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折々の記 2015 ⑨
【心に浮かぶよしなしごと】
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【 07 】01/13~ 【 08 】01/25~ 【 09 】02/04~
【 02 】12/08
12 08 君子三楽 孟子の教え
12 10 名言格言集 名言格言で心も元気!
12 12 干柿の仕上げ 気を抜くことがない
12 13 田中宇の国際ニュース解説⑦ 世界はどう動いているか 12/06
12 14 松陰の妹・美和を主人公とした大河ドラマ終わる 花燃ゆ
12 08 (火) 君子三楽 孟子の教え
老生満87才となる。 ‘こよみのページ’を見ていて四字熟語へジャンプし「君子三楽」を開いた。
そこには、孟子曰くとして次の言葉が挙げられていた。
君子有三楽 而王天下 不与存焉
父母俱存 兄弟無故 一楽也
仰不愧於天 俯不怍於人 二楽也
得天下英才 而教育之 三楽也
君子有三楽、而王天下、不與存焉
父母兄弟が健在であること 「家族の健康を願うこと」
天に恥じるような行ないはしない 「理性にも人様にも愧じないこと」
天下の秀才を教育すること 「優れた人を教育すること」
落葉の下のカニムシにしても何千年の昔から親が生活してきたとおりの生活を繰り返し、多少とも進化しながら今日を迎えている。 人もまたこの範疇を外れることはない。
坪庭の一位の木のあちらこちらの枝が枯れている。 手入れするしないは別として、老木になっても太陽の恵みをうけ土中や空中から必要とするものを取り入れ、赤い実をつけながら生きている。 人もまた然り。 筋力が衰え歯も目も記憶力も衰え、認知症と言われようとも、笑顔を見せて生きている。
親や兄弟のあれこれを想いだしては懐かしみそして感謝しながら生きている。 人に笑われないように気をつけながらおもてなしの気持ちを忘れないで生きている。 やがて続いてくる子や孫などの幸せを願いながら生きている。
亡くなっていく多くの人たちを見送っていると、孔子の後継者としての孟子の想いに誰にしても思い当たる。 馬齢を重ねると先人の教えや言葉に思い当たる。 ミクロの思いからマクロの想いに辿りつく。
若者はこんな戯言 を苦にすることはない。
福島みんなのNEWS 四字熟語一覧
孟子の【君子三楽】
http://fukushima-net.com/
http://fukushima-net.com/sites/mlist/2/page:1
No. 476 【君子三楽】 くんしさんらく
孟子(モウシ)の云う、君子の三つの楽しみです。
① 父母兄弟が健在であること
② 天に恥じるような行ないはしない
③ 天下の秀才を教育すること
をいうようです
天下の王となることは関係ない。
といってますが、二度も言っているということはどういうことでしょう。
孟子曰 君子有三楽 而王天下 不与存焉
孟子曰はく、 君子に三楽有り、而(しか)して天下に王たるは、与(あずか)り存(ソン)せず。
孟子が言った。君子には三つの楽しみがあるが、天下の王となることはその中に含まれない。
① 父母俱存 兄弟無故 一楽也
父母倶(とも)に存し、兄弟故(こと)無きは、一楽なり。
父母がともに健在で、兄弟に事故がないのは、第一の楽しみである。
② 仰不愧於天 俯不怍於人 二楽也
仰(あお)いで天に愧(は)じず、俯して人に怍(は)じざるは、二楽なり。
上げては天にやましく思うことがなく、うつむいては人にやましく思うことがないのは、
第二の楽しみである。
③ 得天下英才 而教育之 三楽也
天下の英才を得て、之を教育するは、三楽なり。
天下の優れた人物を弟子にして、教育するのは、第三の楽しみである。
君子有三楽 而王天下 不與存焉
君子に三楽有り、而して天下に王たるは、与り存せず。」と。
君子には三つの楽しみがあるが、天下の王となることは、その中に含まれない、と。
12 10 (木) 名言格言集 名言格言で心も元気!
<名言DB|リーダーたちの名言集>を開いてみるとわかるが、あらゆる角度から名言格言を収集しています(その総人数4943人)。 だから参考になることが多い。
例えば日野原重明さんの名言を調べてみると次のように展開している。
「名言DB|リーダーたちの名言集」を開いて、このHPの検索欄へ「日野原重明」を入力すると‘『日野原重明』の検索結果|11 件が一致’として表示される。 最初の表示の中の「日野原重明の名言一覧へ」をクリックすると「日野原重明の名言・格言」として次の内容が表示されます。
日野原重明の名言 格言
http://systemincome.com/tag/%e6%97%a5%e9%87%8e%e5%8e%9f%e9%87%8d%e6%98%8e
日野原重明のプロフィール・経歴・略歴
日野原重明、ひのはら・しげあき。日本の医師、医学博士。聖路加国際病院理事長。京都帝国大学医学部を卒業し、以後、聖路加国際病院の内科医として活動し続ける。90歳のときに出版した著書『生き方上手』は120万部以上のセールスを記録し、日本最高齢のミリオンセラー作家となった。そのほか、医学書、医療関係本の執筆、同ジャンル書の翻訳を多数行っている。
私自身、結核という対病を経験したことで、ちょっとした健康を喜ぶことができるようになりました。幸福というものは、失われかけてはじめて気が付くものなのです。
[日野原重明の名言・格言|幸福は失われてはじめて気が付くもの]
人間とはそもそも「病む」生き物であり、必ず欠陥を抱えて生きています。そのことを踏まえたうえで、今日という日を健やかに生きればいいのです。人間ドックで調べてもらえば、多くの人はどこかに悪いところが見つかるでしょう。しかし検査で指摘されるようなあれこれの病を抱えていても、今日の仕事を快く終えることができればありがたいと思う。そして、翌朝、さわやかに目覚めることができれば、それが健康ということではないでしょうか。
[日野原重明の名言・格言|病を抱えていても、日々健やかに生きればいい]
83歳まで生きた貝原益軒は「腹八分」といいましたが、私はそれよりも少ない「腹七分」がいいと実感しています。とりわけ65歳を過ぎると、若いころとは違って運動量が少なくなります。ですから、年をとればとるほど節食を心がけるようにすべきです。
[日野原重明の名言・格言|腹七分の生活をする]
病気になるのは辛いことですが、のちのちの健康を考えれば悪いことばかりではありません。たとえば私は医学生のころ結核にかかりましたが、長く病床に伏した経験があるために、患者さんの気持ちがよくわかるようになりました。90歳を過ぎたいま、他人の何倍もの仕事をこなしていられるのは、結核を克服することで病気全般に対する免疫力、抵抗力が高まったからだと思っています。
[日野原重明の名言・格言|大病した経験はいい面もある]
今年で93歳になりますが、いまできることに、いまこの瞬間に全力で取り組むという気持ちは少しも薄れていません。
[日野原重明の名言・格言|93歳になっても、いまこの瞬間に全力で取り組む]
マルティン・ブーバーという著名な哲学者は、「人は始めることさえ忘れなければ、いつまでも若くある」という言葉を残しました。新しいことへの挑戦を続ければ、体は老い衰えても、心の若さはいつまでも続く。私なりに「創(はじ)める」という字を当てて座右の銘にしています。
[日野原重明の名言・格言|新しいことへ挑戦し続ければ、体は老いても、心は若く保てる]
戦後60年近くが経ち、企業や経済のシステムにも老いが目立ってきました。予算がない、人材がいない、経済が悪い、政府が悪いなどと不満を並べていても何も変わりません。いまある資源でなんとか突破口を見出すしかありません。ビジネスのために人間があるのではなく、人間が人間らしく生きるためにビジネスがある。こんな時代にこそ原点に戻って再出発することが必要でしょう。環境の変化に老練な知恵で適応する生き方上手な企業の登場に期待したいと思います。
[日野原重明の名言・格言|日本経済は原点に戻って再出発する必要がある]
ものすごく忙しい。健康のために睡眠をたっぷりとり、三食きちんと食べて、適度に運動するなんていうことは私には到底できない。絵に描いた餅です。本業の医療、病院経営の仕事のほかに、物書きをしたり、1日18時間ぐらい働いています。それでも私は毎日が爽快なんです。老いて弱った体と、不規則で過密なスケジュールにうまく適応して精一杯生きる。それが私の生き方上手です。
[日野原重明の名言・格言|93歳になっても1日18時間働く多忙な日々]
実は、90歳のときに10年計画の遺伝子解析プロジェクトに着手したんです。結果が出ることには私は100歳になっている計算です。無理だろうと考える人が多いでしょう(笑)。でも、日本の100歳以上のお年寄りの人口は、40年前は百数十人でしたが、いまでは2万人以上に増えている。可能性はあります。もし許されてプロジェクトを全うできるなら本当に幸福だなと思います。
[日野原重明の名言・格言|90歳になってから、10年かかるプロジェクトに着手した]
教会には「退修会」という言葉があります。世俗を離れ森の中に入って身を清めながら祈りをささげる。置かれた環境や立場の違う人たちと、一緒になって沈思黙考していると、世の中には自分よりもいろいろな制約を受けながらそれでも懸命に生きている人たちがいることに気付かされる。明日への勇気がわいてくる。
[日野原重明の名言・格言|他の人の生活に気付くことで、自分の生活がそう悪くはないものだと気付く]
上記「名言DB|リーダーたちの名言集」のほか次のサイトも参考になる。
名言格言集 トップページ(目次) http://meigennooukoku.net/blog-category-175.html
地球の名言 http://earth-words.org/
癒しツアー http://iyashitour.com/meigen/greatman
名言ナビ® http://www.meigennavi.net/index.htm
日野原重明の名言 1~3 http://earth-words.org/archives/3747
※ 短冊や色紙に書くのにいい材料になる。
12 12 (土) 干柿の仕上げ 気を抜くことがない
干柿づくりの作業は、その一つ一つの内容をとってみると深い知識と対処法の熟練につきあたる。 すべて自然条件によって左右されるからだ。
肥料の分量、施肥の時期、除草や耕耘、選定技術、病害虫と消毒剤散布、追肥の時期と料、柿干場の構造、皮剥機その他機械類の種類と準備、柿干しの管理(温度湿度と天候対応)、柿のれん下しの時期方法、柿の粉がつくまでの管理方法、出荷できるまでの手入れ、・・・・考えて数え上げればきりがない。
一番肝心なのは、のれん下ろしまでの干し上げ管理、粉だし手入れだろうか。 カビがこないようにして粉だしができればいい。
・ 皮をむいた柿の重さが 40% になったら、ノレン下ろしをする
・ 下した夜、温度箱 30~35度 へ 12~15時間 入れる
・ 細かいことは口伝による
12 13 (日) 田中宇の国際ニュース解説 世界はどう動いているか
舎利子みよ、世界を牛耳る守銭奴の動きを !!
田中宇の国際ニュース解説
世界はどう動いているか
フリーの国際情勢解説者、田中 宇(たなか・さかい)が、独自の視点で世界を斬る時事問題の分析記事。新聞やテレビを見ても分からないニュースの背景を説明します。無料配信記事と、もっといろいろ詳しく知りたい方のための会員制の配信記事「田中宇プラス」(購読料は6カ月で3000円)があります。以下の記事リストのうち◆がついたものは会員のみ閲覧できます。
◆利上げを準備する米連銀
【2015年12月6日】 QEを恒久化し、永久にゼロ金利を続けることは、株高や債券高につながって好都合だ。しかし、これはまさにバブル膨張だ。永久に続けられるものでなく、いずれ崩壊する。近いうちにバブルが再崩壊するなら、米連銀は対策を用意する必要がある。米連銀にとって最重要なことは、ドルの基軸通貨性と米国債の信用という、米国の経済覇権の原動力を守ることだ。利上げは、ドルと米国債の信用を守るために必要だ。
利上げを準備する米連銀 <http://tanakanews.com/151206fed.php>
2015年12月6日 田中 宇
米国の元下院議員ロン・ポールは、米連銀(FRB)などの当局が、自国の景気を粉飾し、実際は不況なのに、失業率やGDPなどの経済統計を歪曲して発表し、景気が回復しているかのように見せていると、以前から分析してきた一人だ。彼は、連銀が利上げを計画していると以前から示唆し続けていることについて、実際の景気が悪いのに、景気の過熱をふせぐための政策である利上げを、連銀が挙行するとは思えないと分析し、連銀は今にも利上げしそうなことを言って金融市場をテコ入れしたいだけで、実際に利上げが行われることはないと言い続けてきた。 (ひどくなる経済粉飾)
しかし最近、彼は言い方を変化させている。12月1日、彼は以下のように述べた。「米経済は、連銀が偽装しているより悪い状況にあるのだから、連銀が利上げに踏み切ることはないだろうと、今でも私は思っている。だが(最近)連銀は、もし利上げしても大した悪影響を起こさずやりきれると信じているようで、金融市場にもそう信じ込ませようとしている。(利上げはありうるが、利上げすると経済がさらに悪化するので)連銀は行き詰まっている。土壇場で新しい理屈を持ち出して、利上げをやめるかもしれない」 (Manipulation of the Dollar At Play - Former Congressman Ron Paul)
連銀が、12月15-16日の理事会(FOMC)で利上げするための準備をしている兆候が、いくつか出てきている。FOMCに向けて、米国の景気回復が軌道に乗っているかのような見方や数字が、相次いで出されている。米経済の成長見通しが引き上げられたり、「雇用の回復が鈍化しているが、これは連銀にとって利上げを見送る要因でなく、利上げ開始後、いつ次の利上げをするかを考える材料になる」といった見方が出たりしている。 (US third-quarter growth revised higher) (The Jobs Report Probably Won't Change the Fed's Mind on Liftoff)
また、米国が利上げによって金融緩和策(バブル維持策)をやめていく代わりに、欧州中央銀行(ECB)が最近、緩和策(QE)を拡大するそぶりを見せたことも注目だ。米国がやめる緩和策を、欧州や日本の中央銀行が肩代わりするのは、昨秋、米連銀がQEをやめると同時に日銀と欧州中銀がQEを拡大して以来の、米日欧の中央銀行網の「お家芸」だ。日銀は、すでに日本政府が新規発行する国債の全量を買い上げているので、これ以上QEを拡大できない。だから、世界の注目が欧州中銀に集まった。 (◆日本と世界で悪化する不況とバブル)
欧州中銀のドラギ総裁は11月下旬に「デフレを解消するために何でもやる」と宣言し、今年初めから続けているQEを拡大すると示唆した(QEの真の目的は、バブル維持による金融界の救済だが、それを「デフレ解消」が目的だと粉飾することで、批判が出ないようにしている)。ドラギの宣言と前後して、米連銀のイエレン総裁は、米経済の回復に自信を持つ発言を発し、12月に米国が利上げすると同時に欧州がQEを拡大してバランスを保つシナリオが市場の期待をふくらませた。 (Mario Draghi Is About to Become the World's Market Risk Manager) (European Stocks, US Futures Surge On Last Minute Hopes Of "Extraordinary Policy Easing" By Mario Draghi)
だが、ドラギが12月3日に発表した方針は、今までと同じ月額600億ユーロのQE(債券の買い支え)を今後も続けることだけで、市場が期待したQEの増額を行わなかった。落胆が広がり、株や債券が世界的に下落した。 (`No limit' to ECB action to hit targets, pledges Draghi) (The Beginning Of The End Of The Cult Of Draghi) (ECB pledges to extend easing until March 2017 `or beyond')
社債市場が巨大な米国と異なり、欧州と日本では、債券市場の規模が小さく、債券市場の大部分は国債で、すでに購入可能な債券の大半をQEで買い支えている欧州中銀は、日銀と同様、QEを拡大する余地が少ない。しかも、EUの主導役であるドイツは堅実な経済政策を好み、野放図な政策であるQEを、当初からいやがっていた。おそらくドラギ(米ゴールドマンサックス元副会長)は、欧州がQEを肩代わりして米金融界をテコ入れしないと、米国のバブルが再崩壊して欧州も大打撃を受けると言って、反対するドイツ勢を説得し、今年初め、無理矢理にQEを開始した。国際政治面の米国の覇権もシリアなどで低下する中、米国を救済するQEの拡大にドイツが賛成するはずもなく、ドラギは「何でもやる」と宣言する「口だけ作戦」以上のことをやれなかったのだろう。 (The Gold Market) (ユーロもQEで自滅への道?)
米連銀が利上げすると、その分、金融バブルを維持するための緩和策の総量が減るが、欧州中銀も日銀も、減った分の埋め合わせができない。日銀の11月の政策決定と、欧州中銀の先日の決定で、それが確定した。このまま米連銀が利上げすると、実体経済のさらなる悪化だけでなく、バブルを維持する力が減り、株の大幅安や、金融危機の再燃に結びつきかねない。その点が、ロンポールの「連銀は土壇場で利上げをやめるかもしれない」という予測の背景にありそうだ。 ("Central Banks Are Out Of Dry Powder" Stockman Warns "Another Financial Crisis Is Unavoidable")
欧州中銀のQE拡大は口だけに終わったものの、米連銀が利上げするつもりで欧州中銀に緩和策の肩代わりをさせようとしたことを示すものとなった。もう一つ、米連銀の利上げの準備と思われる動きは、金地金相場の下落だ。金相場は11月末、長らく下値線とみられてきた1オンス1080ドルを割った。その後何度も、買い上がろうとする資金が入るたびに、1050ドル以下に引き戻す売りが入り、低い水準に封じ込められている。 (Gold down on strong US dollar) (Gold price: is a rates hike finally priced-in?)
金地金の現物は、中国やインドなど世界中で非常によく売れており、新興諸国の中央銀行も金準備を増やすため地金を買いあさっている。現物の需要を見ると、金相場が高騰するのが自然だ。だが、国際金市場では、金融界が、現物需要の何百倍もの資金を先物売りに投下して、金相場を引き下げている。連銀の利上げでドルが不安定な状態に入る前に、地金の相場をできるだけ下げ、ドルの窮極のライバルである金地金の価値を安いところに封じ込めておく策が行われているように見える。 (Gold Demand in China Heading For Record and Reserves Increase 14 Tonnes In October) (U.S. Mint Gold Eagles See Sales Surge, Silver at Record) (通貨戦争としての金の暴落) (金地金の売り切れが起きる?)
米連銀は「景気が回復しているので利上げする」と言っているが、実のところ、米国の景気はリーマン危機後の不況から大して回復していない。米国経済の7割は消費で成り立っているが、小売りの状況は悪化を続けている。従来、小売店が不振なのはインターネット通販で買う人が増え、人々が店に行かなくなったからだと言われてきたが、通販と小売店の両方で多く使われているクレジットカードの決済総額が、今年の感謝祭の商戦で、昨年より1・2%減ったことが、バンカメの調べでわかった。消費が減っているのに、景気が回復するはずがない。 (Credit Card Data Reveals First Holiday Spending Decline Since The Recession) (The "Real Stuff" Economy Is Falling Apart) (Sears reports 3Q loss)
当局による景気の粉飾は、この3年ほど、米国と日本で行われている。これは米日のQEの時期と重なっている。QEはもともと、リーマン危機後、蘇生しない米国の債券金融システムの生命維持装置として、債券を買い支えるために行われていた。だがQEは、副産物としてゼロ金利の金あまり状態を扇動し、この資金で株高や債券高が起こり、あたかも景気が回復しているかのような状況になった。当局は、正直に「株高はQEが原因です。景気は悪いままです」と言うべきだったが、株高は政権の人気取りに便利だし、政府への影響力を拡大(TPPのISDSが象徴)している大企業にとっても株高はうれしい。そのため、米日ともに、経済統計を粉飾して好景気が演出され、マスコミもこの粉飾に乗り、人々は簡単にだまされている。 (金融システムを延命させる情報操作) (揺らぐ経済指標の信頼性)
ここまでの説明だと、QEを恒久化し、永久にゼロ金利を続けるのが、株高や債券高につながって好都合な策になる。しかし、これはまさにバブル膨張だ。永久に続けられるものでなく、いずれバブル崩壊が起きる。最近、JPモルガンやシティといった米大手銀行が次々と、景気悪化や株下落の予測を出している。実際の景気は何年も前から悪いのだから、この予測は、株や債券が間もなくバブル崩壊して下落しますよという予測だ。 (JPMorgan Warns Of "Eye-Catching" 76% Probability Of Recession) (How Bull Markets End)
バブルが再崩壊してリーマン倒産のような危機が再来するなら、米連銀は対策を用意する必要がある。米連銀にとって最重要なことは、ドルの基軸通貨性と米国債の信用という、米国の経済覇権の原動力を守ることだ。利上げは、ドルと米国債の信用を守るために必要だ。米国債の信用が維持されれば、債券金融システムが再崩壊してジャンク債が「紙くず」になる際、資金は米国債に逃避し、米国債が守られる。すでにジャンク債市場は下落の傾向だ。 (Corporate debt downgrades hit $1tn worth of issues) (Money Is Becoming Unmanageable: Hedge Funds Post Losses, Face Outflows)
利上げによってドル高が維持されると、金融危機になっても、その影響は米国よりむしろ新興市場に先に出る。新興市場から資金が逃避して米国債などドル建て資産が買われれば、きたるべき金融危機で先に崩壊するのは、ブラジルや中国など新興市場になる。米国が利上げして日欧がQEを維持すれば、米国より先に日欧が潰れる体制にもなり、日欧や新興市場が防波堤になり、米国の覇権が守られる。 ("If The Federal Reserve Does Not Raise Rates Next Month, Then That Is The Biggest `No Confidence' Vote For The U.s. Economy, And That Is Going To Melt Down This Market.") (Why The Fed Has To Raise Rates)
米連銀が利上げするのは、米銀行界に利ざやを稼がせてやるためでもある。銀行の伝統的な儲けは預金と融資の間の利ざやであり、ゼロ金利策は利ざやを潰すので銀行の経営を圧迫している(代わりに、銀行の新規業務である債券や株の投資が儲かる)。格付け機関のS&Pは最近、米国の8つの大銀行をいっせいに格下げした。銀行は、バブル崩壊の危険だけでなく、ゼロ金利策の長期化による利ざやの縮小に直面し、経営が苦しくなっている。この点でも、米銀行界から連銀に「早く利上げしろ」と圧力がかかっている。 (S&P downgrades raft of US banks)
米連銀が12月16日に利上げするのかしないのか、それによって米金融界と世界経済に何がもたらされるのか。今回利上げを見送って、来春にまた騒ぐという選択肢もあるが、来年になると世界経済の不況がさらに深刻になり、ますます利上げしにくくなる。今回利上げして、何も悪影響が顕在化しない可能性もあるが、利上げは0・25%という小幅だろうから、今後さらに利上げを続ける必要があり、そうなると悪化する実体経済との乖離がさらにひどくなる。連銀は12月に利上げしても、数カ月内に景気の悪化を認めて再利下げやQE再発を余儀なくされるとの予測も出ている。 (Here Is The Complete Scenario In Which The Fed Hikes Rates, Starts A Recession, And Launches QE4)
多くのものが粉飾され、マスコミや当局の説明があてにならないうえに、一般の金融システムよりもさらに上位にある、人類の覇権体制を支えてきた債券金融システムの延命の話であるだけに、前代未聞で、先行きが不透明だ。今後の展開を見ながら、さらに分析していく。
12 14 (月) 松陰の妹・美和を主人公とした大河ドラマ終わる 花燃ゆ
美和の生きざまは兄・松陰の心に順ずるものであり、兄弟の育ては母の心の赴くところであった。 子どもの将来を子どもがこの方向に進むことがいいと目指すことを大事にして筋を通していた。
母の心の持ちようによって子どもの進む方向はマクロ的に見れば、こう言えるように思われる。 幼い時から玉木文之進の教育を受ける環境に恵まれたのは留意すべきことであった。
親思う心にまさる親心 けふのおとずれ何ときくらん
歳をとってきて多くの人に接し、人は親に似てくるということが実感されるようになった。 歳をとるにしたがってその感じは深まる。 若いときには一向に感じなかった。
すべての伝承は幼少期に無条件に親からうけとることと考える以外に、説明はつかない。
親に似ぬ子は鬼子 おやににぬこはおにご
教師の時代にはそれなりの深さで、この言葉を理解しまた信じていた。 だが、馬齢を重ねるうちに理解階層というものは実は幾重にもなっていたことに気づくことになった。
遺伝というのは、体質遺伝というだけのものではなかった。 ミトコンドリアの因子も遺伝に組み込まれていた。 大脳の旧皮質の遺伝伝承や新皮質の継承から始まって、遺伝的なものよりもむしろ自分を取りまくすべての外界から意識や無意識を含めてすべての環境から、五感を通して人は成長をつづけてきた。
人を形作ってきたもので遺伝的なものよりも、生命の初めから満三歳までの自己判断が始まる時期までの約四年間の幼児期こそ、その人の基礎的な方向付けが出来上がるというのが、こんにちの幼児期までの実証的事実として理解されるようになっている。
人の基盤は満三歳までのおよそ四年間、その間の環境すべての在り方いかんによって決定されているのです。
その中で一番中核となるものは子供を産んだ母親の提供するすべての生活観に左右されることになります。 すべての生活観の根底になっているものは、自分で産み育てた赤ん坊へのすてきれない愛なのです。 それは間違いのないことだと老生は思います。
赤ん坊のときは大部分のものを母親から獲得しています。 そしてそれらは自分を作り上げる大事な素材になっていたはずです。
私たちはNHKが提供してくれる映像を通して、人の生きざまをジィーと観つづけ、家族集団の中から命の行方を見つけ出してそれに向かって走り続ける姿を、まともに受け止めているのです。
七十才を過ぎたころから、自分の親が亡くなったころから親のありがたさをいろいろと気づき始め、自分がわが子や孫にとって喜ばれる生活をしたいと実感するようになるのです。
‘おもてなしの心’が生活上どういう意味を持っているのか、若いときには若いなりきに理解できる。 齢を重ねると齢を重ねた者としての、個人としての優しい言葉ながら素晴らしい倫理観として自覚したものになるものです。 ここには解説も何も必要はないし、吹聴する意味もないのです。