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続折々の記 2022 ⑤
【心に浮かぶよしなしごと】
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【 08 】06/29~
【 09 】07/03~
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【 08 】06/29
なぜ・戦備拡大 こんな対策であっていいのか?
NATO、アジアと連携 米大統領「中国が国際秩序に挑戦」
中国への警戒、鮮明 米、自力での抑止限界 NATO新戦略概念
牽制と対話、したたかな外交を NATO首脳会議
NATO見直し、冷戦後最大 対中ロ、領土防衛の役割再認識
社説 NATOと日本 「安定」に資する連携を
下平評
2022/06/29
世界すべてに関する協議がこんな偏頗な結論に走っていいのか?
世界を二つに区別しての軍備拡大の準備が正しいのか?
世界中の人たちが嫌がっている戦争という殺し合い、生活すべての破壊、その方向への歩みがいいはずがない。 困ったことになっているのに皆は平気なのか!!
再び忠告したい。 人のいのちの目的は、子孫の歓びにある。 それに反する考えは正しくないのです。 正義に反し、道義に反し、倫理に反し、人々の反感しか残らないのです。 それでも理屈をつけて戦争への道をすすめるのですか。
こんな第三次世界動乱には100%反対しかありません。 ウクライナも、ロシアも、アメリカも、中国も、みんなお隣の人たちなのです。
こうしたことを忘れるような人は政治をする資格はないのです。 政治家だって人の子です。 貧乏人だって人の子です。
山羊の子はみんな同じように山羊の子です。 人だってみんな同じように人の子です。 このことは忘れてはいけません。
▼1面 2022年7月1日 NATO、アジアと連携
首脳会議閉幕
【NATO加盟国/NATO首脳会議のポイント】
北大西洋条約機構(NATO)の首脳会議が30日、閉幕した。ロシアのウクライナ侵攻により、NATOは北欧への拡大やウクライナ支援、NATO自身の防衛力を高めることを決めた。中国の台頭をにらんだ行動指針を採択し、日本を含むインド太平洋諸国との協力も深化させる。欧州・北大西洋の軍事同盟であるNATOがアジアへと視野を広げる「歴史的な転換点」となった。▼2面=警戒鮮明に、4面=視点、9面=冷戦後最大、12面=社説
NATOを変えたのはロシアと中国だ。29日、今後10年ほどの行動指針となる「戦略概念」を改訂。従来の戦略概念でパートナーとしていたロシアを「最大かつ直接の脅威だ」とした。
スウェーデンとフィンランドの加盟で合意し、ウクライナに対しては、旧ソ連時代の兵器や装備を、高性能の「NATO標準」に置き換える支援を決めた。相互運用性を高め、将来の加盟国として事実上、自陣営に組み込んでいく動きだ。
バイデン米大統領は30日、首脳会議後の会見で、「ロシアが欧州にもたらす直接の脅威と、ルールに基づく国際秩序への中国による挑戦の両方に対応するため、同盟国を集めた」と振り返り、「世界は変わった。NATOも変わっている」と述べた。「必要な限りウクライナを支援する」と述べ、ウクライナに対する約8億ドル(約1千億円)の軍事支援を数日以内に表明することも明らかにした。
一方、ロシアのプーチン大統領は29日、「NATOは冷戦時代の遺物だ」と批判。北欧2カ国の加盟については、「ウクライナのような問題はなく、心配はない」としつつも、「軍事インフラを設けた場合、相応の対抗措置を取る必要がある」と牽制(けんせい)した。
戦略概念は初めて中国に言及し、野心と威圧的な政策に警戒感を示した。首脳会議には日韓豪ニュージーランドの首脳を招待。「インド太平洋地域のパートナーとの対話や協力を深め、地域をまたぐ課題や安全保障の問題に取り組んでいく」と表明した。(マドリード=青田秀樹、高野遼、疋田多揚)
▼2面=警戒鮮明に (時時刻刻)
NATO新戦略概念
北大西洋条約機構(NATO)が長期的な行動指針を示す「戦略概念」を12年ぶりに改訂した。ロシアを「脅威」と位置づけるとともに、中国からの「挑戦」に初めて言及したのが大きな特徴だ。欧州とアジアをつないだ安全保障を唱える米国と呼応するように、日本もNATOへの接近を強めている。▼1面参照
「我々の利益、安全保障、価値観への挑戦だ」。中国政府の政策について、新しいNATOの戦略概念はこう明記した。軍事や経済力をバックに、威圧的に他国に影響力を及ぼす手法に強い警戒感を示した。
中国とロシアの関係の深まりにも、「(中ロは)ルールに基づく国際秩序を損ねる試みを互いに強め合い、我々の価値と利益に反している」と危機感を示した。ウクライナ侵攻を受け、「中国とロシアの関係は急激に進んでいる」(米政府高官)との見方は強まるばかりだ。中国が、対ロ制裁の「抜け道」となることへの警戒感もある。
こうした情勢認識に基づき、新たな戦略概念は「欧州」と「アジア」という二つの地域の安全保障を結びつけて捉える考え方を打ち出した。「インド太平洋地域での出来事は、大西洋地域の安全保障に直接影響を与える可能性があり、NATOにとって重要だ」
地域をまたがる課題や安全保障上の共通の利益のため、「インド太平洋地域の友好国との対話と協力を強化する」という文言も盛り込まれた。日韓豪ニュージーランドが今回のNATOサミットに初参加したのはこうした流れの一環だ。
欧州とアジアの関係強化はバイデン米政権の安全保障戦略の核となる発想でもある。背景にあるのは、中国とロシアに向き合わざるをえない米国の事情だ。
中国を「地政学上最大の試練」と位置づけるバイデン政権は、米軍のアフガニスタン撤退を進めるなど、中国との競争に集中する環境を整えてきた。その最中に起きたウクライナ侵攻は誤算だった。ロシアの脅威を無視できないことが浮き彫りとなり、米国は中国とロシアの「二正面」に対処する必要に迫られた。
米国はすでに、「二正面戦略」をとれる状況にはない。20年にわたる対テロ戦に疲弊し、「米国第一」の考えが広まる米国で国防費の大幅な増額は難しい。
自力で中ロと向き合うには限界があるなか、バイデン政権は同盟国・友好国と連携し、軍事以外に外交などの力も使って対抗する「統合抑止」戦略を打ち出している。
NATOの新しい戦略概念ではロシアを「脅威」と位置づけたのに対し、中国は「挑戦」という表現にとどまった。米紙ニューヨーク・タイムズによると、中国を「脅威」とすることにフランスやドイツが反対した結果だという。欧州諸国はロシアと地続きで直接の脅威を感じる一方、中国とは貿易など経済的つながりが強い国も多い。
サリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は、NATOにアジア太平洋地域に目を向けさせる狙いについて「NATOが太平洋で戦争をするためではない」と語るが、各国の優先順位が異なるなかで足並みをそろえる難しさは残る。(マドリード=高野遼)
■中国、反発 「欧州での対立、持ち込もうと」
中国は即座に反応した。
「世界で面倒を起こしているのはNATO自身で、欧州で引き起こしたグループ対立をアジア太平洋にも持ち込もうとしている。我々の利益を侵害するような振る舞いには、断固として強力な反撃を加える」
中国の欧州連合(EU)代表部は30日に発表した報道官談話で「戦略概念」に強い反発を示した。首脳会議には日韓豪やニュージーランドなどアジア太平洋地域の首脳も参加した。中国側は旧ソ連に対応する安全保障の枠組みだったはずのNATOが「対専制主義」の軍事同盟へと変容し、アジア太平洋にまで関与を拡大しようとしているとみて警戒感をあらわにしている。
中国の不満は、米欧をアジア太平洋地域に引き入れる上で主導的役割を果たしている、とみる日本にも向けられている。在日中国大使館は29日に発表した報道官声明で「日本は米国など西側諸国に追従し、中国を抑え込もうとするたくらみに積極的に加わっている」と非難した。(北京=高田正幸)
■軍事同盟との連携、深める日本 アジアに緊張もたらす恐れ
「ウクライナ侵略は、ポスト冷戦期の終わりを明確に告げた」。岸田文雄首相は日本の首相として初めて出席したNATO首脳会議で29日、米欧や日本などの陣営と、権威主義の中ロが激しく対立する局面に入ったとの認識を示した。
名指しは避けたが中国を念頭に「東シナ海・南シナ海で力を背景とした一方的な現状変更の試みが継続されている」との危機感を強調。中国が絡む台湾有事も想定し、インド太平洋の安全保障に対するNATOの積極的な関与を訴えた。
岸田政権はウクライナ侵攻後、米欧が主導する制裁に参加した。中国に誤ったメッセージを送らないためだった。5月の日米首脳会談では、日米同盟の「抑止力」と「対処力」を強化するとし、日本の防衛力の抜本強化に向けた「防衛費の相当な増額」を約束した。
今回のNATO出席で、日本は米国を中心とする軍事同盟と連携する姿勢がより鮮明になった。ただ、こうした動きはアジアに緊張関係をもたらす恐れもある。首相はさきのアジア安全保障会議で、日本外交の特徴は「多様性を重視する柔軟性」と強調。「米国か、中国か」という踏み絵を警戒するアジア諸国を意識しての発言だが、アジア諸国の目には、日本は米国一辺倒と映りかねない。
また、首相は就任時から「建設的かつ安定的な日中関係」を主張するが、目立った進展は見られない。28日のドイツでの記者会見で日中首脳会談について問われると、首相は「現時点で決まっていることは何もないが、様々なレベルでの対話は重要だ」と述べるにとどめた。(野平悠一)
▼4面=<視点>
NATO首脳会議
日本の岸田文雄首相が初参加した北大西洋条約機構(NATO)首脳会議は、日本とNATO関係が新しい局面に入ったことを印象づけた。地理的に離れた欧州とアジアが安全保障で連動し、双方の連携は不可欠と確認した。これまでは欧州がアジアへの関与を強める流れだったが、日本も欧州で協力の強化を打ち出したのが特徴だ。
米国の影響力減衰と、権威主義国家である中国とロシアの連携――。これにどう対応するかは、日本とNATOの共通課題だ。
日NATOが、海洋安保などで協力する計画を初めて打ち出したのが2014年。連携はその後も加速し、英仏はインド太平洋地域に空母を派遣するなど、アジアへの関与を強めた。そうした欧州の「一方的」なアジア関与の構図を変えたのが、ロシアによるウクライナ侵攻だ。
日本は欧州と共に対ロ制裁を強化。NATOが今回の首脳会議に、日韓豪ニュージーランドの4カ国(AP4)を招いたのは、アジアの主要な民主主義国も交えた連携を示して、ロシアの外交敗北を印象づける狙いがあったのだろう。
一方、日本もウクライナ危機を機に欧州のアジア関与をより深めたいとの思いがあった。AP4の首脳会談を主導したのも日本政府だった。双方の思惑が一致し、NATOが新たに採択した戦略文書では、中ロの連携を「我々の価値観と利益に反する」と断じ、中国を牽制(けんせい)するメッセージを送った。
日本が力によって国際秩序の転換を図ろうとする勢力に対し、牽制を強める姿勢は理解できる。
ただ、NATOは軍事同盟だ。サイバーや海洋安保のルールづくり、自衛官派遣で交流を深めるのはよいが、紛争への軍事的関与には一線を引くべきだろう。日本の「本務」はアジアで緊張緩和の環境作りを主導することにある。
「疎外感」がロシアを軍事侵攻に駆り立てたとすれば、牽制一辺倒で地域の緊張を高めるのは得策ではない。中国との対話を通じて緊張緩和に導くのも日本の役割だ。
今回のNATO首脳会議に共に参加した韓国との日韓首脳会談が実現しなかったのは残念だが、日米韓首脳会談が5年ぶりに開かれたことは前向きに評価したい。
牽制と対話を使い分け、アジアの民主主義国との連携を深めつつ、時に欧州も外交手段として活用する。岸田政権には「したたかな外交」が求められている。(編集委員・佐藤武嗣)
▼9面=NATO見直し、冷戦後最大
【NATO戦略概念の変化】
6月30日に閉幕した北大西洋条約機構(NATO)の首脳会議は新たな戦略概念を採択し、「冷戦後最大」という態勢の見直しを決めた。かつてパートナーと位置づけたロシアがウクライナに侵攻し、領土の防衛というNATOの役割の重さが再認識されたからだ。米国と中国の2極が競いあう構図に、NATOも無縁ではいられない。▼1面参照
「NATOを変える首脳会議だった。同盟を将来に適合させる、いくつもの決断をした」。ストルテンベルグ事務総長は30日の記者会見で、こう語った。
新戦略概念は、NATOの中核任務「集団防衛」を、より具体的な「抑止と防衛」として対ロシアの部隊配置の増強を確認した。また、各国との信頼醸成を進める「協調的安全保障」の中身も一変した。
最大の変化はロシアの位置付けと、台頭する中国への初の言及、さらに中ロ連携への警戒感だ。
ほぼ10年に1度のペースで見直してきた戦略概念を前回まとめたのは2010年。NATOの領域である欧州・北大西洋は「平和で旧来型の攻撃を受ける脅威は小さい」と分析した。
そのうえでロシアに触れ、「真の戦略的パートナーシップを求める」と記述。ミサイル防衛を含む協力を強める、とした。
それが、ロシアの軍事侵攻を踏まえた新戦略概念では一変。ロシアは「最大かつ直接の脅威」であり、「(もはや)パートナーとはみなせない」とした。ウクライナにとどまらずNATO加盟国への攻撃の可能性を小さく見積もるわけにはいかないとの危機感も示した。
北欧2カ国の加盟決定は、NATOの拡大停止を求めたロシアに「主権を持つ国家の判断をNATOは尊重する」(ストルテンベルグ氏)と示したものだ。
協調的安全保障の項目からはロシアが消え、代わってインド太平洋地域のパートナーを対話と協力の相手として登場させた。今回の首脳会議に招いた日本や豪州にほかならない。
意味するのは、中国への牽制(けんせい)だ。野心と威圧的な政策でNATO加盟国の国益や安全保障に挑んでいると指摘した。建設的な関係を持つことを求めつつも、戦略概念は「ロシアと中国は、法の支配に基づく国際的な秩序を揺るがそうと協力しあっている」との危機感を示した。
中国への経済的な依存が大きいハンガリーなどの加盟国があり、ロシアという直接の脅威に直面するさなかに、NATOが中国への対峙(たいじ)を新たに打ち出し、インド太平洋との協力をはかるのはなぜか。
ブリュッセル自由大学のジュリアン・ポマレード氏(国際安全保障論)は「米国の求めに沿ってNATOが対処する領域が広がっていくだろう」と見る。米バイデン政権は中国を「国際秩序を変える意図と力をもつ唯一の国」と位置づけている。ポマレード氏は「NATOにとってインド太平洋のパートナーとの協力は、中国に向きあう手段となる」と話す。(マドリード=青田秀樹)
■<考論>対テロから集団防衛に重点 防衛大学校教授(欧州安全保障)・広瀬佳一氏
NATOは戦略概念を見直し、近年重視されてきた対テロといった「危機管理」などに代わり、設立時の主目的だった加盟国の「集団防衛(抑止と防衛)」に再び重きを置く。
また、ロシアをNATOにとっての「最大かつ直接の脅威」だと認定した。ロシアを戦略概念や共同宣言で「脅威」と認定したことは、東西冷戦の終結後、一度もなかった。
今回の戦略転換により、NATOは中東欧における抑止と防衛を大幅に強化する。抑止の考え方も、事前に反撃の意思を示すことで相手に攻撃を思いとどまらせる「懲罰的抑止」から、重火器などで物理的に相手を止める「拒否的抑止」に再転換する。ただし、冷戦期とは違って、「前方」に大部隊を常駐はさせない「柔軟な前方防衛」ともいうべき態勢になる。
今回初めて、戦略概念で中国に言及した。「挑戦」という言いぶりだ。日本などが首脳会議に初めて参加したのも、中国の脅威を念頭に、グローバル(地球規模)のパートナーとして重要性が増しているためだろう。「インド太平洋」という、中国の海洋進出を念頭に置いた言葉を初めて戦略概念に採り入れたことにも注目したい。
今後はNATOがウクライナをどこまで支えるかが焦点だ。同じ加盟国でも、ロシアをどこまで追い込むべきか意見が分かれており、この状況が将来、亀裂を生む可能性はある。(聞き手・伊藤弘毅)
■<考論>米、中国脅威論あおっている 中国人民大学国際関係学院教授・王義キ氏
2019年のNATO首脳会議の声明でも中国を「機会と挑戦」と表現してはいたが、今回はより「脅威」に近い存在として認識するようになったと感じている。この数年でNATOは中国を「西側とは異なる発展モデルの国」と見定め、長期的に対処すべき相手とみなすようになってしまった。
そうした変化の背景には、中国を戦略的競争相手として捉えるようになった米国の存在がある。「一帯一路」を軍事的脅威と結びつけてきただけでなく、最近はウクライナや台湾問題を利用して、中国脅威論をあおっている。
だが、緊張や敵を作り出しているのは米国が主導するNATO側だ。今回の首脳会談では日本や韓国も史上初めて参加した。台湾問題にも焦点があたるだろう。中国にとっては内政干渉で、安全保障上の脅威にもなる。
中国に対しては対ロ制裁に参加していないことを批判するが、中国は当事者ではない。責任を中国になすりつけ、NATOのグローバル化を図る米国のやり口に過ぎない。
日本が米国と言動をともにすることで、中国では「日本は米国を利用して再び軍事大国化しようとしている」との疑念も生まれている。中日間の緊張を避けるためにも、日本は外交の独立性を保ち、中国を刺激するような言動はやめるべきだ。(聞き手・高田正幸)
▼12面=社説 NATOと日本
広大なユーラシア大陸の西では、ロシアによるウクライナ侵略が続く。東では、経済力と軍事力を蓄えた中国が、強引な海洋進出や台湾への威嚇などで、既存の国際秩序に挑む。
こうしたなか、日本が日米同盟に加え、欧州諸国とも安全保障面の連携を深めることには意義がある。ただ、中国に対抗する姿勢ばかりが前面に出れば、かえって緊張を高める結果になりかねない。対話の努力を同時に進めねばならない。
マドリードで開かれた北大西洋条約機構(NATO)の首脳会議に、岸田首相が日本の首相として初めて出席した。「パートナー国」として、韓国、豪州、ニュージーランドの首脳らとともに招待された。
首相は「ウクライナは明日の東アジアかもしれない」と、強い危機感を表明。「欧州とインド太平洋の安全保障は切り離せない」といい、8年前に結んだNATOとのパートナーシップ協力計画の改訂を急ぐ考えを明らかにした。具体的には、サイバーや海洋安全保障分野の協力、互いの演習へのオブザーバー参加の拡充などをあげた。
中国をにらみ、欧州の東アジアへの関与を確かなものにするため、この10年間、海賊対処の共同訓練などを通じて積み上げてきた関係を、大幅に格上げしようという狙いは明らかだ。
今回の首脳会議は、NATOにとっても節目である。軍事的中立を続けてきたフィンランドとスウェーデンの加盟が決まった。新たに採択した「戦略概念」では、ロシアをパートナーからはずし、「最大かつ直接的な脅威」と位置づけた。中国を初めて取り上げ、欧米の価値観や安全保障に挑んでいると警戒感をあらわにし、ロシアとの協力関係にも強い懸念を示した。
かつては経済的な利益を重視していた欧州側が、中国への姿勢を転換し、アジアでのパートナーとして改めて日本に目を向けてきたことは、日本側にとって歓迎すべきことだ。ただ、NATOは加盟国の集団防衛を最大の任務とする軍事同盟である。具体的な協力策を定めるにあたっては、日本の安全保障政策の原則から逸脱することのないよう、注意が必要だ。
日欧連携の基盤には、普遍的な価値の共有がある。一方、アジア太平洋は、歴史、民族、宗教など、多様性に富んだ地域だ。「自由」や「民主主義」といった価値観をふりかざすだけで、糾合できるものではない。いかなる国であれ、大国による不当な介入を受けることはない――。「主権の尊重」を軸とする「法の支配」を共通項に協力を広げ、地域の平和と安定に貢献することが日本の役割だ。
下平評
どうしてウクライナとロシアが紛争を始めたのか、原因は何なのか、全く新聞紙上にはその議論が見られない。 「火のないところに煙立たず」この表現は日本らしい因果を求める考えが人々の諺として伝わってきているのです。
争いが起こったときには、喧嘩両成敗の諺もあります。
“火をつけたのは誰だ?” この思考法が大事なのです。