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続折々の記 2018⑥
【心に浮かぶよしなしごと】

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折々の記 2018⑥
【 01 】~【 09 】内容一覧
【01】 検索語一覧(17)
      ・ 財務省 文書改ざん問題
      ・ 冬季オリンピック若者の活躍
      ・ 公文書改ざん問題 新聞
【02】 検索語一覧(18)
      ・ 財務省 公文書改ざん問題 新聞
      ・ 公文書改ざん問題(週刊朝日)
【03】 検索語一覧(19)
      ・ 金正恩氏訪中 対話生かす国際連携を(社説)
      ・ 米覇権の転覆策を加速するトランプ
      ・ トランプのバブル膨張策
【04】 検索語一覧(20)
      ・ 財務省文書改ざん問題
      ・ 「核なき世界」日本異論 09年の米諮問委
         政府側が主張 「抑止は必要」「中国に留意を」
      ・ 廃絶より「核の傘」、鮮明 日本「抑止は必要」
      ・ 民意が首相を見限る条件とは
      ・ (公文書改ざん)「森友」、何を隠したのか
      ・ 陸自イラク日報、一転確認 防衛相発表 国会では「ない」
      ・ 防衛省答弁、信頼揺らぐ 「ない」から1年以上 イラク日報
      ・ 防衛相「内容違う2文書」 公開請求後に更新記録 共産指摘
      ・ 「文書ない」また覆す イラク日報、南スーダンと同部署保管
      ・ 「ない」日報、なぜ今発見 イラク分、把握3カ月後に公表
      ・ 公文書改ざん 財務省悪玉論に走る愚
【05】 検索語一覧(21)
      ・ 安倍内閣ガタガタ(ア~シ)
【06】 検索語一覧(22)
      ・ 国会混迷 安倍丸渦巻に入る(ア~キ)
【07】 検索語一覧(23)
      ・ 森友学園疑惑 消された政治家と昭恵夫人
      ・ 加計問題「首相案件」の記録提示
      ・ 「首相案件」愛媛県知事が認めている
【08】 検索語一覧(24)
      ・ 覚醒したい今日の課題
      ・ 「本件は、首相案件」
【09】 検索語一覧(25)
      ・ ゴースト血管とは



【 01 】検索語一覧(17)
 あ がん遺伝子治療 い 言霊
 う 言霊 実験 え 失われた20年
 お アベノミクスは失敗 か ヨガ 効果
 き フリーメイソン く ラニーニャ現象
 け 前立腺がん こ 温故知新
 さ 腸内菌と腸内免疫力 し ヒバマタ
 し 蝮の効能> す インパール作戦
 せ いのち・本能・環境 そ 日本人は世界をリードできるのか
 た 世界は日本化する ち 世界が日本人に注目している
 つ フーバー米大統領  て 時代の谷間で苦悩する小沢一郎
 と 「小沢一郎 600人訪中団」のどこが悪い? な 財務省が改ざんとは…動機が解せない
 に 天才を育てる楽しみ ぬ 首相、麻生氏続投の考え「責任を果たして」
 ね 財務省が改ざんとは…動機が解せない の 財務官僚「親分の奥さん、部下は守る」
 は 安倍首相や麻生氏の名前、削除 日本会議めぐる記載  ひ 麻生財務相「佐川の答弁に合わせ書き換え」 一問一答
 ふ 国民にうそ、意味なさぬ情報公開制度 へ 社説 3月になってから
 ほ 「文書、外部の目触れるのまずい」 ま 財務省、国会開示時に保有 改ざん前の文書、国交省から入手
 み 「財務省不信」財政再建や消費増税に影響も む 特集 森友学園問題
 め 公文書改ざん問題 新聞 3/15 も 公文書改ざん問題 新聞 3/16
 や 公文書改ざん問題 新聞 3/17 ゆ 公文書改ざん問題 新聞 3/18
 よ 公文書改ざん問題 新聞 3/19 ら 公文書改ざん問題 新聞 3/20
 り 公文書改ざん問題 新聞 3/21 る 公文書改ざん問題 新聞 3/22
 れ 公文書改ざん問題 新聞 3/23 ろ 公文書改ざん問題 新聞 3/24
 わ 産経新聞 3/24 ん 公文書改ざん問題 新聞 3/25
 A 冬季オリンピック若者の活躍 B 公文書改ざん問題 新聞 3/26
 ※  ※ 
 ※  ※ 
 ※  ※ 

 03 25 (日) 財務省 文書改ざん問題     

内閣府、財務省、国会議員、マスコミ関係者、取材や報道など入り乱れて急を告げている。

新聞記事以外のデータがかなり多くなり、これらのデータは翌日の新聞紙、それに週刊紙による活字で知らされている。

すべては網羅できない。 通常の新聞、週刊紙を見ているだけである。

水は方円の器に従い、雲は中空に遊ぶ。

温度によりては氷となり霜柱となり、中空にては雪となり豪雨となる。

水も環境によって、千変万化の様態を表す。




  公文書改ざん問題 新聞 3/25

▼1面
ア 改ざん、地方から厳しい声
     自民の全国幹事長会議
     https://digital.asahi.com/articles/DA3S13419283.html?ref=pcviewer

 安倍晋三首相は24日、自民党の全国幹事長会議で、森友学園をめぐる財務省の文書改ざん問題に触れ、「国民の行政に対する信頼を揺るがす事態。最終的な責任は内閣総理大臣であるこの私にある」と謝罪。全容解明と組織の立て直しを約束した。だが、内閣支持率の急落を受け、来年の統一地方選や参院選で最前線に立つ地方からは厳しい意見が噴出した。

 首相は会議のあいさつで憲法改正にも触れ、「結党以来の党の課題。今を生きる私たちの世代で解決したい」と意欲を示した。「党が一致結束して向き合っていくことが大切ではないか」とも述べ、党の改憲論議を批判する石破茂・元幹事長らを牽制(けんせい)した。

 地方側からは、大阪府連の朝倉秀実幹事長が「(文書改ざん問題で)我々はつらい目にあっている。党の論理ではなく、国民の立場に立って明らかにしてほしい」と要望した。

 翌日に党大会を控え、この日の会議では目立った政権批判はなかった。だが記者団に対し厳しい意見を語る地方の幹事長らもいた。

 文書改ざん問題について鳥取県連の安田優子幹事長は「霞が関(の省庁)だけの責任にするのは、いかがか」と指摘。長野県連の萩原清幹事長は「しわ寄せが来るのは私たち地方議員。来年の(地方選に)影響がないようにしてほしい。国民に説明責任を果たさないと、憲法改正までいかない」とクギを刺した。

 会議に先立ち同党が検討する「改憲4項目」について、党憲法改正推進本部が幹事長らに説明した。細田博之本部長は9条について、首相提案に沿った2項維持の条文案を中心に説明し、理解を求めた。会合後、推進本部の岡田直樹事務局長は記者団に「できるだけ早い時期に議論を始めることが大事」と述べ、早期に自民党案を国会に提示したい考えを示した。

▼8面  文書改ざん問題外 政権批判
イ (声)放送法の「政治的公平」維持を
     無職 鈴木英雄(北海道 76)
     https://digital.asahi.com/articles/DA3S13419193.html?ref=pcviewer

 政府が放送事業の規制緩和を検討している。その一つが、現行の放送法に明記されている、番組の「政治的に公平であること」などが盛り込まれた4条の廃止だという。

 放送と通信の融合が進む中、テレビ番組は、放送法で「政治的公平」が求められているが、インターネットテレビには規制がない。政府は、この改革によって多様な事業者の参入や番組の提供が可能になるとしている。

 ただ、「政治的公平性」の規制を廃止すれば、党派性の強い番組が多くなることが予想される。時の政権の意向を代弁する番組につながることも考えられる。

 私は、放送は教育と共通性があると思う。その影響力の大きさを考えると、4条の見直しは国民世論を左右する重大なことではないかと考えている。

 米国では、1987年に公平原則を廃止している。その後、テレビやラジオが党派性を強め、社会を分断させているという報告もある。このような轍(てつ)を踏まないためにも、私は、放送法改革には反対である。

▼12面  文書改ざん問題外 ピッタリの着想
ウ (書評)『遺伝子 親密なる人類史』(上・下)
     シッダールタ・ムカジー〈著〉
     https://digital.asahi.com/articles/DA3S13419214.html?ref=pcviewer

 ■革命的成果の壮大な絵巻物

 以前、あるパネル討論で「星と人間を同じ視点で語れるのが科学のすばらしさだ」と発言したら、同席していた社会科学者から「そのどこがおもしろいのかまったくわからない」と返されたことがある。

 そこに〈自分〉の物語が加わっていれば、少しは納得してもらえていただろうか。この『遺伝子』は、前作『がん』でピューリッツァ賞を受賞した俊英ムカジーが、科学と自己と家族のアイデンティティーを賭けて描いた、壮大な絵巻物である。

 話は、アメリカに住むムカジーが遺伝性の精神疾患を患ういとこを故郷インドに訪問するところから始まる。彼の家系には、同じ疾患の伯父がさらに二人いる。著者と家族に押された遺伝子の烙印(らくいん)。

 これら家族の思い出が、いわば〈遺伝子と日常生活の交差する場〉として随時呼び出されつつ、メンデルとダーウィンから始まる遺伝子探求の歴史が語られる。二〇世紀初頭の遺伝子概念再発見と確立。二〇世紀半ばのDNA二重らせん構造の発見。二〇世紀末のヒトゲノム計画。これらの革命的な成果は、どのようにして達成されたのか。関わった人たちの、時にどろどろした人間関係も含めて、知的営為の系譜が明快に描かれる。

 ムカジーがさらにすばらしいのは、〈科学〉と〈自分〉の間に、必ず〈社会〉を挟み込むことだ。遺伝に関する科学的理解が深まるたびに、優生学や遺伝病スクリーニングや遺伝子治療といった社会的応用も進み、一方でそれらは多くの差別と犠牲者も生んできた。科学技術の光と影は、相互に不可分である。

 最後に語られるのはゲノム工学の現状だ。ヒトの受精卵を自由に改変する技術は、ほとんど可能な段階にある。新たな倫理観が必要とされる時代に、ぼくたちは直面している。

 読後、さまざまな印象が残るが、三つだけ記しておきたい。
ひとつは、遺伝子と表現型の関係はとても複雑だということ。単純に良かれと思って遺伝子を操作することは、予期せぬ帰結をもたらしかねない。

次に、病気と健康、異常と正常は本質的に決まるのではなく、遺伝と環境のミスマッチの現れだということ。

そして最後に、遺伝子の強力な影響にもかかわらず、ぼくたちの日々の生活は大いなる偶然の上に成り立ってもいるということ。

遺伝子がすべて同じ一卵性双生児でも異なる人生を歩むのは、多種多様な偶然が大きく作用するからだ。

 誰もがかけがえのない人生を、かけがえのないやり方で送っている。そのこと自体に価値がある。このメッセージを明らかにしてくれた科学と、届けてくれたこの本に、感謝したい。

 評・佐倉統(東京大学教授・科学技術社会論)

     *

 『遺伝子 親密なる人類史』(上・下) シッダールタ・ムカジー〈著〉 仲野徹監修 田中文訳 早川書房 各2700円

     *

 Siddhartha Mukherjee 70年、インド生まれ。医師、がん研究者(血液学、腫瘍〈しゅよう〉学)。コロンビア大メディカル・センター准教授。『がん』はデビュー作。



  冬季オリンピック若者の活躍

ア 小平奈緒
     長野県茅野市出身のスピードスケート選手
     https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E5%B9%B3%E5%A5%88%E7%B7%92

検索でこのサイトを開くと、彼女の詳しい照会が載っています。

げんざいまでの記録は次のようです。

種目
記録
日時
場所
備考
500メートル 36秒94 2018年2月18日 平昌 オリンピック記録
低地世界記録
1000メートル 1分12秒09 2017年12月10日 ソルトレイクシティ 世界記録
1500メートル 1分59秒03 2009年2月20日 ハルビン ユニバーシアード記録
500メートル×2 73.55ポイント 2017年2月25-26日 カルガリー 世界記録
スプリント複合 146.390ポイント 2017年2月25-26日 カルガリー 世界記録

韓国平昌冬季オリンピックでは、国民の目が注がれていました。 そして深い感銘を受け取りました。 ことに李相花(イ・サンファ)への肩を抱き寄せた抱擁の姿には誰しも涙したと思います。

厳しい努力によっての輝かしい栄誉を得たとしても、その心根の美しさは日本女性の素晴らしさを垣間見た瞬間でもありました。 彼女の活躍を筆頭に、スケート高木姉妹(菜那・美帆)、カーリング女子の藤沢五月、スキージャンプの高梨沙羅、フィギュアスケートの宮原知子など、いずれも慎(ツツ)ましさと控えめな所作などにに本女性と品位を感じ取ることができました。


イ 高木姉妹(菜那・美帆)
     高木菜那
     https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AB%98%E6%9C%A8%E8%8F%9C%E9%82%A3
     高木美帆
     https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AB%98%E6%9C%A8%E7%BE%8E%E5%B8%86

エピソード 小・中学校時代には妹の美帆同様にサッカーもやっており、父親によると「姉はサイドバックで駆け上がるタイプ、妹はフォワードの点取り屋だった」という。
また、妹と共にヒップホップダンスも習っており、発表会に揃って出演したこともある。

前述の通り平昌オリンピックでは2つの金メダルを獲得したが、この大会では妹の美帆も3つのメダルを獲得しており、姉妹の獲得数を合算すると国別メダルランキングの13位に相当するとネット上で話題になった。

ウ 日本の女子カーリングチーム
     
     https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%82%B3%E3%83%BB%E3%82%BD%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%AC

生中継されたNHK総合のテレビ視聴率は準決勝・韓国戦で26.4%、3位決定戦のイギリス戦では25%の番組平均視聴率を記録(ビデオリサーチ調べ)。3位が決定した22時43分の毎分瞬間視聴率は42.3%の高視聴率を記録し、高い注目を集めた。
イギリスを破り銅メダルを獲得した際に、アメリカ合衆国の放送局であるNBCは日本代表(すなわちロコ・ソラーレ)に対して、『Japan's Sunshine team』と命名した。

エ 高梨沙羅
     スキージャンプ・ワールドカップで男女通じて歴代最多の55勝
     https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AB%98%E6%A2%A8%E6%B2%99%E7%BE%85

実家は層雲峡温泉にあるセブン-イレブンのオーナーであり、ほかにも焼肉店などを経営する事業家である。 老生は教職を終えてから家内と二人で北海道周遊の旅に出かけました。 層雲峡はいまでも目を閉じると、雄大な滝の景観が瞼に浮かびます。 それに高梨沙羅の子供のころのスキーを習い始めた時の練習映像も脳裏に強く残っています。 まだいたいけない幼い少女が「いきまーす」と父親に声をかけ、滑っているのです。 どれほどか見ると雪上30cmくらいと思うのだが、あまり飛べないと言ってべそをかいているではありませんか。 その可愛らしさと幼い子供の真剣さに胸が熱くなりました。

0歳教育の大切さと、幼い子供を支えていた父親の心根こそ見習いたい環境であると実感したものです。 ですから、冬季オリンピックで3位でしたが、スキーの板に隠れて涙の顔が映らないしぐさを見た時には、自分で涙が浮かびました。

だが、それが今年のついこないだ3月24日ジャンプで優勝(54回目)男女通じての歴代最多優勝という放送を見て、その晴れやかな笑顔に私まで嬉しくなっていました。 彼女はスキーを始めた時から心の中に住み着いているのです、嬉しかった。

オ 宮原知子
     派手さはなく、そのまっとうな努力に感動しています。
     https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%AE%E5%8E%9F%E7%9F%A5%E5%AD%90

性格は寡黙で引っ込み思案であるが、内に秘めた闘志は熱いものを持っている。真面目で練習量も多く、黙々といつまでも練習するタイプである。学校が終わると毎日まっすぐにリンクに向かい練習する。そのため濱田美栄コーチから、今まで指導した選手の中で一番努力家であると評価されている。スタミナがあり、病気とけがにも強い選手であると評されていた。

wikipediaに紹介されているまでなく、そのまじめな地道な心映えは自分の目を通して心に強く映りました。 教育は 「後ろ姿」 にあると若い時から耳にしていたが、それは間違いなくその通りであると言えるようになりました。 人はいろいろの生活の仕方がありますが、そして、こんな人のようになりたいといくら願っていても、それは無理な話であって、人はそれぞれの立場にあって自分を築き上げていけばいいのだということも判ってきました。 そのような齢になったのだろうか、それでいいと思う。

ひたむきな努力する彼女の姿は誰にも大事なことを示したいると思います。

カ 平昌パラリンピック村岡桃佳
     埼玉県深谷市出身。4歳の時に原因不明の横断性脊髄炎に罹患
     下半身が麻痺し、以降、車いすでの生活を送る
     https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%91%E5%B2%A1%E6%A1%83%E4%BD%B3

村岡は、元々外で遊ぶのが好きであったが、気を使われるようになってから外に出ることが怖くなり、引きこもりがちだったと回想している。父と共に様々な車いすを使った障害者スポーツに挑戦し、中学生の時に、森井大輝に憧れてのめり込んだ競技スキーの世界に入る。

中学3年次に本庄市にある早稲田大学本庄高等学院への進学を目指すも、当時の校舎はバリアフリー化していなかったため、進学を断念し、正智深谷高等学校に入学。17歳の時にソチパラリンピックに出場、スーパー大回転で、旗門を一つ通過し忘れて失格となったが、大回転5位で入賞した。高校卒業後、パラスポーツ選手として初めて「トップアスリート入試」に合格し早稲田大学スポーツ科学部に入学。村岡の進学に合わせて、原則として寮生活を送ることになる早大スキー部は寮をバリアフリー化。改修工事費用600万円のうち、500万円は大学側が負担、残り100万円は匿名の寄附により賄われた。これを機に早大はキャンパスのバリアフリー化を推進するようになった。スキー部では監督倉田秀道に師事。ノルディック複合の渡部暁斗・渡部善斗兄弟を始め、日本の一線級のスキー選手を育成してきた倉田にとっても障害スポーツ選手に関わるのは初めてのことであり、最初は反対していたが、部員に相談した結果、誰1人反対する者がいなかったため、覚悟を決めたという。

平昌パラリンピック

2018年3月9日、平昌パラリンピック開幕式で日本選手団の旗手を務める。翌10日のアルペンスキー女子滑降(座位)で銀メダルを獲得。平昌大会における日本人メダル第1号となった。さらに、11日のスーパー大回転(座位)では銅メダルを獲得した。13日のスーパー複合(座位)でも銅メダルを獲得し、日本アルペン勢で最多となる1大会で3個のメダル獲得となった。

3月14日の大回転(座位)では1回目でトップに立ち、続く2回目でも好記録を収めて今大会日本勢初となる金メダルを獲得した。これにより、長野パラリンピックの大日方邦子以来となる1大会で金銀銅すべてのメダル獲得を達成した。

大会最終日の3月18日に行われた回転(座位)では1回目の滑走で2位、2回目の滑走で3位をマークし、合計で2位に着けて銀メダルを獲得した。村岡は出場した5種目(滑降・スーパー大回転・スーパー複合・大回転・回転)すべてで表彰台に立ち、冬季パラリンピック大会に於いて日本選手最多となる1大会5個のメダル獲得となった。

テレビを見ていておどろいた。 その明るさと、なんというかフロンタイアースピリットとでも言えばいいのか常に前向きの姿に感服した。 これは私一人の感想ではないだろう。 身体障碍者への猛烈なアピール、不自由な人への激励と安心感が広がったと思う。 頭が下がる。 父親の子を思う気持ちが明るく伝わる。



大和なでしこ、日本の女性は素晴らしいと思う。 奈良時代から平安時代の生活の中から、たおやかでしなやかな心を確かなものにしてきたと思う。平安文化はその時代の生活を表する文化名であるけれど、日本文化の中核を築き上げたと私は考えています。

そしてそれを活かすために、世界の歴史を調べることが必要になるし、近代化されてきた生体科学の知恵を学ばなければならないし、これからの生きていく方向も予想しなければならない。

いつの時代もそうであったにしても、金の亡者の考え方に与していくと、とんでもない争いの中に突き進むことになる。 同じように、社会を常に複数集団としての考えに執着していくと、間違いなく排他的な渦巻きに巻き込まれてしまいます。

生命の起源にまでさかのぼって、人も、花も、木も、鳥も、ウサギもカメも、命の起源から考え直すことを忘れてはならないのです。

生命科学の知識は微に入り細に入りして、命の進化を検証できそうに迄になってきています。 環境に応じて頭に浮かぶことのみに従うことにすると、命の本来の願いを滅茶苦茶にしてしまいます。

(命を伝承いている女性こそ、行く末を考える本業を託すに似合っているのではないだろうか。 おとこは、どっちかと言えば働きバチに徹したほうがいいのかもしれません。 ミツバチ社会のように、あるいは雄鮭のように、スズムシでもいいかも知れません)

それでも、地球は回る。



  公文書改ざん問題 新聞 3/26

▼1面
ア 森友問題で支持率急落
     総裁3選にも不透明さ
     改憲発議、年内困難に
     https://digital.asahi.com/articles/DA3S13420543.html?ref=pcviewer

【解説】年内の憲法改正発議は厳しくなった

 安倍晋三首相(自民党総裁)がめざす憲法改正の2020年施行に向け、自民党が描いていた年内の国会発議が困難な状況になってきた。国民投票を実施するうえで政治日程がもともと窮屈なうえ、公文書改ざん問題が政権を直撃して内閣支持率が急落。秋の自民党総裁選での首相3選も不透明さを増しているためだ。▼2面=視界不良、4面=ポスト安倍は、10面=社説、38面=「こんな時に」

 25日の自民党大会は、安倍首相にとって憲法改正に向けた動きを一気に加速させる場とするはずだった。党改憲推進本部が首相提案に沿った9条への自衛隊明記で押し切り、急いでまとめた「改憲4項目」の条文案が大会で披露されることはなかった。首相は「結党以来の課題である憲法改正に取り組む時がきた」「自衛隊を明記し、違憲論争に終止符を打とうではありませんか」と訴えたが、先行きは見通せていない。

 首相周辺は昨年の衆院選で自公で3分の2を維持した後、首相の総裁3選を前提に、19年参院選までに国会での発議を行う算段を描き、自民党内の集約を急いできた。19年は統一地方選、天皇陛下の退位、G20サミット、参院選など重要日程が目白押し。今秋の総裁3選の余勢をかって直後の臨時国会で発議し、国民投票を19年の早い段階に実施する日程しかない窮屈な状況だった。

 そこに昨年来の森友・加計問題に続く公文書改ざん問題が発覚。支持率が下がる中で、改憲論議を進めるのは難しくなったとの認識が自民党内でも広がった。小泉進次郎党筆頭副幹事長は党大会後、記者団に「(国民から)信頼される環境ができて、実現できるのが憲法改正だ」と語った。

 自民党は予算成立後に条文案を国会に示し、各党協議に入りたい考えだが、改憲に慎重な議員が多い公明党の姿勢は硬い。自公間の協議に入る予定はなく、衆参両院の憲法審査会で野党を含めた議論をすべきだとの立場を維持している。

 野党は公文書改ざんで首相への追及を強めており、改憲議論で協力姿勢に転じる見通しはない。首相にとっては当面の政権運営を立て直し、総裁3選への道筋を付けない限り、改憲の年内発議をめざせる環境ではなくなった。19年は政治日程が立て込むため、発議は早くても同年夏の参院選以降になる可能性がある。

▼1面
イ 首相、文書改ざん陳謝 自民党大会
     https://digital.asahi.com/articles/DA3S13420551.html?ref=pcviewer

 安倍晋三首相(自民党総裁)は25日の党大会で、演説の冒頭で森友学園をめぐる財務省の文書改ざん問題に触れ、「大変ご心配をおかけしており、申し訳ない思いだ」と陳謝した。

 佐川宣寿(のぶひさ)・前財務省理財局長の証人喚問を27日に控える。首相は全容解明と再発防止をめざす考えを示し、「行政全般の最終的な責任は、首相である私にある。行政の長として、その責任を痛感している。国民のみなさまに深くおわびを申し上げる」と述べた。

▼2面 (時時刻刻)
ウ 安倍政権、視界不良 
     改憲論議、党内からも「拙速」
     https://digital.asahi.com/articles/DA3S13420483.html?ref=pcviewer

【経過日と内容】安倍内閣の支持率と改憲日程をめぐる主な首相の発言
           これはURLを開いて読み取ったほうが良い


 25日の自民党大会での安倍晋三首相(総裁)の演説は、森友学園をめぐる文書を財務省が改ざんした問題のおわびから始まった。2020年の改正憲法施行に向けて首相が描いてきた改憲日程と圧倒的勝利での総裁3選は、見通せなくなっている。▼1面参照

 首相にとって憲法改正の年内発議に向けた晴れ舞台となるはずだった党大会で、首相は演説の冒頭に、文書改ざん問題へのおわびの言葉を並べた。悲願である憲法改正を訴えたのは、21分間に及んだ演説の最終盤になってからだった。

 「いよいよ結党以来の課題である憲法改正に取り組む時が来た。今を生きる政治家の、自民党の責務だ」

 首相は「自衛隊を明記し、違憲論争に終止符を打とうではありませんか」と述べ、9条1、2項を残して自衛隊を明記する自身の改正案の実現に向けて強い意欲を示した。ただ、昨年5月に示した2020年の改正憲法施行という目標を口にすることはなかった。

 改ざん問題で、党員を前に頭を下げた首相の姿は、現在の政権をとりまく政治状況を象徴する。

 首相や周辺は改憲への前向きな姿勢を崩さないものの、改憲論議に向けた機運は急速にしぼんでいる。

 党大会で来賓としてあいさつした公明党の山口那津男代表は、憲法改正に一言も触れないまま。もともと9条改正の議論に慎重だった与党の公明党は、文書改ざん問題でブレーキを強める。党内からは「改憲論議はしばらくお休みだ」(党幹部)との声が上がる。

 また、首相が憲法改正に向けて協力を期待してきた日本維新の会も改憲に距離を置き始めている。

 熱が冷えつつあるのは自民党内も同じだ。

 首相に近い石原伸晃・前経済再生相は22日、自らが率いる派閥の例会で「憲法は取りまとめなんかやっちゃいけない。全然議論はまとまっていない」と取りまとめを急ぐ党の憲法改正推進本部執行部を批判。現職閣僚の一人も「今の世論が本当に改憲を求めているのか。結論ありきで拙速に進めるのは問題だ」と語る。

 9条改正をめぐり、憲法改正推進本部は22日、石破茂・元幹事長らによる戦力の不保持をうたう2項削除の訴えを抑え、なかば強引に本部長一任を取り付けた。党大会までに首相の提案に沿った改正案で党内意見を取りまとめるためだ。

 「推進本部の9条改憲案は党内で徹底的に議論したものではないからいまだに『安倍案』と言われる。これでは国民投票は安倍さんのやりたい改正に賛成か、反対かとなってしまう」

 性急な進め方には改正に前向きな若手議員からすらそんな懸念の声が上がる。(二階堂勇)

 ■支持急落、無風3選ほころび

 安倍首相の無風3選と思われていた自民党総裁選の行方も、改ざん問題を受けて不透明となっている。二階俊博幹事長は党大会後、記者団に3選支持は「まったく変わりない」としつつも、改ざん問題が「総裁選への影響はないとはいえない」と指摘した。

 現在でも首相の出身派閥で最大の細田派、第2派閥で麻生太郎財務相が率いる麻生派、二階幹事長の二階派の3派閥の支持があれば、国会議員票での優位は変わらない。首相の陣営は、国会議員票に加え、安定した内閣支持率を背景に地方票でも圧勝し、さらなる強固な政権基盤を築くという筋書きを描いていた。

 しかし、支持率急落で、そうしたシナリオにはほころびが見える。

 統一地方選と参院選を来年に控え、地方には首相への不安が広がりつつある。党本部で24日に開かれた全国幹事長会議では、「仲間が存分に戦えるように十二分な対応をしてほしい」との注文が飛んだ。閣僚経験者は「こんな状況で安倍首相が『選挙の顔』になるのか、という声は出てくるだろう」と見る。

 国会議員票をめぐる構図にも変化がある。首相の失速と合わせるかのように、「ポスト安倍」候補の石破氏、岸田文雄政調会長の派閥が活発に動き始めた。

 石破派は、石原派に強い影響力を持ち、首相に批判的な山崎拓・元副総裁を招いた勉強会を開催。幹部は他派閥との会合も繰り返す。石破氏は25日、「国民の厳しい目が注がれているなかで、党内が混乱するようなことは避けなければならない」と立候補についての言及を避けたが、それは党内から「倒閣運動」と批判を受けないようにするため。5月には立候補を表明する構えを見せる。

 岸田派の古賀誠・名誉会長は今月、自らの呼びかけで、谷垣グループの逢沢一郎・代表世話人ら幹部と会合を開いた。12年の総裁選をめぐる古賀氏と谷垣禎一前幹事長との確執を背景に分裂した両勢力の「雪解け」という意味合いも帯びる。岸田氏側近は、谷垣グループ幹部から「岸田さんが出るなら応援する」と言われた、と打ち明ける。

 その知名度と発信力から各派閥が総裁選の行方に影響を与えうる存在と警戒する小泉進次郎・筆頭副幹事長の発言も党内に波紋を呼ぶ。党大会後、記者団に囲まれた小泉氏はこう言って改ざん問題の徹底究明を求めた。

 「平成の政治史に残る大きな事件と向き合っている。権力は絶対に腐敗する。新しい空気を入れたり、謙虚さを失わないようにしたり、そういったことすべてが問われる」(河口健太郎)

▼4面
エ 「ポスト安倍」政権に苦言 改ざん、政策前提壊した
     改憲、議論積み重ねを 自民党大会
     https://digital.asahi.com/articles/DA3S13420510.html?ref=pcviewer

 森友学園をめぐる文書改ざん問題で政権が揺れる中で開かれた25日の自民党大会。安倍晋三首相は演説で陳謝する一方、悲願の憲法9条改正への強い意欲を語った。秋の党総裁選をにらむ「ポスト安倍」候補3人にはどう映ったか。▼1面参照

 3人が記者団に、そろって厳しい声を上げたのが文書改ざん問題だ。

 野田聖子総務相は「行政が国民の信頼を裏切ることをした。これから先の政策すべての大前提を壊してしまった」と指摘。閣内にいる立場から「事の解決にあたらなければ、と改めて自分自身思った」と語った。

 この問題を受けた支持率急落について岸田文雄政調会長は「真相が明らかにならないことへの国民のいら立ちがあるのではないか」と指摘。石破茂・元幹事長は「自民党の言っていること、やっていることが国民の心と気持ちと離れていくことは絶対に避けなければいけない」と語った。

 首相は演説の最後に憲法改正を訴えた。9条改正案をめぐり首相と対立してきた石破氏は、首相に近いメンバーが主導した党の改憲論議のあり方を批判。「安倍総裁は国会議員に説明する場を作る約束をしたはずだが、それがないまま今日に至り、問題だ。民主主義のあり方として、下からの積み上げによるべきだ」

 野田氏も「異論が出ている限りは丁寧に議論の積み重ねを」と注文を付けた。岸田氏は「時代は変化し、ものすごいスピードで動いている。そういった中で憲法はどうあるべきなのか考えることも政治の役割だ」と述べるにとどめた。

 総裁選への立候補はどうか。岸田氏は、いまは党内の一致結束が必要とした上で、「その先は今は何も決めていない」。たびたび立候補への意欲を明言してきた野田氏も「厳しい時だからこそ、結束して解決に当たるべきだ。批判をするのは簡単だが、そればかりでは先に進むことができない」。5月の石破派の講演会で立候補表明する見通しの石破氏は総裁選の論点を問われ、人口減や東京一極集中の是正を訴える考えを示した。

 ■安倍首相の演説(要旨)

 安倍晋三首相が自民党大会で演説した主な内容は以下の通り。▼1面参照

 財務省の決裁文書書き換え問題で、ご心配をおかけし、申し訳ない。国民の行政に対する信頼を揺るがす事態。行政の長として責任を痛感している。なぜ、このようなことが起こったのか、全容を解明していく。

 全国にあるふるさと、津々浦々の田園風景が美しい日本を形作ってきた。それを支える農林水産業を必ず守る。私たちの改革はそのための改革だ。政権奪還前、日本経済はデフレ不況だった。私たちはあきらめなかった。伸びていく社会保障費の財源を補うために経済を成長させる。だからこそ、生産性革命であり、人づくり革命だ。

 核武装した北朝鮮を認めるわけにはいかない。来月、南北首脳会談、その次に米朝首脳会談がある。北朝鮮の変化を評価する。私たちが確固たる決意で臨んだからこそ、北朝鮮が話し合いを求めてきた。圧力を最大限まで高め、抜け道は許さない。日本はこの方針で国際社会をリードしてきた。

 私たちの使命とは国民の命、平和な暮らしを守り抜くこと。特定秘密保護法、平和安全法制(安全保障法制)、テロ等準備罪(「共謀罪」法)、激しい反対運動の中、黙々と成立させた。結果、日米同盟の絆は、かつてないほど強固になった。来月訪米し、トランプ大統領と首脳会談に臨む。核問題、ミサイル問題をしっかり話し、大切な拉致問題にも全力で取り組んでいく。

 いよいよ、結党以来の課題である憲法改正に取り組む時が来た。9条も改正案をとりまとめていく。いまだに多くの憲法学者は自衛隊を憲法違反だと言う。自衛隊を明記し、違憲論争に終止符を打とうではないか。今を生きる政治家の、自民党の責務だ。

▼10面
オ 岐路に立つ「1強」政治
     (社説)自民党大会
     https://digital.asahi.com/articles/DA3S13420455.html?ref=pcviewer

 森友学園をめぐる公文書改ざん問題で安倍政権が揺らぐ中、自民党大会が開かれた。

 安倍首相があいさつの冒頭、「行政全般の最終的な責任は首相である私にある。改めて国民に深くおわびする」と謝罪し、全容解明と再発防止を誓ったのは当然だろう。

 一方で、首相は同じあいさつで「いよいよ結党以来の課題である憲法改正に取り組む時が来た」と、改憲への意欲を改めて強調した。

 与野党を超えて、政治がいま最優先すべきは改憲ではない。森友問題が失墜させた政治と行政への信頼を立て直す。そこにこそ力を尽くすべきだ。

 国民の財産である国有地が、8億円もの異例の値引きで売却されたのはなぜなのか。一連の経緯を示す公文書がなぜ、どのように改ざんされたのか。背景も含め、十分な解明がなければ国民の納得はえられまい。

 問われているのは佐川宣寿・前国税庁長官だけではない。財務省だけでもない。発足から5年余の安倍政権のあり方そのものを省みる必要がある。

 政権が国政選挙に大勝し続けてきたのは事実だ。だがそこで得た「1強」の数の力を、適正に使ってきたとは言えない。

 まず思い浮かぶのは、歴代内閣が憲法上認めなかった集団的自衛権の行使を、一内閣の閣議決定で容認したことだ。憲法に基づく野党の臨時国会召集要求を放置したままの衆院解散も、忘れるわけにはいかない。

 国民の「知る権利」に背く公文書のずさんな扱いは、財務省のみならず、加計問題での文部科学省の「総理のご意向」文書や、防衛省のPKO日報をめぐっても繰り返された。

 憲法や法律などさまざまなルールを軽んじる。従う官僚は取り立てる一方で、ひとたび敵とみなせば徹底的にたたく。忖度(そんたく)という言葉に象徴される政官関係のゆがみは、「1強」のおごりや緩みと無縁ではない。

 党大会で首相が改憲に意欲を示した9条への自衛隊明記など4項目は、そもそも改正の必要がないなど説得力を欠くものばかりだ。

 党大会までの「合意」を取り繕った自衛隊明記案には、党内にも異論がある。連立を組む公明党を含め、多くの政党も前のめりの改憲には否定的だ。

 何より改憲は、国民多数の賛成がなければ成立しない。大事なのは国会議員の数ではなく、幅広い国民の合意である。

 それでも改憲を急ぐのか。信頼回復を優先するのか。政権党は岐路に立っている。

▼38面
カ 自衛隊明記案「こんな時に」 
     改ざん問題、ぬぐえぬ不信感/「士気にかかわる。やりきって」
     https://digital.asahi.com/articles/DA3S13420492.html?ref=pcviewer

【経過日と内容】憲法9条と自衛隊をめぐる経緯

 9条への自衛隊の明記。安倍晋三首相は25日の自民党大会で、改めて憲法改正の「本丸」実現に意欲を見せた。森友学園の問題で公文書改ざんが明らかになり、民主主義の土台が揺らぐ中で議論が進むことには、自衛隊関係者の間からも懸念が聞こえる。▼1面参照

 ■改ざん問題、ぬぐえぬ不信感/「士気にかかわる。やりきって」 隊員や家族

 「憲法上、自分たちの存在が明確になることは士気の根幹にかかわる話だ」。南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に参加した30代の陸上自衛隊員は話す。自衛隊が憲法に明記されていないことを現地の政府関係者や他国の軍人に説明しても理解されなかった。「だから首相にはやりきってもらいたい」

 一方で、昨年明らかになった南スーダンでの日報隠し問題と、森友問題には共通点を感じている。首都ジュバで政府軍と反政府勢力が激しく対立する様子が記された陸自の日報には「戦闘」という言葉が使われていた。停戦合意など、派遣条件を定めた「PKO参加5原則」を満たしていない可能性が高かった。「満たしている、とする政権の立場を守ろうとして、防衛省の官僚や自衛隊幹部が『ある』ものを『ない』と言ったのは、森友問題と根っこは同じではないか」

 陸自や空自の拠点がある北海道千歳市に住み、夫が南スーダンのPKOに派遣された30代主婦は「9条を改憲する意味については、国民みんなで話し合うべきだと思う。でも、現状では十分に説明してくれているとは思えない」。そこに公文書の改ざん問題が発覚し、安倍首相と昭恵夫人への不信感がぬぐえないでいる。「こんな時に憲法改正の話をしても、怪しく思えてしまう」(土居貴輝、横山蔵利)

 ■「監視できなくなる」 イラク派遣、提訴の男性

 20日、森友問題を追及する国会内での集会。元大学特任教授の池住義憲さん(73)は「政府の姿勢は何も変わらない」と語った。

 イラク戦争の開戦翌年の2004年。自衛隊のイラク派遣は9条違反だとして池住さんらは名古屋地裁に提訴した。「非戦闘地域」で航空自衛隊の輸送機が運ぶ中身について情報公開請求もした。300ページ近くの文書はほぼ黒塗りだった。

 08年の名古屋高裁判決は、空輸活動が「9条に違反する活動を含む」と指摘。翌年にすべて開示されると、「機関銃を携帯した米軍」などと記載があった。「自衛隊が憲法に明記されたら、違憲に思える安全保障関連法が合憲化され、米軍との運用一体化も加速する。黒塗りどころか、事実を改ざんする政権下で、その活動を誰も監視できなくなる」

 アフガニスタンやイラクで活動する「日本国際ボランティアセンター」事務局長の長谷部貴俊さん(45)は「自衛隊明記の前に考えてほしいことがある」。紛争地でNGOにとって安全確保に大切なのは、中立性を保つことだ。政府が「NGO保護に必要」と説明した安保法に基づく「駆けつけ警護」は、むしろ危険を高めてしまうと感じる。「自衛隊の存在を明確にするより、和解の仲介など今の9条に基づく平和的なアプローチを追求すべきだ」(清水大輔)

 ■内閣の権限強化「緊急事態条項」 大災害、市町村に権限下ろして 戸羽・陸前高田市長

 自民党は大災害に備えて内閣の権限を強化する「緊急事態条項」も憲法に盛り込もうとしている。だが、東日本大震災で市民1760人が死亡・行方不明となった岩手県陸前高田市の戸羽太市長は「法律改正できめ細かく対応すべき問題」と指摘。「逆に市町村に権限を下ろすべきだ」と訴える。

 震災直後、地権者の許可を得ないまま、私有地をがれきの仮置き場として利用することを国は認めなかった。だが、市街地が壊滅した同市では職員の4分の1が犠牲になり、地権者の所在もつかめなかった。市は中学校で広報誌の臨時号を刷って避難所などに貼り、一時利用への理解を呼びかけた。その上で、地権者の承諾を得ないまま私有地を仮置き場として利用した。

 「厳密に言えば良くないことかもしれないが、許可を待っていたら進まなかった」と戸羽氏。「現場の状況や課題がわかっている首長の権限で判断できることが増えたほうが、タイムリーに対応ができる」と強調する。さらに、「憲法はそもそも国家の基礎となることを書くもので、細かな災害対応を書くことはなじまない。むしろ、大震災での反省を生かし、災害対応用のルールを法律で整備しておくべきだ」と話す。(渡辺洋介)


① 2018年3月26日16時41分
カ 石破氏「『訴追の恐れ、回答控える』は控えて」佐川氏に
     https://digital.asahi.com/articles/ASL3V5DBJL3VUTFK011.html?iref=comtop_8_02

石破茂・自民党元幹事長(発言録)

 (27日の佐川宣寿(のぶひさ)・前国税庁長官の証人喚問について)佐川さんが全く法に照らして反することはないということであれば、ご存じのことを全てお話しいただくことだと思う。「刑事訴追のおそれがあるので答えを差し控える」というお答えはなるべく控え、実際に起こったこと、ご存じのこと、それを言っていただくことは極めて重要で、そういうことを期待したい。

   【解説動画】佐川氏の証人喚問、焦点は? 森友文書問題 ➡
   特集:森友学園問題 ➡

 佐川さんはそういう非常に立派な官僚としての矜持(きょうじ)、責任感を持った方じゃないかと思う。

 (長官在任中は国会で説明しなかったことについて)なぜ、長官在任中に一度も国会に来ず、一度も記者会見をしなかったかという問いを誰かが発すれば、今は現役じゃないわけですから、当時のことを語って頂けるのじゃないか。(記者団に)


② 2018年3月26日15時42分
カ 文書改ざん、財務省出身の香川県知事「理解しがたい」
     https://digital.asahi.com/articles/ASL3V4SN9L3VPLXB00P.html?iref=comtop_8_03

 森友学園をめぐる財務省の文書改ざん問題について、同省出身の浜田恵造・香川県知事は26日の定例記者会見で「あってはならないこと。私としては依然として信じられない、理解しがたいという思いです」と述べた。27日に予定されている佐川宣寿・前国税庁長官の証人喚問などでは「国民の信頼を失わないよう政府として(真相解明に)取り組んでいくことを期待しています」と話した。

   特集:森友学園問題 ➡

 浜田知事は大蔵省広報室長、財務省理財局次長、東京税関長などを歴任。2010年に初当選し、現在2期目。