01 20 (水) 朝日の社説 と <官僚腐敗・検察悪臭> |
2010年1月20日(水)付 政権交代して初の通常国会で論戦が始まった。小沢一郎民主党幹事長の資金管理団体の土地購入をめぐる捜査が進むなか、荒れ模様の幕開けである。 小沢氏は東京地検の事情聴取を受ける方向という。国会論戦でも当面は、この問題や鳩山由紀夫首相の偽装献金問題が焦点とならざるをえない。 「政治とカネ」をめぐる与野党の泥仕合はおなじみの光景かもしれない。しかし、今回の一件が持つ意味合いは、これまでとは大いに違う。 有権者が初めて自ら政権交代を実現させた直後である。 多くの有権者は、かつての「金権腐敗」政治はもうご免だと願い、民主党に投票したはずだ。なのにまた同じことが繰り返されるなら、何のための政権交代だったのか。政党政治そのものへの失望が、今度こそ癒やしがたく深まりかねない。 その危険を首相以下、政府与党の面々がしっかり感じているのかどうか、はなはだ心もとない。 典型は首相が小沢氏に語った「どうぞ戦ってください」との発言だろう。 自民党の大島理森幹事長は、19日の代表質問で「一国の首相の発言とは信じられない。誰と『戦う』ことを念頭に置いていたのか」とただした。検察の捜査に介入するつもりなのかという、至極もっともな問いである。 首相は「私は行政の長であり、検察の公正な捜査を信じている」と答えたが、言葉の選び方や置かれた状況への感度が鈍すぎる。 ほかにも首をひねるような動きが相次ぐ。民主党は一昨日「捜査情報の漏洩(ろうえい)問題対策チーム」を党内に設けることを決めた。検察による報道機関に対する情報操作の有無を調べるという。原口一博総務相も昨日、一連の報道に関し、情報源を明確にすべきだとの考えを述べた。逮捕された石川知裕衆院議員と当選が同期の議員らは「石川代議士の逮捕を考える会」をつくった。 いずれも、小沢氏の「全面対決」路線に歩調を合わせようとするもののようだ。異様な光景の広がりである。 総選挙での圧倒的な民意の支持を、はき違えているのではないか。検察も無謬(むびゅう)ではないだろうが、政権与党も万能ではない。様々な力が互いに抑制、均衡しつつ丁寧にことを進めていくのが、まともな民主主義社会である。 小沢氏が検察を批判する際に語った「これがまかり通るなら日本の民主主義は暗澹(あんたん)たるものになる」という言葉は、むしろいまのような状況にこそ当てはまるのではないか。 最優先すべきなのは、国会論戦を空費させないことである。小沢氏らは国会で事実関係の説明をすべきだ。 そのうえで予算案審議や政策論争を本格化させる。政権交代後、「国会審議の活性化」論議を先頭に立って進めたのは、小沢氏だったはずである。 |
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