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    啓蟄とは?2022年はいつ?   少し詳しく
    「早春賦」
    孟浩然「春暁」の漢詩

 2022/03/21
啓蟄とは?2022年はいつ?時期・由来・植物から言葉の使い方まで     一つの文化です
   https://39mag.benesse.ne.jp/kosodate/learning/content/?id=113381

啓蟄(けいちつ)とは、中国で生まれた古い暦の中で、冬ごもりしていた虫が春の陽気に誘われて外に出てくる頃のこと。

2021年の啓蟄は3月5日。2022年の啓蟄も3月5日です。
今回は啓蟄はいつ?啓蟄とは?という素朴な疑問だけでなく、啓蟄という言葉の由来や子どもと一緒に啓蟄を楽しむアイデアなど幅広く紹介していきます。

啓蟄はいつ?

国立天文台の発表によると、2020年~2022年の日本における啓蟄は、次の通りです。
2020年3月5日(木) 2021年3月5日(金) 2022年3月5日(土)

たまたま同じ日が続いていますが、「啓蟄の日」は毎年同じ日に定められているわけではありません。日にちが明確に定まっていないのは、啓蟄の日が太陽の行路によって毎年計算されているからです。一般的に、啓蟄は3月5日、6日頃に当たることが多いでしょう。

啓蟄とは?

啓蟄とは、厳しい冬を越えるため地中でじっとしていた虫たちが、春の陽気に誘われて外に出てくる頃を指す言葉です。「啓」の字には「ひらく」、「蟄」の字には「冬ごもりのため、虫が地中に隠れる」という意味があります。つまり、虫たちが冬ごもりの穴をひらいて地上に現れるということですね。また、この頃は、虫たちだけでなく植物にとっても目覚めの季節。散歩の途中で可憐な花を咲かせるカタバミ、スミレ、タンポポなどの野草を見かけるのもこの頃からになります。

啓蟄の由来は?

啓蟄は、中国の「蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)」という言葉を語源としています。もともとカエルやヘビ、昆虫などの変温動物の一部は、厳しい冬を乗り越えるために地中や水中にもぐってエネルギーの消費を最小限に抑えるという性質があります。そのような虫たちが、冬ごもりの穴をひらいて外に出てくるのが啓蟄の頃なのですね。ちなみに、昔は昆虫だけでなく、ヘビやカエルなどの小動物のことも虫と呼んでいました。 啓蟄を子どもに伝えるならもし子どもが「啓蟄って何?」と聞いてきたら、「冬の寒さから逃れるために土の中に隠れていた虫たちが、暖かくなって外に出てくる頃のことを啓蟄というんだよ。昔使っていた暦の中の言葉だけど、今の暦で言うと毎年3月5日や6日頃のことを言うんだよ。」と答えてあげましょう。 啓蟄は英語で何という? 啓蟄は、英語で“Jingzhe(ジンジー)”とあらわすことがあります。これは啓蟄の中国語での発音に由来する名称です。ただし、英語圏には啓蟄とぴったり重なるような文化がないので、意味が伝わるような形で英訳するのは少し難しいでしょう。

もし、啓蟄を英語で説明するなら、the season when insects come out of hibernation.と表現できます。“hibernation”は「冬眠」という意味です。

また、二十四節気について英語で説明したい場合は、Japanese lunisolar calendar で問題ないでしょう。“lunisolar”には「月と太陽の」という意味があり、"calendar"と合わせて「太陽の黄道を元に定められた暦」という意味になります。

啓蟄と二十四節気、七十二候との関係

続いて、「二十四節気(にじゅうしせっき)」や「七十二候(しちじゅうにこう)」についての説明と、それらと啓蟄のかかわりについてを解説していきます。啓蟄は二十四節気の一つ
啓蟄とは、二十四節気のなかにおけるひとつの時期です。二十四節気とは、一年を春夏秋冬の4つの季節にわけ、さらにそれを6分割し、計24等分する考え方。昔の中国や日本で使われていた「太陰太陽暦」において、季節と暦のズレをうまく調整するために使われていました。「立春(りっしゅん)」から始まり「大寒(だいかん)」で終わる24の節気の中で、啓蟄は3番目にあたります。

図:二十四節気と地球、太陽の関係性
二十四節気の画像
啓蟄は「春分」の一つ手前の節気であることが分かります。
啓蟄はおおよそ15日程度続きますが、その最初の日を一般的に「啓蟄の日」とします。啓蟄と七十二候は季節と暦とのズレをうまく調整するために使われた二十四節気ですが、さらにひとつの節気を「初候」「次候」「末候」の3つにわけて考える「七十二候」というものもあります。

「初候」「次候」「末候」はそれぞれ5日程度。

そのひとつひとつには気象や動植物の変化を知らせる名称が付けられています。啓蟄という言葉の由来となっている「蟄虫啓戸(すごもりのむしとをひらく)」は啓蟄の初候で、啓蟄次候は「桃始笑(ももはじめてさく)」、啓蟄末候は「菜虫化蝶(なむしちょうとなる)」です。

啓蟄の頃に楽しめる食べ物

十六団子
東北地方や北陸地方などでは、ちょうど米作りが始まる頃である3月16日に、農耕の神様が山から田へ降りてくると言われています。「十六団子の日」はそんな3月16日に16個のお団子を神様にお供えするという東北地方や北陸地方の風習です。十六団子に限らず、十五夜の日の月見団子のように、神様にお団子をお供えするという風習は日本に多く残っていますね。お団子は、お供えが終わったら感謝の気持ちを込めていただきましょう。 また、十六団子は昔は「じゅうろうだんご」と言われていましたが、現在では「じゅうろくだんご」と言われることもあります。

菜の花
1月~3月が旬の「菜の花」は、啓蟄の頃に食べられる春の野菜です。葉の緑とつぼみの黄色が鮮やかな菜の花は、春にぜひ食べてほしい栄養価の高い野菜。カロテン、ビタミンC、B1、B2、カルシウム、鉄分などが豊富に含まれています。独特の苦みがありますが、つぼみが開く前のものを選べば苦みが少なく味わえますよ。どうしても苦みが好きではないという人や子どもと一緒に食べる場合には、ゆでるときに湯が少し濁るくらいの「和からし」を加えることで、苦みを和らげることができます。

ふきのとう
フキの花のつぼみである「ふきのとう」は、カリウムを多く含み、食物繊維も豊富な野菜です。菜の花と同じく春の味覚として人気があり、独特の苦みがありますがしっかりアク抜きをすることで苦みが和らぎます。購入するときには、つぼみがしっかりと閉じており、ツヤやハリがあるものを選んでくださいね。また、フキは数少ない日本原産の野菜でもあります。

さより
3月~7月が旬の「さより」は、クセのない上品な味の白身が人気の魚です。地域にもよりますが、おおよそ啓蟄の頃には旬のさよりが出回り始めるでしょう。みりん干しなどの干し物も定番ですが、旬に食べるならやっぱり刺身や塩焼きがおすすめ。ほどよく脂ののった旬ならではの味わいを楽しむことができます。子どもと一緒に食べるなら天ぷらやフライにしても食べやすいですね。

啓蟄の季節に咲く花・植物

かたばみ
種類が多く花の色や葉の形は様々ですが、自生しているものの多くはハートの形が3つ集まったクローバーのような葉で、小さな黄色い花を咲かせます。さらに、かたばみにはシュウ酸という成分が含まれており、口に入れると酸味を感じるという特徴もあります。ちなみに、かたばみの葉や茎などで10円玉を磨くと、シュウ酸の効果でピカピカにすることができます。啓蟄の頃、お庭にかたばみが咲いているのを見かけたら、ぜひ試してみてください。

スミレ
紫色の可憐な花を咲かせる「スミレ」は、地域にもよりますがおおよそ啓蟄の頃に花を咲かせ始めます。スミレは、変種も含めると200種類以上の種類がある、バリエーション豊かな草花。最も一般的な丸い葉で淡い紫色の花を咲かせる「タチツボスミレ」は、春のお散歩でよく見かけるのではないでしょうか? その他にも白い花を咲かせる「アリアケスミレ」や、紫色のやや小さな花を咲かせる「ヒメスミレ」などがあります。なかには食べられるものもあり、砂糖漬けやクッキーなどのお菓子に用いることもあるんですよ。また、「三色すみれ」という別名を持ち、ガーデニングなどでお馴染みのパンジーやビオラもスミレの仲間です。

たんぽぽ

「たんぽぽ」もスミレと同じで、おおよそ啓蟄のあたりで花を咲かせる野草です。ギザギザの緑の葉とおひさまを思わせる黄色い花を持つたんぽぽは、子どもたちに大人気!また、白いふわふわの綿毛を吹いて飛ばす遊びは、誰もが一度はやったことがあるのではないでしょうか?実はたんぽぽの花は「頭花(とうか)」といって、小さな花が集まってできています。小さな花のひとつひとつがいずれ種となり、丸い綿毛ができあがるのです。また、たんぽぽを摘むと断面から白い液体が出て来るのをみなさんご存知でしょう。この液体の正体は「ラテックス」。このラテックスには天然ゴムの成分が含まれており、服につくとなかなか取れません。子どもと一緒にたんぽぽを摘むときには注意してくださいね。



桃の開花時期は、地方によっても異なりますが大体3月中旬頃からなので、啓蟄の第1日目である「啓蟄の日」、つまり3月5日もしくは6日頃にはまだ咲いていない場合が多いでしょう。また、二十四節気が作られた中国の気候と日本の気候は異なるので、若干のずれもあります。ただし、啓蟄は初候から末候まで全て合わせると約15日程度続くので、場所によっては啓蟄の期間中に、ピンク色をしたかわいらしい桃の花を見ることができるかもしれませんね。

啓蟄の季節から連想される虫

カエル

本記事でも啓蟄は中国の「蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)」という言葉を語源としていることをお話ししましたが、ここでいう「虫」はいわゆる昆虫だけのことを指しているわけではありません。ヘビなどの爬虫類、カエルなどの両生類、ネズミなどの哺乳類も含めて小型の動物のことを「虫」という言葉であらわしています。なかでもカエルはそのユーモラスな姿から子どもに人気の動物ですね。カエルを描いた絵本はたくさんありますが、『10ぴきのかえるのふゆごもり』という本もその1つ。この本では、小さな子どもに「冬ごもり」の概念を楽しく伝えることができますよ。

てんとう虫
「てんとう虫」も啓蟄の頃になると少しずつ活動を開始します。てんとう虫にはたくさんの種類がありますが、最も一般的なのが赤い羽根に黒い水玉模様が7つ入った「ナナホシテントウ」。指に止まらせて遊んだことがあるという人も多いのではないでしょうか? ナナホシテントウはかわいいだけでなく、お庭にとっても有益な昆虫です。ガーデニングを楽しんでいる人はアブラムシに悩まされることも多いと思いますが、ナナホシテントウはアブラムシやアブラムシの幼虫を食べてくれるのです。春のお庭でナナホシテントウを見つけたら、駆除したりせずにそのまま自由にさせてあげましょう。

モンシロチョウ
ここでいう「菜虫」とは、主にアブラナ科の植物を食べて成長する「モンシロチョウ」のことを指しています。モンシロチョウは白い羽に黒い小さな紋の入った、2~3センチ程度の大きさの蝶。モンシロチョウの幼虫である緑色の青虫がさなぎの姿で冬を越し、この頃に蝶になるということから、啓蟄末候は「菜虫化蝶(なむしちょうとなる)」と定められたのでしょう。

啓蟄の候とは?いつまで使える?
・拝啓 啓蟄の候、〇〇様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか?
・啓蟄の候ともなりましたが、〇〇様はいかがお過ごしですか? などという使い方をします。

「啓蟄の候」とは「暖かくなって冬ごもりをしていた虫たちが地上に出てくる頃となりましたが」というような意味です。ただし、この挨拶を使うことができるのは啓蟄の間だけ。二十四節気では啓蟄の次は「春分」となるので、使うのは春分の前日までにとどめましょう。

子どもと楽しむ啓蟄の過ごし方

ここでは、啓蟄の日を子どもと一緒に楽しむための2つのアイデアをご紹介します。子どもと一緒に「春の生き物」を探しに出かけよう! 若い女性ランナーは、朝に外でジョギングの準備をしている彼女の靴を結ぶ

Tomwang112/gettyimages 冬ごもりしていた小さな虫が外に出てくる啓蟄。

啓蟄には自然の中に出て行って、子どもと一緒に春の生き物を探してみませんか?

水辺ではカエル、野原ではてんとう虫やモンシロチョウを見つけることができるかもしれません。

また、野原ではスミレやかたばみ、たんぽぽなどの姿も見かけるかもしれません。

もし季節の野草や虫などを見つけたら、小さな命が「厳しい冬を一生懸命に生き抜いて、暖かい季節をやっと迎えることができた」ということを、ぜひ子どもにも教えてあげてください。

菜の花やふきのとうの天ぷらを食べよう!

カキアージュ

Promo_Link/gettyimages 少し苦みのある菜の花やふきのとうも、天ぷらにすることで食感やつゆの味で苦みが紛れて食べやすくなります。

啓蟄の日には菜の花やふきのとうの天ぷらを作って、春の味覚を家族で味わってみませんか?

天ぷらにする場合はゆでたりあく抜きをしたりする必要はなく、洗って一口大に切ったものをいつも通りに揚げるだけです。

ただし、どうしても苦みが苦手という人は、あく抜きしてから天ぷらにしても良いでしょう。

その場合はキッチンペーパーやサラダスピナーなどで水分をしっかり飛ばしてから衣をつけてくださいね。

簡単な工程は子どもと一緒にチャレンジするのも良いでしょう。

海外では啓蟄に何をする?

ふわふわの毛皮で面白いグラウンドホッグ

Evgenyi_Eg/gettyimages 少し時期は異なりますが、アメリカやカナダにも啓蟄と同じように春の訪れを感じる“Groundhog's Day(2月2日)”があります。

これは、冬眠から目覚めて穴から出てきたグランドホッグ(別名:ウッドチャック)という動物の動きにより、春の訪れを占うというもの。

ちなみに、出てきたグラウンドホッグが自分の影を見て驚き、すぐに巣穴に戻ってしまうと冬がしばらく続くのだそうです。

逆に、グラウンドホッグが曇り空のせいなどで影を見ることなくそのまま外に出ていると、春がもうそこまで来ているといった意味になります。

アメリカやカナダに古くから伝わる風習ですが、特にアメリカペンシルバニア州のパンクサトーニーでは、盛大なお祭りが行われます。

まとめ

啓蟄は冬ごもりしていた虫が外に出てくる日。そして、待ちに待った春の訪れを感じることができる日です。啓蟄の日には、厳しい冬を乗り越えてやっと春を迎えられた生き物たちに、思いを馳せてみてください。

「早春賦」  吉丸一昌作詞、中田章作曲
   https://www.odekakeiku.com/entry/soushunfu

   春は名のみの 風の寒さや
   谷の鶯(うぐいす) 歌は思えど
   時にあらずと 声も立てず
   時にあらずと 声も立てず

   氷解け去り 葦(あし)は角(つの)ぐむ
   さては時ぞと 思うあやにく
   今日もきのうも 雪の空
   今日もきのうも 雪の空

   春と聞かねば 知らでありしを
   聞けば急(せ)かるる 胸の思いを
   いかにせよとの この頃か
   いかにせよとの この頃か

孟浩然「春暁」の漢詩

  春眠不覚暁 処処聞啼鳥
 夜来風雨声 花落知多少


  春眠暁を覚えず(しゅんみんあかつきをおぼえず)
  諸処に啼鳥を聞く(しょしょにていちょうをきく)
  夜来風雨の声(やらいふううのこえ)
  花落つること知んぬ多少ぞ(はなおつることしんぬたしょうぞ)

  春の眠りは朝が来たのもわからない
  今はあちこちから鳥のさえずりが聞こえる
  昨日の夜中には風雨の音がよく聞こえていたけど
  花もどれだけ落ちてしまったことだろうなぁ

孟 浩然(もう こうねん/もう こうぜん、簡体字: 孟 浩然、拼音: Mèng Hàorán モン ハオラン、689年 - 740年)は、中国唐代(盛唐)の代表的な詩人。一説には、名は浩、字は浩然と言われる。襄州襄陽県(現在の湖北省襄陽市襄州区)の出身。若い頃からお金に節義を重んじ、人の患難を救うなどの行いがあった。

「WHAT IS LIFE?」 この本は2021.12/25着本となっているが、まだ全部読み終えてはいなかった。 いのちの壮大な伝承は、それに付託されている可能性には驚嘆に値する内容であることが分かってきた。 そしてこの立場で、この一冊を再度詳しく読み解こうとしているのです。 いまウクライナに始まっている争いごとは、政治家が所属している国家での経済の優位性を確保したい願いで生じています。 世界中の人たちは、国家単位の争いで命を失いたくない心にまとまっているのです。 離れた見方をすれば、てんでに負けないことを目指した競争に終始していて、命の大切さをアピールしておりません。 この一点の矛盾で誰しも生きていくうえで、みんな閉塞感に満たされ苦しんでいるのです。 将に、WHAT IS LIFE? このことが最大の課題なのです。 生活の中で一番大事にしたいのは何か? そのことが世界の人々が直面している課題なのです。 ノーベル賞を受けた細胞生物学者、英国生まれの Paul Nurse ポール・ナースは、生物のいのちの在り方を求め続けてこの本を書いたのでしょう。