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折々の記 2011 B

【心に浮かぶよしなしごと】

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【 05 】04/25

  04 25 『命を大切にする』
  04 28 『命のとらえ』

 04 25 (月) 『命を大切にする』

日本中の人々の大脳内に、命に関する価値観の再編成が起こっています。

地震の光景は、政治の理論などの問題はそっちのけで、本能に根ざした命の価値観の再検討、再構築という大問題を、すべての日本人に直面させました。

津波の光景と、津波の後の悲惨な情景は、東北の人々の話を聞くたび胸を圧迫するのです。 涙があふれるのです。

「何とか役に立ちたい」その思いはすべての人の心をかき乱しています。 きょうも拠出金を振り込みました。 東日本の人々が立ち上がれるまで続けたい。

こうした一連の心情の変化は『命を大切にする』という一点に集中しています。 

老生は年老いて、すべてを静観して残したいことのまとめをしなければならない立場になっています。 何を残したらいいのか?

伝統的なものとして東洋的なものとしての儒教が再確認されなくてはならないことが根底にはあります。 先ずそれが中核です。

すべての価値観は、市場価値に左右されすぎる現状となりさがっています。 形而上価値の基準、尺度がないことは、人々に精神的崩壊の不安をだんだんと深め与えています。 すくなくとも日本ではそういえるのではないかと思います。

一般的に格差社会の意識がより深まりつつあるのです。 金融システムをはじめとする自由意識の感覚は「人を大事にする」意識に関係なく自分勝手な活動のまま放置されているのです。 そして、こうしたことも自由という言葉の範疇に入れて省みないのです。



   お金は大事です。

   けれども、お金の収得を野放図にしておいていいのでしょうか?

   1000万円の退職金をもらう人、1億円の退職金をもらう人、
   1円たりとも退職金をもらえない人、… !!!

   この不条理を、すべての日本人が納得できる説明があるのでしょうか?



こうした大きな流れの中にあって、金子みすずさんの詩が大事にされ、柴田トヨさんの詩に励まされ、母親の子守唄が「癒し」の根源 (Tapping Tutch) であることを知りました。 



● 最近、次の二つの歌詞にも驚いています。

     いのちの理由   作詞・作曲 さだまさし

   私が生まれてきた訳は    父と母とに出会うため
   私が生まれてきた訳は    きょうだいたちに出会うため
   私が生まれてきた訳は    友達みんなに出会うため
   私が生まれてきた訳は    愛しいあなたに出会うため

   春来れば            花自ずから咲くように
   秋くれば            葉は自ずから散るように
   しあわせになるために    誰もが生まれてきたんだよ
   悲しみの花の後からは    喜びの実が実るように

   私が生まれてきた訳は    何処かの誰かを傷つけて
   私が生まれてきた訳は    何処かの誰かに傷ついて
   私が生まれてきた訳は    何処かの誰かに救われて
   私が生まれてきた訳は    何処かの誰かを救うため

   夜がきて            闇自ずから染みるよう
   朝がきて            光自ずから照らすよう
   しあわせになるために    誰もが生きているんだよ
   悲しみの海の向こうから   喜びが満ちて来るように

   私が生まれてきた訳は    愛しいあなたに出会うため
   私が生まれてきた訳は    愛しいあなたを護るため

     いのちの歌  茉奈佳奈   作詞 : Miyabi 作曲 : 村松崇継

   生きてゆくことの意味   問いかけるそのたびに
   胸をよぎる         愛しい人々のあたたかさ
   この星の片隅で      めぐり会えた奇跡は
   どんな宝石よりも      たいせつな宝物
   泣きたい日もある     絶望に嘆く日も
   そんな時そばにいて   寄り添うあなたの影
   二人で歌えば       懐かしくよみがえる
   ふるさとの夕焼けの    優しいあのぬくもり

   本当にだいじなものは     隠れて見えない
   ささやかすぎる日々の中に  かけがえない喜びがある

   いつかは誰でも      この星にさよならを
   する時が来るけれど    命は継がれてゆく
   生まれてきたこと      育ててもらえたこと
   出会ったこと        笑ったこと
   そのすべてにありがとう  この命にありがとう

● 秋川雅史が歌う「千の風になって」は紅白歌合戦によってよい勉強になりました。

     千の風になって  Mary Frye作詞/新井満日本語詞・新井満作曲

   私のお墓の前で 泣かないでください
   そこに私はいません 眠ってなんかいません
   千の風に 千の風になって
   あの大きな空を 吹きわたっています

   秋には光になって 畑にふりそそぐ
   冬は(注3)ダイヤのように きらめく雪になる
   朝は鳥になって あなたを目覚めさせる
   夜は星になって あなたを見守る

   私のお墓の前で 泣かないでください
   そこに私はいません 死んでなんかいません
   千の風に 千の風になって
   あの大きな空を 吹きわたっています

   千の風に 千の風になって
   あの 大きな空を 吹きわたっています

   あの 大きな空を 吹きわたっています

     作詞者不詳の原詩は、次のとおりです。

   a thousand winds
   Author Unknown

   Do not stand at my grave and weep;
   I am not there, I do not sleep.

   I am a thousand winds that blow.
   I am the diamond glints on snow.
   I am the sunlight on ripened grain.
   I am the gentle autumn's rain.

   When you awaken in the morning's hush,
   I am the swift uplifting rush
   Of quiet birds in circled flight.
   I am the soft stars that shine at night.

   Do not stand at my grave and cry;
   I am not there, I did not die.

   この詩がどのようにして創られたのか、それは知っていたほうがいい。


★もっとも愛されている詩の作者は誰だ?−(ジェフ・スティーブンソス著)

『Do not stand at my grave and weep』(千の風になって)の原作には諸説があり、アメリカ先住民説まで飛び出しました。英米国の双方で作者探しが盛り上がり、ついにメアリーに辿り着きます。

メアリーの地元ラジオ局でのインタビューより

メアリー・フライは家庭的で、常識があり快活な94歳のようだ。
これはメアリーが自身の言葉で語った親友マーガレット・シュワルツコフ(Margaret Schwarzkopf)の事である。 時は1932年に遡る──

「そうね、マーガレット(ドイツ系ユダヤ人)はドイツから来たの。ちょうどヒットラーが政権を取ってね、お母様も国外に出たかったんだけど、老齢の上、具合も悪くて来れなかったのよ。彼女はそれこそ何時もお母様の事を心配していたわ。何しろ全然手紙が来ないのよ、だから日ごとに心配を募らせていたわ。
私たち大使館を通してできる限りのことをしたわ。わかるでしょ? その手の事って。ようやく事が判明したんだけど、お母様は亡くなってたの。それで、マーガレットは実際に神経衰弱を患ってただ泣くばかり。毎日、毎日泣き暮らしていたわ。

ある日一緒に買い物に出たの、茶色の紙袋に買ったものを入れて、家のキッチンテーブルで仕分けをしていたのよ。そしたらね、何だか分からないけど、私の買ったものを見てマーガレットが泣き出したの。「それ、私の母が好きだったの。」ってね。
「マーガレット、お願いだから泣かないで。」っていったの。そうしたらマーガレットがね、「何が一番悲しいかって、私は母の墓標の前に立ってさよならを告げる事も出来ないのよ( I never had the chance to stand at my mother's grave and say goodbye.)。」涙に目をぬらしたまま、2階の自室にひきこもったわ。
(注;ドイツの情勢が反ユダヤ人に向かっており、帰れる状況ではなかった。)

その時メアリーの手には、買物を点検するためのペンが握られていた。メアリーは、引きちぎった茶色の買物袋に、一息に込み上げる詩を書き付けた。 (→ これが前に出ている英詩です)
しばらくして、落ち着きを取り戻したマーガレットが階下に下りてきたとき、メアリーはマーガレットに紙切れを差し出した。「これ、私が書いた詩なの。私の思う人の生と死のあり方≠ネの。あなたのためになるかどうか分からないけど。」
マーガレットは詩を一読し、メアリーを抱きしめて言った。「私この詩を一生大切にするわ。」そして、もう泣く事は無かった

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マーガレットはこの詩を職場へ持っていった。彼女の同僚の友人が連邦政府印刷所に勤めており、そこからこの詩が作者の手を離れていったのだ。


● 1952年4月9日もく星号墜落事故で亡くなった坂本九の歌は世界中で歌われています。

    上を向いて歩こう  作詞 永六輔  作曲 中村八大

  上を向いて歩こう
  涙がこぼれないように
  思い出す春の日一人ぼっちの夜

  上を向いて歩こう
  にじんだ星をかぞえて
  思い出す春の日一人ぼっちの夜

  幸せは雲の上に
  幸せは空の上に

   上を向いて歩こう
   涙がこぼれないように
   泣きながら歩く一人ぼっちの夜

  思い出す秋の日一人ぼっちの夜

  悲しみは星のかげに
  悲しみは月のかげに

   上を向いて歩こう
   涙がこぼれないように
   泣きながら歩く一人ぼっちの夜

  一人ぼっちの夜
  一人ぼっちの夜

● 詩や歌とは別で「ことわざ」「故事成語」「かるた」「百人一首」などにも
   命の機微にふれるものが数多く取り上げられています。

   ことわざ一覧

      http://www.geocities.jp/tomomi965/ichiran.html
      http://homepage2.nifty.com/nao-winner/proverb/proverb.html
      http://www7a.biglobe.ne.jp/~gakusyuu/kotowaza/kotowaza.htm
      http://www.earth-words.net/human/proverb.html
      http://www.proverb.jp/list1.html
      http://kanjijoy.blog76.fc2.com/

   http://www.asahi-net.or.jp/~rp9h-tkhs/iroha.htm
   いろはかるた比較

   http://kanbun.info/koji/koji00a.html
   故事成語:あ行:原文・書き下し文・意味 - Web漢文大系

◆ 以上見てきたとおり、これらが本当に大事だと思うなら、私たちは、

      “命に関する価値観の再編成”

  をみんなで、考えて構想を練り、創案を作り上げなければなりません。

 04 28 (木) 『命のとらえ』

きょうは次男の満 51才の誕生日である。 もう 51才になった。 健康であることを祝いたい。 あわせて自分の健康に感謝したい。 3.11 震災の被災者への第3回目の義援金を局から送りました。

『命のとらえ』

「いのち」への意識は、あらゆる意識の中で無意識にまで徹している基本的価値を持つ意識です。 ですから、生存するすべてのものは「死にたくない」という意識を大脳の中核に持っているといえるのです。

誰でも死んだ経験がありません。 生きているものすべて死滅したくないというプログラムを備えているのです。 ですから、いったん第三者となって「死んでゆくもの」に直面したとき、恐怖を感ずるのです。 恐怖から悲惨さを感じ、胸を締めつけられるのです。

そして、どんなことでもしてあげたい、と思うのです。


このような状況におかれると、人はあらゆる社会の不条理に対して、言い表せない感情にさいなまされることになるのです。

人の社会には、数えきれないほどの不条理があること気がつくのです。

そして “命に関する価値観の再編成” をしなくてはならないと考えるようになるのです。

◆この社会の不条理について一つずつ取り上げていきたい。 まず「格差社会」「所得格差」に目を向けてみます。

人は一所懸命にまじめに努力し働いていても、その所得をみるとその格差は異常といえるほど大きい。 一般的に所得格差という。 格差社会という言葉もある。

  格差社会という言葉で Google 検索で入力すると、次の見出しが出てきます。

    
    格差社会 年収
    格差社会 原因
    格差社会 問題
    格差社会 ワーキングプア
    格差社会について
    格差社会 対策
    格差社会 英語
    格差社会 日本
    格差社会 現状

  所得格差という言葉で Google 検索で入力すると、次の見出しが出てきます。

    所得格差
    所得格差 統計
    所得格差とは
    所得格差 原因
    所得格差 日本
    所得格差 アメリカ
    所得格差 教育格差
    所得格差 対策
    所得格差 比較
    所得格差 問題点

    「所得格差」を Google で検索してみるとこの言葉一つの中に膨大なデータが入っています。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A0%BC%E5%B7%AE%E7%A4%BE%E4%BC%9A
格差社会出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


格差社会(かくさしゃかい)とは、ある基準をもって人間社会の構成員を階層化した際に、階層間格差が大きく、階層間の遷移が不能もしくは困難である(つまり社会的地位の変化が困難、社会移動が少なく閉鎖性が強い)状態が存在する社会であり、社会問題の一つとして考えられている。

学問的には、社会学における社会階層研究や、教育社会学における不平等や地位達成研究(進学実績、教育志望、職業志望研究)、経済学における所得や資産の再分配研究と関連している。

  目次 [非表示]
    1 世界的傾向
       1.1 主要国の状況
    2 日本
       2.1 注目の契機
       2.2 地域による格差
       2.3 産業間・企業規模における格差
       2.4 過去の日本の格差社会
    3 格差の発生の背景・原因
       3.1 経済構造の変化
       3.2 学校システムの機能不全
       3.3 家庭の変化
       3.4 格差が発生するタイミング
       3.5 企業規模に起因する格差
    4 格差の再生産・固定化
       4.1 固定化
       4.2 貧困の文化
       4.3 教育による階層化
       4.4 「上離れ」と「底抜け」
    5 格差の是正
       5.1 均等待遇
       5.2 再分配
       5.3 教育・訓練
    6 格差社会に関する議論
       6.1 格差社会の影響
       6.2 日本における議論
       6.3 スポーツ界、芸能界における所得格差
    7 他国での状況
       7.1 アメリカ
          7.1.1 アメリカの原因
       7.2 フランス
          7.2.1 フランスの原因
       7.3 韓国
          7.3.1 韓国の原因
       7.4 中華人民共和国
          7.4.1 中華人民共和国の原因
       7.5 日本以外の過去の格差社会
    8 脚注
    9 関連項目
    10 参考文献