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続折々の記 ⑥
【心に浮かぶよしなしごと】
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【 07 】07/05~     【 08 】07/10~     【 09 】07/11~
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【 02 】6/27
       奪われた自由 香港国安法   香港「リンゴ日報」「公署」が指揮
       着床前診断、対象拡大へ   日本産科婦人科学会の進んだニュース
       新聞の一面   天声人語:トランプ前大統領
       ミャンマー「ロヒンギャ」問題の深層   田中 宇


       今日の新聞一面のニュースは、
        ・6月24日 香港「リンゴ日報」発行停止に続く記事
        ・日本産科婦人科学会の進んだ診断ニュース
   2021/06/27(奪われた自由 香港国安法1年:上)
奪われた自由 香港国安法
   リンゴ弾圧、「公署」が指揮

 23日夜、この日の編集を最後に廃刊が決まった香港紙「リンゴ日報」。数百人の支持者が郊外の工業団地にある本社前に駆けつけ、屋上に集った記者らとスマホの白いライトを照らしあい、「ありがとう」「香港、加油(頑張れ)」とエールを交わし合った。
 編集局には、同紙創業者黎智英(ジミー・ライ)氏の娘で弁護士のジェイド・ライさんの姿もあった。父親は香港国家安全維持法(国安法)違反の罪などで起訴され、収監が続く。ジェイドさんは26年の歴史に幕を閉じた新聞を手にして、仲間たちと笑顔で記念写真に納まった。
 社内は、最後の紙面を作り上げたという高揚感に包まれていた。しかし、編集局が少し静かになると、ある記者は「悲しい」と漏らした。記者たちの高ぶった気持ちは、当局によって廃刊に追いやられた怒りと挫折、そして無力感の裏返しでもあった。
 経営と編集の各トップや主筆を拘束。発行元の会社の資産凍結や、銀行への融資の禁止。当局はなぜ、なりふり構わず容赦ない弾圧劇を繰り広げたのか。
 中国政府に近い関係筋は、それがある機関の「任務」だったという。
 「国家安全維持公署」。昨年7月、香港に新設された中国政府の出先機関だ。
 昨年6月30日に施行された国安法では公署の役割を、(1)香港における国家安全情報を分析・判断し、戦略や政策を出す(2)香港政府を監督・指導する、と定める。「国家の安全」の名の下で、香港政府よりも上位に立つことが明確にされている。
 ただ公署の公式ホームページも代表電話番号もなく、その内実は秘密に包まれている。
 中国政府の関係筋や内部の事情を知る香港政界の有力者への取材で、公署の実態や、リンゴ日報に狙いを定めた経緯が見えてきた。
 取材によると、公署には300人余りが勤務。中国本土の公安当局や、外国のスパイを取り締まる国家安全省から派遣されている。権限は非常に強く、リンゴ日報への強制捜査を担った香港警察は、公署の方針に従って取り締まりをしているに過ぎない。公署は、中国政府が追求する「安定」を香港で実現させるための司令塔だという。
 その公署が大敵とみなしていたのがリンゴ日報であり、創業者の黎氏だった。
 公署と関係を持つ複数の親中派によると、公署は黎氏について、北京の上級部門に以下のような趣旨の報告をしていた。
 (1)黎氏は米国の代弁者である(2)民主派の資金源である(3)民主運動を組織していた――。そして黎氏がリンゴ日報を通じ、国に危害を与える情報を拡散させていると判断していた。黎氏が、資金を出して民主派を支援していたのは香港でも広く知られている。ただ、反政府デモを組織する役割はほとんど果たしていなかった、というのが民主派らの共通認識だ。
 だが「中国では伝統的に、事件には黒幕がいると考える」(中国政府系の研究者)とされ、誰かを「諸悪の根源」とレッテルを貼って北京に報告する傾向があるという。
 公署の「見立て」を受けてか、中国政府で香港を統括する香港マカオ事務弁公室の夏宝竜主任は2月の会議で、黎氏を含む3人を「反中反香港分子の中でも極端に悪質で、厳罰に処さなければならない」と名指しした。黎氏はすでに国安法を含む9案件と11罪名で逮捕・起訴されるなど、徹底的な弾圧にあっている。
 公署内部と連絡を取り合う親中派はいう。
 「彼らは、任務を完遂した。中国共産党100周年の7月1日までにリンゴ日報を処理できたのは、公署にとっても予想以上の成果だったに違いない」(香港=奥寺淳)
   ◇
 国安法施行から1年。急速に自由が奪われていく香港の現状を報告する。

 (2面に続く)(1面から続く)
本土から、公安とスパイ摘発組織

 香港の繁華街、銅鑼湾(コーズウェイベイ)。民主派による反政府デモの集合場所だったビクトリア公園を見下ろす高層ホテルに異変があったのは、昨年7月初旬のことだった。
 全面ガラス張りで2階まで見通せていたエントランスは、白いアクリル板で目隠しされた。青いシャツに黒いズボン姿の男たちや、カーキ色のつなぎに銃を腰に携えた「特務警察」が道行く人を鋭い目で見ている。ここに午前8時すぎから、マイクロバスや黒いミニバンで送迎される20代~50代ぐらいの男女が、無言で出勤するようになった。
 ホテルは、中国への反体制的な言動を取り締まる香港国家安全維持法(国安法)が施行されてから1週間ほど後、中国政府の出先機関「国家安全維持公署」が一棟丸ごと借り上げて本部として使い始めた。
 「彼らは、中国本土の公安省と、外国人スパイを摘発する国家安全省の2系統から派遣されている」。中国政府関係者と香港政界の有力者はそう話す。
 公署の鄭雁雄署長は広東省スワトー市トップの書記時代に、党の末端組織の腐敗に反発した村民が自主選挙を行った「烏坎村事件」を、硬軟織り交ぜて収束させた「実績」がある人物。他の幹部4人は、公安と国家安全部門のエキスパートだ。ただ、公署内部の実態はベールに包まれている。

 6月、公署職員たちの動きを探った。

 ある日の午後8時、約15人の職員を乗せたマイクロバスが公署本部を出た。銅鑼湾から東へ10分ほどのホテルで3人ほどが降りた後、バスは湾岸のバイパスで今度は西側に向かい、乾物街近くのホテルに到着。ここで全員が降りた。
 関係者によると、この二つのホテルも中国政府が全棟を借り上げ、公署職員の宿舎にしていた。両ホテルの入り口付近では、やはり青シャツに黒ズボン姿の男たちが規制線をはって警備していた。
 ある夜、30代くらいの男性がスマホで誰かと連絡を取りながらホテルから出てきた。徒歩2分の中華料理店に入り、壁を背にした丸テーブルに座った。数分後、男性より少し若い2人が合流。さらに5分後、別の男性も加わり、4人でドイツブランドのビールで静かに乾杯をした。
 「来、来(さあ、さあ、食べよう)」。聞こえてくるのは、香港で使われる広東語ではなく、中国の標準語「普通話」の北方なまりだった。4人は広東省潮州風の鶏の手羽元の煮込みなどの料理を1時間あまり楽しみ、公署に戻った。
 店関係者によると、4人はよく食事に来るという。左手の薬指に指輪をしている男性もいた。ある職員は店員にはわずかに心を許したのか、単身赴任であること、自分たちが「公安職員」であると明かした。
 香港政府は公署の新たな本部向けに、九竜半島の海沿いに土地を用意した。公署と関係を持つ親中派によると、数年後、ここに本格的な本部ビルを建てて移転し、職員も大幅に増員される見通しという。
 国安法が施行されて1年。民主派の議員やメディア創業者、民主活動家らが国安法に違反したなどとして次々と投獄されている。中国政府が、「高度な自治」を認めてきた香港の統治を国安法によって根底から変えてしまったためだ。
 そのきっかけは、2019年、事件の容疑者を中国本土に引き渡せる逃亡犯条例改正案をめぐり、市民が繰り返した大規模な反政府デモだった。強硬な取り締まりを続ける警察と衝突し、11月には若者らが香港理工大に立てこもり、火炎瓶や催涙弾が飛び交う事態になった。
 中国政府に近い親中派メディアの幹部は「香港政府にはこの街を管理できないと見切り、党中央が直接統治に乗り出した」とみる。
 中国政府主導で国安法を定め、国の安全維持に責任を持つ「国家安全維持委員会」も設置。同委の顧問となった駱恵寧氏は、中国政府の香港出先機関「中央駐香港連絡弁公室」の主任だが、本土では山西省トップなどを務めた共産党幹部で、実質的な影響力は林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官をはるかに上回る。
 そして「直接統治」を最も象徴するのが、国家安全維持公署だ。国安法には、公署の職員は香港の法律を順守するよう書いてあるが、「身分証明書を持って国安法のもとで仕事をしている間は、香港当局から調べられたり、勾留されたりすることはない」とも明記され、事実上の「治外法権」が与えられている。
 香港警察の徹底した取り締まりには、公署の指導だけではなく、忖度(そんたく)も働いている可能性がある。公署と関係を持つ親中派は「彼らも官僚だ。北京がなにを欲しているのか、自ら考え、北京が求める以上の行動を取ることもある」と話す。
 不透明さも際立つ。2月、香港政府の予算案に突然、「国家安全維持」の名目で80億香港ドル(約1130億円)が初めて計上された。香港メディアは「公署職員の給与などに充てられる」と報じて追及したが、警察を管轄する李家超保安局長(当時)は「戦争の機密のようなものだ」として非公開を貫いた。
 中国共産党に批判的だった香港紙「リンゴ日報」が廃刊に追い込まれた24日の翌日、摘発を指揮してきた李氏を、香港政府ナンバー2の政務長官に抜擢(ばってき)する異例の人事が発表された。
 25日の記者会見で、中国共産党による人事ではないのかと詰め寄られた林鄭氏はこう答えた。「最も優れた人を選んだまでです」(香港=奥寺淳)

   2021/06/27 日本産科婦人科学会の進んだニュース
着床前診断、対象拡大へ
   成人後に発症する遺伝病も

写真・図版 【写真・図版】着床前診断の流れ

 受精卵の段階で遺伝情報を調べ、重い遺伝病にならない受精卵を子宮に戻す「着床前診断」について、日本産科婦人科学会(日産婦)は、対象を広げる方針を決めた。成人になるまでに命を落としかねない病気などに限ってきたが、条件をつけて成人後に発症する病気も認める。26日の定時総会後の会見で明らかにした。学会内で今後、規則の改定や詳細な運用方法について議論を進める。
 着床前診断は、体外受精させた受精卵から細胞の一部を採って、遺伝病の有無を判別する。妊婦の血液から胎児の染色体異常を調べる出生前検査(新型出生前診断)とは異なり、受精卵の段階で調べる。病気や障害のある人の排除につながらないかとの懸念がある。

 日本では1998年に日産婦がルールを示し、「重篤な遺伝病」に限って導入。成人になるまでに人工呼吸器が必要となるなどの重い病気が対象とされ、2015年度までに120件が認められた。神経の難病デュシェンヌ型筋ジストロフィーなどが多い。
 「成人になるまでに」の前に「原則」をつけ、成人後に発症する病気も対象とする。「現時点で有効な治療法がない」「高度で体への負担が大きい治療が必要になる」という条件をつけた。具体的な病名は示されていないが、遺伝子の変異による病気は8千種類以上あると考えられ、英国では遺伝性の乳がんなど、600種類以上が対象となっている。
 審査の質をどう担保するのかも課題だ。これまでは日産婦が、1件ごとに審査してきた。それを実施施設が審査し、日産婦は意見書を出すにとどめる。審査経験のない遺伝病の申請については、専門学会の意見をふまえて出す。日産婦が意見書をまとめる段階で意見が一致しなかった場合、専門家らでつくる個別審査会に判断を仰ぐ。(神宮司実玲)

   2021/06/28
新聞の一面

4:00頃になると、齢のせいなのか目が覚める。 知らずに寝ていたが残月が中空に淡い赤色を帯びている。
新聞を手にして1面を見る。 天声人語欄には島崎藤村の「夜明け前」についての記事が載っている。 載せようと思ってPCを操作したが、まだ出ていない。 昨日の同じ欄に目をとめてみる。 東芝問題が載っていた。
(天声人語)東芝と株主
 日本経済の官民一体ぶりを揶揄(やゆ)した言葉が「日本株式会社」だ。欧米と違って日本では、政府による企業への指導や保護が目にあまる。日本の急成長が続く1970年代、海外の一部からそう見られていた▼日本株式会社の元締と言われたのが通商産業省で、ノートリアス・ミティ(悪名高き通産省)の悪口も生まれた。そんな話も歴史の彼方(かなた)かと思いきや、違うらしい。後身の経済産業省が東芝と一緒になって株主に圧力をかけたとされる件が尾を引いている▼発端は東芝経営陣と筆頭株主の外資系ファンドとの間の人事案をめぐる対立だ。経営陣がなすべきは株主との対話のはずだが、経産省に助けを求めた。原発や防衛関連の技術があり、安全保障の観点から守ってくれると期待したのだろう▼反応は上々だった。東芝の株主が選んだ弁護士による調査報告書には、経産省が東芝に伝えたとされる安全保障の考え方が出てくる。コロナ禍では東芝のような大企業が安定して事業を続け、雇用を維持することも「広義の安全保障」だというのだ▼これでは安全保障の風呂敷がどこまでも広がってしまう。報告書が正しいのかどうか、経産省には説明の責務があるはずだが「当然のことをしている」としか言わない。一昨日の東芝の株主総会では人事案が否決される異例の展開になった▼経済安全保障なる言葉が大手を振って歩いている。安保と言えば何でもできると勘違いしたのが東芝の経営陣であり、経産官僚だったのではないか。
揶揄した言葉「日本株式会社」の記事でした。 そうだったのか!!  欧米のような「個の確立」は馴染まないものをもっているからと思っていたけど、こんな良くない面も含んでいたのか。 少なくとも儒教の影響を多分に受けているとは思っていたが、金銭欲と同類な自己本位の考え方も浸透してきていた。
そうか、そうか、と思いました。 5:30過ぎか、やっと今日のデジタル版が出た。
(天声人語)映画と要約
 いつかは最後まで読みたい小説に、島崎藤村の『夜明け前』がある。明治維新の前後を描いた大作である。頭から読んで何度も挫折し、いっそ第2部から始めようとページをめくるが、牛の歩みだ▼このままでは一生無理かもしれないと、ダイジェスト版も手に取った。うーん、これでは読んだことにならないか。でも挫折で終わるよりはましか……。要約という近道。2時間ほどの映画にも、そんなものがあると知って驚いた。ファスト映画というらしい▼映画を10分程度に編集し、字幕などであらすじを紹介する。そんな動画が昨年春からネット上に広がっていると本紙デジタル版が伝えている。予告編と違って結末が分かってしまうから、本編へのいざないでなく広告収入が目当てだろう。著作権法違反にあたるとして投稿者が逮捕される例も出ている▼要約がビジネスになる。代表的な例が1920年代に創刊された米国の雑誌「リーダーズダイジェスト」だ。様々な雑誌から記事を抜粋し、要約する手法は大当たりした。米紙によると創業者は、多すぎる情報に人びとが圧倒されており、取捨選択が必要だと考えた▼最近のネット記事でも頭に要点を記すのがはやりのようだ。情報や論考であれば要約がなじむのはわかる。しかし芸術や娯楽は違うのではないか。ファスト映画に需要があるのは、もしや映画も情報の一つだと考える人が増えているからか▼『夜明け前』のダイジェスト本はやはり、遠ざけておくことにしたい。

天声人語の筆者は誰なのか知らないが、広い視野であり理解は深いと思う。 その視野の世界からめぼしい話題を提供していると思いました。

実は一面のトップ記事は
「トランプ前大統領、再始動 中間選挙へ大規模集会」
 トランプ前米大統領は26日、オハイオ州ウェリントンで支持者を前にした大規模な政治集会を開いた。自らの集会を開くのは退任後初めてで、今後も各地で開く予定だ。2022年秋の中間選挙に向け、影響力を保つために政治活動を本格的に再開させた。(ウェリントン〈オハイオ州〉=大島隆)▼2面=「次」見据え
であり、続いて2面で
「(時時刻刻)トランプ氏、見据える「次」 「リベンジツアー」存在感誇示」
 トランプ前米大統領が26日、退任後初めての集会をオハイオ州で開き、政治活動を本格的に再開させた。いまも熱狂的な支持者を持つ一方、足元では一族企業の脱税疑惑で訴追のリスクも抱える。ここに来て動き出した狙いは何か。▼1面参照
として、見た限りではアメリカ政局内の常套的雰囲気のように見えた。

続いていろいろ調べている中で、もう4年も前の記事なのに田中宇の珍しい記事を見つけたので取り上げる。

ミャンマー「ロヒンギャ」問題の深層
   2017年11月28日  田中 宇

 インド洋に面したミャンマーの西部、ラカイン州の北部に住む数十万人のイスラム教徒(ムスリム)の勢力、欧米日などのマスコミで「ロヒンギャ」という名称で報じられている人々は、ミャンマーにとって、まさに「まつろわぬ民」である。彼らが住むラカイン北部は、バングラディシュと長い国境を接しており、彼らは戦後ずっと、断続的に武装蜂起しながら、仏教徒の国であるミャンマーから分離し、ムスリムの国であるバングラディシュの一部になろうとし続け、失敗している。

 かつてこの地域は英国の植民地だったが、第二次大戦中に日本がやってきた。仏教徒の組織が日本を支持したのに対し、英国はラカイン(当時はアラカン)のムスリムたちに、日本を追い出したらムスリムの国として独立させてやると約束し、仏教徒とムスリムの戦いとなった。戦後独立したビルマ(今のミャンマー)は国民の9割が仏教徒だった。ムスリムは、ビルマでなくバングラディシュ(当時は東パキスタン)の一部になろうとしてパキスタン政府に掛け合ったが、内政干渉はしないと言って断られたため、独自に武装蜂起した。 (Rohingya insurgency in Western Myanmar From Wikipedia)

 ビルマ政府は、自国から分離してバングラ編入したがるラカインのムスリムを敵とみなし、国籍を与えないできた。北ラカインのムスリムは、バングラディシュのベンガル語とは異なるロヒンギャ語を話し、昔からラカイン州に住んでおり、外国ではロヒンギャ人と呼ばれている。だが、ミャンマーの政府と世論は、バングラ編入を目指して戦いを挑み続けてきた彼らを、ミャンマー国内の少数民族とみなさずベンガル人の一部だと言い、「ロヒンギャ」という名称を使うことを嫌っている。(ミャンマー側の意向に気を使うのはここまでにして、以後はロヒンギャをカギカッコなしで使う)

 独立から最近までのミャンマーはずっと、中央政府と各地の少数民族との内戦の歴史であり、北ラカインのムスリムと政府軍の戦いは、それらの内戦の一つだった。だからミャンマー人は、これを一方的な虐殺でなく内戦、反乱軍との戦いだと言う。80年代にはアフガニスタンで米CIAに訓練されソ連軍と戦ったイスラム聖戦組織(のちのアルカイダ)が、北ラカインのムスリムの分離独立を支援するなど、内戦が断続的に続いてきた。パキスタン、サウジアラビア、信仰が過激化したインドネシアなど、イスラム世界の各地から支援された北ラカインのムスリムが、仏教徒のミャンマー政府に対し、イスラム世界の拡大のための戦い(聖戦)を挑み、ミャンマー政府軍から反撃・弾圧されてきたのがロヒンギャの歴史だ。 ('It's not genocide,' say Myanmar's hardline monks)

 ミャンマーは2015年の総選挙後、アウンサン・スーチーの政党NLD(国民民主連盟)と軍事政権が連立を組み始め、民主化が実現され始めた。それを待っていたかのように、16年10月と今年の8月、北ラカインのムスリムが、地元にいる政府の軍や警察に対して蜂起し、その後政府軍がムスリムを大弾圧し、60万人が難民化してバングラディシュに逃げ込む事態に発展した。昨年と今年のムスリムの蜂起を主導したのはARSA(アラカン・ロヒンギャ救世軍)という新たな組織で、彼らは従来の組織よりも相当巧妙だ。 (Arakan Rohingya Salvation Army From Wikipedia)

 ARSAは、北ラカインのムスリムの村々と協力関係を作り、村人たちと一緒に、数百人規模で、自家製の粗末な武器を持って夜中に地元の警察や政府軍の拠点を襲撃、今年8月の場合、北ラカインの30か所で同時多発で襲撃を挙行した。驚いた政府軍は、これをムスリムの一斉蜂起とみなし、大規模な反攻を行った。村人らは、粗末な武器しか持っていないものの大人数で襲撃し、軍や警察の側が発砲したり、大げさな激しい反応をするように仕向けた。事件後、ARSAはインターネットのソシャルメディアを活用し、ミャンマー政府軍がムスリムを大弾圧、焼き討ち、虐殺、難民化させたことをイスラム世界に広く伝え、世界的なミャンマー非難運動を確立することに成功した。 (Do Not Lose Sight of ARSA)

 バングラディシュの難民キャンプでは、ミャンマー軍がいかに残虐で極悪かを難民たちが語り、それがそのままアルジャジーラ、イラン国営メディアから米欧の権威あるマスコミや国際人権団体までの喧伝機関によって流布された。ARSAは、ミャンマー軍部を激怒させ、世界が人権侵害と非難する過大な弾圧をやるように仕向ける方法を知っていた。これまで熾烈な弾圧ばかりやってきたミャンマー軍部は、簡単に引っかかった大弾圧後、軍部は、外国人を現場に入れないおなじみの政策をとり、難民の証言が誇張されていたとしても、それが事実として世界に定着してしまう自業自得に陥った。 (ARSA: Who are the Arakan Rohingya Salvation Army?)

 くわえてARSAは、アラブの春や、ウクライナ政権転覆など米諜報界が黒幕だったカラー革命の際に行われた、ソシャルメディアを使った国際政治運動の扇動技能を身につけていた。米国ではマケイン上院議員ら軍産複合体の代理人たちが、ミャンマーを経済制裁する法案を米議会に提出している。軍産の意向に沿って、中東の独裁諸国の「極悪」さを誇張喧伝してきた欧米の国際人権団体も、ミャンマーをさかんに非難している。どれもこれも、間抜けなミャンマー軍部の自業自得であるとも言える。 (Myanmar says U.S. official barred from Rohingya conflict zone)

▼軍産のカラー革命と似た手口

 しかし同時に感じられることは、このロヒンギャ問題が、軍産とその傘下の勢力がこれまで中東やウクライナなどで展開してきた、覇権戦略(世界支配)としての人権外交(経済制裁)、政権転覆、カラー革命などと手口が良く似ていることだ。ジョージ・ソロスの影もちらついている。その意味で、ミャンマー軍部は、(国際政治技能を磨いてこなかったことによる)自業自得であると同時に、軍産系勢力の国際謀略に引っ掛かった被害者(カモ)であると言える。ARSAがミャンマー軍部を挑発しなければ、60万人のロヒンギャ難民は発生しなかった。事件以前の10年以上、北ラカインは何とか安定していた。それをぶち壊すきっかけを作ったのは、軍部でなくARSAだ。 (Soros and Hydrocarbons: What's Really Behind the Rohingya Crisis in Myanmar)

 これまで、軍産の謀略によって政権転覆されるのはイスラム諸国が多かったが、今回はイスラム世界が、軍産系の国際マスコミや人権団体と一緒になってミャンマーを非難している。異教徒がムスリムを弾圧する構図は、ムスリムの「義憤」のツボにはまる。アルカイダ(イスラム聖戦士)もかつて、ソ連=無神論者がアフガンのムスリムを弾圧しているという図式で、スンニ社会で支持された。シーア派のイランは、軍産から核武装の濡れ衣をかけられてひどい目にあってきたのに、今回はイラン政府系メディアが誰よりも声高にしつこくミャンマーを非難し続けている。先輩から受けた理不尽ないじめを、後輩に対してやる体育会の部員みたいだ(そのくせイランは、ミャンマー軍政の背後にいる中国のことは決して批判しない。お金もらってるからね)。 (Arakan Rohingya Salvation Army From Wikipedia)

 ARSAの指導者(Ata Ullah)はアルカイダと関係ないと言われるが、パキスタン生まれ、サウジ育ちで、サウジでは弁が立つことを評価されてモスクにつとめ、多くの聖職者と知り合った。彼は戦闘の訓練も受けている。こうした環境下でイスラムの国際運動をやるとなれば、かならずアルカイダやISを生んだ米諜報界、サウジ王政の諜報筋とつながる。アルカイダやISはテロ肯定の軍事路線だが、アルカイダやISが下火になる昨今、テロを全否定しつつもっと巧妙な政権転覆、国際政治を揺れ動かす策をやるのがARSAのような新手の組織だと感じられる。 (Who is Ata Ullah – the man at the heart of the Myanmar conflict?)

 ARSAやその背後にいそうなイスラム世界の諜報筋と米国の軍産は、どんな目的でロヒンギャ問題を引き起こしたのか。ロシアの分析者は、3つの要因がありそうだと言っている。1つは、ラカイン州の沖合にある海底ガス田を中国が開発しているが、それを妨害しようとしている、という点だ。習近平の「一帯一路」戦略の一環として、中国企業が、ラカイン州から雲南省への石油ガスのパイプラインを建設している。中東から運んできた石油を、ラカイン州で陸揚げしてパイプラインで中国本土まで運ぶことで、海上輸送の隘路であるマラッカ海峡を通らずにすむ。軍産はイスラム世界を挑発してロヒンギャ問題を起こしてラカインを混乱させ、中国の勢力拡大を阻止したい。 (China to take 70 per cent stake in strategic port in Myanmar: Official) (On Rohingya issue, China differs with West, backs Myanmar’s steps “to protect stability”)

 2つ目は、東南アジアのムスリムを悲惨な目にあわせることで、インドネシアやマレーシアのムスリムの義憤を扇動して過激化させ、サウジなどの保守的な信仰をやらせたい。サウジ王政は以前、こういう謀略が好きだった。だが今の権力者であるムハマンドサルマン皇太子(MbS)は、過激イスラムを放棄すると何度も宣言し、過激派の聖職者を何人も辞めさせた。最近の記事に書いたように、MbSはトランプに乗せられ、軍産のテロ戦争の一端を担ってきたサウジの過激イスラムをやめようとしている。MbSは馬鹿者だが、サウジはもう過激イスラムの扇動をしない。 (Myanmar's Rohingya Crisis: George Soros, Oil, & Lessons For India) (サウジアラビアの自滅)

 3つ目は、ASEANの中でインドネシアやマレーシアと、ミャンマーとの関係を悪化させ、ASEANを分裂させたい、というもの。中国寄りになっているASEANに、軍産が意地悪をしたいのか??。ASEANは、内部分裂を回避するため、ロヒンギャ問題を話し合わないようにしている。分裂策は効かない。

 上記の3点を見て有力そうなのは、中国の台頭抑止策として、米軍産がイスラム世界を引っ掛けてロヒンギャ問題を起こしたという見方だ。だが、実際の展開を見ると、「国際社会」から非難されているミャンマー政府は、以前よりさらに中国しか頼る先がなくなり、ますます中国寄りになっている。ロヒンギャ問題は、ミャンマーを中国の傘下に押し込んでしまっている。中国の台頭は、抑止されるどころか、鼓舞されている。 (The geopolitics of Rakhine)

▼ミャンマー軍部の人気を引き上げてしまったロヒンギャ問題

 ロヒンギャ問題に対し、ミャンマーの人々には、彼らなりの言い分がある。戦後の独立以来、国内各地の少数民族との内戦続きだったミャンマーでは、先進国が偉そうに言うような少数派への寛容を求めるのが困難だ。ロヒンギャ=国内の仲間でなく、ベンガル人=外国の敵なのだ、というミャンマーの世論は、今後もしばらくは変わらない。ベンガル人=ムスリム、ミャンマー人=仏教徒という図式の中で、世界がロヒンギャ=ムスリムの味方をするほど、ミャンマー人は仏教ナショナリズムを強く抱くようになる。 (Myanmar’s Military, Political Leaders United Against Rohingya ‘Threat’) (Aung San Suu Kyi says 'terrorists' are misinforming world about Myanmar violence)

 ミャンマーの仏教政党(マバタ)は、ロヒンギャを弾圧した軍部を称賛し、義憤を感じているミャンマー人が、軍部と仏教政党への支持を強めている。ミャンマーの最大政党はスーチーのリベラル政党NLDで、仏教政党よりはるかに支持率が高いが、それでもNLDは仏教を敵視していないという言い訳に追われているし、スーチーは「ロヒンギャはテロリストだ」と発言している。スーチーのこの発言は「国際社会」を激怒させたが、すでに書いたように、ミャンマーの側から見れば、ロヒンギャのARSAは、やり方が巧妙・狡猾になったアルカイダである。 (Misunderstanding Myanmar’s Ma Ba Tha) (Myanmar public dismisses Buddhist nationalism with a ballot)

 ミャンマーは88年以来、独裁の軍事政権と、スーチーNLDの民主化勢力が、ずっと対立していた。ミャンマー人は軍部を嫌っていた。だが今、ロヒンギャ問題がおきたおかげで、ミャンマーの世論が一気に軍部を支持するようになり、軍部と連立政権を組むNLDも、仏教ナショナリズムの高揚に躊躇しつつ、この流れに乗るようになっている。 (With Rohingya disenfranchised, NLD takes on nationalists in southern Rakhine) (Rakhine Unrest Pushes Buddhist Nationalists Closer to Army)

 スーチーは15年の選挙で圧勝したが、それまで独裁していた軍部に妨害され、大統領でなく外相にしかなれず、権力のかなりの部分を軍部が握り続けている。米軍産がロヒンギャ問題を起こさなかったら、スーチーのNLDが高い人気を維持し、不人気な軍部からしだいに権力を剥ぎとっていき、欧米が好む「民主化」が進んだだろう。だがロヒンギャ問題が起きたことで、軍部への国民の支持が高まり、NLDへの権力移管は進まず、事実上の軍事政権が続くことになった。 (Despite Rohingya crisis, thousands march in support of military) (Rohingya crisis may be driving Aung San Suu Kyi closer to generals)

 そして今、米国の軍産のマケイン議員らが、ミャンマーを経済制裁せよと息巻いている。せっかくミャンマーが民主化しかけたのに、米国はミャンマーを敵視している。そして、米国が敵視するほど、中国がミャンマーに近づいてくる。中国にミャンマーを取られたくないインドも、対抗してミャンマーに近づき、ロヒンギャ問題でミャンマーを批判しないようにしている。中国やインドが仲良くしてくれる限り、ミャンマーは困らない。米国の制裁は全く効かない。それはすでに明らかだ。マケインらは、軍産のふりをした多極主義者、トランプの敵のふりをしたトランプの味方であると疑われる。 (US sanctions not the solution to Rohingya crisis) (Why do China, India back Myanmar over the Rohingya crisis?)

 中国は先日、ロヒンギャ問題を解決するため、仲裁に入った。その直後、11月22日にミャンマーとバングラディシュの代表団が会い、中国が提案した3段階の解決策を開始することで合意した。合意を仲裁したのは中国なのに、なぜか国際マスコミの報道には、中国が仲裁したと一言も書いていないものが多い。 (China proposes three-phase solution to Rakhine issue in Myanmar: FM) (Bangladesh-Myanmar talks begin amid high hopes of Rohingya repatriation)

 中国の仲裁案は、国連や「国際社会」の仲裁や監督を受けず、ミャンマーとバングラデシュだけで話し合って決めるのが良いというものだった。これは、国連や「国際社会」が、ミャンマーの言い分を全否定しているので、スーチーが中国に頼んでやってもらった方式だった。欧米マスコミは、国際社会の監督(=いちゃもんつけ)を拒否するのは許せない、という論調を喧伝している。米国務省もミャンマーに調査させろと要求した。スーチーは、かつて英諜報機関(軍産)と親しかったのに、軍産はちっともスーチーを大事にしない。スーチーはますます中国寄りになる。 (Myanmar's Suu Kyi says ‘illegal immigrants spreading terrorism’) (Tillerson Calls for Independent Probe Into Myanmar’s Rohingya Crisis)

 ロヒンギャ問題の解決は、かなり難しい。ミャンマーの世論は、難民の帰国を歓迎していない。NLDの議員でさえ、ラカインのムスリムを収容所に入れてしまえと言っている。バングラデシュはムスリムの国だからロヒンギャのムスリム難民の定住を歓迎するかというと、全くそうでない。すでに人口が多いので、新たに何十万人も受け入れたくない。ロヒンギャは両国から厄介者扱いされている。両国は、2か月以内に難民の帰還を開始することで合意したが、うまくいくかどうか怪しい。この問題を何とか解決できると、東南アジア・南アジアでの中国の影響力がさらに強まる。 (Myanmar signs deal with Bangladesh on Rohingya repatriation)


この記事を読んでいてことに気になったことがありました。 個の不安定の底流にもアメリカの画策が原因になっているということです。

アメリカはアメリカを、中国は中国を、それぞれ大事に考えています。 イスラムはイスラムを、アメリカはアメリカを、それぞれ大事に考えています。

この構図は、国と言う集団ではなく政党の集団でも成立する構図であり、さらに小さい単位の集団同士ににしても成り立っている構図でもあるのです。

なんだもんでだ ! 私はいろいろ考えたが、深かろうが浅かろうが一番いい方法があったのです。 それは 海のイワシの集団はなんだもんであんな大集団を作るのか見れば自ずと答えが見えてきます。 イワシでなくても、アリゴでもいいし、ハチでもいい、集団を作らないと自分の命が不安だからであり、それと一人だけでは命を残すことができないからである。

そりゃそうだ、命あるものは命の安全のために、集団帰属の本能が命自体に備わっている。 集団はその集団を大事にするように仕組まれているのです。 集団の本質は自分の命を残す本能に基づくものなのです。 そのために、集団帰属本能が備わっているのです。 私はそう理解しました。

それでも争いを乗り越えるにはどうしたらいいのか。 集団帰属の意識は、他の集団に倒されたくないから自己防衛をします。 自己防衛の方法も個体としては備わっています。 個でも集団でも争わない方法は、 弱小動物や植物を真似ることが一番いい方法なのです。

多くの動物は、いろいろの命を食べないと生きていくことができない。 そんなことは当たり前だというでしょう。 その通りなのです。 これは多くの動物の命がそうできているからであり、それを拒(コバ)むことはできないのです。 拒んでいくと死ぬしかないのです。

食事の時に手を合わせて「頂きます」という。 生きている命に手を合わせて「申し訳ありません、食べます」の他者の生命に対しての合掌なのです。 「くう(食う)」という言葉あります。 これは情況表現語であり、食の心情語ではありません。

すべての命は、太陽あってこそなのです。 昔の年寄りは朝起きて水で顔を洗い東に向かって太陽に手を合わせていました。 水神様や火の神様、道具の神様、道祖神に始まってお地蔵様、私たちの先人はすべてに感謝の心を表していたのです。 自然そのものに手を合わせてもいたのです。

なんだもんでか。 自分を養ってくれているからでした。 命を養ってくれているのは、すべては自然そのものなのです。

いのちを伝えているもの、それは細胞であり細胞の中の遺伝子なのです。 物凄い能力とエネルギーがあるのです。 それを分子生物学者は something great と言いました。 それは命そのものを意味し神様そのものを意味していると私は思っております。

こうした考え方は誰が見ても聞いても理屈に合ったものと思います。 そこから生まれてきた言葉、黄金律(人からしてほしいと思うことは全て,人にもしなければなりません)があります。 これは難しいことではなく、母親が赤ちゃんにしてあげることすべてを指しています。

赤ちゃんは何もわからないと思うでしょうが、とんでもありません。 すべて自分で学んでいるのです。 生まれてすぐ母親と別れた子ザルが自分で出産したとき、驚き跳ね上がって驚嘆した映像がありました。 ふつうは、ヤギでもウサギでも自分だけで人が知らずでいてもすべて親がした通りのことをして我が子を養育しています。 こういえば、それに反対する人はありません。 命に仕組まれている能力とエネルギーは、目の前に知ることができるものなのです。

田中宇のニュース解説を見て、現在でも新聞やNHKの映像によればミャンマーについてこんな理解はしていなかったのです。 どうしてだったのか、いろいろ考えてみました。
そして上に書いたようなことを思ったのです。

2021/06/28 立民・小沢一郎議員
『隠蔽 改ざん 虚偽 どう喝』
過激ワード感情むき出しで菅政権に苦言
   「腐敗国家まっしぐら」
   小沢一郎© 中日スポーツ 提供 小沢一郎

 立憲民主党の小沢一郎衆院議員(79)は28日、自身のツイッターを更新。「腐敗国家へまっしぐら」などと、感情むき出しで思いを吐露した。

 「不正行為は隠蔽(いんぺい)し、証拠文書は改ざんし、虚偽答弁は当たり前、あることないこと捏造(ねつぞう)し、忖度(そんたく)しない公務員は追放し、報道機関はどう喝し、捜査機関は手なずけて、追及されてもはぐらかし、後は国民が忘れるのを待つ」。政府、国が繰り返す数々の不正行為、虚偽にまみれた国会答弁にだまっていられない様子で、「そんな政治でいいのだろうか。腐敗国家へまっしぐら。選挙だけが、国民だけが止められる」と結んだ。

 政府の体たらくび、独裁的な政治の結末を忘れてはいけないといったメッセージを伝え、国民に投票の大切さを訴えた。

日本と中国で道をたずねたら…韓国人25歳が見た日中韓 有料会員記事 神谷毅 2021年5月24日 16時00分 シェア ツイート list ブックマーク 7 スクラップ メール 印刷 写真・図版 同年代の日本人職員(右)や中国人職員(左)とオフィスで談笑する金昭姫さん=2021年5月20日、ソウル、神谷毅撮影  金昭姫(キムソヒ)さん(25)は幼いころ、父が日本出張の土産で買ってきた「ひよこまんじゅう」を「食べるのは頭からか、お尻からか」で弟と騒ぎながら、アニメ映画「風の谷のナウシカ」や「天空の城ラピュタ」を見て育った。当時、意味はよく分からなかったが、父親が口癖のように言っていたことを思い出す。「日本とは問題がいろいろある。でも、憎かろうが隣国には関心を持ち続けてね」  小学6年生のころカナダに留学し、大学に進んだ。いくつかの街に住み、いずれにもチャイナタウンがあった。ジャパンタウンやコリアタウンはないのに。「中国人の集団の大きさ、影響力は日韓と違う」。肌で感じた。  カナダで就職しようと思ったが、10年余り親と離れ、近くにいたかった。ただ、「適切な距離感」も大事と思い、日本が浮かんだ。大学を探していて「キャンパスアジア」に出合う。日中韓の大学が互いに単位を認定するプログラムだ。  プログラムに合格し、北京大学の国際関係学院と東京大学の公共政策大学院で、それぞれ1年間学んだ。たくさんの人と出会い視野が広がったが、日中韓の違いも感じられた。中国語も日本語も片言。日中両国で道に迷い、通りすがりの人に尋ねた。  中国では大声でまくし立てられ当惑したが、連れていかれると、そこは目的地。大きく、豪快だった。日本では静かに、時には手帳に丁寧に地図を書いてもらった。教えてあげられないと申し訳なさそうにする人もいた。正確で、繊細だった。韓国はその真ん中ぐらいか、と思う。  日中韓それぞれのユニークさを生かせると考え、キャンパスアジアを支援する「日中韓三国協力事務局」の採用に応募し、昨年合格した。事務局は2011年、日中韓の政府によりソウルに設立された国際機関。3カ国の30人余りの職員が働いている。外務や経済貿易、環境など21の閣僚会議を開き、企業や学術、文化などの交流も行う。キャンパスアジアもその一環として支援する。  4月末、事務局の設立10周年を記念するフォーラムがソウルであった。協力の成果を誇る発言があった一方、日中、日韓、韓中の三つの二国間関係で「歴史や安保の問題などが克服できず、協力できていない」といった率直な意見もあった。  事務局で働いて約10カ月の金さんは、会場の外で運営を支援した。短いながら仕事を通して分かってきたのは、同じ韓国人の世代が違う人たちより、日本や中国の同年代の人たちの方が考え方が似ており、通じ合えるということ。金さんは言う。「日中韓の人々はそれぞれ複雑で多様な人生を送っている。偏った情報に基づくのではなく、相手に直接会って自分と同じような人々であることが分かれば、現状は変わるはず。理想的に過ぎる気もしますが……。それを進めるのが事務局の、そして私の役割です」(神谷毅) ◆引用のURL


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