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【 06 】02/20
⑤ 生命活動の「源」を改善する方法
⑤⇒④ 猫背など、骨格を正す必要がある
⑤⇒⑤ 猫背の人は「つま先を開きなさい」
⑤⇒⑥ 腸より胃のほうが大事な理由
⑤⇒⑦ 胃が弱い(低胃酸症)と体内に雑菌がはびこる
⑤⇒⑧ 太る人も「低胃酸」の可能性がある
⑤⇒⑨ 「低胃酸症」を改善する指圧法
⑥ 腸内細菌の悪玉菌を増やさない
2023/02/19
https://www.teamlab.art/jp/w/life/
生命の力 C something great
https://karada-naosu.com/category6/en304.html
自分力(生命力)の正体を理解する
④ 細胞と水の関係を知る
https://karada-naosu.com/category6/en352.html
⑤⇒④ 猫背など、骨格を正す必要がある
人は脳から伸びる神経の命令で動いている
人の生命維持の中心は「神経の命令」が担っています。例えば事故なので頸椎を損傷すると、神経命令が途絶え車いすの生活を強いられます。
脳から伸び全身に分布している神経を脳脊髄神経といいます。脳脊髄神経は脳から伸び、背骨(第一頸椎から第五腰椎)に存在する「脊柱管」いう管の中を通り内臓・器官に分布します。
上記した脳脊髄神経と背骨と内臓との関係を分かりやすくまとめます。
脊髄神経は「ヒモや糸」のような線維になっていて、神経信号を伝える電線のような働きをしています。これを身近なもので例えるため、家に電気がくるまでの過程で考えると
・脳が「電力会社」
・背骨が「電柱」
・神経が「電線」
・内臓や各器官が「家」
このように、脳から伸びた神経が「背骨の中」を通り内臓・器官に分布しています。
猫背・側彎はなぜ、健康によくないのか?
子供のしつける時や習い事を始めた際、親や指導者は決まって「姿勢を正しなさい」と教育します。
一般的には見た目の「だらしなさ」を改善するための教えと思われがちです。しかし実際はそうではなく、内臓・器官の働きに大きく関係するからです。
上記したイラスト図からわかるように、背骨が蛇行しているとその中を通る神経も蛇行します。そのことをまとめます。
①姿勢が乱れる(猫背・側彎)ことで脊柱管を通る紐状の神経が軽く圧迫を受ける
②「①」のことで、脳が出すシグナルが末端まで届きにくくなる
③「②」のことで、内臓・器官に十分な命令が届かないことで内臓・器官の働きが弱る
もう一つ、脳内で造られた「脳脊髄液」という体液が、脊骨の中を通っています。この脳脊髄液も脳脊髄神経同様に生命維持に大切な働きをしています。
脳脊髄液については、「仙腸関節の刺激で脳脊髄液が循環する」のページを参考にしてください。
上記したように姿勢が悪い(猫背・側彎)ことで、脳脊髄液の流れも悪くなります。つまり姿勢が悪いと、生命維持に欠かせない脳脊髄神経と脳脊髄液の働きが低下します。
神経系の働きは重要である
病気を改善しようとする際に、まずは「生活習慣の改善」が挙げられます。お酒やタバコを減らしたり、食事内容を変えたりします。また、運動不足の人は運動を取り入れたりします。
そのように努力することに異論はありません。しかし、姿勢が悪いことで神経命令が低下し、内臓・器官の働きが鈍ることへの認識が薄いために、姿勢改善のための努力をする人はとても少ないです。
脳から正常に神経命令が出ていたとしても、背骨がズレることで神経の命令が低下します。またそのことで、内臓・器官の精妙な働きに乱れがでることを認識してください。
https://karada-naosu.com/category6/en353.html
⑤⇒⑤ 猫背の人は「つま先を開きなさい」
人は脳から伸びる神経の命令で動いている
人の生命維持の中心は「神経の命令」が担っています。例えば事故なので頸椎を損傷すると、神経命令が途絶え車いすの生活を強いられます。
脳から伸び全身に分布している神経を脳脊髄神経といいます。脳脊髄神経は脳から伸び、背骨(第一頸椎から第五腰椎)に存在する「脊柱管」いう管の中を通り内臓・器官に分布します。
上記した脳脊髄神経と背骨と内臓との関係を分かりやすくまとめます。
脊髄神経は「ヒモや糸」のような線維になっていて、神経信号を伝える電線のような働きをしています。これを身近なもので例えるため、家に電気がくるまでの過程で考えると
・脳が「電力会社」
・背骨が「電柱」
・神経が「電線」
・内臓や各器官が「家」
このように、脳から伸びた神経が「背骨の中」を通り内臓・器官に分布しています。
猫背・側彎はなぜ、健康によくないのか? 子供のしつける時や習い事を始めた際、親や指導者は決まって「姿勢を正しなさい」と教育します。
一般的には見た目の「だらしなさ」を改善するための教えと思われがちです。しかし実際はそうではなく、内臓・器官の働きに大きく関係するからです。
上記したイラスト図からわかるように、背骨が蛇行しているとその中を通る神経も蛇行します。そのことをまとめます。
①姿勢が乱れる(猫背・側彎)ことで脊柱管を通る紐状の神経が軽く圧迫を受ける
②「①」のことで、脳が出すシグナルが末端まで届きにくくなる
③「②」のことで、内臓・器官に十分な命令が届かないことで内臓・器官の働きが弱る
もう一つ、脳内で造られた「脳脊髄液」という体液が、脊骨の中を通っています。この脳脊髄液も脳脊髄神経同様に生命維持に大切な働きをしています。
脳脊髄液については、「仙腸関節の刺激で脳脊髄液が循環する」のページを参考にしてください。
上記したように姿勢が悪い(猫背・側彎)ことで、脳脊髄液の流れも悪くなります。つまり姿勢が悪いと、生命維持に欠かせない脳脊髄神経と脳脊髄液の働きが低下します。
神経系の働きは重要である
病気を改善しようとする際に、まずは「生活習慣の改善」が挙げられます。お酒やタバコを減らしたり、食事内容を変えたりします。また、運動不足の人は運動を取り入れたりします。
そのように努力することに異論はありません。しかし、姿勢が悪いことで神経命令が低下し、内臓・器官の働きが鈍ることへの認識が薄いために、姿勢改善のための努力をする人はとても少ないです。
脳から正常に神経命令が出ていたとしても、背骨がズレることで神経の命令が低下します。またそのことで、内臓・器官の精妙な働きに乱れがでることを認識してください。
https://karada-naosu.com/category6/en348.html
⑤⇒⑥ 腸より胃のほうが大事な理由
腸より胃が大事である
世間では、「腸が一番大切な臓器である」というキャッチコピーが溢れています。その影響で、多くの人が発酵食品や食物繊維を多く摂取しています。
そのことで、病気が良くなった方はいいですが、腸へのアプローチをしているにも関わらず、多くの方は体調不良から脱出できていません。
その理由について、私は胃に問題があると考えています。つまり、「胃が弱いと、いくら良い食材を摂取しても、体に必要な形にまで分解できない」からです。
日本人と胃弱の関係
日本人は欧米人などに比べ、胃で分泌される消化酵素が弱いのではないかと私は推測しています。
人種的に弱いことに加え、食習慣がさらに胃弱に追い打ちをかけます。そのことをまとめます。
①日本では、麺類など「あっさり」した食材が胃に負担をかけないと信じきっている
②麺類やカレーライスなど、噛まないで食べる食材(デンプン類)を胃は消化しにくい
③「②」のことを裏付けるように、餅を食べ過ぎると胸やけを起こしたり、素麺を食べると腹が張ったりする
上記したように、デンプン類を多く摂取した際に、「胸やけ」や「胃もたれ」または「お腹の張り」を感じる人が多くいます。一方、焼き鳥や豚しゃぶを食べても胸やけや胃もたれなどは起きにくいです。
デンプン類で胃の不調が起き、タンパク質を食べても胃の不調が起きないにも関わらず、「胃にやさしい食材=あっさりしたもの」ということが脳に刷り込まれています。
それは、長年、日本政府(幕府)が昔から、日本人の主食は「米(小麦)である」と洗脳してきたことが影響しているのでではないかと私は思っています。
胃弱とは、胃酸の量が少ないのではない
一般的に胃弱といえば、「胃酸の量が少ない状態」であると思われています。また、胸やけや逆流性食道炎などを発症している人も「胃弱」といわれますが、このタイプは「胃酸が多すぎる状態」であると思われています。
つまり、一般的には胃酸が少ない、または胃酸が出過ぎる症状を総して「胃弱」といわれています。
しかし、真の胃弱とは「胃酸の多い少ないではなく、胃酸のPHはきちんと酸性になっていない状態」をいいます。
つまり、胃酸の生産は十分であっても、食事直後の胃酸の酸度(pH)が十分酸性(pHが0.8~1,2)でない人が、真の胃弱なのです。
一般的な病気以外にも、最近日本でも増えつつある「慢性疲労症候群」や「リウマチ」「うつ病」の発症する原因の背景に、胃酸の生産能力やpHの酸性度が弱まっていることが深くかかわっていると私は考えています。
タンパク質からアミノ酸が作られる経路
食事で摂取したタンパク質は、胃で生産される消化酵素(ペプシン)の働きで、ペプトンに分解されます。 ペプトンとは「アミノ酸とタンパク質の中間の状態の物質」であり、そのペプトンが小腸に到達すると消化酵素(ペプチターゼ)により、アミノ酸に分解されますす。
ここで重要なのは、胃酸のpHです。胃酸のpHが0,8~1,2の強酸性でないと、胃酸の刺激で生産される消化酵素の分泌量が低下します。
つまり、胃酸のpHがアルカリ性に偏っていると、上記したようにタンパク質をペプトンにまで分解することができません。未完成なペプトンは小腸から吸収されることがなく、大腸に運ばれてしまいます。
日本人は元々、胃酸のpHが強酸性ではない人が多く、そのことで上述したように「あっさり」した麺類やパンなどを多く食べます。その反面、タンパク質や脂質は控える人が多いことで、タンパク質が不足傾向にあります。
人にはアミノ酸が必要である
人の体を構成している、約60兆個の細胞とその働きに不可欠な物質があります。それはアミノ酸です。
私たちが肉、魚、穀物などを食べると消化の作用で20種類のアミノ酸に分解され、私たちのカラダの中で再び、タンパク質、すなわち体の各部分を構成するための「タンパク質」に組み換えられます。
つまりアミノ酸は、タンパク質を胃酸で分解することで生産される物質です。
しかし、胃酸のpH(pH0,8~1,2)がアルカリに偏っていると、動物性・植物性を問わず、タンパク質の消化が十分におこなわれず、質の良いアミノ酸が作られません。
人の保有する60兆の細胞や遺伝子情報であるDNAもアミノ酸から作られています。DNAの材料がアミノ酸であるということは、アミノ酸は全ての生命の源といえます。
一般的には、腸が生命維持の源であるといわれています。しかし上述してきたように、腸に必要な物質を作り出しているのは胃の消化作用です。
腸の改善ばかりに気をとられていますが、今一度、胃の重要性を再認識してください。
https://karada-naosu.com/category6/en349.html
⑤⇒⑦ 胃が弱い(低胃酸症)と体内に雑菌がはびこる
日本人は胃薬が好き!?
日本は保険医療制度の恩恵があることで、医療機関に通院しやすい環境が整っています。そのことで、日本人の平均寿命は世界でもトップクラスです。
一方、安易に医療機関を受診することで、1人あたりの薬の消費量も世界でトップクラスです。
日本人が多く服用する薬の一つに「胃薬」があります。
ひと昔前まで、日本人で一番多いガンは胃ガンでした。また、胃ガン以外にも多くの方が慢性的な胃の不調を訴えています。
そのことから、病院では胃酸を抑える薬や胃の粘膜を保護する薬が多く処方されます。
胃弱とは胃酸の量が多い、少ないではない
胃弱とは、胃酸が出過ぎていると感じる「胃酸過多症」や胃酸が少ないと感じる「消化不良」に大別されます。
そのことで、「胃酸過多症」には胃酸を抑える薬が処方されます。また胃酸過多により、胃の壁が傷つかないように胃の粘膜を保護する薬が処方されます。
一方、消化不良を訴える人には、胃酸の分泌を促進する薬が処方されます。
上記したように、胃の症状に応じて薬が処方されますが薬はあくまで対処療法であり、胃の不調を改善したわけではありません。
ここで、真の胃弱とはどのような状態なのかを説明します。
真の胃弱とは、「低胃酸症(pHが強酸性ではない)」状態を指します。
つまり、胃弱とは「胃酸が出過ぎる」または「胃酸が出にくい」といということではなく、胃酸のpH(0,8~1,2)が強酸性を保持できず、ややアルカリ性に偏ってしまった状態なのです。
そのことから考えると、胃酸過多や胃酸が出ない症状に対して薬を服用しても、それらの薬は胃酸のpHを改善してないので体の不調は改善しません。
病院が処方する薬が「低胃酸症」を発症することを助長してしまっていることは皮肉なものです。
そのことについては、「腸より胃のほうが大事な理由」で詳しく述べているので必ずお読みください。
低胃酸症の人は体内で雑菌がはびこる 低胃酸の状態、すなわち「胃酸の分泌が少ない、またはpHが十分に酸性になっていない状態」が続くと、体内では予想もしていないことが起こります。そのことをまとめます。
①低胃酸の状態では、食事から摂取した物質を分解しきれない
②「①」のことで、すい臓から分泌される消化酵素「アミラーゼ」の生産スイッチが入らない
③「②」のことでタンパク質や炭水化物、または脂質の分解能力が低下し食物がきちんと消化できない
④「③」の状態、すなわち、未消化な物質は大腸・小腸に生息している悪玉細菌群の「エサ」となる
上記したように、胃酸のpHが弱る(アルカリに傾く)と、すい臓の消化機能にも影響を及ぼし、さらに小腸での栄養吸収にも影響を及ぼします。
未消化な物質は大腸に生息する悪玉菌のエサとなる
大腸・小腸に生息する悪玉菌は、未消化な物質をエサにし、猛烈に増殖します。そのことで、悪玉菌から毒性の強いタンパク質が生産されます。
その毒性の強いタンパク質はガス化し、いわゆる「膨満感(ガス腹)」を引き起こします。
悪玉菌が生産する毒性の強い物質は、血液中に入り肝臓に運ばれます。肝臓は日々、運びこまれてくる毒素を無毒化します。
しかし肝臓は、体内で大量に生産される毒性の強い物質の処理を毎日おこなうことで疲弊し、処理能力が低下していきます。
ここで、無毒化できない毒性の強いタンパク質の悪影響をまとめます。
①その物質が関節付近や関節液内に「はびこり」関節炎を起こす
②その物質が脳内に達すると、頭痛やめまい、または歯ぎしりなどの原因をつくる
③その物質が目に到達すると、「かすみ目」や「目の奥の痛み」などを引き起こす
④その物質が、尿から排出できないと、皮膚から排出される際に痒みをともなう
上記した以外にも、うつ症状や慢性疲労症候群、または現代人に急増している原因不明の症状も、大腸・小腸に生息する細菌(カンジタ菌・グラム陰性菌)の異常繁殖が影響しています。
一般的に、人は食べた物は消化されていると思っています。しかし胃酸のpHが0,8~1,2の状態でないと、食事をすることで健康を損ねる原因になっている場合があることを認識してください。
https://karada-naosu.com/category6/en351.html 「太る人」は胃の感覚が鈍い
⑤⇒⑧ 太る人も「低胃酸」の可能性がある
唐突ですが、あなたは「夏に太りませんか?」
一般的に、気温が高くなると人の食欲は低下します。そのことで、脂っこい食事を敬遠したり、食べる量そのものが少なくなくなるので、いわゆる「夏痩せ」します。
しかし、不思議なことに気温の高い時期でも食欲が落ちず、脂っこい食事も平気な人がいます。そのような人は、夏に痩せるどころか「夏太り」します。
夏に太るタイプは、夏でも食欲が落ちないことで自分自身は「胃が強い」と思っています。
夏太りするタイプの人が、胃が強いと錯覚してしまうのは仕方ありません。その理由をまとめます。
①調理して時間のたった、酸化した揚げ物(コロッケなど)を平気で食べれる
②辛い物・甘い物も苦にせず食べれる
③夏に食欲もあり、また夏バテもしない
上記したことから、夏太りするタイプは健康であると思っています。しかし、夏に太るということが問題なのです。
夏に太る人は感覚が鈍い
夏に食欲が落ちず太るタイプは、朝食を抜くことができる人が多いです。一方、朝食を勧められると、どのような食材でも平気で食べることもできます。
例えば、朝食昨日に調理した揚げ物があっても、苦もなく食べることができます。さらに食後に「胸やけ」や「胃もたれ」を感じることはありません。
例えば夏痩せするタイプが、調理して時間がたった揚げ物を食べると一日中、「胸やけ」や「胃もたれ」に悩まされます。
調理して時間がたった揚げ物(酸化した食材)を食べると、本来は「胸やけ」や「胃もたれ」を生じます。また、炭水化物も大好物でガッツリ食べれる人が多いです。
しかし夏太りする人、「胸やけ」や「胃もたれ」とは無縁です。つまり、何も苦痛を感じないということです。
夏太りするタイプが酸化した揚げ物を食べたり、1回の食事量が多いにも関わらず「胸やけ」や「胃もたれ」を感じないのはどういうことなのでしょうか?
この理由は「夏太りするタイプの人の感覚が鈍い」と私は思っています。
なぜなら、食事を食べて、きちんと消化・吸収・代謝できたのなら太らないからです。
夏に太るということは、消化不良を起こしている
夏太りするタイプは、胃の感覚が鈍いことはお伝えしました。また、そのことで、夏でも食欲は低下せずに食べ過ぎる傾向にあることもお伝えしました。
本人自身も、胃の強さには自信をもっている人が多いですが、体内は悲鳴を上げています。そのことをまとめます。
①夏に増加した体重が落ちなくなり、食欲の秋でさらに体重が増える
②オナラが異常に臭かったり、下腹部がはったりする
③軟便や下痢が中長期的に続いている
④皮膚の痒みに見舞われる
⑤気管支炎などの風邪症状を繰り返す
⑥肝臓の反射ポイントである「踵(かかと)」付近が痛くなる
上記した以外にも、夏太りタイプは、水虫や痔に悩まされる傾向が強いです。
そのことから見ても、暑い時期に食欲が落ちずにどんな食材でも食べれるというのは、胃が健康なのではなく、胃の感覚が鈍いことがわかります。
太る人も「低胃酸症」の疑いがある
胃が大切であると訴える第一人者に、栄養医学研究所の佐藤先生がいます。佐藤先生は常々、「まずは胃の消化能力が大切である」と説いています。
その佐藤先生の文章を引用し、説明していきます。
①最近の30-50歳代の男女でみられる肥満傾向の背景には、胃酸の生産能力とその酸性度が低下していることがある
②「①」のことで、たんぱく質の消化が十分に行われず、人の体を構成している約60兆個の細胞とその働きに不可欠なアミノ酸の合成が低下している
③この年齢の人は、加齢以外にもストレスや生活習慣または、食生活にも原因がある
アメリカで紹介されたデータによると、30-50歳代の慢性疲労症候群(CFS)と診断された86名の男女に胃酸の生産能力の確認検査をしたところ、87%の人が食事直後から2時間の間に十分な胃酸の生産がされておらず、酸度(pH)も食物、特にタンパク質を分解するに十分な酸度ではなかったという検査結果が出たそうです。
また、胃酸の生産は十分であっても食事直後の胃酸の酸度(pH)がタンパク質を消化分解するために十分酸性(pH0.8-1.2)でない人の場合には、タンパク質の分解消化にかなりの時間がかかることがあるというものです。
その証拠に、便中に未消化のタンパク質や脂質が確認された人に胃酸を補うサプリメントを一時的に食事とともに飲んでもらうことで、症状が緩和、改善したと答えた人が82%いたということです。
また、便検査でも未消化のタンパク質や脂質が大幅に改善されてもいると、佐藤先生は述べられています。
食べれるから健康と思うな!
一般的に、食欲があると健康であり、食欲がないと弱っていると思われています。
しかし、上述してきたように、いくら食欲があっても、食べた食材をきちんと消化・吸収・代謝できないと、体に必要な栄養素が確保できません。
それどころか、食べ過ぎた食材を処理できないことで、体内には未消化な物質ができてしまいます。未消化な物質は、小腸・大腸に生息する悪玉細菌のエサとなります。
悪玉細菌が造る毒素が体内に充満することで、その処理に肝臓は日々、追われやがて肝臓は疲弊していきます。
疲弊した肝臓は、体内毒素の処理能力が低下し、上述したような、腹の張りや軟便傾向になったり皮膚炎や関節痛を発症したりします。
食欲が落ちず、胸やけや胃もたれを感じない人で太るタイプの人は、感覚が鈍磨であり大病の危険性があることを認識してください。
上記してきたことに関連する記事は「胃が弱い(低胃酸症)と体内に雑菌がはびこる」に詳しく述べているので参考にしてください。
https://karada-naosu.com/category6/en350.html
⑤⇒⑨ 「低胃酸症」を改善する指圧法
消化できないと何も始まらない
世間では「腸が大事」「腸免疫が人類を救う」などのキャッチコピーで溢れかえっています。私も腸の働きは生命維持に重要であることに異論はありません。
腸に機嫌よく働いてもらうためには、腸が喜ぶ物質や栄養素が必要です。その物質や栄養素を作り出しているのが「胃」です。
つまり、「胃の消化力」が弱いと食材をきちんと分解することができず、腸に必要な物質や栄養素が作れません。
上記したことは、「腸より胃のほうが大事な理由」のページで詳しく述べているので参考にしてください。
低胃酸症を改善できるのか
胃の働きが弱い理由の1つに、「遺伝による背骨のズレ」があります。親や兄弟に、歯並びや背格好が似るように、背骨のズレている箇所も似ています。
脳から伸びた脊髄神経は背骨を経由して内臓・器官に分布します。
胃に分布する脊髄神経は胸椎の5番目を通りまた、上部頸椎の2番目を通る脊髄神経も胃の働きに関係しています。
川本療法では全身を指圧しますが、胃の弱い人には上記した胸椎の5番目、頸椎の2番目付近へのアプローチを入念にします。
自宅でもその骨を中心に自己指圧法を実践して頂きます。
胃のポイントを自宅で指圧する
胃へのアプローチは上半身の広範囲を自己指圧することが望ましいですが、
※
ここでは胸椎5番目付近へのアプローチを紹介します。
・「ふたコブ楽だ」を使用する方法:
※
写真のように、「ふたコブ楽だ」をソファーなどの背もたれにセットします
※
そして、胸椎の5番目を中心に、背骨の近くや肩甲骨側を刺激します
※
少し体を前に傾斜させたりして、圧を調節し自分にとってよく効くポイントを探していきます
※
「ふたコブ楽だ」の使用法は座位だけではなく、寝て使用することもできます
・丸太を使う方法:
※
丸太を縦に使い、胸椎4~8番ぐらいまでを狙っていきます
※
丸太をこのようにセットし、背骨の近くや肩甲骨近くを刺激します
※
丸太を背中の左側にセットした場合、左側に体重移動し丸太の上に乗っていきます
※
丸太を小刻みに左右に動かしたり、丸太を静止させた状態で圧をかけたりします
※
次に、上部頸椎へのアプローチ法を紹介します
※
上部頸椎の位置はこの辺りです
・「ふたコブ楽だ」を使う方法:
※
「ふたコブ楽だ」をこのようにセットし、間隔の狭いチョボとチョボの間に頸椎が入るようにあてます
うまくセットできたら、じっと押し当てたり、左右に少し頭を動かしたりします
・丸太を使う方法: ※
丸太を横向きで使います
※
丸太をこのようにセットします
※
写真は、左の頸椎を刺激しているので、やや、左体重になっています。逆側もおこないます
自己指圧をすることで自律神経が落ち着く
薬やサプリメントを使い症状を改善したとしても、根本の問題が解決したわけではありません。
胃の機能を改善するには、背骨のズレを正すことや皮膚刺激により自律神経系を整えることで「胃弱」という構造を変えることが必要なのです。
上記した胃へのアプローチ法はあくまで1つの例に過ぎません。病気の改善には、全身を覆う皮膚を刺激することが重要です。
なぜなら、皮膚全体に分布するポイントを刺激することで、自律神経系が整ったり呼吸が整ったり、その恩恵は計り知れないからです。
難しい病気ほど「手で刺激する」というアナログ手法が必要です。薬やサプリメントを処方するだけでは病気の改善はないと私は思っています。
食事改善や高額なサプリメントを服用しても症状が改善しない人は、手で皮膚を刺激する指圧法や自己指圧法を取り入れてみて下さい。
「皮膚刺激の重要性」はこのページで詳しく述べているので参考にしてください。
https://karada-naosu.com/category6/en292.html
自分力(生命力)の正体を理解する
⑥ 腸内細菌の悪玉菌を増やさない
腸内細菌の悪玉菌が増えると健康を害する
昨今の医療ブームにより、体に関する情報を見たり聞いたりする機会が増えてきました。その中でも、「腸」に関しての情報はとても増えています。
例えば、「腸には善玉菌と悪玉菌が生息しており、腸内細菌のバランスが崩れることで多種の症状が発症する」という情報は、いつの間にか世間に浸透しています。そのことで、腸内細菌のバランスを保つために、ヨーグルトや乳酸菌のサプリメントを摂る人も急増しています。
いわゆる腸内細菌のバランスが崩れるという状態は悪玉細菌が増え悪玉細菌が作る分泌物が腸内に増えるということです。その際、善玉細菌の勢力は低下してしまいます。
悪玉細菌が作る分泌物は毒性が強く、その量が一定以上になると血液中に入り細胞を傷つけてしまいます。そのことを回避するために、肝臓は悪玉菌の分泌する物質を解毒します。
しかし肝臓は、毎日発生してくる分泌物を解毒し続けることで疲弊してしまいます。肝臓が疲弊し、悪玉菌が生産する分泌物を解毒できなくなると毒性の強い分泌物は血流にのって全身に回ってしまいます。
ここで悪玉菌の生産する分泌物の影響で発症する症状をまとめます。
①便秘または軟便である
②慢性的な便秘と腹部膨満があり、オナラがよく出る
③便秘ではないが腹部膨満感がある
④「③」の影響で、胃の圧迫感・逆流性胃炎・ゲップの症状がある
上記した症状は悪玉菌が生産する分泌物が増え「ガス化」したことで発症する症状です
次に悪玉菌の生産する分泌物を肝臓が解毒できなくなった際に発症する症状をまとめます。
①貧血・頭痛・めまい症状がでる
②自律神経が安定しない
③就寝時に歯ぎしりや噛みしめをする
④口臭・歯槽膿漏がある
⑤乾燥皮膚、アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患がでる
⑥関節に痛みがでる
⑦目がかすむまたは視力低下を感じる
肝臓が疲弊し悪玉菌の生産する分泌物が解毒できなくなると、その物質は脳内に達し「①~③」のような症状がでます。また、全身に回った毒性の強い分泌物の影響で「⑤~⑦」のような症状がでます。
上記した以外にも、腸壁が傷み栄養の吸収障害が起こり、太りやすい人は太り、痩せ過ぎの人は痩せてきます。
悪玉菌の生産する分泌物が増える環境
それでは悪玉菌は、体内がどのような状態の時に分泌物を生産するのでしょうか? それをまとめます。
①慢性的に便秘であるとき
②数日の間、下痢が続いたとき
③下剤やコーヒー浣腸など強制的に排便を促した後
④抗生物質などの薬を服用した後
⑤糖質(炭水化物を含む)中心の食事構成のとき
⑥「⑤」の中でも特に小麦加工食品を好んで食べる人
⑦炭水化物と野菜を一緒に食べたとき(糖質と食物繊維があわさり、腸内で発酵する)
⑧揚げものや天ぷらなど、油を高温で調理した食材を多く摂ったとき
上記した以外にも、慢性的なストレス下で生活しているときも悪玉菌は毒性の強い分泌物を生産します
次に上記した「⑤~⑧」について詳しく述べていきます。
糖質(炭水化物を含む)は極力減らす
糖質(炭水化物を含む)は悪玉菌のエサになります。したがって、糖質(炭水化物を含む)を中心とした食生活や間食をすると、腸内では悪玉菌が優位になり大量の分泌物が発生します。
糖質の中でも特に小麦加工食品の摂取は控えるべきです。なぜなら小麦を加工する際に「グルテン」という小麦タンパクを使用しますが、悪玉菌はグルテンが大好きであり、それをエサに毒性の強い分泌物質を大量に生産するからです。
悪玉菌は小麦グルテンをエサに、毒性の強い分泌物質を生産することはお伝えしました。その物質が腸壁に傷をつけ、腸壁漏えい症候群(リーキガット症候群)を発症します。
リーキガット症候群とは、悪玉菌の生産する分泌物質の影響で腸壁に傷がついた状態です。そして、傷ついた腸壁からから体内に不必要な物質が入り込みアレルギー症状を発症します。
その他にも、小麦グルテンをエサとし悪玉菌の生産する分泌物質は、体内のホルモンのバランスを崩す「ホルモン類似物質」も生産します。
つまり糖質の中でも、小麦グルテンをエサに悪玉菌の生産する分泌物質は特に毒性が強いと認識してください。
サツマイモや栗を食べると腹が張りガスが出る
食物繊維は便通に良いとか、腸内細菌のエサになるなどの情報を良く耳にします。例えばサツマイモは便秘に良いといわれています。しかし実際は、サツマイモを多く食べると腹が張りガスが出ます。また、栗を多く食べた際も腹は張りとても臭いオナラがでます。
それではなぜ、サツマイモや栗を食べた後に腹が張ったりオナラがでるかというと、それらには大量のデンプンと食物繊維が含まれている食材だからです。ようするに、糖質と食物繊維を食べ合わせると発酵がおこりガスが出るということです。
そのことから考えると、なぜ上記したようなことが定説化されているのか不思議に思います。
上述した定説の影響で、多くの人はパスタに野菜サラダ、ご飯と根菜類など糖質(炭水化物を含む)と食物繊維を一緒に食べます。そのことで、糖と食物線維が合わさり発酵がおこり腸内ではガスが充満します。
日本人ほど食物繊維を積極的に食べる民族は少ないです。しかし日本人、特に食物繊維を多く摂取する女性の多くは便秘に悩んでいます。その理由の1つに、食物繊維と糖質(炭水化物を含む)を一緒に食べていることがあります。
一方、豚シャブや寄せ鍋などには多くの野菜を入れて炊きますが、腹が張ることはありません。つまり、豚や鳥、または魚などと食物繊維を一緒に食べても糖質がないことで腸内で発酵によるガスの発生はほとんどありません。
ここでお伝えしたいことは、腸内の環境を整えたいなら、食物繊維は糖質(炭水化物を含む)と一緒に食べないほうが良いということです。
酸化した油脂は、体内に吸収されない
現代の日本人に足りていない栄養素の1つに良質の脂肪(油脂)があります。昔は、野山を駆け巡っている野生動物や放し飼いの家畜を食べたり、また魚介類も養殖ではないものを食べることで良質の脂肪(油脂)を摂ることができました。
しかし現在は、動物や魚介類の大多数が養殖で育てられていることで、それらが保有する脂肪(油脂)の質は低下しています。人はそのような脂肪(油脂)を摂っても栄養やエネルギー源として利用できません。
また現代人が好んで食す、唐揚げや天ぷらなど油を高温で調理した場合、油脂は酸化してしまいます。その他にもお菓子やパンに使われている油脂も酸化が激しく、それらを摂取すると体内では細胞が傷つけられます。
本来脂肪(油脂)は人にとって最も重要な栄養素でありエネルギー源です。したがって、食事から摂取した脂肪(油脂)の多くは胆汁の作用で小腸から吸収されます。
しかし、養殖された家畜や魚介類の脂肪(油脂)や高温で調理することで酸化した油脂は、体内では栄養素やエネルギー源として利用できないことで小腸はそれらの受け取りを拒否します。
小腸で受け取りを拒否された「質の悪い油脂」と「胆汁」は大腸に達します。大腸に達した質の悪い油脂や胆汁は腸内細菌のバランスを崩します。
体はそのことを回避するために質の悪い油脂や胆汁を速やかに体外に排出するために水便として捨てているのです。その症状が現代人に多い、油物を食べた後の軟便症状です。
質の悪い脂肪(油脂)を継続して摂ることで軟便傾向になります。そのことで腸内では悪玉菌が優位になり、上述してきたように悪玉菌が生産する毒性の強い分泌物質が増えます。
腸内環境を整えるにはサプリメントが必要な場合がある
腸内に生息する悪玉菌が生産する分泌物は猛毒であり、それを解毒する肝臓に負担をかけ、さらにその毒素が全身に回ることで、多くの病気が発症することをお伝えしました。それを防ぐための方法もお伝えしました。
しかし、すでに慢性的にお腹の張り、頭痛や関節炎、または皮膚炎やめまいなどの症状が出ている人は食事法だけで腸内環境を変えることは難しいです。そのような場合、私は患者さんに対しては乳酸菌が生産する分泌物質を培養したサプリメントを勧めます。
そのサプリメントについては乳酸菌のサプリメントが効かない理由で述べていますので参考にして下さい。
「健康改善のためにやるべきこと」の1つに、腸内細菌の悪玉菌が生産する毒素を減らす必要性があります。一般的な考えでは、体外から入ってくる化学物質や添加物などを減らそうとする人が多くいますが、体内でも生産されている毒性の強い物質を減らすことも考えて下さい。
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