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続折々の記 2020⑥
【心に浮かぶよしなしごと】
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【 04 】09/03~
教育、人材育成という国家主義 09/03
平尾 鉐
岩村藩士出生祖母の薫陶を受けて育つ
今日の赤旗日曜版 藤井裕久
「行き詰まりの内政・外交」
政党・行政でのデジタル化への危惧
複雑高度化する社会機構と国の方針
09 03 (木) (考 最長政権:5) 教育、人材育成という国家主義
今朝新聞を見ると、今までにないような物凄い十号台風が日曜あたりに襲来するから早々準備をするようにという知らせが出ている。 最近の日本の気象は準亜熱帯の感じがするので、台風が東寄りになる場合は凄いのだろう。
グレタさんが言うとおり、早急の手を打たないと大変なことになる。 たとえすぐ手を打ったとしても、世界の気象はすぐに変化はしない。 戦争どこの話ではない。 世界の近代化が化学変化の予測をよそに、とんでもないコロナウイルスの出現が現われた。 人の凡欲は、戦争の超現代化を推し進めているし、農業の薬品現代化による人間の健康阻害につながっている。
人の幸福は、どのような考えに依ればよいのか?
米中の自国の政策が相手を無視した独りよがりの政策になっていることは、政治家はでない世界の普通一般の人たちのほうがよくわかっている。 それがどの国でもすぐに政治に反映しない。
安倍政権が、行方も分からない方向に向かっているのもみんな分かっている。 体の不調でやめるけれど、跡継ぎの政治家候補の意見を見ていても日本が目指す方向は全くわからない。
こんなバカげた政治状況は今までにはなかった。 戦争卒業時代へ向かう大道と自国本位の政治の卒業の二つが、緊急の世界の課題だというのに …………… 。
(考 最長政権:5) 2020年9月3日 5時00分
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14608244.html
教育、人材育成という国家主義
来春から使われる中学の教科書で、領土の記述が現行より詳しくなった。
例えば尖閣諸島。ある公民の教科書にはこうある。「領土問題は存在しない一方で、中国や台湾が領有権を主張している尖閣諸島」
「領土問題は存在しないことも扱うこと」とする新しい学習指導要領の要請に沿ったためだ。大阪府の中学教員の男性(50)は「尖閣諸島は『領土問題がない』のに、なぜ中国と摩擦が起きるのか。説明しづらいので、授業ではサッと通過して終わり」と言う。
「個の尊重」から「公の精神」の重視に転じた教育基本法の改正、「徳育」の教科化――。第1次安倍政権が打ち出した教育政策はイデオロギー色の強さが目立った。第2次政権の前半も道徳の教科化を実現。教科書は政府見解がある場合、それに基づく記述を入れるように求めた。官邸主導で、文部科学相の諮問機関・中央教育審議会の「下請け機関」的な性格が強まったことが背景にあった。
一方で、リーマン・ショック後に発足し、「アベノミクス」を掲げた第2次政権が重点を置く教育政策は、経済対策や国際競争力強化につながるものへと徐々に変わっていった。
「家庭の経済事情にかかわらず、高等教育をすべての子どもたちに」。2017年6月。森友・加計学園問題で内閣支持率が急落した国会の閉会翌日の記者会見で首相はこう述べ、「人づくり革命」を提唱した。
3カ月後に衆議院を解散、高等教育や幼児教育の無償化を総選挙での自民党の公約に掲げた。選挙に大勝後、安倍政権は消費増税の増収分など2兆円を財源とし、低所得世帯が対象の高等教育無償化と、3~5歳児の幼児教育無償化を「新しい経済政策パッケージ」として閣議決定した。
この頃からケタ違いの巨額予算が教育に投じられる。全国の小中学生に1台ずつパソコンなどを配備する事業にも19、20年度で計4610億円を計上した。
日本教育政策学会長の中嶋哲彦・名古屋大名誉教授は「第1次政権の教育政策の性格が愛国心など古い国家主義だとすれば、第2次の途中から強まったのは、国の産業経済のための人材養成を優先する新しい国家主義だった」と指摘する。
理念重視から経済対策重視へ。軸足を移したかに見える安倍政権の教育政策に通底するのは、個人より国を重んじる姿勢だ。
(3面に続く)
(考 最長政権:5)
政治主導、中教審は「下請け」 首相肝いり組織、政策次々実現
【写真・図版】第2次安倍政権の教育政策の決定過程
(1面から続く)
第1次安倍政権の発足から3カ月近くたった、2006年12月15日。神奈川県の市立中学校教員(58)は教育基本法の改正に反対する国会前の集会に出ていた。参院本会議での可決の一報が届くと、「えーっ」という声とため息が広がった。「教育基本法改正は、安倍政権の教育改革の突破口だった」と教員は話す。
その約3カ月前、安倍晋三首相は基本法改正案の早期成立を期し、所信表明演説で語っていた。「私が目指す『美しい国、日本』を実現するためには、次代を背負って立つ子どもや若者の育成が不可欠です」「教育の目的は、志ある国民を育て、品格ある国家、社会をつくることです」
教育基本法は「教育の憲法」と呼ばれる。戦前の「国家のための教育」の反省から、「個の尊重」をうたい、戦後教育の根幹を形づくってきた。日本国憲法に通じる理念だ。それが、改正によって「公の精神」の重視に転じ、「我が国と郷土を愛する態度を養う」ことが盛り込まれた。
だが、最初から改正基本法の理念が思ったように具体化したわけではない。
首相肝いりの「教育再生会議」が政策を打ち出そうとしても、自民党の重鎮でもあった伊吹文明・文部科学相(当時)がブレーキをかけた。小中学校の道徳を「徳育」という教科に変える提言も、安倍氏が退陣すると、文科相の諮問機関の中央教育審議会が見送った。
安倍氏は、第1次政権で教育の「戦後レジームからの脱却」を完成できなかった雪辱を果たすかのように、12年に政権を奪い返す前から、自民党に「教育再生実行本部」を設け、改革案を練る。年末に首相に返り咲くと、本部長だった下村博文氏を文科相に据え、官邸に設けた教育再生実行会議も担当させた。まず党の実行本部で方向を出し、政府の実行会議で方針を決め、中教審が「下請け機関」として具体化するパターンで、次々と政策を実現させていった。
14年1月、文科省は小中高校の教科書の検定基準を改定し、政府見解を書かせた。「多くの教科書に、自虐史観に立つなど、問題となる記述が存在する」という自民党特別部会の指摘に沿ったものだ。「何が通説かわからない余地のある近現代史のできごとや、異論のある数字を盛り込むことを、つい避けるようになった」。社会の教科書を発行する会社の関係者は言う。
安倍政権はさらに14年6月、戦後、政治から独立し、住民の多様な意見を反映できるようにと始まった教育委員会制度を見直す。教育への知事や市町村長の関与を強めた。
そして同年10月、「教科外活動」だった道徳は、小学校で18年度、中学で19年度から、教科に格上げされることが決まった。「考え、議論する道徳」を掲げ、数値での評価はしないとした一方で、教科書は学習指導要領が学年ごとに定める「節度、節制」「感謝」「国や郷土を愛する態度」など、およそ20の「内容項目」を網羅することが求められた。
■専門家軽視、制度設計に影響も
理念から経済対策重視へ。経済成長が鈍り、人口が減って日本が「下り坂」に向かう中で、教育政策の軸足も変化していく。
その象徴が、官邸主導で今年度から導入された高等教育の無償化だ。
それまで文科省が実施していた、返済の必要がない給付型奨学金の予算は、約140億円(19年度)。それが、授業料減免と組み合わせ20年度予算に計上された新制度は、約4880億円まで膨らんだ。大学などへの進学率は約8割に達するが、低所得世帯に限ると4割ほど。これを8割に引き上げることで「格差の固定化を防ぎ、少子化対策にもつながる」と見込む。人口が減るなか、人材への投資で一人ひとりの「生産性」を上げ、経済力の維持をめざすものだ。
桜美林大の小林雅之教授(教育社会学)は「日本維新の会など野党の政策を取りこんだものだが、ケタ違いの予算を低所得世帯の教育支援に取り込んだこと自体は、非常に意味がある」という。ただ、17年秋の衆院選前に首相が公約として打ち出した高等教育無償化は、「わずか数カ月で制度設計され、要件を満たさない大学や専門学校の学生は対象から外す点など、様々な課題があった」と指摘する。
経済成長や国際競争力を意識した動きは、大学入試改革にも当てはまる。
21年に初めて実施される大学入学共通テストで、英語民間試験の活用を――。英語が堪能な「グローバル人材」を育てようと、13年の産業競争力会議で下村文科相(当時)が必要性を訴えたのが起点となり、17年、導入が決定した。しかし、地域や経済状況による受験機会の格差などが露呈し、昨年11月に見送りが決まった。
小林教授は、第2次政権の途中から、内閣官房が事務局機能を担う「人生100年時代構想会議」など、別の有識者会議が教育政策の意思決定を行うようになった点にも注目する。
「専門的な知識がない官邸官僚を中心に、十分な検討がされないまま短期間で政策が導入されるようになった。その結果、実施する段になってさまざまな問題が出てくるようになった」
一方、経済重視の教育政策にシフトしていった第2次政権では、首相の理念的な発言はほとんど聞かれなくなった。
辞職を表明した8月28日の記者会見。「政権のレガシー」を問われた首相は、教育政策について短くこう述べた。「(経済)成長の果実を生かして、幼児教育・保育の無償化、高等教育の無償化を行った」(編集委員・氏岡真弓、増谷文生)
=おわり
【下平記】
今日で(考 最長政権:1~5)が終わる。 この企画をよく立ち上げてくれたと思う。 マスコミの使命は公平な世界や国内のニュース報道を主とするのに違いないが、ニュースから予測されてくる次世代への課題と進むべき方向を時に応じて明示する、この二つがなければならない。
その意味では安倍政権の批正とともに、「次世代への課題と進むべき方向」へもっと切り込んでほしい。
百家争鳴、自由な思考とその発想表示は大事な人の基本的人権である。
いつも自分の意見を標榜するのは不見識と思うけれど、ここぞという機会にはみんなが意思表示しあうことがいい。
三人寄れば、文殊の知恵という。 グループは5人か7人がいいという。 集まらなくとも、今は表記するという表現方法がある。 わたしは【下平記】の表現方法をとる
諸子百家の言葉があるし、明治維新での人々の活躍もあり、学びの世話になった。
きょうはまた、この地区の一歳上の92才の先輩の葬儀でした。
09 05 (土) 平尾 鉐 岩村藩出生、祖母の薫陶を受けて育つ
しきりに明治の変革期に心が惹かれる。 平尾鉐が育った岩村へは何回か行った。
小さな藩校知新館は多くの活躍した人を育てた藩である。 その基になったのが、学びの世界だった。
紹介するよりも、自分で岩村へ行って事実を目で見ることがいい。
書いたものを見るとすれば、下田歌子で索引すれば糸口が見え始める。 ぜひ実地へ行ってほしい。
09 06 (日) 今日の赤旗日曜版 藤井裕久 「行き詰まりの内政・外交」
ウィキペディアで調べてみると、1932年生まれ私より四つ年下だったから戦後からの遍歴は身をもって体験してきた人でした。
「行き詰まりの内政・外交」を読んでみると、同感の至り。 コピーできないので、記録のために入力する。
安倍晋三首相が病気で辞任しました。 ご本人はさぞ残念でしょう。 ですが本質的には、内政・外交ともに行き詰っていたからだと思います。
私は常々「命がけで安倍政権を倒す」と語ってきました。 その意味では、安倍政権が終えんを迎えたことは率直に言って「よかった」と思っています。 これからは「阿部亜流」政治を許さず、野党が結束して政権交代を実現することです。
安倍さんは7年8カ月、どんな政策を進めてきたのか。 「憲法改正」では、9条に自衛隊を書きこもうとしました。 これは “軍人政治” を復活することになります。
集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈と安保法制で、世界の果てまで自衛隊が行くことができる仕組みを作りました。
私は 「再び、日本を戦争をする国にしようというのか」 と安倍首相を批判してきました。 戦争体験者として絶対に許すすることができないからです。
安倍首相は、思想の統制にも手をつけました。 特定秘密保護法、共謀罪は、国民の自由を制約するもので許せません。
「アベノミクスは成功した」 と言っている人がいます。 しかし、日本の円の通貨価値を弱くして、 「成功した」 などとは言えません。 働く人も若者や女性では非正規が多数になってしまった。
今一番対応が求められるコロナ対策はどうか。 休業補償や医療支援は十分されず、 「アベノミクス」 や「Go To キャンペーン」 …。 遅いうえに的外れです。
何よりも阿部さん自身の疑惑が大きい。 「森友・加計」 「桜を見る会」 疑惑は、まさに 「政治の私物化」 です。 安倍さんの妻は森友学園の小学校の名誉校長をやっていたのでしょう。
「私や妻が関係していたら総理も国会議員も辞めますよ」と国会で大見得を切りましたよね。 それなのに辞めていません。
公文書の改ざんを強要された近畿財務局の職員が自殺しています。 公文書は 「歴史」 です。 「歴史」 の書き換えをさせた。 私は絶対に許すことができません。
「桜を見る会」。 私が大臣の時も 「推薦」 の枠はありました。 国や社会のために役立っている人だけをちゃんと推薦しました。 自分の後援会を 「ご招待」 したのは安倍さんだけです。
今回の阿部さんの辞表表明は、八方ふさがりの中で、どうにもならなくなったからです。
安倍政権がこんな事態になった背景には、長期政権の 「おごり」 があります。
同時に、阿部さんの歴史観、国家観は基本的に間違っています。 安倍さんは、立憲主義を理解していません。 立憲主義とは、憲法が国家権力を縛るという考えです。 基本に国家主権があります。 権力者が勝手に、拳法の解釈を変えた 「安保法制」 にゆがみの原点があります。
いま総裁選で名前の挙がっている人が首相になっても、 「安倍政治」 が相変わらず続いていくでしょう。 安倍政治を支えてきた人たちだからです。
これを変えることができるのは野党の共闘です。 立憲民主党も国民民主党も合流し、野党の大きな塊を作ることになりました。 共産党や市民団体としっかり協力して、 「安倍政治」 を大きく転換していくことを願っています。
以上が藤井裕久の意見です。
このほかの記事には、
1 面 阿部首相辞任 激動へ 野党の共闘で新しい政治を
2 面 共産党の見解 「安倍政治から転換の時」
3 面 識者はどう見る 「9条守れの声これからも」
3 面 識者はどう見る 「沖縄県民は屈しなかった」
3 面 識者はどう見る 「格差広げたアベノミクス」
4,5 面 検証7年8カ月 「立憲主義踏みにじり数の暴力で強行次々」
4,5 面 検証7年8カ月 「9条改定に首相固執国民世論明確なノー」
4,5 面 検証7年8カ月 「2度も消費税大増税格差と貧困広がった」
4,5 面 検証7年8カ月 「コロナ対策基本戦略なく迷走」
4,5 面 検証7年8カ月 「森友・加計・「桜」疑惑幕引きは許されない」
4,5 面 検証7年8カ月 「兵器爆買い・新基地モノ言えぬ大国追従」
1 面 室井佑月(ゆづき) 「私物化の検証きちんと」
5 面 市民と野党の共闘 「政権構想示し新しい政治の旗を」
などがある。記事を見るには飯田図書館を利用しなければならない。
09 10 (木) 政党・行政でのデジタル化への危惧 複雑高度化する社会機構と国の方針
安倍政権が崩れて、自由党の総裁選挙となった。 合流新党代表に枝野氏、党名は立憲民主党に今日決まった。
自由党選でも合流新党代表選でも、最近挙げられてきた言葉「デジタル化」についての意見が現れ、それともう一つ目についたのが「国民の声」を聞くを主張しているのが共通していた。
「デジタル化」という新語は国民不在の政治家の言葉であり、国民とは遊離した感じが強い。 それに反して「国民の声」の感覚は、政治と国民感情の遊離を是正したいという感じが強かったと思う。
全体として望ましい方向というのは、「国民の声」を大事にする政治が待望されているのではないかという感じである。
こうした様子から心配されるのは、「デジタル化」の不明確さゆえの理解の甘さから起こってくる政治離れの気風ではないか。 そんなうやむやの気持ちでいる気風の中へ、軍事不安の現実が交じり合わされて、「デジタル化」の正否を問われてきたとき、「デジタル化」は「正(必至)」なのに、「否」の気持ちが残りやすい。
この「否」の気持ちから政治の方向が、例え好戦的な方向へ向いて行っても、そのことを「否」と主張しないで過ぎ去ることになりやすい。 好戦的な方向はあくまで「否」なのである。
2020年9月11日 6時00分
09 11 (金) 石破氏「自分は光秀」 戦略狂っても「愚直に不器用に」
総裁選告示日の3日前、自民党の石破茂元幹事長は東京・銀座のギャラリーにいた。「夢に牡丹餅」と書かれた書を前に、「棚からぼた餅」と同じ意味だという説明を受け、「なかなか落ちてきませんよ。でも努力しないと落ちてこない」と苦笑いを浮かべた。
記者団からお気に入りの1枚を問われた石破氏が選んだ書には「愚」と書かれていた。「(今の気持ちは)これかもしれない。自分は本当に愚であり続けられるのか」。苦境の総裁選を戦う心情を吐露した。
世論の高い支持率を背景に地方票で圧倒し、選挙に不安を抱える国会議員へと支持を波及させる――4度目の挑戦となる今回、石破氏はそんな総裁選戦略を温めてきた。
加えて、国会議員からの支持の弱さを克服しようと、石破派パーティーの講師を依頼する形で二階俊博幹事長と関係を深め、地方重視の姿勢を高く評価することで菅義偉官房長官との連携にも期待した。最近では、苦手としてきた他派閥議員との会合も積極的に重ねてきた。
しかし、そんな計算は、二階氏の仕掛けを前に大きく狂った。
党員・党友投票は見送りに 各派一斉に菅氏支持
他候補をリードできるとそろばんをはじいていた本格的な党員・党友投票は、選出方法を一任された二階氏の判断で早々に見送られた。「簡易型」の総裁選への批判を強める石破氏をよそに、菅氏が二階氏からの支持を取り付けると、各派が雪崩を打って菅氏支持を表明した。
期待が裏切られたことをテレビ番組で問われた石破氏は「そんなこと言っていたら政治家なんか務まらない」と強がったが、二階、菅両氏の協力が得られなくなった時点で「総裁の椅子」は大きく遠のいた。
◇
安倍政権下での「冷遇」にあってもまとまってきた19人の石破派だが、戦略が狂ったことには動揺が広がった。
主流派を敵に回し、再び「冷や飯食い」になるくらいなら「こんな出来レースに乗らず、来年の総裁選を目指すべきだ」との非戦論も聞かれた。
「出ないのは世論が理解してくれない。政治生命をかける」
石破氏が最終的に立候補を決意したのは首相の退陣表明から3日後。世論や支援者の期待を裏切れば、その後の道も閉ざされるとの思いからだった。「出ないのは世論が理解してくれない。政治生命をかける」。迷いを抱えた派閥幹部も「世論と向き合い、世論に支えられてきたのが石破氏だ。そこまで言うなら支えるしかない」と腹を固めた。
総裁選の構図が固まると情勢はさらに厳しさを増した。一貫してトップに立ってきた「ポスト安倍」への期待値も、報道各社の世論調査で菅氏に引き離された。党内ではこんな声も漏れる。「安倍首相あっての『反安倍』。石破氏の存在意義はなくなった」
党内での孤立を深める石破氏。9日の討論会で、自らを歴史上の人物の誰に例えるかと問われ、主君・織田信長を裏切ったと長らく不人気だった「明智光秀」の名前を挙げた。
「次の時代は徹底的な悪役に仕立て上げられるが、彼らが治めていた地域に行くと本当に慕われている」
現在、NHK大河ドラマの主人公となるなど再評価されつつある戦国武将と、自身の境遇と重ね合わせるように続けた。「どのように迫害を受けても、次の時代に評価をされるなら、とてもありがたい」
安倍政権を大番頭として支えた菅氏は5派閥の支持を受けて圧倒的に優位な戦いを進める。「派閥政治」との批判を招きかねない状況に竹下派中堅はつぶやく。「今回自民党を救ったのは岸田文雄政調会長と石破氏ではないか。2人が出なかったら本当の密室政治だった」
石破氏はいま「自民党は、日本の国はいかにあるべきかを愚直に不器用に訴えていく」と繰り返す。その先にはなにが待っているのか。答えはまだわからない。(松山尚幹)
【下平】
「何のために本を読むのか」1面下段の広告に本の広告が載っていた。 大学教授著である。
「新しい時代に自分と世界をとらえなおすヒント」とある。 さらに「人生があと一日しかないとしても教養を深めたいと思うのが人間らしい生き方です」「古今東西の名著からブレない視点を学ぶ」との注もある。
よく 「○○は何のためか」 という課題を見かける。 絵を何のために描くのかとか、勉強は何のためにするのか、等々の形式である。
この広告では答えが出ていて、人間らしい生き方としている。 人間らしい生き方とは何か、私は求めている問いに何と答えていいか迷う。
何のために絵を描くのか、勉強は何のためにするのか、人生の目的は明るく楽しく生涯を生きるため以外に答えないことにしている。 自然の思いのまにまに生きること、決まっている方向以外に答えない。
その故にいろいろと祈ります。 祈りとは自分の進み方を自分で確かめるとても良い手段なのです。 違いますか?