折々の記へ

折々の記 2012 B

【心に浮かぶよしなしごと】

【 01 】03/05〜     【 02 】03/05〜     【 03 】03/09〜
【 04 】03/11〜     【 05 】03/13〜     【 06 】03/14〜
【 07 】03/17〜     【 08 】03/19〜     【 09 】03/21〜

【 08 】03/19

  03 19 信言は美ならず、美言は信ならず。聖人の道は為して争わず
  03 19 星の瞳 …… 四季の山野草
  03 20 ユダヤ系学校銃撃事件は何故起きているのか?

 03 19 (月) 信言は美ならず、美言は信ならず。聖人の道は為して争わず


老子全81章の最後の言葉

信言不美、美言不信。善者不辯、辯者不善。知者不博、博者不知。聖人不積。既以爲人己愈有、既以與人己愈多。天之道利而不害、聖人之道爲而不爭。

信言は美ならず、美言は信ならず。善なる者は弁ぜず、弁ずる者は善ならず。知る者は博からず、博き者は知らず。聖人は積まず。既(コトゴト)く以って人の為にして己愈々(イヨイヨ)有し、既く以って人に与えて己愈々多し。天の道は利して害せず、聖人の道は為して争わず。

確信をついた正論は受け入れがたい。受け取りやすい優しい言葉は誠実な内容ではない。

正直者は言葉で取り繕ったりしない。言い訳する人は善人とは言えない。本当の知者は何でも知ろうとはしない。あれこれ知ろうとする人はわかってない。

聖人は蓄積したりしないで、すべての時間を人のために使う。それで、ますます自分らしさが発揮され、何もかも人に与えてしまうと、ついには多くなっている。

自然のはたらきは利益を与えるが害は与えない。同じように、聖人の行いもまた、争いで蹴落さずとも、じゅうぶんに成し遂げることができるのだ。
グーグルでいろいろ調べてみました。 諸子百家と言われる頃の人たちで、時の流れも長いから明快な解説も見当たりません。 次に挙げたのは老荘思想の解説の一部です。

老生などきちんとした中国思想を学んだこともなかったから、武士階級に伝わってきた儒教系の考え方や僧侶に伝わってきた仏教系、一般庶民に伝わってきた道教系の類別など概略しか知らなかった。

論語を読み般若心経を読みはしたが、諸子百家争鳴を見てその奥深さに吃驚しました。 中国の昔の文化には目を見張らされるばかりです。

老荘思想の解説の一部を見ますと、個人のモラルの築き上げが中核になっているように思えました。

儒教が国教となってからも老荘思想は中国の人々の精神の影に潜み、儒教のモラルに疲れた時、人々は老荘を思い出した。特に魏晋南北朝時代においては政争が激しくなり、高級官僚が身を保つのは非常に困難であった。このため、積極的に政治に関わることを基本とする儒教よりも、世俗から身を引くことで保身を図る老荘思想が広く高級官僚(貴族)層に受け入れられた。加えて仏教の影響もあり、老荘思想に基づいて哲学的問答を交わす清談が南朝の貴族の間で流行した。清談は魏の正始の音に始まり、西晋から東晋の竹林の七賢(?康、阮籍、山濤、向秀、劉伶、阮咸、王戎)が有名である。ただし、竹林の七賢が集団として活動した記録はない。

老荘思想は仏教とくに禅宗に接近し、また儒教(朱子学)にも影響を与えた。
秋葉神社の祈祷、水神様の祠造立など、子供の頃を思い出してみると、火の神様、井戸の神様、道具の神様、針供養、魚供養、生活の中には一杯神様がいました。

これは伝承された素晴らしい文化そのものです。 私たちの心の中にある素晴らしい文化気質だと思います。

 03 19 (月) 星の瞳 …… 四季の山野草

春の陽射しが日増しに濃くなってきました。 小川堤防を歩いていると、かわいらしい春一番の草‘星の瞳=(オオイヌノフグリ)が道沿い一面に咲き誇っています。 自然は常に美しい。 春を喜んでいるのです。

実はオオイヌノフグリは草が繁茂してきたときに確かに‘大犬の陰嚢=フグリ’に似ているからだろうが、可憐な花ゆえに余りに可哀想である。

明治初期に日本に渡来したヨーロッパ原産の帰化植物だそうで、種子の形が似ていることからの名前で、花とは無関係というから、気の毒でもある

調べていて「四季の山野草」というサイトがあり、これは素晴らしい利発にまとめられた優れたもので驚きました。 まとめた人の労苦を思うといくら感謝しても感謝しすぎることはありません。 立派なサイトだから、大事に見ていきたいと思います。

次にそのさわりを紹介しておきたい。

これは役に立つ

四季の山野草 http://www.ootk.net/shiki/index_k.htm

掲載種 3,964  画像数  21,789
このサイトは、高原、高山、山野や空き地になどに自生する野草・山野草、高山植物の花や葉。
また果樹・野菜・薬草なども含め、季節ごとに植物の育つ風景をおりまぜ掲載しております。

名前一覧 【あ】【か】【さ】【た】【な】【は】【ま】【やらわ】
花色一覧 【赤〜紫〜青】【黄〜オレンジ】【白〜クリーム】【緑〜茶〜黒】【葉・芽】【紅葉】【黄葉】【果実】

名前のわからない植物調べに苦労していませんか !!
名前がわからないのに名前や科名で調べるWebサイトばかり。花の色、季節など分類があっても1、2分類だけ。結果が名前一覧や確認し難い小さい画像、種類も少なかったり。
植物図鑑では頁をめくって探すしかありません。 四季の山野草は複数の条件での検索と、名前の一部がどの位置でもよい中間一致で、下と同じ画像での表示結果から探せます。
詳細画像は花のアップ、全体、葉の形がわるもの。さらに芽、葉、実なども掲載しております。また携帯からもご利用できます。

 03 20 (火) ユダヤ系学校銃撃事件は何故起きているのか?

今朝6時のニュースでこの事実を知りました。 どうしてこんな悲劇が起きたのでしょうか?

一つは‘シリア’シリア革命(武力を使うアサド政権維持問題)’に起因する「イスラエルとイランの対立」が火種だという推測です。

もう一つは「世界の金融システム集団」をりーどする「ユダヤ系企業金融集団」に対するある種の挑戦ではないかとの危惧しています。


NHKニュース
仏 ユダヤ系学校近くで発砲事件 3月19日 22時16分(午後2時16分・時差-8時間)

フランス南部のトゥールーズにあるユダヤ系の学校の近くで、19日、男が発砲事件を起こし、少なくとも3人の子どもを含む4人が死亡しました。
トゥールーズ付近では、先週も兵士が銃撃される事件が相次ぎ、これまでに兵士3人が死亡しており、警察では、この事件との関連を捜査しています。

事件が起きたのは、フランス南部のトゥールーズにあるユダヤ系の子どもたちが通う学校の近くで、19日朝、バイクに乗って近づいてきた男が、突然、集まっていた子どもや保護者に対して発砲したということです。
検察当局によりますと、さらに男は、学校の敷地内に逃げ込んだ子どもたちを追いかけて建物の中に入っていったということです。 地元の警察などによりますと、これまでに少なくとも3人の子どもを含む4人が死亡したということです。
また、ほかにも大けがをして病院に搬送された人たちもいるということです。
容疑者は、現場から逃走し、警察では男の行方を追っています。
トゥールーズ付近では、先週も兵士が銃撃される事件が相次ぎ、これまでに兵士3人が死亡しており、警察では、この事件との関連を捜査しています。
フランスには、ヨーロッパで最大のおよそ70万人のユダヤ系の住民がいて、フランスのゲアン内相は、今回の事件を受けて国内のすべてのユダヤ系の学校の警備を強化するよう指示しました。
また、事態を重くみたサルコジ大統領も、現地に到着することになっています。

[関連ニュース]仏銃撃事件“国家的な悲劇だ” 3月20日 6時4分

フランス南部のトゥールーズにあるユダヤ系の学校の近くで19日、男が銃を発砲し、3人の子どもを含む4人が死亡しました。 事件を受けてサルコジ大統領は、急きょ現地を訪問し、「この事件は国家的な悲劇だ」と述べました。

事件が起きたのは、フランス南部、トゥールーズにあるユダヤ系の子どもたちが通う学校の近くで、19日午前8時ごろ、バイクで近づいて来た男が、集まっていた子どもや保護者に向けて突然、銃を発砲したということです。
男は、さらに学校の敷地内まで入って、逃げ込んだ子どもたちにも発砲したということです。
地元の警察などによりますと、この事件で3歳から10歳までの3人の子どもと教師1人の合わせて4人が死亡、子ども1人が大けがをして病院に運ばれました。
男は、現場から逃走し、警察が行方を追っています。
事件を受けてサルコジ大統領は急きょ現地を訪問し、「この事件は国家的な悲劇だ」と述べました。
パリ市内では19日夜、大勢の市民が参加して犠牲者の死を悼む集会が行われ、参加者の1人は「子どもたちが亡くなったのは、とても悲しいことです」と話していました。
フランスにはヨーロッパで最大のおよそ70万人のユダヤ系の住民がいて、ゲアン内相は国内のすべてのユダヤ系の学校の警備を強化するよう指示しました。
トゥールーズ付近では、先週、北アフリカ系の兵士3人がバイクに乗った犯人から銃撃を受けて死亡する事件が起き、警察が関連を捜査しています。
今回の事件についてEU=ヨーロッパ連合のファンロンパイ大統領は、19日、「子どもたちを狙った極めて忌まわしい犯罪だ」と強く非難する声明を出しました。
また、イスラエルのネタニヤフ首相は、声明を出し、「犯行の背景はまだ分かっていないが、ユダヤ人差別が動機になっている可能性も排除できない。犯人を見つけるため、イスラエル政府はフランスに全面的に協力する」として、犯行はユダヤ人を標的にした可能性があるとの見方を示しました。

■ 【世界の金融システム集団】

この【世界の金融システム集団】という表現は老生が勝手に書いたが、『待てよ、ひょっとするとグーグルで検索できるかもしれない』と思って検索してみたら、ある!! ある!! 約694,000件(0.21秒)も出ていたのです。 井の中の蛙を痛切に自覚しました。 参考のためにいくつか取り上げてみます。

   http://blogs.yahoo.co.jp/petio1965/archive/2011/12/02
   ひさしぶりのフルフォード英語ニュース翻訳

ひさしぶりのフルフォード英語ニュース翻訳 2011/12/2(金)

ひさしぶりのブログです。今回も11日28日発行のベンジャミンフルフォード英語ニュースの翻訳です。いろいろコメントしたいことはありますが、とりあえず翻訳だけのせます。

(翻訳)

金融サギが暴露されるにつれ、西洋諸政府の高位支配層が混乱

ときに事実とは小説よりも奇妙なものだというのは、現在の西洋文明の高位権力層にみられる状況にぴったり当てはまる。西洋の真の高位権力は金融システムをコントロールしているが、それは古代宗教書(ザ・トラ=旧約聖書)の教えを意図的に実現したいと考える狂信的宗教集団に乗っ取られているということである。しかしこの詐欺にもとづく企みは失敗しつつある。その結果は、狂信宗派にのっとられたアメリカ、イギリス、フランス、イタリア、ドイツ、そしてこれらの奴隷となっている国家群における予想外の混乱である。この混乱のきっかけになったことのひとつは、ニューヨークで11月23日に起こされた訴訟で、世界的金融システムはこの地球の人々のものであり、国際連合を粉飾に利用している宗教カルト権力のものなどではない、と主張している。

この訴訟の背後にある真実は、20世紀と21世紀における隠された歴史である。話は1930年代、世界の金(きん)が市民から没収され、世界の金融システムをコントロールする一族が管理する金庫に、この金が集められたときにさかのぼる。ほとんどのユダヤ人も、アジアの富裕層も、彼らの金を渡したいとは思わなかったので、その金を没収する手段として、このカルト集団は第二次世界大戦をおこしたのである。

1944年のブレトンウッズ会議では、世界を発展させるという約束と交換条件に、戦後の金融システムの支配権はイギリス、フランス、アメリカの手に渡された。

しかしこの約束は、ルーズベルト大統領の暗殺というカルトグループの密かなクーデターによって破壊された。彼らの目的は「ゴグとマゴグ」の最終戦争を惹起し、人類の90パーセントを殺し、生き残った10パーセントをこのカルトグループの奴隷とするということである。

非同盟諸国として知られる77カ国は、この計画に反対で、ヒルトングリーン覚書の名で知られる国際協定を結び、彼らの金と資産(それは世界総額の85パーセントにあたる)をインドネシア・スカルノ大統領の管理化におくというものであった。

ケネディ大統領は、彼らカルト集団にほとんどだまされて、ソビエト連邦との核のホロコースト(東西冷戦)を開始させられたことに気づき、アジア・アフリカを発展させるため、非同盟諸国とマーシャルプランで協力することに合意した。スカルノは、アメリカに金を渡す協約に署名し、ケネディは、狂信セクトが支配するFRBではなく、アメリカ政府がコントロールするドルの発行を始めた。その結果は、ケネディは暗殺され、スカルノは権力から追放された。

この時点で、カルト集団は、ローマ法王の金融アドバイザーヘンリーキッシンジャーが考え出した難解な金融の仕組みを使って、非同盟諸国の資産をベースにお金を作り出す権利を捏造した。非同盟諸国は、軍事力がなかったので、この詐欺をとめることはできなかった。

カルト集団はRCダムと言う名のカンボジア人に、OITCという名の詐欺的組織を結成させ、国際金融システムの裏づけとなる資産の正当な所有者だと主張させた。

しかしその後、ソビエト対西側世界のゴグマゴグ計画はうまくいかず、カルト集団は新しい計画を考えた。この計画によれば(とくにイスラエルの新聞が報道しているように)新しいゴグはG5諸国(イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、アメリカ)であり、マゴグはロシア、中国そしてイランである。間近に予定している新しいアルマゲドンは、イスラエルとイラン間の限定核戦争である。(これこそが「イランの核の脅威」とヒステリックに叫ぶ新聞の見出しの裏側にある真の事情だ)。
しかし幸運なことに、ペンタゴン、ロシア軍、中国政府は、この狂ったシナリオについていくことをみな拒否している。

代わりに、カルト集団による西洋金融システムの支配を終わらせるため、多くの国の情報機関と警察組織の連合によって、精巧なおとり捜査が行われた。

これにはカルト集団がコントロールするFRBがアジアの金と交換に発行した1兆ドル規模の債券に関する訴訟も含まれる。彼らカルト集団の主要組織のひとつ、P2フリーメーソンロッジ(P2ロッジのあるメンバーは私に、彼らはマフィアとバチカンをコントロールしていると述べた)はこの債券と交換に現金をだすと申し出た。しかし実際には、彼らはその債券を持ち逃げして、現金化しようとした。

この訴訟の訴状は、以下のサイトにその詳細が書かれている。

http://www.rumormillnews.com/pdfs/11%20civ%208500%20Keenan%20Complaint.pdf

これによれば、とくに、詐欺的組織OITCと国連、そして国連事務総長のパンギムンに行きつく。

ところで、パンギムンは、統一教会と関連をもっているが、統一教会といえば、麻薬密輸、武器取り引き、そしてプロの殺し屋とつながるカルト集団である(我々は統一教会の殺し屋の証言を持っている)。統一教会は、パラグアイにあるブッシュの牧場のとなりに大きな牧場を持っている。彼らはにせのアルマゲドンがはじまったら、地下基地か南半球に逃げこもうとしていた。

パンギムンは、最近、世界の中央管理口座を支配しようと、詐欺的な金融資料を使おうとした。彼はアフリカの国家と資源を強奪するために、このお金を使おうとしている。

パンギムンはもちろん、ロックフェラー、ロスチャイルド、ヘンリーキッシンジャー、ワーバーグ、モルガン、ブッシュ・クリントン犯罪組織などの高位カルト集団達のゴマスリ人間である。彼らは300人委員会、ビルダーバーグ会議、外交問題評議会、国連、国際通貨基金(IMF)や世界銀行など、選挙で選ばれたのではない、各国国民の代表者ではない機関を通じてその力を行使した。

第二次大戦後の彼らの力の源泉は、世界の人々に対して行った詐欺だった。今回の訴訟は、中央管理口座を裏付けている世界の人々の資産をコントロールすることを正当化できるような国際条約は何もないという事実を暴露することで、詐欺の本質を突くものとなっている。このコントロールは、殺人、賄賂、嘘によるものであり、けっしておたがいの合意によって実行されたものではないのである。

カルト集団がG5諸国にはりめぐらした支配があと数週間か数ヶ月で崩壊すれば、人々は、隠された歴史に関する、あっとおどろくような情報を、知らされるだろう。そのときは、この地球を運営する方法について、オープンに議論できるようになるだろう。

西洋では、カルト集団がつくった不合理な、非科学的な利益目的のカルト的理論、すなわち「テロとの戦争」などというのとはちがい、人々が自由に自分の運命を選ぶことができるようになろう。たとえば「フリーエネルギー」のような技術も、カルト集団によって抑圧、独占されてきたが、これが広く人々の利用に供されるようになるだろう。彼ら羊たちが自由にされ、他人を傷つけたりしない限り、自分の願望にもとづいて、なんでも自分の好きなようにやっていいといわれたとき、かなりの混乱はあるだろうが。

(翻訳おわり)

■ 【シリア革命】

内包する問題はイスラエル対イランという構図である。

   http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/34633シリア革命

これを開いて見ると膨大なデータが出てきます。


Japan Business Press

アサド政権よ、これでも弾圧はないと言うのか

シリアのアサド政権による国民の“虐殺”が止まらない。
 
 市街地への無差別砲撃などで連日100人以上が殺害されるなど、犠牲者は急増していて、昨年末ま
でに約5000人と見られていた総死者数はすでに8000人を超えるまでになっている。  国際社会もただ手をこまねいているわけではない。2月13日にはピレイ国連人権高等弁務官が武力
弾圧を「人道に対する罪」と認定し、安保理に国際刑事裁判所への付託を提案。続いて同16日には
国連総会が、中露などの反対を圧倒的多数で押し切ってシリア非難決議を採択した。潘基文・国連
事務総長も同日、弾圧を「人道に対する罪」だと明言している。  また、国連とアラブ連盟は同23日、シリア問題の合同特使として、アナン前国連事務総長を任命
。翌24日には、欧米諸国やアラブ諸国、日本など約70カ国から成る「シリアの友人」連絡グループ
が初会合を開催し、トルコを本拠とする「シリア国民評議会」を正統な反体制派代表と承認すると
ともに、シリア政府に人道支援受け入れを要求した。  さらに、同27日にはEUがシリアへの追加制裁を決定。翌28日には国連人権理事会が4回目となる緊
急会合を開催し、「人道に対する罪」認定が話し合われた。同日には、人道支援を主眼とする新た
な国連安保理決議案の根回しも始まっている。  米政府は現時点では軍事介入を否定しているが、23日にクリントン米国務長官が反乱軍の武装強
化を示唆し、24日にはオバマ大統領が「あらゆる手段を模索している」と発言するなど、アサド政
権への圧力を日増しに強めている。 デモ隊に容赦ない銃撃を浴びせた「アムン」「シャビーハ」  こうしたことから、国際報道でもようやくシリア情勢がトップニュースとして扱われるようにな
ってきたが、むろんシリアの流血は今になって急に始まったわけではない。「独裁反対を叫ぶ国民
を、独裁政権が暴力で“弾圧”する」という構図は、基本的には昨年(2011年)3月からまったく変
わっていない。これまで約1年間近くも、シリア国民は無残に殺され続けてきた。シリア国民にとっ
て、それは絶望と希望が交錯する長い長いレジスタンスの日々だった。  シリアの反体制運動が昨年春に始まった時の経緯は、前号で紹介した。南部ダラアで爆発した反
体制デモの嵐は、瞬く間にシリア全土に拡散したが、アサド政権はそれを徹底的に暴力で圧殺した
。  当初は、いわゆる“公安警察”に相当する内務省総合治安局(通称「アムン」)の私服要員グル
ープおよび同局所属の治安部隊を中心に、一般警察の機動隊が加わった形で弾圧は行われたが、3月
末頃から、そこに奇妙な一団が加わった。自らを「シャビーハ」(亡霊)と呼ぶ私服姿の若者たち
のグループである。  シャビーハはもともとアサド大統領の従兄弟をボスとする小規模な犯罪組織だったが、アサド政
権から資金が回され、無法者を多数雇って全国規模の“体制派民兵”に改編された。シャビーハは
事実上、アムンの下部組織となり、警察やアムンの前面に出て、デモ隊に容赦ない銃撃を浴びせた
。アサド政権はそれを「無法者に殺害されている住民を守るために、治安部隊の出動が必要だ」と
いう論法にすり替えた。  こうした欺瞞はアサド政権の常套手段で、例えば国際社会に弾圧停止を約束しながら、現在でも
デモに対して「一部の過激派テロリストが住民を人質に暴れている」とし、「テロリストが軍に危
害を加えているから、しかたなく抗戦している」などと強弁している。  詭弁は他にもある。「改革を約束する」と口では言いながら、実際には何もせずに、逆に弾圧を
徹底した。万事がこの調子で、例えば「政治犯を釈放する」と発表すれば、釈放した人数の数倍も
新たに逮捕した。アサド政権に反体制派と妥協する気などさらさらないことは明らかなのだ。  これはアサド政権からすれば、当然のことだ。アサド政権は極端な独裁政権であり、民主化すれ
ば瞬時に権力を失う。それどころか、これまで多数の国民を殺害してきた責任を問われ、カダフィ
と同じような運命を辿るだろう。殺人者が生き残るためには、殺人を続ける以外に道はないのだ。
逮捕・拘束された筆者の友人たち  筆者がシリア反体制派のフェイスブック・コミュニティに参加していたことはすでに述べたが、
それ以外にも、シリア国内の“友人”たちとも直接コンタクトし、話を聞いた。  実は筆者はまだ学生だった1984年に同国を初めて旅して以来、この国は何度も訪問しており、そ
れなりに古い知己が多い。昨年3月以降、筆者はこうした友人たちと盛んにSNSやヤフー・メッセン
ジャー、スカイプ、あるいは第三者を介したネット上のルートなどで連絡を保ってきた。シリア当
局のネット検閲の影響からか、ときおり“繋がりにくく”なったことはあるが、今日に至るまで連
絡ルートが完全に途切れたことは一度もない。  そんな友人の1人、アハマド(仮名)が逮捕されたのは、昨年4月半ばのことだ。仲間たちは必死
でその行方を探した。シリアには複数の秘密警察があるが、大統領直属の「総合情報局」(通称「
ムハバラート」)あるいは「軍事情報部」「政治治安局」「空軍情報部(注:空軍所属の情報機関
だが、実際には大統領直属の秘密工作機関)」あたりに拘束されれば、そのまま密殺される可能性
も高かった。  だが、幸いなことに、アハマドは他のデモ参加者とともにアムンの末端部門に捕まっており、1週
間の勾留の後、釈放された。アハマドはその後、仲間の助けで海外に逃亡し、欧州を拠点とする反
体制活動に加わった。現在は某国にてシリア国民評議会の活動家として活動している。  別の友人であるアリ(仮名)が拘束されたのは、昨年5月半ばのこと。彼は反体制活動家というわ
けではなかったが、小さな誤解からアムンに逮捕され、なんと4カ月も勾留された。家族が必死で所
在を捜し、アムンの担当者に多額の賄賂を渡してなんとか釈放させた。アムン要員の中には、まる
で誘拐ビジネスのように、こうして多額のウラ収入を得ている者が少なくなかった。  筆者の友人で殺害された例はまだないが、親族が殺害された友人はいた。サイード(仮名)は、
仲のよかった従兄弟が6月初めにムハバラートに逮捕された。従兄弟は数週間後に拷問死体となって
発見されたが、その死体の映像もYouTubeでアップされ、筆者も目にした。サイードとはスカイプで
直接話したが、筆者はただ話を聞くだけで、慰める言葉すら出なかった。  いずれにせよ、そんな例がシリアでは至るところにあった。それまで政治活動とは無縁の“普通
の住民”だったほんの数人の筆者の友人だけでも、このような話は日常的な出来事になっていた。  アサド政権に対する怨念は、もはやシリア全土を覆っており、どれほど弾圧を受けようとも、ア
サド打倒を叫ぶ声が消えることは、もうこの国では考えられなくなっている。 レバノンの難民キャンプで聞いた弾圧の実態  シリアでは昨年来、基本的には毎週金曜日の礼拝後に街頭デモが行われており、その際に治安部
隊の弾圧によって必ず多数の人が殺害される。そして、翌土曜日に犠牲者の追悼集会が行われるが
、それもまたシャビーハや治安部隊に襲われ、犠牲者が出る。こうして毎週金曜日と土曜日に大規
模な衝突が繰り返されるというパターンになっている。  当初はシャビーハやアムンが中心だった弾圧も、デモの拡大とともにそれでは追いつかなくなり
、昨年4月下旬からは陸軍が出動した。それも初めは地域を管轄する各師団が投入されていたが、逃
亡兵が続出したため、5月初めにはアサド大統領の実弟マーヘル・アサドが司令官を務める最精鋭部
隊「共和国防衛隊」「第4機甲師団」が最前線に投入されるようになった。マーヘル指揮下のこれら
の部隊は、シリア各地を転戦し、一般部隊やアムン治安部隊を後方から監視する役目も果たした。  その後のエポックメイクな出来事としては、6月初めに、トルコ国境に近い北部のジスル・アル・
シュグールで政府軍が戦車やヘリを投入して町を殲滅し、多数の難民がトルコに脱出した事件があ
る。  それまでもレバノンやヨルダンに難民が流出していたが、トルコにはこの時、1万人以上の難民が
殺到したため、国境近くに大規模な難民キャンプがつくられた。難民問題に取り組んでいるハリウ
ッド女優のアンジェリーナ・ジョリーが訪問するなど、欧米ではこの問題が大きく取り上げられた
。また、この時は軍の兵士の中から、住民への発砲命令を拒否したために処刑された者が多く出た
とみられる。  翌7月、筆者はシリア情勢を取材するため、中東に飛んだ。シリアには入国できないため、隣国の
レバノンに入った。  レバノンでは、まずはシリア国境のワディ・ハレド地区を訪れ、国境線の様子と難民収容所を取
材した。オリーブ畑が点在する丘陵地帯の、幅5メートルほどの小さな川が国境だったが、当時はま
だシリア軍と秘密警察の監視が厳しく、国境を越えることは断念した。  難民収容所では、生々しい弾圧の様子を聞いた。顔面や頭部にもの凄い傷跡を残す若者は、「デ
モ参加中にナイフで切られ、病院に運び込まれたが、そこにもアムンがいて病院内で激しい暴行を
受けた」と証言した。  難民の伝手により、レバノン北部に潜伏中の反体制活動家とも会った。ダマスカス近郊のキスウ
ェという町の反体制指導者だった大学教授で、秘密警察に追われてちょうどレバノンに逃げてきた
ばかりだった。絶対に身元は明かせないというその活動家は、怒りに震えながら、こう断言した。
 「大量殺人を命じた責任者はアサドだ。彼を権力の座から引きずり降ろすまで、シリア国民は決
して諦めない」 反政府活動を世界に発信するイドリビー氏の試み  首都ベイルートでは、シリア国内のデモを主催・調整している「シリア地域調整委員会」の公式
スポークスマンであるオマル・イドリビー氏を取材した。反体制派の幹部のほとんどは、家族に累
が及ぶのを恐れて実名を公表していないのだが、ホムス出身ですでに人権活動家として身元が割れ
ているイドリビー氏は、アルジャジーラにたびたび登場するなど、実名で活動する数少ないリーダ
ーのひとりだった。  筆者は同委員会の公式フェイスブックを経由してイドリビー氏と接触したが、やはりシリア秘密
警察に狙われているということで、市内の隠れアジトでの会見となった。  イドリビー氏は、反政府デモの当初から“仕掛け人”として関わっていた。YouTubeを活用するこ
とは以前から仲間たちと計画していたことで、彼自身が3月15日のダマスカスの最初のデモに参加し
、その様子を隠しカメラで撮影してネットにアップしていた。  その後、秘密警察に追われてベイルートに拠点を移したが、彼はそこで、シリア国内から持ち出
されてくる映像を精査し、YouTubeにアップしたり、国際メディアに提供したりする活動を続けてい
た。  筆者にとって意外だったのは、彼らはネットの迂回路か衛星回線を通じて映像データを持ち出し
ているのかと想像していたのだが、実際には仲間たちが毎日のように密入国を繰り返し、自らの手
でデータを持ち出しているということだった。  その頃、シリアでは軍からの末端兵士の離脱が相次いでいて、反体制派の中からも武装闘争を主
張する声が高まっていた。イドリビー氏はそれに対して「内戦になれば、さらに大きな犠牲が出る
」として反対の論陣を張っていた。彼はあくまで平和的なデモを続け、その様子をインターネット
で世界に発信することで国際社会を動かし、アサド政権の自壊を誘引するというソフトランディン
グを主張していた。  しかし、今から思えば、結果的には彼の望んだ方向には状況は動かなかった。デモはその後も続
けられたが、アサド政権はただ弾圧を徹底するだけだった。独裁体制は揺らぐことなく、弾圧の犠
牲者はそれからも増加し続けた。 「論より証拠」の衝撃的な弾圧映像  ここまで読んで、筆者が一方的に反体制派に肩入れしすぎていると感じた読者の方も、おそらく
いることと思う。筆者がシリア問題に関して、このようなスタンスを取っているには、明確な理由
がある。あの国で現実に起きていることを、膨大な量のYouTube映像で確認しているからである。  もちろん反体制派の中にも、血気にはやる暴力的な若者が皆無だったわけではないだろう。しか
し、反体制デモが、アサド政権が言うような「一部のテロリスト」によるものなどでないことは、
シリア全土から毎日アップされる映像を見れば一目瞭然だ。一部にはアサド政権賛美の官製デモの
映像もあるが、「参加しないと命が危ない」デモと、「参加すると命が危ない」デモでは、どちら
が真実の声なのかは言うまでもない。  個々の映像の一つひとつは、たしかに“現実のほんの一部”であり、かつ“一方的な視点”から
のものだが、それが毎日、何十点もの数で発信され続ければ、これはもう現実そのものであること
を疑う余地はない。筆者は昨年3月以来ほぼ毎日欠かさず数十点のこうした映像を見てきた。合計す
ればもう数千点になる。  論より証拠。すでに昨年春の時点で発信されていた映像を、何点か紹介しておこう。テレビのニ
ュースでは、数ある映像の中から、お茶の間でも流せる当たり障りのないものだけがセレクトされ
ているが、それでは現場のリアルが伝わらない。  いずれも衝撃的な映像だが、ぜひ一人でも多くの人に見ていただき、あの国で今、現在進行形で
起きていることを知っていただきたいと思う。
  下記の▽以下のタイトルは動画です ▽総合治安局による住民襲撃(2011年3月22日・ダラア) ▽撃たれた犠牲者(4月8日・ダラア) (注:残虐なシーンがあります。流血が苦手な方は見ないでください) ▽総合治安局に暴行を受ける住民(4月9日・ダラア) ▽弾圧する治安部隊(4月9日・ダラア) ▽装甲車に立ち向かう若者たち(4月13日発信・バニアス) ▽犠牲者を救出(4月22日・バイヤーダ) ▽犠牲者を救出(4月22日・ザマルカ) (注:残虐なシーンがあります。流血の苦手な方は見ないでください) ▽住民弾圧(4月22日・イズラア) (注:筆者がもっとも衝撃を受けた映像です。シリアで起きている現実をこれほど強烈に語る映像
はありません。ただし、きわめて残虐なシーンがありますので、流血が苦手な方は絶対に見ないで
ください) ▽反政府大集会(4月28日・ジャアシム) ▽銃撃される住民(4月29日・ホラン) (注:残虐なシーンがあります。流血の苦手な方は見ないでください) ▽デモ隊 vs 治安部隊(4月30日発信・ホムス) ▽デモ隊 vs 軍(5月20日・ホムス) ▽発砲する治安部隊(5月20日・ハマ)