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折々の記 2015 ⑤
【心に浮かぶよしなしごと】

【 01 】06/12~     【 02 】06/19~     【 03 】06/21~
【 04 】06/24~     【 05 】06/27~     【 06 】06/29~
【 07 】07/01~     【 08 】07/03~     【 09 】07/07~

【 02 】06/19

  06 19 積極的平和外交は難民を救わないのか   ミャンマーの難民
  06 19 (天声人語)首相のはぐらかし   「聴耳頭巾」を持て!!
  06 20 低級な日本の法制長官の意識   “毒フグ発言”
  06 20 優先されるべきは、「多数決」ではなく「立憲主義の論理」   WEBRONZA 安保法案、政府の「合憲論」に根拠はあるか

 06 19 (金) 積極的平和外交は難民を救わないのか   ミャンマーの難民

積極的平和外交を唱える政府は、なぜ虐げられる難民を救わないのか?

他国への思惑から手を差しのべないのか、何故救わないのか国民感情の意向を察しられない国民の代表であってはならない。

   ① ミャンマー・ロヒンギャ族 群馬・館林に
   ② 難民急増「日本も協力を」国連が受け入れ要請
   ③ 少数民族6千人が海上漂流か ミャンマーでの迫害逃れ
   ④ ロヒンギャ族 最新ニュース
   ⑤ 難民受け入れ 拡大こそ国際貢献の道



「難民」にもなれない8年
① ミャンマー・ロヒンギャ族
     群馬・館林に

     http://digital.asahi.com/articles/DA3S11814756.html

16日、群馬県館林市、鬼室黎撮影
  難民認定されないまま仕事に就けず、友人の支援で生活するロヒンギャ族のアウンアウンさん。
  ミャンマーで迫害を受け、日本に逃れた。ヤンゴンに残る家族が心配でたまらない。「助けられ
  なくて、すごく恥ずかしい。会いたい」

 群馬県館林市に、ミャンマーのロヒンギャ族約200人がひっそりと暮らしている。日本で難民として認定されず、仕事や医療面で苦境にある人々も少なくない。ロヒンギャ族やシリア難民など、国際社会では難民が改めて大きな課題となっている。国連は、難民の保護と支援への関心を高めようと制定した20日の「世界難民の日」を前に、世界の難民や国内避難民が過去最多になったと発表した。▼3面=シリア難民も急増

 古い民家の一室で、アウンアウンさん(38)は、2時間しか眠れず早朝に目を覚ました。

 6月8日は、住んでいる群馬県館林市から、東京都港区にある入国管理局に行く日だった。正式な在留許可はない。「捕まったら、どうしよう」と考えると、心配でたまらなかった。

 アウンさんが入国管理局に向かったのは、3カ月に1度の「仮放免」更新のためだった。不法滞在などの理由で本来は収容対象だが、一時的に身柄の拘束を解かれることが「仮放免」だ。代わりに一定期間ごとの更新が必要で、県外への無許可での移動は許されていない。就労や国民健康保険の加入も認められない、不安定な立場だ。

 入管では「難民認定のための面接には呼ばれましたか」などと質問され、無事に終了した。「この日は大丈夫だったが、心配しながら生きて、8年になる」

 アウンさんはミャンマーで身に覚えのない爆発事件に関与したと疑われ、当局から連日事情聴取や暴行を受けたという。日本なら難民として受け入れられると期待して、2006年に逃げてきた。ミャンマーでは旅券が与えられなかったために偽造旅券で入国、1年間入管施設に収容された。

 館林市には、日本にいる約230人のロヒンギャ族のうち約200人が暮らし、市内の住宅街にはモスク(イスラム教礼拝所)がある。会社を経営するロヒンギャ族の一人の男性を頼って館林市に集まり始めた。

 働くこともできる在留特別許可が与えられる場合もあるが、アウンさんのように何年も仮放免のままという人もいる。

 「仕事もできず病院にも行けず、自由に移動もできない。ミャンマーも日本も同じだった」。館林市に住むロヒンギャ族のムハマト・アドラさん(34)は漏らす。

 ロヒンギャ族の受け入れは、今年に入って国際的な問題に発展した。ロヒンギャ族らの乗った船が次々と東南アジアの国々に向かったが、タイなどが船の受け入れを一時拒否。いまも数千人が海に漂流している可能性がある。ムハマトさんは「船に乗った人々の中に自分の親族や友人もいるかもしれない。現地に行って助けてあげたいが、自分にはそれもできない」と話す。

 インドネシア政府とマレーシア政府は、ロヒンギャ族の滞在を1年間に限って認めることを決めたが、1年後にどうするか、見通しは立っていない。ミャンマー政府は「ロヒンギャという民族は存在しない」との立場を崩しておらず、避難民の流出が続く懸念をはらんだままだ。 (伊藤繭莉、ジャカルタ=古谷祐伸)

 ■日本、認定に慎重

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、シリア難民の受け入れなどで日本にも協力を求めている。政府は認定制度の見直しも検討しているが、難民の受け入れ拡大にはなお慎重な姿勢だ。

 法務省によると、2014年の難民認定申請者数は5千人で、13年から1740人増えた。

 だが、このうち難民と認定されたのは11人のみ。ほかに110人について「人道的な配慮」などで在留を許可したものの、家族の呼び寄せがしやすく、日本語研修なども受けられる難民とは認めていない。

 ロヒンギャ族については、難民問題に携わるNGOから「アジアの問題であり、日本が役割を果たすべきだ」といった声が上がっている。 (鈴木暁子)

 ◆キーワード

 <ロヒンギャ族> バングラデシュと接するミャンマー西部のラカイン州に多く住む。仏教徒が多数を占めるミャンマーでは少数のイスラム教徒で、バングラデシュの公用語、ベンガル語の方言を話す。1948年にミャンマーが英領植民地から独立した後に「ロヒンギャ族」と名乗るようになり、政府推計で約130万人いるが、ミャンマー内ではバングラデシュ移民と見なされ、国籍も与えられていない。2012年にラカイン州の仏教徒との間で衝突が起き、多くの人が避難民として周辺国に船で漂着するなどしている。

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2015年6月19日 シリア難民も急増
② 難民急増「日本も協力を」国連が受け入れ要請
     シリア400万人

     http://digital.asahi.com/articles/DA3S11814666.html

主な国の難民認定数(2014年)

  ドイツ   3,3310人
  米 国   2,1760人
  英 国   1,0725人
  韓 国     87人
  日 本     11人

 20日の「世界難民の日」を前に、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は18日、世界の難民や国内避難民が1年で830万人増え、2014年末に過去最多の5950万人になったと発表した。▼1面参照

 特に深刻なのが、400万人近くに急増したシリア難民だ。国連は各国に受け入れを要請しており、ドイツのように約2万人を受け入れた国もある。

 日本が、これまでに難民として認定したシリア人は3人のみ。UNHCR駐日事務所のマイケル・リンデンバウアー代表は「日本を含む各国に受け入れを求めており、連帯をお願いしたい。シリア難民はかつてない規模で増え、周辺国だけではまかないきれない」と、日本に協力を訴える。

 日本も加盟している難民条約では、人種や宗教、政治的な意見のため母国で迫害される恐れがある人々を、難民と定義する。日本はこの難民と認定する基準が、世界の主要国と比べて厳しいとされている。

 日本への難民申請者の出身国をみると、ネパール、トルコ、スリランカ、ミャンマー、ベトナムがトップ5だ。法務省・入国管理局難民認定室の担当者は、「日本人が観光に行くような国も多い。政情不安を理由とした難民とは考えにくく、難民だと立場を偽る人もいるとみられる。申請者の増加は、日本での就労目的のためではないか」と推測する。

 一方で、こうした日本政府の姿勢に対して、「就労だけが目的であるかのような見方では、保護すべき人々が見落とされかねない」(難民支援協会広報担当の田中志穂さん)と批判の声も上がっている。 (鈴木暁子)

 ■<考論>責任果たしていない

 NPO法人難民支援協会の石川えり代表理事の話 昨年、日本は5千人の申請者に対し認定は11人。主要7カ国(G7)の中で日本の次に少なかったイタリアですら3600人あまりを認めており、難民条約に加盟している国として日本は、果たすべき責任を放棄しているように映る。そもそも国内には難民を受け入れる総合的な政策が足りておらず、国民を交え、開かれた議論を早急にしていく必要がある。

 ■<考論>認定制度の改善必要

 東洋英和女学院大学大学院の滝沢三郎教授(難民移民論)の話 言葉の壁やコミュニティーの乏しさから、進んで日本に行きたいと考えている難民は、世界的には少ない。難民の申請数が増えているのは、労働を目的にするなど、難民とは言えない人たちの申請が増えているからだ。その認定に時間がかかり、本当に苦しむ難民の受け入れを阻んでいる。内戦などを理由に母国へ帰国できない人たちを保護する新たな枠組みを設け、一方で手続きに一定の制限を導入するなど、難民認定制度の改善が必要だ。

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2015年5月16日14時28分
③ 少数民族6千人が海上漂流か ミャンマーでの迫害逃れ
     ヤンゴン  =五十嵐誠
     シンガポール=都留悦史
     バンコク  =大野良祐
     ロクスコン =古谷祐伸
     http://digital.asahi.com/articles/ASH5H5JXVH5HUHBI01N.html

写真・図版
   荷物を持って移動するロヒンギャ族の避難民=インドネシア北西部ロクスコン、古谷祐伸撮影

 ミャンマーで民族対立から追い詰められたイスラム教徒のロヒンギャ族などが乗った船が周辺国に漂着している問題で、マレーシアやタイなどが船の追い返しを始めた。難民の大量流入を警戒する措置だが、海上には6千人が漂流しているとの推計もあり、懸念の声が上がっている。

 マレーシア政府は10日にタイ国境に近いランカウィ島に漂着したロヒンギャ族やバングラデシュ人ら1158人を保護し、施設に一時収容した。だが、同時に沿岸警備当局や海軍がマラッカ海峡沖合に船舶約10隻を展開し、密航船の排除に乗り出した。

 ロヒンギャ族らがマレーシアをめざすのは、難民認定に比較的寛容で、かつイスラム教徒が多い国であるためだ。だが、増える難民や不法移民に国内では治安面などで不安が高まりつつある。収容施設はすでにほぼ満杯で、予算の制約もある。

 タイ海軍も14日、マレーシアと国境を接する最南部サトゥーン県沖で約300人が乗った船に退去を指示、領海外に押し出した。タイ政府報道官は14日、「乗船者の目的地がマレーシアなどだったため、食料などの物資を提供したうえで立ち去ってもらった」と説明した。

■「早く出て行ってほしい」

 10日に582人が漂着したインドネシア北西部アチェ州ロクスコン。移民局幹部は朝日新聞の取材に、「早く出て行ってほしいし、もう来ないでほしい」と話した。海軍は11日、約400人乗りの木造船を領海外へ追い出した。

 だが、14日夜には南東へ約100キロの沖合で計6隻の木造船が地元漁師に発見された。地元の救難当局によると乗っていた約800人が救助された。

 ザイド国連人権高等弁務官は15日、ロヒンギャ族ら約6千人がいまだ海上に漂っているとの推計を示し、マレーシア、タイ、インドネシアの行為が「避けられるはずの多くの死をもたらす」と批判した。(ヤンゴン=五十嵐誠、シンガポール=都留悦史、バンコク=大野良祐)

■船に食事なく「殴られた」

 インドネシア北西部ロクスコンに10日に漂着し、救助されたロヒンギャ族らに記者が話を聞いた。遭難の危険もある密航船に乗った経緯や船上での過酷な状況が明らかになった。

 「お父さんに会いたい」と話したのは、ロヒンギャの女児グル・タスさん(8)。仏教徒が多いミャンマーで国籍も与えられないまま祖父母と暮らしていたが、2カ月前におじが船に乗るのを見て無賃乗船したという。母は数年前に死亡。出稼ぎに出たという父も行方不明のままだ。

 バングラデシュにある難民キャンプから来たムハンマド・ショリフさん(18)は「船では食事を満足にもらえず、動くたびにタイ人の船長に殴られた。6人が死んで海に捨てられた。上陸して安心した。キャンプには戻りたくない」。

 人々は迫害を逃れてマレーシアへ向かったが、あっせん業者が逃げて燃料が切れ、漂流した。ミャンマー西部ラカイン州から来たというモハンマド・フセインさん(29)は「70万チャット(7万6千円)を業者に払った。途中で寄ったタイで銃を持った男たちに3週間拘束された。やっと上陸したが、自由はなさそうだ」と話した。(ロクスコン=古谷祐伸)

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ニュース > トピックス > ロヒンギャ族に関するトピックス
④ ロヒンギャ族 最新ニュース
     http://www.asahi.com/topics/word/ロヒンギャ族.html

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2015年4月7日 (社説)
⑤ 難民受け入れ 拡大こそ国際貢献の道
     http://digital.asahi.com/articles/DA3S11691772.html?iref=reca

 母国に帰れば、社会的に苦しめられ、危険が及びかねない。そんな人々を難民と呼ぶ。

 日本は、そうした人たちを守る難民条約の加盟国だが、実際に受け入れた人数は極端に少ない。昨年の認定は11人だ。

 1997年以来の1けたに落ち込んだ前年の6人からわずかの増。難民とは認めないまでも人道上の配慮から在留を認めた110人が別にいるが、それでも年間1万人超や数千人規模を受け入れる北米や欧州の国々に比べてはるかに狭き門だ。

 条約は、人種や宗教、特定集団に属していることなどを理由に迫害される恐れがある人の保護を求めている。ただ、具体的な解釈や個々のケースの判断は加盟国に委ねられている。

 認定のあり方は、各国の基本的人権や自由に対する感覚をはからずも露呈してしまう。

 安倍政権は、安全保障政策で盛んに国際貢献を挙げているが、真剣に貢献を言うならば、難民受け入れと正面から向き合うべきだ。

 シリアやイラクなど各地で紛争が悪化している国際情勢をみれば、この分野こそ緊急の必要性が高い。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は先月、世界で昨年86万人が先進各国に保護を申請し、過去22年で最多だったことを明らかにした。

 うちシリア難民の申請は15万人。地理的に近い欧州各国の受け入れにも、限界がある。

 日本ではこの3月、シリア人3人が認定されたが、昨年11月時点では、11年以降に日本に難民申請したシリア人は61人いたが認定はゼロだった。

 裁判になっている4人のケースをみても、シリア国内の反政府デモに参加していたり、少数派のクルド民族だったりで、帰国して迫害はないと言い切れるのか疑問がぬぐえない。

 迫害のおそれの解釈が厳しすぎるのが問題だ。UNHCRなどの意見も取り入れて、国際基準にそろえる必要がある。

 だが、法務省のいまの取り組みは、そうした基準の緩和よりむしろ逆の方向に重きを置いているように見える。年間5千件に及ぶ難民認定申請の中には虚偽のものが増えているとして、手続きを見直そうとしている。

 本当に救済が必要な人が後回しになるしくみは改めねばならないが、申請しにくくしたり、申請中の生活を不安定にしたりしては本末転倒だ。

 疑うことから始めては、難民認定という制度自体、成り立たない。難民救済という基本的な人道支援は先進国の最低限の責務であることを自覚すべきだ。


 06 19 (金) (天声人語)首相のはぐらかし   「聴耳頭巾」を持て!!

“民主党の岡田代表が「質問に答えていない。法律の定義をそのまま読んだだけだ」と反論したのはもっともだ”

老生も党首討論を注意深く聞いていた。

きょうの(天声人語)の指摘は、最後の▼にあるように根本的に“事の順が違う”ものである。 そして、討論におけるロジックは本質を説明する熱意はなく、苦しい糊塗の言い分けに終始してきた。

こんな国会審議によって日本の将来を決める重要法案を成立させては、国家の品格も良識も低級なものでしかない。



2015年6月19日 (天声人語)
首相のはぐらかし
     「聴耳頭巾(ききみみずきん)」を持て!!<下平・註>
     http://digital.asahi.com/articles/DA3S11814751.html

▼シェークスピア劇「アントニーとクレオパトラ」に、珍妙な問答がある。酒席でワニとはどんなものかと質問されて、アントニーが説明する。「形はまずそれらしい形をしている、幅はそれがもっているだけの幅、背丈はそれがもっているだけの背丈、動くときはそのからだで動き、養分を食って生きている」

▼「色はどんな色だ?」「色までそれがもっている色なのだ」――。傍らで聞いていた一人が「いまの説明で満足できるのかな?」(小田島雄志訳)。そんな場面を思い出す一昨日の党首討論だった

▼安倍首相は手慣れた調子ではぐらかした。詳述する字数はないが、民主党の岡田代表が「質問に答えていない。法律の定義をそのまま読んだだけだ」と反論したのはもっともだ。「ワニの色はワニ色だ」では議論は深まらない

▼討論相手に答えることは、国民に答えること。特定秘密保護法のときは「丁寧に時間をとって説明すべきだったと反省している」と言っていた。ゴリ押し採決の後のことだが、そんな言葉もどこかへ消えてしまったか

▼日本の昔話に「聴耳頭巾(ききみみずきん)」がある。優しいおじいさんが鳥の言葉がわかる頭巾を授かり、鳥たちから聞いた情報で人を助ける――。いまは異なる意見の聞こえる頭巾が、首相や周辺に欲しいところだ

▼安保関連法案を「違憲」とみる憲法学者は多数だ。「夏までに成就させる」と首相が米議会に置いてきた約束を、国内に募る疑義や不安を押さえ込んで履行するのでは、事の順が違う。


 06 20 (土) 低級な日本の法制長官の意識   “毒フグ発言”

きのう書いた天声人語の感想に続いて、けさ新聞を手にして驚いたのは、横畠裕介・内閣法制局長官の“毒フグ発言”であった。

総理は自分の主張に沿う内閣法制局長官を選任した。 その結果はこのような発言を生むことになった。 この体たらくをさらしたからには、如何におとなしい国民も「安全保障関連法」を容認してはならない筈だ。

どうすれば今回の危機を回避できるのだろうか?



2015年6月20日05時00分 法制局長官、異例の例え
低級な日本の法制長官の意識
     「集団的自衛権はフグ、肝外せば食べられる」
     http://digital.asahi.com/articles/DA3S11816626.html

 政府の憲法解釈を担当する横畠裕介・内閣法制局長官は19日、安全保障関連法案を審議する衆院特別委員会で、国際法上の集団的自衛権と、安倍内閣が主張する「限定的」な集団的自衛権の違いを「フグ」に例え、「毒があるから全部食べたらそれはあたるが、肝を外せば食べられる」と答弁した。

 他国防衛を目的とする包括的な集団的自衛権は違憲となる一方、「限定的」な集団的自衛権なら合憲という趣旨だが、厳密な法解釈を行う立場の法制局長官が、こうした例え話を持ち出すのは異例。法案への理解が広がらない現状の裏返しと言えそうだが、長官経験者からは「好ましくない」との批判も出ている。

 民主党の寺田学氏が、政府がこれまで集団的自衛権の行使を違憲としながら、憲法解釈を変更し、「限定的」なものとして容認したことについて、「腐ったみそ汁の中で1杯とっても、腐っているものは腐っている」とただした。

 横畠氏は「例え話をされたので」と切り出し、「(集団的自衛権が)毒キノコだとすれば、煮ても焼いても食えないし、一部をかじってもあたる」と答弁。さらに、「じゃあフグかもしれない」と続けた。

 内閣法制局は、内閣が出す法案などを審査したり、法律問題について首相や大臣に意見を述べたりする内閣の一部門で、長官は通常、憲法や法律についての厳密な答弁が求められる。

 横畠氏の答弁について、法制局長官経験者の一人は「法律論は政策論と違う。例えを出すのは正確性を欠くことが多く誤解されるおそれもある。条文を離れ、『例え』でやることは好ましくはない」と話す。

 横畠氏は東大卒で検事出身。前任者の退任に伴い、昨年5月に長官に就任。集団的自衛権の行使容認に伴う憲法解釈変更の閣議決定や安保関連法案の審査を担った。(三輪さち子)

 06 20 (土) 優先されるべきは、「多数決」ではなく「立憲主義の論理」   安保法案、政府の「合憲論」に根拠はあるか

現状の政権が一部の人によって、与党国会議員すべてが常軌を逸した政治手法に誘導されていることに、老生は呆れ果てた。

今回の集団的自衛権の行使についての国会決議についてである。

憲法にもかかわることを閣議決定し、国会の審議のないままに米国の議会で集団安全保障によって日米の絆を固めうると一国の宰相が発言したことである。 こんな道理があってはならない。 国会を無視した暴挙である。

この案件は憲法違反であるという批判をものともせず、米国での発言に矛盾することを恐れて、とんでもないことを強行しようとしている。

国民の総スカンクの動静にも一顧だにしない。 国際社会でのお笑いの醜態である。



【明日をひらく、知の空間】WEBRONZA (テーマ)安保法案、政府の「合憲論」に根拠はあるか
安保法案について、国会で全憲法学者を調査せよ
     優先されるべきは、「多数決」ではなく「立憲主義の論理」
     2015年06月17日 小林正弥
     http://webronza.asahi.com/politics/articles/2015061600002.html?returl=http://webronza.asahi.com/politics/articles/2015061600002.html&code=101WRA

① 政治的立場を超えた3憲法学者の違憲論

 立憲主義が主題の衆院憲法審査会で、民主党議員から安保法案について問われ、参考人として呼ばれた憲法学者3人全員が違憲と明言したことが大きな話題になっている。

 野党が推薦した憲法学者だけではなく、自民党が推薦した長谷部恭男・早稲田大学教授までもが、従来の政府見解の基本的な論理の枠内では説明がつかず、法的安定性を大きく揺るがすから憲法違反である、と明言したからである。

 しかも、この3人の憲法学者は、全員がいわゆる平和主義的な護憲派の憲法学者というわけではない。

 長谷部教授は自衛隊合憲論を主張しており、2013年の特定秘密保護法案の審議で自民党推薦の参考人として賛成意見を述べた。

 また、民主党推薦の小林節・慶應義塾大学名誉教授は、同じく自衛隊合憲論者で長らく改憲派の憲法学者として知られてきた。その小林氏が、仲間の国を助けに海外に戦争に行くのは憲法違反であり、政府が論理的に積み上げてきたものが論理的に吹っ飛んだ、と批判したのである。

 だから、この憲法学者たちは決して共産党や社民党のような護憲派の政治的姿勢に共感しているのではなく、まさに憲法そのものの法的論理に基づいて違憲論を主張したのである。

 政府はこの違憲論に反論し、改めて、砂川判決の一部の文章を根拠として、合憲とする政府見解を出した(6月9日)。

 しかし、憲法学者たちはもともと政府の論理に対して違憲論を主張したのだから、これには明らかに説得力がなく、長谷部教授は「何の説明にもなっていない」と一蹴した。

 そして、この政府の論理には、砂川事件当時の弁護団が批判して法案の撤回を要求し(6月12日)、砂川判決を書いた唯一の存命の裁判官も「言いがかりも甚だしい」と批判したという(「報道ステーション」)。私も2014年の連載「集団的自衛権行使は許されるのか」で指摘した通り、この論理は明らかに成り立たないからである。

  <連載> 集団的自衛権行使は許されるのか

[8]集団安全保障という名の戦争への道
狡猾な文言挿入  さらに、極めて重要なのは、与党の間で、閣議決定に関して集団安全保障における武力行使への道を開く可能性も暗に了承されている…… [続きを読む]小林正弥 2014年06月30日

[7]平和憲法は生ける屍となるのか?
公明党の変節――個別的自衛権拡大、集団的自衛権容認、集団安保への布石へ  事態は、 前稿 執筆後に急展開した。自民党は、集団安全保障におけ…… [続きを読む]小林正弥 2014年06月27日

[6]「急迫、不正の事態」でなくとも、自衛権を行使できるのか
*本稿は6月23日に脱稿したものです。 驚愕の自民党新提案――集団的安全保障でも武力行使  安倍内閣は閣議決定を急いで公明党…… [続きを読む]小林正弥 2014年06月25日

[5]持っているのに使えない権利
未来の中東戦争、そして東アジア戦争に日本は参戦するのか?  具体例を考えてみよう。安倍晋三首相は、当初の会見(5月15日)では、日本人の母…… [続きを読む]小林正弥 2014年06月19日

[4]自衛権か、他衛権・先制攻撃権か?
「集団的自衛権」の意味変化  戦後の早い段階では、自衛権と言えば、今で言う個別的自衛権、つまり日本なら日本自体の自衛の権利のことを指した。…… [続きを読む]小林正弥 2014年06月17日

[3]違憲判決と自衛権の正統化
自衛隊違憲論と公定解釈  これまでになされている憲法解釈や政治的議論を知らない人が、初めて虚心坦懐に憲法の前文や第9条を読むと、「そもそも…… [続きを読む]小林正弥 2014年06月13日

[2]平和主義そのものの熟議を
立憲主義、民主主義と平和主義  立憲主義からの反対論は確かに重要であり、そのような視角からの議論には敬意を表したい。この観点からは、たとえ…… [続きを読む]小林正弥 2014年05月24日

[1]憲法解釈の変更は立憲主義に反するのか? [無料]
「基本的方向性」は解釈改憲か?  いよいよ安倍首相が、私的諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)の報告書の提出…… [続きを読む]小林正弥 2014年05月22日

② 違憲法案を自覚的に成立させる内閣は違憲内閣になる

 もし本当に安保法案が違憲であり、それがわかった上でその法案を成立させるならば、その内閣は違憲内閣としか言いようがない。国務大臣や国会議員の憲法尊重擁護義務(憲法第99条)に反するからである。

 最高裁で後日違憲判決が出た時には、法案を廃止するだけではなく、民主党・岡田克也代表が述べた(6月12日)ように総辞職が求められるというのは当然だろう。

 逆に、違憲であることがわかった上で法案の成立を強行するならば、それは「憲法クーデター」としか言いようがない。

 この議論は、2014年の集団自衛権行使容認の閣議決定の際に紹介したが(「『安倍政権の憲法クーデター』説」WEBRONZA2014年7月22日参照)が、今こそその議論が現実味を帯びてきた。
【写真】
会見する小林節・慶大名誉教授(右)と長谷部恭男・早大教授=15日午後、東京都千代田区の日本記者クラブ 拡大会見する小林節・慶応大学名誉教授(右)と長谷部恭男・早稲田大学教授=2015年6月15日、東京都千代田区の日本記者クラブ
 このようなことが起これば、日本の立憲主義、さらには民主主義や自由主義は崩壊することになる。

 外国人特派員協会の記者会見(6月15日)で、小林教授が「安倍内閣は憲法を無視した政治を行う以上、独裁の始まりだ」と述べたように、戦前のような独裁政治が再来する危険が生じているわけである。

 だからこそ、その記者会見で政府が強行採決した場合について問われ、長谷部教授は「次の国政選挙で新しい政府を成立させ、法律を撤回させるべきだ」とし、小林教授は弁護団の一員として違憲訴訟の準備をしているとしつつ、「ああいう狂ってしまった政治は、次の選挙で倒せばいいんですよ」と主張した。

 憲法学者が倒閣を主張するというのは、立憲主義が根本から危機にさらされているからである。

 そこで、いわゆる平和主義者たちからだけではなく、保守的な立場の人々からも次々と批判の声があがっている。

 山崎拓自民党元副総裁、亀井静香元金融担当相、藤井裕久元財務相、武村正義元官房長官という自民党長老ら4人が記者会見を行って反対を表明し、亀井氏は「日本が戦争に負けて以来、いま最大の危機にある。我々がじじいだからといって、黙っているわけにはいかない」と述べた(6月12日)。

 これらの人々は、保守政治の担い手だったわけだから、その人々の批判には保守的な立場の人も謙虚に耳を傾けるべきだろう。

③ 合憲性についての国政調査を

 このように、この問題については慎重に審議することが何よりも必要であり、違憲ということが明らかになったら法案を廃案にしなければならない。

 熟議民主主義の理念からすれば、政策に関して賛成派と反対派の意見を人々の前でわかりやすく紹介し、その上で国民的な議論を行うことが望ましい。そのためには、まず賛成派と反対派を明確にし、その間での議論を公開の席上で行うべきだろう。

 すでにメディアでは、合憲論者と違憲論者の数についての報道がなされている。すでに「安保関連法案に反対し、そのすみやかな廃案を求める憲法研究者の声明」に226人(6月12日時点)が署名しているから、極めて多くの憲法学者が違憲と考えて反対しているのは確かである。

 これに対して、政府は合憲の憲法学者について問われて窮している。まず菅義偉官房長官は「『違憲じゃない』という著名な憲法学者もいっぱいいる」と答えたが、その名前を問われて3人しか挙げられず、「私は数ではないと思いますよ」と答えざるを得なかった。

 この中でもともと、西修・駒沢大学名誉教授は、集団的自衛権行使容認を2014年に提言した首相の私的懇談会「安保法制懇」における唯一の憲法学者だから、その他は2人に過ぎない。政府も合憲論者の数が少ないことは認めざるを得なかったのである。

 さらに、高村正彦自民党副総裁の「たいていの憲法学者より私の方が考えてきた」(6月11日)という発言が報じられ、それは傲慢であるという批判が各所からなされるようになった。

 自民党内でも村上誠一郎衆院議員は、自民党総務会で「党議拘束をはずすべきだ」と主張して執行部の一人から反論され、その翌日に日弁連が主催した安保法制反対集会に参加して、「学者がそろって違憲だと言っているのに、自民党がそれを無視することは、あまりにも傲慢ではないか」と強く批判し、時の政府の恣意によって憲法を曲げることができてしまうことになるので民主主義の危機である、と述べて警鐘を鳴らした(6月10日)。

 また「報道ステーション」では独自に調査して、『憲法判例百選』の執筆者198人に安保法制について聞いて、回答のあった149人の中で、違憲としたのが127人、違憲の疑いがあるとしたのが19人で、あわせて146人の憲法学者が違憲の疑いを表明したという結果を報じた。これに対して、合憲としたのはわずか3人であるという(6月14日)。

 同じように、先述の外国人特派員協会での会見で、長谷部教授は「明白な憲法違反であり、撤回すべき」と明言して「95%超の憲法学者が違憲だと考えているのではないか」と述べた。

 この問題は極めて大きいから、立憲主義を尊重する野党は、国会が国政調査権を発動して、たとえば大学で憲法を教えているすべての憲法学者についてその意見を公的に調査し、その結果を公表するように主張したらどうだろうか。

 そして少数の合憲論者にも、その論拠を明確にわかりやすく示してもらうべきであろう。私の見る限りでは、合憲論者の論拠は極めて薄弱だからである。

 そこで、人々が自らこの当否を判断できるように、合憲派の憲法学者と違憲派の憲法学者との間で公開の議論を行わせ、それを全国民に対して中継し公表すべきだろう。

 さらに、すでに日本弁護士会はこの法案について「違憲」と批判する声明を公表している(5月29日)が、法的職業としての弁護士に対しても同様の調査をすることも有意義だろう。

 もちろん、このような調査は与党に不利だから、与党は同意しない可能性が高い。この時は、野党が協力して独自の調査を行い、その結果を国会の場で明らかにし、国民に対して公表することが考えられよう。

 そして、このような議論をしっかりと見た上で、人々が自ら議論することによって初めて、民主主義的な熟議が行われたと言えるだろう。

④ 圧倒的多数の違憲論を無視する立法は巨大な「不正義」ではないか?

 今日の多くの重要な政治的問題に関しては、賛成派と反対派がそれぞれ相当数いてその間の意見が分かれるので、熟議した後で、最後は民主主義的な手続きに基づいて決定することになる。

 しかし、調査の結果、圧倒的多数の憲法学者が違憲と主張していることが明らかになった場合はどうだろうか? その上で多数派の与党が強行採決を行って法案を成立させることは、正当だろうか?

 もちろん、そうは言えない。その場合は、民主主義の多数決の論理ではなく、憲法の規定や立憲主義の論理が優先される。

 このように考えるのが、政治的な左右を超えた理性的な論理である。これは、近代国家における「正義」の要請だからである。

 今日の世界において、「正義」と断定できることは必ずしも多くはない。その中で、立憲主義を尊重する限り、この要請を無視するのは法的・政治的な「不正義」に他ならない。今日の政治哲学の代表的な考え方に基づけば、どのような立場からでも今の状況下でこのような立法行為を行うことは「不正義」ということになるだろう。

 だから、「民意」を持ち出して強行採決を行うことは「不正義」であり許されない。自覚的に、違憲の疑いが圧倒的に濃い立法を行うことは、「不正」な行為であり、本当はそれ自体が処罰の対象なのである。

 憲法を守って国政を行わなければならないということは、決して難解な論理ではなく、戦後一貫して学校の社会科の授業で教えてきたことである。このことをまったく聞いたことがない人は、教育を受けた人ならばほとんどいないに違いない。

 日本政治、そして日本の人々が、この最低限の公共的良識を思い出し、それに基づいて正しい政治、正義に即した政治を行えるかどうかが問われているのである。

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