【目次へ】 学問のすすめ 真似は進化の姿・願いは宿業期の養育
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続折々の記 2022 ⑪
【心に浮かぶよしなしごと】
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【 04 】10/13~ 【 05 】10/15~ 【 06 】10/17~
【 07 】10/19~ 【 08 】10/23~ 【 09 】10/25~
――――――――――――――――――――――――――――――
【 09】10/25
不戦条約とユネスコの‘戦争の廃止’
多極主義の傀儡としてのバイデンの政策実態
不登校もいじめも増加「根本は同じ」 専門家が読み解く背景
小中学生の不登校急増、最多24万人
「マスクしろ」指摘された長男の異変
不登校のオンライン学習、前年比4.4倍
コロナと子ども 学校外の力も結集して
コロナ禍、息苦しい子
◆下平評
2022/10/23 共産党大会閉幕
学問のすすめ
真似は進化の姿・願いは宿業期の養育
四時に起きた。 朝夢の中で、三角形の証明問題の一つについてわかる人はと尋ねた。 いきなりの質問に困っていることが分かって、角の名前を一ついうと、子どもは錯覚もある、同位角もある、とその世界に飛びついた。 これだ!! この方法だ!!
三角形の角の名前だけでなく書き方とかどんな問題があるかとか、角の大きさなどわかることがあれば、自分で調べてきなさいという課題を投げかける方法です。
これは英語でも使える。 「名前という英語は何という?」 と聞けば、ネームという子どもも現れそうだ。 鼻はといえばノーズと答えるかもしれない。 では、ネームという文字はどう書くのかと聞くと、ハタとみんな困った顔をするだろう。 ここが出どころだ!!
name と大きく板書する。 a は何という文字だ? エイという答えが聞こえる。 e は何という文字だ? イーという答えを一斉に答える。 そうだ!! 英語を読めるじゃないか!! そう褒めれる。 子どもは活き活きとした顔になる。
英語を使う人は語尾の e はどの単語でも読まないんだ! その代わりに、前にある a i u e o は エイ アイ イュウ イ― オウ と発音するんだ! 子どもたちはみんな ヘェー という顔をする。
それでは辞書を調べてみようと言って、先ずは最初に name の単語を調べてみよう、と誘う。 みんな一斉に辞書を開くであろう。 そして、 name を探し出す。 辞書には
name[neim]名,名前;評判 などその他いろいろの解説が出ている。
続いて native nature needle negative など出てくる。 そこで、この文字と発音の原則は、 子音+母音+e の当てはまるものであることを教え、語頭に n のつく単語を調べたい人は書き出して調べるように指示すれば、それを喜んで調べてくるだろう。 調べることが大事であることをやがて知ることになるのです。
数学にしても、同位角や錯角の原則は、校舎の高さや立木の高さを調べたり、北極星の高さ(角度)と自分の緯度が等しいことを調べたり、地球の大きさを調べたりできるように発展させることもできるのです。
学問とは、 聞いたり 見たり 触ったり 読んだり して、真似することなのです。 この原則をいろいろのことを通して、自分で確かめ、間違いないことを確信することによって、また新しいことを発見することに意味があるのです。
学問だけではなく、あらゆるものの進化は、この原理に沿って努力した成果なのです。 刀鍛冶にしても、石屋の石積みにしても、書道にしても、大工さんにしても、文明とか文化の進展にしても、みんな真似と確かめによって進化してきているのです。
私は年を取りましたがやっとこうしたことを書き残すことができるようになりました。
真似と問いかけが基本なのです。学問の学はまねることをそのまま言葉にし、問は解らないことを 聞いたり 見たり 触ったり 読んだり して自分で確かめることなのです。
学生の本分は学問にある、と宇野校長の訓辞がやっとわかることになったのです。 私はトロクサイ性分でした。 改めて福沢諭吉の『学問のすゝめ』を読み、役立つことを考えたいと思います。
能力を身につけるのには、以上のことのほかに、未熟児で生まれてくる人の育ての在り方は、、宿業に基ずく3~4才頃までの養育をどのようにしたらいいのか、それが一番大事なことと考えています。 それは個人的なことではあるのですが、みんなの課題にしたほうがいいのでどうしたらいいのか、五里霧中で右往左往して考えているのです。
今日のところ以上で終り
不戦条約とユネスコの ‘戦争の廃止’
不戦条約(Wikipedia)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%8D%E6%88%A6%E6%9D%A1%E7%B4%84
不戦条約の問題点『3つ』
①『侵略』と『自衛』の違いの定義がなかった…
②破ったときの制裁制度がなかった…
③戦争以外の武力行使について書かれていなかった…
自衛権(Wikipedia)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E8%A1%9B%E6%A8%A9
ウクライナ問題は不戦条約違反になるのか
https://nagatomo-international.jp/paris-fusenjyoyaku/
ユネスコが意図している‘戦争の廃止’
ig・no・rance [ínrns]♪
n. 無知;無学,無教育;不案内,(物事を)知らないこと,知識のないこと
be in ignorance of …を知らない
plead ignorance 知らないと申し立てる
be in blind ignorance 全然知らない
make a mistake out of [=from, through] ignorance 無知のために間違いを犯す
leave him in ignorance about …について彼に知らせないでおく
Ignorance of the law excuses no man. 法の不知は抗弁たりえず(((ラテン))ignorantia juris neminem excusat)
Ignorance is bliss. ((ことわざ)) 知らないうちは気が楽;知らぬが仏
Ignorance is the mother of devotion. ((ことわざ)) 無知は信心の母.
prej・u・dice [prédudis]♪
n.1 (前もって抱く,または思慮分別や正当な理由のない)(…に対する)偏見,ひがみ,悪感情,敵対感情,敵視((against ...))
racial prejudice(s) 人種的偏見
a man affected with a prejudice against lawyers 弁護士を毛嫌いしている男
cast [or throw] away all prejudices 偏見はすべて捨てる.
2 (好意的または非好意的な)先入観,先入主,(…に対する)えこひいき((in favor of ...)) cf. BIAS n.2
build up prejudices about foods 食べ物に好悪を持つようになる
They had a prejudice in her favor. 彼女の肩を持っていた.
3 〔法律〕(1)(他人の判断・行為の結果生じる)不利益,損害
a law that operated to [or in] the prejudice of the majority 大多数に不利益をもたらした法律.
(2)侵害,傷害.
◇ terminate [or dismiss] a person with extreme prejudice ((米俗)) 〈人を〉殺す,暗殺する.
◇ without prejudice (1)〔法律〕 (…の)権利を毀損(きそん)せずに,既得権を損うことなく((to ...)).
(2)偏見なしに,偏見を持たずに.
━━ v.t. 1 ((通例受身)) 〈人に〉偏見を抱かせる;〈人に〉(…を)毛嫌いさせる((against ...)) ,(…を)えこひいきさせる((in favor of ...))
His honesty and sincerity prejudiced us in his favor. 彼の正直さと誠実さのために彼をよい人とばかり思っていた
You are prejudiced against (racial) minorities. きみは少数民族に偏見を抱いている.
2 〔法律〕 損害を与える,害する,傷つける.
[中期英語<古期フランス語<ラテン語 praejūdicium「予断」,もとは「予備的で事前の裁判上の調査」=prae- PRE-+jūdicium 裁判,審判(jūdex JUDGE より)]
多極主義の傀儡としてのバイデンの政策実態
新しい報告書によると、バイデン大統領の側近は、簡単に読める恒久的なテレプロンプターを装備できるため、大統領執務室よりもイベントに偽のホワイトハウスのステージを使用することを好む。
今、我々はついにバイデンが偽のホワイトハウスの舞台を使用している理由を知っている
この暴露は、2024年のバイデン-トランプの再戦の見通しを議論するポリティコの報告書の一部として来ている。
アウトレットは、バイデンと前大統領の両方が次の大統領選挙運動に関してお互いに遊んでいるという複雑なシナリオを指摘している。両者とも出馬する意向を示しているが、ポリティコによると、相手がオプトアウトすれば、どちらも出馬しないかもしれないという。
かなり面白いゲーム理論のシナリオ。
彼らは、バイデンは自分が走っていると言わなければならないか、レームダックになる危険を冒さなければならないと指摘している。しかし、彼らは、補佐官は彼が「彼の年齢に関する党内の懸念 - 2024年の選挙日に彼は82の恥ずかしがり屋になるでしょう - と不安定な世論調査の数字を克服することができる」と信じていると付け加えています。
関連:なぜバイデン大統領は偽のホワイトハウスセットを使用しているのですか?
2024年の再戦の可能性に関する報告書には、バイデン大統領と、なぜ大統領執務室ではなく、特定のイベントに偽のホワイトハウスセットを使用する傾向があるのかについてのメモが隠されています。
ポリティコは、大統領が別の選挙運動を処理できないことを個人的に心配している民主党員について論じ、2020年に苦しんだ足の骨が折れて「歩行が遅く短くなった」ことに言及している。
彼らは、彼が「読みやすい」テレプロンプターを使用する必要性を追加します。
「ホワイトハウスは、テレプロンプターを恒久的に装備することができないため、記者会見に大統領執務室を使用することを大部分放棄しました」とポリティコは説明します。
「バイデンの側近たちは、イベントのために隣の旧エグゼクティブオフィスビルに建てられた偽のホワイトハウスのステージを好み、歴史的な背景の力の一部を犠牲にして、読みやすいテレプロンプタースクリーンを備えた無菌の部屋を優先しています。
テレプロンプターはバイデン大統領の重要な部分となり、脚本から外れたときに首尾一貫した考えをつなぎ合わせるのにしばしば苦労する男性にとって必要なツールとなっています。
関連:ランドポールはバイデンの偽情報委員会の猛烈な叱責を提供:「私は政府を信頼していない」
ポリティカル・インサイダーは2021年10月、バイデン大統領がCOVIDワクチンを含むイベントに偽のホワイトハウスセットを使用していたと報じた。
このセットには、ローズガーデンのイメージが投影された窓があり、信憑性を貸しています。
このセットは、実際には行政府のスタッフに使用されるエグゼクティブオフィスビルにあります。
また、他の政府高官がさまざまなイベントに使用しています。
フォックス・ニュースは、「バイデンに加えて、リンダ・トーマス=グリーンフィールド国連大使、アントニー・ブリンケン国務長官、ジャネット・イエレン財務長官が、大統領と一緒にこのセットを使って、そこでのイベントのために撮影されている」と報じた。
彼らは法外に大きなテレプロンプタースクリーンも必要でしたか?
当時のニューズウィークは、バイデン大統領が偽のホワイトハウスの舞台の理由として恒久的なテレプロンプターを使用する必要性に言及しなかった。
代わりに、彼らはステージが大きく、ジャーナリストのためのスペースがあり、より良い光学系を持っていると指摘した。バイデン氏のニーズではなく、国民のためだ。
ヒューマン・イベント・シニア・エディターのジャック・ポソビエックは、偽のホワイトハウスの舞台の画像に対して、単に「トルーマン・ショー・プレジデンシャル」と表現し、主人公が俳優たちと大規模なセットで脚本化された人生全体を生きるジム・キャリー映画への言及をした。
ジョークは事実上、それ自体を書いているが、偽のホワイトハウスのセットは、バイデン大統領が慎重に作られた脚本に固執することがいかに重要であると彼の側近が感じているかを強調している。
2022/10/28 朝日新聞デジタル記事
https://digital.asahi.com/articles/ASQBW4HC5QBQULZU009.html
不登校もいじめも増加「根本は同じ」 専門家が読み解く背景
愛知教育大学の元副学長で名誉教授の折出健二さん
聞き手 編集委員・宮坂麻子2022年10月27日 17時00分
文部科学省の調査で、2021年度の不登校の小中学生は前年度から約4万9千人増えて、過去最多の24万4940人となった。いじめも2年ぶりに増加に転じ、過去最多を更新した。これはコロナ禍の影響なのか。不登校やいじめの問題に詳しい、愛知教育大の元副学長で名誉教授の折出健二さんに聞いた。
不登校の増加も、いじめの増加も、根本はつながっている。他者とのつながりがうまく持てない子どもが増える中、「黙食」など行動制限が増し、長引くコロナ禍で学校や家庭に息苦しさを感じて、孤立化がさらに進んだ結果だろう。
☛ ①文科省が発表した調査の概要はこちらから
☛ ②「マスクしろ」指摘された長男の異変 長引くコロナ禍、増える不登校
☛ ③不登校のオンライン学習、前年比4.4倍 その裏で「対象外」の子も…
余裕失う大人たち
コロナ禍前から学校では、「学校スタンダード」や「ゼロトレランス」などといわれる、問題行動を減らすために規律規範を示して、一律に指導する傾向が強まっていた。友達同士でワイワイガヤガヤと自由にできる雰囲気が少なくなりつつあった時に、コロナ禍で「しゃべらない」「前を向く」「黙食」など、教師も子どもも制限が強化された。コロナ禍2年目の21年も楽しい遊びや行事が少ないままで、疲れてしまった子が増えたと感じる。
調査では、いじめの認知件数も増加し、特に小学生では「軽くぶつかられたり、遊ぶふりをしてたたかれたり、蹴られたりする」事例の割合が中高よりも高かった。
暴力行為の件数も、小学生による暴力が約4万8千件で過去最多になった。千人当たりの発生件数は7・7件で初めて中学校(7・5件)を上回った。
いじめを長く調査していて昨今気になるのは、集団での無視など集団攻撃ではなく個人攻撃が目立つことだ。廊下ですれ違いざまにいきなり蹴る、殴る、暴言を吐く、SNSで中傷するなど、いわゆる「ワル」ではない子や学級のリーダー的な子が、行動が遅い子、異質な言動をする子、目立つ子を攻撃するケースがある。
コロナ禍で家にいる時間が増え、家庭内のプレッシャーやストレスのはけ口として攻撃する子もいる。いつ誰に攻撃されるかわからない中で、自分を押し殺して過ごそうとして、不登校や自傷につながる例もみてきた。
家庭への支援も一緒に
大人社会も同様だ。教師たちも、保護者や同僚からクレームが出ないか、指導力がないと見られないか、多忙も重なりピリピリしている。全国学力調査など、成果を求められる面も増えた。
保護者も、共働きやひとり親家庭は多忙で、コロナ禍で形を変える仕事の成果、パートナーとの関係の揺れなど、自分のことで精いっぱい。子どもの心の声をじっくり聞いてやる余裕がなくなっているように感じる。
また、安定した将来のために、子どもの生活を「仕切る」のが子育てだと勘違いして過干渉になる親もいる。親自身も、心を開いて子育てを相談できる他者とのつながりを持てなくなってきているのではないか。
社会全体の息苦しさを解消することは、すぐには難しい。だが、不登校もいじめも、子どもだけを指導しても解決には結びつかない。
スクールソーシャルワーカーのように、児童生徒だけでなく、家庭のことも一緒に対応できる人を増やし、支援態勢を拡充することがとても重要だ。
最近広がっているオンラインでのつながりも有効だろう。今回の調査でも、不登校の約4割は教育支援センターやフリースクールなどともつながっていない。
学校や授業に嫌悪感を抱く子、教師との関係や友達関係でつまずいた子、親の過度な期待に応えられない子など、特に思春期は、1人の世界に引きこもる傾向がある。
オンラインでも仮想現実でもいい。だれかとつながり続ける環境をつくり、心を開いて話せるだれかを見つけていくことが大切だ。(聞き手 編集委員・宮坂麻子)
☛ ①文科省が発表した調査の概要はこちらから
https://digital.asahi.com/articles/ASQBW3TB9QBVUTIL01M.html?iref=pc_extlink
小中学生の不登校急増、最多24万人
行事中止や休校…コロナ禍なお
桑原紀彦2022年10月27日
【左側=不登校の小中学生の人数の推移=文部科学省の調査から】
2021年度に30日以上登校せず「不登校」とされた小中学生は、前年度から24・9%(4万8813人)増え、過去最多の24万4940人だったことが文部科学省の全国調査で分かった。初めて20万人を超え、増え幅も過去最大となった。小中高校などのいじめの認知件数も過去最多を更新。文科省は、長引くコロナ禍に起因する心身の不調やストレスが影響していると分析している。
マスクしろ」指摘された長男の異変 長引くコロナ禍、増える不登校
オンライン授業「不登校生は対象外」も 自治体で異なる対応
調査は全国の国公私立の小中高校と特別支援学校、各教育委員会に実施。27日に結果を公表した。
不登校の小学生は前年度比1万8148人増の8万1498人(全体の1・3%)、中学生は同3万665人増の16万3442人(同5・0%)。不登校の小中学生の増加は9年連続で、1991年度の調査開始以降で最多になった。要因別では「無気力、不安」が最も多く、49・7%(前年度比2・8ポイント増)を占めた。
オンライン授業拡大 長期欠席者数も急増
また、コロナ禍のもとで急速にオンライン授業が広がるなか、不登校ではあるものの自宅でオンライン授業を受けるなどし、学校がその日を出席扱いとした小中学生は、前年度の2626人から1万1541人へと大幅に増えた。
不登校ではなく、コロナ感染を避けるために30日以上欠席した小中学生も、前年度の2万905人から5万9316人へと急増。不登校の高校生は前年度比7934人増の5万985人で、3年ぶりに増加した。
いじめも増えた。小中高校などの認知件数は61万5351件で、同9万8188件増。前年度は一斉休校などの影響で減っていたが、2年ぶりに増加に転じ最多を更新した。いじめにより心身に重大な被害が生じたり、長期欠席を余儀なくされたりした「重大事態」は同191件増の705件だった。
不登校、いじめの増加について文科省はコロナ禍の影響を指摘する。21年度は一斉休校はなかったが、夏の感染第5波や冬の第6波で休校や学年・学級閉鎖、分散登校が相次いだ。このため生活リズムが崩れたり欠席することに抵抗が薄くなったりして不登校になった事例が見られたという。
また、感染対策で運動会や遠足といった行事が中止され、グループ活動も制限されたことが登校意欲の低下につながったり、ストレスに起因するいじめにつながったりしたと文科省はみている。
パソコンやスマートフォンを使った誹謗(ひぼう)・中傷などの件数は、同3030件増の2万1900件が確認され、この項目が入った06年度以降の最多を更新した。(桑原紀彦)
いじめや暴力行為も過去最多
【2021年度「問題行動・不登校調査」の主な結果】
・不登校の小中学生は24万4940人(前年度比24・9%増)=過去最多
・このうち学校内外で相談をしたり、指導を受けたりしていない割合は36・3%
・不登校含む30日以上の長期欠席は小中学校で41万3750人(同43・8%増)=過去最多
・小中高、特別支援学校のいじめ認知件数は61万5351件(同19・0%増)=過去最多
・小学生の暴力行為は4万8138件(同17・2%増)=過去最多
・小学生の暴力行為の千人当たり件数(7・7件)が中学生(7・5件)を初めて上回る
・小中高の自殺者数は368人(同47人減)
コメント 増谷文生
(朝日新聞論説委員=教育)
2022年10月27日18時51分 投稿
【視点】 一斉休校をしなくても、学校が再開されても、コロナ禍は子どもたちに様々な影響を及ぼしていることがわかる調査結果です。
今回の数字は昨年度のものです。再開されたと言っても学校ではいろいろな行事が制限され、給食を黙って食べていました。感染が拡大した地域では休校や学級閉鎖も相次ぎました。生活リズムが崩れ、ストレスがたまった子どもが多かったでしょう。
記事には出ていませんが、私は小学生の暴力行為の増加が気にかかりました。1000人当たりの件数は、今回初めて中学生の件数を上回りました。
ただし、いじめの数も同じですが、増加した背景には、学校が把握できるケースが増えたという面もあります。問題を隠すのではなく、早めに見つけて対応しようという姿勢が、少しずつでも学校に広がっている点は、評価していいと思います。
文科省は教育委員会に聞き取りをおこなった結果をふまえ、小学生の暴力行為が増えた原因として、いじめの調査を徹底することで、埋もれていたケースを掘り起こすことができた面もあると考えています。小学生のうちに把握して対処したことで、中学生の暴力行為の件数が減少傾向にあるとの見方も示しました。
それでも、大勢の子どもが、大人の支援を必要としていることはまちがいありません。本来は、先生が子どもとしっかり向き合って、必要な支援を行うのが理想です。しかし、現在のような長時間労働が蔓延している状況では、十分な対応ができずに悔しい思いをしている先生も多いでしょう。
学校が不要な事務作業などをへらしつつ、国や教育委員会が、スクールカウンセラーやデジタル関連の支援員など、学校をサポートする外部人材をを早急に増やす必要があります。
また、不登校の子どもと関係を作ることができているNPOや子ども食堂などとの連携も欠かせません。こうした人たちの方が、先生より早めに異変に気づくこともあるでしょう。関係する大人が必要な情報を共有して、一人ひとりに最適な支援を考えることができる体制が、各地に整えられていく必要があります。
☛ ②
https://digital.asahi.com/articles/ASQBW3DR7QBVUTIL01P.html?iref=pc_extlink
「マスクしろ」指摘された長男の異変
長引くコロナ禍、増える不登校
武田啓亮、高浜行人、編集委員・氏岡真弓、同・宮坂麻子
神奈川県の会社員女性(40)が長男の異変に気付いたのは、昨年10月上旬の朝だった。
長男はこのとき小3。普段は女性より早く目を覚ますのに、午前7時を過ぎても起きてこない。
「朝だよ。起きて支度しないと」。寝床で声をかけ、ゆすってもほとんど反応がない。
前日は午後8時半には寝たはずだ。普段は物音に敏感で、ちょっとした動きにも反応してすぐに起きてしまうのに。
なにか大変なことが起きている。そう思った。女性はこの日長男に付き添ったが、昼ごろまで起きなかったという。
会社員の夫は「できるだけ学校には行くべきだ」と言い、学校側も登校を促した。女性は毎朝、長男に状態を聞いて行けると答えた場合は行かせた。その後、1日登校し、数日休むという状態が続いた。
この間、様々な医者やカウンセラー、臨床心理士に意見を聞いた。すると、無理に学校に行かせずにまずは休むことが必要だという助言も多かった。夫婦でも話し合い、夫も理解を示してくれるようになった。
2週間ほど経ち、女性は言った。「学校、少しお休みしようか」。「うん」と答えた長男のほっとしたような顔が忘れられない。
オンライン授業「不登校生は対象外」も 自治体で異なる対応(クリック)不登校者数は過去最多に文部科学省の調査で、不登校の小中学生が2021年度に急増したことが判明しました。学校では今、何が起きていて、どんな支援が必要なのでしょうか。
文部科学省の調査で、不登校の小中学生が2021年度に急増したことが判明しました。学校では今、何が起きていて、どんな支援が必要なのでしょうか。
早退、登校渋り… さまざまな「前兆」
前兆はあった。もともと読み書きが苦手で、学習障害の診断がある。「先生の板書をノートに写せない」と悩んできた。コロナ禍初期の2020年4月、小2で今の学校に転校。6月ごろから、欠席や早退をしたがるようになった。
小3になると1人での登校を渋った。「ママが一緒にいてくれるなら、頑張って行けるかもしれない」。女性は長男の登下校に付き添うようになった。
休み時間に友達と校庭で鬼ごっこをするのが楽しみだったという長男。「感染者が少なくなったらまた鬼ごっこしようね」という先生との約束を励みにしているようだった。だが、コロナ禍でこうした遊びの制限が続いた。
昨年夏の登校時には、長男が同級生から「マスクしろよ!」と大声で指摘されるのを見た。あいさつもせずに「マスク!」とだけ叫んで去っていく子もいた。
長男は感覚が過敏で、マスクをするのが苦手。暑い日はマスクを外しても良いことや、事情があってマスクをつけられない人もいることは、学校で教えられているはずなのに。女性は一部の子に「学校からのお便りには登下校では外してもいいって、書いてあったよ」と伝えたが、長男はしゅんとするばかりだった。
昨年秋の運動会。感染防止対策で縮小され、種目は徒競走と、嫌いなダンスのみに。種目が絞られたことでダンスの練習にかける時間が増え、「学校に行くと、ダンスばかりやらされる」と悩みを口にした。
学校は登校させようと対応してくれたが… 不登校になって10カ月。途中、別室登校をした時期もあったが、長男は今、家でネット動画を見たり、ゲームをしたりしながら過ごす。家を空けるわけにはいかないと、女性は在宅勤務ができる会社に転職した。
職場、家庭、学校でコロナに振り回される日々。これまで学校側は少しでも長男を登校させようと対応してくれたが、長男がつらいと感じていた学校生活の中身はほとんど変わらなかった。最近は「無理して登校させなくても良いのかもしれない」と思っている。
文科省が27日に発表した調査では、21年度に不登校だった小中学生は24万4940人で、一斉休校のあった前年度から4万8813人も増えた。学校現場には、長引くコロナ禍で子ども同士の人間関係づくりが困難になったとの見方が広がる。
目立つ友人関係のトラブル 様々な家庭の事情も
東京都内のある公立小では昨年度、児童約500人のうち10人程度が不登校だった。不登校ではないものの休みがちな子を含めると約20人。同校の養護教諭によると、昨年ぐらいから友人を小突いたり大声を出したりする児童が目立つといい、こうしたトラブルで被害者も加害者も不登校になるケースが目立つという。「一概には言えないが、距離をとるよう繰り返し指導され、仲を深める方法がわかりにくくなっているのかも」と話す。
都内の別の公立小の養護教諭は、友人とのトラブルで泣きながら保健室を訪れる子や、担任教員とうまくいかずに相談に来る子の心のケアに追われているという。「人間関係に悩む子は年々増えているが、コロナで拍車がかかっている印象だ」と話す。マスクで互いに表情が見えず、「怒っている」などと表情を勘違いしてトラブルにつながるケースが少なくないという。
全校生徒の1割以上に当たる約50人が不登校という都内の公立中の校長によると、様々な家庭の事情で親の目が届きにくく、十分に食事がとれなかったり、ゲームやネット動画で時間をつぶしたりしている生徒が登校意欲を失いがちだという。コロナによる運動会などの行事の中止や縮小で、学校の魅力が薄れたことも不登校増加の背景にあるとみている。
不登校の生徒約50人のうち10人ほどは、本来の学級とは別の教室で勉強している。教員は授業があって指導できず、ボランティアの手も借りながら教員全体で何とか回している。
不登校の生徒やその親には放課後など、定期的に学校に来てもらい、様子を聞いたり課題を渡したりしており、担任教員の負担は軽くない。自治体の適応指導教室やフリースクールに通う子もいるが、こうした学校内外の支援機関へのつながりがまったくなく、学校が唯一の相談先になっている子もいる。校長は「不登校の生徒の家庭を定期的に訪問するなど、もっと手厚く支援したい思いはあるが、人手が足りない。スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーに常駐してもらったり、教員を増やして学級の生徒数を減らしたりして態勢を充実させる必要がある」と話す。
「休むことに罪悪感なくなった」との見方も
不登校の急増の背景については、こんな見方もある。「休校や分散登校などを通じて『学校に毎日通わなくてもいい』という現実を経験し、子どもたちは休むことに罪悪感を持たなくなった」と話すのは、神奈川県内の公立中に勤めるスクールカウンセラー。「オンラインによる在宅学習が広がり、子どもにとって勉強する場の選択肢が増えたとも言える」と話す。文科省の担当者も、不登校の子の休養の必要性を指摘した教育機会確保法が2016年に成立したことが教員や保護者に浸透し、無理に学校に行かせなくなった面もあるとみる。
ただ、不登校の児童生徒のうち、フリースクールやスクールカウンセラーなど学校内外の支援機関や相談先とつながっていない割合は年々増えており、21年度は36・3%。支援態勢が不登校の増加のペースに追いついていないのが実情だ。
専門家「コロナ2年目で息苦しささらに増した」
不登校に詳しい折出健二・愛知教育大名誉教授は不登校増加の理由について「大人も子どもも他者とのつながりがうまく持てなくなっているところへ、マスク着用や『黙食』など規制が強まり、コロナ2年目の昨年、息苦しさがさらに増した」。学校での遊びも行事も少ないままで、疲れてしまった子が増えたとみる。また、コロナ禍で形が変わる仕事への対応などで保護者も精いっぱいで、子どもの心の声をじっくり聞く余裕がなくなっているとも指摘する。
「子どもや保護者は、オンラインでもいいので、心を開いて話せる誰かとつながりを持ち続けることがとても重要だ。国や自治体には、スクールソーシャルワーカーのように児童生徒だけでなく家庭のこともあわせて対応できる人を増やすことが求められる」(武田啓亮、高浜行人、編集委員・氏岡真弓、同・宮坂麻子)
☛ ③
https://digital.asahi.com/articles/ASQBW3T7KQBVUTIL01Q.html?iref=pc_extlink
不登校のオンライン学習、前年比4.4倍
その裏で「対象外」の子も…
編集委員・宮坂麻子
文部科学省は27日、2021年度の不登校の状況などに関する全国調査の結果を発表した。
小中学生の不登校急増、最多24万人 行事中止や休校…コロナ禍なお(クリック)
「マスクしろ」指摘された長男の異変 小中学生の不登校、急増のわけ(クリック)
今回の調査では、21年度に不登校だった小中学生のうち、自宅で端末などを使って学習活動をした日が「出席扱い」となったのは1万1541人。前年度の4・4倍にのぼる。文科省は、GIGAスクール構想で1人に1台ずつ端末が行き渡ったことや、オンライン学習が広がったことが背景にあるとみる。
全員にオンライン学習、不登校からの復帰も
福岡市では、全市立小中学校の希望者に学級の授業の様子をオンライン配信している。コロナ禍1年目の20年7月に、不登校、感染不安などの理由にかかわらず、学校が認めたオンライン学習をすれば「出席扱い」とすることにした。市教育委員会によると、21年度中の不登校の児童生徒は約3500人。例えば昨年11月のある日は、うち642人がオンラインで授業を受けていた。
今年8月の各校への調査では、不登校からの復帰につながった児童生徒が92人、改善につながった児童生徒は121人いた。市教委の担当者は「全ての子に学ぶ機会を与える意味でも、オンラインでの提供は続ける」としている。このほか熊本市や青森市など各地で不登校の小中学生のオンライン学習への参加が進んでいる。
届かなかったオンライン授業の知らせ 学校に問い合わせると… ただ、オンライン授業の扱いは自治体によってまちまちで、こうした対応が受けられないケースもある。
昨年5月の連休過ぎから登校できなくなった東京都の公立中2年の男子生徒の場合、今年1月、感染拡大で学級閉鎖になりオンライン授業に切り替わっても、知らせが届かなかった。
母親によると、学校に問い合わせると「あくまでも感染対策の趣旨で行っているので、不登校の生徒は対象外」と断られたという。
「本人の登校や学びへの意欲へのきっかけになれば」と何度かかけあい、欠席扱いとなるのを条件に参加できた。子どもは英語の授業が難しいことに驚いたり、先生の雑談や生徒の面白い発言で笑ったり。感染が収まりオンライン授業が終わるまで10日間程度、毎日見ていた。「もし配信が続いていたら子どもに変化が起きていたかも……」と悔しい思いが残る。
地元の教育委員会は「学級閉鎖や休校時のオンライン授業は、一時的なもので長期は続けられず、あくまでも感染対策。不登校の児童生徒の参加は、基本的に認めていない」とする。生徒の母親は「端末が行き渡り、不登校の子への支援を前進させるチャンスなのに、自治体間の対応の差で、学びの機会が奪われるのはおかしい」と話す。
文科省の担当者は「不登校の児童生徒へのICTを活用した学習は推進することが大前提。できるだけ活用してほしいし、今後も広がるだろう」と話す。(編集委員・宮坂麻子)
アサヒ新聞 12面(社説) 2022年10月28日
コロナと子ども 学校外の力も結集して
年間30日以上登校せず「不登校」とされた小中学生の数が昨年度は過去最多となり、増え幅も過去最大となった。文部科学省は、コロナ禍の影響が出ているとみる。一人ひとりの子どもに合わせた支援を行うため、学校だけでなく、自治体の福祉部門やNPO、地域社会などの力を広く集める必要がある。
小中高などからの報告では、不登校の小学生は、前年度より29%増え8万1千人、中学生は23%増え16万3千人となった。1千人当たりでは小学生は13人、中学生は50人にのぼる。
文科省による教育委員会への聞き取りで、いくつかの要因は見えている。▽行事の縮小や黙って食べる給食など制限が残る学校生活に登校意欲が減退▽休校・学級閉鎖などで生活リズムが混乱▽学校を休むことへの子ども・保護者・教員の心理的なハードルが低下――などだ。
大人が子どもとしっかり向き合い、適切なケアを行うことが大切だ。だが、不登校の小中学生のうち36%、8万9千人は、学校や地元の教育支援センター、フリースクールといった組織のどこからも支援を受けていない。保護者になかなか接触できない、複雑な環境の家庭が増えていることも一因という。
小学校での暴力行為の増加も気がかりだ。1千人当たり7・7件となり、7・5件の中学校を初めて上回った。文科省はコロナ禍を受けた学校や家庭の環境の変化で、ストレスを抱える子が増えたと分析。学校がいじめの把握に努めた結果、暴力行為にも気づく例が増えたとの見方も示している。
小中高生の自殺者も368人と、前年度より47人減ったものの深刻な状況が続いている。
いずれの問題も、学校が原因を見つけ、対応に当たるのが基本だ。だが、長時間労働で教員が疲れ果てている状況では、子どもとじっくり向き合って信頼関係を築くことは難しい。
スクールカウンセラーなどの専門家の配置を増やすほか、学校が事務作業の削減やIT機器の活用などを進めやすい環境を整えることが欠かせない。問題の兆候に教員が早めに気づけるよう、国や教委は働き方改革を加速しなければならない。
とはいえ、子どもたちの支援は待ったなしだ。不登校の子にオンラインで勉強を教えるNPOや、地域住民が営む子ども食堂などが、家庭でも学校でもない「第三の居場所」となるケースが増えている。学校は、教委や、児童相談所などの福祉部門に加え、こうした人たちとも積極的に連携する必要がある。情報を共有して、多くの目で見守り、それぞれの子に最適な支援の方法を探ってほしい。
アサヒ新聞 27面 2022年10月28日
https://digital.asahi.com/shimenviewer/viewer/launcher.php?ap=Aklr8SrfxJaFgRjimdqKgwgHwDd6TOl9gw%2BiHv1OH2ZOdklkOvNuBkyOulpu2tDhh9AFVrcVpCuCqWYmhXBmIT0yYbhkUP2BOF4Bgt0PXhUZ9%2Bl5O5CrkTkPzaWF9XzTn7qjz%2BDjSW4H1aFr8RUTzNgqtnFbnDNwO042QjEQh2k%3D&iref=pc_shimen_viewer_tokyo_20221028&area=tokyo&pid=1
コロナ禍、息苦しい子
マスクで表情見えずトラブル/休む罪悪感消えた
文部科学省の調査で、不登校の小中学生が2021年度に急増したことが判明した。何が起きているのか。どんな支援が必要なのか。▼1面参照
神奈川県の会社員女性(40)が長男の異変に気付いたのは、昨年10月上旬の朝だった。このとき小3。普段は女性より早く目を覚ますのに、午前7時を過ぎても起きてこない。昼ごろまで起きなかったという。
その後、1日登校し、数日休むという状態が続いた。2週間ほど経ち、女性は言った。「学校、少しお休みしようか」。「うん」と答えた長男のほっとしたような顔が忘れられない。
前兆はあった。読み書きが苦手で「先生の板書をノートに写せない」と悩んできた。2020年4月、小2で今の学校に転校。6月ごろから、欠席や早退をしたがるようになった。小3になると女性は登下校に付き添うようになった。昨年夏の登校時、長男が同級生から「マスクしろよ!」と大声で指摘されるのを見た。長男は感覚が過敏で、マスクをするのが苦手だった。
不登校になって10カ月。長男は今、家でネット動画を見たり、ゲームをしたりしながら過ごす。女性は在宅勤務ができる会社に転職した。最近は「無理して登校させなくても良いのかもしれない」と思っている。
東京都内のある公立小の養護教諭によると、昨年ぐらいから友人を小突いたり大声を出したりする児童が目立つといい、こうしたトラブルで不登校になるケースが目立つという。「一概には言えないが、距離をとるよう繰り返し指導され、仲を深める方法がわかりにくくなっているのかも」
都内の別の公立小の養護教諭は「人間関係に悩む子は年々増えているが、コロナで拍車がかかっている印象だ」。マスクで互いに表情が見えず、「怒っている」などと表情を勘違いしてトラブルにつながるケースが少なくないという。
全校生徒の1割以上に当たる約50人が不登校という都内の公立中の校長によると、親の目が届きにくく、十分に食事がとれなかったり、ゲームやネット動画で時間をつぶしたりしている生徒が登校意欲を失いがちだという。
■支援追いつかず
不登校の急増の背景については、こんな見方もある。「休校や分散登校などを通じて『学校に毎日通わなくてもいい』という現実を経験し、子どもたちは休むことに罪悪感を持たなくなった」と話すのは、神奈川県内の公立中に勤めるスクールカウンセラー。「オンラインによる在宅学習が広がり、子どもにとって勉強する場の選択肢が増えたとも言える」と話す。
ただ、不登校の児童生徒のうち、フリースクールやスクールカウンセラーなど学校内外の支援機関や相談先とつながっていない割合は年々増えており、21年度は36・3%。支援態勢が不登校の増加のペースに追いついていないのが実情だ。
不登校に詳しい折出健二・愛知教育大名誉教授は「大人も子どもも他者とのつながりがうまく持てなくなっているところへ、マスク着用や『黙食』など規制が強まり、コロナ2年目の昨年、息苦しさがさらに増した」。学校での遊びも行事も少ないままで、疲れてしまった子が増えたとみる。「オンラインでもいいので、心を開いて話せる誰かとつながりを持ち続けることが重要だ。国や自治体には、スクールソーシャルワーカーのように家庭のこともあわせて対応できる人を増やすことが求められる」(武田啓亮、高浜行人、編集委員・氏岡真弓、同・宮坂麻子)
■オンライン出席拡大 不登校の子、対象外も
今回の調査では、21年度に不登校だった小中学生のうち、自宅で端末などを使って学習活動をした日が「出席扱い」となったのは1万1541人。前年度の4.4倍にのぼる。文科省は、GIGAスクール構想で1人に1台ずつ端末が行き渡ったことや、オンライン学習が広がったことが背景にあるとみる。
福岡市では、全市立小中学校の希望者に学級の授業の様子をオンライン配信している。このほか熊本市や青森市など各地で不登校の小中学生のオンライン学習への参加が進んでいる。
ただ、オンライン授業の扱いは自治体によってまちまちで、こうした対応が受けられないケースもある。
昨年5月の連休過ぎから登校できなくなった東京都の公立中2年の男子生徒の場合、今年1月、感染拡大で学級閉鎖になりオンライン授業に切り替わっても、知らせが届かなかった。
母親によると、「本人の登校や学びへの意欲へのきっかけになれば」と何度かかけあい、欠席扱いとなるのを条件に参加できた。子どもは英語の授業が難しいことに驚いたり、先生の雑談や生徒の面白い発言で笑ったり。感染が収まりオンライン授業が終わるまで10日間程度、毎日見ていた。「もし配信が続いていたら子どもに変化が起きていたかも……」と悔しい思いが残る。
地元の教育委員会は「学級閉鎖や休校時のオンライン授業は、一時的なもので長期は続けられず、あくまでも感染対策。不登校の児童生徒の参加は、基本的に認めていない」とする。
文科省の担当者は「不登校の児童生徒へのICTを活用した学習は推進することが大前提。できるだけ活用してほしい」と話す。(編集委員・宮坂麻子)
■2021年度「問題行動・不登校調査」主な結果
◆不登校の小中学生は24万4940人(前年度比24.9%増)=過去最多
※このうち学校内外で相談をしたり、指導を受けたりしていない割合は36.3%
◆不登校含む30日以上の長期欠席は小中学校で41万3750人(同43.8%増)=過去最多
◆小中高、特別支援学校のいじめ認知件数は61万5351件(同19.0%増)=過去最多
◆小学生の暴力行為は4万8138件(同17.2%増)=過去最多
◆小学生の暴力行為の千人当たり件数(7.7件)が中学生(7.5件)を初めて上回る
◆小中高の自殺者数は368人(同47人減)
◆下平評
上記資料のうち、文部省の資料円グラフに目をとめた。 これがすべてだ!
不登校の要因調査としているが、調査の類別というか、項だてといえばいいのか、半分に入れてある「無気力、不安」とあと半分のものを見て思うのです。 これらの元になっているものは、幼児期の家庭環境によることがすべてではないのか? 子どもたちを見ていると、学習能力の不安定による心の状態がいろいろと生活面に出ているように観察できるのです。 高校進学が思うようにいかなく、家から遠くの高校へ親が朝自家用車で送っていく様子を見ていると、親が気の毒になるのです。 大きくなってから、いろいろ子どもに注文しても、無理であり過去に戻ることは不可能となっているのです。
親の在り方がいかに大事か。 教師生活を通して感じてきたものは、この一点にかかっていると思うのです。 野菜を作るようになってから、太陽のありがたさから始まって、土壌の状態のあり方、種まきや苗育ての手入れの在り方、収穫までにはずいぶん気を使わなくてはならない。 ことは、学校生活だけではなくいのちの願い、生活の願い、仲良しの願い、ものをつくる願、それらすべては人間性を高めることによって可能になることだとわかるのです。
そして生きものはすべて、終末を迎えるようにできています。 これがお釈迦さまの教えだと思うのです。 お釈迦さまにまでなれないとしても、いのちの伝承は生きもの一つひとつに託されているといえるのです。