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折々の記 2015 ⑦
【心に浮かぶよしなしごと】

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【 05 】09/04

  09 04 信用紙幣から確実な金の保有へ   金塊を取り返すドイツ
  09 06 極端化する気象   ~海と大気の大変動~

 09 04 (金) 信用紙幣から確実な金の保有へ     金塊を取り返すドイツ

ただ信用によって成り立つ不換紙幣より、ドル崩壊が来るとわかれば何処の国の人も金を保有したいと願うでしょう。

それは当然です。 だが、ドルの決済が通常であれば運用上ドル紙幣の保有となる。

やがては、日本としてのドル立金融決済は元立て金融決済へと移行していくことになる。 それが企業家や経済学者の金融システム変動の予想でもあった。

とうとうそれが2015年に始まってきた。 安定するまでは今までにない経済変動の嵐が続くと思われる。

国家による金の保有が、課題として浮かび上がってきた。 国益の考えに基づいた主張である。



国際ニュース解説
金塊を取り返すドイツ
     世界はどう動いているか
     2012/11/06
     http://tanakanews.com/121106gold.php

 ドイツ政府は、米国政府に次いで世界で2番目に多くの金地金を保有している。独政府は3400トンの金を持ち、金融資産の72%が金だ。(米政府は約8100トンの金地金を持ち、政府資産の75%を占める。日本政府は765トンの金地金を持ち、世界第9位だが、政府資産に占める金の比率は3%しかない。欧州の主要国の多くは、金地金の比率が7割以上だ) (World Official Gold Holdings as of August2012)
世界各国の金保有量と外貨準備高   http://jun-kin.info/603/
 ドイツは膨大な金を保有するが、その大半は外国に置かれている。第二次大戦の敗北以来、戦勝国の米英仏の中央銀行が、ドイツ政府の金地金で預かっている。この預託は冷戦期に「ソ連軍がドイツに侵攻して金塊を奪うかもしれないので、米英などが預かっている」という名目で続けられた。独政府(中央銀行である独連銀)が所有する金地金のうち、66%を米連銀(FRB)、21%をイングランド銀行、8%をフランス銀行が預かってきた。独本国には5%しかないことになる。 (Bundesbank slashed London Gold holdings in mystery move)

(別の記事では米に45%、英に13%、仏に11%、独本国に31%となっている) (Bundesbank's Official Statment On Where It's Gold Is (And Isn't))

 米当局は、ニューヨーク連銀の地下金庫と、ケンタッキー州フォートノックスにある財務省管理の金地金保管所で、ドイツだけでなく世界各国の金塊を預かっている。だが米当局は、金相場を操作する目的で、預かっている金塊を民間銀行に貸し出して売却しているという見方が、以前から根強く流布している。 (操作される金相場)(James Turk - The Entire German Gold Hoard Is Gone)
(操作される金相場)   http://jun-kin.info/603/

【2008年11月7日】 金相場が下がっている限り、世界の資金は金地金の方に向かわず、ドル崩壊の引き金を引きかねない金高騰は防がれている。とはいえ、連銀が奨励する金キャリー取引がいつまで続くか、大きな懸念が存在する。懸念の一つは、世界的な不況突入で、米欧を中心に政策金利の引き下げが続いていることだ。利下げは、投資利回りの全般的な低下につながり、金キャリー取引の利ざやを縮小させる。


 ニューヨークやフォートノックスには、本物の金地金の代わりに、金と比重がほとんど同じであるため穴を開けないと真贋を判定できないタングステンを真ん中に詰めた地金が置かれているという推測もある。 (Fake Gold Bars in Fort Knox!)

 米連銀は毎年、独連銀に対し、預かっている金地金が本当に存在していることを示す報告書を送っている。だが戦後65年間、独政府の関係者で米NY連銀の地下金庫にあるドイツの金塊を実際に見せてもらった人はいない。毎年、米国から「証書」は送られてくるものの、金塊が実際に存在することを物理的に確かめた人は独側にいない。ドイツの議員が独連銀に対し、訪米してNY連銀にドイツの金塊を見せろと要請するので支持してくれと頼んだが、断られた。 (Germany Parliament denied access to Germany's gold to confirm it is there)

 米当局はドイツだけでなく、あらゆる国からの物理的な金の存在確認の要請を断り続けている。米議会ですら、共和党のロン・ポール議員らがずっと前から「NY連銀やフォートノックスに本当に金地金が存在するかどうか確かめる必要がある」と米当局に要請して断られ続け、昨年ようやく議会で米連銀を査察する法律が通り、連銀査察委員会が作られて作業を開始している。 (What's in your vault? Uncle Sam audits its stash of gold at the New York Fed) (ロン・ポールが連銀をつぶす日)
(ロン・ポールが連銀をつぶす日)   http://tanakanews.com/1001224RonPaul.php

【2010年12月24日】 ドルや米国債に対する国際的な不信感は強まっている。米下院議員のポールは「連銀は、私が潰す前に自滅しそうだ」と述べている。ポールらが議会で、連銀に情報開示させることに少し成功するだけで、連銀にとって不都合な事情が世界に暴露され、ドルと米国債に対する不信が強まる。今は、不信感が米国債の金利高騰など破綻的な状況に結びつかず、潜在的な状態にとどまっているが、不信が一定以上に強まると、ある時点で一気に顕在化し、破綻的な状況が突然に起こりうる。ポールは、その引き金を引く可能性がある。そして、連銀不要論を主張してきたポールは、それを望んでいる。


 金融界の「専門家」たちはこぞって「金地金が本当に当局の金庫内にあるかどうかは全く重要でない。金地金が財務諸表に計上されていれば、それで十分だ」と「権威ある」主張を展開し続けている。金融界は「紙切れ」に価値がある、資産は金地金でなく債券や株で持った方が良いと人々に信じ込ませて儲け続ける業界だから、金融界の人々が「金地金の物理的存在より、紙面上の存在の方がずっと重要だ」と言うのは当然だ(日本でも戦後の高度成長を体験した年寄りほど、株や債券を崇拝し、金地金を蔑視する)。 (Actual Existence of Gold Reserves is Irrelevant, It's the Bookkeeping That Matters!)

 米当局の金庫は金塊が棚の番号で管理され、どの棚にある金塊が誰の所有であるかは、ごく一部の当局者しか知らない。米当局は、ドイツの代表が来たら棚を見せて「これがドイツの金塊です」と言い、イタリアの代表が来ても同じ棚を見せて「これがイタリアの金塊です」と言うことができる。ドイツ側が金塊について真の安心を得るには、金塊を米国から引き揚げて自国に戻すしかない。 (The Germans Are Coming for Their Gold)

 根強い憶測の流布を受け、ドイツの議会では昨年から、米国に預けている金塊を取り戻すべきだとか、在米の金塊がタングステン入りでなく本物であるかどうか調べるべきだという主張が強まっている。議会の声を受けて昨年、ドイツの会計検査院(Bundesrechnungshof)が、独連銀に対し、米国に預けてある金塊の存在や真贋性を定期的に確認するよう求めた。だが独連銀は「世界の中央銀行の業界では、そのような慣行が存在しない」という理由で拒否した。 (Checking the Vaults Germans Fret about Their Foreign Gold Reserves)

 ユーロ危機でドイツは資産保全の必要性が高まっている。今秋には、連銀がドル増刷による債券買い支え政策(QE3)を事実上無期限で続けることを決めた。ドルが「紙切れ」になる危険が増し、米当局が紙切れを防衛するために金地金の価値を意図的に引き下げ続ける疑いも増している。米国でさえ、共和党が金本位制への復活を検討する委員会を作った。ドイツが金塊を米国に預けたまま確認もしない現状に対する懸念が、ドイツの政界や言論界で強まっている。 (◆金地金の復権) (West in a `Colossal Mess' in Five to 10 Years: Marc Faber)

(◆金地金の復権)   http://tanakanews.com/120830gold.php

【2012年8月30日】 米共和党が、通貨体制を金本位制に戻すべきかどうかを議論する金委員会の設置を決めた。刷るだけで価値を生む国債や通貨を失いたくない先進諸国の政府と金融界は、紙幣にとって価値のライバルである金地金の役割をできるだけ下げ、金本位制の復活を避けてきた。だが、リーマン倒産以来の金融不安定化を受け、金地金の価値を再重視せざるを得なくなっている。米金融界がバブルの再膨張という危険なやり方で延命しているので、金地金復権の傾向が今後も続くだろう。


 このような情勢下、独会計検査院は10月下旬、独連銀に対し、米国に預けた金塊を定期的に検査するよう求める報告書を再び出した。こんどは、今後3年間に150トンの金塊を米当局から返してもらい、それがタングステン入りでなく本物であることを確かめる作業をすることも独連銀に求めている。報告書では、独連銀が2000-01年に、英国の中央銀行に預けてあった金塊のうち3分の2にあたる940トンを独本国に返還させていたことも暴露され、独連銀自身が金塊の国内保有を好んでいることが明らかにされた。 (Why Did The Bundesbank Secretly Withdraw Two-Thirds Of Its London Gold?)

 独連銀は、会計検査院と見解が違うと表明し、要求を断る姿勢を改めて示した。独連銀は在米金塊を査察しないかもしれないが、少なくともドイツが米国に金塊を預けたままだと危険だということが、広く知られることとなった。 (Bundesbank Disagrees With Audit Court’s View on Gold Reserves)

 ドルの基軸通貨性が崩れていることを受け、世界各地の政府が、外国に預けてある金塊を取り戻す動きをしている。ベネズエラは英国中銀から金塊を回収したし、ルーマニアは戦後の共産化とともにソ連に預けさせられた金塊をロシア政府から取り戻そうとしている。スイスやオランダでも、米国などに預けた金塊を回収すべきだという政治家が出てきている。 (The Emperor Has No Gold)

 こうした流れは、いずれ世界的な「金の取り付け騒ぎ」を引き起こすかもしれない。民間の投資家も、独政府と同様、金地金を買って保有したつもりでも、実際に現物の金地金を手にすることはなく、証書だけ受け取る場合が多い。ETFなどの債券だけでなく、金の現物を商社から買った人も、ほとんどが商社の金庫に預けたままだ。米当局が、地金相場を引き下げるために預かった金地金を空売りしてきたのなら、全世界の政府や人々が保有している金地金の総量よりも、実際に世界に存在する金地金の総量がはるかに少ないかもしれない。あとから現物を引き出す人々は現物を受け取れず、紙切れの世界から離脱できなくなる。 (操作される金相場(2)) (Celente - It's Not Just Germany's Gold That's Missing)
(操作される金相場(2))   http://tanakanews.com/100405gold.php

【2010年4月5日】 従来は、ドルや債券といった「紙」の証券に対する強い信用が世界的にあり、金地金を物理的に手元に置きたい所有者は少なかった。しかし、すでにドルや債券に対する信頼が揺らぎだし、今後さらに信頼が崩れそうだ。金地金を手元に置かないと安心できない人が増え、金の債務不履行が起こりうる。それが起きるときには、紙幣を含む証券への信頼が減っている。地金業者は「金地金が足りないので、代わりに現金で払います」と言うだろうが、現金が信用できないから金地金を手元に置きたいと思う人々は拒否し「紙切れは要らない。金地金をくれ」と怒るだろう。これは「金の取り付け騒ぎ」である。


 ドイツで金塊の回収が取り沙汰されているのと対照的に、同じ敗戦国の日本では、日銀などが保有する自国の金塊の保全について全く話題にならない。日本政府の金地金保有はドイツの5分の1の765トンしかないが、その全量が日銀の金庫にあるとは限らない。そもそも日本政府の金融資産のうち金地金は3%にすぎず、今後もしドルや米国債が大幅減価した場合の資産保全ができていない。

 今のところ米国債は、米連銀のQE3によって高止まりしているが、これは裏でドルを増刷しているからであり、危険なバブルの拡大である。官僚機構に蚕食された日本の民主党政権は、米連銀の自滅的なドル増刷に合わせて、日銀に圧力をかけて円増刷の量的緩和を加速させている。次の首相を狙う自民党の安部晋三は、日銀の量的緩和を加速させると宣言しており、これまた官僚機構にしっぽを振る対米従属派だ。
(BoJ independence called into question)

 中国政府は米国債を買い控えているが、その分を埋めるように、日本政府は米国債を買い増している。日銀の量的緩和で円安を維持できれば日本企業が助かるから良いと言われてきたが、恩恵を受けるはずの日本企業はどんどん業績が悪化し、消えていきかねない。シャープが5年以内に倒産する確率が95%だ(CDSの値なので恣意的な部分があるが)。 (Japan closes on China in US bond holdings)

 つるべ落としの日本と対照的に、中国経済は不況を脱しつつあると米英紙が報じている。中国は今年、米国を抜き、世界から最も多額の投資を集める国になっている。中国政府は2015年までに、国際的なブランド商品を百種類、国内的なブランドを千種類にするとの目標を掲げている。これが達成できるとは限らないが、日本の製造業が魅力的な新製品を出せなくなるのと対照的に、中国の製造業が急速に力をつけているのは確かだ。 (China Edges Out U.S. as Top Foreign-Investment Draw Amid World Decline) ('Brand US' key to pivot in Asia)

 中国が嫌いな日本人ほど「中国なんか大したことない」と豪語するが、そうした態度は間抜けだ。米英日のマスコミには、中国が政治経済社会のいずれかの面で崩壊するとの予測がしばしば載るが、これは「ユーロはもうおしまいだ」という論調と同様に、米英の危機を意図的に見ず、米英に対抗しそうな中国やEU(独仏)のマイナス面を誇張して報じている米英覇権の維持策であり、鵜呑みにすべきでない。中国が嫌いな日本人ほど、経済や国際政治の面で中国が力をつけていることを直視し、それに負けない日本を作るにはどうしたらいいかを考えねばならない。 (China's manufacturers return to growth)

 “中国は、人民元による貿易決済を拡大し、元をドルに代わる東アジアの基軸通貨にしようとしている最近まで中国はこの戦略について沈黙し「元がドルに取って代わる」という見方はもっぱら欧米の分析者の発信だった。だが最近では中国政府系のマスコミが「ドルを放棄して代わりに人民元を使う動きがアジアで広がり、元圏ができている」と報じている。中国政府は、経済面で国際的な影響力を拡大する官庁(Department of International Economic Affairs)を新設することも決めた。中国が東アジアの地域覇権を顕在化するとともに、日本の力が急落している。最近の日本では、国連安保理の常任理事国になろうという意志もすっかり薄れている。” (Asian economies turn to yuan) (China's economic power mightier than the sword)
【諫言】

日本の国会議員は与野党をとわず “…上節…”のこの田中宇の解説内容をなんと読み解くのでしょうか!!
井の蛙となりはてて大海を知らず、「知識ヲ世界ニ求メ、大ニ皇基ヲ振起スヘシ」を忘れ、議論すべきことの大系や軽重よそに、チマチマの烏合の衆と化しているのではないか?
世界の混沌とした様相を呈しているのに、道義のバックボーンもなく得手勝手の国益に基づく議論に明け暮れしている。
日本には伝統的な素晴らしい精神文化があったのではないか!! 二十一世紀を迎えての対応の仕方を創りあげなければ恥ずかしいことになる。


(中国政府の金保有は1054トンで日本より上の世界第6位だが、政府の金融資産に占める金地金の比率は日本よりさらに低い1・6%だ。中国政府は金地金を買いあさっているが、保有はなかなか増えない。中国が金本位型の国際通貨を発行する構想があると報じられたが、それが現実である可能性は低い。ただし中国は、民間の金保有量が多い) (China Is Quietly Becoming Gold Superpower) (China Launching Gold Backed Global Currency)

 中国の経済台頭と対照的に、日本だけでなく米国の経済的な衰退も激しくなっている。米国では、この10年間に約100万人の雇用が増えたが、その大半は財政赤字を増やして公的機関が雇用したもので、民間の雇用は43万人しかない。しかもその多くは、飲食業の給仕や福祉要員など、比較的付加価値の低い業種だ。付加価値が高い建築家と技術者は、合計で10年間に5万人弱しか増えていない。給仕が120万人、福祉要員が309万人増えたのと対照的だ。このままだと米国は20年後に発展途上国になる。(職業に貴賎はなく、先進国と途上国の間にも貴賎はないというリベラルな価値観に立てば、これで良いのかもしれないが) (America R.I.P.)

 米国では貧困層の人口が増え、国民の3分の1が生活保護(フードスタンプ)など何らかの公的補助に頼っている。4年前は、この比率が5分の1だった。米国は今年末に「財政の断崖」を控え、米国債の格下げが「あるかどうか」でなく「いつ起きるか」という話になっているとも指摘されている。そもそも、米英の経済覇権維持機能の一つだった3大格付け機関の間で仲間割れがひどくなっている。半面、米英覇権構造から外されている米国のイーガンジョーンズ、中国の大公、ロシアのルスレーティングという米中露の格付け機関が連携を強めることにしたとの報道もある。 (Barack Obama and America's decline) (War of words erupts among rating agencies) (New Sino-Russian agency to challenge Moody's, Fitch, and S&P)
【諫言】

ピケティ理論は確実に現前してくる。 悪徳の権威が横行する世の中へすすんでいく。
黄金律を学んだり、おもてなしの心に寄りそって、清廉潔白の幕をひきたいものです。


 このように米英の経済覇権が揺らぐ中で、ドイツが米英から金地金を引き出す試みが展開されている。同時に、日本は対米従属に固執しているがゆえに、政治経済の両面で行き詰まっている。


 09 06 (日) 極端化する気象     ~海と大気の大変動~


NHKスペシャル 巨大災害 第1集「極端化する気象~海と大気の大変動~」

チャンネル[総合] 2015年9月5日(土) 午後7:30~午後8:45(75分)
ジャンル    ドキュメンタリー/教養>社会・時事
         ドキュメンタリー/教養>ドキュメンタリー全般
         ニュース/報道>報道特番
番組内容   猛暑や記録的な雨など、気象が“極端”になり始めている。地球に仕組まれた
         「振り子」のような変動が幾つも重なることで極端になっているのだ。
         司会タモリで徹底解明する。
出演者ほか  【司会】タモリ,久保田祐佳,【ゲスト】東京大学教授…木本昌秀,【語り】武内陶子
詳細       統計開始以来の高温や記録的な降水量など、気象の変化が“極端”になり始めている。
         原因は、地球に仕組まれた「振り子」のような大気や海の変動がいくつも重なったため
         であることが明らかになってきた。一方、木の年輪を数千年分解析する研究プロジェクト
         は、過去の日本を襲った「大変動」の存在を突き止めた。今後、温暖化によって、異常
         気象が頻発するのではないか。大変動が襲うとき何がおきるのか。
         司会・タモリで徹底解明する

9月06日(日) 午後9:00~午後9:50 総合(011)
         NHKスペシャル 巨大災害 第2集「大避難~命をつなぐシナリオ~」
9月09日(水) 午前0:10~午前1:25 総合(011)
         NHKスペシャル 巨大災害 第1集「極端化する気象~海と大気の大変動~」
9月11日(金) 午前1:30~午前2:20 総合(011)
         NHKスペシャル 巨大災害 第2集「大避難~命をつなぐシナリオ~」
用語解説

MJO 検索 

① マッデン・ジュリアン振動 wikipedia
     https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%83%E3%83%87%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%B8%E3%83%A5%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%B3%E6%8C%AF%E5%8B%95

マッデン・ジュリアン振動(Madden Julian Oscillation:MJO)とは、熱帯赤道域上空で対流活動が活発な領域(大気循環場)が約1~2か月かけて東に進んでいく現象で、大気振動のひとつである。その周期は30-60日程度で、「振動」のように繰り返し発生している。「30-60日振動」や「赤道季節内変動」とも呼ばれる。

実際の天候としては、インド洋西部から太平洋西部にかけての熱帯域における降雨パターンの変化として現れる。この地域では普段から上空で偏西風と偏東風がぶつかりあい、積乱雲(雷雨)が多発しているが、その活動は上空の大気の状態に左右される。典型的なパターンでは、インド洋西部で「平年より雨の多い湿った領域」と「平年より雨の少ない乾いた領域」が対になって出現し、ゆっくりと30-60日程度かけて東に移動していき、太平洋西部に達すると消散する(対流活動の弱い太平洋東部では現れない)と同時に、再びインド洋西部で2つの領域が出現するという推移をたどることが多い。まれに、太平洋東部で消散せずに大西洋を越えて地球を一周することがある。

モンスーンやエルニーニョ・南方振動(エルニーニョおよびラニーニャの総称。略称ENSO)の発生に大きく関与しているとされている。マッデン(Madden)とジュリアン(Julian)により1972年に発表され、現象名は発表者らの名前から付けられた。

② MJOとは? - jamstec
     http://www.jamstec.go.jp/iorgc/cindy/cindy2011_j.html

一般向けCINDY2011関係情報

ここでは、一般の方向けに、我々の今年度のプロジェクトであるCINDY2011に関する日本語の情報を載せています。最新の関係論文リストも含めた研究者向けの日本語での情報は、こちらにおいてあります。本Webに関してのお問い合わせは、Topページを参照して下さい。

【註】わかりやすい画像が載せられています。
  上図:MJOがインド洋で発生し、発達しながら西太平洋まで移動していく様子が模式的に描かれている。
  下図:MJOの影響について模式的に描かれている。

 0.MJOとは?

MJOは、正式にはマッデン・ジュリアン振動(Madden-Julian Oscillation)といいます。米国の研究者のRoland MaddenとPaul Julianが、1971年に発見したのでこう呼ばれます。日本が位置する中緯度域では日々の天気は高・低気圧によって左右されますが、赤道域ではこのMJOが重要な役割を果たします。MJOの特徴として、(1)ゆっくりと東向きに進む数千km(数10°)の大きさを持つ雲の群れ(雲群)、(2)雲群は主にインド洋で発生し、西太平洋の暖かい海水面上でだけ見られる、(3)同じ場所では30-60日程度の周期で現れる、等が挙げられます。

 1.MJOは何をしているの?

MJOは熱帯の日々の天気に大きく影響を与えています。それだけでなく、低緯度域における季節(卓越風:モンスーン)の入れ替わりにも関係していますし、エルニーニョ現象の発生・終息や、熱帯低気圧発生への関係も明らかになっています。そうしたことから、MJOは、地球規模での気候や異常気象にも影響を与える現象として注目されています。

 2.MJOの何が分かっていないの?

これまでMJOに関して数多くの研究が行われてきました。しかし、(1)大規模な雲群がどのようにインド洋上でで出来上がるのか、(2)出来上がった雲群が、どうしてゆっくりと東向きに進むのか?、等の基本的な問題点が未だに解明されていません。その理由の1つとして、熱帯海洋上での観測データが圧倒的に不足していることが挙げられます。また、MJOに関する我々の理解不足を反映して、日々の天気予報等で使われる殆どの数値モデルで、MJOを適切に再現することができず、大きな問題となっています。

 3.CINDY2011では何をするの?

MJOの発生海域であるインド洋において現場観測を行って、上記の疑問である、「MJOに伴う大規模な雲群がどのようにインド洋上で出来上がるのか」を明らかにしようと考えています。観測には、JAMSTECの観測船「みらい」を使いますが、1地点だけでは得られる情報に限りがありますので、米国NOAAの観測船や、アフリカから西太平洋までの赤道に沿った陸上観測地点(ケニアのナイロビからパプアニューギニアのマヌス島まで)と協力しながら、広い範囲でのできる限り緻密なデータを取ろうとしています。

③ ミニ講座「MJOってなんだ?」を公開しました | 気象予報士講座 ...
     【註】動画 15'09"にわたる講座によるわかりやすい解説です。
     http://tenki.elearning.co.jp/?p=1039

マッデン・ジュリアン振動は、主に熱帯インド洋の上空において、水平規模が数千キロに達する雲の群れが1~2ヶ月に一度の割合で発生し、赤道に沿って5毎秒メートル程度のスピードで太平洋に東進する現象です。
マッデンさんとジュリアンさんが見つけてから40年、MJOの構造とか影響はなんとなく分かってきたがなぜ東進するのかわかっていないそうです。

てんコロ. ミニ講座は、試験勉強の合間に気楽な気持ちで眺めたり、特に気象予報士を目指すわけではないけど気象の事は気になる人向けのコンテンツです。

教科書的に、何かを一方的にお伝えするというよりも、わかっている事、わかっていない事などをそのままお伝えしているので、興味を持たれた方が、そこからさらに踏み込んでいろいろ調べて見るような、そんなきっかけになれば幸いです。

素軽い気持ちでお楽しみください。

尚、ミニ講座のMJO編 次回は、茂木耕作さんにお話を聞いてみようと考えています。

赤道西風 検索

03a 森林の思考・砂漠の思考〈砂漠の成因〉
     http://www2u.biglobe.ne.jp/gln/77/7727/772703a.htm
   
   GLN から こんにちは
      http://www2u.biglobe.ne.jp/~gln/
   77 悠久 → メニュー表示
       http://www2u.biglobe.ne.jp/~gln/home77.htm
   [7727]森林の思考・砂漠の思考 収録データリスト  → 03 砂漠の成因 .
       http://www2u.biglobe.ne.jp/~gln/home77.htm
   03 森林の思考・砂漠の思考〈砂漠の成因〉  → [次へ進んで下さい]
   03a 森林の思考・砂漠の思考〈砂漠の成因〉

△赤道西風の発見

 前線或いは前線帯に沿って雨が降るのは,それによって分かたれる二つの空気のうち,何れかが,前線に沿って上昇し凝結するからですが,雨を起こすためにはその上昇する空気が湿っていなければなりません。従って,雨の原因が前線帯であると云っても,それはやや一般論で,具体的には,それぞれの場所における空気の湿り具合が問題になります。
 本稿の焦点となる,ユーラシア大陸(アジア・ヨーロッパ)南部とアフリカ大陸北部について云いますと,赤道西風と云う,非常に湿った空気の存在が極めて重要な意味を持っています。

   赤道西風とは,丁度赤道付近に赤道反流と呼ばれる小さい海流が存在するように,大気の中にも,昔から貿易風と呼ばれた東寄りの風に挟まれて存在する,小さい西からの風の流れで,1945年に発見されたものです。
 従来の説明としては,北東貿易風と南東貿易風とが赤道付近でぶつかって,上昇気流を起こし,雨を降らせると云うことでした。新しい発見は,その両貿易風の間に挟まれて細い西風の流れが存在し,ぶつかるのは,貿易風と貿易風ではなく,貿易風とその西風であると云うことです。
この赤道西風は,最も緯度が低い処にあるのに,貿易風よりも気温が低い。従って,貿易風とぶつかると上昇するのは貿易風で,赤道西風はその下に潜り込んでしまいます。ですから,貿易風の方が乾燥していれば,前線帯(この場合,正確には収束帯と云う)に沿っても雨は殆ど降りません。しかし,赤道西風は非常に湿っており,山があって上昇すれば直ぐ雨を降らせ,午後の日差しが強くなって上昇気流が生じても雨を降らせます。従って,前線帯が来ただけでなく,赤道西風の中に入ることによっても雨季になるのです。

   例えば夏,アフリカのサハラ砂漠の南側付近からの赤道西風は,エチオピアを経てインドに吹き込んで,いわゆる夏モンスーンの雨をもたらせています。インドのモンスーンが,これによって説明されるように,赤道西風は,大気全体から見ると比較的小さい流れですが,低緯度から中緯度の一部の地表にとっては,極めて重要な意味のある風系なのです。

エルニーニョ 検索

① エルニーニョ/ラニーニャ現象とは 気象庁
     http://www.data.jma.go.jp/gmd/cpd/data/elnino/learning/faq/whatiselnino.html

 1.エルニーニョ/ラニーニャ現象

 エルニーニョ現象とは、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米のペルー沿岸にかけての広い海域で海面水温が平年に比べて高くなり、その状態が1年程度続く現象です。逆に、同じ海域で海面水温が平年より低い状態が続く現象はラニーニャ現象と呼ばれています。ひとたびエルニーニョ現象やラニーニャ現象が発生すると、日本を含め世界中で異常な天候が起こると考えられています。

図1 1997年11月の月平均海面水温平年偏差(左)及び、1988年12月の月平均海面水温平年偏差(右)

 図1は典型的なエルニーニョ現象及びラニーニャ現象が発生している時の太平洋における海面水温の平年偏差の分布を示しています(平年値は1981〜2010年の30年間の平均;赤が平年より高く、青が平年より低く、色が濃いほど平年偏差が大きいことを表します)。左の図は、1997/98エルニーニョ現象(1997年春に発生、1998年春に終息)が最盛期にあった1997年11月における海面水温の平年偏差、右の図は1988/89ラニーニャ現象(1988年春に発生、1989年春に終息)が最盛期であった1988年12月における海面水温の平年偏差です。日付変更線(経度180度)の東から南米沿岸にかけての赤道沿いで、赤あるいは青の色が濃く、海面水温の平年偏差が大きくなっています。

 2.エルニーニョ/ラニーニャ現象に伴う太平洋熱帯域の大気と海洋の変動

図2 エルニーニョ/ラニーニャ現象に伴う太平洋熱帯域の大気と海洋の変動
平常時の図  エルニーニョ現象時の図  ラニーニャ現象時の図

  平常時の状態

 太平洋の熱帯域では、貿易風と呼ばれる東風が常に吹いているため、海面付近の暖かい海水が太平洋の西側に吹き寄せられています(図2上)。西部のインドネシア近海では海面下数百メートルまでの表層に暖かい海水が蓄積し、東部の南米沖では、この東風と地球の自転の効果によって深いところから冷たい海水が海面近くに湧き上っています。このため、海面水温は太平洋赤道域の西部で高く、東部で低くなっています。海面水温の高い太平洋西部では、海面からの蒸発が盛んで、大気中に大量の水蒸気が供給され、上空で積乱雲が盛んに発生します。

  エルニーニョ現象時の状態

 エルニーニョ現象が発生している時には、東風が平常時よりも弱くなり、西部に溜まっていた暖かい海水が東方へ広がるとともに、東部では冷たい水の湧き上りが弱まっています(図2中)。このため、太平洋赤道域の中部から東部では、海面水温が平常時よりも高くなっています。エルニーニョ現象発生時は、積乱雲が盛んに発生する海域が平常時より東へ移ります。

  ラニーニャ現象時の状態

 ラニーニャ現象が発生している時には、東風が平常時よりも強くなり、西部に暖かい海水がより厚く蓄積する一方、東部では冷たい水の湧き上がりが平常時より強くなります(図2下)。このため、太平洋赤道域の中部から東部では、海面水温が平常時よりも低くなっています。ラニーニャ現象発生時は、インドネシア近海の海上では積乱雲がいっそう盛んに発生します。 エルニーニョ現象時の状態

 3.エルニーニョ・南方振動(ENSO)

図3 ダーウィンと世界各地の年平均海面気圧偏差の相関係数(x10)

 南太平洋東部で海面気圧が平年より高い時は、インドネシア付近で平年より低く、南太平洋東部で平年より低い時は、インドネシア付近で平年より高くなるというシ−ソ−のような変動をしており(図3)、南方振動と呼ばれています。南方振動は、貿易風の強弱に関わることから、エルニ−ニョ/ラニーニャ現象と連動して変動します。このため、南方振動とエルニーニョ/ラニーニャ現象を大気と海洋の一連の変動として見るとき、エルニ−ニョ・南方振動(ENSO:エンソ)という言葉がよく使われています。

② エルニーニョ現象発生時の日本の天候の特徴 気象庁
     http://www.data.jma.go.jp/gmd/cpd/db/elnino/learning/tenkou/nihon1.html

エルニーニョ/ラニーニャ現象は日本の天候に様々な影響を及ぼします。ここでは、エルニーニョ現象発生時に現れた日本の天候の特徴を、季節毎(春、夏、秋、冬、梅雨の時期)にまとめました。

なお、天候の特徴を示す気象要素は、1958年~2012年(冬は1958/59年~2012/13年)の55年間の出現率が等しくなるよう「低い」「並」「高い」などの階級に区分しました。図の中で統計的に有意な傾向が見られる地域には赤い帯をかけ、有意な傾向が見られる階級は黒太枠で囲って示しています。また、トレンドが明瞭な気温についてはトレンドの影響を除去する処理をしています。詳細な調査方法については、下のリンクをご覧ください。

調査方法について

ここでは季節別の天候の特徴を示しますが、各月を中心とした3か月間の平均の特徴についてもこのすぐ下のリンクからご覧になれます。

詳細版(月ごとの3か月平均図)を見る

エルニーニョ現象発生時の春(3~5月)の天候の特徴  詳細版では、3月、4月、5月の各月を中心とした3か月平均の特徴がご覧になれます。

【註】以下、多くの図が載っていて参考になる