01 25 (月) 摩訶不思議な生き物―プラナリア : 社説 |
概要 . |
再生能力について . |
理化学研究所(小林俊一理事長)は、プラナリアを用いて、全能性幹細胞(万能細胞)が頭部以外で脳の神経細胞に分化しないように制御している遺伝子を発見しました。発生・再生科学総合研究センター(竹市雅俊センター長)進化再生研究グループの阿形清和グループディレクターらの研究グループによる研究成果です。 |
名護市長選―「県外」探しを加速せよ 沖縄県名護市長選で、米軍普天間飛行場の代替基地を同市辺野古に受け入れるという案への反対を掲げた新顔の稲嶺進氏が当選した。 移設問題は安全保障にかかわることであり、政府が責任をもって判断すべきだ。だが、鳩山由紀夫首相は今回の結果を重く受け止めざるをえまい。日米合意の重さとともに、沖縄の地元の意思の尊重を語ってきたからだ。 今年5月末までに移設問題を決着させると内外に公約している首相は、新候補地探しにいよいよ全力を挙げねばならない。 鳩山政権は辺野古以外への移設を目指して、連立与党間で新たな移設地の検討を続けている。同時に、4年前の日米合意通りの辺野古案に立ち戻る可能性も残しているが、稲嶺氏の当選でそれは極めて困難な情勢となった。 移設容認の姿勢を打ち出している仲井真弘多・沖縄県知事も難しい立場に追い込まれよう。県議会にはこの市長選の結果を受け、自民、公明両党を含む全会一致で県外移設を求める決議を行う動きもある。 名護市民には、難しい選択を迫る選挙だった。 移設容認派の現職、島袋吉和氏は1期4年間の地域振興の実績を強調し、基地受け入れ問題の争点化を避ける戦術をとってきた。一方の稲嶺氏は「辺野古の海に基地は造らせない」と、移設反対を前面に押し出した。 基地の騒音や事件、事故の危険を考えれば、基地を受け入れたくないというのが市民の正直な思いだろう。しかし、失業率の高さなど地域経済の衰えは深刻だ。基地受け入れで、建設に伴う公共事業や見返りの地域振興策に将来の期待をつなぎたい。そんなジレンマの中での選挙だった。 名護市が普天間の移設先に浮上してから10年余りになる。過去3回の市長選ではいずれも容認派が勝った。振興策より基地ノーを求める民意が多数派を占めたのは初めてのことだ。 昨年の政権交代で、普天間の県外・国外移設を主張してきた民主党政権が誕生したことが、そうした変化を後押ししたに違いない。 それだけに、こうした民意を受け止めなければならない鳩山首相の責任は極めて重い。 政府与党の作業チームは近く、各党が辺野古以外の代替案を持ち寄る。「県外」の九州の自衛隊基地や沖縄県の離島などの名前もあがっている。一括移設にこだわらず、基地の機能を分散する打開策も検討すべきだ。 いずれにせよ、自治体に受け入れを説得したうえで、さらに米国政府を動かさなければならない。相当な力わざが必要だろう。広く国民の間で基地負担を分かち合うという難問に、答えを見いださなければならない。 自民党大会―再建担える若い人材を ひときわ大きな拍手がわいたのは、「決別宣言」に対してだった。 きのう、政権交代後初めての自民党大会が開かれた。そこでの谷垣禎一総裁の演説である。 「54年の政権与党の間に積もり積もったしがらみの数々。それは本来、国民とつながる絆(きずな)のはずだが、惰性に陥っていた」 「我が党が官僚諸君に依存し、安住し、政治と官僚のなれあいが生じたのも否めない」 そう反省の弁を述べたうえで、「一部の人間が利益を分配して、内輪の権力闘争に明け暮れる、そんな自民党とはきっぱりと決別する」と語った。 支持者に利益を配ろうにも、予算や税制の決定権はすでにない。官僚機構にももう頼れない。失ったあと、ようやく語られた「決別」。遅きに失した感はあるが、党再生には欠かせない、過去の総括の一歩と言えるだろう。 しかし、総裁の一言で長期政権の総括をしきれるわけもない。傾いた家を壊し、建て替えるには、それだけの時間と地道な取り組みが必要だ。 第一は政策・路線の再検討である。 大会では新綱領が了承された。そこでは「日本らしい日本の保守主義」といった理念のほか、次世代にツケを回さないよう「財政の効率化と税制改正により財政を再建する」と掲げた。 消費増税の議論を避ける民主党との違いを打ち出す狙いはわかる。だが、国の財政が悪化したのは、自民党政権下でのことだ。これまでの施策の何が誤りだったのか。どこをどう変えるのか。厳しく自問し、反省する作業を経ない限り迫力は出てこない。新しい家の設計図も明確な像を結ばない。 第二に、再建を担う人材を育てなければならない。政権交代の背景として、自民党に世襲議員が多いせいで、優秀な人材が民主党から立候補したと指摘されている。これを変えなければ再生はおぼつかない。 自民党は、国政選挙の候補者を公募し、予備選の実施など党員参加で選ぶ試みを始めているが、真剣に取り組むべきだろう。幸か不幸か、特に衆院では議席が減ったぶん、若く新しい人材を迎える余地が生まれている。 いずれも時間のかかる難題だが、いま始めなければ2大政党の一翼でいられるかどうかも怪しくなりかねない。現・前議員の離党が相次ぎ、舛添要一前厚生労働相は新党結成の可能性に言及している。 政治資金の問題などで民主党政権に逆風が吹いている。にもかかわらず自民党の政党支持率は低迷したままだ。民主党には期待はずれでも、今のままの自民党には政権を委ねられないという有権者の意思の表れだ。 自民党執行部に必要なのは、瀬戸際に立たされている深い自覚である。 |
01 26 (火) 無縁社会と孤独死 |
01 27 (水) 「南アルプスジオパーク」 |