12 13 (日) 平山郁夫と仏教思想 |
12 16 (水) 市田柿の魅力 |
平井俊次 “柿博士”こと平井俊次氏プロフィール 1942年長野県飯田市生まれ 1987年農学博士号(大阪府立大学)を取得 【主な著書】●カキ果実の成熟・貯蔵・加工中における呈味成分の変化に関する研究 ●ふるさとの健康食品●信州伊那谷の食再訪-素材に伝わる健康と文化 ●食に学ぶ●身近にあるくだものの機能性●食の歳時記など、他多数 市田柿は、ポリフェノールの宝庫 市田柿は、ポリフェノール含量と、ラジカル捕捉活性が極めて高いことが最近の研究で明らかになりました。ドライフルーツ類のポリフェノール量とラジカル捕捉活性値を図に示しました。 市田柿は、他の果実に比べて、この両者が群を抜いて多く含まれていて、素晴らしい食品です。 タンニン、フラボノイドなどのボリフェノール類は、ヒトの健康維持に役立ちそうです。 “神の食べ物”KAKI 生柿には、ポリフェノールのほか、ビタミン類、カロテン類、食物繊維、ミネラル類など機能性の高い成分が多く含まれています。干し柿は、生柿を乾燥させて約1/3位に濃縮したものです。 正に、柿の学名Diospros Kaki(ディオスピュロス カキ…神の食べ物の意)に恥じない食べ物です。 古くから知られていた飯田・下伊那地方の干し柿 【写真左】 立石寺(りっしゃくじ)には江戸時代の柿問屋さんらによる柿の絵額が奉納されていました。 長野県の飯田・下伊那地方は、長い歴史を有する干し柿の産地です。文献で確認できるものでも500年以上になります。310余年前の江戸中期(元禄8年)に刊行された食療書として名高い「本朝食鑑」には、”信州の立石(たていし)の小串柿”が記されています。 【写真右】 江戸時代に、この地区から干し柿を馬・牛・船で江戸まで運んでいたという絵額が保管されていました。 この小串柿が立石柿と呼ばれ、現在の長野県飯田市の三穂地区を中心に、下伊那郡下で作られていた干し柿(串柿)で、現在の”市田柿”の前身になった柿です。この”市田柿”は、下伊那郡高森町市田地区にあった渋柿の中から大粒で良質な柿を選抜して、大正10年に改称したものです。 |
ポリフェノールの種類 | 含まれるもの |
カテキン | 緑茶 |
アントシアニン | ぶどう、いちご、ブルーベリー |
ルチン | そば |
イソフラボン | 大豆、豆腐、納豆 |
ケルセチン | 玉ねぎ、ほうれん草、ブロッコリー、春菊 |
クロロゲン酸 | コーヒー |