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折々の記 2009 G

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  08 29 第三回全国学力テストの結果

08 29(土) 第三回全国学力テストの結果

おととい、第三回全国学力テストの結果が発表されました。 新聞その他でこれについての意見なり考えなりが出ております。

まず、NHKニュース > 科学文化 に出てきたニュースを取りあげます。


       NHKニュース > 科学文化
  学力定着傾向も活用に課題  8月27日 17時11分

 文部科学省の全国学力テストの結果が27日、公表されました。基礎的な学力は定着する傾向が見られるものの、資料を読み取って自分の考えを表現したり、基礎的な知識を日常生活の中で活用したりすることに依然として課題があることがわかりました。

 3回目となる全国学力テストは、ことしの春、全国の小学6年生と中学3年生のおよそ235万人を対象に、国語と算数・数学でそれぞれ読み書きや計算などの基礎的な学力を調べる「問題A」と知識や技能を活用する力を調べる「問題B」のあわせて8つのテストが行われ、27日、結果が公表されました。正答率の平均は、問題の数を減らした影響で、小学校・国語の「問題B」と中学校・数学の「問題A」を除いて去年より3ポイントから13ポイント高くなりました。その一方で、過去2回の結果と同じように基礎的な学力を問う「問題A」に比べて活用力を問う「問題B」の正答率が低く、文部科学省は資料から必要な情報を読み取って自分の考えを表現する力や、基礎的な知識を日常生活の中で活用する力の育成に課題があると分析しています。正答率の平均を公立の学校について都道府県別で見てみますと、秋田県が小学校の4つのテストのうち3つで平均正答率が最も高く、中学校でも2つのテストでトップとなりました。残る3つのテストはいずれも福井県がいちばん高く、この二つの県はいずれのテストでも上位3位以内に入って全国平均を4ポイントから10ポイント上回りました。学力テストでは、あわせて子どもたちに生活習慣や学習環境について尋ねていますが、例えば、秋田県の小学生は、休みの日でも1日に1時間以上勉強していると答えた子どもが75.5パーセントと全国平均より23ポイントも高く、文部科学省は家庭で学習する習慣が身に付いていることが学力の向上につながっているものとみています。一方、正答率が低かったのは沖縄県で6つのテストで最も低く、北海道は2つのテストで最下位でした。文部科学省は結果を詳しく分析するとともに、各地の教育委員会や学校にもそれぞれ課題を整理するよう求め、指導方法の改善を図りたいとしています。

  教育条件の充実 対策は難航   8月28日 4時49分

 ことしで3回目となる全国学力テストの結果が27日に公表されましたが、各地の教育委員会は、学力テストの結果を受けて教材づくりや教員の研修には取り組んでいるものの、教員の数を増やすなど、教育条件の充実にまで対策を進めるのは難しい状況であることがわかりました。

 全国の小学6年生と中学3年生を対象に行われた全国学力テストは、27日に結果が公表され、過去2回のテスト結果と同様に知識や技能を活用する力の育成に課題があることがわかりました。公立の学校について都道府県別の正答率を見ますと、ほとんどの地域が全国平均の上下5%以内に入っていますが、正答率が最も高い県と低い県で、およそ20ポイント差があるテストもあって、文部科学省は地域による学力の差が固定化するおそれもあるとしています。一方で、学力テストを授業の改善にどのように生かしているのか、文部科学省が都道府県と政令指定都市の教育委員会に聞いたところ、ほとんどの教育委員会がテスト結果を参考に教材づくりや教職員の研修をしていました。しかし、結果を受けて教職員や非常勤講師の配置に配慮したという教育委員会はほぼ半数にとどまり、財政状況が厳しい中で教員の数を増やすなど教育条件の充実にまで対策を進めることが難しい状況であることがわかりました。これについて、教育社会学が専門のお茶の水女子大学の耳塚寛明教授は「学校や学級単位で、どのような課題があるのか分析をしたうえで、指導法の改善だけでなく、課題が集中しているところにより多くの教員を配置するなど教育の条件整備を進める必要がある」と話しています。


次に、朝日新聞の表記を見ていきます。


       現在位置 : asahi.com > ライフ > 教育 > 小中学校 > 記事
  応用問題が苦手、変わらず 第3回全国学力調査結果  2009年8月27日

 文部科学省は27日、全国の小学6年生と中学3年生を対象に、今年4月に実施した3回目の全国学力調査の結果を発表した。基礎的な知識を問う問題は答えられるが応用問題には弱い、という傾向は今回もはっきり出ており、改めて課題が浮き彫りに。毎回注目を集める都道府県別の成績は、上位層、下位層とも大きな変化はなかった。

 全国学力調査では、国語と算数・数学について、知識を問うA問題と知識を活用する力をみるB問題がそれぞれ出題される。

 全体の正答率の平均は、A問題については中学の数学(63.4%)を除くといずれも70%台だった。ただし、B問題になると、中学国語(75.0%)以外はいずれも50%台にとどまる。応用力に力点を置いた授業は各地で進められているが、目に見える効果はまだ出ていないようだ。

 都道府県別の公立校の平均正答率をみると、各教科、小、中とも秋田、福井、富山などが上位に来ている。下位層では沖縄、北海道、高知などが目立った。小学校の下位で一部変動があるが、傾向は過去2回とおおむね変わらず、固定化している。

 調査では同時に生活習慣などについてもたずねており、いくつかの点で向上の兆しがみられた。文科省や教育委員会は「全体の生活習慣を整えるもとになる」などとして朝食をとることを奨励しているが、実際に毎日食べている子どもは小6で88.5%、中3で82.3%。前年に比べそれぞれ1ポイント強増えた。同じ質問調査は01年度にも実施しているが、それと比べると小中とも12ポイント前後の増。今回の学力調査でも成績との関係が確認され、毎日朝食をとる子は全くとらない子に比べて正答率が14.1〜19.8ポイント高かった。

 調査では携帯電話の利用状況も質問。ほぼ毎日通話やメールをする子は小6で10.0%と前年比1.6ポイント減、中3では31.8%と4.0ポイント減。携帯を持っていない子も、小6は69.1%で1.0ポイント増、中3が39.0%で1.7ポイント増だった。子どもたちの携帯依存やトラブルが問題になり、学校や家庭でルールづくりが進んでいることが背景にあるとみられる。(上野創)


つづいて、読売新聞を見てみます。


       ホーム > 教育 > ニュース
  学力テスト、地域差埋まらず  秋田、福井、富山は今年も好成績

 文部科学省は27日、第3回全国学力テストの結果を公表した。小学6年、中学3年の計約222万8000人が対象。

 市町村別の成績公表など橋下徹知事のもとで対策を講じてきた大阪府は、小学国語Bが昨年の45位から34位に上昇した。上位グループは中学生の国語・数学のBで、秋田、福井、富山の3県が昨年に続いてベスト3に入った。小学生の下位グループは沖縄県、北海道など昨年と同じ自治体が目立ち、地域差が埋まらない傾向がうかがえた。

 テストは小学生が国語・算数、中学生は国語・数学。いずれも基礎知識を試すA問題と応用力をみるB問題があり、4月21日、全国一斉に実施された。

 都道府県別では、秋田県が小学生の国語B(平均正答率60・4%)、算数B(同63・7%)でいずれもトップ。同県は第1回のテスト以来、両科とも3年連続で1位となった。福井も3年連続でベスト3入り。

 大阪府は昨年2月に就任した橋下知事が改革に取り組み、小学生は算数Bも昨年の34位から27位になったが、中学生は国語・数学とも下位グループを抜け出せなかった。

 中学生の国語・数学のBは、大阪府とともに、沖縄、高知県が昨年に続いてワースト3だった。

(2009年8月28日 読売新聞)

       ホーム > 教育 > ニュース
  全国学力テスト分析、親の収入高いほど高学力
       新聞記事を話題に…成績アップ効果

 親の所得が高いと子供の成績は良いが、低所得でも親の心がけ次第で学力向上につながる――。

 昨年度の全国学力テストの結果を、文部科学省の委託を受けたお茶の水女子大の耳塚寛明教授らが分析した結果、そんな傾向が出ていることが4日、明らかになった。全国学力テストの結果と親の所得の関連を追った調査は初めて。絵本の読み聞かせなども成績向上に効果があり、耳塚教授は「経済格差が招く学力格差を緩和するカギになる」と話している。

 調査は、全国学力テストに参加した小6のうち、5政令市から100校、計約8000人を抽出し、親と教師を対象に学習環境などを調べた。

 世帯収入と平均正答率(国語と算数)の関係を見ると、高所得ほど正答率も高い傾向がみられ、最も平均正答率が高かったのは、1200万円以上1500万円未満の世帯。200万円未満の世帯と比べると平均正答率に20ポイントの開きがあった。

 親が心がけていることについて調べたところ、高学力層の子供の親は、「小さい頃から絵本の読み聞かせをした」「博物館や美術館に連れて行く」「ニュースや新聞記事について子供と話す」といった回答が多かった。このうち、「本の読み聞かせ」や「ニュースを話題にする」は、親の所得に関係なく学力向上に一定の効果がみられたという。

 調査では、学校での取り組みも調べた。家庭環境にかかわらず、児童にあいさつを徹底したり、教員研修を積極的に行ったりしている20校では、学力向上に一定の効果がみられた。

(2009年8月5日 読売新聞)


最後に「イザ!」を取りあげてみます。 この「イザ!」サイトは一般の新聞では公表されていない「学力テスト結果」を掲示しています。 どういうルートで入手したのかはわかりません。

  http://www.iza.ne.jp/ とは何でしょうか。 まず開いてみてください。
   イザ!とは を見ますと、利用の仕方が出ていますから、利用方法を知っておくことがよいです。

  http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/education/294747/slideshow/217044/
   「学力テスト 橋下知事ニンマリ、大阪が低位から浮上」

   ここにはなんと全国学力テストが表示してあるのです。 因みに幾つか拾ってみましょう

小    学    校
 - 
中    学    校
国語 順位 算数 順位 合計 順位 県別 国語 順位 数学 順位 合計 順位
120.9 -(-) 133.5 -(-) 254.5 -(-) 平均 152.8 -(-) 120.4 -(-) 273.2 -(-)
132.5 2(2) 142.9 2(2) 275.4 2(2) 福井 162.8 2(1) 135.7 1(1) 298.5 1(1)
135.7 1(1) 149.9 1(1) 285.6 1(1) 秋田 164.1 1(1) 132.2 2(3) 296.3 2(2)
124.1 10(4) 137.3 9(3) 161.4 9(4) 富山 161.9 3(3) 132.0 3(2) 293.9 3(3)
126.1 5(5) 138.2 6(6) 264.3 5(6) 石川 157.7 5(6) 128.9 4(8) 286.6 4(5)
120.2 25(13) 131.9 30(28) 252.1 26(20) 岐阜 157.6 6(5) 128.6 5(6) 286.1 5(4)
122.3 13(11) 132.3 26(16) 254.6 18(12) 山形 159.1 4(4) 124.3 10(12) 283.4 6(8)
120.0 28(16) 133.4 20(22) 153.4 25(18) 静岡 156.5 8(7) 126.5 6(7) 283.0 7(6)
121.1 20(24) 132.4 23(21) 253.5 24(25) 群馬 156.3 9(8) 125.0 9(11) 281.3 8(9)
125.7 6(10) 136.4 10(8) 262.1 8(8) 香川 155.0 12(9) 126.1 7(4) 281.1 9(7)
122.0 15(16) 135.8 12(13) 257.8 13(14) 奈良 154.3 18(12) 124.3 11(10) 278.6 10(11)
121.5 19(16) 133.9 18(23) 255.4 17(19) 長野 152.7 25(19) 119.2 26(20) 271.9 26(19)

 教育県と自負してきた長野県は一体どうしたのでしょう。

 いまの村井知事は飾り物にしたような人で、大阪の知事とは雲泥の違いがあります。
 田中康夫知事は自己主張を持っていましたが、村井知事にはそれが一向にありません。

 このサイトにある「関連ニュース」を開くと、大阪の橋本知事の
 “「このザマは何だ!」 橋下知事、伝わらない意思にいらだち”
 に始まる【橋下流 学力再生】のタイトルがいくつも出てきます。

 これらのサイトは、 「義務教育に関しては市町村の教育委員会がすべて権限を持っている。知事として府の教育委員会といろいろ政策を立案しているが、実践できるかどうかは市町村教委しだいだ」 という基本理念からスタートしていますから、老生らの “喬木村の教育をどうしていったらよいか” には大変参考になる記事です。 印刷します。

 参考のためにその一部を掲載しておきます。


  「このザマは何だ!」 橋下知事、伝わらない意思にいらだち  2009/05/11 19:32

  【橋下流 学力再生】 (上)/(中)/(下)

 「義務教育に関しては市町村の教育委員会がすべて権限を持っている。知事として府の教育委員会といろいろ政策を立案しているが、実践できるかどうかは市町村教委しだいだ」

施策導入に目立つばらつき 背景に財政…
市議や町議と橋下知事がタッグ、教育改…

 4月7日、大阪府庁で開かれた「大阪教育維新を市町村からはじめる会」の初会合。会長の橋下徹知事は自らが掲げる学力向上策が現場に十分浸透していないと強調したうえで、「市町村議の先生方の力をお借りしなければなりません」と繰り返し訴えた。

 同会は、吹田市の神谷宗幣(そうへい)市議(31)が「大阪の教育を変えるために市町村の若手議員でメンバーを組みたい」と発案、府内20市町の議員で発足した。年度内に府内43市町村すべてに会員を置くことを目指している。

 全国学力テストの成績が2年連続で最下位近くに低迷した大阪府。その汚名返上を目指す橋下知事は批判の矛先を常に市町村教委へ向けてきた。

 昨年の学テ結果が公表された際は「このザマは何だ」と激怒、市町村別の成績公表を訴え、これを拒む教委を「くそ教育委員会」「そんな自治体に何かしてやる必要はない」と痛烈に批判した。

 橋下知事は、情報公開請求に応じて市町村別データを開示したその日に、学力向上プラン「『大阪の教育力』向上に向けた緊急対策」を発表。新たに教育委員に起用した陰山英男氏(51)、小河勝氏(64)らが提唱する「反復学習メソッド」の徹底などを打ち出した。データ開示によって自治体ごとの課題を明らかにしたうえでの「次の一手」である。

 しかし、これらの施策の取り組み方には市町村によって大きなばらつきがあり、「今年の学テでは自覚のあるところ、そうでないところで、まだらの結果が出る」(陰山氏)との見方も根強い。

 「はじめる会」の議員たちも認識は同じだ。事務局長を務める神谷市議は「知事の政策が市町村でどれだけ徹底されているのか非常に不明確だと感じていた。われわれが主体的に各自治体で広めていけば、大阪の教育改革が加速するのではないかという思いで会を立ち上げた」。

 同会は近く、一連の学力向上策の市町村ごとの実施状況について詳細な実態調査を行う予定だ。知事の教育改革の「実動部隊」の登場に対し、「議員を使って“合法的”に市町村教委を動かそうという気なのか」(府南部の市教委職員)という懸念の声もある。

 橋下知事は4月9日の定例会見で、会の活動について「市町村議を通じて府の方針を浸透させるという、ある意味『政治的』な手法」と明言したうえで、次のように述べた。

 「市町村教委が府教委の言うことをまったく聞かないとなったら、府教委の存在は何なんだ。大阪の教育が悪くて矢面に立たされるのは僕なのに、僕には権限がないという…。とんでもないっすね。教育システムの大欠陥だと思う」

     ◇

 4月21日に実施され、9月をめどに結果が公表される3回目の全国学力テストで、「橋下流学力再生」は初めてその成果を問われる。知事による市町村別データ開示から半年。市町村教委や教育現場で何が変わったのかを探る。

  施策導入に目立つばらつき 背景に財政難  2009/05/12 19:26

  【橋下流 学力再生】 (上)/(中)/(下)

 大阪府教育委員会の学力向上策は、市町村ごとの取り組み状況にばらつきがあるとされる。昨年9月に始まった小中学校での放課後補習「おおさか・まなび舎」の導入率も市町村ごとに大きく異なっている。

  「このザマは何だ!」橋下知事、伝わら…
  橋下知事が方針転換 学力向上事業を批…

 全国学力テストの結果との関係でも「悪かった自治体ほど取り組んでいる率が高い」とは言いがたい。府教委の斡旋(あっせん)を受けて課外授業に塾講師を招いているのも豊中、池田など6市にとどまる。

 橋下徹知事は「現場教員の考え方の違いが大きい」とし、「一部教員が教育現場は神聖不可侵であると勘違いし、『指図は受けない』と言い張っている」と主張。知事を会長とする議員の団体「大阪教育維新を市町村からはじめる会」事務局長、神谷宗幣(そうへい)吹田市議(31)も「市町村長らの考え方が『親橋下』か『反橋下』かに左右されている」と推測する。

 ただ、府教委の幹部はこうした見方を真っ向から否定する。「まなび舎の実施率のばらつきは予算上の理由によるもので“やる気”の差とはいえない」

 実際、導入率が低い市町村教委に理由を尋ねると多くは財政難を挙げた。豊中市教委は「財政は年々厳しくなる一方。事業を維持していけるかどうかの見通しが立たないので、モデルケース的な導入にとどめた」。和泉市教委は「事業実施が決まったのが年度途中ということもあり、予算を確保できなかった」。

 今年3月まで吹田市教育委員を務めた関西大学の内田慶市教授(58)は「予算や教員の数を増やすことこそが急務だ」と言い切る。「大阪の教育を何とかしたいという橋下知事の思いは理解できる。ただ、成績開示によって市町村教委を動かそうとしても難しい。単に『うちの市はよかった』『悪かった』と一喜一憂しただけで何も解決していない」

 とはいえ、市町村別データ開示が「起爆剤」になった自治体もないわけではない。小学校、中学校いずれも府平均を大きく下回った門真市は、まなび舎とは別の市単独の土曜日無料補習「かどま自学自習室サタスタ」を始めることを決め、講師の報酬や教材の印刷費として534万円を今年度予算に盛り込んだ。

 対象は小学4、5年と中学2年。家庭教師派遣業「トライグループ」の講師や教職志望の大学生らが指導にあたり、5月9日のスタート時には市立小学校3校が参加した。市教委の担当者は「学テの結果が振るわなかったことを重く受け止めた。市の財政は厳しいが、学力向上は喫緊の課題と考え予算を確保した」と話す。

 府教委は今年度、「市町村支援プロジェクト事業」(予算額4億9650万円)に着手、5月に申し込みを受け付ける。学力向上に積極的に取り組む市町村に対し、小中学校1校あたり年75万円を上限に補助する。

 府教委幹部は「知事が問題にしているような各教委の意欲は、このプロジェクトに食いつくかどうかで初めて判断できるのではないか」とみている。

  学力定着の成否は教員の意識次第 大阪の教育力  2009/05/14 02:40

  【橋下流 学力再生】 (上)/(中)/(下)

 「きょうは引き算の1章です。さあ袋からDSを出して」。数学の玉置貴明教諭(28)が呼びかけると、教室の中学1年生たちは携帯ゲーム機「ニンテンドーDS」を手に取り、計算問題が次々と映し出される画面にタッチペンで答えを入力し始めた。

  施策導入に目立つばらつき 背景に財政…
  【主張】全国学力テスト 授業向上こそ…

 大阪府大阪狭山市の市立第三中学校では、府教育委員会が進める携帯ゲーム機活用学習を今年1月から取り入れている。公立小中学校計20校に40台ずつDSを貸し出し、学習ソフトによって基礎学力定着を促す取り組み。橋下徹知事が昨年の全国学力テストの市町村別結果開示に合わせて発表した学力向上プラン「『大阪の教育力』向上に向けた緊急対策」の目玉である。

 第三中では早くも「DS効果」が表れ始めている。現2年生約180人を対象に行った計算力テストの平均正答率は、DS導入後の2カ月間で64.1%から80.8%に上昇。最後の問題までたどり着いた生徒の率は30.1%から60%とほぼ倍増し、計算のスピードが着実にアップしていることもうかがえる。

 「即座に答えが表示されることが通常の学習にはないメリット。大量の問題をテンポよくこなしていくことは子供たちに達成感を与える」と玉置教諭。「20問ごとに時間が表示されるので『次はもっと早く解こう』って思う。問題のレベルが少しずつ上がっていくからゲームみたいで楽しい」。1年生の押村佑哉君(12)は声を弾ませた。

 全国に先駆けてDSを学校に導入したのは京都府八幡市教委だった。

 平成19年度から市立の全4中学校、20年度から9校中5校の小学校で英単語や漢字の学習に活用。中学生の場合、覚えている英単語が1人平均836語から1136語に増え、英検3級レベルとされる1300語をマスターした生徒の率は8.2%から31.3%に急上昇したという。

 大阪府でのDS活用に際し、府議会などでは「子供がゲーム漬けになるきっかけを与えるのではないか」との批判もあがっているが、八幡市教委の担当者は「そもそも学校で使う前からDSを持っている子がほとんど。保護者からのクレームもない」。大阪狭山市立第三中の寺井靖博校長(55)は「DSだけでは考える力をはぐくむことはできない」としながらも、「生活になじんでいる機器なので子供たちにとっては取っつきやすいようだ」とメリットを強調する。

 市町村ごとの実施状況にばらつきが目立つ大阪府の学力向上策。背景には各自治体の予算確保の困難さなどがあるとみられるが、加えて寺井校長は現場の意識の問題を挙げた。

 「どうしても教員は今までしてきたことから離れるのに不安を感じてしまう。DSなどの新しいものに飛びつく意気込みを持てるかどうかも、取り組みの成否を左右している」

 また、府議会一般質問などで画一的な施策展開に疑問を投げかけてきた梯(かけはし)信勝議員(55)=民主=は「学力向上策の中身に反対するつもりはない」と断ったうえで、市町村や学校ごとに予算や人材を傾斜配分できる仕組みづくりを提案する。

 「学力以前の『子供を落ち着かせておく』といった課題に追われている学校もある。そうした学校への支援を手厚くしない限り、学力テストの市町村別結果を公表しても、興味本位の見方と学力格差固定を招くだけではないか」

 (この連載は松本学が担当しました)

● goo ニュース

      ニュース >社会 >記事
   全国学力テスト 大阪急上昇 取り組み奏功…知事「ホッ」   2009年8月28日(金)08:05

 「正直ホッとしている。教員や地域の皆さんが協力してしっかり子供たちを支えてくれた」。大阪府の橋下徹知事は、上向き始めた学力に満足げだ。

 過去のテストで小学校が41位(昨年)、45位(一昨年)、中学校がともに45位と低迷、橋下知事の大号令で学力向上に取り組んできた大阪は、小6は34位、算数だけなら27位にまで浮上した。

 府では昨年10月、橋下知事の意向で、陰山英男・立命館小副校長らが教育委員に就任。府教委は陰山氏の教育理論に基づいた「百マス計算」「漢字の反復学習」に加え、弱点を見極める独自の「つまずき調査」をセットにした教材を作成し、始業前などに毎日10〜15分間、取り組ませた。反復学習は3月末までに小学の91%、中学の73%に広がったという。

 陰山氏は「実質2カ月の取り組みで、これだけの結果が出た。1年後には、12〜13位までは十分射程内だ」と自信をみせる。

 ただ、中学は45位と結果が出なかった。橋下知事は「中学校は深刻。自治体の長の責任だと思う。保護者は怒ってほしい」と、府内の自治体の奮起を促した。

 山口県は小6で10、中3で8つ順位を上げた。過去2回の学力テストのアンケートで、山口は「間違えた問題の復習」「放課後の補充的学習」などが全国に比べ薄いことが分かった。県教委は学習内容の定着度を重視したプログラムを作成し、各学校に提供した。

 中馬好行・県義務教育課長は今回の成績を「授業改善の成果が表れ始めた」と評価しつつ、「正答率はまだ全国平均以下。さらに課題を検証したい」と話す。

 全科目が2年連続で最下位だった沖縄県。今回、初めて小学の算数が46位に浮上、算数A単独では41位に。県教委義務教育班の廣幸和班長は「子供だけでなく、教師への対策の成果が徐々に出てきた」と話す。

 19年度の最下位の衝撃をきっかけに、県教委では今年4月から成績トップの秋田県との教員相互派遣も開始した。現在、秋田の2人が教壇に立つが「きめ細やかで丁寧な教え方など、学ぶところは多い」という。


◆ 文科省のデータバンク

次のような検索をたどります

   リンク集 -首相官邸ホームページ-
    文部科学省ホームページ
     教育 小学校、中学校、高等学校
      全国的な学力調査(全国学力・学習状況調査等)
       平成21年度全国学力・学習状況調査の調査問題・正答例・解説資料について
        リンク先(※国立教育政策研究所ホームページへリンク)

リンク先の 「国立教育政策研究所」 には次のページが貼り付けられています

   平成21年度全国学力・学習状況調査の調査問題・正答例・解説資料について

これを開くと、次のように小中の国語、算数数学のPDF(文書ファイル)へジャンプできます

   平成21年4月21日に実施した「平成21年度全国学力・学習状況調査」の解説資料を公開します。
    ○ 調査問題の解説資料
       【小学校】      国語(PDF:5,342KB) 
                   算数(PDF:4,540KB)
       【中学校】      国語(PDF:7,373KB)
                   数学(PDF:6,026KB)

ここには、詳細な解説資料が公開されています。 教育関係者は一応目を通しておくことがよい