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折々の記 2015 ⑨
【心に浮かぶよしなしごと】

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  01 03 戦友   
  01 03 赤ちゃんの秘密(その一)   驚くべき生命力:本能

 01 03 (日) 戦友       

戦友
      http://chusan.info/kobore7/4113senyu.htm

「戦友(せんゆう)」は明治38年、まだ日露戦争が続いているときに作られた歌です。本来は、一人の兵士が出征後負傷して凱旋し、村長となるまでを歌った、極めて長い「学校及び家庭用言文一致叙事唱歌・戦績」という10編から成る唱歌の中の第三篇でした。

作詞者・真下飛泉(ましもひせん)には戦争体験はなく、のちに義兄となる木村直吉から、奉天(ほうてん・現在の中国東北部の瀋陽市)会戦の実情を聴いて作詞したと伝えられています。

戦友を失う兵士の哀愁を切々と歌い込む歌詞と、同じく哀切極まりない曲が人々の共感を呼び、たちまち全国に広まって永く歌い継がれました。戦前の日本でこの歌を知らない人はなかったといわれます。

唱歌「戦友」を軍歌という人もありますが、私は、唱歌「戦友」は軍歌ではなく、反戦歌でもなく、戦死者を弔う鎮魂歌だと思います。戦時中、軍部は出征兵士を送るときにこの歌を歌うことを禁止しましたが、この歌が絶えることはありませんでした。現在でも愛唱する人は多いと思います。

日露戦争というと遠い昔の出来事と思う方が多いでしょうが、私の伯父二人が戦場に赴き、ひとりは奉天会戦で戦死しました。日露戦争はチューさんにとっては身近な出来事なのです。

では、「戦友」全歌詞をご覧ください。

  歌詞の中の言葉の読みと解説

満州(まんしゅう) 現在の中国東北部。 軍律(ぐんりつ) 軍隊の規律。軍人は戦闘中に戦闘以外のことをしてはいけないとされた。 仮繃帯(かりほうたい) 繃帯を今は包帯と書く。応急の手当て。 弾丸(たま) 5音にするために「たま」と読む。 突貫(とっかん) 鬨の声を挙げて敵陣に突撃すること。 玄界灘(げんかいなだ) 福岡県北西の海。冬は風波荒いことで有名。 煙草(たばこ) 親御(おやご) 他人の親を尊敬して言う言葉。 一雫(ひとしずく) 一滴のこと。ここでは涙をいう。 行燈(あんど) 7音にするために「あんどん」をつづめた。行燈は木枠に紙を貼った囲いの中に油皿を置いて灯火をともす昔の照明器具。

戦友 は YouTube で歌を聴くことができます。
      https://www.youtube.com/watch?v=gH9W0oVCjRA

戰友
      戦友 (軍歌)
      https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%88%A6%E5%8F%8B_(%E8%BB%8D%E6%AD%8C)

01)ここはお國を何百里 離れて遠き滿洲の
  赤い夕陽に照らされて 友は野末の石の下

02)思えばかなし昨日まで 眞先駈けて突進し
  敵を散々懲らしたる 勇士はここに眠れるか

03)ああ戦の最中に 鄰に居ったこの友の
  俄かにはたと倒れしを 我はおもわず駆け寄って

04)軍律きびしい中なれど これが見捨てて置かりょうか
  「しっかりせよ」と抱き起し 假繃帶も彈丸の中

05)折から起る突貫に 友はようよう顏あげて
  「お國の爲だかまわずに 後れてくれな」と目に涙

06)後に心は殘れども 殘しちやならぬこの体
  「それじゃ行くよ」と別れたが 永の別れとなつたのか

07)戰すんで日が暮れて さがしにもどる心では
  どうぞ生きていてくれよ ものなど言えと願うたに

08)空しく冷えて魂は くにへ歸った、ポケットに
  時計ばかりがコチコチと 動いているも情なや

09)思えば去年船出して お國が見えなくなつた時
  玄界灘で手を握り 名を名乘ったが始めにて

10)それより後は一本の 煙草も二人でわけてのみ
  ついた手紙も見せ合うて 身の上話くりかえし

11)肩を抱いては口ぐせに どうせ命はないものよ
  死んだら骨を頼むぞと 言いかわしたる二人仲

12)思ひもよらず我一人 不思議に命ながらえて
  赤い夕陽の滿洲に 友の塚穴掘ろうとは

13)くまなく晴れた月今宵 心しみじみ筆とって
  友の最期をこまごまと 親御へ送るこの手紙

14)筆の運びはつたないが 行燈のかげで親達の
  讀まるる心おもいやり 思はずおとす一雫

口語訳

ここは故郷を遠く数百里離れた満州。ここに戦友は眠っている。少し前まで最前線で戦っていたものがここに眠っている。

そう、戦いのさなか、私の隣で友は撃たれ倒れた。私はすぐに抱き起こし、「しっかりしろ!」と声をかけた。軍法では許されないのかもしれないが、とても放っては置けず弾丸飛び交う中で手当をしてやった。しかし折しも“突撃”の声。友は「お国のためだ、行け。俺に構うな」という。やむを得ず放置したのだが、それが今生の別れとなってしまった。戦いが終わった夕方に、せめて生きていてくれと探しに戻ったのだが、友は既に冷たくなり、魂は国へと帰っていた。友は死んでもそのポケットの中の時計はコチコチと動いており、その音が虚しい。

思えば日本を離れ、玄界灘(をはしる輸送船の中)で互いに名乗り合った日から、煙草も分け合い、手紙も見せ合い、互いのことはいろいろ知り合い、いずれ死んだときは骨を拾ってくれと言い合った仲でもある。だが、不思議に自分だけが死なず、友の墓穴を掘ることになるとは。

この月夜、行灯の明かりを頼りに、君の最期について親族に細々と説明の手紙を書くにつけ、この書状を読むであろうご遺族の思いを想像してつらい気持ちである。

 01 03 (日) 赤ちゃんの秘密       

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① 赤ちゃんのヒミツ ~驚くべき生命力~ |地球ドラマチック ...
      tvmatome.net/archives/1079

2014/10/18 - NHK・Eテレの「地球ドラマチック」で赤ちゃんのヒミツ~驚くべき生命力~が放送されました。近年、赤ちゃんの研究が進み小さな体の中で起きていることが徐々に解明されつつあります。赤ちゃんは生まれてから2歳までの間に他のどの時期より ...

赤ちゃんのヒミツ ~驚くべき生命力~ |地球ドラマチック

NHK・Eテレの「地球ドラマチック」で赤ちゃんのヒミツ~驚くべき生命力~が放送されました。近年、赤ちゃんの研究が進み小さな体の中で起きていることが徐々に解明されつつあります。赤ちゃんは生まれてから2歳までの間に他のどの時期よりも成長し学びます。一生のうち最も大切な期間なのです。しかし、多くの人はその頃のことを覚えていません。

生きるための本能

母親のお腹の中で守られてきた赤ちゃんは生まれた途端に全てが変わります。産声と共に始まる赤ちゃんの初めて呼吸。酸素を取り込む場所が胎盤から肺へと移行する瞬間です。小さな体に起こる目に見えない変化を経て赤ちゃんは成長していきます。生まれたばかりの赤ちゃんはか弱く見えますが、小さな手足はかなり強い力で握ることができます。これは本能的な反応で把握反射と呼ばれています。人間がサルだった頃の名残かもしれません。赤ちゃんは本能的に人の顔を探します。生まれてから20分もすると相手の表情を真似るようになります。おっぱいを探すのも生きるために欠かせない本能です。ほんの少し頬に触れただけで唇をすぼめ、おっぱいを探します。

泣き声を使い分ける

赤ちゃんは泣くことで自分の意思を伝えることもできます。赤ちゃんの泣き声は声色も周りの注意を引くように完璧に調整されています。どのように泣き始めるかで何を求めているかが分かる場合もあります。疲れてむずかっている時は口を大きく開けるため「あー」という音で泣き始めます。一方、おっぱいが欲しい時は舌が口の上の方にくっつくため「ねぇ」という音から始まります。

特別な呼吸の仕組み

赤ちゃんはおっぱいを飲みながら同時に呼吸をすることも出来ます。気道の一部が大人よりも高い位置にあるからです。空気は鼻から肺へ、ミルクは口から胃へ。混ざり合うことなく届けられます。この仕組みのおかげで赤ちゃんは泳ぐ能力を手にしました。赤ちゃんは練習をすれば泳ぐことが出来ます。これは赤ちゃんに備わった能力の一つです。水の中に入ると赤ちゃんは反射的に鼻での呼吸を止めます。口を大きく開けても胃や肺に水が入ることはありません。這ったり歩き始めるずっと前から赤ちゃんは本能的に手足で水を蹴ります。母親のお腹の中と似ているからかもしれません。ただし、空気を吸えるよう大人が水から出してあげる必要があります。この能力が赤ちゃんの命を救うこともあります。ケイト・クーパーの息子サムは生後6ヶ月の時に海に落ちました。6分間も水の中にいたサムは助けられたものの瀕死状態でした。しかし無事に回復。身体的にも精神的にも事故の後遺症は見られないと言います。これが大人だったら助からなかったでしょう。肺に水が入らない仕組みになっている赤ちゃんだったことがサムが生き延びた理由の一つです。また極端な寒さもサムの復活を支えた理由でした。水中では酸素を取り入れられないため脳細胞が死に始めます。しかし厳しい寒さではそのスピードが遅くなります。赤ちゃんの場合、大人よりもさらに遅くなるのです。この特性は新生児の集中治療の技術に応用されています。赤ちゃんの体温を下げて脳の損傷を防ぐのです。

かわいさも戦略!?

赤ちゃんには常に世話をしてくれる大人が必要です。大人は赤ちゃんのかわいさの虜になります。可愛らしさは赤ちゃんにとって最大の武器です。大きな瞳に愛らしい口と鼻、広いおでこ。その姿を見ただけで心が和みます。ペットは赤ちゃんのこうした特徴に似るように進化したと言われています。人間がペットを無条件に受け入れ世話をしようと思うのは赤ちゃんに似ているからなのです。

焦点は20cm先

赤ちゃんは周りの世界をどう思っているのでしょうか?生まれてから2ヶ月間は赤ちゃんは周りの状況を理解するのに必死です。赤ちゃんの視界は二重になってぼやけていると研究者たちは考えています。まだ両目でとらえた情報を脳で一つにまとめることが出来ないからです。目の筋肉が強くなるまで赤ちゃんの目の焦点が合うのは顔から約20cmのところだと考えられています。これは赤ちゃんが母乳を飲む時にちょうど母親の胸がある場所です。大人が赤ちゃんに話しかける時に前かがみになったり、おかしな顔をすることで赤ちゃんの視界のズレは解消されているのかもしれません。

原色だけを認識

赤ちゃんは明るくてハッキリした色のおもちゃを好みます。中には大人の目には刺激が強すぎるようなものも。これは赤ちゃんの目がコントラストのハッキリしたものによく反応するからです。赤ちゃんは色彩感覚が十分ではありません。そのため最初は鮮やかな原色だけを認識します。微妙な色の違いを認識できるようになるまでには数年かかります。

音にはエコーが

一方、赤ちゃんの聴覚はかなり発達しています。生まれた時には内耳は完全な状態です。お腹の中で聞いていた音も分かり母親の声も認識できると考える研究者もいます。しかし、両耳から入ってくる音のわずかなズレを脳が処理できるようになるまでは、どんな音も小さなエコーがかかったように聞こえます。大人が高い声で同じ言葉をゆっくりと繰り返しながら話しかけると赤ちゃんが聞きやすくなると考えられています。赤ちゃんはかなり大きな音も平気です。お腹の中では母親の心臓の音が約90デシベル、スポーツカーのエンジン音と同じくらいの音量で響いていたからです。

脳は眠らない

生まれてから3ヶ月の間、赤ちゃんは1日に16時間寝ます。しかし、脳は眠っていません。赤ちゃんは大人の2倍近く夢を見ることが分かっています。夢を見ることでその日体験したことを脳が分析しているのです。また赤ちゃんの眠りは大人ほど深くないことも明らかになりました。眠っていても音を聞き、周りにいる人の気配を感じ取っています。赤ちゃんが眠るのは夜とは限りません。しかも眠りは長くは続きません。赤ちゃんにはそもそも暗くなったら寝て朝になったら起きるという感覚がないのです。しかし絶えず押し寄せる新しい情報を脳が処理するには睡眠が欠かせません。

順応性の高い脳

トーマスは生後3ヶ月の時に重いてんかんと診断されました。1日に100回もの発作を起こすため両親は片時も目を離せませんでした。検査の結果、トーマスの脳は腫れ上がり片方が歪んでいることが分かりました。薬では発作を抑えられなかったため手術で脳の一部を切除することに。赤ちゃんの脳は生まれて間もないほど順応性があります。脳の一部を切除したあと、残った部分をうまく機能させるには一刻も早く手術する必要がありました。トーマスは手術で脳の半分を失いましたが、後遺症が少し残っただけでした。手術以来、トーマスの発作はおさまり一家の生活は大きく変わりました。

大人より多い骨

柔軟な脳で周りの世界を理解し始めると赤ちゃんは次のステップに踏み出します。周りのものを探り始めるのです。この頃から赤ちゃんは様々な動きをし始めます。触る、食べる、這う、歩く、こうした動きを可能にするのが骨です。赤ちゃんの骨は大人よりも柔らかく、数も0歳では約100個、2歳でも約70個多くあります。例えば頭の骨は狭い産道を通れるように5枚に別れ変形できるようになっていますが、成長と共につながります。手首や足首などの骨は生まれた後に現れてきます。新生児には膝小僧もありません。膝の軟骨が骨になるのは数年後。転んだり歩く練習などの刺激を受けることで形成されます。

はやい成長

赤ちゃんは驚くほど速く成長します。体重は1年で約3倍に。身長は約1.5倍になります。急激な成長には莫大なエネルギーが必要です。それを支えるのが母乳です。母乳に含まれる脂肪は赤ちゃんの脳の成長に欠かせません。電線を覆う銅のように新たに結合した脳細胞を包み守ります。しかし、次第に母乳で得られるカロリーだけでは足りなくなります。生後6ヶ月の赤ちゃんは大きさは大人の10分の1ですが、必要とするカロリーは大人の3分の1です。離乳食を食べ始める時期、赤ちゃんはカロリーの高い甘いものを好みます。苦いものは生まれつき苦手です。母親が妊娠中に食べていたものは赤ちゃんも好きなようです。間もなく赤ちゃんは何でも口に入れるようになります。食べ物で遊ぶのは親にとって悩みの種かもしれません。しかし、最近の研究から赤ちゃんは汚く食べ散らかすほど学ぶのが速いことが分かってきました。固体か液体か、あるいはその中間か、区別する訓練になるためです。

学習する危機

周囲を探索する時期は危険と隣合わせです。触っても安全かどうかは試行錯誤しながら学んでいきます。しかし、中には本能的に避けるものもあります。多くの赤ちゃんは植物を嫌います。毒やトゲのある植物から身を守るための進化の結果だと考えられています。子供に葉物野菜を食べさせるのが大変なのもこれで説明がつくかもしれません。しかし生まれたばかりの赤ちゃんは動物を恐れません。何を恐れるべきかは経験や大人から学んでいくのです。

好奇心と行動力

旺盛な好奇心によって赤ちゃんは生後9ヶ月くらいになるとさらなるステージに踏み出します。這うことを始めるのです。赤ちゃんは大人を真似ることで多くのことを学びます。しかし這うことは別です。大人が這う姿は滅多に目にしないため、どう這うかは自分で考えなくてはいけません。そのため初めて這う時には様々なスタイルが見られます。多くの赤ちゃんは1歳をむかえるまでに標準的な這い方を覚えます。そして2歳になる頃には移動距離はのべ100km以上にも達します。自由に動けるようになった赤ちゃんは危険なことをしかねません。筋肉が増え、骨が硬くなってくると足で立つ時がやってきます。そして一歩あるき始めるともう後戻りすることはありません。

自我の目覚め

最新の研究から赤ちゃんは大人が思う以上にコミュニケーション能力を持っていることが明らかになりました。2歳頃までは体の動かし方を覚えるのに精一杯に見える赤ちゃんですが話すための準備も着々と進めています。赤ちゃんは母親のお腹の中にいる時から声を聞いていて、生まれてすぐに母親や家族の声を聞き分けられると考える研究者もいます。赤ちゃんのコミュニケーションは泣くことから始まります。やがて、より疲れない方法でコミュニケーションを取るように。笑顔です。赤ちゃんが笑顔を見せるのは本能によるものです。じきにクスクス笑ったり声を出して笑ったりするようになります。赤ちゃんは1日に約300回微笑みます。しかし人生は楽しいことばかりではありません。1歳半頃になると赤ちゃんは人生最大の発見をします。自分です。鏡に写る自分の姿を認め自我に目覚めると難しい局面が訪れます。癇癪です。世界が自分を中心に回っていると信じてきた赤ちゃんは次第に他人の気持ちをおしはかることを覚えます。人生において大切な能力です。

あらゆる言語を習得可能

大人は母国語を構成する音しか認識できませんが、生後半年の赤ちゃんは世界中の言語を構成するあらゆる音の違いを聞き分けると言われています。赤ちゃんはどんな言葉でも覚えられるように生まれてくるのです。言葉の習得は音ではなく形から始まります。赤ちゃんは言葉を覚える時に大人の口を見て、それをゆっくりと自分の口で真似します。一つの単語を話すだけでも70以上の筋肉を正確に動かすことが必要です。単語だけだったのが文章を話せるようになると赤ちゃんの生活は一変します。感じていることを言葉で直接伝えられるようになるからです。個性があらわれて視野も広がり本当の意味での人生が始まります。

② 育児の秘密 - Baby-Pro
      www.baby-pro.co.jp/morimoto/report/27/report-27.htm

1.赤ちゃんはぜんぶわかっている に移動 - 【 育児の秘密1 】 赤ちゃんはぜんぶわかっている. ことばを話すことも出来ない赤ちゃんですら、 親に対する想いは大人並みにあります。 いやむしろ大人以上かもしれません。 夫婦げんかをしていると、 隣の部屋で ...

  Baby-Pro REPORT(27)
  [ 育児の秘密 ]
  見えないものが見えてくる、ちょっと不思議な育児の話

   1.赤ちゃんはぜんぶわかっている
   2.気付くことの大切さ(息子の死)
   3勝ち負けより大切なこと
   4.子供のおかげ 
   5.親の都合でほめていませんか?
   6.子供だって癒されたい
   7.「あたりまえ」は不幸の言葉    8.自分らしく生きていく力
   9.わがままばんざい
   10.子供は親を育てる役割を持って生まれてくる
   11.登校拒否のもたらした贈り物
   12.子供にどんな背中を見せるか
   13.何があってもあなたが大切.
   14.風邪を分かち合いでなおす
   15.こどもの指しゃぶりが知らせるサイン
   16.親が引き出すこどもの力
   17.二つのなりゆき
   18.胎 話
   19.太陽と父、月と母、地球と子ども

      【 育児の秘密 1 】  赤ちゃんはぜんぶわかっている

ことばを話すことも出来ない赤ちゃんですら、親に対する想いは大人並みにあります。 いやむしろ大人以上かもしれません。

夫婦げんかをしていると、 隣の部屋で寝ていたこどもが 突然夜泣きを始めたりすることがあります。 親がイライラしていたり、 急いでいたりすると そんなときに限ってこどもが粗相をたり。。。 こどもは鋭い感性で、親の気持ちを感じとっています。 心がつながっているので、そのまま反映してしまいます。

親が育児に疲れ果てて、心が折れそうになっていると、こどももそのマイナスのエネルギーを一緒にかぶります。 そうすると、何が起こるのか・・・ こどもはマイナスのエネルギーを吸い取って浄化しようとします。 それが泣くことだったり、病気になることだったりします。 ぜんそくや皮膚炎などで悩んでいる ご家庭がありましたら、 一度、家庭の状況を振り返ってみてください。

パパが育児に手を貸してくれない。 おじいちゃん、おばあちゃんにすごく口うるさい人がいる。 仕事と育児の両立で、疲れきっている。

そんな状況があったなら、こどもは親を助けようとします。 その空間のマイナスエネルギーを一生懸命浄化しようとして 自らのからだに吸い込んで、病気にっなって膿み出しします。 皮膚炎で出てきた膿(うみ)は、家庭・人間関係の膿かもしれないと考えてみてください。

このとこを聞いてピンとこない方は、関係ありません。 けれど、ピンときた方は、関係があるかもしれません。だとしたら、あなたが気付いてあげることで、こどもも救われます。

つらいときに、こどもの泣き声を聞くと、 一層つらくなるかもしれませんが、 赤ちゃんはママの心がわかるから、 一緒にママのつらさを解消しようと泣いています。

こどもはほんとに天使なんですね。ありがたいことです。 ありがとう、ありがとうと言って抱いてあげてくださいね。

【 育児の秘密 2 】  気付くことの大切さ(息子の死について)

今日は、私がとても衝撃を受けたある実話に基づく エピソードをご紹介します。(死後の世界を信じていない方には不向きな話です。 ご了承ください。)

ある夫婦がいました。 こどもが欲しいと願っていましたが どうしても授かることが出来ず、長い間悩んでいました。

身ごもることが不可能と思われても こどもをあきらめられなかった2人は養子をもらい受けることを決心しました。 そうしてある男の赤ちゃんを家に迎え入れたとたん 不思議なことに母親は妊娠してしまいました。 夫婦は複雑な喜びを感じていました。

やがて生まれた妹とともに、 2人は仲良く大きくなりましたが、10歳を過ぎたある時、夫婦は長年の心の葛藤の末、 お兄ちゃんに養子であることを打ち明けます。 もちろんそのことで愛情になんの変わりもない確信のもとでしたが、お兄ちゃんはショックを受けます。

実の親に捨てられたショック、 親と思っていた両親が実は他人だったショック。 暴力をふるいだし、家庭は荒れ始めます。 夫婦は原因が自分たちにあるとして、自分たちを責めました。 お兄ちゃんは実の母親に会わせろと訴え、荒れ続けました。

そのうち、母親は意を決して話しました。 「あなたが二十歳になったら、  一緒に両親を探しましょう。 なんとしても必ず見つけ出すから それまでは私達と一緒に 暮らしてちょうだい」

必ずこの子を責任持って成人まで育て上げる。そして、この子の希望の通り、実の親の元に返す。 それが夫婦の決意でした。

そうして時が過ぎ、20歳の誕生日を迎えた日、 事件は起きました。 お兄ちゃんはその日の朝、バイク事故で命を落としてしまいます。

母親の落胆はひどいものでした。 こどもが出来ないことの葛藤からはじまって ずっと悩みの日々でした。

養子を迎える不安、 実の子を身ごもったことの自責の念、 血の繋がらない家族に潜む葛藤、 息子との約束を果たせなかった後悔。

「二十歳の約束の時をやっと迎えたのに、 なぜ神は、この子の命を奪い取ってしまったの?」

落ち込んだまま、泣き続けながら、 救いのない毎日を送っていました。

そんな中すがるように、生き方について学ぶ N・ウォルシュの講演に出向きます。 その講演の最後で、彼女は質問の機会を得ました。

「息子は、血のつながりのない家庭で育ち、 それでも二十歳になったら実の親を見つけるという 希望を頼りに、一生懸命生きてきました。

それなのに、なぜ彼は命を絶たれてしまったのでしょう。 あんまりです。彼にはなんの救いもありません。 私は何も信じることが出来ません。」

講演者は、しばらくの沈黙の後、あの世のスピリットからインスピレーションを得て、アドバイスを始めました。(この講演者はチャネラーのような能力のある人です)

「彼は今、あの世で母親に出会うことが出来て、 とても幸せに暮らしています。 彼は、捨てられたのではありません。 両親は不慮の事故で亡くなっていたのです。

このお兄ちゃんは、最初から二十歳までこの世で生き、 家族の大切さを学び、そしてまた戻ってくる約束でした。

この学びにトライするにあたって、 彼のシナリオはあえて挑戦的でした。 そのために、特別な夫婦の協力が必要でした。 長年こどもが出来ずに葛藤した末、 「命の大切さに血縁は必ずしも重要ではない」 と気付いたあなた達夫婦が適任だったのです。

この離別と、養子縁組は必然のものだったのです。 そして、その様子を見ていたもう一つのスピリットがあります。 それが妹さんです。

彼女は、お兄ちゃんのこの世での学びが 二十歳で卒業となることを知っていました。

自分がサポートすることで、この家族を支えていきたい、 その使命感で、養子縁組の直後に、 あなたの胎内に宿ったのです。

今あなたは、亡くなったお兄ちゃんのことで 頭がいっぱいになっていますが、 心配して見守っている娘さんの眼差しに 気付いてあげてください。」

この母親は、それがその場の思いつきの アドバイスでないことがすぐにわかりました。 心の底からわき上がる愛しさと感謝の念が、 稲妻のようにそれが真実であることを知らせていたのです。

根拠があろうがなかろうがそんなことは問題ではありませんでした。 母親の心は救われたのです。

過去の苦しみが、すべて必要であったこと。 ひとつひとつがすでに報われていたこと。 息子のスピリットにとって、自分たちがきちんと役目を果たし、 最後の日まで努めあげたこと。そして彼は、 願い通りに二十歳の誕生日に親に出会えたこと。

この世の出来事は、すべて何一つ無駄なく営まれていることを、 心の底から悟ったこの母親は、過去の不幸も、 すべてがこの瞬間から感謝にあふれた人生にすり替わりました。

(このお話は、ニール・ドナルド・ウォルシュの本で読んだと思うのですが 著書名がうまく思い出せません。「神との友情」だったかもしれません。 育児に直接関係しませんが、スピリチュアルな視点で生活を振り返ると驚きの発見がたくさんあります。二ールの書いた「神との対話」は まったく宗教的ないやらしさなく、あっと驚く気付きをくれます。お薦めします。)

【 育児の秘密 3 】   勝ち負けより大切なもの

学校教育って、どうしても競争の原理から抜け出せないでいますね。 親も子供も成績がいいとうれしいし、まわりも認めます。

運動会は算数や国語の勉強とは違いますが、やはり競争です。 勝とうと頑張るのが勉強だし、勝てばうれしいです。

子どもの頃は勉強もスポーツも両方できる子も多く、 親は鼻高々です。

けれどそんななかで、ひそかにもっとすごい人がいます。 それは、勉強もできないし、 運動も得意でない目立たない子です。

実は、そんな子たちはやさしい子が多いです。 勝ち続けることを教えていると、やさしさは育ちにくいです。 負ける人のことは考えないからです。

常に負けることを体験し続けてきた子は、 負けることを受け入れるという ものすごく大切な経験を積み重ねています。

人は挫折によって成長するものですが、 生まれながらに、ずっとそれを強いられてきている子もいるわけです。

さらに、この目立たないけど優しい子と同じく、すごい人がいます。 それは、その目立たない子をやさしく見守っている親です。

この世の中の競争では、勝てる人は一握り。 ほとんどの人は負け続けです。

それがわかっているからか わかっていないからか、 「頑張れ」 「やればできるから」 と言い続ける親がいます。

頑張ってできる子はいいですね。でも、頑張ってもできない子もいるのです。 それなのに「頑張れ」と言い続けられると、子どもはつらいです。 いい子ほど親のために頑張るから 余計につらいです。 地獄です。

勝てる子の才能も素敵ですが、 負けても相手に「すごいね」と声をかけられる やさしい子も素敵だと思います。

そのやさしさは、負けても、けなすことなく愛してくれる親がいるから 子どもの中にはぐくまれるものと思います。

2500年前、お釈迦様は仏の世界には 四種類の人がいると言いました。

   一、知恵と慈悲を併せ持つ 如来
   二、慈悲の 菩薩
   三、魔から守る 明王
   四、一芸に秀でる 天

この天とは、 足の速い韋駄天や、 琵琶の名手の吉祥天、 お金儲けのうまい弁財天、 武力の帝釈天などですが、 お釈迦様は、この天について全く人格を問うていません。

つまり、ひとつなにか秀でたことがあったら 人は天になれる、仏界の住人であると言っているのです。

人は、かならず何か才能を持っています。 勉強はできなくても、いつも笑っていられる人は 受付係にぴったりです。 いつもゲームばかりしている子は、 その集中力でプログラマーになれるかもしれません。

いつも暗くてさびしい顔つきの人は、 葬儀関係の仕事をそつなくこなせるでしょう。

おさなくして重病に侵される子どもは 命の大切さを知らせるメッセンジャーかもしれません。

人のたましいは、一つの宇宙がジグソーパズルのように 分離してできたもの。だから分け御霊といいますね。

誰一人として無駄な人はいません。 一つのピースも欠けることはできません。

かけがえのないピースだから、 この宇宙の叡智が詰まった人間という 最新鋭の生命ツールを与えられているのです。

生きているだけで、私たちはすごい存在です。 この命の大切さを知れば、勝ち負けなんかどうってことありませんね。

やさしさを大切にして生きていければ 笑顔を忘れずに暮らしていけば たくさんの人に愛してもらえるでしょう。 その方が、ずっとずっと大切なことですね。

「うちの子は賢くはないけど、優しい子でねぇ」 それで充分、最高です。

  【 育児の秘密 4 】 子どものおかげ

ゲリー・ボーネルという心理学者・哲学博士の話です。

ある時、近所の子どもたちが集まってきたので、 イラストの得意だった博士は、たくさんのキャラクターを描いて みんなで色塗り遊びをさせていたそうです。 どの子もとても喜び、それはそれは無我夢中に色塗りに没頭していました。

その時、かたわらから子どもの様子を見ていたあるママが、 博士にこう話しかけました。

 「うちの子は、家にいるとぜんぜん落ち着きがなくて  こんな風に色塗りに夢中になったことなんかないのに  一体何を教えてくれたんですか」

博士は答えました。

 「私は子どもたちにこうしなさい、こうして欲しいという 期待を一切していないだけですよ。  ありのままの子どもたちで受け入れているから、子どもたちが本当の姿を見せてくれているのです。」

多くの親は、子どものことを心配します。 そして期待します。 当然ですよね。

当然なんですが、実はここに落とし穴があるようなのです。 親子は見えないベールでつながっているものなので、 親の心配が子どもの行動にフィルターをかけてしまいます。

親が忙しい時に限って熱を出したり、 イライラしていると、おもらしを繰り返したり、 夫婦喧嘩をしたら、夜泣きが始まったりと、 子どもの心が、親の心とつながっていることを 感じさせることが頻繁にありますね。

親が心配すると、子どもはなぜかのびのびと 遊べなくなります。 親がうまいお絵かきや、上手な片づけを期待すると、 子どもはなぜか面白くなくなります。 子どもも親も、原因が何なのか分かっていませんが、 うまくいかないというジレンマだけが残ります。

親は子供を心配するのが愛情と思っていますが、 あいにく勘違いのようです。

子どもたちの描く絵がどんな芸術家にも まねできないことからわかるように、 子どもたちはすばらしく自由で創造的なのです。

しかし、親が心配するほどに、 期待するほどに、 敏感な子どもたちは、それに応えなければと自由を手放していきます。 親の顔を見て、親の喜ぶことを選んで動くようになります。 よい子ほど、親の言うことをよく聞くでしょう。けれど、それは子どもを信じていない親の副産物です。

みんな意味と目的があってこの世に生れてきます。 子どもの素晴らしさと生命力を信じていたなら、 子どもを心配することはありません。

信じて受け入れる。 思うようにいかなくても、 信じて待つ。

離乳やおむつ外れなども、 試しに一切の心配と期待をやめてみませんか。 いえ、決してそのことで、離乳が早くなるとか おむつが早くとれるとかいう話ではないのです。

ただ、子どもに暗黙のストレスをかけることなく、 自然体で日々をすごすことで、その子に必要なタイミングで 成長が進むということです。

親に小言を言われ続けて 離乳やおむつが取れた子よりも、 時期は遅れても、信じて認められて育った子どもの方が幸せですよね。

おっぱいがやめられなかった人はいません。 障害がない限り、おむつが取れなかった人もいません。

絶対、大丈夫なんです。 お父さんが出張でいない数日、家庭が落ち着いていたとか、 ママがいなくても子どもたちが、きちんと留守番できてびっくりしたとか 経験ありませんか。 それが心配や期待のフィルターがない時の子どもの本来の姿だったりします。

ひとつ注意があります。

心配や期待を、我慢して言わないだけだと、 何の効果もないということです。 親子の心はつながっているから 言わなくても思ったら伝わってしまいます。

子どもの不登校の例でお話しします。 学校に行くように迫ると 逆効果なのはよく知られていますが 学校に行ってほしいと願うだけでも だめなのは、あまり知られていませんね。

不登校は最初のきっかけは別でも 親の不理解でこじれることが多いのです。 そこに至った時間の分だけ、 しっかり時間をかけて問題を解きほぐし、 親の側が心から子どもを受け入れて、 期待を手放したとき、ようやく不登校は 解決への一歩を踏み出せます。

私自身、子どもが幼稚園の時に ずいぶん問題が生じました。けれど、親の側の覚悟が最後は 解決のキーだったことを思い出します。

親が心配ごとで悩んでいる時やイライラしている時、 子どもは親のマイナスエネルギーを吸って 浄化しようとします。

親が情緒不安定だと、子どもは共感することで 和らげようととするので それで夜泣きが始まったり、 おもらししたりします。

夫婦喧嘩が絶えないと、吸ったマイナスエネルギーを 体外に発散するために発熱したり発疹がでたりします。

こうした子どもの愛情表現は 胎児の時点から始っていると 先のゲリー・ポーネル博士は分析しています。 言葉は話せなくても、子どもは愛情のかたまりなのですね。

このことを知ってから、 子どもに感謝する気持ちが芽生えました。

「生まれてきてくれてありがとう。

 わがままな親で、 いろいろ迷惑かけてるけど、

 支えてくれてありがとう。

 親だからって、 子どもより愛情を持っているわけじゃないね。

 子どもの愛情で 親は生きていけるのかもしれないね。

 おかげさまです。 ありがとう。」


ゲリー・ボーネル博士は、心理学の世界を超越して、宇宙の真理の追究に尽力した方です。そこで見つけた発見は、私たちの生活を一変させるほどのパワーを持ちます。あまり一般的ではないけれど、不思議大好きな方にお薦めします。

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【 育児の秘密 5 】  親の都合でほめていませんか 

こどもが、いろいろなことが出来るようになると親もうれしいし、ほめてあげたときの こどもの笑顔は育児の最高の楽しみでもあります。

ただ、気を付けないといけないことがあります。

泣かずにがまん出来たら 、ほめてあげる。 わがままいわずにおとなしくしていたら 、ほめてあげる。 親のいうことをきちんときいたら 、ほめてあげる。

確かにほめてあげたくなりますが、 実は親に都合の良いことばかりで、こどもには達成感がないかもしれません。

たとえば、こどもがパズルをしたいと言い出して、 初めての挑戦でちゃんと完成させた、とします。

こどもは自発的な挑戦で、達成して、 それを親がほめてくれたのですから、 最高の自己肯定ができます。

けれど、親が早期教育の一環で無理やりパズルをやらせて、 しかたなくこどもが完成させて親にほめられたとき、 自己肯定感は得られるでしょうか。

こどもは、ほめられたい一心で、 もっとパズルが上手に出来る子になるかもしれません。

でも、それでこどもは幸せなのでしょうか。

「何でもできる子になるのは、 この子の将来のために大切なこと。」 といかにもこどものためと理由付けをすることは簡単ですが、 本当は親のエゴで、こどもの意志でないことがたくさんあります。

器用なこどもに育てていませんか気の利くこどもに育てていませんか親の顔色をうかがうこどもに育てていませんか。

こどもの心に一番必要なのは、 「今のままで、大好きだよ」 という肯定の気持ちです。

出来ないとほめてくれない、というのは、 今のままでは認めてくれない、という 自己否定の上に立っている育児なのです。 価値観の押しつけにもなります。

度が過ぎると、こどもは「自分」を 隠さなければならなくなります。 それはつらいことですね。

おとなしくて、誰が見てもよい子だったのに、 大きくなって、キレてしまうこどもがいるのは それだけ親に気遣う優しいこどもだったのに 疲れ果ててしまったのです。

「今のままで、大好きだよ」

という気持ち見守られたこどもは、 ストレスなく、 自分の意志・発想で動けます。

親に認められていると実感して育ったこどもの心には「まごころ」が育ちます。

「まごころ」が人生の基盤です。お勉強は、その後でいいのです。

「大好きだよ」って、言い続けるのは なんだか照れくさいというパパがいたら、 「かわいいね」というだけで大丈夫ですよ。

「かわいいね」って言ってあげるだけで、 こどもは自分の力で、自分なりのベストのタイミングで、 確実に成長してくれます。 親は余計なこと言わずに 見守るだけでいいんです。 信じて見守るだけで、いいんです。

【 育児の秘密 6 】 こどもだって癒されたい 

こどもも、保育園・幼稚園・小学校・中学校と、 だんだんと社会の中で自分の立位置を築き上げていきます。

友達とも競争に追い立てられますし、 先生の何気ない言葉にも気持ちをゆらしたりして、 ストレスなく過ごしているこどもは少ないでしょう。

そんな中で、家庭の役割は、 躾(しつけ)や勉強ではなくなってきています。

保育園に通う子供たちは、 家族と過ごす時間よりも、 園にいる時間の方が長くなったりします。 小学校の中学年以降はみんなそうでしょう。

様々な挑戦をして頑張ってるこどもたちは 家に帰ってほっとしているはず。

その家庭で、厳しい躾や、家庭学習が待っていたら こどもはどこで息を抜けばいいのでしょうか。

家で、だらしなく過ごしていたり、 わがまま放題過ごしていても、 闇雲に叱るのはよしましょう。

外の世界で、一生懸命、自分作りに取り組んでいる 子供たちは、家に帰って、心の傷を癒しているのです。

家庭は、自分の欠点をさらけ出せるところだと こどもたちに知らせましょう。 安心して素の姿で過ごせるところにしてあげましょう。

親の側に受け入れ体勢があってはじめて、 子供たちは外の世界で実力を発揮出来るようになるのです。

親なんだから、こどもに躾をきちんとしなければ、とか 勉強が遅れないように頑張らせなければ、と 気負ってしまうと、親も子も家庭に居場所を失います。

理想的な母親であることを、 立派な父親であることを 無理に演じなくてもいいのです。

こどもにも「いい子」を演じなくていいようにしてあげましょう。 みんなが、互いを思いやり、 ほっとできる空間が作れれば、 他のことはたいした問題ではありません。

「そうは言ってもなぁ・・・」と、どうしたらいいかわからない時は「今からかける言葉が、この子への最後の言葉かもしれない」と考えてみましょう。

東北の大震災もありました。 明日も家族みんなが生きていることは何も約束もないという事を あの震災は教えてくれました。

怒鳴る言葉が、この子への最後の言葉となりませんように、

学校教育の現場で検証済みの親野先生のアドバイスは、とても実践的で、しかも愛に満ちています。目からうろこのアドバイス満載。

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【 育児の秘密 7 】  「あたりまえ」は不幸の言葉

「ハイハイばかりで、なかなか歩けない」 「もうすぐ3歳なのにおむつがとれない」 「好き嫌いが激しくてこまっちゃう」 親は、なにかと心配の種が尽きませんね。

でも、ほとんどは心配いりません。

ハイハイが遅れてても、ちゃんと首もすわったし、 寝返りも始めました。 ハイハイは全身運動で、体を鍛えるのには最高の運動です。 おむつがとれる時期は、こどもが自分で決めます。

親が急ぐから困るのであって、一切の期待をせずに待ってあげれば、ある時突然、卒業の時がきます。

好き嫌いで死んだこどももいません。 私自身、野菜も肉もだいっきらいで、 小学生まで、ご飯と具なしの麺類と お菓子で育ちました。 我ながらあり得ない、 と思うことですが、健康そのものでした。 中学から、嘘のように偏食は姿を消しました。

出来ないことを悩むより、 出来ることを喜びましょう。

手や足があることは、ありがたいことです。 体重がきちんと増えてるなら、ラッキーです。 親の顔を見て、笑ってくれるなら幸せですね。

「あたりまえ」に出来ることをいっぱい書き出してみてください。

   ・手が2本、足が2本あるのはあたりまえ
   ・背が伸び、体重が増えるのはあたりまえ
   ・お話しが出来るのはあたりまえ
   ・こどもが走り回るのはあたりまえ

「あたりまえ」という言葉は不幸の言葉。 全部、幸福の言葉「ありがとう」や 「よかった」に 変えていきましょう。

   ・五体満足でありがとう
   ・背が伸び、体重が増えてくれてありがとう
   ・お話しが出来るようになってよかったね
   ・走り回れてよかったね

こんな風に感じて、見守ってくれる親がいたら こどもはどんなに楽しくて、うれしいでしょう。 わくわくしちゃいますよね。

【 育児の秘密 8 】  自分らしく生きていく力 

  子ども用品を扱う仕事なので、小さなお子さんを連れたご家族様に対面しますが、

   「うちの子は幼稚園だけどもう漢字が書けるんです」
   「九九が言えるんです」
   「英単語をいっぱい覚えました」

そんな親御さんの話を聞いていると、そばにいるあどけない表情の子どもたちに、思わず「たいへんだねぇ」と無言の苦笑いを向けてしまいます。

早期教育当たり前の時代で、ママもパパもみんな一生懸命ですね。それは決して悪いことではないと思います。

けれど、学力だけで、将来が約束される時代ではとっくに無くなっているので なぜ勉強させるのか、何を勉強させるのか、 何が大切なのか、何が優先されるべきなのか親も見えなくなっているような気がします。

「とりあえず、勉強しておけばなんとかなるのだ。」って感じでは、子供もやる気が出ないでしょう。

子育てに熱心な家庭は真面目な家庭です。けれど、真面目な家庭ゆえの恐さもあります。

親は、子供の気持ちを考えて、子供に選択をさせているつもりでも子供もまた真面目なので、いつも暗に親が喜ぶだろうことを選んで行動したりします。

親は素直な子だと喜んで、楽に育児をしていきますが、 子供は実は自分で選んでいないのです。そうした子どもたちは、ずっと親に押し付けられた価値観で生きていきますので、 ある時、それが上手くいかなくなったときに、一気に崩れます。

そんな子が、ひきこもりとか、ニートになっても責められないですよね。 親の言う通りにすることは教えても、 自分の力で生きる方法を教えてあげてないのですから。

私は思います。

親が子供にしてあげなければなければならないことは 自分らしく生きていく力を育むことではないかな、と。

そのためには、たとえ小さな子供でも自分なりに選ばせて、 挑戦させてあげるチョイス&トライの積み重ねが大切になります。

子どもにさまざまな習い事をさせて、お受験させて、線路を引いて 「子どものためだから」というタテマエで、 実は無意識のうちに自分のエゴを押し付けていなか、 親は気をつけなければと思います。

親のエゴが働いているときは、子どもが自分で選ぶことは都合が悪くなります。 他の子ができて、自分の子ができないことは見過ごすことができません。

信じて待つことは、落伍者を作りそうで、あせります。

こうした親の勘違いの根本に、「命」の考え方の違いがあることを見出しました。

子どもは全くのゼロから始まった存在で、 未熟で、無知で、 親が教えてあげなければ何もできない命なのだ、という誤解です。

私が見出した大切なことは、私たちの命の本体は、 肉体に宿っているスピリットであること。

そして、そのスピリットには、見えない糸でいくつのもスピリットが繋がって活動しているということです。

子供のスピリットと母親のスピリットとのつながりはとても深く、また父親やその他の家族、親戚、やがて出来る友達、成人してから出会う仲間、上司、部下、 恋に落ちる相手や結婚相手とまで、 生まれた時からすでに繋がりを持ってこの世に生まれるように感じます。

それらは時間や空間を超えて繋がり、この世にいないスピリットとの繋がりもあります。過去のスピリットであれば前世と言ったり、 未来のスピリットであれば未来世と呼ぶ人もいるでしょう。スピリチュアルな世界で出てくる守護霊、指導霊といった存在も スピリットの繋がりです。

人類が計ったように以前の人類より文明を発展させて オリンピックでも記録を更新し続けられるのは、その分野で繰り返しトライしているスピリットとの つながりがあるからと思います。

ゼロから始まるのではなく、子どもは母親の体に宿る以前から、すでに自分のスピリットのテーマを持ち、それに必要な他のスピリットとの繋がりを持ち、さらなる挑戦のために一番手助けしてくれそうな親のところを選んで生まれてくるのだと思います。

親も子供が生まれる前までは、なんとか無事に産まれて欲しいと、 二本ずつの手足があって、五体満足に産まれてくれれば それでいいと思っていたはずです。

そんな親をうれしいなと思って子どもは選んできてくれたのに生れてみれば、あれもしろ、これもしろ、 続けなきゃだめだ、やめたら台無しだ、と いったい何がなんだかわからなくなってしまいます。

子どもたちには、使命があって、子供のころは親の鏡として暮らします。 親の言うことを信じて、親がよろこぶことを一生懸命します。

親の一喜一憂に同調して、心を沿わせて育ちます。

けれど、それも思春期前まで。 思春期を迎える頃には、自分自身のスピリットのテーマが発動し始めます。

それでも親は子供の変化に気が付かず、 今までどおりに、親のペースで暮らそうとしたりすると子供の心の中で「ちがう! こんなことのために生れてきたんじゃない! わたしのことをちゃんと見て!」

と訴えはじめます。そのうち、とうとう心が爆発することもあります。 思春期に心を爆発させてしまう子供というのは ほんとうは優しい子です。

そして人一倍繊細だから、傷ついて、でも、どうしたらいいかわからなくて いい子にしていた分、激しく壊れてしまいます。

特に男の子に気をつけてあげましょう。 家庭内暴力やひきこもりの大半は男の子です。

ママは、男の子には入れあげてしまいがちです。 ママのペースにどっぷり漬け込んでしまうことがあります。

男の子は陰陽の陽。プラスのスピリットですから、 どんどん外に向かっていく挑戦する強さを育むのが本性です。 信じて見守る女性の陰の受容性が男の子の陽のエネルギーを強め、自らを正す真の心を育みます。 制限して囲いこんだら萎縮して自分を見失ってしまいます。

パパは概して女の子に甘すぎますが、 女の子はパパと距離をおくのが上手ですし 同性のママからしっかりしつけられることが多いので、あまり心配はいらないようです。

こんなことも考えます。

親が、例えば1000のスピリットのつながりを持つとして、その子供が、2000ものスピリットの繋がりをもつこともあるかもと考えます。 そんな子供はしっかりもので、親が足を引っ張らなければ しっかり信じて守ってあげれば、そけだけで立派に育ちます。

「なんだかうちの子、私よりしっかりしてるなぁ」と感じることありませんか。

習い事をさせるのが悪いといっているのではないんですよ。いろいろさせてみてあげて、チャンスをあげて でも子どもの意思を最大に尊重する。

子どもも、自分の人生のテーマに必要な要素であれば 不思議と頑張れます。自由意思を尊重してあげてください。

エジソンもアインシュタインも、知的障害と言われ、 普通の勉学には馴染めませんでした。けれど、彼らにとっては、普通の勉強は必要なかったのだとも言えます。まともに学校に行けなかったからこそ、得られたものがあります。

そのスピリットが数限りないスピリットの繋がりの中で導かれ、 育んだものが 「才能」というものとなって花咲きます。

親が、自分の気持ちを大切にしてくれているとわかれば、やみくもな反抗心で嫌がることはなくなります。 幼児でさえも慎重に考えます。

レディーガガも大変に個性が強い子で、世間に馴染めなかったようです。 世間は彼女を否定し、いじわるもずいぶんされたようですが、 親は「あなたはあなたのままで最高なのよ」と絶対的に彼女を信じて支えたことが、今の彼女を形成しています。

信じてあげることが子どもの本来の底力を引き出してくれます。 親は、この子がテーマにしてきた内容はわかりません。 子どもも、生れたらすべて忘れることになっているのでわかりません。 ですが、

    「なぜか頑張れる」
    「泣いても、決してやめるとは言わない」

ことなどで見つけられます。

そうしたものを地道に発見してあげるサポート隊がママとパパの役割です。 そのスピリットのこの世での役割は、この世の仕組みが ちゃんと采配してくれていますから うろたえる必要はないのです。

邪魔をしなければ自然ななりゆきが道を示してくれます。

うちの子供は、3人ともがことごとく習い事がバラバラですが それぞれ自分で選んでいるので嫌がるということがありません。 (あまりありません、程度にしときましょうか^^)

考えたら「習いごとを嫌がる子どもを、しかりつけてなんとか送り出す」 ということをしなくていいというのは親にとってかなりストレス軽減になります。

小学生の息子は週のほとんどをスイミングに費やしていて、いつもくたくたになって帰ってきますが、ふとある時に 「お父さん、お母さん 僕をスイミングに行かせてくれてありがとう」と 妙に大人っぽい声で唐突に言いました。

びっくりするとともに、ああ これがこの子のスピリットの声なんだと感動しました。

・・・最後、親ばか話になってごめんなさい。

ブログで紹介した上記の記事を読んだママさんから、 「子供が練習に通っているスイミングをやめたいと言いだして どうしたものか、、、健康のためにも続けて欲しいけど、 子供の意思も尊重したいし、、、」と悩んでいる様子のコメントを頂きました。

途中でやめることは良くないという親の良識もあるでしょう。 何でも子供のいいなりになっていたら、だめに子に育ててしまうかもと親の責任も感じるでしょう。

人には実にいろいろな学びがあります。 親は、将来困らないように転ばぬ先の杖で、いろいろなことを早くに学んで欲しいと思うものです。

けれど、人が学ぶ、本当の意味で腑に落ちて身につく学びというのは、自分本人が本当に困った時に出来るものなんだろうと思います。

英語や数学が出来なくて困る人もいるかもしれませんが困らない人が大半てす。

スポーツをやって健康な体を作らなかったことで困る人もいるかもしれませんが、ぜんぜん困らずにそれなりに一生を終える人も少なくありません。

病気になって、初めて健康の大切さに気付く人も いていいんだと思うんです。

病気というのは、大きく二つの意味があると思います。

ひとつは、この命に区切りを付け、あの世に帰還するためのもの。

もうひとつは、そのタイミングで学ぶべきことに気付かせるギフトです。

ないがしろにしてきた体へ反省を促すためのものだったり、 好きでないことを自分に無理強いしてきたことを気付かせるものだったり、 家族のありがたさを再認識する機会だったり、 時には病気に臨む医師たちの意識をかきたてるものだったり。。。

後者ならば、その学びを経れば、必ず快方に向かいます。

まちがって、病気で死ぬことなどないのだろうと思います。

人は、そのスピリットが予定していた課題にトライして、すべての予定を通過して、終点で命を手放す。たとえ、幼児の死であってもそうです。

ちょっと大げさな話になってしまいましたが、 子供の健康を思ってスイミングをさせたいと思っても、この子のスピリットが健康について本当に学びたいと思ったら、それでも病気をしたり、怪我をしたりするでしょうし、 健康についての学びが人生の課題になければ、 健康に気を付けようが、気を付けまいが、この子は病気も怪我も、さしてしない人生を送るでしょう。

親が「このこのために」と思っても、それがこの子の持って生まれたスピリットの課題に必要ないことであれば、やめたいと思うでしょうし、やめて何の心配もいらないどころか障害をひとつ取り除くことにさえ、なるかもしれません。

人は、病気や苦労は避けるべきものと考えていますが、 人のスピリットは、その体験や苦労で学びたいと とても勉強熱心で前向きな気持ちで この世に生まれてきているのです。

その感覚は、苦労させたくない、 困ったことがないようにさせたい、という親の感性とは、だいぶ異質なものです。

人のスピリットの望むもの、学びたいと思っていることは親子でも、兄弟でもみんな違いますから、わかりません。

わかったとしても、その学びは、苦労ととともにもたらされるので苦労しないように、防波堤を築くことは、その子の学びの阻害にさえなります。

といっても、もし親が阻害するような行動をとったとしたら、それもまた学びの仕掛けで、子供は自分が親になった時に自分ならどうするか、選択を鮮明にする糧となります。 反面教師というものですね。

子供がスイミングをやめたいと言ってきたときに、その子の意思を大切に思って、やめさせてあげるのも、この子にとっては、 「自分を信じて、大切にしてくれている」と、気付かせる良い機会になることもあります。

この子に、厳しい練習に耐えて、 乗り越えて獲得する学びの課題があるなら、やめても、やっぱりまた「もう一度、習いたい」と、言いだすこともあるでしょう。それはそれでいいのです。

何度も、そんなことを繰り返し、何一つ成し遂げられなくて後悔する時が来たならば、その時が学びの時なのです。 自分の行いに反省するでしょうし、都度、自分を信じて好きにさせてくれた親に感謝するかもしれません。

どう転んでも、学びが待っています。そういう意味で、失敗はないのです。

ですから、親として間違えないようにしなければと あまり自分を責める必要もありません。

失敗があったから、得られたものが必ずあるので それは失敗ではないと気付けるはずです。

それも必然だったと受け入れた方が、人生は好転します。 失敗こそ、ギフトであると感謝出来れば人生の達人になれます。

最後に、これらの判断時に大切な心がけとしては、 「子供の心に寄り添う」ということです。

幼児教育では、「過干渉」は「無関心」と同じであるといいます。それは、一生懸命子育てしているつもりでも子供の心を読もうとしていない、くみとってあげようとしていなければ無関心の放任と同じである、という考え方です。

「何があっても大丈夫だから、放任しましょう」というのではないのです。この子の想いに寄り添って、大切にしてあげる、その想いが親にあれば、必ず子供は親を裏切りません。

このママさんは、悩みつつコメントを寄せてくれたと思いますが その行動だけでも、子どもへの想いが強く感じられます。 何も心配いらないと感じました。

すぐ見える結果・効果じゃなくて、この子が大きくなったときに「ママがママで良かった」と言ってくれる行動を考えてみましょう。このママさんなら、悩んでも、最後にはそれが出来るはずです。

「信じて、見守る」その、女性ならではの母性愛が、 自己肯定感を高め、責任感のあるお子さんを育てます。

【 育児の秘密 9 】  わがままばんざい

子供がわがままで困るというのはよくある話ですね。 お菓子ばかりでご飯を食べてくれない。 欲しいおもちゃを買ってくれないといつまでも泣いている。 ママを困らせるようなことばかり要求する。

でも、見方を変えるとこの子は「すごい子」なんです。 親が叱っても怒っても、泣き続けて自分の意志を出張できるんです。

手に入れるためには、 怒られるとわかっていてもがんばるのです。

この子は、うまく育っています。 だってこの子は親を信じているのです。 必ず自分の話を聞いてくれる、 願いを叶えてくれる、と信じているから 泣き続けられるのです。 困らせ続けられるのです。

いわゆる「いい子」は、親を困らせません。 でも、ひょっとしたら、親を信じていないから あきらめているのかもしれません。

ひょっとしたら自分に自信がないので、 言い出せないのかもしれません。 そんな「いい子」はかわいそうですね。

親を困らせる子は、素敵です。 信頼している人にしか、 この激しい感情はぶつけられないものです。

この信頼に応えてあげましょう。 お菓子やおもちゃをいくらでもあげてというのではありません。 だめなものはだめだけど、 「困ったものだ」思うんじゃなくて 「この子、頑張ってる」って思ってあげるだけで 子供は安心してわがままが言えます。 困らせる子供ほど、しっかり育っています。

そしてあなたも、その信頼に 必ず応えられるしっかりした親なのです。 親子は鏡で、必ずバランスしています。

自分を信じて、 そして子供も信じてあげてください。 今日もわがままをありがとう。

【 育児の秘密 10 】 こどもは親を育てる役割を持って生まれてくる 

子供は親が育てるものと思っていましたが、その発想がそもそも違うような気がしてきました。

人は子供を授かった瞬間に親の立場になりますが、 子育てはぶっつけ本番で学びます。

大人になれば子供が育てられるはずというのは大きな幻想で、 なにもわからずに「親になってしまった」というのが本音でしょう。

どうして、くたくたになって「やっと寝られる」と思ったときに赤ちゃんは泣きだすのでしょう。

どうして夕方や週末など 病院が開いていないときに子供は熱を出すのでしょう。

仕事が忙しくてたいへんなときに、 子供は不登校で親を困らせるのでしょう。

実は子供たちは、親にたくさんのことを勉強する機会を与えてくれます。 私達はほんとうに困らないと腰を上げません。やり過ごせないようにタイミングを合わせます。

だから「よりによって」というタイミングで問題が起こります。 偶然じゃないんだ、と気が付くと、なるほどと腑に落ちることがたくさんあるはずです。

そして、困ったことを起こしてくれる子は、 身を犠牲にして親に尽くしてくれている子なのです。

うちの子は時々原因不明の病気になって苦しみ、 病院にかかっていました。 先日も大切なイベントで夫婦とも大忙しの時に インフルエンザで入院しました。

今となっては、なんの病気なのかは問題じゃないとよくわかります。

ある時は、今の状況に感謝が足らないことを知らせてくれました。 ある時は、困ったことにどう対処していくか親の側の覚悟をが試されました。

親が親としての智恵をひとつ身につける都度、 子供も病気の苦しみから解放されました。

子供には 「親の学びのために病気になる」 といった自覚は全くないでしょう。

けれど、そのあどけない表情の奥のスピリットは、 家族への愛情にあふれている様に感じずにはおれません。

育児に翻弄されて、くじけそうなママさんパパさんに 子供たちは全身で愛情を表現していることを改めて感じて欲しいと思います。

何があっても、子供は親の鏡。 一緒に学び育つための素材を、現象を、 招き寄せてくれる天使のような存在なのです。

ありがとう ありがとう 子供たち。

【 育児の秘密 11 】  登校拒否のもたらした贈り物

心理カウンセラーの衛藤先生が講話の中でこんな話をしてくれました。

(衛藤先生)
子供が学校に行かない、登校拒否の家庭なんか見ても子供が学校に行かないことを除けば、いい家庭になっていること、多いんですよ。

ある家庭、いつも午前様だったご主人が、きちんと早く帰って奥さんから子供の話を聞くようになりました。 子供の登校拒否で、夫婦の会話は3倍から4倍に増えます。こんなに子供の教育のことで、真剣に話し合ったことなかったね、ということになります。

その奥さんが話してくれました。

「衛藤先生、うちの主人は教育に関心がないと 思っていたんですけど、違ったんです。  うちの主人の母、主人が子供の頃、ものすごいスパルタで、  口うるさい人だったらしいんです。

 だから私が子供にがみがみ言うと、あの人は自分の子供のころを 思いだして、一緒に言っちゃいけないと思って、こっそり他の部屋に 引っ込んでいたらしいんてす。

 どうしてこの人は私にばっかり嫌なこと言わせるの! どうしてこの人は教育に無関心なの! って、私、そう思ってたんです。

 でもあの人はあの人なりに、子供の所に行って 「まぁ、気にするな、お母さんはお前が嫌いじゃないんだぞ」  って、フォローしていてくれたみたいなんです。  だから、うちの子どもは、学校には行けてないんですけど とても優しい子ではあります。

 あの人、あんな話、初めてしてくれたんです。  こんなこと知らないで、私たち夫婦、ずっとやっていたら やがて、夫婦の問題になっていたかもしれません。

 先生、私、今、この子に感謝しています。  この子が問題を持ってくれてよかったと思うんてす。」ほんとに苦しい時に人は学ぶんです。

(ここまで)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

これは偶然起こったことでしようか。おそらくそうではないでしょう。

子供のスピリットは、親を「親に育てる役目」を担って生まれてくるといいます。 親が一人前の親になるための課題、それに気付くきっかけを作ってくれます。スピリットのつながりが創造する共同作業です。

この世で、意味のないことは起こりません。ネガティヴな現象からは悪いことしか見えないように思いますが、それが起きたために、私にはどんな良いことがあるのか、と自問してみましょう。無茶と言わずに、なにかあるはずです。

悩める出来事の目的は、このネガティヴを、ポジティヴに大転換する魔法を、 自ら見つけ出すことなのですから。

それはみんなの心の中にあります。

【 育児の秘密 12 】  子供にどんな背中を見せるか

衛藤先生の講話からもうひとつ

(衛藤先生)
阪神淡路大震災の時に、僕は長田地区に入りました。もう17年前ですね。

その時、とても頑張っていたのが暴走族の子らなんですね。 避難所から避難所に、物資を運ぶのを手伝ってたんです。

「おばちゃん! 向こう町の避難所に行く。何持ってきたらいいの!? いるもん、リストアップしといて!」 「これ運んだらよろしいんですね! すぐ行ってきますわ!」

ピストン輸送です。 「炊き出し食べて行かんか?」と声掛けても「先、食べといてください!」と。。。

こないだ、記念式典で、再び彼らに会う事が出来ました。 彼らは完全に変わってました。

立派なビジネスマンです。

「君ら、変わったなぁ。」と私が言うと、

「先生、僕はあの頃、あほやったですから。 僕はあの頃、実は、バイク嫌いやったのかもしれへん。どうせ、くだらん命や。 死んだってかまへん、、、思うてた。

でも、避難所に物運んでいったら、おじちゃんらから、 「兄ちゃん、ありがとう! ほんまにありがとう!」 避難所から出る時も、おばちゃんらから「気いつけて行きや! ほんまに気いつけていくんやで!」みんなで手ぇ振ってくれたんです。ミラーにおばちゃんたちが、手ぇ振ってる姿が映ってました。

僕のバイク、当時よく故障してたんですが、あの時はよう走りました。 一回も故障せんかったんですよ。

僕はバイクを止めて、謝りました。バイクに謝ったんです。

「今日、お前、みんなに「来た!来た!」って言われてうれしかったなぁ。 「いってらっしゃい」言われてうれしかったやろう?  俺もうれしかった。

お前、人に喜ばれるために生まれたのになぁ。 俺の乗り方が悪かった。みんなにいやな顔されてたもんなぁ。

お前は、みんなに喜ばれるために生まれてきたのに、 俺の使い方が悪かった。 これからは、人に喜ばれるために走ろう。。。」  そういって、彼は、そこから変わったそうです。

人はそうやって、「あなたに会えてよかった」と言われる人に出会うと、生き甲斐って生まれてくるんですね。

日頃からどんなふうに人と付き合っていくか。それが大事なことと思います。

いえ、難しいことなんかじゃないんです。ただ、笑顔で接しているだけでもいいんです。

子供たちは見ています。 苦しい時に、苦しい顔をして過ごす親からは そのやり方をそのまま学びます。

苦しい時に、悲しい時に、それでも大人たちは笑えるんだ、と子ども達に教えてあげましょう。 大人たちの背中でね。

(ここまで)

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「うち、あほやから~」って言って いっつもあっけらかんと、笑っているおばちゃんを僕は何人も知っています。

僕はそういう人が大好きです。 尊敬すらします。

こまかい理屈はわからんでも、 苦しい時に、悲しい時に、それでも、いや、それだからこそ、 笑顔が一番大切なんだって、 考えなくても、心と体がそれを知っている人たちなんです。

今の日本の苦しい情勢。それでも、今日会った人のために笑顔を贈ること、できますね。

被災地の方の中にも、実践して見せてくれている人、いますね。 僕の友達のひとりもそうでした。

「こんなに大変な状況でも、笑っているぞ日本人は。これはいったいどういう事なんだ !? 」

世界の人は、驚くでしょう。おかしいんじゃないかと思うかもしれません。

それでも、あなたが大切、と笑顔を贈りあう時、その笑顔が、世界の誰かの意識を ドカンッと変えるかもしれません。

【 育児の秘密 13 】  何があっても、あなたが大切

育児・子育ては苦労がつきものですが、 考えてみれば、人の生活、そのものが苦労の連続ですね。

「苦労」って何でしょう。 「苦」という漢字には、つらいとか苦しいという意味の他に 「ままならない」という意味があるそうです。

釈迦の教えに出てくる「生とは四苦八苦である」という教えは、 誰もが知っている言葉ですが、ことばのまま捉えると、お先真っ暗な感じがするものの、 「ままならぬことがたくさんありますよ」と 読み替えれば、 印象はがらりと変わります。

人には自分の「想い」があります。 こうありたい、こうなるといいな、 様々な希望があるものの、 世の中たいていは希望どおりにはなりません。

その想いどおりにならないことが「ままならない」、 つまりは「苦しみ」と言えます。

親が子を育てるのは当たり前のことです。 その当たり前のことが、 現実には 「ままならぬ」ことの連続であることに、 人は「こんなはずでは・・・」と、呆然とします。

授乳をしても上手に飲んでくれない、 おむつを替えたとたんにおしっこをする、 ひたすら抱っこをしていないと寝てくれない、 下の子の世話で大変なのに上の子まで赤ちゃんがえり、 体重や身長がちっとも増えてくれない、 病院の閉まる夕方や休診日に限って熱を出す・・・。

とにかく何が起こるかわからないのが育児です。 親は逃げ場のない苦労の連続に直面します。

ただ、辛いのは、「ままならない」からな訳ですが、そのままならないことの元はなんでしょう。

それは、親の「勝手な想い」ではないでしょうか。

おとなしく寝て欲しい、 人並みに成長して欲しい、 熱を出したりけがをしたりせずに平和に過ごして欲しい・・・

そんな当たり前の想いですら、ままならないのですが、 それは、実はこの世の摂理で自然なことなのです。

自分だけのことではなく、世界の老若男女、 みんな、その人なりの、とんでもなく「ままならない」ものに 直面して生きています。

赤ん坊は、自然や人の営みのままならなさを 代表して教えてくれます。

そこには、当然ながら、何も作為もありません。 自然の姿そのもの。

それなのに、勝手に想いをもって、想いを崩され、 修正不能で、 苦に浸っているのが親の姿です。

ベテランと呼ばれる人は、こうしたことが親の 空回りであることに自然と気が付いて、 へたに「想い」をつのらせて 自爆することがなくなってきます。 「勝手な想い」をもたずに育児に望めば、 本来のいとおしい姿の赤ん坊が、 そのままに目の前にあります。 よりよい親子関係のためには、 無垢な心で臨むことが大切なのかな、と思うこの頃です。 「何があっても、あなたが大切。」

気分がもやもやしたときは、 子供を見つめてそうつぶやいてみてください。 気持ちが少しずつ、落ち着いてくることでしょう。 目の前にいるのはあなたの「たからもの」です。

【 育児の秘密 14 】  風邪をわかち合いで直す

子供が熱を出して苦しがっているときに、 それを見ている親まで、なんだか一緒になって 熱っぽくなり、うつっちゃたーって思うことありませんか。 けれど、なんとなくそのままで治まったりして。

「風邪がうつりかけて、でも治まった」 と言えばそれまでですが、 片山洋次郎さんの気功の本で、 これらが「共鳴」という言葉で解説されていて 興味を持ちました。

相手と自分がちょうどいい間合いで 関係が出来ているとき、 互いの波動が共鳴して、 互いに症状を分かち合い、 補い合う力が働くとか。

風邪をひくとすぐにうつってしまうというママさんや、 あるいは兄弟姉妹がいる場合、 それは共鳴しているのかもしれません。

気功的には風邪も病気と言うより、 変化を乗り越えるための必要な作用らしいのですが、 気の共鳴する相手がいると、 症状を分かち合うことで、早く乗り越えられるらしいです。

「風邪は人にうつすと、早く直る」 といいますが、これは「気が共鳴できるよい仲間がいると、早く直る」 という意味なのかもしれません。

家族の間で風邪のうつし合いっこと、なげくご家庭も少なくないでしょうが、それは単にうつっているのではなく、 互いに助け合っていると考えると悪くないですね。

今度、子供が熱を出したときは、 抱いたり、手を体に当てたりして、 熱を半分受け取って、癒してあげるつもりで 見守ってあげてください。

でもたぶん多くのママさんは 僕が言うまでもなく本能的にそうしているでしょうね。

【 育児の秘密 15 】 こどもの指しゃぶりが知らせるサイン

子供の指しゃぶりって、赤ちゃんの時はかわいいけれど、3歳も4歳もなって続いていると、親としては心配になったりします。

けれど、幼児の指しゃぶりは、大切なメッセージを含んでいる事が多いと思うのです。

おっぱいを飲みながら、満足してそのまま眠ってしまう時。赤ん坊にとっては至福の時です。その快感を、いつも感じていたくて、指しゃぶりは始まりますが、それは精神安定剤そのものです。

うちの子も長女が長いこと、指しゃぶりを続けていました。原因は、今考えれば、次女、長男と、下の子が次々と生まれ、それまで当たり前のように親をひとり占めしてきたのが、だんだんと親との触れ合いも断片的になってしまい、もっと甘えたい気持ち、遊んでもらいたい気持ちを子供なりに抑える方法として、自ら指しゃぶりという癒しを見い出していたのだと思います。

何を隠そう私自身も幼児期はライナス君でした。いわゆるセキュリティブランケットがないとひとりで眠れない子でしたから、なぜなのか言葉にならないのだけれど、なんとなく心細いという子供の心境は良くわかります。

大人は寂しかったり、疲れていたり、ストレスを感じている時には、友達とおしゃべりしたり、お酒を飲んだり、買い物に出かけたりと気分転換をはかるでしょう。

子供は何をすればいいでしょう。大人のような事は出来ません。

抱っこして欲しいのに、なかなか抱っこしてもらえない、トイレを失敗すると、とても強く怒られる、嫌いな食べ物を、無理やり食べさせられる、兄弟の中で、自分ばかり親に怒られる、などなど。当たり前に育児の過程で、子どもはストレスをためている事があります。

そのストレスをやわらげてくれけるのが指しゃぶりでそれは決して悪い事ではありません。また、大抵は時期が来れば自然とやめます。

それが長いことやめない時、ただ悪い癖だとして無理やりやめさせて、大丈夫でしょうか。子供の心に何が起きているのかな、と想いを向ける必要がありそうです。

「指しゃぶりは悪いことよ」と子供に言って、「それを続けているととんでもないことになるわよ」と諭す(脅す?)親もいるでしょう。

指を真っ赤に塗って、違和感を与えたり、指に苦い薬を塗る方法も知られています。

でも、それはとても罪作りなことのように思います。子供は、我慢をして、唯一指しゃぶりに救いを見出し自らを癒しているかもしれません。なのに、それさえもやめさせられたら、、、子どもはたまらないですね。

幼児教育研究の大原敬子先生が、子の指しゃぶりのことで育児相談に訪れたパパさんに、素敵なアドバイスをしていらっしゃいました。

「指しゃぶりは何も悪いことないんです。お子さんを責めないでくださいね。

子供は、甘えたい、パパ、ママにもっと遊んで欲しい、かまって欲しい、こちらを向いて欲しい、愛が欲しいという欲求が充たされないとき、指しゃぶりで慰めているのです。

子供としっかりお話していますか?  しつけと称して、親の都合ばかり押し付けていませんか?  子供の目を見て話していますか?

子供は親がかまっていてくれるときには指しゃぶりをしません。子供が一人の世界に入り込んだとき、指しゃぶりをします。

眠いとき、テレビを見ていてるときなどの指しゃぶりは自然です。ひとりの世界だから。

けれど、家族で食事しているとき、一緒にお出かけしているときも、四六時中指しゃぶりをしているとしたら、おかしいんです。

一緒に居ても、親の心が自分を向いていないということを子供は気付いているんです。

直したいなら、こんな風にしてみてください。

「○○ちゃんの指はおいしそうだね。 パパにも吸わせてくれる?  あーおいしいね。 もっと吸わせてくれる? おいしいねー。」

そのうち、子供はもうイヤだって指を引っ込めます。 でも、それでお終いにしないでください。 「また明日もお仕事から帰ってきたら吸わせてねー。」と言うんです。

そうして数日、指をしゃぶらせてもらっていたら子供は指しゃぶりをやめます。

「最近、指しゃぶりしないねー、どうして?」って聞いてみたら「パパのだから」って答えたりします。

子供は指しゃぶりをパパにさせてあげることで愛を与えるんです。子供はパパに愛を与えることで、自らも愛を受け取るんです。

その時、指しゃぶりいなきゃいけない寂しさはもうなくなっているんです。

そして親もまた、「パパのだから」と言う子供の健気さに親としての愛情を湧き起こらせるのです。」

素晴らしいアドバイスだと思いました。親の愛は、時にエゴになってしまうのかもしれません。しつけという言葉をかりて、自分のコントロール下に置こうとすると子供の声が聞こえなくなるような気がします。

もっと愛を求める子どもに、愛を実感させるには子供に、愛を与える役を体験させる。巡る愛。循環させる愛が心を救うのでしょう。

この話には続きがあります。

大原敬子先生は、パパが子供の指しゃぶりを心配して相談に訪れたことに違和感を感じていました。

「指しゃぶりって、たかが指しゃぶりなんです。たいした問題じゃないんです。

けれど、それが気になって気になって仕方がないパパさん。あなたに何か問題が起きているんじゃありませんか?

仕事か家庭かわかりませんが、あなた自身が、怒り、恐れ、寂しさ、何かに怯えて、どうにも出来ないくらい追い詰められているんじゃないですか?」

それは図星だったようです。

人は、家族に起こっていることが、自分の内面の投影であることになかなか気付かないものです。子供が鏡となって教えてくれることたくさんあります。

このパパさんも、自身の夫婦の問題、仕事の問題などを無意識に避けて過ごしてきたことに気付いた様子でした。

あらゆる問題が、実はサインであり、新しい扉を開くチャンスなのでしょう。

たかが子供の指しゃぶり。されどそこに親の人生が投影されているかもしれません。

【 育児の秘密 16 】  親が引き出す こどもの力

先日、ある講演を聞く機会がありまして、 学んだことをシェアしたいと思います。

講師は親業インストラクターの津田先生で、トマス・ゴードン博士の教えが源とのこと。 学童期の子どもがいる親が陥りがちな失敗が見えてきます。

「子育ての基本は子どもを知ること、  そのためにはまず聞き上手になろう」というアドバイスがありました。 具体的には親の心構えと言葉の使い方です。

  「いま忙しい!」
  「後にして!」
  というせりふを
     「なあに?」
     「どうしたの?」
      という話を聞く言葉に変えてみよう。

  「やらなきゃだめじゃない!」
  「どうするつもりなんだ!」
  といった、子どもを否定したり指導する言葉を
     「そうなんだ」
     「たいへんだね」
     といった理解して共感する言葉に変えてみよう、

  といったものです。

全身全霊を傾けて聴く「カウンセリングマインド」で親子の絆が出来る。その上で親も本音で話をすると子供は聞き入れてくれるといいます。

子を指導したいときは、私を主語にして伝えるといいそうです。たとえば、

 「5時までに帰らないとだめじゃないの!」
  というのは、相手が主語で、しかも非難・否定しているので
  子供は防衛本能で聞く耳を閉ざしてしまいます。

 「5時までに帰ってくれないと心配でたまらなくなるのよ」
  だと、自分が主語で本音の気持ちを伝えているので
  子どもは自分がどうしたらいいか考えだします。

  そこに子どもが自ら考え、問題を解決していく クリエイティブな時間が生まれます。

子ども自身の力を信じて、我慢強く向き合い、 親としてのサポートをしていきましょう、というのが講演の内容でした。

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子どもは未熟なものという先入観、 子どもは指導しないと間違う、 怒らないと図にのる、そういう思い込みが、実は道を暗くしているように思います。

他人に出来なくても、親だけは出来ること、それは、我が子を信じることです。

そして、面倒なことでも、 仕事や大人の付き合いを犠牲にしても、 子どもに向き合ってみる、その覚悟を決めたとたんに、 親子関係はドラマチックな展開を見せます。

子どもって手がかかるばっかり、と思っていたのが子どもって、こんな力があったんだ、と びっくりする状況が訪れます。

ぜひ、その体験をしてみて頂きたいと思います。

【 育児の秘密 17 】  二つのなりゆき

なりゆきには二種類あるようです。 「自然ななりゆき」と「普通のなりゆき」です。

子どもは親に叱られまいとして、 都合のいいように嘘をつくことがあります。

普通のなりゆきでは、子どもの嘘などすぐわかるので親はその場で叱ったり、ばちが当たるよ!などと脅したりします。

自然ななりゆきでは、ほっておいても嘘によって だんだんとつじつまが合わなくなって本人が困ることになります。

普通のなりゆきでは、親に叱られるので うまくいかなかったのを、親のせいにしてしまいます。

自然のなりゆきでは、うまくいかなかったことを誰のせいにもできません。 嘘はうまくいかない、と自分で理解します。ただし、やけに時間がかかるでしょう。

多くの親はそんなに待っていられないので「自然」な子どもではなく、 「普通」の子どもにしようとあせって教育します。

薄着で過ごしている子どもに、 親は風邪をひかせまいと厚着をさせます。

おなかが空いてなくて食事を嫌がる子どもにも、きちんと決まった時間に食事を食べさせます。

これによって早くまともな普通の子どもになれますが、 子どもにとっての学びは浅いものです。

薄着で過ごすと風邪をひくと気付いたり、 食事を抜かすと、どうも調子が出ないと気付いたりする機会を得た子どもは結果的に早く成熟します。

子どもが思春期を迎える頃には、 子どもを守りたい気持ちからとしても コントロールしようとする衝動は捨てて見守る姿勢に徹すると良いように思います。

守り続けられて育った子供たちは、気付きの機会を奪われて、結局大人になって自活を始めてから やっとひとつひとつ勉強していくことになります。

待てない教育をすると結果的に本人の学びの機会を奪ってしまって親離れができなくなります。

それはつまり子離れできない親の学びでもあります。

「待つ」ことは親の愛です。

自然は驚異的なまでに、必要な結果をもたらすので、その子に適切な時期に適切な学びをもたらしてくれます。

これは自然の愛です。

この「待ち」の教育は現代の早期教育ブームに まったく逆行するので多くの方に受け入れられないだろうと思いますが、実は今の時代を読み取るキーワードになると私は感じています。

世界同時不況、地球の環境汚染、核拡散の危機など、ほんとうに人類は進化しているのだろうかと首をかしげます。

人は普通に暮らしてきましたが、 世界的にうまくいかなくなったのです。

自然のなりゆきは、この現代の「普通」の暮らしにNOと言っています。

うまくいかなくなったときが学びのチャンスです。 世界的に人類に学びの時がきているのです。

なりゆきを見つめ直すことで、 自然の叡智から学ぶことがあると思います。

さあ、一緒に考えてみましょう。

【 育児の秘密 18 】  胎 話  

胎話という言葉をご存知でしょうか。胎児の胎に話と書きます。これは妊娠中の胎児とお話をすることです。そういうスピリチュアルな力を持った人を胎話師といって、 調べると、すでに全国にかなりの数いらっしゃるようで びっくりしました。

第一人者には、産婦人科医の池川先生という方がいらっしゃって、 生まれる前の赤ちゃんの語ることをたくさん記録にとって、 本も出されているようです。 いくつか伝え聞いた話をご紹介します。

ある赤ちゃんはお母さんと胎話ができました。それで「僕は2歳まで生きられない」と伝えてきたんです。でも「1年で僕は役目を果たせるから心配しないで」といいます。

この子は指が6本ある多指症と重い心臓病をもって生まれました。1歳と3ヶ月で亡くなりましたが、お母さんはその1年と少しの間を この子の一生と思って、精一杯お世話して、笑顔で見送ったそうです。

親を選んで宿ったという話は、ほとんどの赤ちゃんが言うそうです。 生まれる日も自分で決めるといいます。

実際、出産にむけての子宮収縮は赤ちゃんの体から あるプロテインが分泌されることで始まります。 出産のスタートは赤ちゃんによるものというのは医学的に証明済みのようです。

流産しそうになった赤ちゃんからは「体を冷やさないようにしてね」とか、 陣痛に苦しむお母さんに向けてはこんなメッセージ。 「これからの人生に必要な痛みだから、  怖がらないで、痛みのひとつひとつを   しっかり感じたほうがうまくいくよ」ここまで来ると、もう赤子の言葉とは思えません。

赤ちゃんの病気や癖も、それによって命の大切さを伝えたいとか、 夫婦もっと仲良くなって、とか、とても慈愛に満ちた赤ちゃんのメッセージであることが わかってきています。

こうした話を聞くと、赤ちゃんはすでに成熟した魂が宿っていると感じます。

子供だから何もわからないんじゃない。 親だからえらいわけじゃない。 人を輪廻転生する魂の存在と考えたならば、 家族とは、助け合う魂の仲間なんですね。

そう考えると、いろんなことが、うまく整理できるような気がします。

今は世界的な不況ですから生活も大変です。 理不尽な痛みや苦しみもあると思います。それをどうやって受け入れていったらいいのでしょう。

先ほどの赤ちゃんの言葉を借りるなら、

   「これからの人生に必要な痛みだから、
   こわがらずにひとつひとつ
   しっかり痛みを感じてすごすとうまくいくよ」

ということになるでしょうか。

あながち、的外れでもないような気がしませんか?

【 育児の秘密 19 】  太陽と父 月と母 地球と子ども  

私たちの体は、自分の体でありながら 細胞1つとして自分で作ることはできません。

親とて、こどもの体を設計するわけではなくて 自動的に母親の子宮の中で胎児は育まれます。 そして生まれた後も体の組織は自動的に成長します。

この仕組みは誰がコントロールしているのでしょう。 不思議ですね。

また、この体は肉や野菜など、 自分以外の命を戴かないと維持できません。

すべて与えられたもので 生きていることに気が付くと 命ってみんなの支えで存在する 愛の表現そのものなのだと感じます。

命は愛。 愛は思いやり、いつくしむ心ですが 見返りを求めずに与え続けるエネルギーの意味もあります。

たとえば太陽もその代表的な存在。 絶えず私たちに光や熱、そしておそらくはそれ以上の 神秘のエネルギーを与え続けてくれています。

月には太陽神の女神、女性意識が 宿っているという話があります。 太陽の光を受けて、夜の地球にも光を届けます。

そのエネルギーが最大になる満月の夜に、お産が多いのもよく知られた話ですね。

女性の月経周期も月の満ち欠けの周期と同じ 28日に近いのも偶然ではないような気がします。

ある学者によると、月の存在なしに、 今の生命あふれる地球の姿はあり得ないそうです。

太陽の光という男性意識のエネルギーを受け、 月の女性意識が地球上の生命をコントロールすると考えると、まさに太陽はお父さん、月はお母さん。

月が地球のごく近くを回っている様子も、 甲斐甲斐しく子どものお世話をする 母親の姿に重なります。

太陽から月、 月から地球という エネルギーの循環は そのまま家族の愛の循環を表しているようです。

エネルギーは、流れてはじめて命となります。 太陽である父親が、とうとうと愛を注ぐことができれば 月である母親はそれを受けとめ、 地球である子どもにまた愛を注げます。

育児は母親が適役ですが、役割ではありません。 その前に男性が女性をしっかり愛して守ってこそ、 女性は母親になれるのだと思います。

私もなかなかそれが理解出来ずに 男は仕事をしてなんぼと 家庭をかえりみなかったことがあります。

そういうときは、家族の心が エネルギー不足になって 子どもの心にひずみが生まれ、育児が思うようになりません。

家族の愛情は、みんながつながって、エネルギーが循環してこそ育まれます。

「女房が愚痴ばかり言う」とか 「子どもがなつかない」とか文句言う前に、 父親はやはり愛の大黒柱に、 太陽になる覚悟を持つべきなのでしょう。

そうした意識を持って男が頑張れば、 多くの女性たちも、本来の「受けとめ、育む」という 母性を発揮させることができるでしょう。 自らの反省をこめてこのメッセージを送ります。

 あとがき

育児用品についてでも、育児についてでも、その分野の中でだけ過ごしていると見えないものがたくさんあります。幅広く「本当のこと」を探し求めていくと、常識を逸脱した事柄に沢山出会いました。

そうして、改めて周囲を見渡すと、以前と同じ出来事であっても、全く違う、その出来事の内側が見えるようになりました。

このページは、そうした気付きをブログやfacebookで綴ってきたものを、一部抜粋したものです。

   Baby-Pro Blog
        http://blog.livedoor.jp/babypro/

皆様の育児の中でヒントになればとてもうれしいです。

    Baby-Pro 森本 博



《以上で No.② は終りです。③以下は 01/10 を開き参考にすればよい》