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続折々の記 2022 ⑧
【心に浮かぶよしなしごと】
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【 07】08/23
がれきの街、心癒えぬままウクライナ侵攻半年 国連「民間人5500人死亡」
クリミアで相次ぐ爆発、駆け引き
経済動じぬロシア ワイン・牛肉自給自足石油・天然ガス高騰追い風
続く西側の制裁
物価高、世界経済に打撃 ウクライナ侵攻半年
エネルギー・食品高騰 米欧利上げ、効果見えず
侵攻半年、ウクライナの街は
侵略戦争半年 ロ軍撤退しか道はない
2022/08/23
夏の高校野球決勝戦 勿来の関を越える
8/22(月) 14:00
仙台育英(宮城)8 vs. 1 下関国際(山口)
本塁打 仙台育英 岩崎 1号(7回裏満塁)
バッテリー
下関国際 古賀、仲井 - 橋爪
仙台育英 斎藤蓉、高橋 - 尾形
仙台育英 宮城 8 vs. 下関国際 山口 1
戦評 仙台育英が東北勢初となる全国制覇を果たした。仙台育英は4回裏、斎藤陽の適時打で先制に成功する。3-1となって迎えた7回には、岩崎のグランドスラムが飛び出すなど一挙5点を奪い、試合を決めた。投げては先発・斎藤蓉が7回3安打1失点の快投。敗れた下関国際は、春夏通じて初の頂点まであと一歩届かなかった。
優勝旗が初めて勿来の関を越えました。
2022/08/24
がれきの街、心癒えぬまま ウクライナ侵攻半年
国連「民間人5500人死亡」
ロシアのウクライナ侵攻から24日で半年となる。首都キーウ(キエフ)の攻略に失敗したロシア軍は次に東部の制圧を狙ったが、足踏み状態だ。ウクライナ軍は初期に占領された南部で反撃を強め、双方の消耗戦が続く。戦闘の長期化は避けられない情勢だ。▼2面=行き詰まる戦況、3面=続く制裁、9面=世界経済に打撃、10面=奪われた日常、12面=社説
ウクライナ政府は23日、2014年にロシアが一方的に併合した南部クリミア半島の返還を訴える国際会議「クリミア・プラットフォーム」を開き、ゼレンスキー大統領は「ロシアの侵略との戦いに勝利することが必要だ。クリミアの占領からの解放が必要だ」と述べた。
8月24日は、1991年にウクライナ議会がソ連からの独立を宣言した独立記念日。この会議は昨年初めて開かれ、戦時下の今年はオンライン形式で開催。首脳レベルを含む約60の国・地域、国際機関の代表団が参加を表明し、岸田文雄首相も出席した。
ウクライナ政府は独立記念日前後の数日間は民間施設や政府機関へのロシア軍の大規模な攻撃が予想されるとして、国民に厳重に警戒するよう求めた。在ウクライナ米国大使館は、同国内の米国民に安全な手段が確保できればウクライナを離れるよう呼びかけた。
ウクライナ軍は22日、兵士の死者数が9千人近くに上ると明かした。民間人の死者は国連集計で5500人だが、実数ははるかに多いとみられている。ロシア軍は3月25日に戦死者の数を1351人と発表。以来更新していないが、ウクライナは4万5千人を超えたとみている。 (金成隆一=キーウ、喜田尚)
■長引く戦争、見通せない復興
ロシアがウクライナに侵攻してから半年。南部や東部で激しい戦闘が続く一方で、解放された首都キーウ近郊の街は再建に動き出した。ただ、戦争が長期化する中でどこまで復興できるのか、だれも見通せない。
キーウ北西のボロジャンカ。街を貫く「中央通り」には右にも左にも、崩れ、焼け焦げた建物が並ぶ。それでも営業を再開した商店やミニスーパーがあり、市民が行き交う。ブランコに乗る子どもの姿もある。
19日午後、真っ二つに破壊されたアパートに面した公園のベンチに、近隣の町に住む美容師ボフダナさん(25)の姿があった。
9月に男の子が生まれる。「戦争がいつ終わるのか、何が起きるのかわからない。でも、不安より子どもを産むことができる喜びが勝っています」。おなかをなでながら、そう話した。
ボロジャンカは侵攻開始直後の2月末~3月初めにロシア軍の攻撃を受け、約1カ月占領された。修理不能になった集合住宅は11棟、708部屋にのぼる。
靴修理店を営むビクトリヤ・ダニルクさん(41)のアパートも、そうだ。
ウクライナが旧ソ連だった40年ほど前に、夫オレクサンドルさん(46)の母親が当局から与えられた物件だ。9階建てで、100部屋あまり。ロシア軍の砲撃で中央部が崩れ落ち、ビクトリヤさんが知る人だけで26人が命を落とした。
写真やビデオ、子どもたちの成長の記録、愛用していた電子レンジや洗濯機も失った。自身のスマートフォンに、崩れたアパートの写真は一枚もない。「つらくて見ていられない」
夫妻は最近、不快な思いをするようになった。壊れたアパートを背に笑顔で写真を撮る人たちが出てきたのだ。比較的被害が軽い首都キーウの住人のようだ。「見せ物じゃないのに」
やめてほしいと声をかけても「余計なお世話だ」と反論されることがある。
「ここは動物園でも博物館でもない。がれきの下にはまだ人が埋もれているかもしれない。魂は間違いなくそこに眠っている」
ロシア軍に多くの命を奪われ、住まいを破壊された末に、同じウクライナ市民の心ない行動に傷つけられている。ビクトリヤさんは「アパートを早く完全に撤去してほしい」と願う。
がれきだらけの街を、どう再建するのか。
市役所幹部で復興計画に携わるアナトリー・ルドニチェンコさん(58)は再建ではなく、「まったく新しい街をつくる」と話す。
市は壊れたアパートがある場所を更地にし、マンションに建て替える考えだ。
まずは冬に備え、使い続けられる建物の窓や屋根、ドアの修理を急ぐ。道路に埋設されているパイプ類の調査も必要だ。入札を経て復興計画を進める方針だが、具体的なスケジュールは固めきれていない。
何より、ロシア軍がいつまた攻撃してくるかもわからない。
復興には、大きな壁が立ちはだかっている。(ボロジャンカ=根本晃、青田秀樹)
「戦争が終わったら」
ウクライナの復興の現場で繰り返される言葉だ。
首都キーウ(キエフ)近郊のボロジャンカからロシア軍が去って4カ月超たつ今も復興計画のスケジュールを固めきれない理由が、この言葉に表れている。
新築しようにも、できる状況にないのだ。国外から建設機械を運び込もうにも、戦時下では保険がかけられないという。ロシアに協力するベラルーシの国境まで100キロも離れておらず、再び攻め込まれるかもしれない。そうすれば、また街が破壊されかねない。
9月に新学期が始まるのを前に、住民約1万4千人の7割ほどが街に戻った。
だが、奪われたものを取り戻すのはたやすくない。
オクサナ・リレイさん(56)が経営していたヘアサロンは、真っ二つに破壊されたアパート2棟に挟まれた建物の1階にある。
避難先の英国から7月初めに帰国すると、店の窓ガラスは吹き飛び、あらゆる扉がこじ開けられていた。
がんで先立った夫にもらった指輪やイヤリング。現金や電化製品。ドライヤーにハサミ。「天職だ」という美容師の仕事道具は、スタッフ5人の分も含めて、そっくり消えた。
もともとは衣料品の工場で働いていた。リストラにあい、好きだった友人や親類の髪の手入れを仕事にしようと決めた。
1995年から、注文を受けてカットに出向くようになり、今の物件を買ったのは2008年のことだ。内装や美容機器の購入代金も含めて17万5千ドル(約2400万円)の費用は、ローンや知人からの借金などでまかなった。
40代で大学に通ってヘアデザインを学んだ。旧ソ連でみられたような男女別のサロンではなく、男性でも女性でも対応する。眉を整え、ネイルも手がける自慢のサロンだった。
再建はできるのか。
市からは、窓の修理はするがビジネスの支援はできないと言われている。国際機関や欧米諸国がウクライナの復興支援を相次いで申し出ているが、リレイさんは、自らのもとには「(支援のお金は)来ないと思う」とつぶやいた。複雑で、しばしば汚職も指摘される行政システムへのあきらめがあるのかもしれない。
リレイさんは祖国が戦争に勝ってほしいとだけ願う。「あとは自分で何とかする。再建を果たし、ウクライナ、ボロジャンカでの良い暮らしをロシアに見せつけてやるんです」
■「戦争と並行」、復興に103兆円想定 32年まで「ニュー・エコノミー創造」
ウクライナ政府は、復興費用を7500億ドル(約103兆円)と見積もる。日本政府の年間予算(一般会計の歳出)に迫る規模だ。
スイスで7月に開かれた国際会議で、ウクライナのシュミハリ首相は、こんな数字を紹介しつつ国際社会の支援を求めた。
計画によると、ゼレンスキー大統領の下に「国家再建評議会」を設け、議会や行政府の代表者らが参加して復興のかじ取り役を担う。
2032年までを念頭に、防衛・安全保障、環境、エネルギー、鉄・機械・農業・ITなどの戦略分野、教育・保健衛生・文化といった15の注力分野を特定。年7%の成長を目ざす。22年は「戦時経済」と位置づけるが、23~25年を「戦後の回復期」とし、32年までを「ニュー・エコノミー」を創造する期間とした。
ゼレンスキー氏は、戦争と復興に並行して取り組むと繰り返し強調する。
ウクライナが平和を取り戻した日に、「国外に避難している国民が、どこに、どう戻れるのかが分かるように。医療システムが再構築され、子どもの教育について両親が疑問を抱かなくてすむように。ウクライナに働く場所があると確信できるように」する考えだ。
ウクライナ各地の復興計画づくりに携わる法律事務所「アナリティック・グループ」のドミトリー・プリリプコさん(32)によると、ロシア軍の攻撃による不動産の被害評価や再建計画づくりに第三者が関与して公平性を担保する制度を政府が整えた。資金の使い道やプロジェクトの進展は定期的に公表される。問題視されてきた汚職を排し行政の透明性を保つ仕組みだという。
「戦争が始まった時、ウクライナは犠牲者だったが、いまは社会の変革に乗り出した。新しいウクライナをつくる好機だ」と話す。(ボロジャンカ=青田秀樹)
▼2面=行き詰まる戦況
クリミアで相次ぐ爆発、駆け引き
ロシアが侵攻したウクライナでは、半年がたっても出口の見えない戦闘が続く。ここにきて、ロシアが8年前に併合したクリミア半島で爆発事件が続き、南部ではウクライナの攻勢も目立ち始めた。ただ、戦況の行き詰まりは変わっていない。ロシアは長期戦に持ち込む構えだ。(喜田尚、ワシントン=下司佳代子、ベルリン=野島淳)▼1面参照
8月に入り、クリミア半島で「謎」の攻撃が相次いでいる。衝撃的だったのは、北部ジャンコイから南東15キロの村で16日早朝に起きたロシア軍の武器弾薬庫の大規模爆発だ。
住民撮影のビデオ映像では轟音(ごうおん)とともに炎と黒煙が立ち上り、連鎖的に爆発が起きたのが確認された。爆発は数時間続いた。住民2人が負傷。周辺3千人が避難する騒ぎになった。
クリミアは、2014年にウクライナで親ロ路線の政権が倒れたことに反発したロシアが制圧・併合した「ウクライナ危機の震源地」だ。今年2月に始まったウクライナへの全面侵攻では、占領地への兵器、人員の補給基地になった。
異変が始まったのは7月31日だ。南部セバストポリの黒海艦隊司令部が突然飛来した無人機に攻撃され、5人が負傷した。今月9日には西部のサキ飛行場で大規模な爆発が起き、1人が死亡。少なくとも7機の軍用機が破壊された。
レズニコウ国防相はクリミアに駐留するロシア軍への攻撃について、一般論として米メディアに「占領された領土を解放することだ」と正当性を強調した。
ただウクライナ政府は、公式にはクリミアでの一連の出来事に自らの関与を認めていない。欧米はウクライナに高精度の兵器を供給するが、目的はロシアの攻撃に対する防御で、ロシア領土への攻撃には使わない条件をつけた。クリミアがウクライナ領であることでは欧米にも異論はないが、ロシアを過度に刺激するのを恐れる国も多い。
今回、ロシア軍が「聖域」としてきたクリミアのもろさも露呈した。ロシア国防省は9日の軍用飛行場の爆発の原因を「失火」と発表。16日の武器弾薬庫の爆発は「破壊活動が原因」と認めたが、誰が攻撃したのかは明言していない。「自国の領土になった」と説明してきたクリミアへの攻撃で世論に動揺が起きるのを避けたい考えと見られる。
クリミアとロシア本土を直接結ぶのは、国際的な批判を無視して18年に半島東端のケルチ海峡に完成させたクリミア橋だけだ。ウクライナが陣地から約250キロ離れたこの橋を攻撃する能力を持てば、補給基地であるはずのクリミアが一気に孤立する恐れもある。
■ウクライナ、南部で攻勢 停戦見えず
2月24日に侵攻を始めたロシア軍は、3月末に首都キーウ(キエフ)攻略を断念して東部に力を集中し、7月にはルハンスク州制圧を宣言した。戦力で劣るウクライナはロシア軍を消耗させて進撃を遅らせたが、1日の戦死者が100人を超えた。
その状況を変えたのは、6月に米国が高機動ロケット砲システム「HIMARS(ハイマース)」の提供に踏み切ったのを皮切りに加速した、ウクライナに対する欧米の軍事支援だ。ウクライナは最新兵器を南部ヘルソン州に投入。ロシア軍の弾薬庫や橋、鉄道への攻撃に力を入れた。ドニプロ川にかかるロシア軍占領地の橋や鉄道を攻撃し、州都ヘルソンのある同川の西岸地域を、クリミアや東部と陸続きの東岸から孤立させようとしている。クリミアへの圧力もこの作戦の一環とみられる。
比較的平穏な状況が続いていた南部で、ロシアは住民に国籍を与えるなど占領地の「ロシア化」を進めてきた。ロシアが任命したザポリージャ州、ヘルソン州の親ロシア派幹部は、9月にロシアへの編入を問う住民投票に持ち込む考えだ。
しかし、ウクライナ軍の攻勢で、ロシア軍は東部の戦力の一部を南部に移動させざるを得なくなった。
ただ、ウクライナ軍は補給路へ攻撃を続ける一方、領土奪還には乗り出せていない。当面はロシア軍を消耗させる構えだ。
ロシア軍は東部でウクライナ側支配地が残ったドネツク州の制圧を目指し、拠点都市への攻撃を続ける。その他各地への砲撃の手もゆるめず、ロシア国境に近い第2の都市ハルキウでは17~18日のミサイル攻撃で市民21人が犠牲になった。
ロシア軍が占領する中南部のザポリージャ原発では今月に入って砲撃が相次ぎ、ロシアとウクライナは互いに相手側によるものだと主張。重大事故の懸念が高まっている。
3月末にウクライナが中立化を受け入れる構想が浮上し、進展したかに見えた停戦協議も、今は再開の見通しが全く立っていない。
■ロシア「我慢比べ」狙う
ロシアのプーチン大統領は、「我慢比べ」に勝機を見いだす構えだ。
ロシアは当初、ウクライナのゼレンスキー政権を倒して親ロシアの傀儡(かいらい)政権を樹立する計画だったとみられる。だが、南部で反撃され、苦しい状況だ。
プーチン氏は7月14日、100以上の法案に署名。多くが、侵攻長期化を念頭に戦時体制への移行をスムーズに進める狙いだ。
目玉の一つが「国家総動員令」とも言える企業への「特別措置」の導入だ。国外でのロシア軍の活動支援が目的で、対象企業は国との契約を拒否することを禁じられる。
高精度ミサイルなどが不足しているとの見方もあるが、対ロシア制裁の影響で最新兵器に不可欠な半導体の輸入も難しい。弾薬などの補充の継続も課題だ。企業に無条件で政府の物資調達への全面的な協力を求め、兵器などを機動的に調達できるようにする。
また、国家への「反逆罪」の罰則も強化。軍事作戦や紛争の途中で、ロシアを裏切って敵についた場合、最大禁錮20年が科される。ロシア兵の派遣拒否やウクライナ側への投降を防ぐ狙いもあるとみられる。
ただ、まだ政権は本格的な戦時経済の移行には慎重姿勢だ。国民生活に深刻な影響を与える政策に踏み切れば、政権の支持層からも反発を招く可能性もある。
兵力の維持も課題だ。7月末の世論調査では、男性の62%が「ウクライナの戦闘に参加する用意がない」と答えた。
代わりに兵力のてこ入れ策として力をいれているのが「志願兵」の部隊だ。ロシアメディアによると、少なくとも20の州などで40以上の部隊が創設された。
ロシアは当面の戦闘を乗り切り、冬を待つ考えとみられる。欧米の制裁に対抗して、欧州向け天然ガス供給を絞る揺さぶりを続けており、さらにエネルギー価格が上昇すれば、侵攻後のインフレで「支援疲れ」が指摘される欧米の姿勢が軟化するとの期待もある。
「国連憲章に完全に従って決めた。ロシアの安全を保障し(ウクライナ東部)ドンバスの住民を守る」。プーチン氏は16日、安全保障の国際会議で演説し、侵攻の正当性を主張した。今もゼレンスキー政権を「ネオナチ」などと批判しており、同政権の存続を公に認めるのは難しい状況だ。
だが、苦戦が続く現状では、プーチン氏でさえ戦争終結に向けた明確な道筋を描くのは難しい。今後の戦況や国内世論の動向を注視しつつ、戦略を見直していく可能性がある。
■軍事支援、米の1.4兆円が最多
欧米各国は多額の軍事支援でウクライナの抗戦を支えてきた。最も多いのは米国で、2月24日以降、今月19日までで99億ドル(約1兆3600億円)にのぼる。
米国防総省によると、侵攻開始からこれまでに対戦車ミサイル「ジャベリン」は8500基以上、携帯対空ミサイル「スティンガー」は1400基以上を提供した。特に侵攻初期に大量に供給され、首都キーウ(キエフ)の防衛に大きな役割を果たした。
主戦場が広大な平地が広がる東部や南部に移ると、重火器をより重視し、長距離砲の155ミリ榴弾(りゅうだん)砲126門などを供給。「HIMARS」は16基提供した。射程が長く、ロシア軍の司令部や補給拠点を正確に狙うことができるとされる。
軍事支援の規模で米国に続くのが、欧州連合(EU)諸国や英国だ。ドイツのキール世界経済研究所によると、1月24日~8月3日に各国から公表された軍事援助は、米国の86・3億ユーロに続き、ポーランド(18・0億ユーロ)、英国(13・3億ユーロ)、カナダ(9・3億ユーロ)、ドイツ(6・6億ユーロ)となっている。ただ、同研究所によると、7月に入って独仏伊などEUの大国では、新たな支援の発表がなかった。同研究所は「資金面でも軍事面でも、ウクライナが必要とする支援に比べてかなり少ない」と指摘した。
▼3面=続く制裁
経済動じぬロシア ワイン・牛肉自給自足
石油・天然ガス高騰追い風 続く西側の制裁
ロシアのウクライナ侵攻開始後、西側諸国はロシアに厳しい経済制裁を幾重にも科して停戦圧力を加えてきた。経済的に孤立を深める一方で、プーチン政権はソ連時代のような「自給自足」の経済を探って市民生活への影響を抑えようとしており、欧米が期待する成果が上がっているとは言いがたい。
モスクワ市内に18日、「スターズ・コーヒー」の1号店がオープンした。ロシアから撤退した米スターバックスの資産を買収したロシア資本の店で、ロゴはスタバそっくり。カップに名前を書くなどサービスもスタバそのままだ。
本格的に営業を始めた19日には店の外に行列ができ、期待の高さをうかがわせた。店員は「やっと開店できてうれしい」と接客していた。
ウクライナ侵攻後、欧米や日本など西側諸国は、ロシアの中央銀行が国外に預けた資金の凍結や、プーチン政権に近い新興財閥(オリガルヒ)と呼ばれる実業家の資産の差し押さえなどの制裁を次々に敢行した。
中でも注目されたのが、ロシアの主要銀行を事実上、国際的な決済ができなくするため「国際銀行間通信協会(SWIFT〈スイフト〉)」のシステムから排除する制裁措置だ。ロシア側とのビジネスを難しくする象徴的な制裁で、1千を超える欧米や日本などの大手企業が事業の停止や撤退を決める一因となった。
ロシア統計局によると、2022年1~6月の自動車生産台数は前年同期比で6割減った。ロシア自動車大手アフトバズがこの夏発表した新車は、エアバッグがなかった。輸入に頼る部品が手に入りにくくなっているとみられ、冷蔵庫やエレベーターの生産なども大きく落ち込んでいる。
ロシアの企業活動や市民生活に支障が出れば、戦争を始めたプーチン政権への不満がロシア国内でも高まり、停戦圧力になる――。制裁を主導する欧米政府の最大の狙いだった。
ただ、モスクワの市民生活には現状、そこまでの混乱は表れていない。
撤退したスターバックスと同じように、米マクドナルドもロシア企業に事業を売却。国内チェーンの「おいしい。それだけ」が誕生し、市民は同じような味を楽しめている。
輸入の制約で品薄が懸念されたスーパーやレストランには商品が豊富に並ぶ。14年にウクライナ南部クリミア半島を併合後、ロシアは欧米の制裁への対抗措置としてワインやチーズ、牛肉などの国産化を進めた成果もあるようだ。
■長期的には影響、指摘も
ロシア経済の先行きを左右しそうなのは、石油や天然ガスの輸出動向だ。価格高騰に支えられ、これまでロシア政府は制裁下でも戦費をまかなうのに十分な歳入を得てきた。しかし、フィンランド中央銀行の研究機関の分析では、7月の歳入は前年比25%減少。欧州向けの石油・ガス輸出は確実に減り、接近する中国やインド向けを増やしても補い切れていないとみられる。
最大の輸出先の欧州連合(EU)は、制裁の一環でロシア産石油の禁輸措置に踏み切り、年末には輸入の9割を削減する予定で、ロシア経済への打撃はさらに広がる可能性がある。
ロシア統計局が今月12日に発表した22年4~6月の国内総生産(GDP)は前年同期比4・0%減だった。国際通貨基金(IMF)は最新の「世界経済見通し」でロシア経済は今年、6・0%のマイナス成長を見込む。
スイス連邦工科大チューリヒ校が6月末にまとめたロシア制裁に関する論文は、「制裁が戦争を終わらせたり、政権交代を引き起こしたりすることはおそらくできない」としつつ、「長期的にロシア経済に与える影響は破壊的だ」と指摘している。 (和気真也=ロンドン、細見るい)
▼9面=世界経済に打撃
物価高、世界経済に打撃 ウクライナ侵攻半年
エネルギー・食品高騰 米欧利上げ、効果見えず
【ロシアのウクライナ侵攻は経済に大きな影響を与えた/侵攻前後での主な経済指標の推移】
ウクライナにロシアが侵攻して24日で半年。ロシアと、経済制裁で停戦を迫る西側諸国との対立は、世界経済の歯車を狂わせ、大きな影響を与えている。エネルギー価格の高騰が各国の物価高(インフレ)を起こし、米欧はそれを抑えようと相次いで利上げを実施。その反動で生じた歴史的な円安が食料品などの値上げにつながり、家計の負担を重くしている。▼1面参照
8月上旬にあった英中銀イングランド銀行の記者会見。ベイリー総裁はこの日、英国が急激な物価高から今年の終盤には景気後退に陥るとの予測を示し、「最大の要素はエネルギー価格のさらなる上昇だ。ロシアが欧州向けの天然ガス供給をさらに絞る恐れがある」と指摘した。今年初めは英経済は回復基調だったが、侵攻で一変した。
物価を押し上げているのがエネルギーの高騰だ。世界有数の原油や天然ガスの輸出国であるロシアに最も頼ってきたのが地理的に近い欧州だ。侵攻後、ロシアから欧州などへの供給が減り、代替需要が高まるとの見方から、エネルギー市場は急騰した。
原油の国際指標となる「米国産WTI原油」の先物価格は3月上旬に一時1バレル=130ドルを超え、13年8カ月ぶりの水準を記録。欧州の天然ガスの価格指標も同じ日に過去最高値を記録し、1年前の約20倍の価格で取引された。
さらに、穀倉地帯のウクライナからの輸出が滞り、小麦の市場価格も一時、高騰した。需給のひっぱくを恐れた一部の国が輸出制限に踏み切り、流通の混乱も生んだ。
もともとコロナ禍からの経済回復で上昇基調だった世界の物価は、エネルギーや食品価格の高騰でさらに押し上げられた。米国やユーロ圏のインフレ率は、9%前後を記録している。
急激なインフレを抑えようと、米欧やアジアなど新興国の中央銀行は政策金利の引き上げなどを進めている。英中銀は今月、6会合連続となる利上げを実施した。それでも物価の勢いは衰えず、今年の終盤にインフレ率は13%に達すると予想している。
ロンドン市内の食料品店経営者は「商品だけでなく輸送費なども上がっている。どこまで続くのか怖い」と話す。賃金上昇が追いつかないほど急激なインフレで消費が衰えれば、景気の減速を招きかねない。
国際通貨基金(IMF)は最新の経済見通しで、22年の世界の経済成長率予測を3・2%と、4月時より0・4ポイント引き下げた。21年の成長率6・1%から減速する形で、米英独仏や日本など軒並み引き下げられた。
新興国は米欧の利上げで自国通貨安に悩まされ、米ドルやユーロ建ての借金返済の負担が増している。コロナ禍や物価高対応に加えての試練となっている。(ロンドン=和気真也)
■円安、値上げ圧力さらに
ロシアの侵攻は、日本経済にも影響を与えている。
帝国データバンクの調査では、ロシアに進出した国内上場企業168社のうち、21日までに74社が事業の停止や撤退を発表した。取引停止が34社、生産停止が14社、撤退が6社など。撤退の割合は数%で、5割前後のノルウェーやフィンランドよりも低いという。
欧米より上昇率は低いが、日本も物価の上昇に直面している。一因となっているのが、輸入品の値段を押し上げる円安だ。
利上げする欧米と異なり、日本銀行は金利を低く抑え込んでいる。円を売って金利が高いドルを買う動きが広がり、円相場は7月に一時、約24年ぶりとなる1ドル=139円台をつけた。今月23日も137円台と歴史的な円安で、侵攻の影響が長期化する中、秋以降も食料品などの値上げが続きそうだ。
「コロナの感染動向もよめず、さらに値上げもする。今年の市場は間違いなく冷え込むだろう」。食品業界関係者がこう嘆くのは、11月17日に解禁されるフランス産赤ワインの新酒「ボージョレ・ヌーボー」のことだ。サントリーとメルシャンは価格を大幅に引き上げることを決めた。中には、前年の2倍超に跳ね上がる商品もある。
円安は、輸出企業の海外でのもうけを膨らませる一方、中小企業など内需産業にとっては輸入品の原材料の仕入れコストが増し、収益を圧迫する要因になる。
主な食品メーカー105社を対象に帝国データバンクが7月末にまとめた調査によると、今年中に値上げした、またはこれから値上げするのは計1万8532品目に上る。原材料高に円安もあって値上げ圧力は強まり、対象品目は広がる。今年すでに一度価格を引き上げた商品を、再び値上げする企業も出ている。
3月に一部商品を値上げした日本マクドナルドホールディングスの日色保社長は、8月10日の決算会見でさらなる値上げの可能性を示唆した。「地政学的な問題、大幅なインフレ、急激な円安の進行などコスト上昇要因が当初の想定を上回る速度と規模で進んでいる」と指摘、今後は「経営環境はより厳しくなる可能性が高い」という。
日本の消費者物価指数(生鮮食品を除く)は、7月には2・4%と、消費増税の影響を除くと2008年8月以来の高い上昇率だ。
第一生命経済研究所の新家義貴氏は「エネルギーや食料品以外でも価格転嫁が広がり、消費者物価の伸びは10月には3%に達する可能性が高い。賃金の伸びを上回っているため消費に明らかに逆風で、当面は景気への下押し圧力が続くだろう」と指摘する。(山下裕志、田幸香純、徳島慎也)
▼10面=奪われた日常
侵攻半年、ウクライナの街は
ロシアによるウクライナ侵攻が始まって、24日で半年が経つ。ロシア軍によって破壊された首都キーウ(キエフ)近郊の町では、人々が何とか元の生活を取り戻そうとしている。激しい攻撃は逃れたキーウ市内でも日常生活が戻りつつあるが、戦争の影響は残ったままだ。
ウクライナの首都キーウ(キエフ)は、ゆっくりと日常を取り戻しつつある。
カフェでコーヒーとケーキを楽しみ、緑に囲まれた公園のベンチでくつろぐ――。街を歩くと、そんな人々の光景が目に入る。
2月24日以降、ロシア軍が首都近郊まで迫ったのがまるで遠い過去のような、穏やかな時が流れる。
1日に多いときで数回鳴る空襲警報を除いては。
■空襲警報下、市場は開く
7月下旬の週末。午前中に2回、空襲警報が鳴った。下町にある「ジトニー市場」では、何事もなかったかのように、店員らが仕事を続けていた。
「シェルターに逃げる決まりだけど」。ある店員はそう言いながら、「死んだら仕方ない。運が良ければ生き残る」と話した。
1階には、生肉やウクライナ特産の豚の脂身「サーロ」のほか、魚や野菜、果物など食材を扱う店が所狭しと並ぶ。
店員と客がおしゃべりしながら、日々の雑事を忘れ、買い物の空間を楽しむ。そんな市場の風景も、ロシアの侵攻で変わった。
「ちょっと、高い」
ナタリア・コルジェンコーワさん(68)は、土のついたジャガイモを一つ手に取った後、そっと置いた。ロシアの侵攻後、「市場での買い物はめっきり減った」と話す。
侵攻後、ウクライナの物価は上がり続け、直近のインフレ率は20%を超える。
コルジェンコーワさんは、ロシア軍に破壊された南東部の港湾都市マリウポリで親戚を2人失った。少ない年金から持ち出しで、北東部ハルキウから逃げてきた別の親戚ら4人の面倒をみている。物価高は日々の生活を直撃している。
「すぐ戦争をやめて欲しいけど、もう遅い。ここまで来たら、最後まで戦わないといけない」。そう言って、右手で涙を拭った。
■店員「利益は1日19円」 副市場長「客の笑顔、それが喜び」
市場は週末、いつもごった返していたというが、今はほとんど客がいない。
店員のイリーナ・ボブチュクさん(60)は「こうして、客でもない人と立ち話ができるなんて考えられなかったね」と苦笑いした。
28年前から野菜や果物を売っている。遠くに住んでいても足を運んでくれる人や、3世代でひいきにしてくれる人もいた。その多くは外国に避難したままだ。
客足が細り、広さ24平方メートルの店の敷地のレンタル料1日分を払うと「5フリブナ(約19円)しか残らない。地下鉄にも乗れないよ」。
市場の関係者によると、ガソリン不足で食品や製品の運搬が滞ったり、品物の種類が減ったりするなどの影響も残っているという。
「ウクライナでは『熊が怖ければ、森に行くな』という。お客さんには、人が集まるところが怖いという気持ちがあるのかもしれない」。ジトニー市場の副市場長のドミトリー・ジュコフさん(51)はそう話す。
ロシア軍の無差別攻撃は、庶民が集う買い物の場にも及ぶ。他の都市では、ショッピングセンターがミサイル攻撃を受けた。
それでもジュコフさんは、「買い物は笑顔でするもの。来てくれている人たちの笑顔が見えれば、それが喜びだ。市場は開け続けるよ」と力強く言った。(キーウ=野島淳)
■仮設、でも「私たちの部屋」
乗り合いバスに揺られてキーウに向かう。夕方まで働いて帰宅する。友だちと会って話をする。
ロシア軍の激しい攻撃を受けたキーウ近郊ボロジャンカの仮設住宅に住む看護師のイリーナ・ポーブフさん(38)は、そんな毎日がうれしい。
被害が大きかった「中央通り」のアパートを離れたのは3月2日。7歳の長女ダリヤちゃんとともに、ロシア軍の攻撃から逃れ続けた。病院に設けられたシェルター、市民で組織する領土防衛隊の男性の家、ベッドもない学校の床。爆発音の後で聞こえた「俺の腕はどこだ」と叫ぶ男性の声が耳に残る。
ウクライナ西部から帰郷し、仮設住宅に入ったのは6月末。季節は夏になっていた。「仕事を再開するから戻ってほしい」との声がかかったからだ。
部屋は間口2・5メートル、奥行き5・5メートル。トイレもシャワーも台所も共同だが、人生を取り戻せたと感じる。「私たちの部屋で私たちで暮らす。あちこちを転々とする生活は、終わりにしたいんです」
ダリヤちゃんにも笑顔が戻った。取材に通う記者が「何かほしいものがある?」と聞くと、(グミキャンディーの)「ハリボー」と返ってきた。避難生活の当初、空腹を訴え、パンとミルクがほしいと口にしていたダリヤちゃんが、お菓子をほしがる姿にイリーナさんがほほえんだ。
ダリヤちゃんは泣かなくなったという。「自分なりに現実を受け入れたのかもしれません」。ダリヤちゃんの成長を、イリーナさんは感じとっている。
■復興? 落ち着き先が決まって出発点
ただし、皆が前向きにいられるわけではない。
同じ仮設住宅に身を寄せるタチアナ・ガライェワさん(51)は、真っ二つに破壊されたアパートに住んでいた。地下のシェルター内でも犠牲者が出たという。
アパートがある街の中心部までは歩いて15分ほど。青果店やミニスーパーが店を開き、ランチを出すレストランもあるものの足が向かない。アパートの部屋は6階だった。洗濯機の残骸がのぞく。「見ていられない。つらくて」
市はアパートは修理不能だと判断し、更地にして建て替える考えだが、ガライェワさんは言う。「無理だと思います。でも、できることなら修理してほしいんです」。住み慣れた場所で、もと通りの暮らしを送りたいからだ。
建機の輸入販売メーカーに勤める。営業部門のマネジャーの仕事は7月に再開したが商品が乏しい。黒海の封鎖で、売るべき機械や機材が、ウクライナに運び込めないのだという。
キーウ近郊からロシア軍が去って4カ月あまり。復興への歩みを感じますかとガライェワさんに問うと、聞き返された。
「そんな気配がありますか」。仮設を出て落ち着き先が決まってこそ出発点になるという。
再び攻撃を受ける懸念が払えてアパートが再建できる日も、望む市民が街に戻り、安心して暮らし働ける日も、まだ見えない。(ボロジャンカ=青田秀樹)
▼12面=社説
侵略戦争半年 ロ軍撤退しか道はない
穏やかな日常が、一夜にして乱暴に踏みにじられた。ロシアがウクライナへの侵略を始めて24日で半年を迎える。戦闘が終わる気配はない。
どれだけの人々が命や将来の夢を奪われ、家や故郷を失い、家族と引き裂かれたのか。全体像が不明なまま、今も毎日、新たな悲劇が重ねられている。
国連機関によると、8月までに1100万人以上がウクライナ国外に逃れた。国内での避難生活も660万人にのぼる。帰国した人もいるが、多くは以前のような生活には戻れない。
民間人の死者は、確認された限りでも5500人を超す。うち360人余りは子どもだ。これには東部など激戦地は含まれておらず、実際の犠牲ははるかに多いことは確実だ。
両国兵士の死者はあわせて数万人とみられるが、軍事機密の壁もあり、実態は見えない。
ここまで人命が軽んじられる現実は、現代の戦争も究極の人権侵害であることを物語る。
民間人の殺戮(さつりく)も、国土の荒廃も、起きているのはもっぱらウクライナ領内だ。一方的な侵略の理不尽さである。
今回の戦争は、国連憲章上、特別の責任を負う安保理常任理事国が、核戦力を誇示しつつ、領土拡張を狙った侵略という点で極めて異例であり、第2次大戦後の国際秩序を根底から揺るがしている。食料やエネルギーの高騰など、世界経済に与える悪影響も甚大だ。
このあからさまな侵略を許す前例をつくれば、今後の世界の安定に大きな禍根を残す。多くの国々がそれぞれのやり方で、ウクライナ支援に動いているのは深い危機感の表れだ。
ロシア指導部の思想は異様というほかない。プーチン大統領は、ロシアに従わない限りウクライナは主権を行使できないと主張する。メドベージェフ前大統領は、2年後の世界地図からウクライナが消えている可能性さえほのめかした。
ロシアから自立したウクライナを求める者は「ネオナチ」であり、抹殺の対象となる。21世紀とは思えぬ集団殺害(ジェノサイド)にも通じる考えは、占領地での施政に表れている。
住民の選別や処刑、強制連行、ロシア国籍の付与、ロシア式教育の導入など、強制的な「ロシア化」が伝えられる。
「ウクライナ人であること」を否定されようとする人々の多くが逆に独立心を強め、反ロシアの意識を胸に刻んでいる。その抵抗の決意が容易に揺らぐことはあるまい。
悲劇を止められるのも、その義務を負うのも、ひとえにロシアである。直ちに停戦し、撤兵するよう求める。