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続折々の記 ⑩
【心に浮かぶよしなしごと】
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【 08 】11/16
    お手製「生コンニャクの作り方」
    横井庄一の「遺された声」
    物忘れをしても いい夫婦
    挨拶の下請け  飾り気のない真実を
    15人に1人!発達障害児急増のウラに「農薬汚染の食品」
    学力不振児童の増加
        

生コンニャクの作り方   https://www.zeitaku.jp/connyaku/make/how_make1.htm

表題をクリックすると、写真付きのデータが現れ参考にします。

当然のことながら、できあがりの美味しさは、材料のこんにゃく芋の良し悪しに左右されます。 せっかくですから良い芋を使うようにしてください。

※こんにゃく芋(いも)500gで普通の板こんにゃく(250g)を約8~9枚作る事ができます。
※記載の分量はこんにゃく芋500gに対する分量です。
※ここに記載の例は一例です。他にもいろいろな作り方があります。

■用意する用具
包丁
皮ひき
ゴムべら
ゴム手袋
ボール(3,000ccくらい入る大きめのもの)
泡だて器
おろし金(目の細かいもの)又は、ミキサー(フードプロセッサー)
計量カップ(200CCが計れればよい)
小さめのボール(200ccくらい入る小さめのもの)
鍋(大きめ)
バット
■材料
こんにゃく芋(いも) (500g)皮は剥いても剥かなくてもよい。
凝固剤(水酸化カルシウムまたは貝殻焼成カルシウム) 4g


[ 1 ] 下ごしらえ
下ごしらえ
ゴム手袋をしてください。(芋を直接さわるとかゆくなります)


こんにゃく芋はたわしでよく洗います。皮は剥いても、剥かなくても、少し残しても良いです。 (皮を残すほど黒いこんにゃくになります。)

【おろし金でする場合】
芋は持ちやすい大きさに切ります。大きいボールに水約1,650ccを入れ、その中に芋をすっていきます。すった芋が固まらないよう時々泡だて器で攪拌して下さい。

【注意】
目が粗いおろし金で作ると失敗します。刺す様に痛いアクが残ったこんにゃくになってしまいます。

下ごしらえ
【ミキサーでする場合】
芋は一口大に切ります。約50℃のお湯を約1,650cc用意します。
適量の芋とひたひたになる量の湯をミキサーに入れ、最初はフラッシュし加減しながらすっていきます。

ミキサーはおおよそ1分回せば良いでしょう。すった芋は大き目のボールに入れて下さい。

最後は残った湯でミキサーを攪拌(かくはん)し、きれいにします。湯は1,650cc全部を使ってください。

おろし金、又はミキサーですり終わったら、泡だて器で全体を再度攪拌し、そのまま約40分間放置します。

※水(お湯)の量はこんにゃくの約3.3倍=1,650ccが目安になります。
※摺ったこんにゃくは、白かったりピンクだったり、時には茶色っぽかったりしますが、出来上がりに大差ないようです。

[ 2 ] のりかき
煮て溶かす
[1]のこんにゃくを手で練っていきます。

大胆に力強く練ってください。そうするとおおよそ10分ほどで糸をひくような感じになってきます。
(下平⇒テレビでは周りを上に載せ続けて練り、泡ができるようにすると言っていました)

糸をひき、照りがでてくるようになればよいでしょう。

※この"のりかき"の段階で、良く練ると弾力のあるこんにゃくが、練りが少なめだと歯切れの良いこんにゃくが出来るようです。
(下平⇒刺身にして食べるには弾力のあるようにしたいという)

[ 3 ] 凝固材溶液
凝固材投入
小さいボールに100ccの水を用意し、4gの凝固剤(水酸化カルシウムや貝殻焼成カルシウム)を溶き、凝固剤溶液を作ります。

※凝固剤を溶く水の量は芋500gに付き、100ccを目安にして下さい。

[ 4 ] 凝固剤溶液投入
型に入れる
[2]のボールに[3]で出来た凝固剤溶液を一気に入れ、すぐに練り始めます。

こんにゃくがバラバラになるので、すばやく混ぜながらよく練りこんでいきます。最初はわざとバラバラになるよう混ぜ、次第にまとまる様に練りこんでいく要領です。

色むらがなくなり、全体が均一にのり状になるまで大胆に力強く練り合わせてください。

【注意】
出来るだけ早くかき回せながら練り合わせないとこんにゃくがバラバラになって固まらなくなってしまいます。大胆に力強く練るのがコツです。 また練りすぎてもまとまらなくなってしまうので「全体が均一にのり状になるまで」にしてください。力強く練ればおおよそ1分でそのような状態になります。

[ 5 ] 型入れ→茹でる
成型
ボールからバットに移します。手で強く押さえるようにして(空気を抜くように)、平らにならしていきます。

ある程度平らになったら、手に水をとって撫でると表面がなめらかになります。

20分くらい放置しておくとバットから簡単に剥がれるようになりますので、適当な大きさに切り、沸騰した湯に入れ、30~40分くらい茹でます。

[ 6 ] 熟成
仕上げ
茹で上がったら火を止めて、しばらく放置しておくとこんにゃくが熟成し、弾力がでて美味しくなります。

■保存方法
茹でた水でそのまま冷まし、その水に浸した状態で冷蔵庫に入れておけば10日間くらいは保存可能です。

■ぜいたく庵では、月に一度、生芋100%の蒟蒻を手作りしています。(予約販売)
専門店だから知っている!
手作りこんにゃくをいっそう美味しくする技ありテクニックとは?
良い芋を使うことが美味しいこんにゃく作りの絶対条件ですが、凝固剤に貝殻焼成カルシウムを使うことでも、こんにゃく臭をぐっとおさえた美味しいこんにゃくを作る事ができます。
貝殻焼成カルシウムは少々高価な上、一般には手に入りづらい材料ですが、私どものような専門店がこだわりの商品を作る時は必ず使います。 当店のこんにゃくにも積極的に使っています。
テレビによると、消石灰を使ったほうが芋の香りがしておいしいと言っていました(下平)。
ぜいたく庵では、地元・下仁田で栽培された上質のこんにゃく芋(いも)を販売しております。
(毎年11月頃~翌年2月頃まで)

■こんにゃくの作り方:芋(動画)はこちら »
こんにゃくの作り方(動画):生芋からこんにゃくを作る作り方

■こんにゃくの作り方:精粉(テキスト)はこちら »
■こんにゃくの作り方:精粉(動画)はこちら ≫
こんにゃくの作り方(動画):精粉からこんにゃくを作る作り方
以上終り

横井庄一の「遺された声」
   初回放送日: 2021年11月14日

戦後27年間グアム島の密林に潜伏していた元日本兵・横井庄一。今回、横井の1500分にわたる肉声テープが発見された。そこに刻まれた知られざる“横井の戦争”とは。

戦後27年間グアム島の密林に潜伏していた元日本兵・横井庄一。1972年に帰還後、横井はサバイバル生活については多くを語るも戦争の実態についてはほとんど口を閉ざし82歳で生涯を終えた。今回、帰還の翌年に収録された1500分の肉声テープが発見された。そこに刻まれた知られざる“横井の戦争”「グアムの戦後のことは日本政府に訴えなあかん。戦後の後始末をつけるために」。遺(のこ)された声が今問いかけることとは

配信中 11月18日(木)午後5:00ほか 放送予定へ

鼠径部トレーニング

2017-03-31
リンパが集まる“そけい部”のトレーニングで引き締まった下半身を手に入れる!
   https://how.rizap.jp/entry/training/Inguinal-part

リンパ腺

 2021/11/22 (天声人語)
物忘れをしても いい夫婦      

 年を重ねるに従い、物忘れが増えるのは人の常である。俳優や政治家の名前、映画や小説の題などが出てこなくなる。それでもどこかで安心していたと、作家の小池真理子さんがエッセーに書いている。同じ敷地内の離れで仕事をする夫に、内線電話で尋ねればいいからだ▼それは夫で作家の藤田宜永(よしなが)さんも同じで、服の「トレーナー」という言葉をよく度忘れし、小池さんに聞いていた。そんな日々が終わったのは、藤田さんが昨年、末期がんで帰らぬ人となったからだ▼小池さんが小紙に連載したエッセーをまとめた『月夜の森の梟(ふくろう)』には、二人で過ごした日常がつまっている。議論から喧嘩(けんか)になり、別れる別れないの話になるのはしょっちゅうだった。それでも翌朝には並んで食事をしているのが、不思議だったという▼「年をとったおまえを見たかった。見られないとわかると残念だな」。亡くなる数週間前の藤田さんの言葉だという。誰かと出会って暮らし始め、一緒に老いていく。それがいかに幸運なことであるかを改めて思う▼夫婦によるデュオ、ハンバートハンバートの曲に、こんな詞がある。〈それからぼくも君を見つめ/それからいつもおなじ話〉。何度も何度も同じ話をする。何度も同じ道を一緒に歩く。それが夫婦だと感じるようになったのは、在宅勤務が増えたせいでもあろうか▼きょう11月22日は「いい夫婦の日」。今ある二人の日常も、既に思い出になってしまった日常も、どちらも大切な贈り物である。

 2021/11/23 (天声人語)
挨拶の下請け  飾り気のない真実を      

 世に座談の名手がいるように挨拶(あいさつ)の名手もいて、作家の丸谷才一は間違いなくその一人だろう。著書『挨拶はむづかしい』に収められた挨拶文の数々にはほんの少しの毒が効いている。例えば老評論家の米寿を祝う会で、彼が昔書いた小説を酷評する▼それから歴史記録や自叙伝などの作品をたたえ、その描写の技術は「小説をいくつか手がけたことと関係があるに相違ない」と力説する。きちんと原稿にしてから読み上げていたそうで、一つひとつが気の利いた評論のようだ▼新聞コラムもかくありたいと反省したくなるが、今回の話題はそこでなく、国会議員たちの挨拶である。地元の会合などでの挨拶文を厚生労働省の職員に作らせている実態が、先日の記事にあった▼職員らは「本来の公務ではない」と感じており、残業が増える原因にもなっているという。果たして厚労省だけの問題なのか。政治家は挨拶の名手とまでいかずとも、人々に語りかけるのが仕事のはずだ。その大事な言葉を下請けに出していたとは▼あるいはもともと言葉の力など信じず、毒にも薬にもならない内容でいいと考えているのか。そう言えば丸谷はある座談で、政治家にこそ言葉で説得してほしいのにできていないと嘆いていた▼「日本の政治家は、血統と金力と腕力、そういうもので政治をやると思ってるわけでしょう」。20年前の発言だが、古いと言えないのがつらい。原爆の日に挨拶文を読み飛ばして、すぐに気づかなかった首相も最近いた。

 2012/12/19
15人に1人!発達障害児急増のウラに「農薬汚染の食品」      

12月5日、文部科学省は春に実施した調査の結果を発表した。そのデータによれば、発達障害の可能性のある公立の小中学校生が、全国で推定61万3千人もいるという。これは全体の6.5%にあたり、40人学級であれば2~3人在籍している計算だ。

「発達障害は脳の機能不全です。主なものには知的能力には問題がないのに、聞く・話す・読む・書く・計算する・推論する力のうち、特定なものを苦手とする『学習障害(LD)』。多動性、不注意、衝動性が特徴となる『注意欠陥多動性障害(ADHD)』。そして、社会性、興味、コミュニケーションについて特異性が認められる『アスペルガー症候群』や『自閉症』などがあります」(文部科学省中央教育審議会専門委員で教育ジャーナリストの品川裕香さん)

発達障害児の“急増”の原因について、脳神経科学者(元東京都医学研究機構神経科学総合研究所参事研究員)の黒田洋一郎さんは次のように語る。

「アメリカでも日本でも、発達障害と環境化学物質汚染の関連性が研究され始めています。とくに原因として注目されているのが、有機リン系農薬やPCB(ポリ塩化ビフェニール)などの脳に有害な神経毒性物質です。妊婦や胎児が汚染され、結果的に子供の脳の神経回路が正常に発達せず、行動異常を引き起こすのではないかと推測しているのです」

‘10年、アメリカのハーバード大学などの研究チームが、有機リン系の農薬を低濃度でも摂取した子供はADHDになりやすいことを小児学会誌に発表した。ただし、人間の脳の仕組みは複雑きわまりなく、農薬と発達障害の因果関係を厳密に証明するためには長い年月が必要だと黒田さんはいう。

「だからといって”危険な農薬”を使い続ければ、発達障害児は今後も増加していくでしょう。それを防ぐためには、まず農薬の使用量を減らし、空中散布をやめること。農薬が含まれている家庭用殺虫剤の使用も極力避けるべきです。特に妊娠が予想される女性や子供は、できるかぎり無農薬の野菜や果物を食べてください」
(週刊FLASH 12月18日号)

 2021/11/24
学力不振児童の増加      

文部科学省のデータより

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第4節 子どもの育ちの現状と背景:文部科学省

近年の幼児の育ちについては,基本的な生活習慣や態度が身についていない,他者とのかかわりが苦手,自制心や耐性,規範意識が十分に育っていない,運動能力が低下しているなどの課題が指摘されている。 また,小学校1年生などのクラスにおいて,学習に集中できない,教員の話が聞けずに授業が成立しないなど学級がうまく機能しない状況が見られる。 加えて,近年の子どもたちは,多くの情報に囲 …
子どもの育ちの変化の社会的背景子どもの育ちを巡る環境の変化 -地域社会の教育力の低下-親の子育て環境などの変化 -家庭の教育力の低下-幼稚園等施設の教員等の今日的課題
少子化,核家族化,都市化,情報化,国際化など我が国経済社会の急激な変化を受けて,人々の価値観や生活様式が多様化している一方で,社会の傾向としては,人間関係の希薄化,地域社会のコミュニティー意識の衰退,過度に経済性や効率性を重視する傾向,大人優先の社会風潮などの状況が見られるとの指摘がある。
このような社会状況が,地域社会などにおける子どもの育ちを巡る環境や家庭における親の子育て …

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第4節 子どもの育ちの現状と背景

子どもの育ちの現状
近年の幼児の育ちについては,基本的な生活習慣や態度が身についていない,他者とのかかわりが苦手,自制心や耐性,規範意識が十分に育っていない,運動能力が低下しているなどの課題が指摘されている。
 また,小学校1年生などのクラスにおいて,学習に集中できない,教員の話が聞けずに授業が成立しないなど学級がうまく機能しない状況が見られる。
 加えて,近年の子どもたちは,多くの情報に囲まれた環境にいるため,世の中についての知識は増えているものの,その知識は断片的で受け身的なものが多く,学びに対する意欲や関心が低いとの指摘がある。
子どもの育ちの変化の社会的背景
少子化,核家族化,都市化,情報化,国際化など我が国経済社会の急激な変化を受けて,人々の価値観や生活様式が多様化している一方で,社会の傾向としては,人間関係の希薄化,地域社会のコミュニティー意識の衰退,過度に経済性や効率性を重視する傾向,大人優先の社会風潮などの状況が見られるとの指摘がある。
このような社会状況が,地域社会などにおける子どもの育ちを巡る環境や家庭における親の子育て環境を変化させている。さらには,このような変化に伴い,後述するとおり,幼稚園等施設の教員等にも新たな課題が生じている。
 そして,これらのことが複合的に絡み合って,子どもの育ちに影響を及ぼしている要因になっているものと考えられる。
子どもの育ちを巡る環境の変化 -地域社会の教育力の低下-
第1に,地域社会などにおいて子どもが育つ環境が変化している。
 子どもが成長し自立する上で,実現や成功などのプラス体験はもとより,葛藤や挫折などのマイナス体験も含め,「心の原風景」となる多様な体験を経験することが不可欠である。
しかしながら,少子化,核家族化が進行し,子ども同士が集団で遊びに熱中し,時には葛藤しながら,互いに影響しあって活動する機会が減少するなど,様々な体験の機会が失われている。
 また,都市化や情報化の進展によって,子どもの生活空間の中に自然や広場などといった遊び場が少なくなる一方で,テレビゲームやインターネット等の室内の遊びが増えるなど,偏った体験を余儀なくされている。
 さらに,人間関係の希薄化等により,地域社会の大人が地域の子どもの育ちに関心を払わず,積極的にかかわろうとしない,または,かかわりたくてもかかわり方を知らないという傾向が見られる。
親の子育て環境などの変化 -家庭の教育力の低下-
第2に,幼児教育が行われる一つの場としての家庭における子育てについても,その環境などが変化している。
 言うまでもなく,子育てとは,子どもに限りない愛情を注ぎ,その存在に感謝し,日々成長する子どもの姿に感動して,親も親として成長していくという大きな喜びや生きがいをもたらすものである。実際,子どもの成長が感じられたとき,子どもの笑顔を見たときなどに,特に喜びを感じるなど,自分の子育てに満足している親は半数を超えている。
このような子育ての喜びや生きがいは,家庭や地域社会の人々との交流や支えあいがあってこそ実感できるものである。
 しかしながら,一方で,核家族化の進行や地域における地縁的なつながりの希薄化などを背景に,本来,我が子を自らの手で育てたいと思っているにもかかわらず,子どもにどのようにかかわっていけばよいかわからず悩み,孤立感を募らせ,情緒が不安定になっている親も増えている。
 こうした状況の中,児童相談所における虐待に関する相談処理件数も増加している。
また,女性の社会進出が一般的になり,仕事と子育ての両立のための支援が進み,子育ての他にも,仕事やその他の活動を通じた自己実現の道が選択できる社会環境にある中で,子育てに専念することを選択したものの,そのような生き方で良いのか不安を覚え,子育ては「自分の人生にとってハンディキャップではないか」と感じてしまう親がいるとの指摘もある。
一方で,物質的に豊かで快適な社会環境の中で育ち,合理主義や競争主義などの価値観の中で育った者が多い今の親世代にとって,必ずしも効率的でも,楽でもなく,自らが努力してもなかなか思うようにはならないことが多い子育ては,困難な体験であり,その喜びや生きがいを感じる前に,ストレスばかりを感じてしまいがちであるとの指摘もある。
また,経済状況や企業経営を取り巻く環境が依然として厳しい中,労働時間の増加や過重な労働などの問題が生ずる傾向にあり,親が子どもと一緒に食事を取るなどの子どもと過ごす時間が十分ではなくなり,これも親の子育て環境に影響を与えている要因であるとの指摘もある。 このような子育て環境を改善し,家庭や子育てに夢を持てる社会を実現するため,現在,子育て支援の取組が行われている。
 しかしながら,その取組の結果として,親や企業の際限のない保育ニーズをも受け入れ,単なる親の育児の肩代わりになってしまうことがあると懸念する声もある。この場合,特に低年齢児にあっては,人を愛し,人を信じる心など,人との関係性の根幹を形成する上で必要となる信頼できる大人との1対1による絶対的な依存関係を確保することが難しくなり,子どもの健やかな成長にとって何らかの影響があるのではないかと懸念される。
したがって,「父母その他の保護者が子育てについて第一義的責任を有する」という少子化対策における基本理念を踏まえ,親の育児を単に肩代わりするのではなく,親の子育てに対する不安やストレスを解消し,その喜びや生きがいを取り戻して,子どものより良い育ちを実現する方向となるような子育て支援を進めていくことが必要とされている。
 加えて,親が,子どもを育て,その喜びや生きがいを感じながらも,仕事やボランティア活動等,様々な形で社会とのかかわりを持つことで,子育ての他にも様々な活動を通じて自己実現を果たせる環境を整備することも求められている。
幼稚園等施設の教員等の今日的課題
第3に,現在の幼稚園等施設における教員等には,社会環境の変化等に伴う新たな課題に対応するための能力が必要とされている。一方で,近年の教員等には,幼児教育を実践する上で必要となる資質が十分に備わっていない者も見られるとの指摘がある。
前述したように,現在の幼稚園等施設の教員等には,子どもの育ちを巡る環境や親の子育て環境などの変化に対応する力,具体的には,幼児の家庭や地域社会における生活や発達・学びの連続性を保ちつつ教育を展開する力,特別な教育的配慮を要する幼児に対応する力,小学校等との連携を推進する力などの総合的な力量が必要とされている。さらに,子育てに関する保護者の多様で複雑な悩みを受けとめ,適切なアドバイスができる力など,深い専門性も求められている。
 このように,今後の幼児教育がより一層,総合的かつ専門的なものになる中で,現在の教員等の資質や専門性では十分に対応できるのか懸念される面もある。
加えて,近年は,幅広い生活体験や自然体験を十分に積むことなく教員等になっている場合も見られるため,多様な体験を取り入れながら自ら具体的に保育を構想し,実践することがうまくできない者,あるいは教職員同士や保護者との良好な関係を構築することを苦手としている者も少なからずいる。

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