折々の記へ

折々の記 2009 E

【心に浮かぶよしなしごと】

【 01 】07/15〜        【 02 】07/23〜
【 03 】07/26〜                    【 04 】教育問題のまとめ【その一】
【 05 】教育問題のまとめ【その二】        【 06 】教育問題のまとめ【その三】
【 07 】教育問題のまとめ【その四】        【 08 】教育問題のまとめ【その五】



【 04 】07/28

07 28(火) 今までの教育問題のまとめ【その一】

   2009 07 28(火)なぜ“今までの教育問題のまとめ”をすることにしたのか
   2002 08 31(土)学校五日制がもたらす問題?
   2002 09 13(金)一人一人の意見をもつこと
   2002 09 14(土)「目には目」の原則論理はどこへいった
   2002 10 08(火)転機の教育
   2002 10 13(日)続転機の教育
             「転機の教育」目次




2009 07 28(火)
なぜ“今までの教育問題のまとめ”をすることにしたのか

今度の選挙で民主党が政権を担当しそうです。
そうすると、日本の教育行政が大きく変わりそうです。
としますと、喬木村の教育は自分たちが主体になって教育の任に当たることになります。

だから、その準備です。

民主党が発表したマニュフェスト:22p以下の文教政策を見ますと、
次のような約束が書かれております。
(下記の青字部分は老生の着色です。)



国の責任と市町村の役割を明確にした教育制度を構築します。

(1)国は、義務教育における財政責任を負うとともに、「学ぶ権利」の保障について最終責任を負います(2)現行の教育委員会制度は抜本的に見直し、自治体の長が責任をもって教育行政を行います(3)学校は、保護者、地域住民、学校関係者、教育専門家等が参画する学校理事会制度により、主体的・自律的な運営を行います。



教育行政における国(中央教育委員会)の役割は、(1)学習指導要領など全国基準を設定し、教育の機会均等に責任を持つ(2)教育に対する財政支出の基準を定め、国の予算の確保に責任を持つ(3)教職員の確保や法整備など、教育行政の枠組みを決定する――などに限定し、その他の権限は、最終的に地方公共団体が行使できるものとします。



地方公共団体が設置する学校においては、保護者、地域住民、学校関係者、教育専門家等が参画する「学校理事会」が主な権限を持って運営します。学校現場に近い地域住民と保護者などが協力して学校運営を進めることによって、学校との信頼関係・絆を深め、いじめや不登校問題などにも迅速に対応できるようにしていきます。こうした学校との有機的連携・協力が生まれることは、地域コミュニティの再生・強化にもつながります。



先進国中、著しく低いわが国の教育への公財政支出(GDP(国内総生産)比3.4%)を、先進国の平均的水準以上を目標(同5.0%以上)として引き上げていきます。学校教育に関連する公財政支出については、国内総生産に対する比率を指標として、予算の確保・充実の目標を定めなければならないとした規定を盛り込んだ「学校教育環境整備法案」が参議院で可決されました。引き続き同法案の成立を目指します。



すべての人たちにとって適切かつ最善な教育の機会を保障します。それぞれの発達段階および、それぞれの状況に応じた適切かつ最善な環境で学校教育を受けることができるよう、(1)多様な教育の機会を提供(2)よりきめ細やかな教育指導を実現(3)安全かつ快適な学校教育を実現(4)安全かつ容易な通学のための諸条件を整備(5)心身の健康、進学、職業選択等に関する相談体制を整備(6)情報化、国際化等社会の変化に対応した教育を充実(7)学習する機会が失われた人に再び学習する機会を提供(8)障がいを有する児童生徒等については、共に学ぶ機会の確保に配慮しつつ、その特別な状況に応じた教育を充実――などを盛り込んだ「学校教育環境整備法案」は参議院で可決されましたが、引き続き同法案の成立を目指します。



教員が職責を全うできるように、教員免許制度を抜本的に見直します。教員数を拡充するとともに、教員の養成課程は6年制(修士)とし、養成と研修の充実を図ります。教員が子どもと向き合う時間を確保し、教育に集中できる環境をつくるため、経済協力開発機構(OECD)加盟の先進国平均水準並みの教員配置(教員一人あたり生徒16.2人)を目指し、少人数学級を推進します。



高等学校は希望者全入とし、公立高校の授業料は無料化、私立高校などの通学者にも授業料を補助(年12万〜24万円程度)します。この内容を具体化した「高校無償化法案」は参議院で可決されましたが、引き続き同法案の成立を目指します。

義務教育就学前の5歳児の就学前教育の無償化を推進し、さらに漸進的に無償化の対象を拡大することによって、保護者の教育費負担の軽減を図ります。



すべての人が、生まれた環境に関わりなく、意欲と能力に応じて大学などの高等教育を受けられるようにします。現在、日本とマダガスカルのみが留保している国際人権A規約(締約国160カ国)の13条における「高等教育無償化条項」の留保を撤回し、漸進的に高等教育の無償化を進めます。



学生・生徒に対する奨学金制度を大幅に改め、希望する人なら誰でもいつでも利用できるようにし、学費のみならず最低限の生活費も貸与します。親の支援を受けなくても、いったん社会人となった人でも、意欲があれば学ぶことができる仕組みをつくります。具体的には、所得800万円以下の世帯の学生に対し、国公私立大学それぞれの授業料に見合う無利子奨学金の交付を可能にします。また、所得400万円以下の世帯の学生については、生活費相当額についても奨学金の対象とします。

今後は、諸外国の例を参考に、給付型の奨学金についても検討を進めます。



多様な教育機会を提供する私立学校の教育を充実するための私学助成を維持し、私立高校生に授業料を補助(年12万〜24万円程度)します。



学習指導要領の大綱化を促進します。設置者および学校の裁量を尊重し、地域・学校・学級の個別状況に応じて、学習内容・学校運営を現場の判断で決定できるようにします。



中学や高校などにおける教科書のデジタル化を進め、内容の充実を図ります。教科書採択にあたっては、保護者や教員の意見が確実に反映されるよう、現在の広域採択から市町村単位へ、さらには学校(学校理事会)単位へと採択の範囲を段階的に移行します。



小中学校に在籍する弱視の児童用の教科書が不足している現状を改善するため、民主党の提案を契機に、「教科書バリアフリー法」が成立しました。その内容は、(1)障がいのある児童生徒が使用する教科用図書に関する国や教科書発行者の責務の明記(2)障がいのある児童生徒が使用する拡大教科書等の法定化(3)拡大教科書の無償給与――などです。引き続きすべての子どもの学ぶ機会を保障する観点から、教科書のバリアフリー化に積極的に取り組みます。



子どもたちが、安全で安心な学校生活をおくることができるよう、学校安全対策を総合的かつ計画的に推進するため、「学校安全対策基本法」の成立を目指します。国や自治体が、安全基準策定や体制整備の責務・役割を積極的に担い、防犯(学校安全専門員の配置など)、防災、老朽化・事故防止、環境衛生(アスベスト対策含む)対策に万全を期します。



児童・生徒の学習・生活の場であり、震災時の防災拠点でもある公立学校施設の約3割が耐震基準を満たしておらず、老朽化による事故なども増加しています。学校施設の安全性を確保するため、耐震診断の義務付けと補強・改築費用の補助のかさ上げを図るなど危険校舎の改修促進のため「学校施設耐震化促進法案」を提出してきました。

こうした民主党の取り組みを契機に、「地震防災対策特別措置法の一部を改正する法律」が成立しました。今後とも、学校施設の耐震化に取り組み、子どもたちの安全を守ります。



いじめや不登校などの問題、進学・職業選択などの進路について児童・生徒が相談できる仕組みを充実させる必要があります。専門的知識をもって指導および助言を行う専門相談員を全国の小学校、中学校、高等学校等に配置するため、学校教育法を改正します。


<  以    上  >


こうした内容が文教政策に盛り込まれているのです。
実現の方向に向かうとすれば、住民がみんなで考えていかなくてはなりません。
行政機関に任せきることは私たちの目指す社会ではないのです。

日本人としての価値観を基本にすえた人を、教育によって育てあげる
そのことが今こそ望まれているのです。
それは歴史の中から汲み取ることができるものです。






08 31(土)学校五日制がもたらす問題?

 学校の五日制について、今夜、PTA・部落代議員・公民館役員の人たちの会合があって、地域での奉仕活動というか学習活動というか、要するに学校を離れての地域活動のあり方を協議するという。一体これは何を意図するのだろうか。勤労の実体験をねらってのことなのか、地域の人々との連帯意識の醸成なのか。

 例えば、花壇の世話をして地域の環境美化に協力することもいい。料理教室を開いて男の子も女の子も料理の実体験を身につけることもいい。土中生物の観察をしたり、河川の生き物の観察をしたりして、生命の尊さを網膜にインプットすることもいい。椋鳩十さんのお話の中から、紙芝居を作っていき、保育園の子どもたちに見せてあげるようにすることもいい。また、稲作やさつまいも作りを土日の休みのときに作業し、収穫祝いまでのサイクルを体験することもいい。

 教育面では学力の低下が心配されている。世界的にみても、教育は国家の将来のために力を入れるようになった国が多いのである。最近も朝日新聞に世界のこどもの学力検査の結果と、各国の対応などが載っていた。

 日本のいわゆる「ゆとり」教育というのは、ずくなしの子どもに迎合したきらいがある。戦後20年代の英語教科書と、30年代、それ以後「指導要領」改訂ごとに、学習内容は低下してきている。マンガ的にまでなっているのは、教科書としての気品はなく、アメリカ的な学習資料としての位置づけに惰してしまったと考えざるを得ない。

 知的レベルの向上が国の将来にとって大切であるとするならば、知的レベルの向上を狙っての教育方法や手段を検討すべきであろう。やはり国家百年の大計は人づくりにある、教育にある、と考えるべきだろう。

 ドイツの教育はどうなるのか見ものだろう。

 日本も二の舞にならんとも限らない。どうしたものだろうか、現状から何が生まれてくるんだろうか。円周率に代表されるように、世界からの笑いものになりそうである。ことは、そう簡単なわけではない。私学振興が急務といえば急務かもしれない。「赤信号、みんなで渡ればこわくない」式の間違った平等意識が戦後の日本全土を覆っている。困った現実である。いろいろの議論をかさねていって、そして、そして、その結論は、私学振興が急務であるということかもしれない。

 知的レベル向上という意味では、われわれは再度、吉田松陰を育てた玉木文之進やカール・ビッテを研究しなければならないし、グレン・ドーマンの手法やピアスの人間理解を研究しなければならない。

09 13(金)一人一人の意見をもつこと

 アメリカヤマゴボウ(帰化植物)

 赤みを帯びた黒紫色の実房が秋とともに垂れ下がって存在感を増してくる。北アメリカ原産の大形の帰化植物で、明治初期に渡来し観賞用に栽培されていた。

 高さが1〜2メートルにもなる。房と実は始めは青いが、色づいてくると房は赤くなり実は黒紫とな る。繁殖力が強く、山野に多くみられる。

 秋の七草を撮るつもりで出かけあちらこちら探しまわったけれど、ナデシコと藤袴の二つは、とうとう見つけられなかった。どうも七月か八月でないとだめかと思う。なにも、七草を揃えなくてはならないことはない。田中知事再選が決まった日に、天気がよかったので散策したくなって七草を狙っただけのことだった。七草の言い訳はこれまでとする。

9月11日はニューヨーク貿易センターへ航空機が突っ込んだテロ事件の一周年の日であった。この事件の分析をどのようにしたらいいのか、いまや世界の未来は政治家だけに任せておけない時代になった。実は「地球の未来をどうしていったらいいのか」という政治哲学を、私達一人一人が胸の中に形作っていかなければならない、そういう時代になっていると考えざるを得ない。

長野県政にしても、いまや県民一人一人の意見集約をすることが、どれほど緊急なことであるかが証明されたと言える。所属集団の代表者は、利害得失やら意見なり考え方なり、比較思考の上から自己主張を優先する体質になってしまったからである。

テロ問題についても、政治家の国家利益やら今までのしがらみに拘束されて、両方の一人一人の立場など無視された論議になることは、もうはっきり判っていることである。私たちは、両方の一人一人と手を取り合って膝を交えて語り合い、戦争のない地球の未来を考えていかなければならない。

09 14(土)「目には目」の原則論理はどこへいった

やっと朝夕涼しさを感ずるようになった。今年も暑くてやりきれなかった。
地球の温暖化がすすんでいるのは確かなことだ。海水の上昇、世界各地の洪水、日本各地の最高気温の更新、病原菌媒介の昆虫の高緯度への移動、こうした現象はおりおりにテレビでも放映されてきた。

地球温暖化防止世界会議の京都議定書はどうなっているのだろうか。熱心にその趣旨に賛同して政策を推進していこうとしているのはヨーロッパ諸国である。アメリカは人気を苦にするのか大統領の統率力は発揮されないでいる。哀れにも日本はアメリカに追従している姿勢である。

政治家はいろいろの思惑があって、というのは、財界からの利害計算からくる要望に左右されて、グズグズと議論をつづける癖がある。これはいただけないのである。こういう体質は日本もそうだし、長野県の議会議員もそうであった。議員の体質は旧制度の体質をそのまま受けていると言えよう。

フランス革命ではこの旧体制をアンシャンレジュームといった。アンシャンレジュームを打破するために国民一人一人が立ち上がり、自由の旗を振りかざして革命がすすめられた。変革にはいろいろの功罪もあった。

いま国内を見ますと、大企業が金ゆえに嘘をいい、とんでもない迷惑を多くの人たちに与えている。
枚挙に遑(いとま)なしとは、まさに今の日本のありさまであろう。
人々の最低の約束事、法律はどうなっているのだろうか。《罪と罰》この意識はどうなっているのか。罪にたいする罰が対応していないのではないのか。《目には目》という荒削りな法律の原則理論は、こんにちの法律理論のどこに活かされているのだろうか。文明という名のもとにひ弱な腰抜けになってしまい、国民の安全という最大の目標が外されてしまっているのではないか。

民事法は抜本的に、素人の考えを骨格にして、再構成すべきではないだろうか。国民の気持ちを救うための手立てを、どこに求めたらいいと言うのだろうか。今日的課題である。

10 08(火)転機の教育

朝日新聞10月6日(日)に「競争加速」“転機の教育”@が掲載された。
タイトルは【「脱画一化」各地でうねり】として第一面へ載せている。8面には教育特区を特集している。

昨年末にOECD(経済協力開発機構)初の学力調査によって、その結果が公表された。転機の教育というのは、それを受けて朝日新聞では連載第一期として<転機の教育>1〜4(04/06〜)を掲載、第二期として<ニッポンの学力>1〜13(07/21〜)を掲載、そして今回の第三期の<転機の教育>掲載となったのである。

第一期のデータは、下記アサヒコムのサイトから、「クラブA&A」に入会して“メールマガジン”で調べることができる。

第二期の「ニッポンの学力@〜L」は、次のURLで見ることができる。ぜひ一読したい。

http://www.asahi.com/edu/tenki/index.html (アサヒコム>教育>転機の教育)

私たちは、時の政権の行財政について関心を寄せることが大事な心がけであるが、百年の大系といわれる教育の方向性にもアンテナを張っておって情報収集を怠らないようにしたい。

ともかく、昨今は文部科学省の学校制度を変えたこと…五日制と学習量三割減…に対する非難の声が各地からまた各層からあがっていることは事実である。

「学力低下は国力低下を招く」このことはシンガポールの教育重視の理由を見ればそれが理解できる。今回の結果によるドイツの驚きよう(ドイツは20位よりあと)は私たちの想像を絶するといってもいいし、それだけにドイツが学力低下に関して緊急事態と認識し対応しているのは当然といえば当然のことである。いまや学力低下の問題は世界の第一級の緊急課題となっているといえよう。

日本はどうなんだろうか。

日本における教育の危機感を、私は次のように表現してもいいと思う。

@過去の素晴らしい藩校と現代の教育感覚

幕末から明治初期の藩校からは多くの異彩を放つ人物が輩出している。松下村塾であり、長野県でいえば高遠藩の藩校進徳館をみればわかる。当時の塾生または藩校の子弟は、正座して姿勢をただし書見台に本をおいて学んでいる。その気骨たるや「三歩下がって師の影を踏まず」が髣髴されるような気構えであっただろうと思う。その姿は今はない。
十一歳にして藩公の前で兵学を進講した松蔭をみて、「あんなに小さいうちから教育をすることはない」と評した人に対して、松蔭を養育した玉木文之進という人は、こう応えたという。「あなたは馬の調教を知らないのです」と。

A教科書のレベルダウン

戦後の英語の教科書について述べてみよう。
指導要領というものは、教育内容や方法などにわたり一定の基準を示したものですが、その指導要領の改訂のたびに、内容がレベルダウンしてきていました。実際の教科書を見てもらえば一目瞭然で、皆さんは驚くでしょう。たとえば、昔は分詞構文や話法転換まで学習していたのに、それがだんだんと高校へ移行していってしまった。最近は驚くなかれ、「ヤン坊」「マー坊」まがいの挿絵が教科書に登場しているのである。子どもにとって興味を引くことが大事だという、子どもにこびた編集にまでなり下がっている。
国定教科書の弊害は歴史教科書だけではなかった。画一的な考え方への批判欠如は教育者自身の責任でもあった。国体擁護の姿勢は、日本人自身のグローバル化を阻害してきたことを思うと、基本的な過ちだったといわざるを得ない。私達自身の中に多少とも他国との協調性が欠けたものがあるとすれば、画一的な文教政策もその責任の一端を負うべきであろう。

B教育計画の基本的欠陥

「子どもの興味関心がなければ学習効果が上がらない」という幼稚というほかにない論理によって、小中学生の授業がだんだんおかしくなってきていた。指導理念が画一化してきたと言ってもいい。このような寄らば大樹式の思考世界には、馬の調教も、鍛冶屋の鉄打ちも、完全に無視されて、授業設定にも多彩な論理の片鱗すら現われなかったし、もしこうした考えが出されたとしても一蹴されるのが落ちであった。
イートンスクールが堅持してきたという「昔よかったものは今でもよい」という、いわば伝統を重んずる流れは日本においては軽視され、教育者自身の口角泡を飛ばす教育理論に関する討論も枝葉末節の有様となっていったと思う。私自身もその加害者であったと言わなくてはならない。

C親の考え方の変化

「親に似ぬ子は鬼子」たしかにその通りである。すべては興味関心と真似から始まる。まね…まね…まね…、それがあって初めて思考パターンと行動パターン、それを統括する価値観が三歳の幼児に完成していく。三歳以降も同様にしてまね…まね…まね…が続いて、親の生き様は、ますますわが子に伝承されていく。親に似ない子なんてこの世の中には一人としていないのは当然なのである。

親の子どもに対する養育観、世界観、倫理観、価値観、言葉て言えばすべてにわたることになるが、わが身に合わないものでも手に入れたい物質への欲望とか、寄らば大樹とか、みんなで渡れば云々とか、優越感や劣等感とか、比較思考による没個性とか、………生活できないような貧困から開放されたが最後、健全な形而上の倫理観は影をひそめ、物欲への計画設計はできても、子育てへの内面的な躾教育も薄れ、平等の名のもとに精神的な向上心を失い、さても一人よがりの発想から「いじめ」や「虐待」にまで心の生活は堕落し、ミーちゃんハーちゃんのステージに心を奪われ、「一億総白痴化」の様相を呈してきている。

親がこんなようでは、学力は確実に低下していく。間違いないことである。学業にして然り、躾において然り。何たることだろうか。

私は日本における教育の危機感をこのように感じています。
………………………………………………………………………
一人一人が子育ての根幹に迫り、考え方や生活を変えることが急務となった。《0歳教育》は緊急課題なのである。
具体的提案は、みんなで出し合っていかなければならない。時間はかかるだろうけれど、教育の国家管理ではなく国家による教育援助のしくみを創りだしていかなければならない。まさに情報収集による思考、討議によって「知識を世界に求め……」望ましい教育制度、仕組みを創らなければならない。今後に課せられた国民の課題である。

親孝行について一言。
韓国や中国に見られる、親に対する孝心は、日本人から見れば古いタイプの考え方だとでも言うのだろうか。もし、そんな感覚が頭のすみに少しでもあるとすれば、それはおかしい。もしそうだとすれば、私たちは安穏とした生活に浸っていて心眼に濁りを生じ、一番の恩義を受けてきた親への孝心を失ったこととなる。

私たちは何か間違ってきたんだと思っているのなら、自分を変えていくことが大事なこととなる。それは心がけと実行から始めることができる。例えば、家計の実情からということで、安易に親を施設に預けないことだ。貧乏してもいいではないか。私の周りには、親孝行を通してきた頭の下がる人がいます。それは人として立派な方と言わなくてはならない。親孝行をしたからこそ立派なんです。着るものは、みやましいものを着てはいませんけれども、言葉づかいも他の人と変わってはいませんけれども、親孝行をしたから立派なんです。親孝行ができない人は人としての品格もなにもありません。

政治家はよく福祉政策をとくとくとして演説していますが、私は福祉政策の多くの主張の中に、人間の野性的なエネルギーをなくしていく危険性を感ずるのです。「イワンのバカ」とさげすみ、金を手にして安穏の生活を願うようになると、それはどだいおかしくなるのです。「作らざる者は食らうべからず」という言葉も絵に書いた餅となってしまう。「目には目を」あの対人関係の基本原則も絵の餅になってしまうのです。「イワンのバカ」それは素晴らしい人なんです。

介護保険制度、善意に解釈すればいいことに違いないんだが、安易に考えるとすればこれまた人間を自堕落にしていく。人間の野性的良さを失っていく、そこに注意して改善していく必要がある。

ものの道理に外れずに、すべて一対一を基本原則として考えてみますと、子育てや社会生活の改善すべき方向がいくつもいくつも見えてくるのではないかと思います。


10 13(日)続転機の教育

最近になっていろいろと学力問題が俎上にがっている。その元になっているのは、次のような記事からであった。
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【2001.12.05発行の朝日新聞】
知識の応用力、日本上々 OECD、32カ国で15歳テスト

知識や技能を実生活の中で生かせるかどうかをみる、学習到達度の初の国際調査結果を文部科学省が4日、発表した。経済協力開発機構(OECD)が32カ国の15歳男女約26万5千人を対象にテストを実施。重点的に調べた「読解力」で、日本は8位だった。得点が中間に集中し、トップクラスが少ない傾向が出た。

補足的に調べた「数学的リテラシー(応用力)」では日本は1位、「科学的リテラシー」は2位だった。

調査対象は、アジアが日本、韓国、欧州が英国、ドイツなど24カ国、そのほかは米国、豪州など北米、中南米、オセアニアの6カ国。このうち分析対象のOECD加盟国は27。日本では昨年7月、無作為抽出した高校135学科の1年生約5300人を調べた。

「読解力」は文章や表、図、グラフから情報を読みとって、解釈し、自分の経験や知識と関連付けて考える能力、と位置づけて設問。四つの大問で1セットのテストを9種類用意、1セットを選んで解答させる方式を採った。

OECD加盟の27カ国平均が500点になるように各国の平均点を出すと、1位はフィンランドの546点。日本は522点で8位。2〜8位には統計的にみて差はないと考えられ「第2グループ」に位置した。

生徒を点数の高い順に「レベル5」から「1未満」まで6段階に分けると、日本の「レベル5」は9・9%でフィンランド(18・5%)のほぼ半数。「レベル1」「1未満」は合わせて10%で、韓国(5・7%)などに次いで少なかった。

文科省は「今回の調査は自ら学び、考える『生きる力』に近い考え方。日本はおおむね良好だ。今後はトップ層が増えるように、能力に応じた指導に力を入れたい」と言っている。

●マンガ大好き、読書は大嫌い

調査と同時に行ったアンケートで、「趣味としての読書をしない」と答えた生徒の割合は日本が53%で最も多かった。OECD加盟国平均では31%。マンガや雑誌を「週に数回読む」と答えた日本の生徒は5割を超え、最高レベルだった。

東大大学院の苅谷剛彦教授(教育社会学)は、日本の子どもが本を読んでいないことに驚く。一方、調査では、読解力は高いという結果が出ている。「詰め込みと短絡的に批判されがちな伝統的な学校教育や受験勉強が、本を読まなくてもある程度の文章問題に答えられる力を付けているのではないか」とみる。

加藤幸次上智大教授(教育学)は「問題文は翻訳。日本の国語の授業では、図表や時事的文章を読ませることもあまりない。その上で第2グループなら、比較的いい成績と言えるのではないか。中間層が多いのは、下の方をすくう教育の努力の結果と読みとれる」と話す。

◆読解力の順位

 フィンランド   546
 カナダ      534
 ニュージーランド 529
 オーストラリア  528
 アイルランド   527
 韓国       525
 イギリス     523
 日本       522
 スウェーデン   516
 オーストリア   507
 ベルギー     507
 アイスランド   507
 ノルウェー    505
 フランス     505
 アメリカ     504
 デンマーク    497
 スイス      494
 スペイン     493
 チェコ      492
 イタリア     487
 (上位20カ国の平均点)

■出題例

 【読解力】
●サハラ砂漠にある湖の紀元前1万1千年からの水位変化をグラフで示し、現在の水位を答えさせる(77% 1位)
●インフルエンザ予防接種を促す通知文を読ませ、予防接種の意味を四つの選択肢から選ばせる(39% 11位)
●演劇「アマンダと公爵夫人」の脚本を読ませて、ト書きはどの部分かをたずねる(63% 1位)
●国際援助機関の統計表を示し、エチオピアでの活動が極めて低調な理由を推測させる(11% 4位)
●某会社が新設した「社内外異動センター」の告知文を読ませて、より詳しい情報の入手先を問う(89% 9位)

 【数学的リテラシー】
●レーシングカーの速度と距離のグラフから、サーキットのコースの形を答えさせる(54% 1位)=図

(カッコ内は日本の正答率、G7各国、韓国、豪州、ニュージーランド、フィンランド、アイルランドの計12カ国中の順位)
…………………………………………………………………

上記中に、「マンガ大好き、読書は大嫌い」の見出しで、アンケートがのっている。ちょっと面白いのでコメントしたい。
英語の教科書にも「ヤン坊」「マー坊」まがいの挿絵がのっていることは、何日かまえに書いた。教科書まで登場するのはいただけないが、マンガって本当は面白いしいいじゃないか。マンガ論とまではいかなくても、「マンガ大好き」いいじゃないか。
「読書は大嫌い」○×式アンケートだとすると、マンガと読書のどっちが好きかな、「マンガのほうが好き」と応える子どもが多くていいじゃないか。

読書環境については国によって違いもあるでしょう。日本のマンガでは通り一辺のものが多いせいもあるのか紙質が悪いんじゃないのかなあ。それだけに安い。高校生になっても大学生になっても、まだマンガを卒業できないでいる人は、本来は可笑しいんでしょうね。日本にきた留学生が、こうした可笑しい学生を見てびっくりするんでしょう。
反対に、素手でパンをかかえて、道を歩きながらそれを食べている映像を見ると、私にはどうもなじまず、「ちょっとね」と言いたくなる。

※もっと詳しく見たい場合は、文部科学省の各種統計情報で2001年12月のものを見るとよい。

  http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/001/index28.htm〔OECD生徒の学習到達度調査〕

なお、このような教育問題を考えていくうえでは、大まかに言うと次のようなことを情報としてチャッチしておくことが必要となる。

1 一番よい方法は新聞情報の整理保管  これは大変である。
2 パソコンによる情報収集
  新聞関係として私はアサヒコムを利用している。特集としての教育情報から、転
  機の教育などのデータが手に入る。 アサヒメルマガに登録してクラブA&A会
  員となって有料だがデータを収集できる。
  一般のニュースや社説からのデータ収集の方法や、お気に入りのURLを参考に
  することもいい方法である。
  文部科学省のURLから行政からのデータを手元に置かなければなりません。
3 出版物をデータとして収集する方法がある。

ただ、いつもつまずいていることを感じているんだが、情報から受け取るデータのある部分に固執しすぎないようにすることだ。
といっても、これはなかなかできないことだし矛盾してくるんだが、適当なところで自分の思うところを思いっきり吐き出すことがあってもよい。

「転機の教育」プリントの製本完了
本日までの資料を二冊の製本に仕上げる。その目次は次の通りである。


学校教育 上

1 人間力戦略ビジョン    文部科学大臣 遠山敦子   01
  01 確かな学力の育成…国民の教育水準は競争力の基盤   02
  02 豊かな心の育成…倫理観、公共心と思いやりの心   03
  03 トップレベルの頭脳、多様な人材の育成…世界をリードする人材   04
  04 「知」の世紀をリードする大学改革…競争的環境の中で個性輝く大学作り  04
  05 感動と充実   05
  06 新しい時代を生きる日本人   05
2 「社会の宝」として子どもを育てよう!   07
  00 はじめに   08
  01 子育ては親だけが担うものと思っていませんか   09
  02 現在の子育てをめぐる状況   09
  03 今後の家庭教育支援の充実のための基本的な方策   11  
  04 子育て支援を進める際の留意事項   21
3 「社会の宝」として子どもを育てよう!…報告のポイント   24
  01 子育ては親だけが担うものと思っていませんか   24
  02 現在、子育てをめぐる問題は、放ってはおけない状況になっています   25
  03 家庭教育って何?   26
  04 地域・家庭の昔と今   27
  05 社会情勢の変化   28
  06 意識の変化   29
  07 社会があなたの子育てを応援しています   30
  08 家庭では・・・   31
  09 特にお父さんへ   32
  10 企業や職場の関係者のみなさんへ   33
  11 地域や学校のみなさんへ   34
  12 行政関係者のみなさんへ   35
  13 子育て支援を進める際の留意事項は・・・   37
4 完全学校五日制 文部科学省   38
  01 学校週五日制に関するこれまでの経緯   40
  02 完全学校週五日制の実施について   41
  03 学校週五日制のめざすものは・・・   44
  04 学校では・・・   45
  05 新しい学習指導要領   46
     01 子どもの現状   47
     02 新しい学習指導要領の基本的なねらい   48
     03 新しい学習指導要領の全体構造   48
     04 教育内容の厳選   49
     05 総合的な学習の時間   50
     06 選択学習の幅の拡大   50
     07 最低基準性の一層の明確化と個に応じた指導の充実   51
     08 新しい学習指導要領のねらいを実現するための評価の充実   51
     09 新しい学習指導要領についてのQ&A   55
  06 総合的な時間の新設   58
  07 家庭や地域社会では・・・   60
  08 完全学校週五日制についてのQ&A   62
  09 完全学校週五日制に対応した取り組みの概況   64
     01 完全学校週五日制に対応した取り組みについて   65
     02 「新子どもプラン」推進   66
5 児童生徒の学力について 国際数学理科教育調査   52
  01 わが国の成績   52
  02 同一問題の正答率比較   52
  03 数学・理科に関する意識   53
6 OECD(経済協力開発機構) 生徒の学習到達度調査(PISA)
                     ―平成12(2000)年調査―   54
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  学校教育 下  

    転機の教育など概要   01
    アサヒメルマガの登録方法   02
    クラブA&A会員規約   03

1 <転機の教育…第一期>
  01 脱「日本型」 答えは一つじゃない<転機の教育:1>   05
  02 国際競争力 個人の才能重み増す<転機の教育:2>   07
  03 学ぶ意欲  「満腹」の子量より質<転機の教育:3>   09
  04 ゆとり路線 揺らぐ国に募る不信<転機の教育:4>   11
2 <転機の教育…第二期>
  01 教育不安、世界中に<ニッポンの学力:1>   13
  02 財界・新文教族に危機感<ニッポンの学力:2>   15
  03 進学実績へ公立加速<ニッポンの学力:3>   17
  04 データで訴えた「低下論」<ニッポンの学力:4>   19
  05 読み書き計算徹底、大反響<ニッポンの学力:5>   20
  06 「点取り競争」振り返れば<ニッポンの学力:6>   21
  07 「ゆとり」で「二極化」懸念<ニッポンの学力:7>   22
  08 「ジュク」かつてない脚光<ニッポンの学力:8>   23
  09 論理的に考える力に弱さ<ニッポンの学力:9>   24
  10 起業学生「学ぶ意味」追求<ニッポンの学力:10>   25
  11 「企業自ら教育」再び注目<ニッポンの学力:11>   26
  12 「質」論議百出、議員も悩む<ニッポンの学力:12>   27
  13 「低下」否定、文科省に焦り<ニッポンの学力:13>   28
3 <転機の教育…第三期> 
  01 教育特区 「脱画一化」各地でうねり<競争加速:1>   29
  02 経済格差 階層差=学力差の恐れ<競争加速:2>   31
  03 米の先進地 選択自在公立校も淘汰<競争加速:3>   33
  04 地方の焦り 都会との学力差に不安<競争加速:4>   34の1
  05 カリキュラム 公立も中身で生き残り<競争加速:5>   34の3
  06 外部の協力 地域の声、学校を刺激<競争加速:6>   34の5
  07 学校選択制 「入学は9人」改革迫る<競争加速:7>   34の7
4 その他
  01 見出し一覧 「教育」「OECD」の検索   35
  02 日本の大人たちの基礎的な科学知識 天声人語   36
  03 意欲の低さが心配だ 国際学力調査(朝日新聞社説)   37
  04 知識の応用力、日本上々 OECD、32カ国で15歳テスト   39
  05 学校五日制:1 学力低下への危機対応(ちば教育最前線)   42
  06 学力問題、国超え共通 国際教育シンポ・討論、各地で   44
  07 算数の学力大幅ダウン 20年前の75.2% → 64.5%   47
  08 算数学力低下、計算・数量で顕著 教科書の簡素化も響く   49
  09 OECD生徒の学習到達度調査(PISA)
     《2000年調査国際結果の要約》   51  
  10 算数の学力、20年で大幅ダウン 小学生6200人調査   34の9
  11 有料検索 「長野:田中康夫」総件数753件   35の0
  12 有料検索 「教育:学力」総件数697件   35の1
  13 有料検索 「教育:ゆとり」総件数427件   35の3
  14 有料検索 「教育:OECD」総件数19件   35の5

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