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続折々の記 ⑥
【心に浮かぶよしなしごと】
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【 03 】6/30
       「腐敗国家まっしぐら」   小沢一郎
       韓国人25歳が見た日中韓   神谷毅記者
       検察vs文政権…韓国で起きている’大バトル’   要読

2021/06/28 中日スポーツ
『隠蔽 改ざん 虚偽 どう喝』感情むき出し菅政権に苦言

 立憲民主党の小沢一郎衆院議員(79)は28日、自身のツイッターを更新。「腐敗国家へまっしぐら」などと、感情むき出しで思いを吐露した。

 「不正行為は隠蔽(いんぺい)し、証拠文書は改ざんし、虚偽答弁は当たり前、あることないこと捏造(ねつぞう)し、忖度(そんたく)しない公務員は追放し、報道機関はどう喝し、捜査機関は手なずけて、追及されてもはぐらかし、後は国民が忘れるのを待つ」。政府、国が繰り返す数々の不正行為、虚偽にまみれた国会答弁にだまっていられない様子で、「そんな政治でいいのだろうか。腐敗国家へまっしぐら。選挙だけが、国民だけが止められる」と結んだ。

 政府の体たらくび、独裁的な政治の結末を忘れてはいけないといったメッセージを伝え、国民に投票の大切さを訴えた。

2021/6/25 毎日新聞
過労は「自分でまいた種」 麻生氏が小池都知事を批判

 麻生太郎財務相は25日、過労で静養している東京都の小池百合子知事について「自分でまいた種でしょうが」と述べた。同日告示された東京都議選で、青梅市選挙区の自民党新人候補の応援演説をした際の発言。

 麻生氏は、小池氏が特別顧問を務める都民ファーストの会を「代表の国会議員がいないから(国に)話が通じない」…
(有料記事で後略)

2021年6月30日 朝日新聞
麻生氏発言、二階氏は「問題外」

 自民党の二階俊博幹事長は29日の会見で、過度の疲労を理由に入院している東京都の小池百合子都知事について、麻生太郎副総理兼財務相が「自分でまいた種」などと発言したことへの見解を問われ、「問題外だと思うから、答弁しない」と不快感を示した。

 二階氏は小池氏について「ゆっくり静養して、しっかり回復されて、改めて東京都のリーダーとして引き続いて活躍いただきたい」と語った。

 麻生氏は25日の都議選の応援で、「都民ファースト代表の国会議員はいないから、話が通じない。従って知事が自分でやる、過労で倒れる。同情している人もいるかもしれないが、そういう組織にした。自分でまいた種でしょうが」などと発言した。

赤木ファイル問題で、いよいよ裁判沙汰になっている「森友学園問題」“関連記事” を見ていると、今でも統括責任者の麻生太郎副総理兼財務相は「俺は関りがない」といった風情のしぶとさを持った男である。 前々総理大臣の責任者でもあり、今回の森友学園問題当該責任者の安倍晋三総理の補佐役であった人だ。 補佐役は知らぬが仏を決め込むのではなく、正しいことを忠言として言うべき人だったのです。

野党の小沢一郎の憤懣ツイッターを是とする思いでいたとき、自分勝手の小心者の麻生太郎の姿を見せているのに腹が立つのです。 以上。

次に、中韓日の漫画になりそうな分かりやすい関係記事があったので取り上げてみました。

2021年5月24日
日本と中国で道をたずねたら…韓国人25歳が見た日中韓
   神谷毅記者
   https://www.asahi.com/articles/ASP5P5777P5LUHBI02C.html

写真・図版 【写真】同年代の日本人職員(右)や中国人職員(左)とオフィスで談笑する金昭姫さん=2021年5月20日、ソウル、神谷毅撮影

同年代の日本人職員(右)や中国人職員(左)とオフィスで談笑する金昭姫さん=2021年5月20日、ソウル、神谷毅撮影

 金昭姫(キムソヒ)さん(25)は幼いころ、父が日本出張の土産で買ってきた「ひよこまんじゅう」を「食べるのは頭からか、お尻からか」で弟と騒ぎながら、アニメ映画「風の谷のナウシカ」や「天空の城ラピュタ」を見て育った。当時、意味はよく分からなかったが、父親が口癖のように言っていたことを思い出す。「日本とは問題がいろいろある。でも、憎かろうが隣国には関心を持ち続けてね」

 小学6年生のころカナダに留学し、大学に進んだ。いくつかの街に住み、いずれにもチャイナタウンがあった。ジャパンタウンやコリアタウンはないのに。「中国人の集団の大きさ、影響力は日韓と違う」。肌で感じた。

 カナダで就職しようと思ったが、10年余り親と離れ、近くにいたかった。ただ、「適切な距離感」も大事と思い、日本が浮かんだ。大学を探していて「キャンパスアジア」に出合う。日中韓の大学が互いに単位を認定するプログラムだ。

 プログラムに合格し、北京大学の国際関係学院と東京大学の公共政策大学院で、それぞれ1年間学んだ。たくさんの人と出会い視野が広がったが、日中韓の違いも感じられた。中国語も日本語も片言。日中両国で道に迷い、通りすがりの人に尋ねた。

 中国では大声でまくし立てられ当惑したが、連れていかれると、そこは目的地。大きく、豪快だった。日本では静かに、時には手帳に丁寧に地図を書いてもらった。教えてあげられないと申し訳なさそうにする人もいた。正確で、繊細だった。韓国はその真ん中ぐらいか、と思う。

 日中韓それぞれのユニークさを生かせると考え、キャンパスアジアを支援する「日中韓三国協力事務局」の採用に応募し、昨年合格した。事務局は2011年、日中韓の政府によりソウルに設立された国際機関。3カ国の30人余りの職員が働いている。外務や経済貿易、環境など21の閣僚会議を開き、企業や学術、文化などの交流も行う。キャンパスアジアもその一環として支援する。

 4月末、事務局の設立10周年を記念するフォーラムがソウルであった。協力の成果を誇る発言があった一方、日中、日韓、韓中の三つの二国間関係で「歴史や安保の問題などが克服できず、協力できていない」といった率直な意見もあった。

 事務局で働いて約10カ月の金さんは、会場の外で運営を支援した。短いながら仕事を通して分かってきたのは、同じ韓国人の世代が違う人たちより、日本や中国の同年代の人たちの方が考え方が似ており、通じ合えるということ。金さんは言う。「日中韓の人々はそれぞれ複雑で多様な人生を送っている。偏った情報に基づくのではなく、相手に直接会って自分と同じような人々であることが分かれば、現状は変わるはず。理想的に過ぎる気もしますが……。それを進めるのが事務局の、そして私の役割です」(神谷毅)

次の記事も目についた記事であったので取り上げます。
2020/11/30 ヤフーJapanニュース
検察vs文政権…韓国で起きている’大バトル’
   本質は「検察改革」めぐる天王山
   徐台教 | ソウル在住ジャーナリスト。「ニュースタンス」編集長
   https://news.yahoo.co.jp/byline/seodaegyo/20201130-00210273/

【写真】秋美愛法務部長官(左)と尹錫悦検察総長。いずれもくせ者で知られる。筆者作成。

新型コロナ拡散と並び、韓国で連日大きく報じられる法務部と検察総長の対立。事態は検察総長の追い出しという「見かけ上のゴール」に向けて進んでいるが、事の本質はより複雑だ。

法務部長官の「実力行使」

「長官20人でも検察総長一人とは代えられない」

今から20年数年前、故金泳三(キム・ヨンサム)元大統領が在職中に語ったとされるこの言葉は、2000人の検事を束ねる検察総長の力が最高権力者にとっていかに有用なのかを表している。だが、そんな検察総長が政権に牙を向いたらーーいま韓国で起きている事態の背景には検察の「強さ」をめぐる長年の葛藤が横たわる。

今月24日、秋美愛(チュ・ミエ)法務部長官は突如記者会見を開き、尹錫悦(ユン・ソギョル)検察総長に対し懲戒を請求すると共に、その職務を停止すると発表した。理由は「監察の結果、検察総長に深刻で重大な非違(法に違反すること)嫌疑を多数発見した」というものだった。

秋長官が挙げた尹総長の「嫌疑」は以下の6つであった。

(1)検事倫理綱領違反:18年11月頃、事件に関係するテレビ局『JTBC』の実質的な社主と会って不適切な交流を行った。
(2)判事に対する違法な査察:20年2月頃、チョ・グク前法務部長官の事件など主要な裁判において、担当判事の個人情報や性向を調べて裁判に活用した。
(3)監察の妨害:20年4月と6月に、側近の部下の検事に対する大検察庁の監察を正当な理由なく中断させると共に、5月には過去の与党側の著名政治家収賄事件をめぐる捜査への監察を検察総長の権限を濫用し妨害した。
(4)情報の外部への流出:20年4月、(3)と同一人物である部下への監察が始まろうとする際に、「監察が一方的に行われている」とマスコミに情報を流し、報道させた。
(5)政治的中立という信頼の喪失:政治的中立に疑いを持たせるような言動を慎むよう憲法と法律に定められているのにもかかわらず、20年10月の国政調査の際に、退任後の政治家転身を宣言するような発言を行った。さらに次期大統領候補として世論調査で高い支持を得ている結果を前にしても、政治的中立を守る努力をせずに黙認した。
(6)監察対象として協力義務の違反:20年11月に検察総長を対象にした監察を行う際に、日程の協議に応じず、法務部の監察担当官の訪問を知らせる書類の受け取りも拒否するなど監察規定を違反した。

秋長官の決定に対し、尹総長は「違法で不当な措置に最後まで法的に対応する」と強く反発している。25日には職務停止措置の執行停止を求める仮処分申請を裁判所に行うと共に、職務停止措置そのものを取り消す訴訟を26日に起こした。

そして今日30日午前11時から、ソウル行政裁判所で仮処分申請の訴訟の審問が行われている。

裁判所が尹総長の申請を認容する場合、尹総長はひとまず職務に復帰することになる。結果は一両日中に判明する見通しだ。職務停止処置そのものの不当性に関する訴訟は数か月かかり、来年7月に尹総長の任期満了までずれ込む公算が高い。

一年間続いてきた対立

判事出身で過去17年から18年にかけて与党代表を務めるなど当選5回の大物議員である秋美愛氏は、法務部長官に就任した今年1月以降、尹錫悦検察総長と正面から衝突してきた。

人事異動を通じ、尹総長の側近を要職から排除した。それと共に、政府に近い人士がお墨付きを与えたことで被害が広がったとされる数百億円の被害が出ている「ライム」「オプティマス」といったファンド詐欺事件、保守メディアと検察の結託疑惑という2つの事件において、2度にわたり検察総長の捜査指揮権を剥奪した。韓国では1948年以降、3度しかないケースだ。

さらに最近では、原発「月城(ウォルソン)1号機」の閉鎖を正当化するため経済性をわざと低く見積もった疑惑があるという監査結果を元に、政府の産業通商資源部などを強制捜査した尹総長を「政治的行為」と強く非難してきた。尹総長がみずからの政治的野心のために、18年と19年に却下した事案を蒸し返しているという主張だ。

そんな一連の動きの「完成」が今回の職務停止命令と見るのが妥当だ。秋長官は今後、12月2日に予定される法務部の検事懲戒委員会で具体的な証拠を挙げながら、尹総長を解任に追い込んでいくことになるだろう。時に過剰なほどの闘志を発揮する秋長官の性格が遺憾なく発揮されている状態だ。

だが、こんな秋長官の行動は市民にとって、「やり過ぎ」と受け止められているのが実情だ。

韓国の世論調査会社『リアルメーター』社が26日に発表した全国の500人を対象とした世論調査では「秋長官による尹総長の職務停止」について「良くやったこと」38.8%、「間違ったこと」56.3%という結果が出た。いつものように、与党系の進歩派市民は71.8%が肯定評価をした反面、野党系の保守派市民の76.6%が否定評価を下した。また自身を「中道」とした回答者の66.6%が否定評価に回った。
(『リアルメーター』社による世論調査結果。56.3%の回答者が秋美愛長官の決定に否定的な見解を示し、話題となった。『リアルメーター』社より引用)

類を見ない検察の強さ

それでも今回の秋長官の行動を支持する声も根強い。その背景には検察改革という、文政権の最も重大な公約であり、韓国社会にとって避けては通れない課題が横たわっている。

昨年8月にソウル大教授で元民情主席秘書官のチョ・グク氏が法務部長官候補となった時から、尹総長と文政権の葛藤は顕在化していた。

当時、チョ氏は文大統領と共に「検察改革」の必要性を最もよく理解する人物とされていた。このため、検察を守りたい尹総長がチョ氏に対し執拗な捜査を行い、衝突が起きていた(なお、私文書偽造や公職者倫理法違反、職権濫用など11の嫌疑で起訴されたチョ氏の裁判は未だ続いている)。

この衝突は結局、チョ長官が就任からわずか35日で退任することになり、検察側の勝利に終わったかに見えたが、次に法務部長官となった秋美愛氏は理知的なチョ氏とは異なるキャラクターの持ち主だった。ある与党関係者は筆者に「功名心や使命感が過度にあり、破格の決定を下したがる人物」と評している。「検察に売られたケンカを秋長官が買った形」(同)という見方だ。

他方、韓国で検察といえば最強集団だ。その強さを表現する言葉の一つに「検察共和国」というものがある。これは検察こそが韓国の主人であるという例えだ。2011年に出版され今も売れ続けている『検察共和国、大韓民国』という本では韓国検察の強さを以下のように表現している。

他国の場合、制度を設計する際に法律を通じ特定の機関が独占的な権限を行使できないよう権限を合理的に配分し、権力機関のあいだでのけん制と均衡を合わせることに重点を置いている。

しかしとりわけ韓国の検察は犯罪に対する直接捜査兼、警察の捜査に対する指揮権と共に令状請求権と起訴権までも独占している。それだけでなく、ある被疑者を起訴するかどうかの起訴裁量権も持っており、すでに進行中の刑事裁判までも中止させられる公訴取消権も持っている。

「できないことはない」という意味の「無所不為」という言葉がぴったりの組織が検察だ。

その強さは下記の表を見ても一目瞭然だ。文字通り世界でも類を見ない権限を韓国の検察は保持している。
(韓国に検察の権限を主要先進国と比較したもの。その権限の大きさが際立つ。書籍『検察共和国、大韓民国』P146の表を筆者が日本語に翻訳したもの)

検察改革の悲願

だが真の問題は冒頭で挙げたように、その力を社会や市民のためでなく「政敵の除去」や南北分断・対立を口実とした「スパイのねつ造」といった風に時の権力者のために使うことにある。さらに政治権力の非理(違法行為)を見逃すことで蓄積される検察組織の権力そのものを守ろうと、検察の力を使うこともある。

文在寅大統領は在野人士だった2011年に出版した共著『検察を考える』という本の中で「政治権力と検察は互いに自身の権限を拡大し、既得権を極大化する」、「政治がみずから改革できない場合、その役割を検察が担当することになる。この過程で政治は検察に従属する」と検察の危険性を繰り返し指摘している。

さらに政治家のように投票により選出された職でないため任期も無く、けん制する組織が存在しない検察は韓国ではもはや手の付けられない集団であるという理解だ。ある議員が筆者に語った「国会議員が唯一怖がるのは検察だけ」という言葉は嘘ではない。

一方で、度重なる収賄疑惑や朴槿惠政権(パク・クネ、在職13年2月〜17年3月)時代に国政ろう断事件に「加担」したと見なされていることで、韓国社会における検察の信用度はもはや地に落ちているのもまた事実だ。

2019年5月から6月にかけて『韓国政策リサーチ』が行った「機関・対人信頼度調査」世論調査で検察の信頼度は23%と、国会(9%)に次ぐ下から2番目だった(国会が最下位というのもひどい話であるが)。
(『韓国政策リサーチ』の「機関・対人信頼度調査」結果。一番右が最下位の国会(9%)で、その左が検察(23%)だ。1位は金融機関(68%)となっている。『韓国リサーチ』より引用)

過去、こんな検察の改革に乗り出し挫折したのが盧武鉉政権(ノ・ムヒョン、在職03年2月〜08年2月)だった。捜査権の独占を警察と調整し、検察や国会議員を含む高位の公職者を捜査できる独立機関『高位公職者非理捜査処(公捜処、コンスチョ。現在は高位公職者犯罪捜査処に改名)』の設置を進めたが叶わなかった。

盧大統領もまた、収賄疑惑をめぐり検察が本人や家族、側近知人に行った厳しい捜査に耐えかね自死を選んだ。盧大統領の自死後に発刊された自叙伝の中でも、上記の改革を進めなかったことを強く後悔していることが明らかになった。

その盧大統領の最側近として、共に検察改革を進めてきた文在寅大統領はその意志を引き継ぎ、今は国会での6割近い議席数を用い法改正を含めた半ば強引なやり方で、『公捜処』の発足目前にまでこぎ着けている。

与党の李洛淵(イ・ナギョン)代表は「なんとしても年内に発足を」と盧武鉉−文在寅と受け継がれてきた宿願を叶えるために外堀を埋めている。『公捜処』設置が実現する場合、検察は強いけん制にさらされることになり、韓国社会は大きく一歩、前に踏み出すことになる。

文大統領は「黙認」か

こんな文在寅政権の検察改革に対する意気込みを韓国の世論は支持してきたが、前述したように風向きが変わりつつある。

昨年10月に『韓国社会世論調査所』が行った世論調査では、回答者の61.0%が「検察改革の主張に共感する」と答え、「共感しない」とした36.1%を大幅に上回った。まだ検察改革への支持があった。

だが、今年8月に『韓国リサーチ』など4社が共同で行った世論調査では回答者の52%が「検察の飼い慣らしに変質するなど、当初の趣旨と変わっているようだ」と文政権と秋長官の検察改革のやり方に否定的な見解を示した。「権力機関の改革という当初の趣旨に合わせ進んでいる」と答えたのは32%だった。

ここで疑問になるのが、ではなぜ今、明らかに政権に不利になる判断を秋美愛長官が下し、尹総長と正面衝突したのかという点だ。

これについて、韓国政治と与党事情に詳しい李官厚(イ・グァヌ)慶南発展院研究委員(政治学博士)は30日、筆者との電話インタビューで「今回の職務停止の決定は行き過ぎかもしれないが、秋長官の性格を考える場合に充分にあり得る選択だ」と説明した。

李研究員はこのように、今回の騒動はあくまでも秋長官のスタイルが先走ったものとしながらも「本筋は検察改革の流れにある」(同)という見方だ。
(文在寅大統領。「不利な話題には口を開かない」という批判も根強い。青瓦台提供)

市民団体も声を上げている。韓国一のアドボカシー(政策提言)NGOの「参与連帯」は秋長官の会見翌日の25日に立場表明を行い、尹総長には判事の査察などについて真相究明を行うべきとする一方、秋長官には「過剰な措置」と指摘し嫌疑について納得する説明をすることを求めた。

さらに文大統領に対し「結者解之」、つまり事態を複雑にした人物がこれを解きほぐすべきと主張し、解決を促した。実は今回、文大統領の存在感の無さは様々なメディアで指摘されている。

これについて前出の李研究員は「秋長官の決定を文大統領が事前に知らなかったことは考えられないが、秋長官のモチベーションなどを考えて黙認したのではないか。必ずしも大統領府が望んでいる形ではないかもしれないが、文大統領は検察改革の意思が固く『公捜処』の発足を望んでいるため、もはやどうにも動かせない今の状況を見守るだろう」と解説した。

直近の支持率が40%(韓国ギャラップ、26日)と下降気味の文在寅政権の影響はどうか。

李研究員は「来年4月の(ソウル市長、釜山市長)補欠選挙前に、『公捜処』を無事に発足させられるかがカギだ」と指摘する。「これに失敗する場合、今年1年間何をしてきたのかという批判を免れることはできず、政権には大きな打撃となる」と見通した。
徐台教
ソウル在住ジャーナリスト。「ニュースタンス」編集長
群馬県生まれの在日コリアン3世。韓国・高麗大学東洋史学科卒。1999年から延べ16年以上ソウルに住みながら、人権NGO代表や日本メディアの記者として朝鮮半島問題に関わる。2015年、韓国に「永住帰国」すると同時に独立。2016年10月から半年以上「ろうそくデモ」と朴槿恵大統領弾劾に伴う大統領選挙を密着取材。その過程をまとめた「韓国大統領選2017」が多くのアクセスを集める。2017年5月からは韓国政治、南北関係を扱う「コリアン・ポリティクス」を創刊。2020年2月に朝鮮半島と日本の社会問題を解決するメディア「ニュースタンス」へとリニューアル。ソウル外国人特派員協会(SFCC)正会員。