01 19 (水) 涼羽の誕生日 ・ ベゴニアとライラック |
学名 | Syringa vulgaris |
タイプ (種類、カラー) |
モクセイ科ハシドイ属 耐寒性落葉低木 ライラック 白花 別名:リラの木、ムラサキハシドイ |
規格 (お届け状態) |
規格:5号(直径約15p)ポット植え 接ぎ木1年生苗 樹高:80p程度 同梱物:育て方マニュアル |
樹高 | 3〜5m程度 |
植付時期 | 秋〜春(最適期以外の時期も、ポット植えの苗木のため、根を崩さずに植え付ければ、年間を通して移植は可能です。) |
開花・収穫時期・量 (基準:関東地方) |
開花期:4〜6月 |
栽培方法 育て方 管理方法 作り方 |
日当たりが良く、肥沃で排水のよい場所を好みます。耐寒性がありますので、北海道から九州まで、沖縄を除く日本全国で栽培が可能です。剪定は、開花後に行ってください。夏前に太い枝先に花芽をつけるため、枝の先端を切ると花芽が付かなくなってしまいますので、注意が必要です。台木から出る芽(台芽)は必ず取り除いてください。肥料は、冬と開花後に有機肥料を与えてください。 |
その他 | 開花は通常植え付け後二年目以降となります。お届商品の規格(ポットサイズや樹高、樹形など)は、お届時期や個体差により多少異なることがあります。また、お届時期により、落葉していたりいたしますので、予めご了承ください。ポット苗は年間を通して販売をしておりますが、真夏の植え付け時の乾燥による障害や、真冬の配送中の凍結など、予期せぬ事柄が発生することがございますが、ご理解を頂いた上でご注文を頂きますようお願いいたします。 |
01 20 (木) 諺 ・ 格言・かるた |
01 22 (土) ミトコンドリア |
ミトコンドリア遺伝子と長寿 1 体重あたりの酸素消費量と寿命は反比例する ネズミのように体の小さい動物は寿命が短く、ゾウのように体の大きな動物は寿命が長いと言われています。体の小さい動物は、体重あたりの表面積が大きいために体温を失いやすいので、体温を維持するために食物をたくさん採ります。体の小さい動物ほど、呼吸や心拍が速く、栄養素や酸素を消費する速度が高いので、短い時間で擦り切れてしまう、あるいは燃え尽きてしまうと説明されています。 2 ミトコンドリアとは 典型的な動物細胞の模式図: (1) 核小体(仁) (2) 細胞核 (3) リボソーム (4) 小胞 (5) 粗面小胞体 (6) ゴルジ体 (7) 微小管 (8) 滑面小胞体 (9) ミトコンドリア (10) 液胞 (11) 細胞質基質 (12) リソソーム (13) 中心体 ヒトや動物の細胞の中で、エネルギーを作り出しているのがミトコンドリアという細胞内小器官です。細胞内の発電所にたとえることができます。ミトコンドリアは、およそ千分の1?くらいの大きさの球形あるいは細長い棒状の粒子で、1個の細胞の中に数百個あります。ミトコンドリアは、外膜と内膜という2枚の膜によって細胞質から隔てられています。太古の昔、原始細胞の中に、呼吸能力のある細菌が入り込んで、共生を始めたのがミトコンドリアの起源であると考えられています。 3 ミトコンドリアの働き ミトコンドリアは、食べ物から取り出された水素を、呼吸によって取り入れられた酸素と反応させて、その時に発生するエネルギーを使ってATP(アデノシン三リン酸)という物質を合成します。ATPは、神経細胞が興奮したり、筋肉が収縮したり、肝臓が物質を合成したりする時に消費されます。電気を貯められないのと同じように、大量のATPを細胞内に貯めておくことはできません。そこで、ATPの必要量に応じて、ミトコンドリアは水素や酸素をすみやかに反応させたり、あるいはゆっくり反応させたりして、呼吸の速度を調節しています。運動をすると呼吸や心拍が激しくなり、休むと次第におさまります。これはミトコンドリアの活動を反映しているのです。 4 ミトコンドリアの成り立ち ミトコンドリアを発電所にたとえると、水素と酸素を反応させるエンジンが「電子伝達系」で、電子伝達系によって駆動される発電機が「ATP合成酵素」です。エンジンと発電機の設計図は、ミトコンドリアの中のDNAと、核の中のDNAに分かれて保存されています。エンジンと発電機の主要な部品の設計図は、ミトコンドリアDNAの中に書かれており、ミトコンドリア自身の蛋白合成装置によって作られます。その他の部品の設計図は、核のDNAに書かれており、そこから読み出され、細胞質の蛋白合成装置によって作られ、ミトコンドリアの中に運ばれてきます。二つの系統の遺伝子産物が組み合わされ、エンジンと発電機ができあがります。 5 ミトコンドリアの不具合が生じると スペースシャトルは水素と酸素を爆発的に反応させています。これに対し、ミトコンドリアは37度という穏和な条件で水素と酸素を反応させています。上手に反応させているとはいっても、どうしてもミトコンドリアの電子伝達系から電子が漏れます。電子が酸素に直接わたされてしまうと活性酸素が発生します。通常でもミトコンドリアは細胞内における活性酸素の主要な発生源になっています。この活性酸素がミトコンドリアの蛋白質や脂質を攻撃します。 もっと恐ろしいのは、活性酸素がミトコンドリアの設計図であるDNAを攻撃することです。設計図にキズができると、正しい部品を作ることができなくなり、電子伝達系からさらに活性酸素が漏れやすくなります。車がポンコツになると、エンジンから排気ガスがモウモウとでるようなものです。 加齢とともにミトコンドリア遺伝子に変異が蓄積し、ミトコンドリアからの活性酸素の漏出が増大し、それが細胞機能に悪影響を与えるという「老化におけるミトコンドリア遺伝子変異蓄積説」は、多くの観察から支持されています。 6 ミトコンドリアDNAの多型に基づく個人差 ミトコンドリアゲノム(ミトコンドリア遺伝子の一揃い)は母親から子供へと伝えられます(母性遺伝)。精子が鞭毛を使って泳ぐ時のエネルギーはミトコンドリアによって供給されます。受精の時に、精子のミトコンドリアも卵子の中に入りますが、精子のミトコンドリアは排除され、卵子のミトコンドリアだけが子供の細胞で働きます。 ミトコンドリアゲノムは16569塩基対からなる環状二重鎖DNAです。ミトコンドリアゲノムの中には37種類の遺伝子があります。蛋白の遺伝子が13個、その蛋白遺伝子の情報を翻訳するために必要な2種類のリボソームRNAと22種類のトランスファーRNAの遺伝子があります。 ミトコンドリアの遺伝子は核の遺伝子よりも約10倍も進化速度が速いことが知られています。核のDNAについてヒトとチンパンジーを比べると、稀にしか相違点が見つかりませんが、ミトコンドリアDNAを調べると、ヒトとチンパンジーの間で多くの相違点が見つかります。 電子伝達系を構成する蛋白質の76%は核の遺伝子によって規定されており、その24%がミトコンドリアの遺伝情報に基づいて作られます。ミトコンドリア遺伝子の進化速度が核遺伝子の10倍速いとすると、電子伝達系というエンジンについて、ある人ともう一人の人との間の違いを計算すると、核の設計図の従って作られた部品の相違点が約7カ所であるのに対し、ミトコンドリアの設計図に従って作られた部品の相違点は24カ所になります。すなわち、エンジンの性能に対して、ミトコンドリア遺伝子の多型は核遺伝子の多型よりも約3倍も大きな影響を与えていると推定できます。 7 マラソンに強いミトコンドリア遺伝子型 ミトコンドリアは呼吸によってエネルギーを作り出す発電所ですから、ミトコンドリア遺伝子のわずかな違いが、運動能力に影響を与えていると予想されます。マラソン選手や駅伝選手のミトコンドリアDNAを調べさせていただいたところ、10人中5人に、特別な遺伝子型が見つかりました。この遺伝子型の頻度を日本人1980人について調べると122人に見つかりました(6.2%)。この遺伝子型が長距離走選手において一般人の15倍の頻度で見つかりましたので、これがマラソンに強い遺伝子型であると推定しました。さらに数多くの長距離走選手の協力を得て調査を進めています。 8 長寿に関連するミトコンドリア遺伝子型 高出力型のエンジンではなく、排気ガスの少ない、耐久性の高いミトコンドリアをもっていると、長生きができるかもしれません。 我々は、11人の百寿者のミトコンドリア遺伝子の全塩基配列を決定し、それまでに分析を終えていた43人の患者(主として心臓、筋肉、神経の病気の患者)の全塩基配列と比較しました。その結果、5カ所の塩基の違いが見つかりました。中でも、ミトコンドリアDNAの5178番目の塩基であるシトシン(C)がアデニン(A)に置き換わっている多型(Mt5178C→A)が、百寿者において高い頻度で見つかりました。この塩基置換によって、電子伝達系への水素の流入路にあたるNADH脱水素酵素の第2サブユニット(ND2)の237番目のアミノ酸であるロイシンがメチオニンに置換されます。日本におけるMt5178A型の頻度は約40%ですが、37例の百寿者の62%がMt5178A型を持っていました。大学病院の患者を無作為に抽出して調べると、Mt5178A型を持っている人はMt5178C型を持っている人に比べて、成人発症性疾患に罹りにくいことがわかりました。 Mt5178A型のミトコンドリアとMt5178C型のミトコンドリアの間で、どのような機能的相違があるか、細胞レベルでは明確にそれらの差を示すことは困難でした。ミトコンドリアの蛋白質はイオウを含むアミノ酸であるメチオニンを多く含んでいます。蛋白質の表面のメチオニン残基は、活性酸素によって攻撃されたときに、身代わりとなって蛋白質を防御する働きがあるとされています。Mt5178A型によって生じるメチオニン残基は、ミトコンドリアの活性酸素に対する抵抗性を高めている可能性があります。 現在、ミトコンドリア遺伝子型と成人発症性疾患の関連を追及しています。糖尿病における動脈硬化の進展や腎臓の機能障害、心筋梗塞や脳梗塞の発症などに、ミトコンドリア遺伝子多型が影響を及ぼしていることが明らかになってきました。それらのデータについてご紹介したいと思います。 田中 雅嗣 (たなか まさし) 名古屋大学医学部卒業。医学博士。名古屋大学医学部生化学第二講座助手、同講座助教授、岐阜県国際バイオ研究所副部長を経て、平成10年より現職。主に、高齢者とミトコンドリアDNAの関係について研究。平成2年に、日本生化学会奨励賞受賞。 ミトコンドリア力に脚光 活性化が「若返り」の鍵 生物の授業で習うミトコンドリア。 主に「エネルギーの製造工場」としての役割を担うが、そのほかの多様な機能が注目されている。 「ミトコンドリア学」の専門家によって、認知症やアンチエイジング、若返りと深くかかわることが分かってきた。 ただし、電子顕微鏡で確認するような微細な器官。 「その量が少ない」と言われても実感がない。 ミトコンドリアと賢くつきあう方法は?(日出間和貴) ◆生活習慣が重要 ミトコンドリアは細胞全体の10~20%を占め、約1万分の1ミリの大きさ。人体に必要なエネルギーを生み出し、病気や新陳代謝、老化、若返りとの因果関係が指摘されている。 「認知症の人の脳を調べると、健康な人に比べてミトコンドリアの量が少ない。 糖尿病はミトコンドリアの不調から始まり、パーキンソン病は機能が失われたことが原因。 ミトコンドリアを研究してきて、ここまで発展するとは予想できなかった」 日本医科大の太田成男教授は、30年以上もミトコンドリアと“対話”を重ねてきた。近著『体が若くなる技術』(サンマーク出版)で、その知られざる可能性を紹介している。 ミトコンドリアに働きかけ、いかに仕事をさせるかが若さ維持の第一歩。 その極意は生活習慣にあるという。 (1) 持久力系の運動 (2) 背筋を伸ばし、良い姿勢を保つ (3) 寒いところで寒さを感じる (4) 空腹を感じてエネルギーの枯渇状態をつくる これらの実践を勧める。 いずれも習慣として取り入れることが大切だ。 例えば、急な運動をすると、最初は息が切れるが続けるうちに息切れの頻度が減少する。 その変化がミトコンドリアの増加を実感できる瞬間だ。 「強めの負荷に体が慣れ、細胞が若返っていく」と太田教授。 一方、英国で2年前に発表された一卵性双生児を対象にした調査。 同じ遺伝子を持った双生児でも、運動習慣によって老化の進み具合が違うことが分かった。 週に3時間以上運動する双子は、週に15分以下しか運動しない双子に比べて老化の進行が遅かった。 運動がミトコンドリアを活性化、老化スピードを遅らせていたことが証明された。 ◆年齢問わず増加 「ミトコンドリアは若さの源泉」-。慶応大の伊藤裕教授は近著『臓器は若返る』(朝日新書)で、「ミトコンドリアが全身の臓器に供給するエネルギーが潤沢であればあるほど、われわれは健康に長生きができる」と指摘する。 現代人が老いを見つめるとき、外見や運動能力にとらわれがちだ。しかし、ミトコンドリアの存在を知ると、若さの鍵は「体の内部」にあることが分かる。太田教授は「好奇心を忘れずに、人生を前向きにとらえる心が質の高いミトコンドリアを生み出す。ミトコンドリアは年齢を問わず増える」と強調する。 ◇ 活性酸素の増加にご用心 ミトコンドリアがエネルギーを生み出す過程で発生する活性酸素は老化の原因といわれる。 ミトコンドリアの増加は歓迎されても、強い酸化力で遺伝子を傷つける活性酸素の発生は避けたい。 両者はやっかいな関係にあるが、ミトコンドリアの機能を高めて、そのパワーを増大させることによって活性酸素が発生しにくくなるという。 ◇ 【用語解説】ミトコンドリア 細胞の一つ一つに存在する器官で、生きていくためのエネルギーを作り出す。中には数千個のミトコンドリアを宿す細胞もある。細胞内では古くなったミトコンドリアを新しいものに入れ替える作業が行われ、その機能の低下が老化を引き起こすといわれる。 |
全く知らない方はここを読んで下さい ミトコンドリアはほとんどすべての生物(動植物や菌類など)の細胞に広く含まれている細胞内構造物の一つです。 高校の生物の教科書などで細胞の構造図を見た覚えがあれば、その中でたいていは丸いカプセルのような形で描かれていたでしょう。 このミトコンドリアは一つの細胞に(細胞の種類によって違いますが)数十から数万という大変な数が含まれています。 これらのミトコンドリアは細胞の中で呼吸をしてエネルギーを生産しているのです。 我々が肺から吸い込んだ酸素は、血液によって体内の細胞に運ばれ取り込まれ、ミトコンドリアによって糖や脂肪を燃やす燃料として使われていることになります。 燃やすといっても生化学的に糖などを分解していく過程でエネルギーが発生するわけで、我々はそのエネルギーを利用して体温を保ち運動をして生きていることになります。 ところで我々の体を構成する細胞一つ一つには、ごく特殊なものを除いて核があり、その中には遺伝情報がぎっしりと詰まった遺伝子(染色体)が含まれています。 ヒトの場合には23対46本の染色体があり、父親と母親から23本ずつうけついだ遺伝情報が記録されているわけです。 1968年にミトコンドリアの構造の中に細胞の核が持っている遺伝子とは別の遺伝子が発見されました。 これをミトコンドリアDNAと呼びます。 DNAのことは別に調べていただくとして、動物のミトコンドリアDNAは丸い輪になった形をし端末がありません。 動物の場合大体17000前後の梯子段がつながったまま折り畳まれ、ミトコンドリアが自分自身を複製して増えるための遺伝情報の一部が乗っています。 その後の研究によると、ヒトを含め大部分の動物でミトコンドリアDNAは母系遺伝をすることが確認されました。 ヒトの精子も細胞ですから20程度のミトコンドリアが存在しています。 しかし卵子と融合した後でなぜか精子由来のミトコンドリアは消滅してしまい、元々卵子にあったミトコンドリアだけが生き残るのです。 従って我々の体内にあるすべてのミトコンドリアは、体細胞のDNAと違い、すべて母親から受け継いだものなのです。 もう一つ大切なことがあります。 DNAというのは4種類の塩基が延々と繋がったものですが、様々な要件で塩基の並び方が変わったり、ある塩基が別の塩基に置き換わったりします。 DNAの繋がりに変化が起こると病気になったり、場合によっては致死的な条件になることもありますが、一方生物の進化や環境への適応など重大な役割を果たしています。 さらに、長い配列の中にはその生物が生存していく上で必要がなくなっている部分が大量に見つかっています。 その部分は配列に変化が起きても生存のためには何ら支障が出ません。 DNAの塩基配列が長い期間を通じてみれば、おおむね一定の割合で変化していることは、各種の動植物のDNA配列を調べた結果確認されています。 動物の種類の違いでも、ヒトとヒトの血縁関係でも、スケールは違いますが、共通の祖先が遠いほど違う配列になっている部分が増えるのです。 人のミトコンドリアDNAの場合、現在では特定部位の変化の数から、共通祖先を辿ることが出来るようになっています。(詳しいことは、「イヴの7人の娘たち」 を参照してください。) 多くの仮定の上に立つ勝手な話〜第3話〜 ミトコンドリアはほとんどの細胞の中に含まれている、生体内のエネルギーを作り出す大切な小器官で、その中に体細胞の遺伝子とは異なる、独自のDNA(遺伝子)を持っています。 ヒトのミトコンドリアDNAは環状になっていて、16500対あまりの塩基配列で構成されています。(ミトコンドリアについての解説) このミトコンドリアが持っている独自のDNAは母親からのみ受け継がれ、決して父親のDNAが子に伝わることはありません。 あなたのミトコンドリアDNAは母方の祖母から受け継いだものです。その祖母も母方の母から受け継いでいるのですから、何代さかのぼっても、ミトコンドリアを伝えてくれた先祖はたった一人なのです。 何万年遡っても同じことです。 現在地球上にすむ60億人が持っているミトコンドリアの起源をたどれば、すべてのヒトが、ヒトとして姿を現した太古の集団まですべて一本の線で繋がっているのです。 ミトコンドリアDNAが持っている塩基配列の数は約16500対です。 アメリカのアラン・ウイルソンを中心とする研究者は、100万年あたり約2%の割合で突然変異が起こっていると推定しました。 1987年当時、世界各地の147人を無作為抽出して、そのミトコンドリアDNAの変異の内容と割合に従い系統樹を作成し発表しました。 各個人のつながりと変異率による年代の測定です。この系統樹は人種間の遺伝的距離を測るものでなく、あくまでも資料提供者個人間の遺伝的距離を示している点に注意してください。 結論は、147のミトコンドリアのうちに133の異なるDNA配列が見つかり、7例のアフリカ住民の型とその他の各地の型に大きく二つに分かれ、アフリカ系は他のものに比べ、それぞれのグループ内での突然変異率が2倍だったのです。 人類はアフリカで生まれしばらくとどまった後、各地に広がっていったと解釈できたのです。 その上現代人にミトコンドリアDNAを残せたご先祖様はたった一人の女性で、他の系統は消えてしまっていると結論づけました。 この名誉ある女性にミトコンドリア・イブの名称が与えられたのです。 現世全地球人共通の大祖母の誕生です。 ミトコンドリア・イブが生きていた時代はいつでしょうか。 現存するミトコンドリアDNAの変異の数から逆算して、14万年から29万年前の間と発表しました。当時アフリカとユーラシア大陸に散在していた原人のうち、おそらくはアフリカのキリマンジャロ山の麓、大地溝帯に生存していたある原人集団の一人として誕生したのです。 この分子生物学の分野から出した結論は、当時考古学者の間では批判的な意見が多かったようです。 今でもDNA配列の変異を利用した年代測定(分子時計といいます。)は、誤差や仮定が多すぎるとして絶対年代を出すのは難しいようです。 2001年11月、ソニーマガジン社から「イヴの7人の娘たち」という本が発売になりました。 オックスフォード大学の遺伝学教室教授ブライアン・サイクス教授が書いた科学ドキュメントです。 1987年以来ミトコンドリア・イブをどのように探求し、いかなる結論に達したのか、非常に面白く興味深い話がわかりやすく、予備知識なしでも理解できる内容で書かれています。 「イヴの7人の娘たち」ではミトコンドリア・イブが15万年前にアフリカで誕生し、現代ヨーロッパ人の90パーセントはイブの子孫の7人の女性を共通先祖として持っていると結論づけています。 ヨーロッパ在住の現世人類は大きく分けて7回の分裂を繰り返していることになります。 さらに、その後世界中の現世人類は、ミトコンドリアを調査分類の結果、35の分岐点を持つ系統樹によってわけることが可能であると発表されました。 1996年のサイクス教授の発表は学会に大きな波紋を投げかけ、大論争が5年近く続いたそうですが、2000年11月、ほかの研究からの結論と一致し、ミトコンドリア・イブの存在が人類学の分野で正当性を持つ説として承認されたそうです。 ところで日本人は、95パーセントの人々が9人のイブの娘たちの子孫と判定できるそうです。 日本人が9人ものイブの娘を共通祖先を持つということは、とりもなおさず日本人の多様性を示しています。日本列島への人類の渡来の歴史について新しい知見が生まれることを期待したいと思います。 サイクス教授はミトコンドリア・イブの存在の証明はしましたが、ミトコンドリア・イブが現世人類の共通の大祖母となることができた原因についてはふれていません。 私にはそれが偶然であったとは思えません。 彼女は何らかの理由でイブになるべく運命づけられていたのです。 それも科学的に説明できる理由で。私はミトコンドリア・イブがミトコンドリア・イブになるべき必然性を持った女性だったと思うのです。 その必然性は彼女自身のDNAの変化に起因する、突然変異にともなうものであったろうと推測しました。それについて第5話で取り上げています。 同時代に生きていたミトコンドリア・イブの子孫以外の人類はどうなったのでしょう。彼らはネアンデルタール人などと呼ばれていますが、おそらくは2〜3万年ほど以前にその血統が途絶えてしまったようです。その理由についても第4話でふれてみました。 現在では毛髪が一本あればミトコンドリアDNAの塩基配列が決められるそうです。 最近報道された、歯による縄文人のミトコンドリアDNA配列の決定など、資料が蓄積されていけば、より精密な人類史が構築されることだと楽しみにしています。 2001年2月11日ヒトゲノム(ヒトのDNA配列)がほとんど全部解析され、約3万の遺伝因子が確認されたと報道されました。同時に現存する各人種間のゲノム配列の共通性は、99.99%と非常に高い一致率を見ました。 これは、現在地球上に住んでいる全人類の共通の祖先は、原人以来の進化の中で、ごく近い過去に生きていたことを示しています。 別のページではイブの子孫の増え方の計算し、彼女の存在の妥当性を検証してみました。 |
01 23 (日) 第3回大河ドラマ「江」 ●人形館 ●絵手紙美術館 |