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続折々の記 ⑦
【心に浮かぶよしなしごと】

【 01 】09/12~大腸闘病記三     【 02 】09/14~大腸闘病記四・五     【 03 】10/03~大腸闘病記六
【 04 】10/04~老人の戯言     【 05 】10/20~     【 06 】調べたい検索語一覧(1)
【 07 】パラダイス文書     【 08 】調べたい検索語一覧(2)     【 09 】パナマ文書

【 02 】09/14

  09/14 大腸がん闘病記四  
  09/14 大腸がん闘病記五  

 09 14 (火) 大腸がん闘病記四     


        タンパク質の冤罪シリーズ

  (第1回)【私の実体験】ゲルソン療法、玄米菜食を厳格に実行したら、こうなった
  (第2回)タンパク質欠乏が、ガンに与える影響
  (第3回)私が実践しているガンの活性度を抑える3つの方法
  (第4回)肉を制限すると、むしろガンになりやすくなる
  (第5回)脂質(脂肪酸)をバランス良く摂ることが、ガンをはじめ、様々な疾患の死亡率を減らす
  (第6回)ほとんどの日本人は、メタボどころか栄養失調を起こしている
  (第7回)沖縄の現状が物語る、生活習慣病の本当の原因
  (第8回)50年後に日本人が消える理由


 肉を制限すると、むしろガンになりやすくなる .
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さて、前回までの話で「タンパク質の重要性」や、肉を食べたからって、ガンの増殖には一切関係がないことが分かって頂いたと思います。

ガンの増殖に関係するのは「ガンの活性度」であり、ガン治療において大切なのは、「ガンを殺すことではなく、ガンの活性度(勢い)を抑えること」にある>と言いました。
「ガンの活性度を抑える為の3つの方法」も、前回で解説させていただきました。つまり前回までの話で、肉の無実が証明されたことになります。

肉の弁護士である私としては、これでひと仕事終わったのですが、無実が証明されたとはいえ、まだまだ正当な審判を受けたとは言い難いので、控訴して慰謝料を請求したいと思います。
     
 肉食は、ガンに対して有害どころか有益である .

「タンパク質欠乏が、ガンに与える影響」という記事で紹介させていただいた分子栄養整合医学の専門家である溝口さんによると、「肉を食べないと、むしろガンになりやすくなる」と主張しています。

大阪で行われた長期間の追跡調査によれば、「コレステロールが不足すると、ガンになりやすくなる」ことが分かったそうです。

コレステロールというのは、肉に含まれる動物性脂肪を原料にして作られますから、肉を制限すればガンになりやすくなるっていうロジックが成り立つわけです。以下が問題の追跡調査です。

大阪の八尾市で行われた、40~69歳の12000人以上の約9年間に渡る追跡調査の結果で、血液中のコレステロールの量が低ければ低いほど、ガンで亡くなる確率が高い、ということが指摘されています。

また、2001年に行われた「日本脂質介入試験」による、全国52421人の調査結果でも、コレステロールが低いほどガンによる死亡率が上がることが示されています。

このような結果に懐疑的な研究者は、「調査が始まったとき、低コレステロールの人達の中に、既にガンが存在していた人達が含まれていたのではないか」という反論をします。

しかし、調査を始めてから5年以内に亡くなった方々を除外して統計分析しても、コレステロールが低いほどガンによる死亡率が高かったことが確認されています。

低コレステロールによってガン死亡率が高まることが、このように認められているのです。

また、ガンだけでなくその他の疾患を含めた総死亡率で見ても、「コレステロールが低いと死亡率が上がる」という結果になりました。

このことは、ヘルシンキで行われた15年間の追跡調査の結果と一致するものであり、現在LDLコレステロール=悪玉コレステロール理論は見直されてきています。

(出典:溝口徹『がんになったら肉を食べなさい (PHPサイエンス・ワールド新書)』PHPサイエンスワールド新書、2011.7.29発行、62頁~63頁より引用)

今後、コレステロールに対する評価が見直されるかもしれませんね。摂り過ぎると血管を詰まらす怖いものですが、不足するとガンになりやすくなり、精神疾患にもなりやすくなります。(参考 → 低コレステロールと精神症状

溝口さんが言うには、

「肉(動物性タンパク質)を控えるような食事療法でガンが治るという真実は、タンパク質うんぬんよりも、肉を控えたことで、食事全体の脂肪酸のバランスを改善したことが大きい

らしいです。

つまり、「脂肪酸のアンバランスが、ガンを引き起こしている」という意見です。ガンの食事療法について注意すべきは、タンパク質より脂肪酸のほうなのです。

ということで、次回は「脂肪酸の話」になります。これはタンパク質以上に毛嫌いされる栄養素なのですが、これについても一般常識を覆す予定なのでお楽しみ下さいませ。

 09 14 (火) 大腸がん闘病記五     


        タンパク質の冤罪シリーズ

  (第1回)【私の実体験】ゲルソン療法、玄米菜食を厳格に実行したら、こうなった
  (第2回)タンパク質欠乏が、ガンに与える影響
  (第3回)私が実践しているガンの活性度を抑える3つの方法
  (第4回)肉を制限すると、むしろガンになりやすくなる
  (第5回)脂質(脂肪酸)をバランス良く摂ることが、ガンをはじめ、様々な疾患の死亡率を減らす
  (第6回)ほとんどの日本人は、メタボどころか栄養失調を起こしている
  (第7回)沖縄の現状が物語る、生活習慣病の本当の原因
  (第8回)50年後に日本人が消える理由


 脂質(脂肪酸)をバランス良く摂ることが .
 ガンをはじめ、様々な疾患の死亡率を
 減らす
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脂質(脂肪酸)の種類 さて、今回は「脂肪酸の話」ですね。前回の記事の最後のほうで、

ガンの食事療法において注意すべきは「脂肪酸のバランスである」

と述べましたが、今回はそれについてもう少し具
体的に迫っていこうと思います。
   出典:出典:よく聞く「脂肪酸」ってなーに?

私達はたんぱく質のことを、動物性タンパク質と植物性タンパク質のように区別していますが、分子整合栄養医学によると「身体はタンパク質をそのように区別はしていない」ようです。

どんなタンパク質であろうと、体内に入れば全てアミノ酸の段階までに分解されるから、タンパク質をそのように区別することに意味はないとおっしゃっています。

だから一部のエセ健康法でよく言われている「動物由来のタンパク質は体に悪いが、大豆などの植物由来のタンパク質は体に良い。植物由来のタンパク質を摂ることでタンパク質不足は十分に補える」みたいな不思議な理論がまかり通っていますが、こんなものは現代の栄養学に基づけばとてもおかしい話なのです。

しかもアミノ酸は体内で合成出来ないもの(必須アミノ酸)があるので、いろんな食物からタンパク質を摂取する必要があります

ですから、植物性タンパク質だけに偏ってはダメだし、逆に動物性タンパク質だけに偏ってもダメです。体に良いからといって、同じ食物ばかり食べてるとどうしても偏りますし、食物アレルギーを発症してしまう危険性もあるので、かえって健康に悪いのです。

肉、魚、野菜、果物・・・。なんでも食べて、様々な食物からタンパク質をいただくという食習慣が一番良いということです。

ただ、タンパク質に関しては「どんなタンパク質だろうが体の中に入れたら同じ」なのですが、油(脂肪酸)は違います。

沖縄に学ぶ長寿の秘密か ら、「油こそ、バランスを考えて摂取しなければならない栄養素」なのです。

               目次

      1.沖縄に学ぶ長寿の秘密
      2.歳より老けて見える人、若く見える人の「決定的な違い」
      3.脂質(脂肪酸)のバランスを摂る為の賢い食べ方
       調理油はエキストラバージンオイルを使う
       肉をお皿1つ分、野菜をお皿2つ分

 沖縄に学ぶ長寿の秘密 .

上記で、「肉、魚、野菜、果物・・・。なんでも食べて、色んなところからタンパク質をいただく」と書きましたが、これのもう1つの利点は、そういう食べ方をすると、脂肪酸(油のこと)のバランスも摂れることです。

肉・魚は動物性脂肪、野菜・果物は植物性脂肪が含まれています。ですから、これらの食物を偏ることなく食べることが大事だと思います。

かつては世界一の長寿地域だった私の地元である沖縄は、現在のように生活習慣病が蔓延するまでは、肉も緑黄色野菜も他の県と比べて2倍以上食べていました。

以下のデータは、前琉球大学医学部教授であった松崎俊久さんの本である「長寿世界一は沖縄。その秘密は豚肉食だった」で紹介されていたデータから作成したグラフです。

松崎さんは、日本で一番平均寿命が高い沖縄県の大宜味村と、平均寿命が一番短い青森県のN村の高齢者達が、普段どんなものを食べているのかを調査しました。

本によれば、これは松崎さんが1985年に調査したものだそうなのでデータは古いのですが、その時期は沖縄県民の健康状態が一番良い時期なので、ある意味で一番参考になるデータだと思います。

長寿村と短命村の食物摂取量の比較 長寿村と短命村の食物
摂取量の比較


両村のデータの中で、

「一番相違のあるのは何
か?」


に注目してみると、
「緑黄色野菜」「肉類」
あることが分かります。





 歳より老けて見える人、若く見える人の「決定的な違い」 .


大宜味村は肉の摂取量が多く、老人でも毎日50グラム近く食べるのに対して、南外村は20グラムにすぎない。卵も牛乳も大宜味村が多く、植物性タンパク質の摂取源である豆類も大宜味村のほうが多い。

このように、動物性タンパク質、植物性タンパク質ともに、大宜味村の老人は、南外村の老人をはるかに凌ぐ摂取量を示している。

緑黄色野菜の摂取量も同様で、南外村が約30グラムなのに対し、大宜味村はその3倍の約90グラム。逆に食塩は、大宜味村が一人一日8グラム、南外村は13グラムとなっている。

老人の摂取量だから少ないが、全年齢を含む県単位の調査では、秋田は15グラム以上であるのに対し、沖縄は9グラムである。まさに高タンパク、低塩、適正な野菜摂取で、沖縄の脳卒中が、死亡率が全国で一番低いことをうなずかせる数値である。

まさに、私の推薦する食事のモデルが大宜味村であり、穀菜食の典型が南外村である。
          
歳より老けて見える人、若く見える人

両村の違いは寿命だけに留まらない。あるときの調査に、民法の某テレビ局のカメラマンが同行した。カメラマンは一般人に比べて、人の年齢を見抜く眼が鋭いと言われる。

私は、それぞれの村で数人の老人と会ったあと、カメラマンに、その老人が「何歳くらいに見えるか?」と問うてみた。

すると彼は、南外村の老人に対しては実際の年齢より10歳も老けた歳を答え、大宜味村の老人に対しては、実際の歳より10歳以上も若い歳を答えたのである。

大宜味村の老人達は、単に寿命が長いというだけでなく、老化が遅くいつまでも若く見える。これは科学的な話ではないが、老人が若々しく見えるか、老けて見えるかは重要な問題である。

それは、老後も活き活きと生活して、人生を楽しめるかどうかの問題でもあるからだ。

~ 中略 ~


この両村の調査からも、豊かな動物性タンパク質と豊富な野菜、しかも緑黄色野菜。そして植物性タンパク質も豊富という食生活こそが長寿と老後の活性化を保証するものであることは明らかであろう。

※文字装飾は管理人による

(出典:松崎俊久『長寿世界一は沖縄 その秘密は豚肉食だった―ダイエット食は、ボケ・早死を招く (ノン・ブック)』祥伝社、2010.1.30発行、93頁より引用)

大宜味村は家から遠過ぎるのであまり行ったことはないのですが、確かにやけに元気なご老人がいらっしゃいます。

  大宜味村の高齢者、、玉城深福さん96歳(写真)
  大宜味村の高齢者、新城ハナさんはなんと102歳(写真)
  出典:「ふれあい“ご恩返し”旅~沖縄・大宜味村編~ - これまでの放送 「それがしりたい ニッポンおもしろいネ」 BS-TBS」

念のために名前は伏せておきますが、上のおじいちゃんが御歳96歳で、下のおばあちゃんが御歳なんと102歳!(2013年現在)

  「カジマヤー」のお祝いでバイクでパレード(写真)

これはさっきのおじいちゃんですが、去年「カジマヤー」のお祝いだったそうで、趣味のバイクでパレードした時の写真だそうです。ほんとに元気ですよね・・・。

因みに2008年の統計では、ガン患者数が一番少ないのは沖縄県です。

2008年度の都道府県別ガン患者数 2008年度の都道府県別
ガン患者数
       ➡

普通、ガンの罹患率は高齢者が多い地域ほど高くなりますが、沖縄に関しては全く当てはまっていません。もう世界一の長寿地域ではないとはいえ、まだまだ長寿地域ではありますから、これは驚異的なことです。

これまで見てきたように、沖縄県、特に沖縄でも一番の長寿地域である大宜味村では、短命地域(秋田の農村)に比べて約3倍の肉の摂取、3倍以上の緑黄野菜の摂取、1.5倍の豆類の摂取、そして食塩摂取量が少ないことが特徴に挙げられます。

これはつまり、タンパク質を様々な食物から頂いていることと同時に、そのような食生活が、「バランスのとれた脂肪酸の摂取を実現している」ということです
 「バランス」が大切 .

(沖縄県の)タンパク質の摂取量が多いことも特徴の1つですが、それだけで長寿が実現するのなら、アメリカは沖縄県のさらに倍近くタンパク質を摂取していますから、沖縄並みか、あるいはそれ以上の長寿を実現しているはずです。ですが、そうはなっていません。

何故か?それは肉ばっか食べてるからです。先ほども書いたように、タンパク質は、肉以外に野菜からも豆からも乳製品からも摂るようにすることで、同時に脂肪酸のバランス(「植物性」と「動物性)もとれるからです。

アメリカ人は肉食に偏っているので動物性脂肪を過剰に摂り過ぎな傾向にありますが、大宜味村の高齢者は、肉(アラキドン酸)も食べるけど魚(DHA、EPA)も食べるし、大豆などの豆類(オレイン酸、リノール酸)も食べます。ひじょーに多種類の脂肪酸をバランス良く摂取しているわけですね。

ですから以前の記事(=タンパク質欠乏が、ガンに与える影響)で紹介した溝口さんは、


 「肉(動物性タンパク質)を控えるような食事療法でガンが治るという真実は、タンパク質うんぬんよりも、肉を控えたことで、食事全体の脂肪酸のバランスを改善したことが大きい .

「脂肪酸のアンバランスが、ガンをはじめ、あらゆる病気を引き起こしている」


と、主張しているのです。

 脂質(脂肪酸)のバランスを摂る為の賢い食べ方 .

じゃあどのようにバランスを摂ればいいの?

という話をしたいのですが、

脂質(脂肪酸)の種類 【図表】脂質(脂肪酸)の種類

この表を参考にして、

「よし!【飽和脂肪酸】【一価脂肪酸】
【多価脂肪酸】を3:4:3のバランスで
献立を組もう」


と意気込んでも絶対に続かないので
もう少しゆるーい感じで、私が食事に
関して心掛けてきたことを紹介します。
(※食事療法を根本的に変えたのは、
手術から1年過ぎたあとなので、変更
から2年経過してることになります。

かつては世界一の長寿地域だった沖
縄は、肉(動物性タンパク質)も緑黄色
野菜(植物性タンパク質)もよく食べていた

 調理油はエキストラバージンオイルを使う .

意外と調味料には気を使っています。塩や砂糖なんかは味覚の麻痺や中毒性にも関係してくるので、うっかり食べ過ぎたり、味覚に鈍感になることで腐った食べ物とか、変な薬品の味などに気づきにくくなるので、なるべく薄味を心掛けています。

油ですが、高温で調理することによって油が酸化しやすくなりますから、油の中で1番酸化しにくいオリーブ油を選ぶべきでしょう。その中でも、オリーブ油の最上クラスであるエキストラバージンオイルがベストだと思います。

ただ、日経の記事(このURLは一読するに値します)によると、ニセモノも多いらしいので、気をつける必要がありますね。これについてはあまり調べていないので、今度調べてみます。

因みに、他の植物油は非常に酸化しやすいので、動物性脂肪(肉の油)よりもむしろ有害です。

 肉をお皿1つ分、野菜をお皿2つ分 .

「植物性脂肪と動物性脂肪のバランスをどうとるか?」を考えたとき、タンパク質を基準に考えたほうが良いです。というのも、タンパク質が豊富に含まれている食材は、同時に脂肪酸も豊富に含まれているからです。

例えば、肉は動物性脂肪が豊富に含まれていますし、大豆やナッツ類には植物性脂肪が豊富に含まれています。魚には、また違った脂肪酸が含まれています。(実は、魚に含まれているDHA・EPAという脂肪酸が、ガン抑制に効果があることが分かっています。)

「肉 → 動物性脂肪」「魚 → DHA,EPA」「肉・魚以外 → 植物性脂肪」というように、非常に分かりやすいのもいいですね。

この「タンパク質の冤罪シリーズ」で紹介した全ての本の内容を総合すると、「動物性タンパク質と植物性タンパク質の摂取量が1:1の比率」だと良さそうです。この比率は専門家がきっちり調べたわけではないようなんですが、姫野さんの本によると、日本が世界一の長寿国となった1985年、この時がちょうど1:1のバランスだったそうです。

桜美大学の柴田博教授も、「伝統的な和食の献立で食べていた植物性タンパク質に、欧米食の動物性タンパク質が組み合わされたことが長寿につながっている」と、おっしゃっています。(参考 → 健康・長寿に果たす食肉の役割 – 日本食肉消費総合センター

「食の欧米化」というのは悪いことのように言われがちです。私もガンになって勉強したての頃は、食の欧米化が悪の根源だと思っていました。

しかし、体調不良の原因を調べ、肉を豊富に食べるようになり、体が活性化していくのを体感するにつれ、

「食の欧米化は、日本にとって必要な【食の近代化】だったのではないか?その結果として豊かになった現代日本食こそが、世界一優秀な食事なのではないか?」

という結論に達しました。
 しかしそのおかげで三大疾病や
生活習慣病が増えたのは間違いないんじゃ・・ .

という反論がありそうですが、これは事実と違います。

これらの病気は全て「高齢者に罹りやすい病気」です。日本人が長寿を実現したから三大疾病に罹る人が増えたように「見える」だけであって、これらの病気を患いやすくなったわけではありません。

このような場合は、年齢構成を調整して考えないといけません。

例えばA地域の平均年齢が20歳だとして、B地域の平均年齢が65歳だとします。A地域のガン罹患率が0.001%で、B地域のガン罹患率が2%だったとして、

「B地域のほうがガン罹患率が多いので、生活習慣が悪い!」

という結論になりますか? なりませんよね。

ということで、農林水産省が発表している年齢構成を調整した「年齢調整死亡率」を見てみましょう。

三大疾病の年齢調整死亡率

ご覧の通り、三大死因は全て減少しています。(念の為に説明しておきますと、心臓病・脳卒中・動脈硬化は「脳血管疾患」「心疾患」のどちらかに含まれます)

つまり、「食の欧米化と三大疾病の増加には、因果関係はない」ということです。

では、生活習慣病についてはどうなのか?生活習慣病とは、三大疾病を含む「生活習慣が原因で罹る病気」の総称のことを言うのですが、これに関しては低年齢層で罹る方々が確実に増えていますね。同級生(30代)にも何人かいます。

「食の欧米化と生活習慣病の因果関係」については、沖縄の悲惨な例を取り上げながら次回以降で解説したいと思います。

ということで、少なくとも「食の欧米化と三大疾病の間には因果関係はない」ことは分かってもらったと思うので、話を戻します。「植物性脂肪と動物性脂肪のバランスを1:1にするって言われても、具体的にどうするんだ?」って話です。

これは単純に考えていいと思います。肉や魚を1皿に対して、豆類や緑黄色野菜や汁物を2皿、そして主食の玄米を合わせてOKだと思います。私はこれで3年以上もガンの再発を防いできています。

ニッポンハムさんのページと画像が分かりやすいのでちょっと拝借。

動物性タンパク質と植物性タンパク質のバランスは、肉を皿1つ分、おかずを皿2つ分でだいたい摂れます。

本当にこんなもんでOKです。というか、これくらいシンプルでやりやすいものじゃないと続けられませんからね。(私にとってはこれでも大変ですけどね。。面倒臭がり屋なので・・・。苦笑)

「食事療法は、続けないと意味がありません。半年、1年と続けて初めて効果が出るものです。」大事なコトなので、何度でも書きます。

もう何度このことを書いているのか分かりませんが、大事なことなので、みのもんたも呆れるくらい、何度でも書かせていただきます。(笑)

食事療法は、続けないと意味がありません。半年、1年と続けて初めて効果が出るものだからです。

ゲルソン療法やマクロビオティックを一生続けられますか?
仕事の都合などで移動が多い時でも楽に続けられますか?
一人暮らしでも楽に続けられますか?
費用対効果は高いですか?
経済的負担は大きくないですか?
人間付き合い、外食の際に制限されることはないですか?

こういうことを、ほとんど料理したことのないズボラな私でさえ全部クリアできるものが食事療法(栄養療法)としてふさわしいものだと考えます。

さて、今回はここまでです。今回はしつこく「脂肪酸のバランスが大事である」と言いました。

そして脂肪酸はタンパク質が豊富に含まれている植物なら、だいたい脂肪酸も豊富に含まれていることが多いので、「色んな食べ物からタンパク質を摂るようにする」ような食べ方が、ガンをはじめ、様々な疾患から身を守る秘訣であり、沖縄の健康長寿の秘訣であると述べました。

おそらくほとんどの方は、脂肪酸の摂り過ぎが(コレステロールの摂り過ぎ)が脳梗塞や動脈硬化の原因だと思っていると思いますが、事実は全く違います。

前回の記事で紹介した大阪の疫学調査や、ヘルシンキで行われた15年間の追跡調査の結果でも、「低コレステロールによって様々な疾患での死亡率が上昇し、特に植物性脂肪に偏ってしまうと危険である」という結果が出ています。動物性脂肪より、植物性脂肪のほうが危険なんですね。おそらくあなたが思い描いていたイメージとは違うと思います。

「ふれあい“ご恩返し”旅~沖縄・大宜味村編~ - これまでの放送 「それがしりたい ニッポンおもしろいネ」 BS-TBS」に登場したハナさんという90歳のおばあちゃんが、レポーターに「健康の秘訣はなんですか?」と聞かれたときに、答えた言葉が今でも印象に残っています。

大宜味村の健康の秘訣

「何でも食べるの、働くの、動くの。働いている人は長生きするの。働くのがいいと思う」

どんなに分厚い医学書よりも、この1行の「御言葉」ほうが説得力があるでしょう。

もちろんハナさんは、知ってか知らずか「何でも食べる」ことによって、脂肪酸のバランスが摂れた食生活が実現されているのでしょう。(もちろん他の栄養素も)

ですから本当に思うのは、科学のメスが入っていないからといって、昔から伝わる伝統的な健康法とか調理法などをバカにするのは愚の骨頂だと思います。「おばあちゃんの知恵袋」にどんなお宝(科学的新事実)が隠されているか分からないからです。

玄米シリーズで紹介した伊藤悦男さんも、「玄米から抗がん物質を抽出する方法を模索していたところ、昔から万病に効くと伝えられている【玄米粥】からヒントを得た」と、自身の著書で述べていました。

それらの伝統的な健康法を決して軽視せず、「とりあえずやってみてから」判断すればいいのです。やってみたら何らかの感じるものがあると思います。

そろそろ玄米が「健康食」か「不健康食」かに決着をつけようと思う

の部分に焦点をあてていく予定です。

これを終盤に持ってきた理由は、これが「日本人に足りない部分」だからですし、大宜味村のスーパーご老人たちと私のような現代日本人とでは、「運動の種類」が違うことに気づいたからです。

この部分を誤解している方が非常に多い・・・。
趣味でスポーツしているのならばいいのですが、健康の為にスポーツをするというのは違うのです。

そういう話を「タンパク質の冤罪シリーズ」の後半部分で話そうと思ってるので興味があれば見ていただけたらと思います。

で、次回は「良質なタンパク質を、サプリメントで補う必要性」について書いていこうと思います。

おいおいプロテインかよ・・・。アスリートじゃねーんだから、

と思っている方の期待を良い意味で裏切ると思いますので、本当にそう思っている方こそ、ほんの少し我慢して次回の記事を読んでいただけたらと思います。

また、現代の日本人に起こっている危機的な状況についても指摘します。そしてその裏で起こっている「奇妙なこと」についても、次回以降で考察していこうと思っています。

この「奇妙なこと」のせいで、政府が「国民の健康状況」に対してミスリードをしてしまい、誤った政策をとっているのが非常にまずいと思っています。