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折々の記 2010 ①

【心に浮かぶよしなしごと】

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【 09 】01/25

  01 25 摩訶不思議な生き物―プラナリア : 社説
  01 26 無縁社会と孤独死
  01 27 南アルプスジオパーク

 01 25 (月)  摩訶不思議な生き物―プラナリア : 社説

    プラナリア - Wikipedia

テレビでみて調べてみた。 あらまあ!不思議、摩訶不思議!



プラナリア
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

プラナリア(英: Planaria)は、扁形動物門ウズムシ綱ウズムシ目ウズムシ亜目に属する動物の総称。広義には、三岐腸目に属する動物の総称。

さらに、渦虫綱に分類される動物の総称とする説もある。体表に繊毛があり、この繊毛の運動によって渦ができることからウズムシと呼ばれる。
淡水、海水および湿気の高い陸上に生息する。

 概要 .

消化管は体内で前後に伸び、分枝して体の隅々に至る。イトミミズやアカムシ(ユスリカの幼虫)を食べさせると、全身の消化管に入ってゆく様子が見え、全身に消化管が分岐していることを観察できる。消化管は前に1本、後ろに2本伸びており、これが三岐腸目の名前の由来となっている。肛門はなく、出入り口が一緒である。脊髄のないかご状神経系を持ち、目は杯状眼でありレンズがない。

著しい再生能力を持つことから、再生研究のモデル生物として用いられる。進化的には前口動物と後口動物の分岐点に位置し、三胚葉性動物・脳をもつ動物としてもっとも原始的であることから、比較発生学・進化発生生物学でも用いられる。雌雄同体である特性から生殖生物学でも扱われる。水質の変化に著しい影響を受けることから指標生物でもある。

生物学でプラナリアという場合、日本ではサンカクアタマウズムシ科ナミウズムシ属のナミウズムシであることが多い。

 再生能力について .

この動物の再生能力は著しく、ナミウズムシの場合、前後に3つに切れば、頭部からは腹部以降が、尾部側からは頭部が、中央の断片からは前の切り口から頭部、後ろの切り口から尾部が再生される。このような各部から残りの部分が正しい方向で再生されるのを、極性があるといい、具体的には何らかの物質の濃度勾配ではないかとされている。再生が秩序正しく行われるための体内の濃度勾配原因物質としてNou-darake遺伝子が同定されている。

頭に切れ込みを入れ3等分にすれば、3つの頭を持つプラナリアに再生する。
ある学者がメスを使い100を超える断片になるまで滅多切りにしたが、その全ての断片が再生し100を超えるプラナリアが再生したという逸話がある[1]。プラナリアが再生できる栄養環境さえあれば可能であるとされる。



Nou-darake遺伝子について
http://www.riken.go.jp/r-world/info/release/press/2002/021010_1/index.html
<頭にだけ脳ができるように制御している遺伝子を世界で初めて発見>

  その冒頭の枠組みは次の通り

 理化学研究所(小林俊一理事長)は、プラナリアを用いて、全能性幹細胞(万能細胞)が頭部以外で脳の神経細胞に分化しないように制御している遺伝子を発見しました。発生・再生科学総合研究センター(竹市雅俊センター長)進化再生研究グループの阿形清和グループディレクターらの研究グループによる研究成果です。
 今回の研究では、研究グループのメンバーである国立遺伝学研究所の遺伝情報分析研究室(五條堀孝教授)の中澤真澄博士らが単離した、プラナリアの頭部に特異的に発現する遺伝子(ndk遺伝子)に注目し、解析を行いました。その結果、ndk遺伝子が未知の脳の誘導因子を捕まえては万能細胞に提供していることが分かり、万能細胞を脳の神経細胞に積極的に導く新しい遺伝子であることが判明しました。すなわち、ndk遺伝子の産物は、頭部の万能細胞に脳の神経細胞になることを促進するとともに、脳の誘導因子が頭部以外の部分には拡散しないようにする一人二役の働きを持っており、プラナリアは、頭部に必ず脳を再生するよう制御していることを世界で初めて明らかにしました。さらに、科学技術振興事業団・東京大学の平良眞規助教授らによって、プラナリアndk遺伝子は、カエルの初期胚においても似たような働きをすることが証明されました。
 これらの成果は、全能性幹細胞を用いた再生医療の重要な基礎研究成果であり、今後の研究の展開次第によっては、ヒトの万能細胞から脳の神経細胞を作り出せる可能性を秘めており、再生科学に多大な貢献をもたらすものと期待されます。
本研究成果は、英国の科学雑誌『nature』(10月10日号)に掲載されます。


  この続きには 1.背景  2.研究手法と成果  3.今後の展開  などの内容が載っており、
本研究では、万能細胞を自在に扱っているプラナリアを使って、万能細胞の制御機構を分子レベルで明らかにし、万能細胞から各種の細胞を体系的に作り出すことを目指しています。これらの基礎的な研究の積み重ねによって、はじめて安心して移植に用いることのできる各種幹細胞が、万能細胞から創出されるようになると期待されます。特に、今後の展開によっては、万能細胞から脳の神経細胞を誘導する因子の同定と、その制御機構の解明につながり、ヒトの万能細胞から脳の神経細胞を体系的に作り出すことに多大な貢献をするものと期待されます。



キノコの組織は単純であるゆえに人の肉体を治療するのに役立つ、と言われます。 生体組織の発生の不思議さをもっている、プラナリアの研究によってiPS細胞研究が効果的に進むことを期待しています。

科学者の研究は続けられているようです。 科学の研究は凄いです。 私たちにも夢を提供してくれます。 テレビの話の中でサイエンスの語源は「知る」ことだと言っていました。 好奇心がサイエンスだともいっていました。 夢は好奇心であり、サイエンスであり、科学の心なんですね。

    science=[中フランス語←ラテン語scientia(scire知る+-ENCE=知ること). △CONSCIENCE]
     プログレッシブ英和中辞典, ジャパンナレッジ (オンラインデータベース) より


“若者よ、大志を抱け” 輝かしい言葉です。

■ 朝日新聞社説  2010年1月25日(月)付


名護市長選―「県外」探しを加速せよ

 沖縄県名護市長選で、米軍普天間飛行場の代替基地を同市辺野古に受け入れるという案への反対を掲げた新顔の稲嶺進氏が当選した。

 移設問題は安全保障にかかわることであり、政府が責任をもって判断すべきだ。だが、鳩山由紀夫首相は今回の結果を重く受け止めざるをえまい。日米合意の重さとともに、沖縄の地元の意思の尊重を語ってきたからだ。

 今年5月末までに移設問題を決着させると内外に公約している首相は、新候補地探しにいよいよ全力を挙げねばならない。

 鳩山政権は辺野古以外への移設を目指して、連立与党間で新たな移設地の検討を続けている。同時に、4年前の日米合意通りの辺野古案に立ち戻る可能性も残しているが、稲嶺氏の当選でそれは極めて困難な情勢となった。

 移設容認の姿勢を打ち出している仲井真弘多・沖縄県知事も難しい立場に追い込まれよう。県議会にはこの市長選の結果を受け、自民、公明両党を含む全会一致で県外移設を求める決議を行う動きもある。

 名護市民には、難しい選択を迫る選挙だった。

 移設容認派の現職、島袋吉和氏は1期4年間の地域振興の実績を強調し、基地受け入れ問題の争点化を避ける戦術をとってきた。一方の稲嶺氏は「辺野古の海に基地は造らせない」と、移設反対を前面に押し出した。

 基地の騒音や事件、事故の危険を考えれば、基地を受け入れたくないというのが市民の正直な思いだろう。しかし、失業率の高さなど地域経済の衰えは深刻だ。基地受け入れで、建設に伴う公共事業や見返りの地域振興策に将来の期待をつなぎたい。そんなジレンマの中での選挙だった。

 名護市が普天間の移設先に浮上してから10年余りになる。過去3回の市長選ではいずれも容認派が勝った。振興策より基地ノーを求める民意が多数派を占めたのは初めてのことだ。

 昨年の政権交代で、普天間の県外・国外移設を主張してきた民主党政権が誕生したことが、そうした変化を後押ししたに違いない。

 それだけに、こうした民意を受け止めなければならない鳩山首相の責任は極めて重い。

 政府与党の作業チームは近く、各党が辺野古以外の代替案を持ち寄る。「県外」の九州の自衛隊基地や沖縄県の離島などの名前もあがっている。一括移設にこだわらず、基地の機能を分散する打開策も検討すべきだ。

 いずれにせよ、自治体に受け入れを説得したうえで、さらに米国政府を動かさなければならない。相当な力わざが必要だろう。広く国民の間で基地負担を分かち合うという難問に、答えを見いださなければならない。

自民党大会―再建担える若い人材を

 ひときわ大きな拍手がわいたのは、「決別宣言」に対してだった。

 きのう、政権交代後初めての自民党大会が開かれた。そこでの谷垣禎一総裁の演説である。

 「54年の政権与党の間に積もり積もったしがらみの数々。それは本来、国民とつながる絆(きずな)のはずだが、惰性に陥っていた」

 「我が党が官僚諸君に依存し、安住し、政治と官僚のなれあいが生じたのも否めない」

 そう反省の弁を述べたうえで、「一部の人間が利益を分配して、内輪の権力闘争に明け暮れる、そんな自民党とはきっぱりと決別する」と語った。

 支持者に利益を配ろうにも、予算や税制の決定権はすでにない。官僚機構にももう頼れない。失ったあと、ようやく語られた「決別」。遅きに失した感はあるが、党再生には欠かせない、過去の総括の一歩と言えるだろう。

 しかし、総裁の一言で長期政権の総括をしきれるわけもない。傾いた家を壊し、建て替えるには、それだけの時間と地道な取り組みが必要だ。

 第一は政策・路線の再検討である。

 大会では新綱領が了承された。そこでは「日本らしい日本の保守主義」といった理念のほか、次世代にツケを回さないよう「財政の効率化と税制改正により財政を再建する」と掲げた。

 消費増税の議論を避ける民主党との違いを打ち出す狙いはわかる。だが、国の財政が悪化したのは、自民党政権下でのことだ。これまでの施策の何が誤りだったのか。どこをどう変えるのか。厳しく自問し、反省する作業を経ない限り迫力は出てこない。新しい家の設計図も明確な像を結ばない。

 第二に、再建を担う人材を育てなければならない。政権交代の背景として、自民党に世襲議員が多いせいで、優秀な人材が民主党から立候補したと指摘されている。これを変えなければ再生はおぼつかない。

 自民党は、国政選挙の候補者を公募し、予備選の実施など党員参加で選ぶ試みを始めているが、真剣に取り組むべきだろう。幸か不幸か、特に衆院では議席が減ったぶん、若く新しい人材を迎える余地が生まれている。

 いずれも時間のかかる難題だが、いま始めなければ2大政党の一翼でいられるかどうかも怪しくなりかねない。現・前議員の離党が相次ぎ、舛添要一前厚生労働相は新党結成の可能性に言及している。

 政治資金の問題などで民主党政権に逆風が吹いている。にもかかわらず自民党の政党支持率は低迷したままだ。民主党には期待はずれでも、今のままの自民党には政権を委ねられないという有権者の意思の表れだ。

 自民党執行部に必要なのは、瀬戸際に立たされている深い自覚である。


◆ 今日の社説は二つとも時宜をえた論説でした。 米軍普天間飛行場の代替基地は安全保障にかかわる、という論調は常にマスコミや自公政権の常套句です。 オバマさんが核削減を表明してノーベル平和賞を受賞しました。 世界が戦争に頼らずに平和実現を待ちのぞんでいる時勢になっているのに、マスコミの中核になるべき新聞の論説の立脚地点は旧来そのままのように受け取れるのです。 もっと前進的というか平和実現という基軸で考えて、世論の旗手になってほしいと願います。

日米の武装はだんだんと削減すべき方向に進まなくてはいけないのです。 そうした世界のうねりが始まっています。

ですから、自民党大会にかかわる社説もマスコミが目指したい方向を志向していなくてはならないのです。 一市井人の要望だとしても未来への大きい夢をいつも目指していたいのです。

 01 26 (火)  無縁社会と孤独死

「無縁社会と孤独死」という言葉を聞くと胸が締め付けられるような感覚に襲われます。 そして、次の歌を思い出すのです。

       隣  組    作詩 岡本一平  作曲 飯田信夫   昭和15年

    1 とんとんとんからりと隣組      http://8.pro.tok2.com/~susa26/natumero/11-15/tonarigumi.html
      格子を開ければ顔なじみ     <隣組>
      廻して頂戴 回覧板
      知らせられたり知らせたり

    2 とんとんとんからりと隣組
      あれこれ面倒味噌醤油
      ご飯の炊き方垣根越し
      教えられたり教えたり

この歌は昭和15年になっています。 戦前はやったのですが、昔の隣近所はこの歌のとおりでした。 今では知らない人が多くなっています。 サイトへジャンプすると3~4番の歌詞が出ています。

自殺者が急増しているので、気の毒になります。 昔ならみんな田舎でしたから、乞食をしてでも生きていました。 借金してでもみんなが助け合って生きていたのです。 いまは人と人との絆が失われてきたと言われます。

生まれたばかりの親子の絆づくりかを、まずは自ら手放してしまいました。 核家族ということが流行って、大家族性がもっていた良い面も、あっさり切り離されるようになりました。

離婚がごく当たり前のようになって、子どもへの愛着が気楽に放棄されるような風潮が蔓延してしまいました。 このことにより親も子も孤独の悲しみに追いやられるようになりました。

どうしたらいいのでしょうか?

総合テレビでは月末にとりあげるといいます。



2010年1月31日(日)  午後9時00分~9時58分
総合テレビ
”無縁”社会
~無縁死 3万2千人の衝撃~(仮)

自殺率が先進国の中でワースト2位の日本。NHKが全国の自治体に調査したところ、ここ数年「身元不明の自殺と見られる死者」や「行き倒れ死」など国の統計上ではカテゴライズされない「新たな死」が急増していることがわかってきた。なぜ誰にも知られず、引き取り手もないまま亡くなっていく人が増えているのか。「新たな死」の軌跡を丹念にたどっていくと、日本が急速に「無縁社会」ともいえる絆を失ってしまった社会に変わっている実態が浮き彫りになってきた。「無縁社会」はかつて日本社会を紡いできた「地縁」「血縁」といった地域や家族・親類との絆を失っていったのに加え、終身雇用が壊れ、会社との絆であった「社縁」までが失われたことによって生み出されていた。

また、取材を進めるうちに社会との接点をなくした人々向けに、死後の身辺整理や埋葬などを専門に請け負う「特殊遺体清掃業」やNPO法人がここ2~3年で急増。無縁死に対して今や自治体が対応することも難しい中、自治体の依頼や将来の無縁死を恐れる多くの人からの生前予約などで需要が高まっていることもわかって来た。日本人がある意味選択し、そして構造改革の結果生み出されてしまった「無縁社会」。番組では「新たな死」が増えている事態を直視し、何よりも大切な「いのち」が軽んじられている私たちの国、そして社会のあり方を問い直す。

考えるための書評集
無縁社会と孤独死

 2005年9月にNHKで放映され話題になった『ひとり団地の一室』という番組の再放送をみた。千葉県松戸市のニュータウンで孤独死があいついでいるという。大阪市でも孤独死は85年から三倍にも増えている。40代50代の働き盛りもふくまれるのである。

 一人世帯はこの5年で12%増え、高齢者は三割近く増加しており、一人世帯は三割に達している(統計局)。近所に付き合いや話相手もいない老人も増えており、まさにこの社会は「無縁社会」となろうとしているのである。

 いぜん風間茂の『ホームレス人生講座』(中公ラクレ新書)という本を読んだが、ホームレスも血縁や社縁から断ち切られるから路上に放り出されるのだとのべていたが、この孤独死も同じような人とのつながりがまったくない無縁社会から発生しているのだろう。

 私も数年前、貯金だけで失業期間を半年ほど過ごしていたことがあったが、毎日ほとんどだれとも口を聞かない日々がつづいた。会社や仕事からはなれると、街中では人とのつながりをまったくなくす世の中がひろがっているのである。失業した中高年や定年になった高齢者もこのような日々を毎日送っているのだろうか。

 戦後の日本人は田舎から都会に出てきて、会社だけのコミュニティをつくり、近所とのつきあいを断った関係をつくりあげた。田舎の因習的な関係を拒否し、核家族に自由と幸福をもとめるライフスタイルを築いたのである。そしてお金と仕事だけで人とつながる関係をつくり、近所には知り合いのいない街をつくりあげたのである。会社から離れると人はたちまち孤立した個人として放り出され、だれともつながりのない世の中に住まうことになったのである。

 たしかに近所とのつき合いはうっとうしいものである。監視されているような息苦しさがあった。会社でのつきあいにわずらわしい思いをし、仕事でくたくたになって、近所で人とつきあう余裕もなかったのだろう。しかしそんな世の中で失職したり病気になったりしたら、近所ではだれとのつながりもないのである。そうして世間から忘れ去られるように生をひっそりと終えるのである。

 戦後の人たちはなにをまちがったのだろうか。このような人生の終わり方は戦後日本の大きな過ちの結果だったのだと思う。

 私はいつもの自分の主張で申し訳ないと思うが、やはり戦後の「経済至上主義」と「会社中心主義」のせいだと思う。会社と労働に「国民総動員体制」がかけられたために、われわれは会社以外のコミュニティをつくる時間も余裕も奪われたのである。会社だけがコミュニティであり、共同体であるシステムをつくりあげてしまった。それは人間らしい生き方の強奪であり、人間としての生活を奪うシステムであった結果が、この孤独死なのである。せめて会社以外の比重がかけられる社会であったら、このような人生の終末は防げたのではないかと思う。

 貨幣経済の進展も人との関係を断ち切っていった。農業社会で大家族で自給したり、近隣で食べ物を融通しあったりする関係も断ち切られ、お金とサービスで買える関係だけに置き換わっていった。家族や共同体は解体され、金とサービスで買える関係だけに個人は切り離されていったのである。

 それは便利で効率的なものであったが、代わりに人とのつながりや縁をぱらばらにする関係でもあったのである。そのような貨幣サービス関係だけでは死は看取られることはないし、個人の行状が知られることもない。効率的で自由な個人主義は人の生き死も自由であり、そして無視されるのである。われわれはこの効率的であるが、生死も見捨てておかれる社会に今後も将来をたくすべきなのだろうか。

 先ほど読んだ広井良典の『持続可能な福祉社会』(ちくま新書)に、この孤立したコミュニティ論に一章が割かれ、「コミュニティとは、本来「死」という要素を本質に含むものであり、同時にまた、”「死」を含むコミュニティの再構築”が現在そしてこれからの日本社会にとっての大きな課題なのではなかろうか」とのべられている。

 この本には先進国の社会的孤立を比較したデータがあり、家族以外に人と会う頻度をあらわしたものだが、日本では16%ほどの人が人と会わないとされており、ほかの国に比べてダントツである。アメリカやオランダ、イギリスなどは6%~2%におさまっている。日本がいかに孤立した無縁社会になっているかということだ。

 日本人は自分の知らない人に対してのコミュニケーション技法や能力をまったく発達させてこなかったのである。そのような結果が死後のタイムラグをへての発見となってしまうのである。近隣とつきあいのない快適な関係が、孤独死という人が死んでも見捨てられるような痛みや悲しみをわれわれにつきつけるのである。つまり人が死んでも放っておかれるような社会や地域をわれわれはこれからも継続させてゆくつもりなのか。

 葬式というものは、不思議なものだと思うが、死んでしまった本人は葬式がおこなわれている自覚はすでにないはずである。どちらかというと、残された人の悲しみや慰めのためにおこなわれるものであり、または生前の本人の安らかさをもたらすものであろう。孤独死は残ったわれわれにえもしれぬ悔恨を与えるのである。

 われわれは戦後に都会に出てきて、近隣とつきあいのない自由で効率的な社会をつくったが、そのような社会には孤独死という痛みをわれわれにつきつけるのである。会社とお金の関係だけでは、われわれは人としての関係を築いているいるとはいえない。隣人が死後何日もたって発見されたとしたら、私たちにとってどんな痛みや悲しみをもたらすものか、考えてみなければならない。

 私たちは近隣とのつきあいのない関係の中で孤独死やホームレスをたくさん生み出しているのである。いまでも孤立や孤独の中で生きている人もたくさんいるはずである。われわれはそのような痛みを放置したままでも、近隣とのコミュニケーションやつながりを断った関係をつづけてゆこうというのだろうか。

 日本人は知らない人に対する、身内に対する「ソト」の人に対しては冷酷で冷淡すぎる。このような行動様式がいま、ぼろぼろと孤独死やホームレス、または困窮した人たちを生み出しているのである。われわれは不快で窮屈にならない近隣とのコミュニケーションや関係を新たにつくってゆかなければならないのである。

 老後や健康の社会保障というのは国家や会社だけが与えられるものではない。家族や親族だけが頼れるものではない。近隣や共同体こそがまず担わなければならないものである。私たちはそういう自覚と覚悟があまりにも薄かったのではないだろうか。



これを読んでみると、戦後社会の構造的変化に対応して生活様式が変化してきたことはうなずけれます。 そしてこうした社会変化のハザマにあって孤老になった人はどうしたらいいのでしょうか? 老齢化した社会では高齢者が隣近所のまとまりを作ってお互いの助け合い励ましあう組織をつくることが良い方法といえましょう。 細かい運営の仕方や施設の選択などみんなで知恵を出し合って実現したらいい。

さしあたって、この両平地域は20数軒だから、ひとつの集団でいいだろう。 そして空き家とか借りる家とか一戸見つけることにしたい。 何人かで原案をまとめてみんなで相談したらいい。

夢は行動に移さなくては意味がないからです

 01 27 (水)  「南アルプスジオパーク」

太平洋の西側周辺部は世界の地震の三分の一を占めるといわれている。 そこに私たちは居を構えています。 最近の科学の進歩では地下構造がだんだんわかるようになり、新潟柏崎の地震は新潟原子力発電所の設計段階では近海にあった地震帯は予想されていなかったといいます。

阪神淡路大地震の直下型地震は地上をめちゃくちゃにし大きな被害をもたらしました。(戦争と比べてみると比べものにはなりませんが)  駿河湾大地震がくるくると言われて何年にもなります。 この地震の警鐘ために九月一日の防災には、バケツリレーによる消火訓練をしばらくしてきました。 火災発生が最小限になるためには、家が倒壊しないような補強が一番大事であることは判っているのにです。 学校にいる頃下条の役場で何回か消防活動として倒壊危険家屋の補強指導をすべきだと 発言したが、正しくとも賛成者が少なかった。 「寄らば大樹」という意識、または「赤信号、みんなで渡れば怖くない」という平和ボケという日本人の意識をつよく感じました。 「聞く耳、持たず」あるいは「寄らば大樹」の悪弊が、やがては国益のためという宣伝によってふだん平和を唱えている人をも席巻して、再び戦争へ突き進んでいるというのに………。

地震対策への行動をはじめなくてはなりません。

“ではどうしたらいいのか?” このことは別の機会に書くとして、ここでは、昔から言われている中央構造帯についての理解を深めたい。

まずTVで放映された「南アルプスジオパーク」をしらべます。



http://www.shinshu-liveon.jp/www/topics/node_128053
南ア「ジオパーク」
特徴的な地質を観察できる場所などを紹介した
「南アルプスジオパーク」のパンフレット

  観光観光のトピックス一覧伊那市飯田市富士見町大鹿村 (2009年9月8日)

 伊那市、飯田市、富士見町、大鹿村でつくる「南アルプス世界自然遺産登録県連絡協議会」は、南アの一部が昨年、学術的に貴重な地質が観察できる自然公園「日本ジオパーク」に認定されたことから、一帯の地質的な見どころを紹介するパンフレットを作った。認定エリアを総合的に解説したパンフは初めて。

 大陸側と海洋側のプレート(岩板)がぶつかり合って誕生した日本列島の成り立ちを見開きのページで図を使って示し、数億年単位の大地の動きを解説。認定エリア全体の地図とともに、特徴的な地質が観察できる「露頭」など地質の成り立ちが実感できる場所を写真付きで紹介した。

 露頭のほか、大鹿村中央構造線博物館、伊那市長谷戸台の化石資料室など地質について学べる施設も紹介。観光目的の利用も想定し、そばや芋田楽など各地の特徴的な料理も紹介した。

 「写真や地図を眺めているうちに訪ねてみたくなるような、分かりやすい内容を目指した」と協議会事務局の伊那市政策推進課。A4判8ページ。約2万部を印刷し、市町村の役場や役所、博物館などで無料で配っている。

…………………………………………………………… ∞ ……………………………………………………………

http://www.pref.nagano.jp/xtihou/simoina/seisaku/man/kigyo15.htm
大鹿村中央構造線博物館を訪ねて
所長コラム

……………………………………………内容すべて印刷し、製本する予定……………………………………………

…………………………………………………………… ∞ ……………………………………………………………

http://www.osk.janis.or.jp/~mtl-muse/index.htm
南アルプス(中央構造線エリア)ジオパーク
大鹿村中央構造線博物館

次の九つの項目それぞれのサイトがあり、内容が豊富 …………内容すべて印刷し、製本する予定…………

01  http://www.osk.janis.or.jp/~mtl-muse/subindex01.htm
   開館案内
     所在地 交通 開館日と入館料 催し案内 出版案内 お知らせ 掲示板 博物館パンフレット
     博物館たより58号(2008/1/11発行) ろくべん館 大鹿村内のリンク 中央構造線や地質系博物館のリンク
     設置条例

02  http://www.osk.janis.or.jp/~mtl-muse/subindex02.htm
   展示・野外観察地
     館内と岩石園 ①北川露頭標本 ②岩石標本 ③地形地質模型 ④地震 ⑤土砂災害 ⑥図書室
     ⑦岩石園 ⑧GPS基準点 野外観察ルート 北川露頭 安康露頭 城の腰の小露頭 河合断層鞍部解説板
     夕立神展望台緑色岩解説板 豊口登山口塩見岳ルート解説板 高森山林道マイロナイト帯観察ルート
     謎の鹿塩塩泉

03  http://www.osk.janis.or.jp/~mtl-muse/subindex03.htm
   中央構造線ってなに?
     中央構造線ってなに?地質年代 中央構造線の両側は石がちがう
     中央構造線の両側はもとは同じ石 中央構造線の始まり 白亜紀のマグマ上昇 対の変成帯
     中央構造線の命名者エドムント・ナウマン(1885) 原田豊吉と鹿塩片麻岩(1890)
     白亜紀末の和泉層群 日本海の拡大と赤石構造線 諏訪湖での中央構造線のくいちがい
     活断層としての中央構造線 中央構造線露頭

04  http://8014.teacup.com/kozosen/bbs
   MTL博物館会員のひろば掲示板

05  http://www.osk.janis.or.jp/~mtl-muse/subindex05.htm
   インターネット展示室
     Web展示室“断層岩” Web展示室“天然記念物・北川露頭”      Web展示室“高森山林道の岩石試料(偏光顕微鏡写真)”

06  http://mtlwebmusesub.web.fc2.com/subindex06.htm
   学芸員のページ

07  http://www.osk.janis.or.jp/~mtl-muse/subindex07geo100.htm
   日本の地質百選

08  http://mtlwebmusesub.web.fc2.com/subindex08geopark.htm
   南アルプス(中央構造線エリア)ジオパーク

09  http://www.gupi.jp/link/link-a/museum.html
   地学関係博物館

【日本列島を縦断する中央構造線】
 右から左へ
   長野県大鹿村 北川・安康露頭(県指定)
   静岡県浜松市佐久間北条峠断層鞍部地形(県指定)
   三重県松坂市飯高月出露頭(国指定)
   徳島県三野町太刀野露頭(県指定)
   愛媛県西条市丹原湯谷口露頭(県指定)
   愛媛県砥部町かがす淵露頭(国指定)
 ジオパークの目標
   ① 地域の伝統と法に基づき地質遺産を確実に保護する。
   ② 地球科学や環境問題に関する教育・普及活動を行なう。
   ③ ジオツーリズムなどを通じて、地域の持続可能な社会・経済発展を育成する。

【安康露頭】
領家変成帯(向かって左側)の花崗岩や片麻岩、三波川変成帯(向かって右側)の緑色岩や緑色片岩や黒色片岩が観察できます。 領家変成帯側では約1000mまでの範囲で圧し延ばされたマイロナイトになっており、両側50~150mの範囲では破砕岩になっています(これは板山から青崩峠までのすべての露頭で共通しています)。 変成帯の岩石の境界付近に、三列の黒っぽく見える強く粉砕された断層角礫または断層ガウジの帯が観察できます。 中央の帯と右側の帯の間に地質境界としての中央構造線があると推定されますが、破砕と変質が激しいため確定できておらず、研究が続けられています。

   http://www.osk.janis.or.jp/~mtl-muse/subindex02-32anko.htm  とても参考になります

【中央構造線】
 法華道
 板山露頭
 戸台の化石資料室
 溝口露頭
 幕岩
 鷹岩
 唐沢露頭
 南アルプス林道
 分杭峠
 高森山林道
 北川露頭
 秋葉街道
 塩見岳
 大西公園
 烏倉登山口
 大鹿村中央構造線博物館
 烏倉林道~塩見岳
 夕立神展望台
 安康露頭
 御池山クレーター
 飯田市上村下栗
 遠山川埋没林
 南信濃自治振興センター
 青崩峠露頭

南アルプス高山名

 東駒ヶ岳(2,967m)
  (北沢峠)
 仙丈ヶ岳(3,033m)
 北岳(3,192m)
 間ノ岳(3,189m)
 農鳥岳(3,051m)
 塩見岳(3,052m)
 荒川岳(3,141m)
 赤石岳(3,120m)
 聖岳(3,019m)
 光岳(2,591m)