍撤退が実現しても北朝鮮の金家の独裁体制が内部崩壊しないという自信を北の上層部に持たせることだ。北朝鮮はこれまで、南北の戦争状態や在韓米軍の脅威を使って国内を結束させて独裁を維持してきた。うかつに和平を達成すると、北の国内で金家の独裁を支持する洗脳が解け、政権や国家が崩壊しかねない。北の上層部は、その懸念がある限り和平を進めない。
◆中露主導の朝鮮半島和平への道筋をつけるロシア
【2022年8月27日】ロシアは、北朝鮮に恩を売っても、それを利用して朝鮮半島和平の主導役になろうとはしていない。ロシアにとって、これからの半島和平の主導役は自国でなく中国である。米国も、中国が半島和平の主導役になることを望んできた。ロシアは、北朝鮮に言うことを聞かせる政治力を構築し、これから中国が米国に替わって半島和平を主導する際に、ロシアが対北政治力を使って中国を補佐することで、中国に恩を売りたい。
潰されていくドイツ
【2022年8月23日】東欧や南欧など欧州の周辺諸国は、世界有数のドイツの経済力を頼りにしてEUに加盟したいと考えてきた。だがドイツは今、ロシアからの安いガスを絶たれて経済破綻しつつある。周辺諸国はドイツに頼れなくなっていく。ドイツの経済崩壊が進むと、EUの求心力も失われて解体しかねない。
◆イラン核協定で多極化
【2022年8月20日】バイデン政権はイラン核協定(JCPOA)に復帰したがっている。米国が復帰して核協定が完全なものに戻ると、イランは経済制裁を解かれて石油ガスの輸出が自由になり、石油ガスの国際相場が下がる。これは世界的なインフレ傾向を止める動きになり、インフレ悪化の責任を問われて支持率がどんどん下がっているバイデンとしては、JCPOAへの復帰が人気を取り戻す策になる。
悪いのは米国とウクライナ政府
【2022年8月17日】8月5日以降、ウクライナ南東部にあるロシア管理下の欧州最大のザポロジエ原発に対し、ウクライナ軍が攻撃を仕掛けるようになった。ウクライナ政府は「原発を攻撃しているのはロシア軍だ」とウソを言っている。、米国側の政府やマスコミはいつもの通りウクライナが発するウソを簡単に信じ、ロシアを非難している。露政府は「原発を攻撃しているのはウクライナ軍であり、このまま攻撃が放置されると原子炉や使用済み核燃料が破壊され、放射能が漏れて大変なことになる」と警告している。チェルノブイリやフクシマを越える核の大事故が起きる懸念がある。
◆中国に非米化を加速させ米覇権衰退を早めたペロシ訪台
【2022年8月11日】ペロシ米下院議長の台湾訪問は、米国による中国敵視の象徴であり、中国の非米化を進めたい習近平が、中共上層部で非米化に反対する親米派に対して「米国が中国を敵視している以上、中国は米国を見限って非米化を進めていくしかない」と論破できるようにしてやった。米中枢の隠れ多極派が、中国の非米化を加速する意図をもって、ペロシを訪台させたのだろう。ペロシは、自分の仇敵である習近平とプーチンが結束して米国潰しを進めることを応援する策略のために訪台させられた。
安倍元首相殺害の深層 その2
【2022年8月8日】今回の安倍殺害以降の流れは黒幕なしに起きないものだ。黒幕になりうるのは米国だけで、他の勢力が黒幕である可能性はかなり低い。米国が安倍を殺すなら、その目的は日本に中露敵視を強化させることぐらいしかないが、実際のその後の岸田の日本政府は、中露敵視を強化せず、むしろ隠然と中露と協調していた安倍の路線を意識的に踏襲している。私は、安倍殺害が日本を非米化の方向に動かしていく転機として米国側から用意されたのでないかと勘ぐっている。
◆非米化で再調整が続く中東
【2022年8月5日】ロシア、トルコ、イランの首脳がイランに集まってシリア内戦の解決について話し合った定例の「アスタナサミット」は、シリアをめぐる状況を画期的に転換した。これまで米国に味方し、露イランアサドと敵対していたトルコが、サミット直後に突然、露イランシリアの味方に翻身し、シリアに駐留する米軍に撤退を要求し始めた。トルコは、敵として戦っていたアサド政権のシリア政府軍と協力することにした。トルコの転向の裏には、米国の覇権低下とロシアの影響力拡大がある。
米諜報界の世界戦略としての新型コロナ
【2022年8月4日】米諜報界の上層部は、ファウチが責任者をしていた武漢研で米中共同研究中のウイルスを漏洩させてコロナ危機を発祥させたが、その後、米国のコロナ対策の最高責任者をファウチにやらせた。ファウチは全力でウイルス漏洩の真の経路を隠蔽した。ファウチは諜報界の言いなりで、感染対策に全く効果がなく経済を自滅させるだけの超愚策な都市閉鎖を米欧諸国にやらせていった。効かないワクチンを人々に反復接種させる超愚策も進んだ。多極派が牛耳る米諜報界は、コロナを使って米欧の経済を自滅させることに成功した。
◆米連銀がQTをやれない理由
【2022年7月31日】連銀は満期前のMBSを途中売却しないとQTにならず、それをやると住宅ローンの市中金利を引き上げ、ローンを抱える米国民の利払いを増やして生活苦をひどくする。これは政治的にまずい。米住宅市況はすでに売れ行きが悪化し、QTでローン金利が上がると景気悪化に拍車をかける。連銀はMBSについてQTをやらず、むしろQEを継続して住宅ローン金利を引き下げている。
自滅させられた欧州
【2022年7月30日】今年2月末にロシアがウクライナに侵攻したとき米諜報界は、石油ガス輸入停止など厳しい対露経済制裁を行えばロシアは短期間で経済破綻し、プーチン政権を崩壊させられると自信満々だった。欧州の上層部はその見方を軽信し、米英主導の対露制裁とウクライナ支援に全面的に乗った。だが米諜報界は、米国覇権体制を自滅させたい隠れ多極派に乗っ取られており、経済制裁とウクライナ支援でロシアを倒せるというシナリオは、欧米とくに欧州を自滅させるための歪曲話だった。
◆資源の非米側が金融の米国側に勝つ
【2022年7月28日】ロシアは、自分たちが進めている下剋上の米国潰しの試みに中国が全面協力してくれると、とてもうれしい。だが中国には、米国側と対立せず経済関係を維持した方が儲かるので良いという考え方がある。ロシアが頼んだだけでは中国はあまり動いてくれない。だがそこに、米英が全力で中国を敵視する新たな政治力学が加わると、それならロシアに協力して米国側を経済的に潰してしまった方が早道だと考える傾向が中国で強まる・・・
多極化を認めつつも自滅する英米エスタブ
【2022年7月21日】英国のブレア元首相は、すでに米覇権は崩壊していて米中2極化や多極化が不可避だと講演した。英米エスタブの世界では、自分たちの文明が中国・非米側に負けると明言すると袋叩きにされる。だからブレアは「負けるか、もしくは勝てるか不明な状態」と言っているが、彼の本音は多分「米国側は中国・非米側に負ける」だ。東洋が西洋と肩を並べる。日本は西洋でなく東洋に入った方が良くないか。
◆インドへのパイプラインでアフガンを安定化するプーチン
【2022年7月18日】ウクライナ開戦後、欧米がロシアの石油ガスを輸入しなくなり、ロシアは石油ガスを中国インドなど非米側に売る量を急増した。ロシアは、トルクメニスタンからアフガニスタンとパキスタンを経由してインドにガスを送るTAPIパイプラインを完成させて、ロシアのガスもそれでインド方面に送る計画に積極的に協力するようになった。タリバンもTAPIも、ロシアの敵だったものが、回り回ってロシアの味方になっている。
腑抜けたバイデンの中東訪問
【2022年7月16日】バイデンの中東訪問の2つの目的は、いずれも達成できそうもない。しかも、達成できないことが事前にわかっていたのに訪問を挙行するというボケぶりだ。なぜ達成できないかというと、それはサウジアラビアがこれまで採ってきた対米従属の国是をすでに放棄し、ロシアや中国と結託しており、非米諸国の仲間入りをするためBRICSに入ろうとしているからだ。バイデンの中東訪問は、頓珍漢や的外れ、腑抜けが重なっており、中東諸国に米国の覇権衰退を痛感させるものになっている。
◆行き詰まるFRBのQT
【2022年7月15日】米連銀は6月1日から7月13日までの1か月半に190億ドルしか資産を減らしていない。予定なら700億ドル近く資産圧縮せねばならないが、実際はその30%ぐらいしか圧縮できていない。連銀はQTをやれてない。QTを予定通りやると、株価がもっと下落し、債券の金利が上昇し、石油ガスや金地金などコモディティの相場も上がり、金融崩壊とインフレが激化してしまう。米連銀は政界に加圧されてQEをやめてQTを始めたものの、QTが引き起こす経済崩壊に直面し、QTを減額した状態で立ちすくんでいる。
◆ロシア敵視が欧米日経済を自滅させ大不況に
【2022年7月12日】欧日など米国側の諸国は、ロシア以外の諸国から買う石油ガスを増やせなくなっている。欧日の経済は自滅を免れない。米国(隠れ多極派が牛耳る諜報界)は、欧日を自滅に追い込み、いずれ欧日が対米従属をやめて米覇権の維持に協力しなくなるよう仕向けている。
安倍元首相殺害の深層
【2022年7月10日】岸田は安倍路線を捨て、米国から誘導されるままに露中敵視を強めるが、それは日本が経済的に露中から報復されて窮乏することにしかつながらない。米諜報界とバイデン政権を牛耳るネオコン系は隠れ多極主義なので、露中を強化して多極化を進めるために、日独に自滅的な露中敵視をやらせて潰し、露中を優勢にしている。安倍は日本を米中両属にして国力の温存を図ったが、今回ネオコン系に殺され、代わりに日本の権力を握らされた岸田は、ネオコンの傀儡になって日本を急速に自滅させていく。
英ジョンソン首相辞任の意味
【2022年7月8日】保守党がジョンソンを辞任させねばならなかった真の理由は、ジョンソンが米国と結託し、G7を率いてロシアや中国を敵視している戦略の大失敗が確定し、このままだとロシアなど非米諸国から米国側への経済的な報復によって、英国を含む米国側の全体が、エネルギー穀物など資源類の高騰と不足によって経済破綻しかねないからだ。日本で安倍晋三・元首相が撃たれた理由もこの関係だ。
◆FRBがQTをやめるかも
【2022年7月5日】多極派の策略が続いているという政治分析と裏腹に、金融市場を見ると、QTをやめてQEを再開する方向に事態が動いていると思われる事象もある。そのひとつは、長期米国債の金利上昇が止まっていることだ。株から米国債に資金が移ってきたとも考えられるが、そうでなく、連銀がQEをこっそり再開していることの表れとも考えられる。連銀の資産総額も3週間連続で増えている。米長期国債の金利低下が続くなら、連銀がQTをやめている可能性が高くなる。
日米欧の負けが込むロシア敵視
【2022年7月3日】米国は、自分が日欧を守れなくなっているくせに、守ってもらえなくなったので敵方のロシアに譲歩しますと日欧が言い出すと、逆ギレして非難敵視してくる。米国は覇権の力が落ち、やくざな国になっている。縁切りしないと危険だが、簡単には足抜けさせてもらえない。日本は今後、米国に気兼ねしてロシア敵視をやめられず、ロシアからガスなど資源類の供給を次々と止められて、いよいよ国民生活が窮乏していく可能性が増す。日本政府は、早く腹をくくって米国から距離をおいてロシア敵視をやめないと、国民がひどい目にあう。安倍晋三が訪露してプーチンと会うのが解決への道筋だ。
◆制裁されるほど強くなるロシア非米側の金資源本位制
【2022年6月30日】G7サミットはロシア敵視のかたまりだった。ゼレンスキー大統領が「ご本尊」のようにビデオ参加して同盟諸国の指導者たちに睨みを効かせる中で、G7はウクライナに対して軍事経済両面の支援を恒久化することを誓い、ロシア敵視策をいくつも決めた。中国敵視も打ち出した。だが、これらの策で露中は弱体化するどころか強くなり、むしろ米国側が資源の不足や高騰にみまわれ、非米側が金資源本位制を発展させて台頭することを誘発している。
プーチンの偽悪戦略に乗せられた人類
【2022年6月24日】プーチンがドンバスだけでなくウクライナ全土を対象にする派手な侵攻劇を展開し、米国側が激怒してロシアに極悪のレッテルを貼って極度に経済制裁するように仕向けたことが、ロシアの優勢と米国側の自滅につながっている。プーチンは、あえて派手な侵攻劇を展開して極悪者になることで、経済と軍事の両面でロシアを勝たせ、米国側を自滅させている。プーチンは派手な侵攻劇を意図的に展開し、米国側がロシアに極悪のレッテルを貼って自滅的な対露制裁をやるように仕向ける「偽悪戦略」を実行し、成功しているのでないか。
◆覇権の暗闘とイスラエル
【2022年6月22日】中東和平・パレスチナ問題は、大英帝国の基盤にあった英諜報界(ユダヤ網)を乗っ取って(コピーして)分離しようとしたイスラエルに対し、英国側が報復のために建国時のイスラエルになすりつけて永久に背負わせた難問である。英国は、インドが独立する時にパキスタンを分離独立させてインドが永久に苦悩するように仕向けたが、あれと似たものだ。オルメルト案やトランプ案で中東和平が形だけ実現して安定的に維持されれば、イスラエルとアラブ諸国が正式に和解でき、イランなどもイスラエルを敵視できなくなって中東は安定と発展に向かう。しかし、入植者から米民主党まで和平を妨害する勢力がたくさんいて、何10年も進まない状態になっている。