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続折々の記 2023 ①
【心に浮かぶよしなしごと】
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【 07 】01/22
  全国の小中高の「不登校」「いじめ」「自殺」  61万5千件
    1 小中学校の「不登校」データ
    2 高等学校の「不登校」データ
    3 小中高の「いじめ」データ
    4 小中高の「自殺」データ
  連続強盗指示役か、比で拘束  世情の悪弊のまねが多くなった
  広域強盗、特殊詐欺と似た手法  比拠点のグループ幹部か

 2023/01/23
いじめ件数 2022     61万5千件

「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」結果
全国の小中高の「不登校」「いじめ」「自殺」
文部科学省が発表
   https://www.shiryoku15.jp/schoolrefusal
 文部科学省は2022年10月27日、全国の学校を対象に2021年度実施した「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」の結果を公表しました。病気や経済的理由などとは異なる要因で30日以上登校せず「不登校」と判断された小中学生は24万4,940人、小中高と特別支援学校のいじめの認知件数は61万5,351件で、ともに過去最多でした。

 ここでは「不登校」「いじめ」「自殺」に焦点を当て、その詳細データをグラフを使って紹介します。

 なお、「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」は、児童生徒の問題行動等について、全国の状況を調査・分析することにより、教育現場における生徒指導上の取組みのより一層の充実に資すること等を目的として、文部科学省が毎年調査しているもの。

《ページ目次》

 1 小中学校の「不登校」データ
   小中学校の「不登校」は過去最多の24万4,940人
 2 高等学校の「不登校」データ
   高等学校の「不登校」は、ほぼ横ばいで推移
 3 小中高の「いじめ」データ
   小学校の「いじめ」は過去最多の50万件を突破
 4 小中高の「自殺」データ
   「自殺」は過去最多の前年度から減少

1 小中学校の「不登校」データ

小中学校の「不登校」は過去最多の24万4,940人。

 今回の調査では、「不登校」と判断された小中学校の児童生徒数は9年連続で増えています。今回の増え幅はとくに顕著で、過去最多だった前年度から24.9%増加しています。  小中学校の不登校の主な要因で最多なのが「無気力、不安」(49.7%)で、「生活リズムの乱れ、遊び、非行」(11.7%)、「いじめを除く友人関係をめぐる問題」(9.7%)が続いています。

 ① 小・中学校の不登校児童生徒数の推移グラフ
     文部科学省の令和3年度 「児童生徒の問題行動・不登校等生徒
     指導上の諸課題に関する調査」より
 ② 学年別の不登校児童生徒数のグラフ
 ③ 小・中学校の長期欠席と不登校状況
   小・中学校の不登校の主たる要因
     注)不登校児童生徒の割合は、在籍者数に占める割合です。
     文部科学省の令和3年度 「児童生徒の問題行動・不登校等生徒
     指導上の諸課題に関する調査」より
 ①~③のグラフなどは、大事なデータです。ここをプッシュして開き、
 コピーし利用してほしい。 このサイトではコピーできないのです


2 高等学校の「不登校」データ

高等学校の「不登校」は、ほぼ横ばいで推移。

 高等学校の不登校は前年比で18.4%増の5万985人。過去10年でみるとほぼ横ばいで推移しています。

 ① 高等学校における不登校生徒数の推移
     注)令和元年度調査までは、年度間に連続または断続して30日以上欠席
     した生徒について調査。
     令和2年度調査以降は、「生徒指導要録」の「欠席日数」欄および
     出席停止・忌引き等の日数」欄の合計日数により、年度間に30日以上
     登校しなかった生徒について調査。    高等学校の不登校の主たる要因
 ①~ グラフなどは、大事なデータです。ここをプッシュして開き、
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3 小中高の「いじめ」データ

小学校の「いじめ」は過去最多の50万件を突破。

 いじめの認知件数は新型コロナによる一斉休校などの影響で減少に転じた2020年度から、19.0%上昇して61万5351件で過去最多となりました。とくに小学校で認知件数が増加していて、初めて50万件を超えました。

 いじめの内容別では「冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、嫌なことを言われる」が57.8%と最も多く、「軽くぶつかられたり、遊ぶふりをしてたたかれたり、蹴られたりする」(22.9%)、「仲間はずれ、集団による無視をされる」(12%)と続いています。

 2006年度の調査開始から増加を続ける「パソコンや携帯電話等で、ひぼう・中傷や嫌なことをされる」は、全体で2万1,900件(3.6%)となり過去最多を更新しています。

《いじめの定義》調査において、個々の行為が「いじめ」に当たるか否かの判断は、表面的・形式的に行うことなく、いじめられた児童生徒の立場に立って行うものとする、としています。

 ① いじめの認知(発生)件数の推移
     小中高でのいじめの認知件数。令和3年度 「児童生徒の
     問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」より
 ② いじめで警察に相談・通報した件数
 ③ いじめり内容別件数
     文部科学省の令和3年度 「児童生徒の問題行動・不登校等
     生徒指導上の諸課題に関する調査」より
 ①~③のグラフなどは、大事なデータです。ここをプッシュして開き、
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4 小中高の「自殺」データ

自殺」は過去最多の前年度から減少

 自殺者は小中高校で368人(前年度 415 人)となり、過去最多の前年度2020年から47人減っています。自殺した児童生徒が置かれていた状況(複数回答可)については、「不明」が213人で最多。この他、「家庭不和」46人、「父母等の叱責」38人、「精神障害」34人、「進路問題」30人、「友人関係(いじめを除く)」24人等が続きました。

 ① 学年別自殺の状況児童生徒の
 ② 小・中・高等学校から報告のあった自殺した児童生徒数
     小中高の自殺。令和3年度 「児童生徒の問題行動・不登校等
     生徒指導上の諸課題に関する調査」より
 ③ 小・中・高等学校の自殺児童生徒数の推移グラフ
     文部科学省の令和3年度 「児童生徒の問題行動・不登校等
     生徒指導上の諸課題に関する調査」より
 ①~③のグラフなどは、大事なデータです。ここをプッシュして開き、
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小中高生徒の自殺生徒数の推移グラフ。文部科学省の令和3年度 「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」より

文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」結果の詳細はこちら (クリック)

 2023/01/28
連続強盗指示役か、比で拘束
「ルフィ」に逮捕状、送還へ
   世情の悪弊のまねが多くなった

 関東や関西、中国地方などで発生した複数の強盗事件で、「ルフィ」と名乗って計画や実行を指示していたとみられる男が、フィリピンの首都マニラで拘束されていることが、フィリピン司法当局への取材でわかった。警視庁がこの男ら4人について、過去の特殊詐欺事件に絡む容疑で逮捕状を取得していたことも判明。警察当局は送還を受けるための手続きを進める。▼35面=強盗の前兆?

 昨年以降に各地で発生した一連の強盗事件では、「ルフィ」を名乗る人物がフィリピンから指示を出していた可能性が浮上していた。警察は、収容中に携帯電話で指示を出していた疑いがあるとみている。

 フィリピン司法当局によると、男らは入国管理局の収容施設で拘束されており、現在は通信機器の使用を禁止されている。捜査関係者によると、逮捕状が出ていたのは渡辺優樹、今村磨人(きよと)両容疑者ら30代~40代の男4人で、2019年に日本人36人が現地当局に拘束された特殊詐欺グループの幹部らとみられる。36人は日本に送還、逮捕されたが、一部のメンバーは現地に残っていたという。

 警視庁は、この4人の身柄を早期に引き渡すよう、以前からフィリピン当局に要請を続けていた。フィリピン側は同国内の別の事件に男らが関わっていた疑いがあるとして要請に応じてこなかったが、一連の強盗事件への関与が疑われたことを受け、身柄を引き渡す意向を示したという。

 警視庁は引き渡しを受け次第、特殊詐欺事件で逮捕したうえで強盗事件への関与についても調べる。

▼35面=強盗の前兆?
住宅街、強盗の前兆? 不審な3人
→翌日「アポ電」→窓に侵入痕

 フィリピンの入管施設に収容されている男が「ルフィ」と名乗り、各地で相次いだ強盗事件を指示していた疑いが強まった。複数の実行役が押し入って住人に暴行を加え、金品を奪ってレンタカーで逃走する――。手口が共通する一連の事件につながりそうな不審な前兆が、東京都足立区で起きていた。▼1面参照

 ■「戻れ」と手招き

 東武鉄道竹ノ塚駅から約2キロ離れた閑静な住宅街。18日夕方、ある住宅を囲むように、警戒しながら歩く3人の不審な男が目撃されていた。地元の住人ではなさそうだった。

 目撃者によると、3人のうち2人が住宅の周囲に待機すると、残った1人が敷地に入っていった。

 玄関前まで来たその時、郵便の配達員がやってきた。

 それを見た待機している2人のうちの1人が、他の2人に両手で大きく「×」をつくり、ひじを立て「戻れ」と手招きするしぐさをした。3人は走って去っていったという。

 翌19日の日中には、この家に警察官を名乗る人物から資産状況を尋ねる電話がかかってきた。電話を受けた住人がそれに答えて電話を切った後、不審に思い警視庁に相談。強盗の予兆である「アポ電」の疑いがあるとして、警視庁が避難を指示したという。

 指示に従って住人が避難した後、何者かがこの家の窓ガラスを割って侵入していた。避難していなければ、住人が犯人と鉢合わせして襲われる可能性があった。

 さらに翌日の20日午後1時半ごろ。この家から約30メートル離れた路上に、不審なレンタカーがあるとの通報があった。警察官が現場に駆けつけると、銀色の足立ナンバーのレンタカーが道路と駐車場にまたがるように止まっていた。

 この道路を挟んで向かい側のベンチには、紺色のパーカを着た若い男が座っている。

 「車の持ち主ですか」。警察官がそう尋ねると、男は「私の車です」。続いて何をしているのかと問われると、「知り合いと飯を食うために待っています」と答えたという。

 ■車内に高級時計

 警察官は男の挙動が不審と感じ、同意を得てレンタカーの車内を確認した。置いてあったリュックサックを開けると、中からは「フランク・ミュラー」などの高級腕時計3点。時計について詳しく聴きたい、と告げると男は抵抗することもなく、自らレンタカーを運転して警察署に向かった。

 警察署で身元を確認すると、昨年12月に中野区で発生した強盗傷害事件の実行役として警視庁暴力団対策課が行方を追っていた永田陸人容疑者(21)=金沢市末町=と判明。日付が変わった21日未明に逮捕した。

 レンタカーの後部座席から見つかった携帯電話には、東京都狛江市で19日に発生した強盗殺人事件に関する情報があった。二つの事件はともに「ルフィ」の関与が疑われている。

 さらに携帯電話には足立区内の二つの住所も記録されており、このうちの一つが、18日から不審な出来事が続く住宅と一致した。永田容疑者はこの携帯電話について「自分のものではない」と説明したという。

 警視庁は、18日に目撃された不審な人物も永田容疑者らの強盗グループのメンバーで、強盗事件を起こそうとしたところ配達員に見つかったため断念したとみている。

 20日に永田容疑者が何をしようとしていたのか――。同庁が詳しく経緯を調べている。(増山祐史 遠藤美波 高嶋将之)

 ■各警察幹部集め、警察庁捜査会議 「真価問われている」

 各地で相次ぐ強盗事件をうけ、警察庁は27日、関係の都府県警の捜査幹部を集めた捜査会議を開いた。渡辺国佳刑事局長は冒頭、「国民の不安も高まっている。警察捜査の真価が問われている」と指摘。首謀者の摘発や事件の全容解明にむけ、迅速で徹底した捜査を進めるよう指示した。

 警察庁が個別の事件で、各警察の幹部を集めた捜査会議を開くのは異例だ。

 警察庁によると、同一グループによるとみられる一連の強盗事件が昨年10月以降、関東地方や西日本の少なくとも8都県で14件発生し、これらの事件に絡み実行役ら三十数人を逮捕している。また、関連する可能性がある強盗や窃盗事件が6府県で起きている。

 会議には警視庁、千葉、大阪、広島、福岡など14都府県警の刑事部長らと警察庁側の計二十数人が出席。関係の警察はこれまでも情報交換などをしながら捜査を進めてきた。ただ、全容解明にむけ、現場の捜査責任者が一堂に会して連携を深める必要があると判断した。

 2023/01/29
広域強盗、特殊詐欺と似た手法
「ルフィ」ら比拠点のグループ幹部か
   悪いまね

 各地で相次いだ強盗事件で、「ルフィ」を名乗って複数の事件を指示していた疑いが持たれている男らは、過去にフィリピンを拠点とした特殊詐欺グループの幹部でもあったとみられている。警視庁は男ら4人の逮捕状を取っており、4人を収容しているフィリピン側に引き渡しの要請を続けていた中で強盗事件が起きていた。

 男らが収容されているのは、マニラ郊外の広大な警察敷地の一角にある入管施設。高さ約4メートルのコンクリート製の壁に囲まれ、壁の上には有刺鉄線が張りめぐらされている。

 ■「ビッグボス」

 警視庁が逮捕状を取得している4人のうち、渡辺優樹容疑者(38)は現地警察の間で「ビッグボス」と呼ばれていたという。

 フィリピン司法当局や地元メディアによると、フィリピン警察当局は2021年、渡辺容疑者をオンライン詐欺や恐喝などの疑いで逮捕した。警察当局は調べを進める中で、渡辺容疑者が「日本やフィリピンを含む複数の国を対象にした最大の特殊詐欺グループ」に所属していると判断。その後に出国禁止命令が出され、同年から入管施設に収容されていた。

 日本側も、警視庁が特殊詐欺事件に絡む容疑で渡辺容疑者らの逮捕状を取っており、フィリピン側に身柄の引き渡しを求め続けていたという。

 この特殊詐欺事件は、19年までの2年間に約1700件、15億円以上の被害を及ぼしたとされている。

 主な手口は、警察官をかたって高齢者に「詐欺犯人のリストにあなたの名前がある」と電話をかけ、「キャッシュカードを封筒に入れて保管して」と指示した上で、その高齢者宅を訪れたメンバーが、別の封筒とすり替えてカードを盗むというものだ。盗んだカードから現金を引き出していたという。

 高齢者たちをだます電話をかける拠点の一つが、マニラにある7階建ての廃ホテルだった。そこのメンバーだったという男によると、拠点では約80人の日本人がマニュアルや住所録をもとに1人あたり1日50件ほど電話をかけていた。週休2日で、歩合制の報酬は1週間に5万~40万円手にしていたという。

 ■脅しの材料に

 男は19年4月にSNSで「高収入アルバイト募集」の投稿を見つけて応募。「身分証のコピーを送って親の住所などを伝えると採用された」という。この「採用」手法は、相次ぐ強盗事件とも共通する。自身や家族の情報を握られ、途中から抜けることをできなくさせる仕組みだ。この男も「断ると自分や親の話を持ち出されて脅された」と振り返る。

 この廃ホテルが摘発されたのは19年11月。フィリピン入管当局が、そこにいた日本人36人の身柄を拘束した。36人は21年7月までに強制送還、逮捕されたが、別の拠点もあったとされ、摘発を免れたメンバーもいた。それが、グループのリーダー格とされる渡辺容疑者らだったとみられる。

 日本の警察当局は、強盗事件を指示した「ルフィ」が誰であるかの特定まではしていない。複数の人物が使っていた可能性もあるが、その中に渡辺容疑者らも含まれていたとみている。