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折々の記 2010 @

【心に浮かぶよしなしごと】

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【 04 】01/16

  01 16 世情の変態は急変……疑惑者は辞職せよ、企業献金の撤廃は焦眉の急です
  01 18 法制上から見た地域教育の概要

 01 16 (土)  世情の変態は急変……疑惑者は辞職せよ、企業献金の撤廃は焦眉の急です

企業献金は政治家が黙認するが、国民が政治不信になる元凶です。 そっこく全面撤廃の規正法を施行すべきなのです。

老生自身は政治不信のモヤモヤした嫌味な課題として受止めていたが、やっぱり国民主権の政治をする原則に即し企業献金は一円たりとも禁止すべきです。 政治家の良心ということを斟酌すべきではありません。 立法措置によって禁止すべきものなのです。 国民の一人として誰しも賛成してくれることを願います。

判りやすく言えば、小沢一郎さんも鳩山由紀夫さんも自身の粛清をして政治を正すべきときがきたと腹を決め、政治家としての最後の花を添えてほしいと思います。 もう、いろいろの議論も考え方も聞きたくありません。

いつまでたっても、朝日の社説でさえ、政治家個人が関わるお金の問題への発信は、次のような程度になってしまうのです。 たとえば「極めて重い課題」とか「首相の対応次第」、「容易ならざる事態だ」など、お金でウロタエル言葉は聞きたくないのです。 お金と名誉と異性(漱石がいう醜さ)とは縁を切って、まっとうな政治をしてほしいのです。


現在位置 : asahi.com>ニュース>政治>国政>記事  2010年1月16日5時47分
民主党内に小沢幹事長の進退論浮上 鳩山政権に重い課題

 鳩山由紀夫首相は、政権交代後初めて迎える通常国会を前に、極めて重い課題を突きつけられた。昨年3月の公設第1秘書に加え、15日には石川知裕衆院議員ら2人の秘書経験者が逮捕され、民主党内には小沢一郎幹事長の進退論が浮上。16日には政権交代後初めての党大会が都内で予定されており、18日には通常国会が召集される。首相の対応次第では、政権そのものを揺るがしかねない事態だ。

 昨年末の予算編成など、小沢氏の力に頼って政権運営を進めてきた首相にとって、党内の最高実力者である小沢氏を幹事長職から外す事態は避けたい。一方で、幹事長を続投させれば、野党のみならず足元からも政権への批判が一気に噴き出しかねない。通常国会が鳩山氏自身も含め、「政治とカネ」が問われる場になることは必至だ。

 首相は15日夕、首相官邸での公務を終えると、そのまま首相公邸に入った。小沢氏は同日夜、都内の個人事務所にこもり続けた。

 首相は同日朝、記者団に対し、「(カネの問題は)すでに総選挙の前から出ていた話だ。こういう問題があるにもかかわらず、民主党を国民の多くが選んでくれた」と強気の姿勢をみせた。ただ、夕方には「選挙ですべてみそぎが終わったと胸を張るつもりはない」と述べて朝の発言を修正した。小沢氏の説明責任については「捜査が進めば、しかるべきところで小沢幹事長が判断すると思う」とも語った。

 石川議員の逮捕を受け、平野博文官房長官は都内で記者団に対し、「突然のことでびっくりしている。状況がよくわからないので、推移を見守るしかない」と述べた。仙谷由人国家戦略・行政刷新相は「容易ならざる事態だ」、前原誠司国土交通相は「捜査を見守りたい」と語った。しかし、民主党内からは「世論の高まりで選挙への影響や政権に迷惑をかけられないことから、辞めるかもしれない」(中堅議員)と、小沢氏が幹事長を辞任するのではないかとの観測が出始めている。

関連トピックス 総選挙 小沢一郎 鳩山由紀夫 前原誠司


社説を読み、このごろのモヤモヤに我慢ならなくて感想と意見をまとめした。 そのあと天声人語を読んで最後の言葉が胸に重くのしかかりました。


天声人語
2010年1月15日(金)付

 〈ミャンマーで銃弾に倒れた写真家一人あなたの勇姿で我が夢決まる〉。千葉県の高専1年中島武忍(たくま)さんの歌だ。長井健司さん(享年50)は帰らぬが、若者の心に多くを残した。東洋大学が募った第23回「現代学生百人一首」から▼〈メール待つ心も体も寒い冬あなたの返信まるでゆたんぽ〉高2渋谷希(のぞみ)。親指で始まり、手のひらで育つはずの恋なのに……〈流行のインフルエンザ対策は彼とつないだ手も洗わなきゃ〉高3小川舞子▼恋ならずとも人間関係は楽じゃない。〈友が降り電車に一人残されてため息深く演技終了〉高1小崎遥佳(はるか)。〈親友と遊び疲れた帰り道夢の話は少し嘘(うそ)つく〉高3中川知明。そう、演技も方便も優しさゆえ。相手を気遣い、大人への階段をまた上がる▼〈入試の時緊張してた教室が今では一番落ちつく居場所〉高1星君枝。己と向き合って詠む学校生活。「チェンジ」こそ成長の証しだ。〈ブカブカの制服を着てはや二年思い出つまりちょうどよくなる〉高2関根拓馬▼家族に注ぐ視線はどこまでも温かい。〈おばあちゃんこれが高校の制服だ勇んで見せる春の墓の前〉高1奈良岡貴大(たかひろ)。〈寝坊してご飯はいいと言ったのにかばんにひとつ鮭(さけ)のおにぎり〉高2金子聡美▼〈歴史的政権交代に立ち会えた開いてみたい未来の教科書〉高2小笠原華子。10代は政治に無関心、と侮るなかれ。番外の小学生からも〈六時から見たいテレビがあったのにどこまわしても政権交代〉小6吉永健大(たけひろ)。鳩山さん、小沢さん、この世代がじっと見ていることをお忘れなく。

↑…………… 鳩山さん、小沢さん、この世代がじっと見ていることをお忘れなく ……………↑
Everybody whaches it !!

 01 18 (月)  法制上から見た地域教育の概要

新政権は鳩山総理という旗手を替えて、民主党が掲げる政策を実現すべく変化していってほしい。

ことに地域の教育は地域が主体的になって予算をつけて運営実践できるようにしていってほしい。

そのために、今の人づくりの現状を根底から改善しなくてはならない。 改善というより、解体して基礎から築きあげるという考えをしていきたいものです。

宗教からも倫理からも哲学からも、人のあるべき姿を目指した教育の方向を作り上げることが先ず第一にしなくてはならない行動と思います。 教育という言葉は教え育てるという漢字を用いていますが、人から人へのバトンタッチであり、親から子への世代交番にあたって知的能力、運動能力、品性全般にわたってどのようにバトンタッチしていけばいいのか、を教え育てることが間違いのない道と思います。

この教育の根本になる教え育てることが、最初の第一歩の各家庭で行なわれていることが大事なことになります。

ところが、文部省にしても、評論家にしても教育審議会においてすら、ほとんど議論の俎上にも上がってきたことがありません。

これは一体どうしたことなのでしょうか ???

学校教育がいつも課題に上がってきますが、それ以前の保育園の教育、そしてもっと大事な家庭における子育てについては、いつも教育審議の議題の枠外のものとして、対処の仕方や方法、実践的行動のとり方が教育の課題として取り上げられてこないのです。

老生の質問にまっとうな応答をしてほしい。 文書として詳しく説明してほしいのです。



詳しい説明が出てこないとすれば、自分で各家庭でやらなくてはならない‘教育行動の仕方’を築き上げなくてはなりません。 この‘教育行動の仕方’を‘子育て行動の仕方’という表現にした方が適切ですから、‘子育て行動の仕方’といたします。

子育ては実際には、一つ一つの行動として朝から晩まで‘行動’として現われるものです。 おっぱいを上げてあやして元気よく育てばいい、などという程度の考え方の親だとすれば、望ましい子育て行動とは決していえません。

一人一人の親は子育て行動を、どうすればいいのか充分理解しているのでしょうか !!  

国会議員の一人一人の人は、この疑問をそのままにしておいてよいのでしょうか。

村長さんは、この疑問をそのままにしておいてよいのでしょうか。

行政指導をしていく役割の一人一人の人は、この疑問をそのままにしておいてよいのでしょうか。



文部科学省のホームページを開いていってみても、この疑問に応ずるようなページは何一つありません。 関係する内容と思われる項立ての目次を拾いだして見ますと、次のようなものになります。 詳しくはすべて開いて読まないと落ちがあるかもしれません。 でも、先ずはこんなところでしょう。


文部科学省

教育 http://www.mext.go.jp/a_menu/a002.htm

    教育に関する基本的な法律・計画など
    幼児教育・家庭教育
    小学校、中学校、高等学校
    大学・大学院、専門教育
    特別支援教育
    学校保健、学校安全、食育
    教員の免許、採用、人事、研修等
    国際教育
    学校等の施設設備
    青少年の健全育成
    公民館、博物館、図書館等
    地域の教育力の向上
    地方教育行政



幼児教育・家庭教育 http://www.mext.go.jp/a_menu/01_b.htm

    家庭の教育力の向上
    「早寝早起き朝ごはん」国民運動の推進
    子どもの体力向上ホームページ
    幼児教育の振興
    「子どもと話そう」全国キャンペーン

 家庭の教育力の向上  http://www.mext.go.jp/a_menu/shougai/katei/1246352.htm
    ○トピック1(児童委員・主任児童委員の積極的な活用による児童健全育成
        及び家庭教育支援施策の推進についてを掲載しました)
    ○トピック2〈子どもの携帯電話やネット利用について理解や知識を深める機会の提供
        〜各地における家庭教育支援講座の例〜を掲載しました〉
    ○トピック3〈平成21年版家庭教育手帳ができました〉
    ○トピック4〈家庭教育手帳の効果的な活用事例を掲載しました〉
    ○データベース1〈「家庭教育支援のための行政と子育て支援団体との連携の促進について」
                報告及び報告のポイント〉
    ○データベース2〈子育てネットワーク等子育て支援団体・教育委員会データベース〉
    ○データベース3〈「今後の家庭教育の充実についての懇談会」報告及び報告のポイント〉
    ○データベース4〈「家庭教育支援のための連携事例集」〉
    ○データベース5〈「家庭で・地域で・学校でみんなで早寝早起き朝ごはん
                −子どもの生活リズム向上ハンドブック−」〉
    ○関係予算一覧〈家庭教育の支援のための予算額一覧〉
    ○施策の概要1〈地域における家庭教育支援基盤形成事業〉
    ○施策の概要2〈家庭教育支援指導者養成標準カリキュラム開発事業〉
    ○施策の概要3〈家庭教育手帳の作成〉
    ○施策の概要4〈子どもの生活リズム向上プロジェクト〉
    家庭の教育力の向上 (PDF:274KB)=図示(コピー一枚分)
 幼児教育の振興   http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/youchien/index.htm
    幼児教育の現状 (幼稚園の現状)  http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/youchien/08081203.htm
       平成19年度幼児教育実態調査  http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/youchien/08081203/001.htm
       平成20年度幼児教育実態調査 (PDF:432KB)
       幼稚園の現状 (PDF:52KB)
    幼児教育関係予算   http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/youchien/07121723.htm
    幼児教育振興アクションプログラム
    幼稚園の教育内容等
    幼稚園における学校評価の推進
    認定こども園(※認定こども園ホームページへリンク)
    調査研究事業
    幼稚園ってなぁに 〜学校教育のはじまり〜
    関係法令等



地域の教育力の向上  http://www.mext.go.jp/a_menu/01_g.htm

    学校支援地域本部   http://www.mext.go.jp/a_menu/01_l/08052911/004/002.htm
    教育サポーター制度の普及に向けて (PDF:762KB)
    「放課後子どもプラン」について
    高齢者教育の振興
    開かれた大学づくり

 学校支援地域本部

 「みんなで支える学校 みんなで育てる子ども」

 1 はじめに

 学校支援地域本部は、学校の教育活動を支援するため、地域住民の学校支援ボランティアなどへの参加をコーディネートするもので、いわば“地域につくられた学校の応援団”と言えます。
 これまでも各学校、各地域で、地域の方々に様々な形でご協力をいただきながら学校運営や教育活動を行う取り組みが進んできていますが、学校支援地域本部は、そうした取り組みの延長線上にあると言えます。すなわち、地域住民が学校を支援する、これまでの取り組みをさらに発展させて組織的なものとし、学校の求めと地域の力をマッチングして、より効果的な学校支援を行い、教育の充実を図ろうとするものです。
 文部科学省では、平成20年度予算に50億4,000万円を計上し、全国1,800ヶ所(市町村数に相当)に学校支援地域本部のモデルを設置する学校支援地域本部事業を始めることとしています。本委員会は、その推進組織として設置されたものであり、事業の開始に当たり、そのねらいやしくみ、実施上の留意点等について、以下のとおり当面の整理を行いました。
 これを参考としつつ、学校と地域の連携による学校の教育活動の支援の取り組みが、幅広い関係者の理解と協力のもとに、社会総がかりの国民運動として展開されることを期待します。

 2 学校支援地域本部のねらい

 社会がますます複雑多様化し、子どもを取り巻く環境も大きく変化する中で、学校が様々な課題を抱えているとともに、家庭や地域の教育力が低下し、学校に過剰な役割が求められるようになっています。このような状況のなかで、これからの教育は、学校だけが役割と責任を負うのではなく、これまで以上に学校、家庭、地域の連携協力のもとに進めていくことが不可欠となっています。
 このため、平成18年におよそ60年ぶりに改正された教育基本法に学校、家庭、地域の連携協力に関する規定が新たに盛り込まれました。


 ○ 教育基本法
      (学校、家庭及び地域住民等の相互の連携協力)
     第13条  学校、家庭及び地域住民その他の関係者は、教育におけるそれぞれの役割と責任を
     自覚するとともに、相互の連携及び協力に努めるものとする。


 学校支援地域本部は、これを具体化する方策の柱であり、学校・家庭・地域が一体となって地域ぐるみで子どもを育てる体制を整えることを大きな目的としています。
 具体的には、それぞれの学校の状況に応じて地域ぐるみで学校の教育活動の支援が行われることで、
(1)教員や地域の大人が子どもと向き合う時間が増えるなど、学校や地域の教育活動のさらなる充実が図られるとともに、(2)地域住民が自らの学習成果を生かす場が広がり、(3)地域の教育力が向上することが期待されます。

 まず1点目については、教員だけでは担いきれない、あるいは必ずしも教員だけがすべて行う必要がない業務について地域が支援することにより、教員が、より教育活動に専念でき、より多くの時間を子どもと向き合うことや授業準備等に充てられるようになります。また、子どもたちが多様な知識や経験を持つ地域の大人とふれ合う機会が増え、多様な経験の機会や学習活動、部活動の充実、学校の環境整備等が一層図られるとともに、多くの大人の目で子どもたちを見守ることで、よりきめ細かな教育にもつながります。さらに、子どもの地域に対する理解やボランティアへの関心も高まります。これらは、子どもの「生きる力」の育成に大きく資するものです。

 2点目については、地域住民が意欲と関心を持って自らすすんで学校支援活動に参加することは、これまで培ってきた知識や経験を生かす場が広がり、自己実現や生きがいづくりにつながるもので、特に、次代を担う子どものために学習成果を生かすことは、教育基本法に定められている「生涯学習の理念」にも適い、社会的にも大きな意義があります。


 ○ 教育基本法
      (生涯学習の理念)
     第3条  国民一人一人が、自己の人格を磨き、豊かな人生を送ることができるよう、その生涯にわたって、
     あらゆる機会に、あらゆる場所において学習することができ、その成果を適切に生かすことのできる社会
     の実現が図られなければならない。


 これらの結果、3点目として、地域住民が子どもの発達段階に応じて教育を行う学校で活動することで、近年その低下が指摘されている地域の教育力(地域住民が、子どもの健全育成のため、例えば、人を思いやること、自然やものを大切にすること、社会のルールを守ることなどについて、子どもたちに対し、その発達段階に応じて適切な働きかけを行う力)が向上し、これにより、地域の絆が強まり、地域が活性化することが期待されます。

 このように、学校支援地域本部は、それぞれの地域の教育機能を、地域住民の力をフルに活用しつつ、学校を中心に再構築しようとするものです。

 3 学校支援地域本部の基本的なしくみ

 学校支援地域本部は、基本的には、「地域コーディネーター」、「学校支援ボランティア」、「地域教育協議会」から構成されます。《次頁図を参照》

 (注)ただし、すでに学校支援ボランティアの仕組みが設けられている場合には、必ずしも変更する必要はなく、それを活用することも可能であり、学校や地域の状況に応じて様々な形態が考えられます。また、中学校区ごとに設置されることが想定されますが、学校ごとに設置することなども考えられます。
 「地域コーディネーター」は、学校支援ボランティアに実際に活動を行ってもらうなど、学校とボランティア、あるいはボランティア間の連絡調整などを行い、学校支援地域本部の実質的な運営を担うもので、学校支援地域本部の中核的役割を担い、その成果を左右する重要な存在です。これまで学校が行うことが多かった連絡調整の業務を地域が自ら行うことで、学校の負担軽減にも配慮します。地域の実情により、複数のコーディネーターやボランティアの代表で担うことも考えられます。

 (注)ただし、学校においても窓口となる担当を決める必要がありますが、ボランティアの連絡調整自体はあくまでコーディネーターが行います。
 地域コーディネーターは、その業務を行うに当たり、子どもたちや学校の状況、ニーズをよく把握する必要があります。このため、学校のよき理解者であるとともに、地域に精通していることも求められます。
 具体的には、退職した教職員やPTA役員の経験者などが考えられます。その依頼は、事業の実施主体である市町村教育委員会が行うこととなりますが、具体的な人選に当たっては、学校支援という事業の趣旨から、学校の意向に沿うことが望まれます。
 なお、国の事業費にコーディネーターの謝金等の経費が含まれています。(さらに、人材バンクの作成や広報などの経費が含まれます。)

 「学校支援ボランティア」は、実際に支援活動を行う地域住民です。
 支援活動の内容は、いわゆる学校管理下の活動が対象となりますが、例えば、授業に補助的に入る、ドリルの採点を行うなど授業の補助や実験、実習の補助等の学習支援活動、部活動の指導、図書の整理や読み聞かせ、グラウンドの整備や芝生の手入れ、花壇や樹木の整備等の校内の環境整備、登下校時等における子どもの安全確保、学校行事の運営支援など、学校のニーズに応じて様々なものがあります。そのレベルも、ある程度の専門性が必要なものから、特段の資格や経験等がなくてもできるものまで幅があります。いずれにしても、ボランティア一人一人が学校の仕組みや教育方針等をよく理解した上で、自らができることを、できるときに、できる範囲ですることが望まれますが、まずは、子どもの教育に意欲と関心を持って主体的に参加することが大切と言えます。
 なお、ボランティアに対する謝金は国の事業費には含まれませんが、ボランティア活動の保険や必要な消耗品等の経費は対象となっており、安心して活動していただけるようにしています。

 「地域教育協議会」は、学校支援地域本部においてどのような支援を行っていくかといった方針などについて企画、立案を行う委員会です。その構成員は、学校やPTA、コーディネーターやボランティア代表をはじめ、公民館等の社会教育関係者、自治会や商工会議所等地域の関係者などが考えられますが、具体的には、市町村教育委員会がそれぞれの実情を踏まえて判断することになります。子どもの教育について話し合う組織がすでに地域に設けられている場合には、その既存の組織を地域教育協議会に替えることも可能です。
 なお、会議の開催経費等は国の事業費に含まれます。

 また、学校支援地域本部の打ち合わせやボランティアの待機、休憩など、本部の活動のための場所については、学校や子どもの状況の把握、緊密な連絡や迅速な対応といった観点からも、校内の余裕教室等に置くことが望ましいですが、学校や地域の実情によっては近接する公民館等に置くことも考えられます。

 学校支援地域本部の概要 図示別ページ

 4 事業を実施していくうえでの留意点

 (1)学校のニーズに応じた支援

 学校支援地域本部は、学校と地域のパートナーシップにより、学校を核として地域の教育力を高めていこうとするもので、第一義的には学校の教育活動の支援を目的としています。このため、学校のニーズに応じた支援が行われ、それが多様な教育活動や教員の子どもと向き合う時間の拡大など教育活動の充実につながらなければなりません。
 このため、学校支援地域本部においては、学校のニーズに応じて支援活動を企画、実施するとともに、ボランティアとの連絡調整はコーディネーターが一元的に行うなど、学校に極力負担をかけないような配慮も必要です。そのためにも、コーディネーターや各ボランティアが学校の教育方針や仕組み、子どもの状況等をよく理解することが不可欠です。そのうえで、実際に活動を進めていくなかで本部(コーディネーターやボランティア)の側から支援活動について提案を行うことも考えられます。いずれにしても、学校と学校支援地域本部とが共通理解のもとに双方が主体的に連携し、子どもの状況に応じた教育活動の充実を図っていく姿勢が大切です。

 (2)学校の意識改革と校長のリーダーシップ

 (1)で述べたとおり、学校支援地域本部の支援は、学校のニーズに応じて行われるべきものですが、一方で学校側にあっては、積極的に地域と連携してその力を借りながら、地域ぐるみで子どもを育てていこうとする意識がなければなりません。すなわち、各学校においては、校長のリーダーシップのもと、学校、家庭、地域をつなぐ新たな連携方策である学校支援地域本部を積極的に活用することが必要です。
 また、連携を進めるうえでは、アカウンタビリティを持って学校を一層開かれたものとしていくとともに、学校を単に地域の力を借りるのみならず、積極的に地域に貢献する姿勢も求められます。
 このため、校長のリーダーシップの発揮が重要であるとともに、校内、校外での研修の場等を通じ、校長や教職員の地域との連携協力に対する理解や地域の力をうまく取り入れていくマネジメント能力を深めていくことが求められます。中学校区を単位として設置する場合、特に中学校長の十分な理解が鍵となります。

 (3)地域ぐるみ・社会総がかりでの取り組み

 現在、地域活動の担い手は特定の人に限られ、かつ、高齢化が進んでいると言われており、そのすそ野の拡大が急務となっています。
 このため、国や地方公共団体においては、学校支援地域本部を契機として、学校を支援するボランティア活動が国民運動として展開されるよう、その普及、広報啓発に力を入れていくことが不可欠です。
 企業においても、社会的責任(CSR)を果たす上で、立地する地域への貢献が求められており、とりわけ地域コミュニティの中心である学校に対し貢献を行うことは重要です。一方で、学校の活性化によって地域が活性化すれば、企業の持続的な発展の基盤ともなります。
 このため、商工会議所等地域の経済団体の理解と支援のもと、各企業において従業員の学校支援ボランティアへの参加を促進するなど、積極的な協力が望まれます。
 また、保護者の積極的な参加、協力を得て、学校、家庭、地域の一層の連携協力を図ることが不可欠です。とりわけPTAは、これまでも学校を支える存在としてきわめて重要な役割を果たしてきました。今後も引き続き、その重要性は変わらないことから、これまでの蓄積を生かしつつ、地域との連携も深め、学校支援地域本部に積極的に参画していただきたいと考えます。
 さらに、公民館等の社会教育施設や社会教育団体等にあっては、学校外における子どもの教育を通じて得たノウハウを十二分に活用して学校支援地域本部に協力し、学校の内外を通じて子どもの健全育成に貢献することが望まれます。
 このほか、教職志望あるいはそれ以外の学生にあっても、子どもと関わることや学校で活動することが有意義と考えられることから、大学等においては、学生の学校支援ボランティアとしての活動を促進することが望まれます。

 (4)関係部局間の連携および他の事業との連携

 まず、学校支援地域本部事業は、学校教育と社会教育の双方に関係するだけでなく、地域づくり等の観点から首長部局とも関係します。このため、事業の推進に当たっては、学校教育担当部局と社会教育担当部局、首長部局とが十分に連携協力することが不可欠です。なお、文部科学省においても、生涯学習政策局、初等中等教育局、スポーツ・青少年局等の関係部局の連携のもとに学校支援地域本部事業を推進しており、地方公共団体においても、文部科学省の平成20年3月の通知を踏まえ、同様のことが求められます。
 現在、国及び地方公共団体等において、外部の専門的な人材を有償で学校に派遣する事業(例えば、理科支援員等派遣事業や部活動の外部コーチ)が多数実施されています。これらの専門家が、学校支援ボランティアに対し助言を行ったり相互に交流を深めるなど、各種の外部人材を活用する事業と学校支援地域本部の連携を図ることにより、地域の教育力を総合的に高めていくことが望まれます。
 また、学校支援地域本部は、まずは学校の教育活動の支援が目的ですが、放課後子どもプランや地域の活動といった放課後、学校外の活動との連携を図ることで、地域全体の教育力の向上につなげていくことも考えられます。
 さらに、公民館等において地域住民向けに様々な講座を実施していますが、その成果を学校支援ボランティアに活用できるような内容にするなど、社会教育事業と学校支援地域本部事業の連携を図っていくことも必要です。
 加えて、学校支援地域本部は、地域住民の力を学校教育に導入しようとする方策の一つであり、学校評議員や学校運営協議会、学校評価等の「開かれた学校づくり」をめざして近年進められてきた施策と軌を一にしています。例えば、学校評議員や学校運営協議会の委員が、地域教育協議会の委員となったり、地域コーディネーターの役割を担うなど、学校支援地域本部に関わることも考えられます。また、学校支援地域本部において支援活動の企画や実施に当たり、学校評価の結果を踏まえることも有意義であり、関係する各種施策、事業間の相互連携を図ることも重要と考えられます。
 以上のような放課後子どもプランや学校運営協議会等の関連する様々な施策を国民にわかりやすいよう整理して理解を求めることが必要です。また、各地域においては、関連する事業をまとめて一つの事業として実施される場合も多いことから、文部科学省や教育委員会にあっては、関連する事業を活用しやすいようメニュー化するなどの工夫が求められます。

 (5)持続的かつ自立的な運営

 学校と地域との連携による支援は、息の長い着実な取り組みを進めていくことが何より重要です。学校支援地域本部の持続的かつ自立的な活動展開のためには、3でも述べたように、それぞれの本部において、できる支援をできる範囲で行っていくことが大切です。
 また、キーパーソンとなる地域コーディネーターの資質向上が必要です。このため、教育委員会にあっては、域内の学校支援地域本部のコーディネーターを集めた研修会を開催するなど、その研修や交流の機会を設けたり、行政側のサポート体制を整備するといった支援が求められます。
 同時に、ボランティアが意欲と関心を持って、受け身ではなく積極的に活動に参加するようにすることが大切です。教育委員会にあっては、研修等を通じてボランティアの養成を行うなど、地域住民が主体的かつ継続的にボランティアに参加できるようサポートすることが求められます。
 さらに、各教育委員会にあっては、学校支援地域本部の設置に当たり、その持続的かつ自律的な運営が可能となるよう、財政面等において無理のない計画を立てることが必要です。
 なお、文部科学省においても、学校支援地域本部の持続的かつ自立的な運営に資するよう、事業の実施に当たっては地域の実情に応じて弾力的に対応することとし、また、ホームページを開設し、各種団体の支援プログラム等の参考となる情報や資料を積極的に提供することとしています。

 5 おわりに

 本委員会としては、各地域において、上述の内容を参考としつつ、教育のさらなる充実、活性化に向けて、それぞれの実情に応じた創意工夫ある取り組みが、地域ぐるみ・社会総がかりで展開されることを期待しています。
 具体的には、今後、学校支援地域本部事業の実施箇所の選考を行うほか、本事業による様々な取り組みを評価し、うまくいったところや課題を調査、分析しながら、引き続き学校支援地域本部のあり方に関する検討を行い、その結果を全国にフィードバックしたり、各地の事例の情報提供を行うなどして、取り組みの一層の拡大、普及を図っていきたいと考えます。
 なお、学校支援地域本部をつくりたい、あるいは、さらに詳しい内容について聞きたいといった場合には、市町村教育委員会にお尋ねいただくか、または、文部科学省[下記]までお問い合わせ下さい。

 [お問い合わせ先]

    文部科学省生涯学習政策局社会教育課地域・学校支援推進室
    電話:03-5253-4111(代表)(内線3284、3286)
    FAX:03-6734-3718
    E-mail:school-v@mext.go.jp