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続折々の記 2022 ⑫
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【 01】10/28
     田中宇の解説
     習近平独裁強化の背景
        米国覇権が崩壊しつつある(もしくは、すでに崩壊した)からだ
     覇権の多極化を何故進めたいのか  

 2022/10/28
習近平独裁強化の背景
米国覇権が崩壊しつつある(もしくは、すでに崩壊した)からだ

習近平独裁強化の背景
   https://tanakanews.com/221027china.htm
   2022年10月27日   田中 宇

中国で、権力者の習近平が、自らの独裁権力をさらに強めている。独裁政党である中国共産党は、1970年代に毛沢東の個人独裁体制が崩れてトウ小平が権力に就いてから、2012年に胡錦涛(トウ小平の最後の弟子)が権力を降りて習近平と交代するまで、覇権国である米国から工業技術や資本を供給されて米製造業の下請けとして経済発展させてもらう見返りとして、(共産党上層部内だけの)民主主義や、リベラル主義(少しの言論の自由)、市場主義(資本主義。改革開放路線)など、米国に気に入られようとする政治経済体制を採用・演出していた。1970年代末から2012年まで、共産党は党内民主主義を重視して党上層部が合議制の集団指導体制を採用し、個人の独裁が禁じられていた。権力者の任期も2期10年に定められていた。だが、2012年に権力の座についた習近平は、これらのトウ小平路線を次々と壊し、個人独裁を強化している。 (China After The Party Congress: What Now?) (Former China President Abruptly Escorted From Party Congress)

習近平は先日の党大会で、権力者(党書記、国家主席、党軍事委主席という3職を兼務する者)として3期目に入ることを決議させた。後継者を示唆せず、終身独裁者として4期目もやりそうだ。トウ小平路線を継承してきた元権力者の江沢民や朱鎔基は党大会に呼ばれず欠席になり、胡錦涛は党大会に呼ばれて習近平の隣に座らされたものの、党大会の閉会式で粛清的に強制退場させられる茶番劇の犠牲になった。習近平は、制度的にも象徴的にも、トウ小平路線の破壊をこれみよがしにやっている。習近平は、集団指導体制を壊して自分の子分ばかりで上層部を固め、米国との対立を辞さず米英批判を強め、言論の自由を減らし、経済も国家主義を導入して市場主義を制限し、党による規制強化(習近平路線)を批判したアリババのジャック・マーを見せしめとして処分(永久軟禁?)した習近平政権は、経済米国化の一環として発生してきた株価や不動産などの金融バブルを積極的に潰す策もやり続けた。習近平の独裁強化は、政治経済的に米国と仲良くして中国を発展させてきたトウ小平路線に対する破壊活動の一環として進められている。 (中国の意図的なバブル崩壊) (West's ‘rules-based order’ not clearly defined - Chinese think tank expert)

日米のマスコミ権威筋は、習近平の独裁強化策を「権力欲におぼれた愚挙」と単純化して決めつけ、「独裁は悪だ」という善悪観のみで喧伝している。以前からの中国敵視のプロパガンダの上にそれが載せられ、多くの人が喧伝を軽信している。分析など要らない。だって、独裁は悪いことでしょ。悪人の言い訳なんか聞きたくない。という感じ。プーチン=悪。習近平=悪。中露は必ずや失敗する。悪だから。そういう観点で、ことさらグロテスクに、失敗方向が誇張されて喧伝されている。だが、麻薬中毒的な善悪論をいったん離れ、習近平の独裁強化とトウ小平路線の放棄・破壊をまっとうな戦略として見ると、これが今後の中国を強化・発展させる策かもしれないと思えてくる。米覇権側(米欧日)が、習近平をグロテスクな極悪として描くほど、むしろそれが習近平の策の本質を見えなくさせる目くらましとして機能し、気がついたら米国覇権が崩壊して中国(中露など非米側)が生き残って台頭する多極化になっている、という展開になりそうだ。プーチンだけでなく習近平も「偽悪戦略」を採っている可能性がある。 (プーチンの偽悪戦略に乗せられた人類) (The World Reacts To Chinese Dictator Xi Jinping Purging Former Leader On Camera: ‘Chilling And Orwellian’
中国の独裁者習近平がカメラで元指導者を粛清することに世界は反応する:「身も凍るようなオーウェル的」
デイリーワイヤーニュース 2022年10月23日 DailyWire.com

(映像)☛(北京、中国- 10月22日:中国の習近平国家主席(L)は、胡錦濤前国家主席が中国共産党第20回全国大会の閉会セッションから早期に出発するのを手伝われるのを見ています、2022年10月22日に北京で、中国共産党大会は本日終了し、現職の習近平国家主席は3期目の権力を握ると予想されています。)

金曜日の夜遅く、中国共産党の独裁者である習近平が前任者の胡錦濤前国家主席を中国党大会から連れ去った画像が浮上した後、世界中の著名人がショックを表明した。

ニューヨーク・タイムズ紙は、党大会は高度に振り付けられたイベントであり、強制解任された習主席と話そうとした胡氏の予期せぬ解任にさらに懸念を抱かせたと指摘した。

一部の報道やコメンテーターは、胡氏が体調不良だったのではないかと示唆しようとしたが、ビデオには、彼が混乱し、予期せず連れ去られたことに腹を立てているように見え、部屋から連れ去られることに抵抗しているように見えることが繰り返し示されていた。

北京の人民大会堂からの胡の追放は、習主席が約2,300人の中国共産党の主要幹部に重要な演説をする前に行われた。2018年に国家主席の2期の制限を終了した習主席は、中国共産党総書記として3期目が正式に確認される予定です。彼は共産党の書記長、大統領、軍の長の両方を務めており、しばしば「パラマウント」または「最高指導者」と呼ばれます。

事件のビデオはツイッターでバイラルになりましたが、中国の厳しく検閲されたソーシャルメディアプラットフォームには存在しませんでした。

69歳の習主席は日曜日、5年に一度の党大会の開会セッションで演説し、台湾での保留中の動きを示し、北京が香港の民主主義の願望を打ち負かしたことに勝利ラップを行い、COVIDを打ち負かすことを誓った。

習主席は第20回党大会の開会式で、終身指導者としての地位を肯定する予定のようだ。彼は、彼の筋肉質な政府が西側との衝突コースにあり、台湾を乗っ取るつもりであることを受け入れているようでした。

以下は、ウイルス事件に対するオンラインでの最も注目すべき対応の一部です。

・ VICEの記者メリッサ・チャン:「最悪のシナリオは、習主席が国と世界の前で意図的に行われた不気味な権力の動きを引っ張ったばかりであり、私たちは皆、政治的粛清が氷のように冷たく役立ったのを目撃した」と述べた。

・ モニカ・クロウリー、元財務省職員:「共産主義者の粛清の冷酷な残虐行為。これを吸収してください。」

・ 作家兼ジャーナリストのエミリー・マイトリス:「高度に振り付けられた議会の終わりに、これがどれほど身も凍るような瞬間であったかを誇張するのは難しい。無期限の任期を認めるようにルールを変更した中国の指導者である習主席は、前任者の胡を連れ去った。」

・ ダレン・グライムズ、GBNews:「おびえた、灰の顔が彼らの前のリーダーを見ることを拒否する方法。共産主義が動いている恐ろしい光景。」

・ オペレーション・ホープのジョン・ブライアント最高経営責任者(CEO)は「中国の指導者たちは皆、人生の毎日、完全に妄想的でストレスを感じながら歩き回らなければならない。これは彼らにも起こり得る。言葉はありません。」

・ ジェームズ・スタヴリディス、カーライル・グループの副会長、博士号、米海軍提督(退役)、NATOの元連合軍最高司令官:「この身も凍るようなオーウェルのシーンを見てください。胡はホーを盛り上げる。後で胡を習う」

・ ルイス・ガリカーノ、経済学教授:「これはあなたの報酬です、胡さん、ルールに従ってプレーし、2期後に去ったことに対する...世界の前での習主席による裸の権力の誇示。」

・ マーシャ・ブラックバーン上院議員(共和党、テネシー州):「習主席が党大会を支配しており、外国の報道機関の前で胡錦濤を屈辱することで彼の筋肉を世界に見せたかったことは明らかです。」
習近平は、米覇権体制の傘下で中国を発展させてきたトウ小平路線を捨てる策を進めてきた。なぜか。米国覇権が崩壊しつつある(もしくは、すでに崩壊した)からだ。米覇権の崩壊は、マスコミ権威筋が無視する傾向なので、多くの人々に見えていない。米覇権が今後もずっと隆々と強く、中国(や日本)がその傘下にいれば経済発展し続けられるなら、トウ小平路線(や日本的な積極的対米従属)をやめない方が良い。米覇権が永続するなら、習近平の独裁強化は「権力欲におぼれた愚挙」である。だが逆に、米覇権が崩壊するなら、早く自立して他の路線に移らないと米国と一緒に衰退してしまう。以前から中国は理想主義でなく現実主義だ。党内民主化やリベラル化や自由市場化は、「良いこと」だからでなく、中国を米国傘下で発展させる策だから採用した。 (The sweeping impact of new US semiconductor restrictions

米覇権や欧米中心体制の永続を前提にしてきたトウ小平路線と対照的に、習近平の路線は、米覇権が縮小し、米覇権の外部にある非米諸国が相対的に台頭して多極型の世界になることを前提にしている。習近平は、ユーラシアの内陸や西アジア、アフリカ、ロシアなどの非米諸国をつなぐ「一帯一路」の経済圏など、非米諸国との経済関係を強化して中国を発展させていこうとしているトウ小平から胡錦涛までの時代、中国人の世界観は欧米中心だった。トウ小平路線の人々の多くは今も、米覇権の不可逆的な衰退を見据えていない。習近平が、米覇権の衰退を前提に、欧米と距離を置き、非米諸国との経済関係を主軸にしたがっていることに、トウ小平路線の人々は猛反対してきた。トウ小平路線は40年近く続いてきたので、中国のエリートの多くはそこにどっぷりひたっており、その路線下で蓄財してきたので転向したがらない習近平が自分の路線を人々に学習させても本質的な理解者は少数で、集団指導体制だと中共中央は守旧派(市場主義派)が大半になり、トウ小平路線から離脱できない。それで習近平は独裁強化に踏み切った。 (中国の権力構造

トウ小平は自分の後継者として江沢民と胡錦涛に10年ずつやれと遺言して死んだが、胡錦涛の任期満了後に誰が権力を継いで何をするかは決めなかった。胡錦涛の後任を習近平に決めたのは江沢民だったようだが、習近平はトウ小平路線を継承する義務があったわけではなく、その点で政策決定の自由があった。トウ小平は、米覇権が強い間は米国に逆らうなと遺言していたが、これを裏から読むと、米覇権が崩壊するなら他の戦略を採れという遺言になる。そう考えると、習近平がトウ小平路線を放棄・破壊しているのはトウ小平自身の遺言に沿っていることになる。 (中国の悪さの本質

習近平の独裁強化のもう一つの側面は、習近平が毛沢東の皮をかぶり、毛沢東を真似て独裁を強化していることだ毛沢東の時代、(毛の政策失敗が一因で)人々は全員が平等に貧しかった。トウ小平の時代になって人々は豊かになったが、一部の人だけ(汚職や投機を駆使して)ものすごく豊かになり、ほとんどの人々は少ししか豊かになれず、貧富格差と拝金主義がひどくなり、人々の不満が募った。多くの人が感傷的に「毛沢東の時の方が平等で良かった」と思った(文化大革命でひどい目にあった人も多いが)。習近平は、トウ小平路線を壊すにあたり、自らを毛沢東の忠実な後継者に見せる策をとり、習近平路線はトウ小平路線の欠点を是正するものだと言って人々の支持を得た。 (China is approaching a turning point in its history

プロパガンダ的な皮かぶりだけでなく、毛沢東と習近平の策は似ているところがある。毛沢東は自力更生の経済政策を大胆にやって失敗したが、自力更生とは、米英の先進国から冷戦で敵視されて技術導入ができなくても、自力で技術を構築できるという策だ。毛沢東の時代、中国には技術の蓄積がほとんどなかったので失敗した。そして今、習近平は米覇権崩壊を前提に、米欧に技術を依存せず自力更生で中国(と一帯一路の諸国)の経済を回していく策を採っている。毛沢東の時代は中国に技術がなかったが、その後のトウ小平路線の40年間に中国は米欧日から大量の技術を移植され、今では世界最先端の技術保有国になっている。そして米欧は金融バブル崩壊と対露制裁による資源不足で経済破綻していく。資源の大半は中露側にある。今後の中国は、むしろ自力更生(と非米諸国との連帯)の経済政策をやった方が成功する。毛沢東が成功できなかった自力更生を、習近平が成功させる。中国共産党にとって、これ以上の成功神話はない。 ('Peaceful Modernization' Is China's Offering To The Global South

習近平は、中国人にショックを与える目的でも毛沢東の皮をかぶっている。毛沢東は、文化大革命、紅衛兵、人民裁判、粛清などの恐怖政治の暗黒な側面も持っている。習近平は、毛沢東の恐怖政治をあえて再演して見せることで、身勝手な血液B型の中国人たちに「逆らったら怖い目にあう」と動物的に思わせて服従させている。トウ小平路線に固執して習近平に従わない先輩の胡錦涛を議場から強制連行して排除する「粛清」を演じたのは、習近平の「毛沢東ごっこ」の一つだ。胡錦涛は犯罪者扱いされず体調不良での退席と発表されており、これは本物の粛清でなく、人々に文革時代を思い出させるための「恐れさせごっこ」だ。ジャック・マーを行方不明にさせたり、コロナ都市閉鎖策の違反者たちを街頭で引き回して人民裁判的にさらし者にしたのも、習近平の「毛沢東ごっこ」だ。習近平は、プーチン同様、米欧に極悪人のレッテルを貼らせ、米欧が中露敵視策をやるほど米欧が自滅して中露が台頭する偽悪戦略を採っている感じだ。ヒットラーと日本帝国は惨敗したが、習近平とプーチンは勝ちそうだ。 (‘Not feeling well’: China’s ex-leader led out of party congress

習近平はゼロコロナ策をとり続けている。ゼロコロナ策は、コロナ対策としてほとんど効果がない都市閉鎖を断続的に延々と続けることであり、経済を破壊するだけの超愚策だ。コロナ対策として馬鹿げているが、権力者が政敵たちの動きを監視・阻止する策としては有効だ。習近平は、ゼロコロナ策で都市閉鎖を続けることで、トウ小平路線派を監視したり動きを封じるのがやりやすくなっている。習近平は、トウ小平路線派がかなり弱くなるまでゼロコロナ策を続けるだろう。改革派の巣窟っぽい上海市は、今後2年間ゼロコロナ策を続けさせられるそうだ。 (The People's Republic of China Has Become A Zero-Covid Hell

ゼロコロナ策を続けると、中国の経済成長は大幅に減速する。中国共産党が政権を持つ正統性は高度経済成長の維持にあると言われてきた。ゼロコロナによる成長鈍化で習近平は自滅する、と言う人がいそうだ。しかし実のところ、(短期的な)経済成長が政権維持の正統性だというのはトウ小平路線、というか米覇権(欧米)の考え方だ。米国は中国に対し、共産党独裁でもいいからその代わり経済成長して投資家を儲けさせてくれと言っていたのだ。習近平は、これから崩壊する米国の言うことなど聞く必要がない。中国政府は最近、経済成長率の予測値などの重要指標の発表をやめてしまった。予測値を達成できたかどうか教えないよ、というわけだ。そもそもリーマン後、米欧の経済指標もインチキだらけだし、株や債券などの相場もQEで歪曲されており、米欧は中国を批判できる状況にない。今後しばらく、経済成長でなく覇権転換の行方が人類にとって重要だ。 (China Indefinitely Delays Reporting Key Economic Data Amid National Congress) (Markets Are Finally Grasping That China Is A Marxist State

長期的に経済成長できる体制は、独裁でなく民主主義の政治体制と、国家統制でなく自由市場の経済体制だ、と考える人が欧米と、中国の改革派(トウ小平路線派)に多い。これが本当なら、党内民主主義と自由市場経済を捨てた習近平の中国は経済成長できなくなる。しかし、これは本当なのか??。日本(など先進諸国の)経済は、分割民営化など市場主義を導入した1990年代以降より、それ以前の国家統制があった時代の方が高度成長していた市場原理の導入は、民営化して株式公開と債券発行させて金融相場を活況にする(相場をつり上げ、投資家を儲けさす)ことが真の目的であり、市場主義の方が成長できるという話は、その目的を達成するための詭弁だ。一党独裁と「中国式社会主義」の体制下で、すでに中国は世界有数の研究開発力・発明力を持っている。習近平の中国はもっとすごい発明王国になるとジェフリー・サックスが言っている。 (China’s wisdom to drive global modernization) (The West’s False Narrative about Russia and China @Jeffrey D. Sachs

独裁より民主主義の方が良いという話も、民主主義の国の方が米英諜報界が入り込んで不都合な政権を交代させやすいという、米覇権維持のための話だそもそも中国は、人々が実利的・守銭奴すぎるのと、国内が民族的に多様すぎて、民主主義を実践できない体質っぽい。民主化を試みない方が良い。近年は、米国で民主党が選挙不正をやってトランプを追い出したり、EUが加盟諸国の民意の反対を無視して対露制裁とウクライナ支援を続ける超国家の独裁機関になっている。中国より欧米の方がインチキだ。欧米はもう中国を批判できない。今後の世界経済は、欧米が破綻し、投資家が儲けられる先は先進国でなく中露印など非米諸国になる。民主主義や自由市場でないと成長できないという話は雲散霧消するだろう。みんな騙されていたわけだ。 (China's Coming Clash With Economic Reality

中国が米欧に気兼ねしてきた時代、米国に気に入られるためにリベラルごっこ、民主主義ごっこを演じてきた時代は、トウ小平路線とともに終わる。共産党の中国は、明清の中華帝国と似た感じの政体になっていく。経済成長と政治安定を得られるならそれで良い、という話になる。新冊封体制との関係など、今回の話はまだまだ書きたいことがあるが、とりあえずここまでで配信し、改めて書く。 (China's Xi Gets Ready For The Final Countdown
中国:習主席は最後のカウントダウンの準備をしています
   https://thesaker.is/china-xi-gets-ready-for-the-final-countdown/
   27489 件の閲覧回数2022年10月19日 32 コメント
   ペペ・エスコバル著、著者の許可を得て投稿され、広くクロスポスト

習近平国家主席の1時間45分のスピーチ 20の冒頭で番目北京の人民大会堂で開催された中国共産党大会(CPC)は、近い将来に情報を提供する最近の過去の吸収的な演習でした。アジア全体とグローバル・サウス全体が慎重に検討する必要があります。

大ホールは真っ赤な旗で贅沢に飾られていました。ホールの後ろにぶら下がっている巨大なスローガンには、「私たちの偉大で栄光に満ちた正しいパーティーを長生きさせてください」と書かれていました。

以下の別のものは、レポート全体の要約のように機能しました。

「中国の特色ある社会主義の偉大な旗を高く掲げ、習近平の新時代の特色ある社会主義思想を全面的に実施し、党の偉大な建国精神を貫き、団結して闘争し、近代社会主義国家を全面的に建設し、中華民族の偉大な復興を全面的に推進する」

伝統に忠実に、報告書は過去5年間の中国共産党の成果と今後5年間およびそれ以降の中国の戦略を概説した。習主席は、国内外で「激しい嵐」が来ると予測している。この報告書は、綴られていない、または微妙に暗示されているものについても同様に重要でした。

中国共産党中央委員会のすべてのメンバーは、すでに報告書について説明を受けており、承認されていました。彼らは今週北京で細字を研究し、土曜日にそれを採用するために投票する予定です。その後、新しいCPC中央委員会が発表され、新しい政治局常務委員会(実際に支配する7つ)が正式に承認されます。

この新しいリーダーシップのラインナップは、習主席に非常に近い場所で働く新世代の顔と、李克強の後任として新首相になる人を明確にします:彼は2期を終え、憲法によれば辞任しなければなりません。

大ホールには、CPCの9,600万人を超えるメンバーを代表する2,296人の代表者もいます。彼らは単なる傍観者ではなく、先週終了した本会議で、すべての主要な問題を詳細に分析し、国民会議の準備をしました。彼らは党の決議に投票します–それらの決議が最高指導者によって決定されるとしても、そして密室で。

重要なポイント

習主席は、過去5年間、中国共産党は中国を戦略的に前進させ、すべての外国の課題に「正しく」(党用語)対応したと主張している。特に、貧困緩和、香港の正常化、外交・国防の進展などが重要な成果です。

現在の常務委員の後ろの2列目に座っていた王毅外相は、他の人々が机の上で報告書のコピーを読んでいる間、習主席から目を離さなかったことを非常に物語っています。

成果と比較して、習近平が命じたゼロコビッド政策の成功は依然として非常に議論の余地があります。習主席は、それが人々の命を守ってきたと強調した。彼が言えなかったのは、彼の政策の前提は、Covidとその亜種を中国に向けられた米国の生物兵器として扱うことであるということです。つまり、中国経済でさえ、他の考慮事項に勝る国家安全保障の深刻な問題です。

ゼロコビッドは生産と雇用市場に非常に大きな打撃を与え、中国を外の世界から事実上孤立させました。ほんの一例:上海の地区政府は、2年間のタイムスケールでゼロコビッドを計画しています。ゼロコビッドはすぐになくなることはありません。

深刻な結果は、中国経済が今年成長するのが最も確実で3%未満であり、公式目標の「約5,5%」をはるかに下回ることです。

それでは、習近平の報告書のハイライトをいくつか見てみましょう。

台湾:北京は台湾に対する「分離主義と外国の干渉に対する大きな闘争」を開始しました。

香港:現在は「愛国者によって管理されており、より良い場所になっています」。香港では「混沌から秩序への大きな移行」がありました。正解:2019年のカラー革命は、主要な世界貿易/金融センターをほぼ破壊しました。

貧困緩和:習主席は、中国共産党の100周年と中国の特色ある社会主義とともに、過去10年間の3つの「主要な出来事」の1つとしてそれを称賛し、「新時代」に入った。貧困緩和は、中国共産党の「200周年目標」の1つの中核です。

開放:中国は「主要な貿易相手国であり、外国投資の主要な目的地」になりました。それは、中国がより独裁的になったという考えに反論している習主席です。中国は、外界に開放しながら、いかなる種類の「拡張主義」にも関与しません。基本的な国家政策は変わりません:経済のグローバル化。しかし、彼はそれを言わなかったが、「中国の特徴を持つ」。

「自己革命」:習主席は新しい概念を導入した。「自己革命」は、中国が景気後退につながる歴史的なサイクルから逃れることを可能にするでしょう。そして、「これは党が決して変わらないことを保証します」。つまり、それはCPCまたはバストです。

マルクス主義:間違いなく基本的な指導原則の1つとして残っています。習主席は、「われわれは、中国の特色あるわが党と社会主義の成功は、マルクス主義と、中国がそれをいかに適応させたかのおかげである」と強調した。

リスク:それがスピーチの繰り返しのテーマでした。リスクは、これらの重要な「200周年の目標」を妨げ続けます。ナンバーワンの目標は昨年、CPCの100で達成されました番目中国があらゆる点で「適度に繁栄した社会」の地位に達した記念日(中国語でxiaokang)。第2の目標は、2049年の中華人民共和国建国100周年に「繁栄し、強く、民主的で、文化的に先進的で調和のとれた近代社会主義国を建設する」ことです。

開発:サプライチェーンの強靭性を含む「質の高い開発」と「二重循環」経済戦略:外国投資と並行して内需を拡大する(主にBRIプロジェクトを中心に)。それが中国の最優先事項です。したがって、理論的には、いかなる改革も「社会主義市場経済」と高水準の開放の組み合わせに特権を与え、より多くの内需の創出と供給側の構造改革を混ぜ合わせるでしょう。翻訳:ステロイドの「二重循環」。

「全プロセス民主主義」:それは習主席によって導入されたもう一つの新しい概念でした。「機能する民主主義」と訳され、中国共産党の絶対的なリーダーシップの下で中国国家を活性化させるのと同じように、「人民代表大会制度を通じて人々が権力を行使できるようにする必要があります」。

社会主義文化:習主席は、「若者に影響を与える」ことが絶対に不可欠だと述べた。中国共産党はイデオロギー統制を行使し、メディアが「伝統文化、愛国心、社会主義の影響を受けた」若者の世代を育成し、「社会の安定」に利益をもたらすようにしなければならない。「中国の物語」はどこにでも行き、「信頼でき、立派な」中国を提示しなければなりません。それは確かに「狼の戦士」でさえ、中国の外交にも当てはまります。

「宗教の中国化」:北京は、「宗教と社会主義社会」を「積極的に」適応させるように、「宗教の中国化」への取り組みを継続します。このキャンペーンは2015年に導入され、たとえば、イスラム教とキリスト教は中国共産党の管理下にあり、中国文化に沿っていなければならないことを意味します。

台湾の誓約

今、私たちは衰退する覇権を完全に取りついているテーマに到達します:中国の国益との関係と、それらが国際関係における文明国家の役割にどのように影響するか。

国家安全保障:「国家安全保障は国家の若返りの基盤であり、社会の安定は国力の前提条件です。」

軍隊:人民解放軍の装備、技術、戦略的能力が強化されます。言うまでもなく、それは軍に対する完全なCPC支配を意味します。

「一国二制度」:それは「香港とマカオにとって最良の制度的メカニズムであり、長期的に遵守されなければならない」ことが証明されています。どちらも「高い自治権を享受」し、「愛国者によって管理されている」。習主席は、両方を国家戦略によりよく統合することを約束した。

台湾統一:習主席は中国の統一を完了することを約束した。翻訳:台湾を祖国に戻します。拍手喝采の奔流に見舞われ、中国国家と「外国の干渉」勢力に同時に宛てられた重要なメッセージにつながりました:「私たちは武力行使を放棄せず、すべての分離主義運動を止めるために必要なすべての措置を講じます」。要するに、「台湾問題の解決は中国人民自身の問題であり、中国人民が決定する」。

また、習主席が新疆ウイグル自治区の名前にさえ言及しなかったことも非常に明白です:中国がすべての民族グループの団結を強化しなければならないと強調したとき、暗黙のうちに。習主席と指導部にとっての新疆ウイグル自治区は、極西の工業化とBRIの重要な結節点を意味し、帝国の悪魔化キャンペーンの対象ではない。彼らは、何十年にもわたってチベットで使われてきたCIAの不安定化戦術が新疆ウイグル自治区では機能しなかったことを知っています。

嵐からの避難所

それでは、CPCの今後の非常に厳しい年に影響を与える変数のいくつかを解き明かしましょう。

習が「激しい嵐が先にある」と言ったとき、それは彼が24/7について考えていることです:習は、覇権国がそれを弱体化させるためにあらゆることをしたのでソ連が崩壊したと確信しています。彼は同様のプロセスが中国を脱線させることを許さないだろう。

短期的には、「嵐」は、自由貿易は言うまでもなく、中国の技術に対する禁止されていないアメリカの戦争の最新のラウンドを指すかもしれません:中国がスーパーコンピューター用のチップやコンポーネントを購入または製造するのを遮断します。

北京が長期的に焦点を当て続け、世界のほとんど、特にグローバルサウスが米国のハイテクサプライチェーンから離れ、中国市場を好むことに賭けていると考えるのは公正です。中国がますます自給自足するにつれて、米国のハイテク企業は世界市場、規模の経済、競争力を失うことになります。

習主席はまた、米国の名前にも言及しなかった。指導部の全員、特に新しい政治局は、ワシントンがどのように望んでいるかを知っています

あらゆる方法で中国から「切り離し」、ハイブリッド戦争のあらゆる可能なストランドを挑発的に展開し続けます。

習主席は演説で詳細を明かさなかったが、今後の原動力がグローバルなビジョンと結びついた技術革新であることは明らかだ。そこで、BRIは、これらの技術的ブレークスルーの特権的なアプリケーション分野として再び登場します。

この方法でのみ、元財務副大臣のZhu Guangyaoが、2035年の中国の一人当たりGDPが2019年の数値の少なくとも2倍になり、20,000ドルに達することを確信できる方法を理解できます。

習主席と新政治局にとっての課題は、中国の構造的な経済不均衡を是正することだ。そして、債務で賄われた「投資」を再び盛り上げることはうまくいきません。

したがって、今週後半に確認される習主席の第3期は、以前の大胆で野心的で、研ぎ澄まされているが、時には切断された年よりもはるかに、厳格な計画と実施の監視に集中しなければならないことに賭けることができます。政治局は技術的な考慮事項にもっと注意を払う必要があります。習主席は、より深刻な政策決定の自律性を、有能なテクノクラートの束に委任しなければならないだろう。

そうでなければ、2007年の温家宝首相(当時)による驚くべき観察に戻るでしょう:中国経済は「不安定で、不均衡で、調整されておらず、最終的には持続不可能です」。それはまさに覇権国がそれを望んでいるところです。

現状では、物事は決して悲観的ではありません。国家発展改革委員会は、世界の他の地域と比較して、中国の消費者インフレは「限界的」にすぎないと述べています。雇用市場は安定しています。国際決済は安定しています。

習主席の作業報告と誓約は、マッキンダー、マハン、スパイクマン、ブレジンスキーといった通常の英米の地政学的容疑者をひっくり返すものと見なされるかもしれない。

中国とロシアの戦略的パートナーシップは、世界的な覇権ゲームで失う時間はありません。彼らを駆り立てているのは、遅かれ早かれ、彼らがハートランド(世界の島)を支配し、リムランド、アフリカからラテンアメリカまでの同盟国がすべて新しい形のグローバリゼーションに参加することです。確かに中国の特徴があります。しかし何よりも、汎ユーラシアの特徴。最後のカウントダウンはすでに始まっています。
以上で田中宇の解説関係すべて終わります。


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