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続折々の記 2022 ①
【心に浮かぶよしなしごと】
【 01 】02/12~     【 02 】02/14~     【 03 】02/15~
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【 05 】02/22
    生物の愛  
    家族の役割と子育てに対する意義

 2022/02/22
生物の愛      

生物の愛シリーズ
1 タツノオトシゴはメスが主導
2 ミミズは同性愛?
3 ミンク 強かん? それとも恋愛?
8 トンボ 空飛ぶ交尾の輪
11 象 5年たったらまた
12 ミツバチ 5万匹の処女たち
14 カゲロウ 快楽主義の一生
参考のため、稲垣栄洋著「生き物の死にざま」には29例が出ています。

歓喜天  出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
聖天の名称は、大日如来もしくは観自在菩薩の権化身であるために、歓喜天の本身(大日如来もしくは観自在菩薩)を表すために「聖」の字を用いて聖天としたという。
或るひとつの漢字表現の解釈では、たとえば読書と言えば書を読むという本来の意味があり訓練といえば練(レン)を訓(オシ)えるという本来の意味がある。とすれば漢字表現の読書は英語で“Let's read books!(本を読みましょう)”であり、観自在菩薩は同様に“菩薩心の自在を観じとりましょう”と解釈できるのです。
そうだとしますと、親鸞の教えの歎異抄の一節“善人なおもて往生を遂ぐ、いわんや悪人をや”は、観自在菩薩の心をもって生きていくことが如何に大切なのかを訓(オシ)えたものと理解できるのです。誰にしても深く内省してみると、如何に多くの汚点が残っているのか分かるのです。この一節は深い意味をもっていたのです。歓喜天というのは、自分以外の人みんなに歓喜の心をもってもらいましょうという意味があるのです。
ウィキペディアによれば、歓喜天(かんぎてん、Skt:Vināyaka、Gaṇapati、またはナンディケーシュヴァラ Nandikeśvara 歓喜自在天)は、仏教の守護神である天部の一つ だと解説しています。
ヒンドゥー教ガネーシャ像 ディワリ 装飾 インド神 ガネーシャ神 ガンパティ 象 インディアン アイドル 自宅 オフィス 寺院 プージャ 装飾 祭壇 ヨガ 瞑想 部屋 祭壇 神殿キット 結婚 帰還 ギフト 【ヒンドゥー教ガネーシャ像】
また、聖天(しょうでん、しょうてん)[1]、大聖歓喜天、大聖歓喜大自在天、大聖歓喜双身天王、象鼻天(ぞうびてん)、天尊(てんそん)。あるいはVināyaka、Gaṇapatiを音写して、毘那夜迦(びなやか)、誐那缽底(がなぱてい)ともいう。
象頭人身の単身像と立像で抱擁している象頭人身の双身像の2つの姿の形像が多いが、稀に人頭人身の形像も見られる
。 多くは厨子などに安置され、秘仏として扱われており一般に公開されることは少ない。ガネーシャ(गणेश)も参照のこと。

女将(オカミ)さんは何故女性ですか
その昔、旅館や旅籠は後家さんや行かず後家の人が、生活の糧にする商売だったのです。その流れから現在も、旅館は女主人となっているのです。
男の主人にもてなされても、あまり嬉しくないから。着物を着た物腰の柔らかい女性は、癒し効果があると思います。
男にとっても、女にとっても。男性だと少し威圧感あるでしょ?
ビジネスで使うホテルだと、男の支配人だけでも良いけど。旅先では女将が良い!
決まってないよ。ただ表の顔としては旅館は女将がふさわしいだけ。
私は女将と書いて(オカミ)というのは、多くの人に接する仕事をする人は観自在菩薩の心をもっている人、またはその心をもってほしい人を指して言う言葉ではないかと思っています。 それは神さまにも通ずる言葉でもあるのです。広い心、温かい心、母親に通ずる心、ホッとする安心感の心、それらすべて人を癒し励ますことなのです。女将(オカミ)さんというのはそうした意味で使われてきたに違いありません
家庭の愛
家庭とは何か?  家庭の定義・意味や機能、家族と家庭の違い
家庭とは、血縁や婚姻によってつながりがあって精神的に結びついた家族が一緒に集まった集団という意味と、家族が一緒に暮らす生活の場所という意味があります。家庭の機能・役割としては、家族が日々の生活を送る場所という基本的な役割以外に、精神的な安らぎを得る場、子どもを育てる場、家計の基本的な対象となる場などの役割があります。
家庭と似た言葉に家族という言葉がありますが、家族は人や人の集団という意味があり、家庭には家族の集団や家族が暮らす場所という意味があることが違いです。

家庭の意味・定義
家庭とは、血縁や婚姻によってつながりがあって精神的な結びつきがある家族などが一緒に集まって暮らす集団や生活共同体という意味と、一緒に生活を送る場所や生活の拠点という意味があります。
家族と家庭の意味の違い
家族は血縁や婚姻によってつながりがあって精神的な結びつきがある人を意味し、家庭は家族が集まった集団や家族が暮らす場所という意味があります。家族も家庭と同じように複数の人、集団を指すことがありますが、家庭は集団や共同体といった意味合いが強いです。
家族と家庭の関係
家族と家庭の関係については、家族が集まって暮らすと家庭ということになります。完全に同じではありませんが、近いイメージとして、先生や生徒と学校、会社員と会社の関係が似ています。先生や生徒が集まって学ぶ場所が学校、会社員が集まって仕事をするのが会社で、家族が集まって生活をするのが家庭です。
家庭の機能・役割
家庭の機能や役割は、家族が生活をする場所、生活の拠点ということが基本ですが、家族の果たす役割から次のような家庭の機能があります。
家族が生活する場所としての機能
家庭は家族が生活をする場所ということが基本的な機能になります。家族が食事、掃除、洗濯、裁縫など衣・食・住などの日常生活を送り、快適に暮らしていくための場所となります。
休息・休養する場所としての機能
家庭は心身を休息・休養させる場所となります。日々の機能としては仕事で働いて疲れた体を癒し元気に働けるようにする、節目節目で長い休養をとり元気になるための場所です。
精神的な安らぎを得る場所としての機能
家族がいる家庭の場は精神的な安らぎ、満足感を得ることができます。家族と一緒に過ごすことで、安心できる、落ち着ける、満たされる場所となります。一家団欒(だんらん)の場所となるのです。
家計の経済活動を行う場所としての機能
家庭は家族が経済活動を行う場所となります。家計の基本的な活動の場所となるのが家庭なのです。家庭の中で家族が物やサービスを消費します。場合によっては家庭が経済的な生産活動の場所となることがあります。
安全な生活場所を提供する機能
住居は主に物理的な意味で安全な生活場所を提供しますが、家族がいる家庭の場は、機能的・精神的な面で安全を提供します。困った時に他に誰かがいれば助け合えるからです。
子どもを産み育てる場所としての機能
家庭は新たな家族を産み、子育ての場所として家族が続いていくための機能を提供します。出産自体は病院で行うことも多いですが、出産・育児のための基本となる場所が家庭なのです。
扶養や看護・介護が必要な家族を保護し養う場所としての機能
家庭には扶養が必要な家族、病気やけがで看護が必要な家族、介護が必要な家族を保護して養う場所としての機能があります。これは家族の機能でもありますが、家庭は家族の機能を果たす場所となります。
社会的な最小単位としての家族が活動する場所としての機能
社会においては家族が最小単位となり、行政との関わりや地域とのつながり、他の家族との付き合いは家族がまとまり、最小単位として機能します。家庭は社会的な最小単位である家族が活動する場所としての機能があるのです。
家族間での教育や文化の継承を行う場所としての機能
家族の間で教育や子どものしつけを行ったり、家族の文化や伝統を伝えていく場所としての機能が家庭にあります。料理で、おふくろの味、家庭の味というものがありますが、家庭で伝えられていくものです。冠婚葬祭の場としての役割もあります。
(参考)家族の役割
国立社会保障・人口問題研究所「第5回全国家庭動向調査」によると家族の役割の範囲の回答は次のようになっています。心の安らぎや育児、日常生活が中心的な家族の機能となっています。
妻から家族に求められる役割の範囲(2013年)
  家族の役割      1位    2位    1位+2位
  心の安らぎを得る   38%   27%    65%
  子どもを生み育てる  46%   16%    61%
  家事など日常生活の上で必要なことをする
            13%    34%   47%
  親の世話をする    2%    12%   14%
  その他        1%    2%    4%
  該当なし       0%    9%    9%
(備考)不詳を除いた割合です。1位と2位をそれぞれ回答します。四捨五入の関係から合計が100%とならないことがあります。
(出典)国立社会保障・人口問題研究所「第5回全国家庭動向調査」のデータを加工して当サイトが作成

家庭の法律上の扱い
e-Gov法令検索の法令用語検索において、「家庭とは」で検索をしたことろ該当はなく、「家庭」で検索を行い「家庭」について定義を置いている法令等を探しましたが明確に定義されているものは発見できませんでした。一方、「家庭(」で検索したところ、次のような条文がありました。条文では「家庭」に「家族の集まり」や「場所」という意味が含まれていることが確認できます。なお、「家庭(」で検索する理由は条文中で言葉の後のカッコ書きで言葉の説明をしている場合があるためです。
児童福祉法第30条 四親等内の児童以外の児童を、その親権を行う者又は未成年後見人から離して、自己の家庭(単身の世帯を含む。)に、三月(乳児については、一月)を超えて同居させる意思をもつて同居させた者又は継続して二月以上(乳児については、二十日以上)同居させた者(以下、省略)
児童福祉法第48条の3 (途中省略)親子の再統合のための支援その他の当該児童が家庭(家庭における養育環境と同様の養育環境及び良好な家庭的環境を含む。)で養育されるために必要な措置を採らなければならない。
(出典)児童福祉法より一部を省略して引用
児童福祉法第30条では、家庭に続くカッコ書きの中で「世帯を含む」としていて、この「家庭」に同居させる、同居させた、としていることから、家庭は世帯の意味を含み、同居させるものであるため、「家族の集まり」や「場所」という意味があることが読み取れます。
児童福祉法第48条の3では、家庭に続くカッコ書きの中で「家庭における養育環境と同様の養育環境及び良好な家庭的環境を含む」としていることから、家庭=環境という意味があることが分かり、やはり「家族の集まり」や「場所」という意味を読み取ることができます。
家庭の外部化・社会化とは
家庭の外部化、家庭の社会化という言葉があります。家庭の外部化・社会化とは、家庭の機能や役割が、家庭の外で担当されるようになり、家庭の役割が少なくなっていることを意味します。
家庭の外部化・社会化の例
例えば、食生活に関しては、レストラン等の飲食店での外食、スーパーなどで調理済みの食材を購入する中食などが家庭の外部化・社会化の典型例です。衣服も家庭内で裁縫して作るということは珍しくなり、お店で販売される既製品を購入することが多いですが、これも家庭の外部化・社会化です。介護や育児に関しても、介護サービスを利用したり、保育園の保育サービスを利用したりすることは家庭の外部化・社会化です。
家庭の外部化・社会化が進むと
家庭の外部化・社会化が進むと、家庭が果たす機能・役割が外部で担われるようになるため、家庭の負担・役割や小さくなり、その分だけ家族は他の活動に時間や労力を充てることができるようになります。また、家庭の機能の一部が外部化・社会化されることで、その機能を担う産業が新たに生まれることになります。
一方、家庭の役割が少なくなると、家庭の家族の数は少なくて済むようになり、家族の小型化、核家族化が進みやすくなります。また、家族間の繋がりも薄れてしまう可能性があります。
まとめ
家庭とは、血縁や婚姻の関係があって精神的なつながりがある家族が集まった集団という意味と、家族が生活を送る場所という意味があります。 家族と家庭の意味の違いは、家族は人や集団を意味する一方、家庭は家族が集まった集団・共同体や場所を意味するという点です。

内閣府
  内閣府ホーム > 内閣府の政策 > 子ども・子育て本部 > 少子化対策
  > 少子化社会対策白書 > 平成18年版 少子化社会白書(本編<HTML形式>)
  >(2)家族の役割と子育てに対する意義
(2)家族の役割と子育てに対する意義
 家庭は社会を構成する最小単位であるが、現在の私たちは、家庭の意味をどのように認識しているのだろうか。
 内閣府の「国民生活に関する世論調査」(2005年6月調査)によれば、現在の生活に満足している人の割合は59.5%(「満足している」7.7%と「まあ満足している」51.8%)であり、不満とする人の割合は37.5%(「やや不満だ」27.0%と「不満だ」10.5%)と、満足している人の方が多い。
 同調査で、家庭がどのような意味を持っているか尋ねたところ、「家族の団らんの場」を挙げた人の割合が61.1%と最も高く、ついで「休息・やすらぎの場」(55.5%)、「家族の絆(きずな)を強める場」(46.2%)、「親子が共に成長する場」(35.8%)の順となっている。性別にみると、「家族の絆(きずな)を強める場」、「親子が共に成長する場」をあげた人の割合は女性で高くなっている。
第1‐5‐5図 クリックし印刷して利用すること
(子育てに対する意義)
 内閣府の「社会意識に関する世論調査」(2006(平成18)年2月)によれば、子育てを楽しいと感じるか辛いと感じるか尋ねたところ、「楽しいと感じることの方が多い」と答えた人の割合が49.3%、「楽しいと感じることと辛いと感じることとが同じくらい」と答えた人の割合が36.4%、「辛いと感じることの方が多い」と答えた人の割合が6.0%となっている。2002(平成14)年の同じ調査と比較すると、ほとんどこれらの割合は変わっていない。性別でみると、「楽しいと感じることの方が多い」と答えた人の割合は女性で高くなっている。
 なお、「楽しいと感じることの方が多い」と答えている人は、子どもがある人の場合には54.7%、子どもがない人の場合には32.3%と、子どもがある人の方が高い数値となっている。この傾向は他の調査でも同様であり、子どもがない場合には概して子育てに対する楽しさの実感がわきにくいが、実際に子どもを持つと、子育てを楽しいと感じる人が多くなるものといえる。
 前述の世論調査において、子育ての楽しさについては、「子どもの成長に立ち会えること」を挙げた人の割合が62.1%と最も高く、以下「家族のきずなが強まること」(52.5%)、「子育てを通じて自分が成長できること」(45.3%)、「子どもの様子を見ているだけで楽しい」(38.2%)の順となっている。2005年の調査と比較して、「家族のきずなが強まること」をあげた人の割合が49.4%から52.5%へと高くなっている。
(家族・地域のゆらぎ)
 明治時代以降の子育ては、基本的には父母とその子どもの核家族において担われてきたが、家族内(祖父母や父母のきょうだい、子どものきょうだい、親類等)における助け合いに加え、身近な地域における助け合いやふれあい等を通じて、子育てを地域社会全体で支援するという機能が働いていたとみられる。
 しかし、現在の子育ては、核家族化や離婚の増大によるひとり親世帯の増加、地域社会における希薄な人間関係等によって、ややもすると、地域において孤立したり、母親ひとりだけの「弧」育てとなったりしている問題を抱えがちであると指摘されている。
 子育てをしている夫婦がその手助けを頼っている相手をみると、その夫婦の親が突出して高い(第1‐5‐7図を参照)。そのほかには、ファミリー・サポート・センターなどの公的な子育て支援サービスなどがあげられているものの、その割合は夫婦の親と比べればはるかに小さい。近所の知人をあげる割合も小さい。かつての日本では年長の子どもが年下の弟妹の「子守り」をすることが普通であったが、きょうだいが少ない現在では例外的なこととなっている。こうした状況においては、自分または配偶者の親から援助が受けられず、外部の保育サービスも受けていない子育て夫婦の場合、夫が子育てを助けなければ、妻だけに子育ての責任と負担がかかってしまい、いわゆる育児ノイローゼや児童虐待等の不幸な事態を引き起こしかねない。
 また、地域社会の中で人間関係が希薄化し、お互いの協力関係が弱くなる中で、身近な地域で相談相手や自分に代わって短時間子どもを預けられる人がいないなど、子育てが孤立化し、負担感が大きくなっている状況がみられる。アンケート調査結果によれば、特に、在宅で育児を行っている割合の高い3歳未満児を持つ母親の半数近くが社会からの疎外感や孤立感を感じている(第1‐5‐6図参照)。 第1‐5‐6図 クリックし印刷して利用すること
周囲や世間の人々に対してどのように感じているか
第1‐5‐7図 クリックし印刷して利用すること
子育てへの手助けを頼る相手は夫婦の親がほとんど
(親自身の未熟さの問題)
 親自身が未成熟なまま子どもを生み育てているのではないか、という問題点も指摘されている。「子育てに関する意識調査」(2004年12月財団法人こども未来財団)によれば、子どもを取り巻く環境の問題点として、様々なものがあげられている。「親以外に子どもをしかる大人が少なくなった」(57.1%)、「子どもをねらった犯罪が多くなった」(50.7%)という地域社会の問題、「戸外で遊ぶことが少なくなった」(67.8%)、「自然にふれ合う機会が少なくなった」(65.8%)という子どもの行動の問題と並んで、「親自身が未成熟であることが多くなった」(70.3%)が高い割合で選ばれている。  また、国立女性教育会館の「平成16年度・17年度家庭教育に関する国際比較調査」をみると、日本では他の国と比べて子どもの世話の経験が少ない。「小さい弟や妹の世話をした経験」は日本(18.2%)は、タイ(32.4%)、アメリカ(36.0%)、フランス(28.1%)、スウェーデン(31.7%)より少なく、同調査の1994(平成6)年調査よりも5.4ポイント減少している。アメリカやフランス、スウェーデンではベビーシッターの経験も多いが、日本ではこの経験もほとんどないという結果となっており、子どもに接する機会が少ないまま親になっているという現状がある。
第1‐5‐8図 クリックし印刷して利用すること
(児童虐待の問題)
 近年、全国の児童相談所における児童虐待相談対応件数は増加を続け、2005年度においては34,472件に上っており、児童虐待防止法施行前の1999(平成11)年度に比べ3倍の増加となっている1。相談の内容も、専門的な援助を必要とする困難なケースが増えており、特に、子どもの生命が奪われるなど重大な事件も後を絶たない状況である。児童虐待問題の背景には、家族の抱える社会的、経済的、心理的な問題等様々な問題があることに加え、地域の子育て機能の低下を背景とした養育力の不足している家庭が増加していることにも起因していると考えられている。
1 2005年度の児童虐待対応件数34,472件の内訳は、身体的虐待42.7%、保護の怠慢・拒否(ネグレクト)37.5%、心理的虐待16.8%、性的虐待3.1%となっている。また、主な虐待者をみると、実母61.1%、実父23.1%、実父以外の父6.1%となっている。
第1‐5‐9図 クリックし印刷して利用すること
(親育ちの子育て支援)
 内閣府の「社会意識に関する世論調査」(2006年2月)において、子どもを育てることについて今以上に大きな役割を担うべきものについて聞いたところ、「親や家族」と答えた人の割合が44.8%と最も多く、他では「子育てのための施設」(11.1%)、「行政」(11.1%)、「国民全体」(9.3%)などとなっている。
 子育ては次代の担い手を育成する営みであるという観点から、子どもの価値を社会全体で共有し、子育て家庭が安心と喜びをもって子育てに当たれるよう社会全体で支援することが必要であるが、いうまでもなく、子育ては父母その他の保護者が第一義的責任を持つものである。親や家族が子育ての基盤として確立していなければ、社会的支援も効果が薄くなり、児童の健全な育成を図ることができない。
 したがって、子育て支援を進める上では、親自身が子どもを持つことや子育てについての自覚や責任感、あるいは子育ての能力を持つことができるように、中学・高校の頃から、これらの事柄に関する教育・啓発等が必要であると考えられる。さらに、仮に精神的に未成熟なまま親になった場合でも、家族や地域社会、行政等が各種の支援をすることにより、「子育て」を通じて「親育ち」となるような誘導策が必要である。
(社会的な意識改革の必要性)
 家庭は、子どもが親や家族との愛情によるきずなを形成し、人に対する基本的な信頼感や倫理観、自立心などを身に付けていく場でもある。しかし、職場優先の風潮などから子どもに対し時間的・精神的に十分向き合うことができていない親、無関心や放任といった極端な養育態度の親などの問題が指摘されている。さらに、前述したとおり、親による児童虐待をはじめ子どもの家庭内暴力、配偶者間の暴力など、現代の家庭・家族は深刻な問題を抱えており、社会として適切な対応を求められている。こうした問題の背景には、家族の絆や地域の絆が揺らいできている現状があるだろう。
 総合的な少子化対策を進めていく上で、生命を次代に伝え育んでいくことや家族の大切さが理解されることが重要である。子どもの誕生を祝福し、子どもを慈しみ、守り育てることは、社会の基本的な責任であることを、大人もこれから親になる若者も認識するように、社会全体の意識改革に取り組む必要がある。
(コラム)子どもを大切にする文化
 幕末から明治初期に日本を訪れた欧米人の多くが、日本の子ども達が様々な遊戯をしてにぎやかに遊んでいる様子や、礼儀正しくしつけられている姿、大人達が子どもを大切にし、子どもと遊び、子どもの成長を楽しみにしている様子を、驚きと好感、そして賛嘆をもって記録している2。
 たとえば、幕末の駐日イギリス外交官であり『大君の都』を著したオールコックは、「子どもの楽園」という表現を使い、大森貝塚を発見したアメリカ人のモースは、「子どもの天国」であり、「世界中で日本ほど、子どもが親切に取り扱われ、そして子どものために深い注意が払われる国はない」と記述している。
 1878(明治11)年、47歳にして単身で日本を訪れ、東北地方から北海道まで旅行をしたイギリス人女性のイザベラ・バードは、その著『日本奥地紀行』の中で栃木県・日光での見聞として、次のように書いている。
 「私は、これほど自分の子どもをかわいがる人々を見たことがない。子どもを抱いたり、背負ったり、歩くときには手をとり、子どもの遊戯をじっと見ていたり、参加したり、いつも新しい玩具をくれてやり、遠足や祭に連れて行き、子どもがいないといつもつまらなそうである。他人の子どもに対しても、適度に愛情を持つて世話をしてやる。父も母も自分の子どもに誇りを持っている。見ていて非常に面白いのは、毎朝6時ごろ、12人か14人かの男たちが低い塀の下に集まって腰を下ろしているが、みな自分の腕の中に2歳にもならぬ子どもを抱いて、かわいがったり、一緒に遊んだり、自分の子どもの体格と知恵をみせびらかしていることである。その様子から判断すると、この朝の集会では、子どものことが主要な話題となっているらしいのである。」3
 今では見られない光景ではあるが、男達が小さな子どもを抱いて互いに「子ども自慢」をしている様子が興味深い。これらの見聞記を読むと、明治以降の近代化から現代まで150年くらいの間に、日本の子どもの行動や親と子の関係、地域社会の中での子どもの位置などにおいて、変化したもの、残っているもの、そして失われたものに対する感慨を呼び起こされる。
2 渡辺京二著『逝きし世の面影』(2005年、平凡社ライブラリー)購入した
3 イザベラ・バード『日本奥地紀行』(邦訳、平凡社。原書は1880年刊)購入した

第1-2-4図=これまでの取組
コピー不可能のためここをクリックし自分で印刷して利用するようにすること
トピックス:少子化社会対策大綱の推進について
(2021年度における主な取組)
2019年の出生数が90万人を割り、「86万ショック」とも呼ぶべき状況となったことを背景に、出生数の減少に対する危機感や少子化対策への社会的な関心が高くなっている。さらに、新型コロナウイルス感染症が流行する中で、2020年の婚姻件数や妊娠届出数に減少傾向がみられ、新型コロナウイルス感染症の流行が、結婚行動や妊娠活動に少なからず影響を及ぼした可能性があると考えられる。

少子化対策については、2020年5月に新たな「少子化社会対策大綱」(2020年5月29日閣議決定)を策定するとともに、同年12月に閣議決定した「全世代型社会保障改革の方針」(2020年12月15日閣議決定)において具体的な取組を示すなど、大綱に基づく施策の具体化に取り組んでいるところである。

本稿では、「全世代型社会保障改革の方針」に盛り込まれた事項も含め、「少子化社会対策大綱」で重点的に取り組むべきとされた事項で、2021年度予算などで措置した主な取組を紹介する。
(※)★は、「全世代型社会保障改革の方針」に盛り込まれた事項である。

1.結婚支援 ○地方公共団体による総合的な結婚支援の取組に対する支援
・地域少子化対策重点推進交付金により、地方公共団体が取り組む結婚支援、結婚・子育てに温かい社会づくり・機運醸成の取組を支援している。

・2021年度は、地方公共団体間の連携を伴う広域的な結婚支援、AIを始めとするマッチングシステムの高度化等を重点的に支援する(補助率を2分の1から3分の2に嵩上げ)とともに、オンラインによる結婚支援・子育て相談など、コロナ禍での新たな取組を推進する。

また、地方公共団体が行う結婚新生活支援事業(家賃や引越費用など、結婚に伴う新生活のスタートアップに係るコストを補助する事業)について、近年の婚姻の状況、コロナ禍における経済的打撃や将来不安が結婚に及ぼす影響等を考慮し、年齢・年収要件の緩和を行う(年齢要件を34歳以下から39歳以下に、世帯年収要件を約480万円未満相当から約540万円未満相当に、それぞれ緩和)。あわせて、都道府県が主導して管内市区町村における本事業の面的拡大を図る優れた取組については、上述の緩和に加え、補助上限額を引き上げる(30万円から29歳以下は60万円に引上げ)とともに、補助率を嵩上げする(2分の1から3分の2に嵩上げ)。

2.妊娠・出産への支援
★不妊治療等への支援
・不妊治療の経済的負担の軽減を図るため、高額な医療費がかかる不妊治療に要する費用への助成について、所得制限の撤廃、助成額の増額(1回15万円(初回のみ30万円)から、1回30万円に増額)等、大幅な拡充を行い、2021年1月1日以降に終了する治療から適用する。不妊治療への保険適用について、2022年度当初からの実施に向け作業を進める。

・事業主等の不妊治療と仕事の両立支援への理解を深め、不妊治療を受けやすい職場環境を整備するため、事業主向けセミナーを実施するとともに、そうした職場環境の整備に取り組む中小企業事業主に対して助成を行う。

また、「次世代育成支援対策推進法」(平成15年法律第120号)に基づき事業主が策定する行動計画に関する指針を改正し、本改正について2021年4月1日から適用することで、不妊治療と仕事の両立について事業主の計画的な取組を促す。

・不妊症・不育症に悩む方への相談支援の充実を図るため、不妊専門相談センターにおける相談支援体制の強化等を行う。

・不育症患者の経済的負担を軽減するとともに、研究段階にある不育症検査のエビデンスを集積し、将来的な保険適用を目指すため、不育症検査に要する費用への助成金(最大5万円)を創設する。

○妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援
・子育て世代包括支援センターに困難事例への対応等の支援を行う専門職を配置することで、相談支援の機能を強化する。

・退院直後の母子に対して心身のケアや育児のサポート等を行い、産後も安心して子育てができる支援体制を確保する観点から、産後ケア事業の全国展開を図る。

3.男女共に仕事と子育てを両立できる環境の整備 ★待機児童の解消 ・待機児童の解消を目指し、女性の就業率の上昇を踏まえた保育の受け皿整備、幼稚園やベビーシッターを含めた地域の子育て資源の活用を進めるため、2020年12月、「新子育て安心プラン」を取りまとめ、公表した。

・「新子育て安心プラン」に基づき、2021年度から2024年度末までの4年間で約14万人分の保育の受け皿を整備するほか、<1>地域の特性に応じた支援、<2>魅力向上を通じた保育士の確保、<3>地域のあらゆる子育て資源の活用を柱として、各種取組を推進することにより、できるだけ早く待機児童の解消を目指す。

・「くるみん」認定を活用し、従業員の育児休業等取得に積極的に取り組む中小企業に対する助成制度を創設する(企業当たり50万円、2021年10月1日から2027年3月末までの措置)。

★男性の育児休業の取得促進
・2020年9月より、労働政策審議会において、男性の育児休業取得促進策等について議論が行われ、希望に応じて男女ともに仕事と育児を両立できるようにするため、子の出生直後の時期における柔軟な育児休業の枠組みの創設、育児休業を取得しやすい雇用環境整備及び労働者に対する個別の周知・意向確認の措置の義務付け等を内容とする「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び雇用保険法の一部を改正する法律案」を2021年通常国会(第204回国会)に提出した。

4.地域・社会による子育て支援
・子育て家庭が身近な地域で安全にかつ安心して子育てができるよう、利用者支援事業を核とした多機能型地域子育て支援の新たな展開に向けた取組を推進する。

・また、このような各子育て支援事業の実施者の連携・協力に関する取組を促進するため、地域子ども・子育て支援事業を行う市町村その他の子ども・子育て支援の提供を行う関係機関相互の連携の推進に関する事項について市町村子ども・子育て支援事業計画の記載事項として位置付けること等を内容とする「子ども・子育て支援法及び児童手当法の一部を改正する法律案」を、2021年通常国会(第204回国会)に提出した。

5.経済的支援(2021年度税制改正)
・結婚・子育て資金の一括贈与に係る非課税措置の延長及び拡充(直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置について、その適用期限を2023年3月31日まで延長する等の措置を講ずる)。

・国や地方公共団体の実施する子育てに係る助成等の非課税措置(地方公共団体等が行うベビーシッターの利用料等に対する助成について、非課税とする(所得税、個人住民税/企業主導型ベビーシッター利用者支援事業を含む))。

・産後ケア事業に要する費用に係る税制措置の創設(産後ケア事業として行われる資産の譲渡等につき、社会福祉事業に類するものとして、消費税を非課税とする(消費税、地方消費税))。

6.新型コロナウイルス感染症への対応
・不安を抱え困難な状況にある妊産婦に対する電話やオンラインによる相談支援・保健指導等の実施、里帰り出産が困難な妊産婦に対する育児等支援サービスの提供等、妊産婦・乳幼児への総合的な支援を行う。

・保育所等、幼稚園、地域子ども・子育て支援事業において、職員が感染症対策の徹底を図りながら事業を継続的に実施していくために必要な経費等を補助する。

2021年度予算は、「少子化社会対策大綱」の具体化に向けた取組の第一歩である。これをスタートとして、引き続き、「少子化社会対策大綱」等に基づき、結婚、妊娠・出産、子育てのライフステージに応じた総合的な少子化対策に大胆に取り組んでいく。