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【 06】12/23
  プーチン氏、米国のパトリオット「かなり古いシステム」  田中宇の国際ニュース解説

 2022年12月23日 7時04分 速報中 29分前に更新 有料記事ウクライナ情勢
プーチン氏、米国のパトリオット「かなり古いシステム」
世界の動きの鳥瞰
   https://digital.asahi.com/articles/ASQDG7SKLQDGUHBI03N.html?iref=com_latestnews_02

 ウクライナのゼレンスキー大統領が21日、ロシア侵攻下のウクライナから初めて出国し、米ワシントンを訪問しました。バイデン大統領と会談後、米連邦議会で演説し、軍事支援の強化が必要だと訴えました。一方、ロシアのプーチン大統領は同日、「(侵攻で)すべての目的が達成されることに疑いはない」と発言し、核戦力の増強を続ける考えを表明しました。侵攻からまもなく10カ月を迎えますが、両国の対立は深まっています。

キーウ 12/23 0:28モスクワ 12/23 1:28
写真・図版























【写真・図版】ウクライナ戦況地図(12月21日時点)】 (タイムスタンプは日本時間、括弧内は現地時間)

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戦場のドローンはどこから来たか 「メイド・イン・ジャパン」の衝撃 ☚
ロシアがウクライナ侵攻で使うドローン(無人航空機)の部品に、日本企業の製品が含まれている可能性が高いことがわかりました。ウクライナ軍情報局の分析結果から明らかになりました。部品の多くは家電パーツなどの民生品。「メイド・イン・ジャパン」の製品がなぜ殺傷兵器に生まれ変わったのか探ります。
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朝日新聞デジタル連載戦場のドローンはどこから来たか 「メイド・イン・ジャパン」の衝撃記事
独自 第1回
ウクライナ攻撃ドローン部品に「メイド・イン・ジャパン」 なぜ転用
  有料記事ウクライナ情勢
  キーウ=杉山正2022年12月14日

 ウクライナを攻撃するのに使われたドローン(無人航空機)の実物があるという。特別に取材できないか。ウクライナ軍から、取材に応じると連絡があったのは11月下旬だった。

 ドローンは、首都キーウ中心部から離れた軍情報局の施設に保管されていた。

 施設内の木の床に、大人の背丈ほどの白いドローンが転がっている。ある機体は先端が破壊され、ぱっくりと欠けていた。

 別の機体は、エンジン部分に直径5センチほどの穴が開いていた。

 「ウクライナ軍が迎撃した跡だ」

 目出し帽をかぶった軍情報局員が説明した。「ドローンはイラン製だ」とも付け加えた。目出し帽の男性は同局のドローン専門家という。

 ロシアによるウクライナ侵攻で使われたドローンのうち、ウクライナ軍は、撃ち落とすなどして原形をとどめたものを保管し分析を進めている。

ロシアがウクライナ侵攻で使うドローン(無人航空機)の部品に、日本企業の製品が含まれている可能性が高いことがわかった。ウクライナ軍情報局の分析結果から明らかになった。部品の多くは家電パーツなどの民生品。「メイド・イン・ジャパン」の製品がなぜ殺傷兵器に生まれ変わったのか。

粗末な機体、粘着テープでつなぎ合わせたような跡も
 この日、ウクライナ軍が朝日新聞記者に公開したのは3機だ。

 形状などから攻撃型ドローン「モハジェル6」と自爆型ドローン「シャヘド131」、「シャヘド136」とみているという。

 機体は一見、粗末だった。

 粘着テープでつなぎ合わせたような跡に、木製プロペラ――。

 ウクライナの電力施設や住宅を何度も破壊し、市民を殺傷した兵器にしては、あまりに簡素すぎるようにも見えた。

 だが、その機体の中から取りだしたという製品には、先進国の製品が詰まっていた。

 台に並べられたカメラには「MADE IN JAPAN」と記されたバーコードが貼られていた。エンジンにはオーストリアメーカーのロゴが記されている。

 「機体内部の部品で、欧米や日本製はどれぐらい使われているのか?」

 記者が質問すると、専門家は即答した。

 「ほぼすべてだ」

 そして続けた。

 「イランは民生品を使ってドローンを作っている」

米欧日カナダの製品だけで全体の9割近くに

 軍情報局は、機体内部にある集積回路やモーターといった部品の一覧資料を作成していた。

 その資料には、部品の写真とともに、製造したメーカー名や製造国、型番などが記されている。

 攻撃型の「モハジェル6」は全長約6メートルで、最大速度は時速200キロだ。偵察機能を持つほか、搭載する複数の誘導弾などで攻撃する。

 軍情報局が作成した「モハジェル6」の分析資料は全26ページ。

 それを繰ると、機体内部に使われている部品や製品は117種類、200個以上あった。

 資料のリストをもとに、記者は、部品の個数の内訳を試算した。

 米国製が全体の約65%。日本製は、数が多い電池を1個と計算すると、約11%だった。米欧日カナダの製品だけで、全体の約86%を占めた。

 リストに載っていた日本製品には、大手家電メーカーの電池や大手総合電機メーカーのカメラなどがあった。

 そのほか、電気の流れを開閉する汎用(はんよう)リレー(継電器)や集積回路もある。日本の大手電気機器メーカーや大手半導体メーカー製という。

 継電器は冷蔵庫や洗濯機などの家電や産業機器向けに幅広く使われる。こうした部品は、それ自体では軍事用品ではない。

「戦争に悪用されるなんて」

 リストによれば、回転と停止によって機器を制御する「サーボモーター」も日本製だ。電子機器製造会社の名前が記されていた。

 調べると、この会社は昨年、軍事転用が可能なモーターを中国に輸出しようとしたとして社長が書類送検され、その後不起訴になっていた。

 この会社に連絡を取ると、サーボモーターは中国や欧州など世界各国に輸出してきたが、イランには輸出していなかったと説明した。

 電話口の女性は「戦争に悪用されるなんて残念でなりません」と話した。モーターは模型飛行機などの部品を想定したものだったという。

 自爆型の「シャヘド136」では、日本製は3%ほどを占めていた。

 米国製が75%で、米欧日カナダの製品で約88%に上った。

 日本製としては、リチウムイオン電池に大手家電メーカー、ノイズ対策フィルターの製作元として大手電子部品メーカーの名があった。このフィルターもまた、パソコンやゲーム機といった身近な商品に使われるものだ。

 「シャヘド136」「モハジェル6」の分析資料に掲載されていた日本メーカーは計7社だ。

 「MADE IN JAPAN」のラベルが貼られた製品が、侵攻されるウクライナで見つかったのは、なぜなのか。

 手近な汎用品が、作り手も気付かぬうちに、殺傷兵器として、侵攻現場で使われているということなのか。

 リストに記された日本メーカーに尋ねることにした。(キーウ=杉山正)

【動画】ウクライナで見たイラン製とされる自爆ドローン=杉山正撮影

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   commentatorHeader 小泉悠 (東京大学先端科学技術研究センター講師)
   2022年12月15日9時38分 投稿

【提案】依然として主力兵器はハイテク・ハイエンド・専用部品で出来上がっていますが、自爆ドローンや偵察ドローンは(ほぼ)使い捨てである一方、数が揃うのが重要ですから、安く・早く出来上がるのが至上命題になるようです。その結果が、日本を含めた民生品の活用ということになるのでしょう。
こうなると「兵器化できる機微技術を絶対に漏らさない」という従来の考え方に加えて「兵器転用可能な技術の全てを管理し切ることはもはやできないので、実際に兵器化されてしまった場合にどう対処するか」を真剣に考えておく必要があると思います。
自爆ドローンについて言えば、この種の飛行手製爆弾みたいなものの製造そのものを止めることはまず無理なわけですから、ドローン防御システムの研究・開発を進める、といったアプローチになるのではないでしょうか。

 ビデオ声明はポーランドで撮影したものとみられる。
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 以上

■■■12月23日(日本時間)■■■ 01:30(モスクワ19:30)
プーチン氏、米国パトリオット「かなり古い」

 ロシアのプーチン大統領は22日の記者会見で、米国が地対空ミサイル「パトリオット」のウクライナへの供与を決めたことに関して問われ、「かなり古いシステムで、(ロシアの地対空ミサイル)S300のようには作動しない。対策は必ず見つかる」と述べ、配備されても問題ないとの自信を示した。

 プーチン氏は、米国がソ連時代からロシアとウクライナの分断を図ろうとしてきたなどとも批判。「2月末に始めた行動(ウクライナへの侵攻)以外に選択肢がなかった」として責任を米国に転嫁した。

02:07(ロンドン22日17:07)
北朝鮮から支援「ロシア孤立の表れ」と英外相指摘

 北朝鮮がロシアの民間軍事会社「ワグネル」に武器を輸出したと米当局者が発表したことを受け、英国のクレバリー外相は22日に「米国の分析を支持する」と声明を発表した。声明では「プーチン大統領が北朝鮮に支援を求めているという事実は、ロシアの焦りと孤立の表れだ」と指摘した。

 英国は関係国と協力し、「ロシアのウクライナでの違法な戦争を支援する北朝鮮に高い代償を支払わせる」とも述べた。

 米政府はこの日、北朝鮮がロシアの民間軍事会社「ワグネル」に武器の輸出を行ったことを確認したと発表した。先月にロケット弾やミサイルが搬入されたことが分かったという。

01:30(ワシントン22日11:30)
北朝鮮がロシアの民間軍事会社に武器輸出、米国発表

 米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報担当調整官は22日、北朝鮮がロシアの民間軍事会社「ワグネル」に武器を輸出したことを初めて確認した、と明らかにした。「提供された物資の量が、ウクライナの戦場におけるダイナミクスを変えることはないと評価している」とした上で、「北朝鮮がさらなる軍事物資を運ぼうとしていることを懸念している」と述べた。

 電話会見をしたカービー氏によると、北朝鮮は11月、ロケットやミサイルをワグネルに届けたという。カービー氏はまた、ウクライナでの苦戦を受けて、プーチン大統領が側近の創設したワグネルに頼ることが増えているという分析も明かした。数週間以内に、ワグネルへの制裁措置を発表する。

 米国は、ワグネルは1万人の雇い兵と4万人の受刑者の計5万人をウクライナに派遣していると推計している。創設者のプリゴジン氏は自らロシア国内の刑務所を回り、前線で戦う受刑者を集めているとの見方も示した。

 ワグネルは、ウクライナ東部の激戦地バフムートで「大きな役割」を果たしているが、装備も訓練も足りず、大きな犠牲が出ているという。カービー氏は「ここ数週間の戦闘で1千人のワグネルの戦闘員が死亡し、その90%は受刑者だったとみられる」と話した。

01:15(ベルリン22日17:15)
ロシアに国家機密横流し、ドイツ情報機関の職員逮捕

 ドイツの連邦検察庁は22日、情報機関の連邦情報局(BND)に務めるドイツ人職員がロシアの情報機関に国家機密を流していたとして、国家反逆罪の疑いで逮捕したと発表した。漏れた情報の詳細などは明らかになっていない。

 発表によると、職員は今年、職務上知り得た国家機密をロシアの情報機関に送った疑いがある。連邦刑事庁の捜査員がベルリンで、この職員ともう一人の自宅や職場を捜索した。

01:06(キーウ22日18:06)
ゼレンスキー大統領「良い結果を手に帰路にある」

 ワシントン訪問を終えたウクライナのゼレンスキー大統領は22日夜、ビデオ声明で「私たちはワシントンからの帰路にある。良い結果を手に、真に役立つものを携えて」と成果を語った。

 ゼレンスキー氏は「ウクライナでもアメリカでも『愛国者』と言えば、国家と国民の保護を同じように意味する。この点はウクライナにとって問題ではなく、財政的な支援もある」と述べ、バイデン米大統領や米議会、ウクライナを支援する人々への謝意を強調した。

 また、帰路にポーランドで同国のドゥダ大統領と会談。これまでの同国の支援への感謝や訪米の成果、来年の戦略的なビジョンを伝えたことも明らかにした。

■■■12月22日(日本時間)■■■23:54(ベルリン15:54)
G7外相会合、ベラルーシに警告

 主要7カ国(G7)は22日、オンライン形式の外相会合を開き、ロシアによるウクライナ侵攻を改めて非難した。会合後、議長国ドイツのベアボック外相が声明を発表した。特にエネルギーインフラなどの民間施設への無差別攻撃は「戦争犯罪を構成する」と指摘。越冬支援を含め、人道、復興、防空などの必要な支援を続けることも確認した。

 ロシアと協力するベラルーシに対しても「これ以上加担すれば、ベラルーシ政権に対して圧倒的な追加コストを課す」と警告した。

 ベアボック氏によると、今年12回目のG7外相会合になるという。来年は日本が議長国を務める。日本外務省によると、林芳正外相は「侵略が長期化するなか、G7の緊密な連携を維持・強化していくことが重要だ」とし、「力による一方的な現状変更は認めないというG7の強い意思を示したい」と述べたという。

22:41(ベルリン14:41)
G7、ウクライナに320億ドルの支援を約束

 主要7カ国(G7)財務相は22日、共同声明を発表し、ロシアの侵攻を受けるウクライナの緊急の資金ニーズに応えることを再確認した。「G7は必要な限り、ウクライナにしっかりと寄り添い続ける」とし、G7以外の国にも支援を強化するよう訴えた。

 声明によると、G7は来年、ウクライナに対して最大320億ドル(約4・2兆円)の財政・経済支援をする。欧州連合(EU)が決めた180億ユーロ(2・5兆円)も含まれる。ウクライナが政府の基本的なサービスを国民に提供するために使われる。必要に応じて、支援を増やす用意もあるとした。

21:02(キーウ14:02)
ロシア軍が大規模攻撃計画か、ウクライナ報道

 ウクライナのニュースメディア「ウクライナ・プラウダ」は22日、同国の情報機関の話として、ロシア軍が23日か24日に大規模なミサイル攻撃を計画していると報じた。

 報道によると、ロシア軍は戦略爆撃機Tu95を8~14機、中距離爆撃機Tu22M3を3機、短距離弾道ミサイル「イスカンデル」を4発と、「カリブル」を含む巡航ミサイル67発を用意しているという。そのほか、ドローン(無人航空機)による攻撃が行われる可能性もあるとしている。

 ウクライナ全土に対する大規模ミサイル攻撃は直近では今月16日に行われ、ロシア軍は74発のミサイルを発射した。各地の電力施設が被害を受けたほか、中部ドニプロペトロウスク州クリビーリフで住宅が被弾し、1歳半の幼児を含む少なくとも4人が死亡した。

23:30(ジェシュフ15:30)
ゼレンスキー大統領、訪米の帰途にポーランド訪問

 ウクライナ大統領府は22日、米ワシントンを訪問したゼレンスキー大統領がその帰途、ポーランド南東部のジェシュフで同国のドゥダ大統領と会談したと発表した。ゼレンスキー氏は両国の関係、ウクライナからのポーランドへの難民問題などについて協議し、ウクライナに対するポーランドの協力に謝意を伝えたという。

 今回の訪米でゼレンスキー氏は、首都キーウ(キエフ)から列車でウクライナ国境を越えてポーランドに入り、ジェシュフから空路でワシントン郊外のアンドルーズ空軍基地に飛んだとされる。

20:58(キーウ13:58)
ウクライナ空軍「パトリオット」は数カ月で配備可能との見方

 ウクライナ空軍の広報官は22日、米国政府がウクライナへの提供を決めた地対空ミサイル「パトリオット」について、今後、専門の兵士らが運用に必要な技術を習得し、数カ月で配備が可能になるとの見方を示した。地元テレビのインタビューをニュースメディア「ウクライナ・プラウダ」が伝えた。

 広報官は、国外で行われるとされる「パトリオット」の運用技術習得のための訓練について、「我々のパートナー(米国)は厳格で、通常であれば相当なプロセスになる」とする一方で、戦時下にあるウクライナの状況を考慮し、その期間は「数カ月に短縮される」と述べた。

 ウクライナのレズニコウ国防相は22日、オースティン米国防長官と電話協議した後、SNSに投稿。「愛国主義者(パトリオット)の兵士たちは、素早くシステムを学び取るだろう」と記した。

18:48(モスクワ12:48)
パトリオット供与で「ロシアの目的を妨げられない」

 ロシアのペスコフ大統領報道官は22日、米国がウクライナへの地対空ミサイル「パトリオット」の提供を決めたことについて、「米国などがウクライナに供与する武器の種類などを常に拡大しているのが分かる」と批判した。インタファクス通信が伝えた。

 ペスコフ氏は「これで早急に状況を解決することはできず、逆効果だ。ロシアが(ウクライナ侵攻を指す)特別軍事作戦で目的を達成することを妨げることはできない」と報道陣に話した。

18:20(モスクワ12:20)
IAEA事務局長がモスクワ訪問、ザポリージャ原発について協議

 国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は22日、モスクワを訪問し、ウクライナ中南部のザポリージャ原発について、ロシアの国営原子力企業ロスアトムと協議した。インタファクス通信が伝えた。ロスアトムによると、原発の安全区域の設置について議論し、「立場が近い」ことを確認したという。ロスアトムからはリハチョフ社長らが出席した。

 グロッシ氏は10月にロシアを訪問した際にはプーチン大統領と会談したが、ペスコフ大統領報道官は、今回は会談の予定はないとしている。

15:58(ヘルソン08:58)
ウクライナ側の支配地に砲撃、1人死亡

 ウクライナ南部ヘルソン州のヤヌシェビッチ知事は22日朝、ロシア軍が過去24時間に同州のウクライナ側支配地に60回の攻撃を加え、1人が死亡、6人がけがをしたとSNSに投稿した。

 攻撃には多連装砲や戦車が使われ、砲弾が集合住宅や造船工場を直撃したという。

 ロシア軍は11月に同州のうち、州都ヘルソン市を含むドニプロ川西岸地域から撤退。それ以来、東岸から激しい砲撃を加えている。

15:17(キーウ08:17)
米のパトリオット提供は「他の支援国からの提供に道開く」 ウクライナ外相

 ウクライナのクレバ外相は22日、バイデン米大統領が表明した地対空ミサイル「パトリオット」の提供について、提供自体にとどまらず、「さらに他の(支援国からの)『パトリオット』の提供に道を開くという点で重要だ」と述べた。ウクライナのニュースメディア「ヨーロッパ・プラウダ」が伝えた。

 バイデン氏は、ウクライナのゼレンスキー大統領の訪米を機に提供を決めた。

 クレバ氏によると、ロシアが国境沿いに軍を結集させた昨年4月から、ウクライナは米国に「パトリオット」の提供を求めてきたという。クレバ氏は「当初の反応は懐疑的だったが、我々は(提供されると)信じ、あらゆるレベルで働きかけてきた」と話した。

ゼレンスキー氏「米の支援は民主主義への投資」 米議会演説で喝采。

ゼレンスキー大統領が短時間訪米 巨額支援する米国が招待した思惑。

10:00(ワシントン21日20:00)
米議会でゼレンスキー氏が演説

 ウクライナのゼレンスキー大統領はバイデン米大統領との首脳会談後、米議会の上下両院合同会議で演説した。超党派のウクライナ支援に感謝を述べた上で、「この戦いで、子や孫がどんな世界に生きるか、それがウクライナ人、米国人、全員にとって民主主義になるかどうかが決まる」などと語り、さらなる支援を求めた。

 演説は20分ほど。最後にウクライナ東部の激戦地バフムートで兵士らから託されたウクライナ国旗を、ペロシ下院議長とハリス副大統領に手渡した。

7:00(ワシントン21日17:00)
ゼレンスキー氏「平和は妥協を意味しない」 共同会見で

 バイデン米大統領は、今後の停戦協議の可能性について、ウクライナのゼレンスキー大統領が「正しい平和を求めることに前向きだ」としたうえで、ロシアのプーチン大統領について「この残酷な戦争を止めるつもりがない」と指摘した。21日の共同記者会見で述べた。

 バイデン氏は、ゼレンスキー氏との間で「自由で独立し、繁栄し、安全なウクライナ」という「完全に一致したビジョンを共有している」と強調した。

 これに対し、ゼレンスキー氏は「正しい平和とは、(ウクライナの)主権や自由、領土の一体性における妥協を意味しない」と説明し、ロシア側に妥協しない姿勢を改めて強調。「ロシアの侵略によって与えられたあらゆる損害への弁済」の必要性も訴えた。

6:45(ワシントン21日16:45)
バイデン氏「侵略から守れるよう尽力」 ゼレンスキー氏と共同会見

 ウクライナのゼレンスキー大統領は、ホワイトハウスでバイデン米大統領と会談し、共同会見に臨んだ。

 会見で、バイデン氏は「米国は必要な限り、ウクライナの人々がロシアの侵略から確実に国を守れるよう尽力する」と述べ、支援を続ける姿勢を強調。「ロシアは故意にウクライナの重要なインフラを攻撃している。ロシアは冬を武器にしている」と批判した。

 ゼレンスキー氏は、ウクライナ支援への感謝を改めて表明。米国が高性能の地対空ミサイル「パトリオット」の提供を決めたことについて、「我々の防衛力を大きく強化し、安全な空域をつくるために重要だ」と評価した。また、「我々はこの冬を生き延び、人々を守らなければならない」と訴えた。

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2022年12月21日、米ホワイトハウスでの共同会見で話すウクライナのゼレンスキー大統領(左)とバイデン米大統領=AP

4:20(ワシントン21日14:20)
「ウクライナの人々は世界を鼓舞し続けている」 バイデン米大統領

 ウクライナのゼレンスキー大統領がホワイトハウスに到着し、バイデン米大統領との会談が始まった。

 バイデン氏は会談の冒頭で、「あなた(ゼレンスキー氏)の隣にいることは光栄だ。ウクライナの人々は、世界を鼓舞し続けている」と述べた。

 バイデン氏は「ウクライナが自衛するための能力、特に防空能力を強化し続ける」として、高性能の地対空ミサイル「パトリオット」を提供すると伝えた。また、ロシアが市民を標的にした攻撃を強めているとして、「ロシアは冬を武器として使おうとしている」と警戒を示した。

 ゼレンスキー氏は、バイデン氏や米議会や米国の人々に向け、ウクライナへの支援に対する感謝を伝えた。「もっと早い時期に訪問したかったが、状況がとても難しく、できなかった」とし、「支援のおかげで、いまは状況をコントロールしている」とも語った。会談でエネルギー問題や戦況などを協議するとしている。

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2022年12月21日、ホワイトハウスで会談に臨むバイデン米大統領(右)とウクライナのゼレンスキー大統領=ワシントン、AP

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2022年12月21日、米ホワイトハウスで、ウクライナのゼレンスキー大統領(中央)を出迎えるバイデン大統領(右)=AP

02:50(ワシントン21日12:50)
ゼレンスキー大統領が米国に到着 ホワイトハウス高官

 米ホワイトハウス高官は、ウクライナのゼレンスキー大統領が米国に到着したと明らかにした。代表記者団に語った。

02:10(ワシントン21日12:10)
パトリオットも初提供へ 米国が18.5億ドルの追加軍事支援を発表

 米国政府は21日、ウクライナに対する18億5千万ドル(2450億円)の追加軍事支援を発表した。

 巡航ミサイルや短距離弾道ミサイルなどを撃ち落とせる地対空ミサイル「パトリオット」を今回初めて提供するほか、高機動ロケット砲システム「HIMARS(ハイマース)」の追加の砲弾や精密誘導型155ミリ砲弾500発などが含まれる。

01:30(ブリュッセル21日17:30)
EU、ロシアの人権団体の閉鎖を非難

 欧州連合(EU)の欧州対外行動庁(EEAS)は21日、ロシア政府が人権団体「モスクワ・ヘルシンキ・グループ」の閉鎖に動いていることに対し、「明らかに政治的な動機によるものだ」と非難する報道官声明を発表した。

 ロイター通信によると、モスクワ・ヘルシンキ・グループはロシアで最も古い人権団体の一つという。

 EEASの声明は、この人権団体が1976年の設立以来、「人権を守るためにたゆまぬ努力を続けてきた」と評価。ロシア当局が「組織的に人権を侵害し、ジャーナリストや人権活動家を取り締まり、独立したメディアを閉鎖することで、国内で守るべき約束や義務を無視し続けている」と非難した。

 また、政府に批判的な声を力で排除する傾向は、ロシアによるウクライナ侵攻後に加速しているとも指摘。EUは、ロシアの人権侵害によるすべての犠牲者と連帯し、人権活動家らを支援し続けるとした。

01:00(ジュネーブ21日17:00)
東部ドネツクの国際赤十字の事務所に砲撃

 赤十字国際委員会(ICRC)は21日、ウクライナ東部ドネツクにある事務所が19日に砲撃を受け、建物と複数の車両が損傷したと発表した。この砲撃によるICRC職員の死傷者は出ていないという。

 発表によると、砲弾は19日遅くに事務所の庭に着弾した。最近、ICRC関連の施設への砲撃が続いているといい、18日にはドネツクでICRCが支援する病院が攻撃を受け、患者2人が死亡。先週は、ウクライナ赤十字のボランティア1人が南部ヘルソンでの砲撃で死亡したという。

 ICRCは砲撃を強く非難するとともに、「紛争の影響を受けた人たちに援助を届けるため、中立で公平な組織に不可欠な人道的空間の尊重を求める」とし、人道支援に携わる人たちを保護するよう訴えた。

■■■12月21日(日本時間)■■■22:19(ワシントン21日08:19)
ゼレンスキー氏訪米に米軍機が関与 CNN報道

 米CNNは21日、米国を訪問するウクライナのゼレンスキー大統領の移動に、米軍機が関与したと報じた。ゼレンスキー氏は21日、ワシントンを訪れてホワイトハウスでバイデン大統領と会談し、米議会でも演説する予定。

 CNNによると、ゼレンスキー氏は米国に向かうため、鉄道でまずポーランドへ移動した。ウクライナ国境近くで下車後、自動車で空港まで移動し、駐ウクライナの米国大使とともにワシントンへ向けて飛び立ったという。

 ゼレンスキー氏がウクライナを離れるのは、今年2月のロシア侵攻以降初めて。米当局者によると、ゼレンスキー氏の往復の安全確保に米国が深く関与していたという。米軍機の関与について米政府高官は、CNNに対し、「安全性の要件を満たしたとゼレンスキー氏が判断した」と述べた。

20:09(21日キーウ13:09)
ヘルソン州に「集団埋葬地」、10代女性ら7遺体見つかる

 ウクライナのレズニコウ国防相は21日、ウクライナ軍がロシア軍から奪還した地域に含まれる南部ヘルソン州の村で、11月30日に集団埋葬地が見つかっていたとSNSに投稿した。投稿によると、10代の女性1人を含む民間人7人の遺体が見つかった。現地メディアの「ウクライナ・プラウダ」が伝えた。

 レズニコウ氏は投稿で、非戦闘員の保護を定めた国際人道法「ジュネーブ条約」を無視するものだ、とロシアを非難した。ロシア軍から奪還した北東部ハルキウ州内の地域だけで、これまでに子どもを含む500体以上の民間人の遺体が発見されたとも記している。行方不明者らの捜索は今も続いているという。

17:01(キーウ10:01)
ゼレンスキー大統領が訪問したばかり、バフムートで負傷者

 ウクライナ東部ドネツク州のキリレンコ知事は21日、前夜からの同州へのロシア軍の攻撃で計2人が死亡し、計8人が負傷したとSNSに投稿した。このうち、ゼレンスキー大統領が20日に訪問したばかりの激戦地バフムートで民間人5人が負傷したという。

 投稿によると、ロシア軍はリマンなど前線全体を攻撃し、住宅や幼稚園、農業施設などが被害を受けたという。

 キリレンコ氏はドネツク地域にとどまるのは危険だとして退避を呼び掛けた。

16:44(モスクワ10:44)
メドベージェフ前大統領、中国の習氏にプーチン氏の親書

 ロシアの国家安全保障会議副議長で、与党「統一ロシア」党首のメドベージェフ前大統領は21日、北京を訪問し、プーチン大統領の親書を習近平(シーチンピン)国家主席に渡した。タス通信が伝えた。プーチン氏は親書で、ロシアと中国の政治対話と実務協力が前例のない水準にあると評価。最近の中国共産党大会で選ばれた新指導部との緊密な協力により、政府間、政党間の関係が継続的に発展していくと確信している、と表明したとしている。

 メドベージェフ氏は習氏との会談で、国連や主要20カ国・地域(G20)など多国間の枠組みでの協調について述べ、ウクライナ危機を含む旧ソ連圏の状況について議論したとしている。

 ウクライナ侵攻による欧米との関係の悪化で、ロシアが戦略的な関係と位置づける中国の重要性は高まっている。ただ、侵攻の長期化や核兵器使用の可能性を示唆するプーチン氏の発言などに中国は懸念を深めているとされ、新年を前に、ロシア側は中国に対し、改めて自らの立場を説明したものとみられる。

 ただ、ロシアがウクライナ政府を「ネオナチ」などと批判する現在の主張を変えない限り、中国が姿勢を変えるのは難しいとみられる。

15:54(ロンドン06:54)
ロシア軍、激戦地のバフムートでやや前進か 英国防省分析

 ウクライナ東部ドネツク州の激戦地バフムートをめぐり、英国防省は21日、ロシア軍が同市の東端でやや前進したとする分析を公表した。

 英国防省によると、ロシア軍の歩兵は現在、バフムート東部の工業地域を足場にしているとみられる。しばしば住宅地にも進出しながら、市街戦を続けているようだという。

 英国防省は一方で、市街戦では高度に訓練された歩兵が必要になると指摘。ロシア軍には同国の民間軍事会社ワグネルの戦闘員や動員された兵士も加わっており、訓練が不十分な彼らにとって有利な状況とは考えにくいとも分析している。

15:01(キーウ08:01)
ゼレンスキー氏訪米をウクライナ側も発表

 ウクライナ大統領府は21日、ゼレンスキー大統領が米国への公式訪問に出発したと発表した。同日にバイデン大統領と会談するほか、議会の上下両院合同会議で演説するとしている。

 ウクライナ大統領府によると、ゼレンスキー大統領は、ウクライナ東部の激戦地バフムートへの訪問から戻った後に米国へ出発した。バイデン氏との会談では、両国の包括的協力やウクライナの防衛力などの強化、同国の主権に対する支援や領土一体性の回復について話し合うとしている。

13:39(ザポリージャ06:39)
ロシア軍、ザポリージャ州の町で住民の強制避難を準備か ウクライナ軍が見方

 ウクライナ軍参謀本部は21日に公表した戦況報告で、中南部ザポリージャ州のロシアが占拠する町ワシリウカなどで、ロシア軍が住民の強制避難に向けた準備を進めているとの見方を示した。周辺でウクライナ軍の活動が報じられていることを踏まえた動きの可能性がある。

 ワシリウカは、ロシア軍が占拠するザポリージャ州の拠点都市メリトポリの北約60キロにある。ウクライナ軍参謀本部によると、ロシア軍は今月12日からワシリウカや、その周辺地域の住民を強制的に避難させる準備を進めているという。

 ザポリージャ州の戦況をめぐっては、ウクライナ軍参謀本部が20日にもワシリウカなど3カ所を砲撃し、ロシア軍130人以上を負傷させたと発表している。

15:00(ワシントン01:00)
バイデン氏、20億ドルの追加軍事支援をゼレンスキー氏に直接伝達か

 米政府は21日、ウクライナのゼレンスキー大統領が同日、ワシントンを訪問すると発表した。ホワイトハウスでバイデン大統領と会談し、記者会見した後、米議会で演説する。ゼレンスキー氏にとっては今年2月にロシアの侵攻を受けて以来初めての国外訪問となり、支援への感謝と継続を訴える見通しだ。

 21日は、ロシアが2月24日にウクライナに侵攻して300日という節目。米政権高官によると、両首脳は会談で、戦場での戦略のほか、欧米による軍事支援や訓練、エネルギー分野を含む経済・人道的支援、ロシアへの制裁や輸出規制の強化などについて話し合う。

 バイデン氏は同日、地対空ミサイル「パトリオット」の提供を含む約20億ドル(約2640億円)の追加の軍事支援を表明する見通しで、ゼレンスキー氏には直接伝えることになりそうだ。

11:25(ワシントン20日21:25)
ゼレンスキー大統領、ワシントンへ出発 バイデン大統領と会談へ

 米CNNは20日、ウクライナのゼレンスキー大統領がワシントンへ向けて出発したと報じた。

 米政府は21日未明、ゼレンスキー氏が同日にワシントンを訪問すると発表。ホワイトハウスでバイデン大統領と会談し、米議会でも演説する予定という。

07:00(ワシントン20日17:00)
ゼレンスキー氏、米上下両院合同会議で演説の可能性も

 ウクライナのゼレンスキー大統領が21日に米ワシントンを訪問する計画があると、米メディアが20日報じた。ホワイトハウスでバイデン大統領と会談したり、連邦議会を訪れたりする計画があるという。

 訪問はまだ確定していないといい、実現すれば2月24日にロシアがウクライナに侵攻して以来、ゼレンスキー氏が国外に出るのは初めてとみられる。

 米政治専門紙ザ・ヒルなどによると、ペロシ下院議長は20日の書簡で「21日の夜、民主主義に焦点を当てた特別な場に立ち会う」よう議員らに促し、ワシントンに来るよう求めていたという。上下両院合同会議で演説する可能性も指摘されている。

02:13(モスクワ20日20:13)
プーチン氏、ウクライナ領内の総司令部を訪問

 ロシア政府系のロシア新聞は20日、プーチン大統領がウクライナ侵攻の作戦地域を訪問したことを、ペスコフ大統領報道官が認めたと伝えた。事実なら、侵攻後、プーチン氏がウクライナ領内に入るのは初めて。侵攻で苦戦が続く中、軍を陣頭指揮する姿勢をアピールする狙いがあるとみられる。

 ロシア大統領府は17日、プーチン氏が16日に侵攻に参加するロシア軍部隊の総司令部を訪問し、指揮官らと会合したと発表したが、総司令部の場所は公表していなかった。

 ロシア下院議員がSNSで、プーチン氏が侵攻の作戦地域を訪れたと投稿。その件に関するロシア新聞の質問に対し、ペスコフ氏は「もし彼(プーチン氏)が金曜日にいた司令部なら、そうだ」と答え、プーチン氏の訪問を認めたとしている。

 ロシア軍はウクライナ南部ヘルソンを奪還されるなど苦戦が続いている。だが、プーチン氏は苦戦に関する発言を避けており、ロシア国内の強硬派からも疑問視する声が出ている。

プーチン氏のナルシシズムに変調 「裸の王様」への序章なのか
00:10(キーウ20日17:10)
ウクライナ当局、贈り物爆発めぐり捜査開始

 ポーランドの警察当局幹部が、ウクライナ訪問時に受け取ったプレゼントが爆発して負傷した事件で、ウクライナの司法当局が捜査を開始した。ウクライナのイエニン内務副大臣が、国営通信社「ウクルインフォルム」の取材に答えた。

 イエニン氏は「刑事手続きが先日始まり、公判前調査の枠組みで、事情聴取を受けている人もいる」と明かした。ポーランド側とも連絡を取り、詳しい状況を調べているという。

 同通信によると、事件は14日に発生。首都ワルシャワの警察当局トップが、ウクライナの警察関係者から贈られたプレゼントが爆発し、入院した。贈られたのは「擲弾(てきだん)」と呼ばれる爆発物を発射する武器だったという。

■■■12月20日(日本時間)■■■20:30(モスクワ14:30)
プーチン氏、ウクライナ4州の親ロシア派トップに勲章

 ロシアのプーチン大統領は20日、9月に一方的に併合を宣言したウクライナ4州の親ロシア派トップに「祖国功労勲章」を授与した。4州の併合を正当化し、侵攻の成果だと訴える狙いがあるとみられる。

 東部のドネツク州のプシリン氏とルハンスク州のパセチニク氏が同勲章の「第1級」、中南部ザポリージャ州のバリツキー氏と南部ヘルソン州のサリド氏は「第3級」となった。ウクライナ侵攻に参加した将校や企業経営者、科学者らにも勲章が授与された。

 プーチン氏は式典で、「我が国は何度も困難に直面し、主権を維持してきた。いま再び同じような状況になり、(ロシアでウクライナ侵攻を指す)特別軍事作戦の最前線で、兵士や将校、義勇兵、志願兵が素晴らしい勇敢さと自己犠牲の例を示している」と述べ、祖国への献身を国民に訴えた。

19:57(キーウ12:57)
ゼレンスキー氏、激戦続く東部ドネツク州を電撃訪問

 ウクライナのゼレンスキー大統領が20日、ロシア軍と一進一退の激戦が続く東部ドネツク州バフムートを電撃訪問した。インタファクス・ウクライナ通信が伝えた。

 ウクライナ国防省のマリャル次官がテレビ放送で明らかにした。ゼレンスキー氏は兵士らと面会し、表彰したという。大統領府によると、ゼレンスキー氏はすでにバフムートを離れた。

16:15(ルハンスク09:15)
病院にロシア負傷兵あふれ、一般市民が利用できず

 ウクライナ東部ルハンスク州の病院がロシア軍の負傷兵であふれ、住民が十分な医療を受けられない状態だ、と州当局がSNSに投稿した。ウクライナ・プラウダが伝えた。

 投稿などによると、州内の3病院がロシア軍側に割り当てられたが、うち一つには千人以上が入院しており、一般市民は、ほかの医療機関に行くように言われているという。また、病院では医療スタッフや医薬品、ベッドやシーツも足りない状況だという。

 ウクライナ軍参謀本部は、ルハンスク州のスバトベやクレミンナ付近ではロシア軍との戦闘が続いていると報告しており、州当局は、病院に運び込まれる負傷者がさらに増える見込みだとしている。

16:10(ヘルソン09:10)
ウクライナ南部、集合住宅などが攻撃受け2人死亡


 ウクライナ南部ヘルソン州のヤヌシェビッチ知事は20日、ロシア軍の19日の州内への攻撃で民間人2人が死亡し、3人が負傷したとSNSに投稿した。インフラ施設、教育機関、集合住宅などが攻撃を受けたという。

15:49(ロンドン06:49)
プーチン氏、「特別軍事作戦」本部を訪問

 英国防省は20日、ロシアのプーチン大統領が16日にウクライナ侵攻の「特別軍事作戦」本部を訪れたことについての分析をSNSに投稿した。

 プーチン氏は本部で、ゲラシモフ参謀総長、ショイグ国防相、ウクライナ侵攻の指揮をとるスロビキン総司令官らと面会。今後の作戦などについて意見を求めた。

 英国防省は、ロシア側がこうした機会を公表するのは、ウクライナ侵攻の責任はプーチン氏一人にあるのではなく、「集団責任」であると示す狙いがあると指摘。プーチン氏の作戦上の失敗や、部分的動員に対する人々の不満などをそらすためのものだとの考えを示した。ゲラシモフ氏が解任されたといううわさがSNS上で広がっており、それを打ち消すためにこの機会を利用した可能性がある、との見方も示した。

13:00(キーウ06:00)
ウクライナ東部、ロシア軍の激しい攻撃続く

 ウクライナ軍参謀本部は20日朝の戦況報告で、ウクライナ東部ドネツク州のバフムートやアウディイウカ周辺で、ロシア軍の激しい攻撃が続いていると述べた。また、ロシア軍は、一度撤退したバフムートの北約50キロにあるリマン付近の奪還に向けた動きを見せているという。

 ロシア軍は北東部スーミ州、ハルキウ州、北部チェルニヒウ州、東部ルハンスク州でミサイル攻撃などを行い、民間インフラ施設が被害を受けたという。中南部ザポリージャ州、南部ヘルソン州では、ドニプロ川東岸に沿って軍拠点などの攻撃を続けている。ウクライナ軍は、ルハンスク州、ドネツク州でロシア軍の攻撃を撃退した。ロシア軍の弾薬庫や対空ミサイルシステム、ヘリコプターなどを攻撃したという。

 また、ウクライナ軍はヘルソン州中部の幹線道路沿いにあるロシア軍常駐拠点を攻撃したと発表した。負傷者数などは不明という。

04:30(ワシントン19日14:30)
ベラルーシのロシア支援「注意深く見守る」 米国務省報道官

 米国務省のプライス報道官は19日の記者会見で、ベラルーシがロシアのウクライナ侵攻に追加の支援をしないかどうかを「注意深く見守る」と語った。

 ロシアのプーチン大統領がベラルーシでルカシェンコ大統領と会談したことについて問われ、答えた。

 プーチン氏が会談で、他国を併合する気はないと話したとされることについては、「平和な隣国を今まさに暴力的に吸収しようとしている指導者の口から出た皮肉の極み」だとした。

02:00(オタワ19日12:00)
ロシアの富豪アブラモビッチ氏の資産を押収へ

 カナダのジョリー外相は19日、ロシアの富豪、ロマン・アブラモビッチ氏が保有する会社から、2600万米ドル(約36億円)を差し押さえ、押収するための手続きを始めると明らかにした。法改正により、経済制裁の対象者の資産を押収することが可能になったためで、初めて実施される。押収した資産はウクライナの再建や、ロシアによる侵攻の被害者への賠償に充てられる。

 アブラモビッチ氏はロシアのプーチン大統領と近いとされ、新興財閥(オリガルヒ)の一人。英国の人気サッカーチーム・チェルシーの元オーナーとしても知られる。ロシアによるウクライナ侵攻を受け、カナダは今年3月、経済制裁の対象とした。

 ジョリー氏は19日の声明で「戦争が始まった時から、プーチンと、彼の行動を可能にした人たちに、行動の結果から逃れられないと警告してきた」と述べた。今後、裁判所に対して差し押さえ、押収の申し立てを検討する。このような措置が試みられるのは、G7加盟国で初めてという。

03:00(ミンスク19日21:00)
プーチン大統領がベラルーシ訪問 ウクライナは軍事関与を警戒

 ロシアのプーチン大統領は19日、同盟国のベラルーシを訪問してルカシェンコ大統領と会談し、共同記者会見を行った。プーチン氏のベラルーシ訪問は2019年以来。

 ロイター通信などによると、プーチン氏は会見で「敵はロシアとベラルーシの統合を阻止したがっている」と強調しながら、「誰も吸収する気はない」とした。ルカシェンコ氏は「我々だけではベラルーシの独立は守れない」と述べた。

 ロシアの侵攻を受けるウクライナ側からは、隣国のベラルーシが軍事関与を強めることへの警戒感が出ている。ただ、会見では侵攻をめぐる具体的な発言はなかった。

00:15(ニューヨーク19日10:15)
「しばらく軍事対立続く」 停戦協議に悲観的見通し 国連事務総長

 国連のグテーレス事務総長は19日、ロシアとウクライナが停戦協議に応じる可能性について、「当面の間は、効果的な和平交渉ができると楽観することはできない。しばらくは軍事的な対立が続くと思う」と述べた。

 米ニューヨークの国連本部で開いた1年を総括する記者会見で説明した。今後は停戦が訪れる時を待ちながら、ウクライナからの食料輸出や捕虜交換など、国連ができることに注力していく考えを示した。

 ロシアがイラン製ドローンをウクライナ攻撃に使ったとされる件で、国連が調査に乗り出す可能性を問われると「すべての側面を検討している」と言葉を濁した。ドローン使用の調査は国連安全保障理事会で英仏など西洋諸国が要求しているが、ロシアは国連の役割ではないと反対している。

■■■12月19日(日本時間)■■■20:41(キーウ19日13:41)
南ウクライナ原発上空に自爆型ドローン

 ウクライナの国営原子力企業「エネルゴアトム」は19日、同国南部ミコライウ州の南ウクライナ原発の敷地上空に、ロシア軍の自爆型攻撃ドローン(無人航空機)が飛来したことを明らかにした。同社はドローンが原子力施設近くを通過したとして「原子力の安全上まったく受け入れられない」とロシア軍を強く非難した。

 ドローンの飛来が確認されたのは同日午前0時46分という。ウクルエネルゴは国際原子力機関(IAEA)やその加盟国に対し、「各施設が攻撃兵器の危険にさらされることが許されてはならない」と訴えた。

19:08(キーウ19日12:08)
キーウ近郊で撃墜されたドローンで住宅被害、3人負傷

 ウクライナの首都近郊のキーウ州当局は19日、ロシア軍による同日未明のドローン(無人航空機)攻撃で州内の2地域で9軒の住宅が被害を受け、住民3人が負傷したと明らかにした。

 現場からは撃墜された3機のドローンの破片が発見されたという。上空で撃墜されたドローンの残骸が住宅を直撃したとみられる。

18:01(キーウ11:01)
緊急停電からの電力復旧「一般消費者は時間要する可能性」

 ウクライナ全土の送電を担う国営企業「ウクルエネルゴ」は19日、ロシア軍による電力施設を狙った同日未明のドローン(無人航空機)攻撃を受け、首都キーウを含む中・東部の11州で計画外の緊急停電が実施されたと明らかにした。

 同社はSNSに、ウクライナ空軍による撃墜によって「敵は完全には目的を達成できなかった」とする一方、インフラ施設の被害を認め、戦闘が続く東部や南部では電力施設が砲撃による被害も受けていると強調した。

 ウクライナは、16日には全土一斉のミサイル攻撃を受けたばかり。今後の復旧活動について同社は「重要施設が優先されるため、一般消費者への電力供給の再開は時間を要するかもしれない」としている。

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15:57(モスクワ09:57)
ロシアと中国が東シナ海で合同軍事演習へ

 ロシア国防省は19日、ロシア海軍と中国海軍が21~27日に東シナ海で合同軍事演習を行うと発表した。「ロシアと中国の海軍の協力を強化し、アジア太平洋地域の平和と安定を維持することが目的だ」としている。

 ロシア太平洋艦隊の巡洋艦やフリゲート艦などが参加し、中国は駆逐艦や潜水艦を派遣する。両海軍の航空機やヘリコプターも参加するとしている。

 ロシアのウクライナ侵攻が進むなか、中ロは11月、日本海と東シナ海で戦略爆撃機による共同パトロールを実施するなど、軍事面の協力を活発化させている。

13:54(キーウ19日6:54)
「イラン製ドローン30機を撃墜」ウクライナ空軍発表

 ウクライナ空軍は19日、前夜から同日未明にかけて上空でウクライナ各地を攻撃する自爆型のイラン製ドローン(無人航空機)「シャヘド136/131」35機前後を確認し、うち30機を撃墜したと発表した。

 いずれも、ロシアの領土とロシア軍占領地に囲まれたウクライナ南部のアゾフ海東岸から発射されたという。

13:54(キーウ6:54)
ウクライナ中部攻撃のドローン、イラン製か

 ウクライナの中部各地で19日未明、ロシア軍によるとみられるドローン(無人機)攻撃が相次いだ。首都キーウ市の当局によると、同市内では午前6時半までの間に20機のドローンが撃墜されたが、一部が重要施設に着弾したという。

 ウクライナのニュースメディア「ウクライナ・プラウダ」によると、攻撃を受けたのはキーウとその近郊のキーウ州のほか、ビンニツァ州、チェルカーシ州、キロボフラド州など。ウクライナでは16日にも、全土で電力施設などに対するミサイル攻撃があったばかりだった。19日の攻撃には、主にイラン製のドローン「シャヘド」が使われたとみられている。

 キーウ市内への攻撃は数時間の間に何度かにわけて行われた模様だ。午前5時前には、市当局がいったん「市内でドローン9機が撃退された」とSNSで発表したが、その後も上空で爆発音が響き、空襲警報は3時間以上続いた。クリチコ市長は午前7時前、SNSに「現段階では死傷者はいない。現場で救急隊員らが作業を続けている」と投稿した。

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05:00(モスクワ18日23:00)
「敵国ではない」アルゼンチンのW杯優勝を祝福 プーチン大統領

 ロシアのプーチン大統領は18日、サッカーW杯カタール大会で優勝したアルゼンチンのフェルナンデス大統領に電話した。ロシア大統領府によると、「温かく祝った」という。

 アルゼンチンについては、準決勝進出の4カ国が決まったとき、前大統領であるメドベージェフ国家安全保障会議副議長がSNSで「敵国」でないとして、モロッコと並んで決勝進出を期待する投稿をSNSにしていた。ウクライナ侵攻を強く批判するフランスとクロアチアについては、ロシアは「非友好国」に指定している。

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■■■12月18日(日本時間)■■■21:54(メリトポリ18日14:54)
メリトポリ占拠のロシア軍、市街戦を準備か 市長が投稿

 ウクライナ中南部ザポリージャ州メリトポリ市のフェドロフ市長は18日、同市を占拠するロシア軍が市内中心部にコンクリート製の障害物を置き、ウクライナ軍との市街戦に備えているとSNSに投稿した。

 フェドロフ氏によると、「竜の歯」と呼ばれる三角錐(すい)状のコンクリートでできた障害物が、市の中心部や住宅街に置かれているという。フェドロフ氏は、ウクライナ軍がこれまでに奪還した都市の事例から、こうした障害物は防衛戦の役に立たないと指摘。「むしろ、(ロシアの)占領者たちが逃げ出すのに邪魔になる」と指摘している。

 メリトポリ市は人口約15万人の大都市。ロシア軍がウクライナに侵攻した直後の2月末に制圧したが、最近では周辺でウクライナ軍の動きが伝えられている。

 フェドロフ氏は今月2日、ザポリージャ州内で過去5日間に、計約1200人のロシア兵が死傷したとSNSに投稿。同10日にはメリトポリのロシア軍基地が攻撃され、約200人のロシア兵が「焼かれた」とSNSに書き込んでいる。

写真・図版
ウクライナ中南部ザポリージャ州メリトポリのフェドロフ市長が18日、ロシア軍が市街戦に備えて設置したコンクリート製の障害物(右下)だとしてSNSに投稿した写真=フェドロフ氏のテレグラムから

15:02(ロンドン06:02)
ロシア国防省、兵士鼓舞のため「慰問団」

 英国防省は18日に公表したウクライナの戦況分析で、ロシア国防省が前線の兵士を鼓舞するため、オペラ歌手やサーカス団員らによる「慰問団」を設けると発表したことを紹介した。ただ、兵士の心配事は高い死傷率や装備不足であり、慰問団ではこれらを解決できないとも指摘している。

 ロシア経済紙RBCによると、慰問団の正式名称は「前線創造旅団」。二つの旅団がつくられたといい、メンバーは音楽家や演劇俳優、オペラ劇場の関係者、サーカス団員ら。プーチン大統領が発令した部分的動員で軍隊に入っていた人や、自発的に同旅団に入った人から成るという。

 任務は兵士の心理的なサポートを担うことだといい、ロシア国防省はこうした旅団の設立について、現代のロシアで初めての取り組みだとしている。

 ただ、インターネット上には、「音楽は、彼ら(兵士)が約束通りのお金をもらえていないことなどを解決できない」「プーチン氏自らが前線に行って歌うべきだ」との書き込みもある。 11:00(モスクワ05:00)
ロシア国防相がウクライナ前線を視察 ロシア国防省

 ロシア国防省は18日、ショイグ国防相が、(ロシアでウクライナ侵攻を意味する)特別軍事作戦の前線を視察したと発表した。公開された動画では、ヘリコプターに乗り込み、機内で説明を受けながら地上を見る様子が映っている。

 国防省によると、ショイグ氏は前線のロシア兵と話し、任務遂行に感謝を述べた。司令部で指揮官から作戦の状況について報告を受けたほか、医療や物資の供給など後方支援についても言及したとしている。

 ウクライナ侵攻の部隊視察については、ロシア大統領府もプーチン大統領が16日に総司令部を訪問し、作戦の状況と見通しについて指揮官から話を聞いたと発表していた。両氏の訪問の背景には、侵攻で苦戦が続くなか、作戦の陣頭指揮をとる姿勢を国民にアピールする狙いがあるとみられる。

写真・図版
ウクライナ侵攻の前線を上空から視察しているとされるロシアのショイグ国防相=ロシア国防省提供

01:45(キーウ17日18:45)
ゼレンスキー大統領「600万人への電力供給再開」

 ウクライナのゼレンスキー大統領は17日のビデオ演説で、前日のロシア軍によるインフラへの攻撃により広範囲で途絶えていた電力供給について、600万人への供給を再開させたと述べた。一方、依然として水の供給再開に「大きな問題」が残っているとした。

 ゼレンスキー氏は「(供給)システムを安定させるには、たくさんの仕事が残っている」と強調。最も困難な状況に直面している地域として、首都キーウ(キエフ)や西部リビウなどをあげた。

00:40(キーウ17日17:40)
捕虜になる手順「ロシアの120万人超から問い合わせ」 ウクライナ国防省発表

 ウクライナ国防省の軍情報総局広報官は17日、降伏して安全にウクライナ軍の捕虜となる手順を電話やチャットで説明する同国のプロジェクトを利用したロシア軍兵士や親族らが120万人を超えたと述べた。テレビ番組での発言をウクライナのニュースメディア「ウクライナ・プラウダ」が伝えた。

 「生きたい」と名付けられたこのプロジェクトでは、連絡を取ってきた人に対し、個別に具体的な降伏方法を説明する。

 広報官によると、今のところ多いのは、捕虜についての直接的な申し入れよりも、「プーチン(ロシア大統領)の血にまみれた不公正な戦争の中、命を保つ可能性があるかどうかを確かめる」内容で、兵士本人や親族からの問い合わせだという。ロシアが9月に始めた「部分的動員」で招集された兵士が、ロシア国内から連絡を取ってくるケースが目立つとしている。

 ロシア国内ではプロジェクトのサイトへのアクセスは遮断されている。

■■■12月17日(日本時間)■■■13:47(キーウ17日06:47)
ロシア軍、ドニプロ川東岸の一部で撤退の動きか

 ウクライナ軍参謀本部は17日に発表した戦況報告で、南部ヘルソン州のドニプロ川東岸にある二つの町から、ロシア軍が撤退しつつあるとの見方を示した。米シンクタンクの戦争研究所(ISW)は、ロシア軍が現地で一部の部隊を退かせる代わりに、後方の陣地を強化している可能性があると指摘している。

 ウクライナ軍参謀本部によると、州都ヘルソンから東に約60キロ離れたノバカホウカと、その東側にあるカホウカから、ロシア軍部隊が撤退しつつあるという。カホウカについては、ロシア軍が地元住民に対し、「年内に撤退する」と伝達。ロシア軍に忠誠を誓っている住民に対しては、ロシアの占領下にある南部クリミア半島に退避するよう勧めているという。

 ウクライナ軍は13日にも、東岸にある別の二つの町から、ロシア軍が撤退したと発表。ISWはこれについて、ロシア軍が州内のより後方にある地域で、守りを固めようとする動きの一環だと見立てている。

14:40(クリビーリフ17日07:40)
1歳半の幼児、遺体で収容 16日のミサイル攻撃

 ウクライナ中部ドニプロペトロウスク州のレズニチェンコ知事は17日、ロシア軍による前日のミサイル攻撃で破壊された住宅ビルから1歳半の幼児の遺体が収容されたとSNSに投稿した。レズニチェンコ氏は16日、クリビーリフ市内で64歳の女性と若い夫婦の3人が死亡し、夫婦の幼い息子ががれきの中に取り残されたとしていた。

 16日のミサイル攻撃によるクリビーリフ市内の死者は計4人になった。負傷者は13人で、うち4人は子供という。

11:00(モスクワ17日05:00)
プーチン氏、ウクライナ侵攻の総司令部を訪問

 ロシア大統領府は17日、プーチン大統領が前日、ウクライナ侵攻に参加する部隊の総司令部を訪問したと発表した。ウクライナでの苦戦が続くなか、最高司令官として指揮する姿勢を示す狙いがあるとみられる。ただ、9月末に一方的に併合を宣言したウクライナ4州を訪問したのかは明らかにしていない。

 公開された映像では、プーチン氏は、スロビキン総司令官らとの会議に参加。「各方面の司令官の話を聞き、短中期の作戦の提案を聞きたい」と話した。

08:00(ワシントン16日18:00)
プーチン氏のベラルーシ訪問は「情報戦」 米シンクタンク分析

 米シンクタンク「戦争研究所」(ISW)は16日の戦況分析で、19日に予定されているロシアのプーチン大統領のベラルーシ訪問と、ルカシェンコ大統領との会談について取り上げた。ロシアのウクライナ侵攻では、ベラルーシがどの程度ロシアに協力するかに注目が集まっているが、ISWは、ベラルーシが参戦する可能性は低く、今回の会談も情報戦の一種だとの見方を示した。

 会談では、両国が進めている政治、経済、軍事などの統合が議題になるほか、ロシアのウクライナ侵攻については、プーチン氏がルカシェンコ氏に対し、さらなる協力をもとめて圧力を強めるとみられる。

 ISWは、ルカシェンコ氏がこれまでも参戦に否定的な姿勢を崩していないことから、プーチン氏との直接会談を行っても、ベラルーシ領からのウクライナ侵攻の可能性は低いと推測。ロシア軍の打撃力がない状態でベラルーシ軍がウクライナに攻め込むことは極めて考えにくいとしている。

 また、この会談自体が、ロシアがベラルーシ側からウクライナを攻撃する可能性があることを示唆する「情報戦」との見方を示した。

 ロシア軍は16日、ウクライナ全土に大規模なミサイル攻撃を行ったが、ISWはこうした攻撃もウクライナ国内の社会的な不満をかき立てる狙いがあると分析した。

03:10(デラウェア16日13:10)
ウクライナへの高性能迎撃ミサイル提供「もうすぐ」 バイデン米大統領

 米国のバイデン大統領は16日午後、訪問先のデラウェア州で同行記者団にウクライナへの防空支援について問われ、「もうすぐ皆さんの耳に入るだろう」と答えた。米政権は高性能の地対空ミサイル「パトリオット」を近くウクライナに提供する方向で調整しており、民間インフラを標的にしたロシアの攻撃への有効な防衛手段として期待されている。

 またこの日午前に電話会見した米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報担当調整官は、ロシアによるウクライナ攻撃に言及し、「冬をより困難にしてウクライナの人々の心に恐怖をもたらそうとするものだ」と批判した。

03:01(キーウ16日20:01)
ミサイル攻撃で3人死亡、子ども含む10人以上負傷 ウクライナ中部

 ウクライナのゼレンスキー大統領は16日夜のビデオ演説で、中部ドニプロペトロウスク州の都市クリビリフで、ロシア軍のミサイルが住宅ビルなどに命中し、少なくとも3人が死亡、子どもを含む10人以上が負傷したことを明らかにした。

 ゼレンスキー氏は、ロシア軍が発射したミサイルのうち、ウクライナ空軍が60発を迎撃したと指摘。そのうち40発以上が首都キーウと中部の上空で破壊されたと語った。

 一方、この攻撃によってキーウと14州で停電と断水が発生しているとした。

02:12(キーウ16日19:12)
ミサイル攻撃は「野蛮なテロ」と非難 EUのボレル外交安全保障上級代表

 ロシア軍によるウクライナ各地への大規模なミサイル攻撃について、欧州連合(EU)の外相にあたるボレル外交安全保障上級代表は16日発表の声明で、「野蛮なテロであり、戦争犯罪だ」と厳しく非難した。

 ボレル氏は「ウクライナの人々の人命だけでなく、病院や電力、水道などのサービスを奪うのが目的だ」と指摘。新たな無差別テロと強調したうえで、「すべての責任者は裁かれる」と述べた。

 EUはこの日、新たな対ロシア追加制裁を正式に公表。ロシア軍の関係者ら約200の個人・団体を制裁対象に加え、鉱業への投資などを禁じた。

00:44(キーウ16日17:44)
冬乗り切るには1万7000台の大型発電設備必要 ウクライナ首相

 ロシア軍による電力設備へのミサイル攻撃で電力不足に苦しむウクライナのシュミハリ首相は、16日の政府会合で、「冬季を越すためには約1万7千台の大型・産業発電設備が必要になる」との見通しを示した。インタファクス・ウクライナ通信が伝えた。

 首相によると、ウクライナはこれまで50万台の低電力発電機を輸入しているが、厳しい冬を乗り切るためには不足しているという。「パートナー諸国のさらなる支援でカバーできると期待する」と語った。

 ロシア軍による16日の大規模なミサイル攻撃で、9カ所ほどの発電施設が被害を受けた。大統領府によると、首都キーウを含むウクライナ全土で緊急停電が実施された。

■■■12月16日(日本時間)■■■19:40(ニューデリー16:10)
インドとロシアの首脳が電話会談

 インドのモディ首相が16日、ロシアのプーチン大統領と電話で会談した。インド首相府が発表した。インドが今月から議長国を務める、主要20カ国・地域(G20)による会合での協力を求めたほか、ウクライナでの戦争については対話と外交の重要性を強調した。二国間のエネルギーや貿易・投資、安全保障分野での協力も協議したという。

 インドの地元メディアによると、両首脳はどちらかの国で毎年のように対面の首脳会談を実施してきたが、今年は見送られる。両者は9月、上海協力機構の首脳会議にあわせ、ウズベキスタンでは会談をしていた。

17:36(ドニプロ16日10:36)
ドニプロペトロウスク州にミサイル攻撃

 ウクライナ中部ドニプロペトロウスク州のレズニチェンコ知事は16日、ミサイル攻撃によりクリビーリフで住宅が破壊され、2人が死亡、少なくとも5人が負傷したとSNSに投稿した。負傷者には子ども2人が含まれるという。

16:48(キーウ09:48)
ウクライナ東部と南部でエネルギー施設攻撃か

 ウクライナのハルシチェンコ・エネルギー相は16日、東部と南部のエネルギー施設がミサイル攻撃の被害を受けた、とSNSに投稿した。発電が滞る可能性があり、緊急停電が発生していると伝えた。

16:48(キーウ09:48)
ウクライナ各地で爆発相次ぐ

 ウクライナ各地の知事らが16日朝、爆音がするなどとSNSに相次いで投稿した。

 首都周辺のキーウ州のクレバ知事は、防空システムが作動したと投稿。首都キーウのクリチコ市長は、2カ所で爆発があったと伝えた。

 北東部ハルキウ市のテレホウ市長も、2日連続して爆発音がしたと投稿した。ハルキウ州のシネフボウ知事は、インフラ施設が攻撃を受けたと投稿。死傷者はないが、停電の可能性があると伝えた。

 南部クリビーリフでは、住宅が破壊され、ティモシェンコ大統領府副長官は「がれきの下に人がいる可能性がある」と投稿した。

14:59(ドネツク07:59)
ウクライナ東部ドネツク州で7人死亡

 ウクライナ東部ドネツク州のキリレンコ知事は16日、この1日でロシア軍による砲撃により民間人7人が死亡、7人が負傷したとSNSに投稿した。

13:00(キーウ06:00)
ウクライナ東部を中心に戦闘続く

 ウクライナ軍参謀本部は16日の戦況報告で、ウクライナ東部ルハンスク州とドネツク州で、ロシア軍との戦闘が続いていると発表した。北東部ハルキウ州、中南部ザポリージャ州などでも砲撃を受け、民間人の死者も出ているという。

 ウクライナ軍はロシア軍が集中している拠点に22回、対空ミサイルシステムに3回攻撃し、無人機2機を撃墜したという。

09:30(ワシントン15日19:30)
冬場にキーウ攻撃の可能性 米シンクタンク分析

 米シンクタンク「戦争研究所」(ISW)は15日の戦況分析で、ロシア軍がこの冬、ウクライナの首都キーウに向けた新たな攻撃を準備している可能性があるとの見方を示した。

 ISWは、ロシア軍が進めている重要インフラ施設を標的にした攻撃と、ウクライナ東部ドネツク州の完全掌握を目指すという二つの作戦は、ウクライナを疲弊させ、ロシア側に有利な条件で停戦交渉に入るためのものだと分析した。一方で、ウクライナ軍の粘り強い反撃でロシア軍は苦戦していることから、さらにもう一つの攻撃を準備している可能性があるという。

 冬季は地面が凍結して移動が容易になるうえ、ロシアのプーチン大統領が命じた「部分的動員」で訓練中の兵士が前線に配属される時期とも重なる。ISWはこうした状況も踏まえ、ロシア軍の新たな作戦がある可能性が高いとみている。

05:10(ワシントン15日15:10)
「ウクライナへの軍事支援、ロシアに左右されない」 米防総省

 米国防総省のライダー報道官は15日の記者会見で、ロシアが、米国がウクライナにミサイル防衛システム「パトリオット」を提供するのは「挑発的だ」などと警告していることについて、「ウクライナへの我々の軍事支援がロシアのコメントに左右されることはない」と述べた。

 米国政府はパトリオットについて、公式には認めていないものの、近くウクライナに提供する方向で検討している。パトリオットは、弾道ミサイルや巡航ミサイル、無人機(ドローン)を迎撃できる高性能な長距離兵器で、ロシアによるウクライナの民間インフラ攻撃への対抗手段として期待されている。

 ライダー氏は「隣国を残酷に攻撃し、意図的に罪のない民間人を殺害し、民間インフラを破壊するキャンペーンを通じて、違法でいわれのない侵略を行った国の関係者が、命を救い民間人を守るための防衛システムについて挑発的だと言うのは皮肉で非常に示唆に富む」と述べた。

05:00(ワシントン15日15:00)
米国、ウクライナ軍の訓練を来月から拡大へ

 米国防総省のライダー報道官は15日の記者会見で、ウクライナ軍に対する米国の訓練を拡大すると明らかにした。来年1月から毎月約500人のウクライナ兵を対象に、米陸軍の訓練司令部がドイツで訓練を実施するという。

 これまで米国は主に、前線から遠く離れたロシアの弾薬倉庫や司令拠点を高い精度で狙える高機動ロケット砲システム「HIMARS(ハイマース)」など、米国が提供する特定の装備を導入するための訓練に力を入れてきた。今後は、攻勢を続けるウクライナ軍が効果的に動けるように、より高度な集団訓練を提供するという。

 ライダー氏は「実弾演習から分隊、小隊、中隊レベルの訓練へと続き、大隊レベルの機動訓練で終わる」と述べた。

03:32(バチカン15日19:32)
バチカンがロシア側に謝罪 ローマ教皇の発言めぐり

 ローマ教皇庁(バチカン)のマテオ・ブルーニ報道官は15日、ロシアのウクライナ侵攻をめぐり、「ロシアの少数民族が残忍な行為をしている」と主張したフランシスコ教皇の発言について、ロシア側に謝罪したことを事実上認めた。仏紙ルモンドなどが伝えた。

 AFP通信によると、フランシスコ教皇は11月下旬、カトリック系英字誌「アメリカ」のインタビューで、「一般的に最も残忍なのは、恐らくロシアの伝統に属さないロシア人、例えばチェチェン民族やブリヤート民族などだろう」などと語っていた。

 ロシアで主流の宗教はキリスト教のロシア正教会で、チェチェン民族は主にイスラム教、ブリヤート民族は仏教を信仰しているとされる。教皇の発言にロシアでは反発が広がっていた。

 ロシア外務省の報道官は15日、バチカン側から謝罪があったと発言。バチカンのブルーニ報道官も「この件に関して外交的な接触があった」と述べた。

ローマ教皇、ロシア軍の少数民族「最も残忍」 ロシア「歪曲」と反発
02:25(ブリュッセル15日18:25)
180億ユーロのウクライナ支援に合意 欧州理事会

 欧州連合(EU)の首脳会議は15日、ロシアによる侵攻の長期化で財政が悪化するウクライナに対し、2023年に180億ユーロ(約2兆6千億円)の財政支援を実施することで合意した。AFP通信などが伝えた。

 この日ブリュッセルで開かれた首脳会議で、ウクライナのゼレンスキー大統領がオンラインで演説し、さらなる支援強化を要請した。今回の財政支援には、ハンガリーなど一部の国がEU内の問題で一時反対を表明していたが、最終的に首脳会議で合意に至った。

00:51(ワルシャワ15日16:51)
ウクライナからの「贈り物」爆発、ポーランド警察トップが負傷

 ポーランド内務省は15日、首都ワルシャワの警察本部で、警察当局トップのシムチク氏がウクライナ訪問の際に受け取ったプレゼントが爆発したと明らかにした。シムチク氏は軽傷を負い、入院しているという。ロイター通信などが伝えた。

 シムチク氏は11~12日にかけてウクライナを訪れ、現地の警察トップらと会談した。爆発したプレゼントは、その際に贈られたものだったという。

 ポーランド内務省は、爆発が14日に起きたと説明しているが、具体的なプレゼントの中身は明らかにしていない。

 ポーランドはウクライナに対して、説明を求めているという。

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ウクライナ側からの贈り物が爆発したワルシャワのポーランド警察本部=ロイター

00:00(ブリュッセル15日16:00)
90年前のウクライナ大飢饉、ジェノサイド認定 欧州議会決議

 欧州連合(EU)の欧州議会は15日、旧ソ連時代の1932~33年にウクライナで起きた大飢饉(ききん)「ホロドモール」について、ソ連が意図的に引き起こした「ジェノサイド(集団殺害)」だったと認定し、全ての国々や組織にそう認めるよう呼びかける決議を賛成多数で採択した。

 決議では、ホロドモールから90年後の今年、ロシアがウクライナを侵略している現状を憂慮し、「ロシアの破壊行為が世界的な食糧危機を引き起こしている」と非難した。

 ソ連は当時、「欧州のパンかご」と呼ばれたウクライナで極端な農業集団化を強行した。その結果引き起こされた食糧不足により、約390万人の犠牲者を出したとされる。

 ウクライナ政府も、当時のソ連の指導者スターリンがウクライナを抑え込むため意図的に進めた集団殺害だと主張している。

■■■12月15日(日本時間)■■■21:00(ロンドン12:00)
「ロシアは再びキーウを狙う」 ウクライナ軍総司令官

 ウクライナ軍のザルジニー総司令官は15日に英誌エコノミストのサイトで公開されたインタビューで、ロシア軍が来年1月末から3月にかけて新戦力で大規模な攻勢をかけるとの見方を示した。ザルジニー氏はロシア軍が20万人程度の部隊を準備しているとし、攻撃が「ドンバス(ウクライナ東部)だけでなく、キーウ方面かベラルーシ方面、あるいは南部から始まるかもしれない」と述べた。

 ザルジニー氏は根拠として、現在ロシア軍が民間施設や市民を標的にした攻撃を続けるのは「東部や南部での戦略が困難に直面しているからだ」とし、「彼らは小休止し、新たな力を蓄えようとしている」と指摘。「現在の攻撃はその間に我々が軍を再編することを許さないためだ」と述べた。

 ザルジニー氏はロシアのプーチン政権が9月に始めた新たな予備役兵の動員について「機能している」とし、「我々の推測ではロシアの予備役は120万~150万人にのぼる。彼らが再度キーウ制圧を狙うことは疑いない」とも語った。

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キーウで2022年12月7日、通りを除雪する市の作業員=ロイター

18:08(モスクワ12:08)
激戦の東部要所「本当の修羅場に」 親ロシア派幹部

 ウクライナ東部ドネツク州内のロシア軍占領地で「ドネツク人民共和国臨時首長」を名乗る親ロシア派幹部のプシリン氏は、15日、激戦が続く州内の交通の要所バフムートをめぐって「包囲戦もあり得る」との見方を示した。ロシア国営テレビに語った。

 ロシア軍は、現在ウクライナ軍の支配下にあるバフムートを激しく攻撃している。プシリン氏はロシアの民間軍事会社「ワグネル」の戦闘員らが周辺の集落を押さえつつあるとし、「敵は必死になって命もかえりみない。本当の修羅場になる」と述べた。

 プシリン氏は周辺を完全に制圧すれば、ウクライナ軍への食料などの補給路を断てるとの考えを示した。ロシア側はバフムートをソ連時代の名称で「アルチェモルスク」と呼んでいる。

18:08(ヘルソン15日11:08)
ヘルソン市中心部に砲撃か、2人死亡の情報

 ウクライナのティモシェンコ大統領府副長官は15日、ヘルソン州の州都ヘルソン市に再び攻撃があったとSNSに投稿した。同市中心部で州政府庁舎がある広場からわずか100メートルの場所に着弾し、住民2人が死亡したとの情報があるという。

 ロシア軍はドニプロ川西岸にあるヘルソン市を3月から占拠し続けたが、ウクライナ軍の反転攻勢を受けて11月に東岸へ撤退。以来、幅約1キロの川を挟んだ対岸から同市や周辺地域に頻繁に砲撃を浴びせるようになった。

18:02(モスクワ15日12:02)
キルギス議長、議会報告でのロシア語の使用禁止求める

 ロシアの同盟国であるキルギスのシャキエフ議会議長は15日、同国の天然資源相の議会への報告を、ロシア語でなくキルギス語で行うよう求めた。ロシア国営タス通信が伝えた。天然資源相は要求に従い、キルギス語で報告したという。キルギスではロシアのウクライナ侵攻後、隣国タジキスタンの紛争などをめぐり、ロシアへの不満が高まっている。

 シャキエフ氏は報告が公用語(ロシア語)で用意されていると指摘し、「誰にでもルールがある。(国語である)キルギス語で話すことだ」と話した。シャキエフ氏は11月末、ロシア語の地区名をキルギス語に改名するようにも求めていた。

 キルギスはロシアと軍事的にも経済的にも同盟国だが、タジキスタンとの紛争でロシアが支援しないことに国内で不満が高まっており、10月には自国内で行われる予定だった同盟国の演習を突然中止した。

17:31(ヘルソン15日10:41)
ヘルソン州砲撃で死者3人に 知事「86発の弾が撃ち込まれた」

 ウクライナ南部ヘルソン州のヤヌシェビッチ知事は15日、前日のロシア軍の砲撃による死者が8歳の男児を含め計3人にのぼり、ほかに13人がけがをしたとSNSに投稿した。多連装砲や戦車、榴弾(りゅうだん)砲を使って86発の弾が撃ち込まれたとしている。

 州都ヘルソン市では、造船工場、教育施設、倉庫などが被弾したという。

05:27(クルスク14日23:27)
ロシア・クルスク州で爆発音、軍事施設に攻撃?

 ウクライナ国境に接するロシア西南部クルスク州のスタロボイト知事は14日夜、同州上空で「防空システムが作動した」とSNSに投稿、同州がミサイルやドローン(無人航空機)などの攻撃を受けたことを示唆した。死傷者や建物などの破壊はなかったという。

 スタロボイト氏の投稿の直後、ウクライナのゲラシチェンコ内相顧問は同州の州都クルスク市内とされる住宅地で閃光(せんこう)が上がり、遅れて爆発音が響く映像を投稿。「正体不明のドローンがクルスクの軍事施設を攻撃した」とした。

 ウクライナ側は同日朝、首都キーウ中心部がイラン製ドローン「シャヘド」によるロシア軍の攻撃を受け、飛来した13機のすべてを撃墜したとしていた。ゲラシチェンコ氏は「キーウにシャヘドが飛んで来る度にロシアに飛来物があるだろう」とも記した。

05:21(キーウ14日22:21)
ダチョウ飼っていた元大統領の全財産、国庫へ

 ウクライナの反汚職高等裁判所は14日、親ロシア路線をとり、2014年の政変でロシアに逃亡したビクトル・ヤヌコビッチ元大統領の全財産を接収し、国有財産とする決定を下した。ウクライナメディアのウニアン通信などが伝えた。

 接収された財産には、首都キーウ(キエフ)郊外の豪邸が含まれる。複雑な経緯で政府からヤヌコビッチ氏個人に所有権が移り、政権の腐敗の象徴とされた邸宅だ。

 東京ドームの30倍以上となる150ヘクタール超の敷地を持ち、古代ローマ帝国の遺跡を模したコテージなど豪華な施設を備えている。ヤヌコビッチ氏の趣味にあわせ、敷地内でイノシシやダチョウも飼育されていたが、同氏の逃亡後に市民に公開されて話題となった。

 一連の汚職捜査を経て、法務省がその後に設立された腐敗案件専門の裁判所に接収を申し立てていた。

 ヤヌコビッチ政権は、14年2月に市民の抗議デモの広がりを受けて崩壊。新たに発足した親欧米路線の臨時政府にロシアのプーチン政権が反発し、南部クリミア半島に軍を送って一方的に併合を宣言する「ウクライナ危機」の始まりとなった。

03:08(ヘルソン14日20:08) 南部ヘルソンで8歳男児ら2人死亡 ロシア軍の砲撃で

 ウクライナ南部ヘルソン州のヤヌシェビッチ知事は14日、ロシア軍が同州の州都ヘルソンの民家を砲撃し、8歳の男児が死亡したとSNSに投稿した。

 投稿によると、男児のほか、帰宅途中だった女性が砲撃によって死亡し、2人が負傷したという。

 ティモシェンコ大統領府副長官のSNSの投稿によると、ヘルソンではこの日、中心部に多連装ロケット砲などによる砲撃があった。州庁舎が損傷したほか、倉庫で火災が発生したという。