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 あ がん遺伝子治療 い 言霊
 う 言霊 実験 え 失われた20年
 お アベノミクスは失敗 か ヨガ 効果
 き フリーメイソン く ラニーニャ現象
 け 前立腺がん こ 温故知新
 さ 腸内菌と腸内免疫力 し ヒバマタ
 し 蝮の効能> す インパール作戦
 せ いのち・本能・環境 そ 日本人は世界をリードできるのか
 た 世界は日本化する ち 世界が日本人に注目している
 つ フーバー米大統領  て 時代の谷間で苦悩する小沢一郎
 と 「小沢一郎 600人訪中団」のどこが悪い? な 財務省が改ざんとは…動機が解せない
 に 天才を育てる楽しみ ぬ 首相、麻生氏続投の考え「責任を果たして」
 ね 財務省が改ざんとは…動機が解せない の 財務官僚「親分の奥さん、部下は守る」
 は 安倍首相や麻生氏の名前、削除 日本会議めぐる記載  ひ 麻生財務相「佐川の答弁に合わせ書き換え」 一問一答
 ふ 国民にうそ、意味なさぬ情報公開制度 へ 社説 3月になってから
 ほ 「文書、外部の目触れるのまずい」 ま 財務省、国会開示時に保有 改ざん前の文書、国交省から入手
 み 「財務省不信」財政再建や消費増税に影響も む 特集 森友学園問題
 め 公文書改ざん問題 新聞 3/15 も 公文書改ざん問題 新聞 3/16
 や 公文書改ざん問題 新聞 3/17 ゆ 公文書改ざん問題 新聞 3/18
 よ 公文書改ざん問題 新聞 3/19 ら 公文書改ざん問題 新聞 3/20
 り 公文書改ざん問題 新聞 3/21 る 公文書改ざん問題 新聞 3/22
 れ 公文書改ざん問題 新聞 3/23 ろ 公文書改ざん問題 新聞 3/24
 わ 産経新聞 3/24 ん 公文書改ざん問題 新聞 3/25
 A 冬季オリンピック若者の活躍 B 公文書改ざん問題 新聞 3/26
 C 公文書改ざん問題 新聞 3/28 D 公文書改ざん問題 新聞 3/27
 E 金正恩氏訪中 対話生かす国際連携を F ◆米覇権の転覆策を加速するトランプ
 G ◆トランプのバブル膨張策 H 「核なき世界」日本異論 2018/03/31
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 03 31 (金) 財務省 文書改ざん問題     

2人の総理大臣経験者で、現在正副の総理大臣の政府権力の行使において前代未聞の醜聞をさらし、それでもけじめをつけないでいます。

戦後においての経験しかないけれど、こんな醜態を見たことはありません。

たとえ少年であったにせよ軍籍をもち、直撃弾で友達を失い、爆撃による負傷者をそのままに軍令によって自分は逃げなければならなかった経験を持った私にとっては、人間性のおぞましい姿をこれほどまでに見せ続けられて黙ってはいられなかった。

どうしてこんな日本になってしまったのか。

戦後になって新たに勉強をし直していた時、それまでの学びの浅かったことを痛切に感じました。 学びの苦労は大変なものでしたが、若いということは今になって思うに自分を作り上げる意欲は衰えを知ることがないほど日々を新たに迎えることができた。 今になってそう回想できます。

若い時の学びについて、宇野という校長先生の着任のあいさつが振るっていたことが今もそのまま頭の一角に残っています。 学生が一番大事にしなければならないことは、第一に学問であります。 第二に大事なことは学問であります。 そして、第三に大事なことは、学問であります。

自分を顕示する姿はなく、控えめな先生だった。 自らは竹の繊維の研究で農学博士の資格を取った方でした。 竹の繊維の弾性は、鋼(ハガネ)の弾性よよリ強いということを突き止めた功績によるものだということでした。

   『学而第一』 それは人にとって大事な心掛けです

私の心の一つの柱はこの言葉によって引き出されたのかわかりませんが、その後の論語の学習の学而第一の意味するものは、いろいろの場面を通して人が社会事象に対して基本的に大事であると思うようになったのです。

現状を見ていて、現状認識のあらましを再検討しなくてはならないことに気づいた。

憲法の再検討、 選挙の方法、 住民の代表者としての義務と責任(全ての議員、公務員)、 情報収集の仕方、 それと歴史事象の認識、 今日的な課題への具体的取り組み

頭の老化などと言ってはいられないのです。




  「核なき世界」日本異論 09年の米諮問委
      政府側が主張 「抑止は必要」「中国に留意を」


▼1面 <https://digital.asahi.com/articles/DA3S13431021.html>

【解説】米国の核政策をめぐる出来事
20091月米大統領にオバマ氏就任
2月米議会諮問委で日本の駐米公使らが「核の傘」は今後も必要と主張
4月オバマ氏がプラハで「核兵器なき世界」をテーマに演説
12月オバマ氏がノーベル平和賞受賞
20102月日米拡大抑止協議会が始まる
4月オバマ政権が核兵器の役割を狭める各戦略見直し(NPR)を発表
20143月ロシアがクリミア併合。プーチン大統領は核兵器を臨戦態勢に置くことも検討。米ロ関係悪化
20165月オバマ氏が米大統領として初めて被爆地・広島を訪問
20171月米大統領にトランプ氏就任
20182月トランプ政権が核兵器の役割を広げるNPRを発表

 「核兵器なき世界」を掲げるオバマ米政権が2009年に発足した当初から、日本政府が米国の核兵器は必要だと米側に強く訴えていたことがわかった。中国や北朝鮮に対抗するため、核軍縮よりも米国の「核の傘」への依存を優先し続ける日本政府の姿勢が浮き彫りとなっている。▼3面=視点

 ■米NGOアナリストが証言

 核軍縮や温暖化など地球規模の課題について提言している米NGO「憂慮する科学者同盟」(UCS)のグレゴリー・カラキ上級アナリストが朝日新聞の取材に応じ、米国の軍縮に関する研究成果として明かした。カラキ氏は、ペリー元国防長官が座長を務めた「米国の戦略態勢に関する米議会諮問委員会」で09年2月に秋葉剛男駐米公使(現外務事務次官)らが意見を述べた会合に関する資料を調べ、出席者に話を聞いた。当時、日本は自民党麻生政権だった。

 核政策を提言する諮問委の会合で、日本側は冒頭、米国が日本を守る「拡大抑止」は「必要であり続ける」と強調。「究極の目標として核兵器なき世界を支持するが、日本を取り巻く安全保障環境は米国の核を含む抑止を必要とする」と訴えた。

 また、「ロシアと核削減交渉をする際、中国の核の拡張と近代化に常に留意し、十分事前に日本に相談すべきだ」「米国が実戦配備した戦略核の一方的削減は、日本の安全保障に逆効果かもしれない」と、核軍縮に懸念を示したという。

 諮問委は、他の同盟国の意見も聞いて09年5月に報告書をまとめ、オバマ政権に「特に日本と、核問題でより広範な対話の場を設ける時だ。拡大抑止への信頼が増す」と提言。これを契機に、日米の外務・防衛当局幹部による「拡大抑止協議」が翌10年に始まり、今日まで続いている。

 カラキ氏によると、諮問委で「唯一の戦争被爆国」の日本が核軍縮ではなく核抑止維持を求めたことに、「議会や政府で驚きが広がった」という。諮問委の副座長だったシュレジンジャー元国防長官は09年に朝日新聞のインタビューに応じ、「拡大抑止を米国が維持するのかという(日本側の)懸念は、日本人の一般的な見方だろうと受け止めた」と話したが、日本側の主張の詳細については説明を避けていた。

 諮問委でのやり取りについて、外務省日米安全保障条約課は朝日新聞の取材に対し、「諮問委は外に議論を明かさず、公式な記録は作らないということなので、確認には応じられない」としている。(藤田直央)

▼3面 廃絶より「核の傘」、鮮明 日本「抑止は必要」
     <https://digital.asahi.com/articles/DA3S13431061.html?ref=pcviewer>

 ▼1面参照

 「核兵器なき世界」を唱えるオバマ米大統領の登場を、日本の外交官らはチャンスではなくピンチととらえ、「核の傘」をたたまないよう米側に訴えていた。9年前、当時の麻生太郎首相が施政方針演説で「オバマ大統領と核軍縮・不拡散に連携して取り組みます」と語って間もない頃だ。

 日中間で尖閣問題は先鋭化しておらず、北朝鮮の核問題をめぐる6者協議が途切れてからまだ日は浅かった。東アジアの核軍縮で対話を探る道もあっただろう。

 だが、日本政府は核による「抑止力」へ傾いた。核政策を提言する米議会諮問委員会の会合で、「米国は仮想敵が核能力の拡張や近代化を諦めるのに十分な抑止力を持つべきだ」と主張。その後も「日米拡大抑止協議」を開いては中国や北朝鮮を牽制(けんせい)した。

 専守防衛や非核三原則の国是の下、選択肢は限られるかもしれない。だが、今回浮き彫りとなったのは、国民のオバマ氏への共鳴をテコに核軍縮の理想へ近づくよりも、現実を見ろとばかりに「核の傘」への依存を深めていく日本政府の姿だ。

 トランプ政権で日米は核抑止をより強調している。中朝の核能力向上との負の連鎖は止まっていない。(藤田直央)

▼(日曜に想う) 民意が首相を見限る条件とは
     編集委員・曽我豪
     2018年4月1日05時00分
     https://digital.asahi.com/articles/DA3S13431060.html

 29年前の今日、平成元(1989)年4月1日、政治部に異動して竹下登首相の総理番を命じられた。

 首相と大蔵省の悲願だった消費税が始まった日でもあった。だが初日から、首相を追いかけ回す番が探るのはただひとつ、「いつ辞めるか」だった。既に前月半ば内閣支持率は15%に急落していた。

 未公開株を巡る贈収賄に司直が切り込んだリクルート事件が政権を激しく揺さぶっていた。前年昭和63(88)年から首相は幾度もリセットを試みた。関係者の証人喚問に応じ、自民党に政治改革の立案を命じ、内閣を改造した。だがふたが出来ない。株譲渡問題で宮沢喜一副総理・蔵相が辞任した12月、支持率は30%の大台を切った。明けて2月の参院福岡補選で自民党は大敗、3月にかけリクルートとNTTの前会長、労働、文部両省の元事務次官らが次々と逮捕された。

 国会対策の第一人者だった首相と権力派閥竹下派をして野党共闘を突き崩せない。新年度予算は4月半ばを過ぎても参院はおろか衆院も通過していなかった。

 とどめは首相自身の疑惑だった。リクルート前会長からの5千万円の借り入れ疑惑が発覚、首相は4月25日、退陣を表明した。それでも終わらなかった。翌26日、疑惑の渦中にあった首相の元秘書が自殺した。26、27両日、朝日新聞が実施した世論調査は衝撃の結果だった。

 内閣支持率7%、不支持率84%。安保紛争に倒れた岸信介内閣、狂乱物価と金脈問題で退陣した田中角栄内閣のそれぞれ末期の12%を下回る新記録だった。

    *

 不沈と思われた巨艦がきしみ、船底の穴を塞ごうとして、新たな穴が次々開く。平成の初めの年、総理番だった実感だ。だが自民党の傷は一内閣の退場にとどまらなかった。調査の政党支持率が予言していた。

 自民党の支持率は70年代の与野党伯仲時代の後ほぼ一貫して50%台を維持、野党は30%台を低迷していた。それがその調査で自民党は42%に落ち、社会党など野党合算の44%を下回った。

 参院選が夏に迫っていた。自民党では清廉の士で知られた伊東正義氏らが後継に浮上していたが、世論はいち早く、政権批判の受け皿として野党を認めていたのだ。事実、自民党は宇野宗佑首相を担いで臨むも参院選で惨敗、衆参は大きくねじれた。それはやがてすぐ訪れる戦後の自民党の長期単独政権時代の終わりを強く予感させたが、その後も橋本龍太郎政権下の98年、第1次安倍晋三政権下の2007年に自民党は参院選に大敗、ねじれに苦しむ時期が断続的に続いた。

 支持率が1桁に落ちた政権はもう一つある。01年2月の森喜朗内閣だ。

 理由は首相自身の言動だった。「日本は天皇を中心とする神の国だ」といった発言が批判を浴び、支持率は1月に19%になっていた。さらに米原子力潜水艦事故の際に首相が一報後もゴルフを続けたことが発覚。直後の調査で支持率9%、不支持率79%を記録した。だが内実は竹下内閣時と異なる。

 同じく夏に参院選を控え、無党派が50%を超えるようになってはいたが、自民党の支持率は2ポイント減じるも24%で、期待を呼び込めず12%のままだった民主党の倍あった。他方、自民党支持層の内閣支持は47から21%へ、連立与党公明党に至っては40から13%へと激減していた。

 既に与党内でポスト森への期待が醸成され、いち早く首相を見限る空気が支持率に顕在化していたのだ。事実、「森おろし」は水面下で進み、総裁選を4月に前倒しして小泉純一郎首相に交代、参院選をしのいで自公政権は命脈を保った。

    *

 今日の安倍政権は、抱え込む事件の性格も違えば、予算は成立し参院選も1年以上先など政権の危機の様態も違う。だが支持率1桁の二つの自民党政権の顛末(てんまつ)から引き出せる教訓はあるはずだ。

 負の連鎖を首相自身の努力でリセット出来ない限り、政権が国民の信を取り戻すことは望めまい。だが同時に、民意が最終的に首相を見限る条件は、受け皿としての野党ないしは自民党のリーダー交代の確かさにあることも教えている。

2018年4月2日05時00分
(公文書改ざん)「森友」、何を隠したのか
     https://digital.asahi.com/articles/DA3S13432346.html

【書き換え前】財務省が公表した改ざん前の決裁文書の一部。下線部分が削られ、安倍晋三首相の妻昭恵氏にかかわる記述も消えた


畿財務局から豊中市に「森友学園と本財産の契約を締結することを証する」旨の文書を提出してもらいたいとの要望あり。
 なお、打ち合わせの際、「本年4月25日、安倍昭恵総理夫人を現地に案内し、夫人からは『いい土地ですから、前に進めてください。』とのお言葉をいただいた。」との発言あり(森友学園籠池理事長と夫人が現地の前で並んで移っている写真を提示)。

近畿財務局から森友学園に対し、当局の審査を延長すること、豊中市に対して、開発行為等に係わる手続きのみを可能とする「承諾書」を当局から提出すること、売払いを前提とした貸付については協力させていただく旨を回答。
  〔①~③は黒色だった〕


【改ざん経緯】土地取引をめぐる経緯/文書改ざんをめぐる経緯

写真・図版  森友学園との国有地取引をめぐる決裁文書の改ざん問題は、朝日新聞が疑惑を報じて2日で1カ月になる。財務省は14文書の改ざんを認めたが、狙いなどは分からないままだ。「民主主義の根幹を支える」と法が定める公文書に手を加えてまで、隠したかったことは何なのか。国有地取引とともに、問題の本質をあらためて整理する。

 ■土地取引 特例の貸し付け→大幅値引きで売却 「昭恵氏に忖度」疑い残る

 「貸し付けも売却契約も適正に行われたと、いまでも考えております」

 3月27日に行われた改ざん問題をめぐる証人喚問。改ざん当時の理財局長だった佐川宣寿氏は、国有地取引についても問われ、そう答えた。

 ただ、異例ずくめの取引への疑念は晴れぬままだ。

 昨年2月、大阪府豊中市の国有地が、鑑定価格から大幅に値引きされて売却されていたことが発覚。買い取った森友学園に、安倍晋三首相の妻昭恵氏が名誉校長として関わっていたため、値引きへの影響が疑われることになった。

 国有地取引をめぐるポイントはおもに3点。(1)特例の貸し付け契約がなぜ認められたのか(2)貸付料の予定価格はなぜ減額されたのか(3)貸し付けから切り替わった売却契約で、大幅な値引きは妥当だったのか。契約では極めて異例の措置が取られた。

 決裁文書には当初、貸し付け契約に至るまでに昭恵氏や元閣僚らの関わりが記載されていたが、改ざんで消されていた。「異例」の背後に政治の影響があったのでは、と問われている。

 大幅な値引きについても、根拠となるごみの撤去費の妥当性を会計検査院が疑問視。ごみがあった深さを示す業者の現場写真が「虚偽」だった疑いも新たに浮上した。

 売却交渉の前年の秋、学園の依頼を受けた昭恵氏付の職員谷査恵子氏が、財務省理財局に取引について照会をしていた。対応した同局の担当室長が売却交渉時にも在籍していたため、昭恵氏への「忖度(そんたく)」がなかったか疑われている。

 佐川氏は27日の証人喚問で、「忖度とかいう話は個々の内面の話。報告を受ける中で、貸し付けや売却に総理や総理夫人の話はなかった」と答えた。ただ、そもそも佐川氏は取引の直接の当事者ではない。前任の迫田英典氏から理財局長を引き継いだ際、売却交渉はすでにほぼまとまっていた。

 ■改ざん 国会質疑ほぼない項目も削除 「答弁と整合性」に矛盾も

 1年以上にわたって国会で議論が続く取引問題とは違い、文書の改ざんは、3月2日に朝日新聞が疑惑を報じた10日後に財務省が不正を認めた。ただ、詳しい経緯はわかっていない。

 最大のポイントは、改ざんの狙いと、誰が指示をしたのかだ。

 解明が期待された証人喚問で、佐川氏は「刑事訴追の恐れがある」と繰り返し、改ざんについてほぼすべての説明を拒否。一方で、改ざんは「理財局の中で行われた」と述べ、官邸など外部の関与を否定した。

 財務省は改ざんの狙いについて、「それまでの国会での答弁が誤解を受けることにならないようにするため」としている。昨年2~3月の佐川氏の答弁を例に挙げるが、太田充理財局長は「政府全体の答弁を気にしていた」とも説明し、佐川氏以外の答弁の影響も否定していない。

 また、学園側との交渉の経緯や昭恵氏などの名前だけでなく、国会でほとんど質疑が行われていない運動団体「日本会議」の記載も項目ごと削られるなど、国会答弁との整合性だけでは説明がつかない点もある。

 財務省は現在、関わった職員への調査を進めている。結果については「できる限り速やかに、責任のある報告をする」としているが、中間報告は否定しているため、時期の見通しは立っていない。野党からは、第三者委員会で調べるべきだとの意見も出ているが、財務省は「究極の第三者による調査が捜査当局による捜査」とし、大阪地検の捜査を受けていることを理由に拒んでいる。

 誰がどのように責任を取るのかもはっきりしていない。安倍首相は、証人喚問翌日の参院予算委で「政府としてけじめをつけるのは当然。最終的な監督の責任が私にあることも含め、判断をしなければならない」と述べ、財務省による調査後に判断する考えを示した。

▼1面2018年4月3日05時00分
陸自イラク日報、一転確認 防衛相発表 国会では「ない」
     https://digital.asahi.com/articles/DA3S13433675.html

【解説】イラク派遣時の日報発見と公表までの経緯

 防衛省は2日、過去の国会答弁で存在しないとしてきたイラク派遣の際の陸上自衛隊が作成した活動報告(日報)が見つかったと発表した。2004~06年の延べ376日分、約1万4千ページに上る。小野寺五典防衛相は「適切に対応できず申し訳なかった」と陳謝し、今月半ばまでに資料要求した国会議員に開示する方針を示した。▼4面=揺らぐ信頼、31面=また覆す

 昨年も南スーダン国連平和維持活動(PKO)の日報データを「廃棄した」とした後、陸自内に保管されていたことが発覚。当時の稲田朋美防衛相が辞任し、黒江哲郎事務次官、岡部俊哉陸上幕僚長が懲戒処分を受け、その後引責辞任した。森友学園との国有地取引で財務省の決裁文書改ざんが問題となる中、改めて政府の公文書管理のあり方が問われるのは必至だ。

 防衛省では、PKO日報問題を受けた再発防止策として、文書の統合幕僚監部への一元管理と共に、陸自の全国の部隊などが保有する文書を確認調査してきた。その結果、小泉政権がイラク復興支援特別措置法に基づき04~06年にイラク・サマワに派遣した陸自が現地で作成した日報が見つかった。

 防衛省によると、まず陸自研究本部(現・教育訓練研究本部)が見つけて今年1月12日に陸上幕僚監部総務課に報告。陸幕衛生部は1月26日に発見し、同31日に陸幕総務課に報告した。陸幕は2月27日に統幕に伝え、小野寺氏には3月31日になって報告が上がった。小野寺氏は2日、安倍晋三首相に報告したという。

 文書の内訳は、イラク復興支援群が作成した文書が319日分、イラク復興業務支援隊の作成が26日分、後送業務隊の作成が31日分。自衛隊員の活動内容や現地の治安情勢などについての記載があるとみられる。派遣当時は政府が「非戦闘地域」とした自衛隊の活動地域の実態が問題となっていた。

 国会では昨年2月20日、民進党(当時)の後藤祐一氏が南スーダンPKOの日報問題に関連して、イラク派遣の日報の存在について質問。稲田氏は「見つけることはできなかった」と答弁していた。小野寺氏は「当時限定的に調査され、見つからなかったということで答弁されたと思う。適切に対応できなかったことは申し訳なかった」と述べ、後藤氏ら質問者に開示する意向を示した。

 また小野寺氏は、共産党の穀田恵二氏が独自入手したとする同省作成の文書と、同省の開示文書の間に食い違いがあると30日の衆院外務委員会で指摘した問題についても確認したと説明。小野寺氏は「情報公開請求の際に見つけられず、おわび申し上げたい」とした。(藤原慎一、編集委員・土居貴輝)

▼4面
防衛省答弁、信頼揺らぐ 「ない」から1年以上 イラク日報
     https://digital.asahi.com/articles/DA3S13433565.html?ref=pcviewer

 南スーダンの国連平和維持活動(PKO)の日報問題に続き、イラク派遣で陸上自衛隊が作成した日報についても、不存在としていた文書が見つかった。国会答弁の信頼性を揺るがす問題で、野党はさっそく今後の論戦で追及する構えを見せている。▼1面参照

 小野寺五典防衛相は2日、急きょ記者団の取材に応じてイラク派遣時の日報の存在を公表。「全省的に調べる中、新たに10年以上前の資料ではあるが、発見された」と述べた。

 国会で「不存在」としていたのは、昨年2月20日の衆院予算委員会。当時民進党の後藤祐一氏(現希望の党)が、南スーダンPKOの日報問題に関連し、イラク派遣時の日報の存在を問うたところ、当時の稲田朋美防衛相が「確認をしたが、見つけることはできなかった」と答弁していた。

 それが1年以上経過して見つかった。防衛省関係者によると、小野寺氏が報告を受けたのは3月31日。小野寺氏は2日午前、官邸で安倍晋三首相に報告し、この日の公表を急いだという。だが、陸自内では1月に発見され、陸幕を通じて統幕への報告があったのは2月27日。防衛省は「確認作業が必要だった」とするが、発見から大臣までの報告に3カ月近くかかったことも問題となりそうだ。

 財務省の公文書改ざんなど公文書をめぐる問題が後を絶たず、各府省庁は今年度から文書の保存期間を改める新規則の運用を始めたばかり。安倍首相は2日の政府与党連絡会議で、「政府をあげて見直しを行っていく」と語っていた。後藤氏は朝日新聞の取材に対し「虚偽答弁だったことが明らかになった」と述べ、国会でイラク派遣の日報問題を改めて追及する必要性に言及。立憲民主党の辻元清美国会対策委員長も国会内で記者団に、「なぜ今出てきたのか不思議だ。故意に隠していたとしたら大きな問題だ」と述べた。(藤原慎一)

▼4面 続
防衛相「内容違う2文書」 公開請求後に更新記録 共産指摘

 共産党の穀田恵二衆院議員が独自入手したという防衛省作成の文書と情報公開文書との間に食い違いがあると指摘した問題で、小野寺五典防衛相は2日、「(情報公開文書と)内容の一部が異なり、用途が異なると思われる文書が2件新たに確認された」と記者団に説明した。防衛省は本来、2件も情報公開請求に応じて公開すべき文書だったとして、不手際を認め、穀田氏に謝罪した。

 穀田氏は先月30日の衆院外務委員会で、同省統合幕僚監部が2012年7月に作成した「日米の『動的防衛協力』について」と題した文書について、情報公開文書からは「検討会の実績」「今後の予定」が書かれたページが抜けていると指摘し、「文書改ざんではないか」と主張。これに対し、山本朋広副大臣は穀田氏入手の文書は「対外的に明らかにしたものではないので、真贋(しんがん)が分からない」と述べ、文書の存在について明確な答弁を避けていた。

 防衛省によると、新たに確認されたという2件と情報公開文書は同じ題名で、日米防衛協力課の複数のファイルに入っていたという。小野寺氏は2日、「日米協議の準備のために作成した文書と日米協議の実施に関する大臣、局長に報告する文書で、実施時期や説明対象者への用途が異なる」と説明。そのうえで「中身が大きく変わっていることはない」として、改ざんとの指摘を否定した。

 だが防衛省は同日夜、公開された文書の最終更新日時が、昨年5月の公開請求日の後になっていたと説明。理由について「担当者に確認したが、なぜ更新の日付がずれたのか分からない。作業の際に一部(文書に)触れてしまったのかもしれない」と話した。

 同省は記者団に「(情報公開)当時の探索が十分でなかったというのは反省している」と述べた。

▼31面
「文書ない」また覆す イラク日報、南スーダンと同部署保管
     https://digital.asahi.com/articles/DA3S13433632.html?ref=pcviewer

 「ない」としていた文書が、また出てきた。防衛省が2日、陸上自衛隊のイラク派遣時の活動報告(日報)を「発見した」と発表した。公文書の扱いでは防衛省だけでなく、改ざんなど問題が相次いでおり、識者からは政府の姿勢を疑問視する声が出ている。▼1面参照

 ■陸自幹部「なぜ最初に探さぬ」

 「過去の国会議員による資料要求および国会での答弁ならびに情報公開請求の際に、今回確認された文書を見つけられなかったことはおわび申し上げたい」

 2日午後3時半ごろ。防衛省1階のロビーで急きょ取材に応じた小野寺五典防衛相は、こう陳謝した。

 ただ、今回見つかったイラク派遣時の日報については「特に内容に何か変わったものがあると認識していない」と説明。

 また、「日米の『動的防衛協力』について」という同じ題名で内容の異なる複数の文書が見つかった点については「実施時期や用途が異なるもの。情報公開請求に出した文書が、新たに見つかった文書と大きく違っているとは考えていない」と釈明した。

 小野寺氏はこの日午前の入省式で新入職員約500人を前に南スーダンPKO日報問題に触れ、「国の防衛をはじめ全ての行政は国民の信頼の上に成り立つものであることを決して忘れず、法令の順守につとめ、一つ一つの業務に真摯(しんし)に取り組んでいただきたい」と訓示したばかりだった。

 今回、防衛省が「不存在」と答えてきたイラク派遣時の日報は、陸上幕僚監部衛生部と、陸自研究本部(研本、現・教育訓練研究本部)で見つかった。

 陸自幹部は「研本は過去の自衛隊の海外派遣に関する記録をすべて保管している。南スーダンPKOの日報が問題になったときも研本に日報の電子データがあった。イラク派遣時の日報の提出を求められたら最初に存否を探すべき部署。なぜ最初から調べなかったのだろうか」と話した。

 防衛省幹部は「全国の様々な部署で文書が電子データとして共有されている。防衛省・自衛隊は大きな組織。しっかり探さずに『不存在』と答えて、後から『出てきました』なんて対応を繰り返していたら、本当に国民の信頼を失う」とため息をついた。

 ■識者ら「隠蔽を疑う」「管理おかしい」

 防衛省に情報公開請求を行い南スーダンの日報問題を追及してきたジャーナリストの布施祐仁(ゆうじん)さんは「イラク派遣時の日報は防衛省が『ない』と繰り返してきたもの。南スーダン日報問題を踏まえると、長い間隠蔽(いんぺい)していたのではと疑わざるをえない」と不信感をあらわにする。

 同じ題名で内容の異なる文書が見つかったことについても、共産党の指摘がきっかけだったことを疑問視する。「疑惑浮上後にようやく出してくるという対応は到底納得できない。南スーダンの日報問題から何の教訓を得たのか疑わしい」

 政府の情報公開のあり方を問うてきたNPO法人「情報公開クリアリングハウス」の三木由希子理事長は、イラクの日報について「組織的に必要な文書のはずで、きちんと管理できていなかったことがおかしい」と指摘。「情報公開請求をされると面倒だという気持ちの表れではないか」と話す。

 「公文書管理のルールの問題ではなく、情報を扱う者の判断能力という根本的なところに原因がある。情報は何のためのものなのかを、改めて考えてほしい」

 公文書を巡っては近年、様々な問題が浮上している。全国市民オンブズマン連絡会議事務局長の新海聡弁護士は「公文書に書かれた事実を政策立案につなげるのが行政府の仕事。にもかかわらず、最近の内閣は実現したい政策ありきで事実をおろそかにしてきたように映る。こうした姿勢が役人にも伝染した結果ではないか」と話す。

 ないとする文書が次々に出てきたことについて「政策判断の根本となるはずの文書なのに、ないとする省庁の言い分をうのみにしてきた。内閣の監視が及ばない分野がいかにあるかを露呈し、統治能力の喪失を意味している」と言う。

 ■陸自イラク派遣と南スーダンPKOの日報問題

<2004~06年> イラク戦争後の人道復興支援で陸上自衛隊がイラクに派遣
<12年1月> 南スーダンの国連平和維持活動(PKO)へ自衛隊の施設部隊を派遣
<16年10月> 防衛省が南スーダンPKOの日報の情報開示請求を受け付け
  <12月> この日報を「廃棄」したとして防衛省が不開示決定
  <12月> 「廃棄」したとされた日報が統合幕僚監部(統幕)で見つかる
<17年2月> 防衛省が統幕で見つかった南スーダンPKOの日報を公表
  <2月> 野党議員のイラク派遣時の日報の資料要求に、防衛省が「不存在」と回答
  <7月> 稲田防衛相(当時)が南スーダンの日報問題の責任をとって辞任
<18年1月> 国会で「不存在」としてきたイラク派遣時の日報が陸自で見つかる。2月末に統幕へ報告
  <4月2日> 小野寺防衛相が日報発見を公表

 ■公文書管理をめぐり政府の対応が問われた事案

<17年2月> 【防衛省】 「戦闘」などの文言を含む、南スーダンの国連平和維持活動(PKO)派遣部隊の日報を公表。前年の情報開示請求には、廃棄したとして不開示にしていた

<2月> 【財務省】 国有地取引をめぐる森友学園との面会記録について、佐川宣寿理財局長(当時)が「廃棄した」と答弁。会計検査院は17年11月にまとめた報告書で、学園側との具体的なやりとりの内容が不明確なことを挙げ、「会計経理の妥当性が十分に行えない」と指摘した

<6月> 【文部科学省】 学校法人加計学園の獣医学部新設をめぐり、内閣府から「総理のご意向」などと言われたとする文書の存在が省内の再調査で発覚。最初の調査では「存在は確認できない」としていた

<18年2月> 【厚生労働省】 「なくなっている」としていた労働時間調査に関するデータの原票が省内の地下倉庫から見つかる

<3月> 【財務省】 森友学園との国有地取引に関する決裁文書の改ざんが発覚

(時時刻刻) 2018年4月4日05時00分
「ない」日報、なぜ今発見 イラク分、把握3カ月後に公表
     https://digital.asahi.com/articles/DA3S13435166.html

【解説】安倍政権下で明るみに出た各省庁の文書・データをめぐる問題

防衛省 南スーダンPKOの日報問題(稲田朋美防衛相・当時) 情報開示請求で「廃棄済み」として不開示 ➡ 別部署で発見したとして公表 2017/02 陸上自衛隊のイラク派遣時の日報問題(小野寺五典防衛相) 国会答弁で「不存在」 2017/02 ➡ 発見したと公表 2018/04/02 文部科学省 加計学園問題(菅義偉官房長官) 獣医学部新設をめぐり、「総理のご意向」文書報道に、菅官房長官が「怪文書」発言 2017/05 ➡ 同内容の文書発見 2017/06 厚生労働省 裁量労働制の不適切データ問題(加藤勝信厚労相) 加藤厚労相が「実際の調査票はなくなっている」発信 2018/02 ➡ 倉庫で発見、データの異常値も相次ぐ 2018/02 財務省 森友学園問題(麻生太郎財務相) ➡ 国有地取引に関する決裁文書について、取引問題が発覚した17年2月以降、14件の文書を改ざんしたと認める 2018/03  南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に続き、イラク派遣でも、防衛省が「存在しない」としてきた日報が見つかった。防衛省・自衛隊のずさんな対応に批判が集中する中、首相官邸は政権全体への飛び火を避けようと必死だ。しかし、不祥事の続発に対する政治責任は免れそうにない。▼オピニオン面=社説

 ■「組織的隠蔽」、野党追及

 野党6党が3日、国会で緊急招集して開いた「イラク日報隠ぺい疑惑野党合同ヒアリング」。立憲民主党の本多平直氏が、正面に座る防衛省幹部に対し「なぜ大臣への報告にこんなに時間がかかったのか」と追及した。

 防衛省によると、イラクの日報は陸自研究本部(現・教育訓練研究本部)が電子データで、陸上幕僚監部衛生部では紙の状態で見つかり、それぞれ今年1月12日と同31日に陸幕総務課に報告。発見から小野寺五典防衛相への報告、そして公表まで3カ月近くが過ぎている。野党の追及は、まずこの「公表の遅れ」だった。

 この3カ月の間に、財務省の決裁文書改ざんが発覚。国会では公文書のあり方が問われていた。民進党の小西洋之氏は「国会での追及を免れるために組織的に隠蔽(いんぺい)していたのではないか」と質問。防衛省の鈴木敦夫統合幕僚監部総括官は「ある程度、大臣への説明に足りる材料がそろったところで、説明しようと考えた」と述べ、意図的な隠蔽を否定した。

 昨年2月の国会では、当時の稲田朋美防衛相が「確認をしたが、見つけることはできなかった」と答弁しただけに、国会答弁の整合性も重大な論点の一つになる。当時、稲田氏に国会で質問した希望の党の後藤祐一氏もこの日のヒアリングに出席し、稲田氏の答弁について「不十分な答弁と認識しているか」と追及した。

 これに対し、鈴木統幕総括官は「限られた時間の中で限られた調査をした結果だった」と繰り返した。稲田氏も3日、国会内で記者団の質問に対し、「南スーダンの反省のもとで、今回徹底的に捜索した結果、見つかったということだと思う」と述べるにとどめた。

 野党はおさまらない。立憲の枝野幸男代表は3日の党会合でこの問題に触れ、「政治と行政がぼろぼろになっている。厳しい質疑を交わしていきたい」と表明。希望の党の玉木雄一郎代表も記者会見で「虚偽答弁だったことが明らかになった」として、稲田氏の参考人招致を求める考えを示した。まずは5日の参院外交防衛委員会で審議時間を延長することで与野党は合意し、小野寺氏に経緯の説明を求めることになった。

 防衛省にとっては、昨年の南スーダンPKOの日報隠しと同じ構図で、省全体の意識が問われる事態だ。

 同省の青柳肇報道官は3日の記者会見で、約2万人の事務官、約25万人の自衛官がいることに言及。「極めて大きな組織という特質はある」としつつ、「職員全員が公文書管理の重要性を認識したうえで適切な文書管理をしていく」と述べた。小野寺氏も会見で「どのような経緯だったかを確認していきたい」として、省内では職員からの聞き取りを始めたが、解明できるかは見通せていない。(藤原慎一)

 ■政権、また省の責任強調

 財務省の決裁文書改ざん問題が収まらない中で再燃した陸上自衛隊の日報をめぐる文書管理の問題。政権は今回も防衛省の責任を強調することで、政権全体に責任が及ぶことを避けようとしている。

 菅義偉官房長官は3日の記者会見で「大臣から説明している。大臣の強力なリーダーシップのもと、情報公開、文書管理の取り組みを徹底していただきたい」と語った。責任の所在について問われると、「まず防衛省の中で対応していく話だ」と述べた。公文書管理を担当する梶山弘志規制改革相も「防衛省でしっかりと(問題の経緯を)洗い出すことが重要」と菅氏の発言に歩調を合わせた。

 だが、昨年から今年にかけて、安倍政権下で文書やデータ管理をめぐる問題は相次いでいる。その都度、問題が起きた防衛、文部科学、厚生労働、財務の各省や役人の責任にとどめようとする姿勢が目立ち、政権の対応は後手に回っている。

 安倍首相は先月、財務省の公文書改ざん問題を受けて対応を打ち出したが、具体的な指示は電子決裁システムへの移行の加速のみ。改ざん問題発覚前に改正した公文書管理ガイドラインに沿って、ルールの徹底を求めるにとどまった。

 信頼回復への道筋が見えない状況に与党は危機感を強めている。自民党の岸田文雄政調会長は3日の党会合で、党内に「公文書管理改革検討委員会」を設置する方針を説明。与党でワーキングチームをつくり、公文書管理法の改正も含めて議論する方針だ。二階俊博幹事長も3日の会見で「行政は国民の信託を受けてやっとる。信頼を失ったらなんにもできなくなっちゃう」と苦言を呈した。(又吉俊充)

 ■派遣当時は「非戦闘地域」 日報の内容、注目

 日報は派遣部隊が毎日、現地の状況や日々の課題を報告するもので、専用のネットワークで日本に送られる。関係部署は閲覧でき、部隊の活動を検証し、教訓を引き出す基礎的な資料になるという。

 「宿営地5、6時方向で激しい銃撃戦」「今後もUN(国連)施設近辺で偶発的に戦闘が生起する可能性」――。昨年2月に公表された南スーダンPKOに派遣された陸上部隊の日報には、周辺で起きた戦闘の様子が生々しく記録されていた。黒塗りにされたが、派遣部隊の警備態勢に関する記述や他国軍からの情報も含まれていた。

 今回見つかったイラク派遣の日報は2004~06年の延べ376日分で、約1万4千ページに及ぶ。

 陸自研究本部(現・教育訓練研究本部)は昨年、陸上幕僚監部(陸幕)に「存在しない」と回答したが、実際には電子ファイルとして保存されていた。

 いったい何が書かれているのか。イラク派遣当時、小泉純一郎首相は「活動地域が非戦闘地域でなくなれば撤収する」と明言しつつ、04年12月と05年12月に派遣期間を延長した。防衛省は今月半ばをめどに資料要求をしていた議員らに日報を開示する方針。日報の内容と状況に矛盾がないか、注目される。(古城博隆)

(波聞風問) 2018年4月3日05時00分
公文書改ざん 財務省悪玉論に走る愚
     原真人(編集委員)
     https://digital.asahi.com/articles/DA3S13433613.html?ref=pcviewer

 森友学園との国有地取引に関する公文書改ざん問題で、財務省への批判が高まっている。一部では同省の解体論さえささやかれはじめた。省内の不正がきっかけとはいえ、安倍晋三首相からもっとも疎まれ遠ざけられてきた財務省が、政権を守る盾となった疑惑で集中砲火を浴びるのは、何とも皮肉な話である。

 首相の財務省ぎらいはよく知られる。象徴的だったのは消費増税の2回の延期のときだ。決定前に、財務官僚たちが官邸に通いつめ「予定どおり実行すべきです」と熱心に進言すると、首相の機嫌は悪くなったという。

 税率8%への増税の際、財務省から「景気は悪くならない」と説明を受けていた首相は、実際はそうではなかったと快く思っていなかった。財務官僚は増税や赤字削減ばかりに熱心で、政権安定や支持率維持に配慮が足りないという不満もあったのだろう。

 過日、参院予算委員会で、そんな首相の気持ちを忖度(そんたく)したような自民党議員の質問がいくつかあった。

 和田政宗議員は財務省陰謀論を掲げ、太田充理財局長を責めた。「(あなたは)民主党政権で首相秘書官を務め増税派だから、アベノミクスをつぶすため、安倍政権をおとしめるために意図的に変な答弁をしているのではないか」

 これには太田局長が憤然とし、「いくら何でも」と3回繰り返して否定した。さすがにやりすぎだと思ったか、自民党の申し入れで質問は後日、議事録から削除された。

 青山繁晴議員は首相に同省の解体を促した。「財務省は旧来のままというのではとても主権者から納得されない。税の部分だけ切り離し、税管理庁をつくってはどうか」

 欧米諸国では近年さまざまな予算改革が実施されている。主要国最悪の借金大国である日本もそこから学び、採り入れるべきものはあるかもしれない。とはいえ、いまのような「財務省悪玉論」に乗って同省の権限を弱めることを目的に機構改革に乗り出すのでは、いかにも危うい。

 財政当局とはいわば「宴会幹事」のようなものだ。出席者たちがみな泥酔してしまっても、ひとり冷静に勘定を終え、会費を徴収しなくてはならない。無粋で、嫌われ者になったとしても、欠かせない大切な役回りなのである。

 かつて自民党税制調査会のドンと呼ばれた故山中貞則氏は会が紛糾すると、「黙れ」と制して幹部たちをこう諭したという。「ここにいる大蔵省(現財務省)主税局の諸君の話も聞きたまえ。聞かずに決めたら、国を誤るぞ」

 改ざん問題の余波で、来年10月予定の消費増税の実施が難しくなったとの見方も出ている。財務省にお灸(きゅう)をすえたいと思うあまり、世論がそんなムードに乗ってしまえば、まさに国を誤る。

 消費増税は財務省のためでなく、国民生活の安定のために欠かせないものだ。冷静な世論が求められる。