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折々の記 2009 H

【心に浮かぶよしなしごと】

【 01 】09/10〜        【 02 】09/14〜        【 03 】09/19〜
【 04 】09/25〜        【 05 】09/27〜        【 06 】10/01〜
【 07 】10/07〜        【 08 】10/10〜        【 09 】10/27〜


【 2 】09/14

  09 14 エネルギッシュとなるには ●記憶力練成 ●にんにく卵黄
  09 16 柿の予約 病気見舞 自賠責処理 ●鳩山内閣発足
  09 17 鳩山由紀夫内閣

 09 14 (月) エネルギッシュとなるには ●記憶力練成 ●にんにく卵黄< to become energisch )

   I want to become energisch.

◇ 健康について考えるとき、自分が年寄りだと考えない方がいいと日野原重明さんはいっています。 炭水化物はとり過ぎないことが大事だといっていました。

物事に熱中すること、寝食を忘れるような集中………が大事。 その他………。

◇ テレビは白痴化………。 ゲーム脳は前頭葉を駄目にする………。

◇ 漢字を書いて覚える方法をつくりだす………。

◇ 本を読む………。

◇ 日野原さんのサイトは

 Google で 日野原重明 を検索します。 そうすると、いろいろ出てきますからそれを開いてみていけばいいのです。 たとえば、

@ インタビューを開くと、

  ――「どらく」の読者には60代の方が大勢います――  に対して

 これからだよ。今までの人生の延長と考えず、これから新しい人生が始まると思えばいい。 ブーバーの言葉をそのまま進呈したいね。 子どもを教育するのは親か先生で、成人は社会が教育する。 そして、60歳を過ぎた人間は、自分で自分を教育することになるんだよ。 だからこそ、挑戦です。 人間の体には3万6000もの遺伝子がある。 その多くが使われないままなんです。 それはあまりにもったいない。 違った環境に身を置けば、うちに秘めた未開発の良き遺伝子が、思わぬ花を咲かせるかもしれない。 人生とは未知の自分に挑戦することだよ。
   〔註〕 どらく は朝日新聞の‘一口インタビュー’です。

A 「日野原重明 食事」の‘粗食、少食は長寿につながる?(日野原重明先生の健康法、お食事と献立 ...’を開くと、

 先生は10年前から食事は夜のみで、朝はコーヒー、ジュース、ミルク、オリーブ油を摂取され、昼はミルクと
 クッキー2個だけとか。

 夜は茶碗半分ほどのご飯、たっぷりの野菜、それにヒレ肉か魚で1日1300キロ・カロリーに制限されています。

 先生の基礎代謝が1200キロ・カロリーで、100キロ・カロリーを毎日頭脳活動と運動に使っている計算になるらしい。

 日野原重明先生の健康法は、運動と粗食とご本人がおっしゃっています。そして、今の若者は食生活が
 豊か過ぎるから、老化が早いのではないかと危惧しておられます。

など読むことができます。 このままを真似するかどうかは、躊躇してしまいますけれど………。

● 記憶力練成の方法

   脳力開発は生命のスタートがわかったら同時にスタートするのが要諦

検証の一つは‘かたりべ’ 
   
  http://park6.wakwak.com/~y_shimo/momo.075.html
   <折々の記 2009 B 【 02 】02/23  ミトコンドリアDNAで日本人のルーツを探る>
   ↓    
      <THE WALKING PEOPLE>
   「一万年の旅路」
   A Native Anerican Oral History
   ネイティヴ・アメリカンの口承史
   ポーラ・アンダーウッド 星川淳=訳 / 翔泳社


太安万侶が稗田阿礼の誦する所を筆録し、『古事記』を編んだとしているが、誰か誰か歴史事象の言い伝えを記憶してきたに相違ない。

そして、この記憶専門家がいたことは次のことを見ても疑うべくもない事実です。

前記の「一万年の旅路」という本の冒頭に、そのことをはっきり述べています。


 これは古来の方法で伝えられた口承史です。
 口承で受け継がれるほかの多くの伝統や歴史と同様、いつか自分がその責任を負うかもしれない話を聞かせてもらえるようになるだけでも、たくさんの試験と訓練が必要です。
 物心つくかつかないかのころから、父は私の記憶力を試し、鍛えました。 一番単純な例をあげると、私が見ていたものから別な方向へ体を向けられ、それまでなにが見えていたかを言わされるというようなことをやりました。 これをなんの前触れもなく何度も何度もやらされるうちに、人によってはそのとき見ているすべてを頭に焼きつけると、その脳内写真のようなイメージを、たった今見ているように再現するコツが身についてきます。
 ただし、これはけっして合格・不合格を決めるテストではなかったし、うまくやらなくてはいけないというプレッシャーをかけられたこともありませんでした。 
 …(後略)…


ポーラ・アンダーウッドは凄いことを書いています。 この文中の下線部は、生誕後の脳内配線を進める最善の方法の一つです。

記憶力練成ということでは、五感を総動員しての記憶方法が一番と思いますが、たとえば単語を習得する方法として一つの単語を 目で見て 口で発音して 耳で聞いて 手で書いて 憶えるのです。

それぞれの専門家の考え方やいろいろの方法を調べたいものです。

●にんにく卵黄の購入について

 http://www.kenkoukazoku.co.jp/health/ninniku/index.html?banner_id=adnin
  健康家族の伝統にんにく卵黄

     1袋 1,344円 (税込)
    (本体価格1,280円 税64円)

 http://www.e-ninniku.jp/
  本物のにんにく卵黄専門店 にんにく玉本舗
 http://www.e-ninniku.jp/2_tigai.html
   にんにく卵黄 ソフトカプセルが危ない!にんにく卵黄 専門店のこだわり

    一般的なソフトカプセル「にんにく卵黄」健康食品は、一袋約1,300円で30粒入り。
    一粒は300mgです。
    中身の「ドロドロ」」の更に
    たった20〜50%が正味量です。
    有効量1,800〜4,500mg

    当社の「にんにく玉」は一袋(1,050円)に60粒入っています。
    一粒は約200mgです。
    有効量12,000mg

 09 16 (水) 柿の予約 病気見舞 自賠責処理 ●鳩山内閣発足

●柿の予約 きのう生柿の購入予約申し込みの通知がありました。 原照美さんより40ケース予約してきました。 あとは農協へ40ケース購入予約します。

●下平治雄 胆石にて市立病院へ入院して20日ほどになります。 お見舞いに行くつもりでいたのに遅れていました。 きょう午後お見舞いに行きます。

●自賠責の今井さんへ電話をして、あす面談する予定です。 通院などを含めた示談のすすめ方を教えてもらうためです。 みすずバスで往復するためその準備をします。
  今井さんは休みで、藤井さんから連絡が入りました。 連絡によると、飯田市の自賠責サービスセンター(飯田市知久町 4-1204 高田ビル 電話22-4437)の上條啓子さん担当のひとへ連絡し、上條さんが加入している任意保険の方にお願いするようにすると良いとのこと、でした。

●鳩山内閣発足

 きょう特別国会が召集されて鳩山内閣が発足します。 閣僚等の人事を次に挙げます。

朝日の社説は次の記事を載せています。


       現在位置:asahi.com>ニュース>社説  9 16
    鳩山政権誕生へ―歴史的使命を自覚せよ

 民主党の鳩山内閣が船出する。

 総選挙での圧勝から2週間余り。党幹事長に小沢一郎氏をあてて党務を任せ、内閣には菅直人副総理・国家戦略局担当相や岡田克也外相らの実力者、政策通を並べる陣容が固まった。

 持てる人材を総動員したところに、この歴史的な政権交代を何としても成功させなければという鳩山由紀夫氏の意気込みがはっきりと感じられる。

 社民党からは福島瑞穂党首が消費者・少子化担当相として入る。国民新党の亀井静香代表は金融・郵政問題担当相に就く。

■惰性や癒着の大掃除を

 この政権の歴史的な使命とは何か。半世紀にわたって自民党が政権をほぼ独占してきた間に、澱(おり)のようにたまった制度疲労や行政の惰性、腐敗や癒着を大掃除すること。そして社会や暮らしの変化に対応した新しい仕組み、透明感のある政治を作り出すことだ。

 政権交代を望んだ有権者の圧倒的な期待がそこにあるのは明白である。なのに本紙の最近の世論調査では、民主党政権が日本の政治を「大きく変えることはできない」と見る人が46%もいる。政権交代で政治が「良い方向に向かう」と見る人は25%に過ぎない。

 この落差を、鳩山新首相と民主党は真剣に考える必要がある。

 自民党が政権党から滑り落ちた大きな理由の一つは、政官業の「鉄の三角形」と呼ばれた利益誘導、利権の政治構造と、それが生み出す税金の巨大な無駄遣いへの批判だった。

 長年の慣行の積み重ねのなかで、省ごと局ごとの予算シェアは固定化し、官製談合、随意契約、官僚天下りの根が深く張り巡らされていった。少子高齢化が象徴するように社会経済構造が劇的に変化しているのに、政策の優先順位の判断、つまり予算配分を大きく変えることができなかった。

■優先順位の判断力磨け

 民主党が本当にこのぶ厚い岩盤を突き崩すことができるのか、穴をうがつことができるのか、国民は疑問に感じているということなのだ。

 心配のタネはすでにいくつも見える。郵便局長会、農協、医師会……。総選挙の指揮をとった小沢氏は、自民党と長く蜜月関係にあった組織を次々と民主党に引き寄せてきた。

 その結果が大勝につながったのは確かだ。だが、郵政民営化の見直しにしても、では見直しの先にどんな郵政事業の未来図を描こうとしているのか。肝心のそこに答えはまだない。拙速は避けて日本経済の大きな視野からそれを示すのが亀井担当相の責任だ。

 貿易・投資の自由化の推進が民主党の主張だ。そのために日米自由貿易協定(FTA)を「締結する」と公約にうたったはずだった。だが、農協などの猛反発に遭うと「交渉を促進する」とあっさりトーンダウンした。

 結局のところ、自民党に代わって、今度は民主党が「業」や「官」となれ合うことになってしまっては、政権交代の意味は大きく損なわれる。

 野党時代であれば、「政官業の癒着を断つ」といったスローガンを唱えていれば安全地帯に身を置くことができた。だが、政権党となれば、それでは済まされない。

 業界や団体、経済界の主張にはもちろん、耳を傾けるべきものはある。大事なことは、その妥当性や公平性、効率を見極め、政策の優先順位を厳しく吟味することなのだ。

 業界益に引きずられるようなら、自民党政権時代と大差あるまい。かといって、道理のある主張をやみくもに退けるだけでは、国民益に反する。

 実情に通じた判断力と広い視野、国民に痛みも伴う政策を納得させるだけの論理性が求められる。政権党として現実に癒着を断つことの難しさ、厳しさを新政権はかみしめてもらいたい。

■「民」との新たな回路を

 国民の政治へのニーズや利害は多様化している。産業界や労働界にしても、かつてのような一枚岩の時代は去った。幅広い民意をどうくみ上げ、受け止めていくかも、自民党にはできなかった新政権の課題だ。

 参加型の民主主義を広げるために、NPOや民間シンクタンクから意見を吸い上げる回路を開きたい。業界や財界といった自民党の伝統的な顧客に背を向ける必要はないが、新しい顧客にウイングを広げることで、優先順位の判断はより説得力と妥当性を増す。

 政権が順調に滑り出せるかどうかは、「官」との間にどんな関係を築けるかにもかかっている。

 新設の行政刷新会議と国家戦略局だけでなく、各省でも大臣と副大臣、政務官の政治家チームが大きな政策判断を仕切るという「脱・官僚依存」の方向性は正しい。民間の人材登用や政治任用の拡大も必要だろう。

 そのうえで大事にせねばならないのは、「官」が持つ専門知識と経験、情報だ。国益を担っているのだという官僚たちの気概と献身は、政権交代を実りあるものにするために欠かせない資産である。変化と継続の巧みな間合いが問われる外交分野でもそうだ。

 政権党の特権、おごりは厳しく戒めなければならない。利害関係者に便宜を図ったり、官僚にむやみに圧力をかけたりといった逸脱は許されない。

 民主党政権と自民党政権との違いは何か。それを深く意識し続けることがすべての出発点である。


朝日の社説が寄せる民主党政権への期待は大きいと思います。 国民の意見を集約し代行しているからです。他の新聞社の社説も同様な立場が寄せられています。 やはり朝日の格調とは多少異なっています。

 09 17 (木) 鳩山由紀夫内閣

朝日新聞速報ニュースサトイの‘鳩山内閣の顔ぶれ’を開くと、次のものが載せられています。 歴史的な内閣の発足ですから、保存のために取り上げました。

       現在位置:asahi.com>ニュース>政治写真・図版
    鳩山内閣の顔ぶれ(2009年9月16日発足)





       現在位置:asahi.com>ニュース>政治>国政>記事
    岡田外相、「核密約」の調査命令 11月めどに報告 2009年9月17日1時17分

 岡田克也外相は17日未明、薮中三十二外務事務次官に、核持ち込みや沖縄返還をめぐる日米間の密約について、外務省内にある資料を調査し、今年11月末をめどに調査結果を報告するよう命令した。

 岡田氏はこれに先立つ会見で、密約問題について「極めて大きな問題だ。早期に事実をしっかり解明する責務がある。大臣命令を発して、期間を切って徹底調査を命じる」と表明した。

 調査対象として、60年日米安保条約改定時の核持ち込みに関する密約と、朝鮮半島有事の際の戦闘行動についての密約▽72年の沖縄返還時の有事の際の核持ち込みに関する密約と、米軍基地跡地の原状回復費の肩代わりに関する密約の計4点を列挙した。

 岡田氏は薮中氏に、作業の進展状況を随時報告して指示を仰ぐよう求めた。省内に残された資料の調査がある程度進んだ段階で第三者の委員会を設置し、外務省OBや、米側の関係者に聞き取り調査も実施する考えだ。


     現在位置:asahi.com>ニュース>政治>国政>記事
   核密約文書、外相「調査考えてない。ないんだから」 2009年7月10日10時29分

 60年の日米安保条約改定時に、核兵器を搭載した米艦船の日本への寄港を容認した両国政府の「核密約」をめぐり、関連文書を破棄するよう外務省幹部が01年ごろに指示したとの朝日新聞の報道について、中曽根外相は10日、「(調査は)考えていない。ないんだから」と述べた。外務省として調査をする考えはないことを示したものだ。

 閣議後の会見で記者の質問に答えた。中曽根氏は「報道は承知しているが、再三、国会で答弁しているように密約はない」と語った。


 どのように暴露されるのでしょうか?



【朝日新聞社説】  学ぶべきことが多々あります。

       現在位置:asahi.com>社説
    鳩山新首相に望む―「変化」実感できる発信を 2009年9月17日(木)付

 鳩山由紀夫首相が誕生した。

 「日本の歴史が変わる。今回の総選挙の勝利者は、国民のみなさんだ」

 新首相の感慨も当然だろう。有権者が自らの手で直接、政権交代を実現させる。それは、明治以来の日本近代政治史上初めての出来事である。

 維新から10年余を経た1879年、福沢諭吉は著書「民情一新」で、当時の英国の政治の姿を紹介した。いわく、英国には「守旧」「改進」の二つの党派があり、それぞれが一進一退、「相互(あいたがい)に政権を握る」。この「平穏の間に政権を受授する」仕組みをこそ、学ぶべし――。

 福沢の夢は、それから実に130年の時を費やし、ようやく実現への一歩を踏み出したことになる。

 歴史を画する政治的事件にしては、いささか静かな船出かもしれない。01年、小泉純一郎氏が表舞台に駆け上がった時のような喝采はない。

 新首相の祖父一郎氏が1954年に政権についた時には「鳩山ブーム」が起きた。脱「占領」、脱「吉田茂」という時代の気分を、新首相の登場が代弁したとされる。その孫も、長かった自民党一党支配の時代を終わらせる大事業を成し遂げたのだが、有権者に沸き立つような高揚はない。

■背骨となる思想は何か

 この責めは新首相に帰すべきではないだろう。おそらく、私たち有権者の政治に対する距離感とでもいうべきものが変わったのだ。

 森政権時代に極まった自民党政治への不信。曲芸じみた「小泉劇場」への一時的な熱狂。そのぶん深くなった後継3代の首相への失望。こうしたいきさつが、政治的な熱冷ましの役割を果たしたのではないか。

 有権者は決然と政権交代を選んだ。しかし、新政権に向ける視線は甘くはない。何を語り、何を実行するのか、じっくり見極めようとしている。

 鳩山新首相がまずやるべきことは、このように冷静な有権者に、「変化」を実感させる力強く具体的なメッセージを届けることである。

 鳩山氏の政治哲学といえば「友愛」だが、あまりにふんわりしていて有権者の腑(ふ)に落ちにくい。

 憲法改正では、かつて「試案」を出版した。しかし、それが現実の争点になる時代ではないし、そのつもりもないだろう。当然である。

 では、鳩山政権の背骨となる思想は何か。腰の据わった言葉を聞きたい。本格的な所信の表明は臨時国会を待つにしても、それまでにも機会はあるはずである。

 期待は、たやすく幻滅に変わる。新首相自身が重々自覚しているように、必ずしっぺ返しがくる。変化への願望に「答え」を出せなければ、民意は本当に冷え込むことになる。

 幸い鳩山氏は、自身の置かれた立場を客観的にとらえるすべを知っているように見受けられる。

 曽祖父の代からの政治家一家に生まれた毛並みの良さを、「親の七光りどころか、二十一光り。弟もいれれば二十八光り」と突き放して語ったことがある。「宇宙人」とあだ名されようが、気にするそぶりもない。

■したたかさと危うさ

 その政治的な来歴を振り返っても、意外にしたたかな側面を見いだすことができる。

 93年、自民党を飛び出して新党さきがけを結成し、細川連立政権に参加。96年の旧民主党旗揚げにあたっては、武村正義さきがけ代表の参加を拒み、その「排除の論理」は流行語大賞にまでなった。菅直人氏との「2人代表制」など、斬新な発想も打ち出した。

 98年には新民主党を結成。小沢一郎氏が率いる当時の自由党との合併を、最初に手探りしたのも鳩山氏だった。このときは挫折するが、後に民由合併は実現し、今日の礎となった。

 「真っ暗闇の絶壁の下が水なのか岩なのかわからなくても、スタスタと進んで飛び込んでしまう」

 菅氏がかつて語った鳩山評は、その政治的な人となりを活写している。

 その勇気は「危うさ」と裏腹だが、首相として熟慮の上なら歓迎である。

 とはいえ単騎独行型のリーダーというわけではない。今回の「全員野球」の組閣からもそれはうかがえる。多彩な人材を幅広く配置した。「左右」「保革」といった戦後の枠組みが、いよいよ遠景に退いていく印象がある。

 一方で、政治家としてのわきの甘さには依然不安が残る。

■言葉の重みかみしめよ

 虚偽献金問題では、自身の初心を思い出してほしい。リクルート事件後、鳩山氏ら当時の若手議員が集った「ユートピア政治研究会」は89年、個々の政治活動費の実態を公表した。政治とカネをめぐる改革論議を前進させる契機となった行動である。いまも政治史に刻まれる軌跡を、汚していいのか。改めて国民に説明するべきである。

 言葉の軽さも気にかかる。危なっかしい発言に周囲ははらはらしている。その「語録」が、おもしろおかしく収集されたりしてきた。

 政治は言葉である。政治指導者は、言葉によって浮きもすれば沈みもする。新首相がまず磨くべきは、言葉による発信力である。

 「すべてこれからが勝負」。この言葉の次に何をなし、それをどう語るか。耳を澄ませよう。



【毎日新聞社説】

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    鳩山政権発足 恐れず「チェンジ」を貫け 9月17日付

 この日が日本の歴史的転換点となることを願ってやまない。民主党の鳩山由紀夫代表が16日、衆参両院で首相に指名され、民主、社民、国民新3党の連立政権が発足した。

 今回の政権交代は、先の衆院選で多くの有権者が民主党に、さまざまな「チェンジ」を期待し、1票を投じて実現したものだ。当面、混乱も予想されようが、それを恐れず、新政権には果敢に政治の刷新に取り組んでもらいたい。

 与えられた使命は十分承知しているだろう。鳩山新首相は初の記者会見で「とことん国民のための政治をつくる。脱・官僚依存の政治を今こそ実践していかなくてはならない」と強調した。

 ◇手堅さ優先の人事
 その政治主導を目指すという鳩山内閣の布陣は、副総理兼国家戦略担当相に菅直人代表代行、外相に岡田克也前幹事長、国土交通相には前原誠司副代表と歴代代表を起用するなど、党内バランスと安定感を重視した形となった。

 厚生労働相に当選4回の長妻昭政調会長代理を充てたほかは抜てき人事は少なく、女性閣僚も2人にとどまって民間人の起用もなかった。鳩山首相には派手さより手堅さをアピールすることで、初の本格的な政権交代に対する国民の不安を払しょくしたい狙いがあったのだろう。

 一方、党内実力者の小沢一郎幹事長に批判的だった仙谷由人元政調会長を行政刷新会議の担当相に起用したのは「閣僚人事でも小沢氏の影響力が強まるのではないか」といった声にも気を使ったと思われる。

 連立相手である社民党の福島瑞穂党首は消費者・少子化などの担当、国民新党の亀井静香代表は金融・郵政担当で入閣、両党の要望にも応えた。総じて言えば気配り型人事だ。

 無論、大切なのは具体的に何を実行していくかだ。内外に課題は山積している。だが、私たちはまず、旧来の行政の悪弊を絶つことが新政権の役目だと考える。つまり行政の大掃除である。

 目に余る税金の無駄遣い。「省あって国なし」の縦割り行政。前例踏襲主義。政治家、官僚、業界のもたれ合い。ここからの脱却は既得権益とはしがらみのない新しい政権だからこそ可能であり、政権交代の大きなメリットでもあるからだ。

 カギを握るのは国家ビジョンや予算の骨格を作るという国家戦略局だ。従来の予算編成は各省庁ごとに積み上げる縦割り型で、しかも、既得権にとらわれ毎年、ほとんど配分は変わらなかった。これを首相らの主導で総合調整するというものだ。

 閣議を事前におぜん立てしてきた事務次官会議を廃止する点も注目したい。会議は全員一致が原則で一省庁でも反対すれば成案が得られず、改革が進まない要因と指摘されてきた。廃止されれば首相や閣僚の権限は間違いなく強まるはずだ。

 ◇情報公開も重要だ
 戦略局が本格始動するのは10月の臨時国会で戦略局に権限を付与するための法案が成立した後となり、当面は国家戦略室としてスタートさせるという。しかし、さっそく前政権が5月に成立させた今年度補正予算の見直しに取り組むことになる。メンバー構成など制度設計を急ぐべきだ。また、ここを足場に政策の優先順位を明確にし、めりはりの利いた政権運営をしてほしい。

 戦略局と車の両輪の役目を担うのが行政刷新会議だ。税金の無駄遣いや行政の不正を洗い出し、政策の財源を確保するという組織だ。隠れた無駄はまだあるのではないか。同じ事業を執行するにしても、これまで高額になり過ぎていなかったのか。この見直し作業がマニフェスト実現の成否を決するといっていい。

 省庁が公表してきたデータを疑っている国民は多いはずだ。岡田外相の課題となる米艦船の核持ち込みをめぐる日米密約の検証などを含め、これまでは表に出ることがなかった情報や資料を公開していくのも政権の責務である。

 官僚の抵抗を排することができるかどうかは鳩山首相のリーダーシップにかかっている。あいまいさが残る菅副総理、藤井裕久財務相、岡田外相らの役割分担を明確にし、首相を支える体制の構築も重要だ。多くの有権者が民主党に期待したのは、ひとり鳩山首相だけでなく、「チーム民主」だったと思われるからだ。

 鳩山首相が会見で「試行錯誤の中で失敗することもある」と認めたように確かに不安を抱えた船出だ。だが、有権者が選挙で与党を代える政権交代の仕組みを日本に定着させるためには一度は通らなくてはならない道だ。

 来年7月にはもう参院選が待っている。鳩山政権に必要なのは、それまでに一つでも二つでも「政治は明らかに変わった」と国民が感じられる実績を示すことである。



【読売新聞社説】

       現在位置: ホーム>ニュース>社説
    鳩山内閣発足 進路を誤らず改革を進めよ 9月17日付

 多くの国民の期待と不安が交錯する中での出発である。

 鳩山新内閣が16日発足した。歴史的な政権交代だが、その高揚感に浸っている余裕はないはずだ。

 世界不況からの脱出、社会保障制度の将来設計、新たな戦略的外交――。新内閣は、政権交代に伴う混乱を避けつつ、待ったなしの課題に総力で取り組み、具体的な成果を上げねばならない。

 ◆公約の「自縛」に陥るな◆

 新内閣への期待は、行き詰まりを見せていた自民党政治の転換にある。それが、衆院選で示された民意と言えよう。

 一方で、行き過ぎた変革が混迷をもたらすのではないかと、国民が不安を感じているのも事実だ。歴代政権が積み重ねてきた日本の進路にかかわる基本政策は、継続する冷静な判断が大切だ。

 民主党は、衆院選の政権公約に固執してはなるまい。民主党に投票した有権者は、すべての公約に賛成しているわけではない。

 子ども手当、高速道路の無料化、温室効果ガスの排出削減目標など、多くの公約は、財源確保や目標達成が疑問視されている。世論調査でも、反対が賛成を上回る例が少なくない。

 民主党とすれば、「公約違反」との批判を避けたいだろうが、自縄自縛に陥り、取り返しのつかない事態になる方がはるかに問題である。公約を吟味し、見直すべきものは見直す勇気が大事だ。

 新内閣では、民主党の菅直人代表代行が副総理兼国家戦略相に、岡田克也・前幹事長が外相に、それぞれ就任した。財務相には藤井裕久最高顧問、国土交通相には前原誠司・元代表が起用された。

 党内勢力のバランスに配慮しつつ、実績のある人材を要所に配置した。手堅い布陣と言えるが、清新さに欠ける印象は否めない。

 鳩山首相は記者会見で、「脱・官僚依存政治」を強調した。そのカギを握るのが、菅国家戦略相と仙谷由人行政刷新相が所管する国家戦略局と行政刷新会議だ。

 ◆政治主導は実現するか◆

 国家戦略局は当面、今年度補正予算の組み替えや来年度予算編成方針の策定に取り組む。

 経済政策では、景気を回復軌道に乗せることが最優先課題だ。一方で、新規施策の巨額の財源確保も必要となる。双方に目配りした舵(かじ)取りが求められる。

 国家戦略局の権限が不明確なため、各府省と摩擦が生じる懸念もある。菅国家戦略相は藤井財務相らと緊密に連携すべきだ。

 行政刷新会議は、各府省や独立行政法人などの事務をゼロベースで見直す。各府省の既得権益に深く切り込み、国の事務を地方や民間に大胆に移管するには、官僚や関係団体の抵抗を排する強力な政治力が不可欠だ。

 民主党の支持団体の労組も抵抗勢力となりかねない。仙谷行政刷新相はもとより、鳩山首相自身が指導力を発揮せねばならない。

 政治主導には、少なくとも重要閣僚は「一内閣一閣僚」というぐらいの布陣が必要だ。自民党政権の年中行事だった内閣改造の慣行を改めることも課題だろう。

 長妻昭厚生労働相は、「消えた年金」問題の追及で脚光を浴びた。今後は、厚労省を批判するのでなく、牽引(けんいん)する責任を担う。官僚を使いこなす手腕が問われる。

 社民党の福島瑞穂党首は、消費者・少子化相に起用された。女性や生活者の視点を政策に反映する狙いだろう。社民党の存在感を示そうとして突出した主張を展開せず、バランスのとれた行政を心がけてほしい。

 国民新党の亀井静香代表は、金融・郵政改革相に就任した。ほころびが目立つ日本郵政の「西川体制」の刷新や、利用者本位の郵政民営化の見直しは必要だ。ただ、民営化の本筋を歪(ゆが)め、巨大官製金融を復活させるべきではない。

 鳩山首相は、政策面で連立相手の社民、国民新両党に安易に引きずられてはなるまい。

 外交では、来週の鳩山首相の訪米が最初の試金石となる。

 ◆日米基軸の堅持を◆

 インド洋での海上自衛隊の給油活動について、首相は「来年1月の期限を単純に延長することはない」という。それなら、「単純な延長」以外の方法で、活動を継続する道を探るべきではないか。

 普天間飛行場の移設など在日米軍再編は、日米合意を着実に実施することこそが、沖縄など地元自治体の負担軽減の近道である。

 北朝鮮の核問題では、米国が最近、北朝鮮との対話に応じる姿勢に転じた。北朝鮮を6か国協議に復帰させ、譲歩を勝ち取るには、国連の制裁決議を着実に履行し、圧力をかけ続ける必要がある。

 鳩山首相は、米中韓露との連携を再確認するとともに、北朝鮮に対する貨物検査特別措置法案の早期成立を図るべきだ。

(2009年9月17日01時14分 読売新聞)



【朝日新聞】  面白い記事

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   鈴木宗男氏が衆院外務委員長 文科委員長に田中真紀子氏 2009年9月17日12時37分

 17日に内定した衆院常任委員長は個性派ぞろい。中でも目立つのが、外務委員長の鈴木宗男新党大地代表と、文部科学委員長に就く民主党の田中真紀子元外相だ。

 鈴木氏は自民党幹部当時、外務省に独自の人脈を築いて影響力を発揮し、「二元外交」との批判も受けた。その後、あっせん収賄罪などで逮捕・起訴され、現在も裁判が継続中。自身に批判的だった現役外務省幹部らを著書などで名指しで批判。政府の外交方針などを大量の質問主意書でただし続けている。周辺によると、密約問題の解明に向けた関係者の参考人招致や、外交機密費の透明性向上に意欲を示しているという。

 田中氏は自民党当時に科学技術庁長官を務め、教育や科学技術に一家言持つ。小泉政権の外相当時、官僚と対決して収拾がつかなくなり、国会答弁が事務次官と完全に食い違ったこともあった。

 両氏とも委員長として、閣僚や官僚に「明確な答弁」を迫る場面がありそう。民主党の小沢一郎幹事長とも親しく、「政治主導」の国会運営のシンボルとなりそうだ。