折々の記へ

折々の記 2011 D

【心に浮かぶよしなしごと】

【 01 】07/20〜     【 02 】07/27〜     【 03 】08/01〜
【 04 】08/03〜     【 05 】08/09〜     【 06 】08/14〜
【 07 】08/19〜     【 08 】08/22〜     【 09 】08/25〜

【 08 】08/22

  08 22 原発周辺の土地買上借上■リビアのカダフィ政権
  08 23 ミャンマーの和解に見える英米覇権の衰退

 08 22 (月) 原発周辺の土地買上借上■リビアのカダフィ政権

原発周辺の土地、国借り上げ検討 居住を長期禁止

    http://www.asahi.com/national/update/0821/TKY201108210385.html <asahi.com(朝日新聞社)>

【原発周辺の警戒区域・計画的避難区域など】

 菅政権は、東京電力福島第一原発の周辺で放射線量が高い地域の住民に対し、居住を長期間禁止するとともに、その地域の土地を借り上げる方向で検討に入った。地代を払うことで住民への損害賠償の一環とする考えで、すでに地元自治体に打診を始めた。菅直人首相は今週末にも福島県に入り、自治体関係者らに説明する見通しだ。

 政権は当面、立ち入りを禁止した原発から半径20キロ圏内の「警戒区域」の中で、継続して高い放射線量が観測される地域について警戒区域の指定解除を見送る方針。福島県双葉、大熊両町のうち、原発から半径3キロ圏内の地域が想定されるが、「3キロ圏外でも放射線量が高い地域があり、範囲が広がる可能性がある」(政権幹部)との見方もある。

 警戒区域の一部では、高い放射線量が観測されている。事故発生から1年間の積算放射線量の推計は、警戒区域内の50地点中35地点で、政権が避難の目安としている年20ミリシーベルトを超え、原発から3キロの大熊町小入野では508.1ミリシーベルトを記録した。



原発警戒区域の年積算線量、最高508ミリシーベルト(8/20)

原発警戒区域の年積算線量、最高508ミリシーベルト関連トピックス東京電力原子力発電所. 文部科学省は東京電力福島第一原発から20キロ圏内の警戒区域の積算放射線量を、19日に公表した。原発事故発生から1年間の推計値の最高は、西南西3キロにある福島県大熊町小入野で508.1ミリシーベルトにのぼり、除染作業の困難さが改めて示された。最低は南相馬市小高区の3ミリシーベルト台で、数値にばらつきがあった。

 立ち入りが禁止された警戒区域9市町村のうち、8市町村の50地点を調査。事故から来年3月11日までの1年間、毎日、屋外に8時間、木造家屋内に16時間いたと仮定して積算量を推計した。

 計画的避難区域指定などの際に目安とされた年20ミリシーベルトを超えたのは、50地点のうち35地点。第一原発のある大熊町では全12地点が20ミリシーベルトを超え、うち7地点で100ミリシーベルト以上となった。最も高い同町小入野の508.1ミリシーベルトは、一般の人が浴びる人工の放射線量の限度1ミリシーベルトの500年分にあたる。この付近は、国道近くの平野部。

 浪江町では最高が北西20キロの川房で223.7ミリシーベルト、最低は北8キロ地点の4.1ミリシーベルト。



リビア反政府勢力側 首都ほぼ制圧 NHK8月22日 17時12分

リビアでは、反政府勢力側が首都トリポリをほぼ制圧するなど攻勢を強めているのに対し、カダフィ政権側は、大佐の住居がある地域に部隊を集結して抵抗を続けており、緊迫した状況が続いています。

リビアでは、NATO=北大西洋条約機構の支援を受けた反政府勢力が、カダフィ大佐の拠点である首都トリポリに攻め込み、22日未明には中心部にある広場に到達するなど、首都をほぼ制圧し、攻勢を強めています。これに対して、カダフィ政権側は、市の南部にある大佐の住居がある地域に部隊を集結しており、徹底抗戦を掲げて激しく抵抗しているもようです。中東の衛星テレビ局、アルジャジーラは22日、政権側の戦車が市内で砲撃を続けていると伝えているほか、反政府勢力側も「依然として、市の20%ほどの範囲はカダフィ政権側の支配下にある」としており、今なお、政権側が抵抗していることをうかがわせています。これまでに、カダフィ大佐の次男で大佐の後継者とされてきたセイフ・イスラム氏が、反政府勢力側に拘束されたとみられていますが、カダフィ大佐自身については、21日に音声による声明で支持者に徹底抗戦を呼びかけたあとは沈黙を保っており、所在も分かっていません。ことし2月以降、国内が内戦状態に陥り、国際社会の軍事介入も招いて、半年間にわたって混乱が続いてきたリビア情勢は、緊迫した状況が続いています。

[関連ニュース]  ・リビア首都で攻防 重大局面に
          ・リビア 政権側徹底抗戦の構え
          ・リビア 戦闘が激しさ増す
          ・リビア 首都で激しい攻防戦
          ・リビア TV局で銃片手に訴え



友美、優 応援お好み焼き会食 午後七時座光寺にて

横文字解説

インフラ「infrastructure」

基盤、下部構造などの意味を持つ英単語。「インフラ」はその略。一般的には上下水道や道路などの社会基盤のこと。ITの世界では、何らかのシステムや事業を有効に機能させるために基盤として必要となる設備や制度などのこと。

インストラクト「instruct」

動詞で「指示する」「命令する」と言う意味。  instructorは指導員

サプリメント「supplement」

栄養補助食品、健康補助食品とも呼ばれる。略称はサプリ 追加, 補足, 補充

コメント「comment」

ある問題について、意見や、補足的な解説などを加えること。評釈。論評。

リフレ「reflation」

リフレーション(英: reflation, リフレ)政策とは、不況下における設備の遊休あるいは失業(遊休資本)を克服するため、マクロ経済政策(主として金融緩和政策、時に財政政策も併用)を通じて有効需要を創出することで景気の回復をはかり、他方ではデフレから脱却しつつインフレーションの発生を防止しよう[1](マイルドインフレ(数%程度)にとどめよう)とする政策である。通常はインフレやデフレと同様に略して「リフレ」と呼ばれ、日本語では「通貨再膨張」とも訳される。(Wikipedia)


 08 23 (火) ミャンマーの和解に見える英米覇権の衰退

http://tanakanews.com/110822myanmar.htm ミャンマーの和解 ミャンマーの和解   2011年8月22日  田中 宇

 8月19日、ミャンマーの反体制指導者アウンサン・スーチーが、同国軍事政権から招待されて初めて新首都ネピドーを訪れ、ティンセイン大統領と初めて会った(ミャンマー政府は05年に首都をヤンゴンからネピドーに移した。スーチーは旧首都のヤンゴンに住んでいる)。側近によると、スーチーは大統領官邸で大統領夫人や政権の要人らに歓迎された。古くからの友人を迎えるような、親しみのこもった歓迎を受けたという。政府がスーチーを招待した公式の理由は、ネピドーで行われる経済開発会議への出席だったが、実際には大統領との会談が最重要の行事だった。(Aung San Suu Kyi meets Burma president)

 スーチーは昨年11月に釈放された後も、政府からヤンゴン市外へ政治遊説に出ることを禁じられてきた。だが今回、政権側はスーチーに政治遊説の再開を許し、スーチーは8月14日にヤンゴン郊外のペグーに遊説に出かけた。一方スーチーは、ティンセインとの会談に満足していると表明し、今後も対話していくと述べて、現政権を容認する姿勢を見せた。(Burma: Suu Kyi And The Government - Analysis)

 1990年の選挙でスーチーの政党NLDが圧勝したものの軍事政権が選挙結果を認めず政権に居座って以来、スーチーとミャンマー軍事政権は、敵対関係が長く続いてきた。昨春、当時首相だったティンセインをはじめとする軍事政権の将軍たち23人が退役してかたちだけ文民となり、新党(USDP、連邦団結発展党)を設立して昨秋の選挙に勝ち、軍事政権は表面上だけ文民政権に衣替えした(ティンセインは士官学校卒業後、40年以上の軍歴を持つ根っからの軍人だ)。

 スーチーらは、軍事政権が作った抑圧的な憲法下での選挙に反対し、昨秋の選挙に参加せず、政権側に対して敵視や懐疑的な態度をとってきた。それだけに、今回のスーチーとティンセインの和解的な会談は、ミャンマーの政治に重大な転換が起きていることを示していると、FT(『フィナンシャル・タイムズ』(The Financial Times, FT) はイギリスで発行されている日刊新聞である。)などが分析している。(Suu Kyi meets Burmese leader)

 スーチーの転換は、突然に起きたことでない。スーチーは文民のふりをする軍事政権のやり方に反対し、昨年11月の選挙に参加しなかったものの、選挙直後の11月13日に釈放された時から、欧米に対し、ミャンマーに対する経済制裁を解除するよう求める姿勢に転換した。(Aung San Suu Kyi shifts position on sanctions)(アウンサン・スーチー釈放の意味)

 スーチーは今年2月、世界経済の行方を議論するダボス会議にビデオ映像を送り、ダボスに集まった世界の資本家たちに対し、ミャンマーに投資してほしい、ミャンマーに観光しに来てほしいと要請した。スーチーはこの手のメッセージを、昨年11月に釈放された時から世界に発していた。(Did Suu Kyi's Davos Speech Signal U-Turn on Sanctions?)

 スーチーは現実路線に転換し、特に経済開発の面で軍事政権とある程度協調し、自国を発展させていきたいと考えるようになった。昨年11月の選挙を受けて今年3月に発足したティンセイン政権は、スーチーの転換に呼応し、スーチーの側近だった経済専門家ウミントを、政権経済顧問に迎え入れ、スーチーが望む経済開発を政府が行う姿勢を見せた。7月に入り、政府の閣僚がスーチーと繰り返し会うようになり、今回のスーチーと大統領の会談が実現した。(Cautious hope for change in Burma)

 スーチーとミャンマー政権との和解は、米国も事前に知っていたようだ。スーチーがティンセインと会談する直前の8月14日、米政府は初めて国務省にミャンマー問題の担当官を置き、国務省や国防総省を歴任したアジア問題の専門家デレク・ミッチェルが就任した。ミャンマー担当官の設置は08年から立法されていたが、3年近く延期されていた。(US appoints Burma special envoy Derek Mitchell)(US puts a new man in Myanmar)

 8月15日には、ミャンマー政府が、国連人権委員会が派遣してきたミャンマー担当官(Tomas Ojea Quintana)に対し、入国ビザを発給することを決めた。担当官は昨年3月からミャンマーへの入国を求めていたが、拒否されていた。スーチーの待遇や、国連人権担当官の受け入れなど、ミャンマー政府が米政府の評価を受けそうなことを連発する直前に、米政府がミャンマー担当官を任命している。(U.N. rights official heads to Myanmar)

英国が中国に譲歩し、スーチーが転換?

 とはいえ、スーチーの転換を引き起こした主導役は米国でない。主導役はおそらく、この間の政治劇の水面上にほとんど出てこないが、(主導役は)中国である。ミャンマー軍事政権は以前、米国に天然ガスなど資源の利権を与えることで、自国の軍事独裁や人権侵害を大目に見てもらおうとする戦略をとっていた。だが、ブッシュ前政権が03年にイラクのフセイン政権を「悪の枢軸」に指定して侵攻してつぶし、05年に悪の枢軸の後継戦略としての「圧政国家」にミャンマーが入れられ、米国との和解は不可能になった。その後、07年夏にミャンマーで物価高を原因とする市民の反乱が起こり、これがCIAなどが裏で糸を引く政権転覆策「サフラン革命」と指摘されるに至った。(イラク化しかねないミャンマー)

 この展開を見て、中国政府は大きな懸念を抱いた。ミャンマーの軍事政権が市民革命で転覆されると、中国の隣接国であるミャンマーが内戦化し、難民が押し寄せるなど中国側も不安定化しかねない。昨年末にウィキリークスが暴露した米国務省の機密電文とされる文書によると、07年秋以降、中国政府はミャンマー軍事政権に対し、スーチーや辺境少数民族などの反政府勢力と交渉したり、民意の反感を抑えるような工夫をせよと強く圧力をかけるようになったという。08年1月には、ミャンマー問題に関する米中間の会議も開かれた。(Burma CNimp2 China's dim view of Myanmar junta)

 この後、08年秋にリーマンブラザーズが倒産し、基軸通貨としてのドルの将来が疑われるようになった。ドルに代わる基軸通貨体制などについて議論するG20サミットが立ち上がり、世界経済政策に関する既存の最高意思決定機関だったG7に取って代わった。 これは、世界の主導体制が、既存の米英単独から、米英と中国などBRICとの対等関係の多極型合議体制に転換していくことを意味していた。国際社会において中国が大きく台頭する方向が決まった。

 この転換を受け、それまでスーチーに戦略的なアドバイスをしてきた英国が、中国に譲歩せねばならなくなった。スーチーは、すでに故人となっている夫が英国MI6の諜報部員で、夫婦で英国に住んだこともあり、英国の諜報機関とのつながりが深い。英MI6米CIAは、スーチーに軍事政権を転覆させ、ミャンマーを英米好みの国に転換させ、そこを拠点に北隣の中国を不安定化しようと考えていたのだろう。だが、金融危機によって、ドルの基軸性喪失や、米英の覇権低下の可能性が大きくなったことで、米英は中国に譲歩せざるを得なくなった。

 英国外務省は08年10月末、チベットを独立国として認めた1914年のシムラ協定を事実上放棄し、チベットの独立を支持して中国を分裂させる戦略をやめていることを宣言する声明を発表している。これは、リーマンショック後に世界経済の主導役がG7からG20に取って代わられ、英米の国際影響力が減退する半面、中国の影響力が拡大する方向が確定する中で発せられている。ミャンマーに関しても、英国は、スーチーを使った民主化戦略(不安定化策)を引っ込め、中国がミャンマーに対して自国に都合の良い政策をやることを認めたと推測できる。(チベットをすてたイギリス)

 英国がストレートに地政学的な中国包囲網戦略をとってきて、それを放棄せざるを得なくなったのに比べ、米国の戦略はもっと暗闘的に分裂している。英国の同盟勢力である軍産複合体は中国包囲網の戦略だが、二ューヨーク資本家の一部がこっそりやっている多極化戦略は、軍産英複合体の戦略を過剰にやって破綻させ、中国など新興諸国の台頭をむしろ誘発して、世界の中で経済発展する地域を拡大する戦略だ。米国は、ミャンマー敵視策を過激に貫くことで、ミャンマー軍事政権が中国に頼らざるを得ない状況を作るとともに、CIAなどが煽動する民主化運動によってミャンマーが不安定化させられる前に介入せねばならないと中国に思わせる策をとった。

 09年を通じて、ミャンマー軍事政権のティンセインら将軍がかたちだけ退役して文民となって新政党を作り、総選挙をやってその政党に政権をとらせる上っ面の脱軍事政権策が、中国の忠告のもとに計画され、10年にそれが実施され、今に至ったと考えられる。以前なら、このような上っ面の文民化は、米英やその傘下の欧米マスコミによって茶番として否定され、ほとんど何の効果も得られなかっただろう。だが08年以降、ミャンマー問題解決の主導役が中国になり、欧米の政府はこの茶番劇に対してほとんど黙認する姿勢をとっている。

 ミャンマー問題に外から介入する主導役が米英から中国に転換したことを、スーチー自身がいつ悟ったかはわからない。スーチーらが昨秋の選挙に出なかった理由が、転換を悟っていたからなのか、それともCIAあたりに騙されたのかは、わからない。しかし、昨秋選挙直後に釈放された時、すでにスーチーは主導役の転換を悟っており、中国がミャンマー軍部に作らせたティンセイン政権を敵視するより、協調した方がミャンマー全体のためになると考えていた。欧米で賞賛される存在であるスーチーは、新政権と協調し、世界からミャンマーに投資してくれる資金を集める役割を買って出た。今回、スーチーと新政権との協調が進み、今後のミャンマーが中国の隠然とした影響力のもとで安定していく方向性が強まった。

 ミャンマーは南東側の国境がタイに隣接しているが、タイではタクシンの妹の政権ができた。タクシンは、それまでのタイの王室と軍部、官僚機構による軍産複合体系の権力機構を崩し、政治主導型の自立的、非米的な国家建設を試み、長い軍部・官僚との戦いにようやく勝ちつつある。以前のタイは、ミャンマーの反政府少数民族の勢力を自国内に住まわせ、米英によるミャンマー包囲網に協力してきた。しかしタクシンの影響力がタイに戻ってきたことで、タイは、むしろ中国主導のミャンマー安定化策に協力し、ミャンマーの少数民族と政府との対立を終わらせていく役割を強める可能性が高くなっている。(タイのタクシンが復権する?)



覇権変化の要因

@ニクソンショック

ニクソン・ショックとは、1971年にアメリカ合衆国のリチャード・ニクソン大統領が電撃的に発表した、既存の世界秩序を変革する2つの大きな方針転換を言う。一般的には後者(8月15日のショック)を指すが、両者を併せて「2つのニクソン・ショック」と呼ばれることもある。

第1のニクソン・ショック(ニクソン訪中宣言)は、1971年7月15日に発表されたニクソン大統領の中華人民共和国への訪問を予告する宣言から、翌1972年2月の実際の北京訪問にいたる一連の外交をいう。→ニクソン大統領の中国訪問

中ソ対立
第二次世界大戦後の1949年に成立した中国共産党の一党独裁国家である中華人民共和国は、ソビエト連邦を筆頭にした共産主義国陣営に属し、アメリカ合衆国とは冷戦を背景に対峙する関係にあった。しかし、独裁者であるヨシフ・スターリンの死後登場したニキータ・フルシチョフ首相との間に巻き起こった中ソ対立で、これまで友好関係を維持してきた中ソ間にも不協和音が生じ、中華人民共和国はソビエト連邦とは一定の距離を置く独自の路線を歩みつつあった。

電撃訪問
北京で毛沢東と会談するキッシンジャーそこへ、アジアにおいてベトナム戦争という代理戦争を行うなど、ソビエト連邦との間で深刻な対立を続けるアメリカが接近し、間もなくヘンリー・キッシンジャー大統領補佐官が水面下で中華人民共和国政府との交渉を進め、1972年2月にニクソン大統領が北京を訪問し毛沢東主席と会談した。1949年に共産政府が成立して以降のアメリカ大統領の中華人民共和国訪問はこれが最初であった。

第2のニクソン・ショック(ドル・ショック)は、1971年8月15日に発表されたドル紙幣と金との兌換停止を宣言し、ブレトン・ウッズ体制の終結を告げた声明。

ブレトンウッズ体制
・各国の保護貿易,競争的為替相場切り下げなどの近隣窮乏化政策が第二次世界大戦の遠因になったとの反省から,国際貿易の自由化と経済成長,雇用の促進を目的として形成され,IMF,世界銀行,GATT(WTOの前身)をその軸とした,第2次大戦後の国際経済体制のこと。
・国際通貨の文脈では,固定相場制度を基礎とするIMF中心の国際通貨体制を指して使われることが多い。
・1944年7月,アメリカのニューハンプシヤー州ブレトン・ウッズにおいて調印されたIMF協定によって次のことが決められた。
  i. 各国は金または「1ドル=35分の1トロイ・オンスの金」と等しい価値を有するドルで表示された平価に基づく
    固定為替相場制を採用し,為替相場の変動を平価の上下各1%以内に抑えること。
  ii. 平価は基礎的不均衡がある場合にしか変更が認められないこと。
・この体制は,IMFが加盟国に短期的国際収支赤字のファイナンス資金を貸し出すこと,米国がドルを公定価格でいつでも金と交換することを約束することによって支えられていた
・しかし、1971年にニクソン大統領がドルの金交換性を停止したため(ニクソン・ショック)、終わりを告げた。

ニクソン・ショックとは、1971年8月15日にアメリカ合衆国政府が、それまでの固定比率によるドル紙幣と金の兌換を停止したことによる、世界経済の枠組みの大幅な変化を指す。リチャード・ニクソン大統領(当時)が国内のマスメディアに向けこの政策転換を発表したことにより、ニクソンの名を冠する。

ショックと呼ぶのは、この兌換停止はアメリカ合衆国議会にも事前に知らされておらず極めて大きな驚きを与えたこと、またこの兌換停止が世界経済に大きな影響を与えたことによる。この出来事はドル・ショックとも呼ばれる。

Aニクソンショックの背景と顛末

アメリカは1960年代後半に、ベトナム戦争や「偉大な社会」政策による財政支出を受けてほぼ完全雇用の状態になり、インフレーションの加速や貿易黒字減少など、景気過熱気味であった。

当時の通貨体制は、ドルと金との交換比率を固定し、各国通貨はドルと交換比率を固定することで通貨の裏付けとするブレトン・ウッズ体制下であった。

景気過熱で経常収支が悪化するアメリカは、やがて固定レートを変更しドルを切り下げるであろうと予測された。このため1969年頃から経常黒字国であった日本の円やドイツのマルクに対して投機が殺到するようになった。固定相場制度においては中央銀行が無限の為替を保証するため日本銀行やブンデスバンク(ドイツ連邦銀行)はドルを買い支えることになった。買い支えるということは、市中に円やマルクが放出されるということになる。マネーサプライが増えるため金利は抑制され、日本やドイツの経済も過熱気味になることになる

ドイツは、第二次世界大戦前にハイパーインフレーションで経済を疲弊させた記憶があるため、ブンデスバンク(ドイツ連邦銀行)はインフレーションを親の敵のように扱い未然に防ごうとしていた。

また、日本も高度経済成長末期において巨大プロジェクトが目白押しであったため、アメリカの過剰輸入・資本輸出によるインフレーションは厄介であった。

このため、元凶であるアメリカの過剰財政支出への非難が強まることになる。

ニクソン政権は、就任直後に財政政策を抑えたものの1970年には不景気に陥り、1971年には歳出が増大する一方で歳入が減少し財政赤字が急拡大した。

急増する失業者を前に国内雇用維持のためには財政支出が必要と考えられており、諸外国からの非難との間でアメリカはジレンマに悩まされた。そのように経済政策へ制約を課しているのは、とりもなおさず固定相場制度を軸にした通貨体制であった。そのためニクソン政権はブレトンウッズ体制放棄を決定した。ドイツはニクソンの発表後、金融政策の独立性が高い変動相場制度へ移行した。

ドル円相場などは一旦ドルが切下げられ固定相場制度が維持されたが、通貨価値保持が優先されなかったドルの売り浴びせは終わらず、ドル円間も変動相場制度へ移行した。

本来、「財政赤字とインフレと貿易赤字」という不均衡を解消する合理的手段は財政赤字の削減である。「財政赤字とデフレと貿易赤字」という組み合わせであれば合理的手段は通貨安である。このときのニクソン政権が取るべきであった政策は、とりもなおさず財政赤字の削減であった。 しかし、戦後アメリカ経済政策の究極的目標である完全雇用を前にして、ニクソン政権は通貨安という手段をとることになった。

ニクソン・ショックは、その後の1970年代の政策迷走、現代にも残る莫大な貿易赤字という不均衡を生み出すスタート地点となる。

Bニクソン・ショック後

1971年12月に、ワシントンD.C.のスミソニアン博物館で各国の蔵相会議が開かれる。ここでドルと金との固定交換レート引き上げ、ドルと各国通貨との交換レート改定が決定される(スミソニアン協定)

日本円のレート改定会議は順番が最後であり、ほとんど時間は用意されなかった。その中で円については、360円から308円へ、16.88パーセント切り上げることが提案された。この切り上げ幅は諸国通貨の中でも最大で、日本の代表使節団の予想をも大幅に上回るものであった。そして、水田三喜男大蔵大臣を中心とした日本の代表使節団が言い淀み思案している間に提案は決裁され会議は終結した。これを受けて12月19日より、308円への切り上げ(ドルから見れば切り下げ)が実施された。

こうしてドルは大幅な切り下げに成功したが、アメリカの貿易赤字は拡大。固定相場制度への信頼性が低下したことから1973年には、主要国ほぼ全てが変動相場制へと移行した。その後1976年1月、キングストン (ジャマイカ)で行われたIMF(国際通貨基金)暫定委員会において、変動相場制が正式に承認された(キングストン協定)。

変動相場制とは

 変動相場制とは、固定相場のように為替レートを一定比率に固定せず、市場の需要と供給によって変動させる制度で、フロート制度ともいいます。

 固定相場の平価がいったん動き出すと、投機的な力が更なる平価調整をよびます。

 やがて固定相場制を維持することが困難となり、変動相場制へと移り変わります。

 我が国の円は、1971年のニクソンショック後のスミソニアン合意により1ドル=360円から308円へ切り下げが行われたことを皮切りに、1973年の第一次オイル・ショックの年に変動相場制へと移行することになりました。

 正式には、1976年1月のキングストン協定で、変動相場制が承認されました。

 先進諸国のほとんどは、市場メカニズムを通じて為替レートを自由に決定させるいわゆる変動相場制を採用しています。

C戦争時代のアメリカ合衆国の経済と財政の指標の累積値

戦争名称と期間
単年財政収支累計値
貿易収支累計値
第二次世界大戦 1942〜1945-170,167-5,300
朝鮮戦争 1951〜1953-1,9103,000
ベトナム戦争 1962〜1973-117,64437,100
アフガニスタン戦争 2002〜2010(継続中)
イラク戦争 2003〜2010(継続中)
-5,102,121-5,368,300
 貿易収支の金額の単位は100万ドル

D世界を不幸にするアメリカの戦争経済イラク戦費3兆ドルの衝撃
                                     ジョセフ・E・スティグリッツ リンダ・ビルムズ著 楡井浩一訳

 イラク開戦の決断は、数々のまちがった前提にもとづいていた。ある者は、サダム・フセインがあの忌まわしい9.11同時多発テロにかかわっていたと断言した。誤った情報によって、イラクが大量破壊兵器を所有しているという主張がなされ、国際原子力機構(IAEA)の査察官による否定は無視された。多くの人は、戦争はすぐに終わり、イラクにはなんらかの形で民主主義が花開くだろうと論じた。戦争にはほとんど費用はかかわらず、おのずと採算がとれるだろうという意見まであった。ところが実際には、戦争は生命と財産の両面で、驚くほど高くつくことになった。アメリカに課される財政的および経済的コストの総額は約3兆ドルに達し、他の国々に課されるコストを合わせれば、おそらく数字の2倍になるだろう。

 2003年3月19日、アメリカと有志連合はイラクを侵攻した。政策を立案した新保守主義者(ネオコン)にとって、イラクは手始めにすぎなかった。彼らの目的は、新しい民主的な中東国家をつくり、ゆくゆくはイスラエルとパレスチナの恒久的な平和を達成することだった。それなのに、この5年間でイラクにはなんの進展も見られない。イラク自体が内戦状態におちいってしまっただけでなく、他の地域もさらに不安定になってしまった。アメリカに対する反感は中東では誰の目にも明らかであり、それは世界じゅうへ広がりつつある。

 戦費を押し上げる第一の要因は、アメリカ軍兵士と民間の請負兵両方の人件費の上昇だ。配置される兵士の平均人数はわずかに増えているだけだが、兵士ひとり当たりのコストが大幅に上昇している。第二の要因は、燃料費の上昇だ。イラクに供給される燃料の価格は、長く危険な供給ラインの高額な輸送コストにあおられ、急上昇した。戦費が増大した要因のうち、最も重要なのは、軍の装備品の在庫が消耗し、作戦の長期化によって、国防総省が当初無視していた装備品の購入を余儀なくされたことだ。

 イラクとアフガニスタンにおける戦争のコストを二つのシナリオにもとづいて見積もっている。ひとつは、最良のシナリオとでも呼ぶべきもので、アメリカが撤退速度、死傷者の程度、退役軍人の要求などについて最も楽観的に予見し、戦争によって生じるコストを最小限にしている。最良のシナリオでは、2008年に18万人まで減少し、2010年までに7万5千人、2012年までに戦闘部隊はすべて撤退させ、非戦闘部隊の数は5万5千人に減少すると見積もっている。2017年までの兵員の数は合計180万人になると推定している。

 第二のシナリオは、現実寄りの保守的シナリオで、現役部隊のの配備がもっと長期間続き、帰還兵たちの医療と障害保障請求の必要性がさらに高まるという予測にもとずいている。ここでは兵員数は、もっとゆるやかに減っていき、2012年までに7万5千人になると想定している。2017年までの兵員の数は合計210万人となると推定する。

イラク戦争及びアフガニスタン侵攻のコストの現在高 単位:10億ドル
 財政的コスト 最良シナリオ 現実寄りの保守的なシナリオ
 今日までの総運用費(2001−2007) 646 646
 将来の運用費 521 913
 将来の退役軍人のコスト(医療+障害補償+社会保障) 422 717
 その他の軍事費/調整 132 404
 財政的コスト合計(利息なし) 1,721 2,680
 利息コスト 613 816
 財政的コスト合計(利息あり) 2,334 3,496
 社会的コスト 最良シナリオ 現実寄りの保守的なシナリオ
 統計的生命価値 死亡 56 64
 統計的障害価値 その他の全障害 180 273
 社会、家族、その他の医療費 55 78
 (適用された障害給付金の差引) −12 −16
 その他の社会的コスト 16 16
 社会的コスト合計 295 415
 マクロ経済的コスト 最良シナリオ 現実寄りの保守的なシナリオ
 原油高の影響 187 800
 支出転換の影響 1,100
 マクロ経済的コスト合計 187 1,900
 財政的コスト+社会的コスト+マクロ経済的コスト
(利息なし)
2,203 4,995

 イラク戦争は、とりわけ原油高の影響は、アメリカ経済を弱体化させてきたが、金融緩和の政策がとられたために、ほんとうの弱り具合はなかなか目には見えなかった。

 金利と貸出基準の引き下げがなければ、イラク戦費への支出転換と、赤字拡大と、原油高からもたらされるマクロ経済的悪影響が、もっと目に見える形で表出していたはずだ。

 イラク戦争勃発以降、アメリカは赤字国債で資金を調達することによって、過去五年間、戦争の財政的コストの一部を負担せずにすませてきた。さらに、戦争のマクロ経済的コストの一部も負担していない。先送りしたコストを、これから支払っていかなければならない。

 かってベトナム戦争時にジョンソン大統領は軍事・民生両立政策をとった。そして、アメリカ国民はこのときの大きなつけを、1970年代のインフレという形で、戦後の長きにわたって支払いつづけるはめにおちいった。あの時と同じように、二一世紀の軍事・民生両立政策による大きなつけも、長きにわたって国民を苦しめつづけることだろう。

 もしも、石油価格が低水準で推移し、政府支出が通常の景気刺激策に振り向けられ、アメリカ経済の弱体化をまぬがれていたなら、FRBが大幅な金利引き下げを行う必要はなかったし、国民に無理な住宅ローンを背負わせてまで、なりふりかまわず消費を拡大させる必要性もなかった。借金の山が今ほど大きくなければ、アメリカ経済はもっと有利な立場で、将来の困難に取り組めたはずなのだ。

Eアメリカ崩壊後の日本と世界   <http://ooimatimusasi.jimdo.com/>

アメリカ崩壊

今、アメリカの崩壊が始まっています。ニューヨークの資本家がアメリカをつぶして世界を多極化させて投資先を増やしていく戦略です。短期的には資本家たちの損失は増えますが今後世界が多極化すると構造の転換ができれば彼らは利益を増やすことができるのです。この動きが加速するとアメリカ依存体質が世界から消えよい方向に進むでしょう。

ドル崩壊

ドル崩壊は予想しているジャーナリストは多い、アメリカで不動産や株式などを証券化して販売して結果それが焦げ付いた。それだけでなく事業や投資を知るのに資金調達を簡単にしたため本来金がなくてもお金が借りられるため人々がマネーゲームに熱狂した。

☆             ☆             ☆             ☆             ☆

上記で述べたことであるが1991年からアメリカの好景気が始まり金融とIT《‘information technology’情報技術》をミックスした経済政策から話さなければわかりにくい!
1991年にクリントン元大統領により金融やITを中心にした政策を開始した。同時期にアメリカはイギリスを誘い一緒にこの政策を行った。両国ともに製造業の状態が衰退に向かっていたため金融やITを主眼に置く政策が開始されたのであった。両国とも製造業を切り捨ててもそれほど大きな悪影響はなく新しい産業の元、経済は活性化した。このときからアメリカの金融業で働いていた人たちの中でものすごく稼ぐ人たちも現れた。日本では1991年ごろからデフレの兆候が見られていた。その後アメリカとイギリスの経済成長は目覚しかった。

しかしながらその繁栄も限りが出てきた。クリントン政権の末期には経済悪化が始まった。しかしブッシュ前大統領に代わってからテロ戦争が行われ戦争経済に入った。このブッシュの政権の間はアメリカの経済悪化の兆候はあったものの一時的にバブル状態ができ経済状態を維持することができた。しかしブシュ政権末期にはサブプライムローンの問題が浮上してきたのだ。この時、ブシュは市場主義であるから政府は介入しないと言う趣旨のことを発表した。経済は悪化に向かった。

その後オバマ新大統領が就任してルーズベルトがした公共事業のようなことを発表してマスコミからは「社会主義的な政策」とも言われた。
その後はAIGの破綻を食い止めるために政府が支援を決定した。AIGは債権保障保険を扱っているためにつぶせば悪影響が出るため救済したといわれている。その後、アメリカ政府は国債を発行して連邦準備銀行がこれを買うような自作自演的なことをして経済状態を外部によく見せたのである。

銀行間のシステムはすでに機能していない。銀行間の貸し借りは今はなく政府が唯一の貸し手になり企業や銀行に金を貸している。銀行間が信用されないのはおそらく負債等の損失を情報公開しないためだ。

ここで話をまとめる!

@クリントン氏が始めた経済政策だが製造業を保護しないため金融がだめになると雇用を吸収しにくい体制になる。また産業が空洞化しているために金融業の破綻や停滞する状況になれば設けることができる産業がなく経済が疲弊する。日本はバブル崩壊後も製造業があったため何とか持ちこたえられた。

A資金調達が簡単であることも問題である。レバレッジと呼ばれるシステムは手持ちのお金の100倍以上のお金を借りて投資やビジネスをすることができる。投資をした場合、焦げ付く可能性が大きい。それはサブプライムのような低所得者向けのローンである。低所得者は経済状況の悪化によりすぐ解雇や失業にあいローンが払えなくなる。そうなればサブプライムローンなどは破綻しやすい。

BAIG救済についてであるがこれはゴールドマンにお金が流れた可能性もあると言う分析もある。CDSのような債権保障を発行するAIGは破綻すればゴールドマンも同時に破綻する。そのためAIGを使い自らうまく共済されるために政治力を使った可能性がる。
この件以外でも銀行救済や大企業救済を考えているようだが肥大した経済が破綻したわけだから長期で考えれば破綻させて肥大した部分を削る必要もあると考えられる。

Cオバマ大統領の政策だが公共投資の前に銀行間の信用回復をさせるのが先である。政府が唯一の貸してである経済はアメリカの経済が壊死しているようなものである。ここで政府が銀行に情報公開させてつぶすところを決めてつぶしたほうが後々経済の足を引っ張らないはずである。国債もアメリカ国債を政府が発行して連銀が買うのはタコが自らの足を食べているようなもので経済が破綻が近いうちに訪れる。

Dまだまだあるがこれらの間違えた政策であるがアメリカを破綻させたい一部のグループがブシュやオバマにやらせているように感じられる。
そのグループとはニューヨークの資本家たちである。彼らは英米イスラエル中心体制では中国、ロシア、インドなどを封じ込めておくため投資先が拡大しない、そのために英米イスラエル中新体制を崩壊させて世界を多極化させて投資先を増やそうとしているように思われる。
アメリカほど優秀な人が集まった国は世界になくそれら優秀な人が間違えをおかすことはない!意図的にアメリカを破壊していると考えるほうが普通であろう。

F(特記)リーマン・ブラザーズとAIGの破綻 2008年09月24日 18時04分09秒


リーマン・ブラザーズとAIGが破綻

それが一般人の生活に今後どのように影響するのか?


今回のリーマン・ブラザーズとA.I.G.の破綻によって、何が過去数日間の間に起きたのか、なぜそれが起きたのか、そして、日常を暮らすほかの人々にとってこの破綻が何を意味するのか?エコノミストであるSteven D. Levitt氏が、同僚のDoug Diamond氏とAnil Kashyap氏とともに議論し、その様子をネット上で公開しました。

洞察力と示唆に富んだこれらの記事をベースにしてさまざまな情報を整理し、今回の破綻によってどのような影響があるのか、その内容を知っておきましょう。

詳細は以下から。

  〜目次〜
  ■そもそも何が起きたのか?
  ■なぜこのようなことが起きたのか?
  ★ファニーメイとフレディマックが発端であり、震源地
  ★そして借り続けることができなくなったリーマンの終焉へ
  ★570億ドルの保険契約を書いてしまったAIG
  ■なぜ財務省と連邦準備局はリーマンを破産させたのに、ファニーメイ、フレディマック、A.I.G.を救済したのか?
  ■私はリーマンやA.I.G.で働いていませんし、債券を所有しているわけではないのですが、何に気をつければいいですか?

以下の話の前に、「サブプライムローン」についての理解が必要となるので、「サブプライムローンって何?」という人はまず以下の記事を読んでください。

   急速な円高や全世界同時株安の原因、「サブプライム問題」とは? - GIGAZINE
   http://gigazine.net/news/20070817_subprime/


2007年08月17日 01時27分00秒
急速な円高や全世界同時株安の原因、「サブプライム問題」とは?

一時的に円が113円とかいうすさまじい円高になり、しかも全世界同時株安の様相を呈しているわけですが、原因の一つは「サブプライム問題」というやつです。

テレビで散々言われているものの、いまいちどういうものかという説明があまりされていないので、株式とかそういうのがわからない人でもある程度わかるようにまとめてみました。

さて、まずは大原則。お金が余っている側は、すでに信用力があってお金をきちんと返済してくれる人には喜んでお金を貸します。なぜなら、貸した金額はちゃんと戻ってくるし、利子もちゃんと支払われるためです。リスクが低いので利子が低くても問題ないのです。このような信用力のある層は「プライム」と呼ばれます。これに対して「サブプライム」の「サブ」とは「次の」という意味で使われており、要するにこういう優良な相手よりも一段階信用度が落ちている相手、という意味です。

要するに本来ならお金を借りることができない人にお金を貸すというのがサブプライム。いわゆる高利貸しに近い形。どんな人が借りているのかというのは以下の用語説明を読むと非常にイメージしやすい。

サブプライムとは - はてなダイアリー

  ・ 過去12ヶ月間に30日間以内のローン返済延滞が2件以上、または過去24ヶ月間以内に60日以内の延滞が1件以上ある
  ・ 過去24ヶ月間に法定判決、抵当物件の差押え、担保回収、ローンの不払いがある
  ・ 過去5年間に自己破産がある
  ・ 信用調査機関のリスクスコアが所定の値を下回る。

貸す条件もすごい。ほとんど無条件です。

サブプライムローン問題、「予想・防止共に可能だった」米紙論評:Garbagenews.com

  サブプライムローンの設定においては、借り手に対して収入の証明を必要としない(つまり収入について考慮しない)ことをうたい文句とし、さらに仕事に従事しているか・資産を持っているかなどを問われずに、住宅ローンを設定してしまったという。要は借り手に元々担保も将来性の確約もないのに、借り入れたローンで購入できる住宅自身を担保にし、お金を貸し出すという按配である

なぜこんな信用の低い層、すなわち、貸しても返済が完遂できない貸し倒れの確率が非常に高い層に対してお金を貸すのでしょう?

FujiSankei Business i. なるほど講座/サブプライムローン

 サブプライムローンは、所得や信用力の低い人向けの消費者金融の一種で、自動車や住宅などを担保に年率20〜30%の高金利で貸し出すものです。米国では総世帯の約4割が年収2万5000ドル以下で、サブプライムの対象になるといわれ、市場が非常に大きいのは確かです。

つまり、信用が低いけれども人口が多いので成立してしまうわけです。テレビや新聞などで「サブプライム問題」と言っている場合はこの住宅向けローンを意味していることが一般的です。

で、サブプライム層にお金を貸す場合、もちろん金利は高くなります。なぜなら、サブプライム層は既に破綻したことがあったり、返済遅延とか、そういうお金の経歴を見るとキズがあるためです。つまり、信用力が低い。しかしそれでもなおこのサブプライム層にお金を貸していた理由は単純で、その貸したお金で買った家自体が担保に入っているためです。ローンの借り換え(ローンを組み直すリファイナンス)などをしてもなお返済できなくなったとしても、最終的にはその家を売れば貸し付けたお金は回収できる、と。なぜなら、米国の住宅市場はこれまでずっと値上がり傾向にあったため。結果として、安心して住宅向けサブプライムローンを展開できたわけです。むしろ住宅の価格がドンドン値上がりして不動産価格が上昇している以上、高金利で貸すことのできるサブプライム層の信用が「上がる」わけです。妙な話ですが、理屈としては「お金を返済できなくても家を売らせればいい」ということです……。当然ながら家がなくなるわけですが、貸す側はお金さえ儲けられれば関係ありません。しかもこの理屈だと必ず儲かる、要するにリスクが低い。しかも、先ほども書いたようにサブプライム層は人口が多いので、次々と金を貸していくことができる。サブプライム層に対してローンをさせてさせてさせまくって儲けられるときにガンガン儲けよう、ということになるのも当然の流れです。

  景気がよいので不動産価格がどんどん上昇している
  ↓
  サブプライムローンで返済ができなくなっても担保に入っている家を売却すれば利益が出る
  ↓
  そのお金をさらにサブプライムローンとしてサブプライム層に貸し付ける
  ↓
  サブプライム層に貸せば貸すほど儲かるので、基準はどんどん緩くなる
  (より低階層の信用が低いサブプライム層に貸していくことになる)
  ↓
  金余り発生。以下、無限ループ。

構造的には、土地や家を持つことなどできないようなレベルの人に金余りを起こしている側がむりやり貸し付けて利益を得ようというのが根本的な構造です。一種の貧困層ビジネスみたいな雰囲気もするのですが、ずっと悪質です。なぜなら、富めるものはますます富み、貧しくなる者はますます貧しくなる仕組みだからです。これは経済自体を萎縮させてしまうということにつながるので、必ず悪影響が出ます。今がまさにその影響が露呈し始めた時期だ、と解釈していればまず間違いありません。

ここからが本題。なぜこれが米国市場の株安、そして全世界株安につながり、そして円高につながるのか?

ここまでだとまだ問題は単純ですが、さらに流動性を高めるために、このサブプライムローンを「債券化」したのです。これがクセモノだった。

  多くのファンドに潜り込んでいる「サブプライム」:
  破綻目前、サブプライムの猶予は3カ月 / SAFETY JAPAN [大前 研一氏] / 日経BP社

   こうした人々の顔が見えている間はよいが、ローンを何千、何万と束ねて、そこから
   REITのような小口債券化した商品を作る。いわゆるABS(アセット・バックト・セキュリ
   ティ:資産担保証券)の一種である。例えばローンの借り手が12%の利息で支払う
   場合、貸し倒れや回収・事務処理費に利益を上乗せして4%の余裕を見て8%の
   利回りの商品としてこれを売りに出す。この時点で、回収する人々とこの債券を買う
   人々が完全に切り離される。いわゆるファンドなどが運用難からこうした商品に飛び
   ついて知らず知らずの間に組み込んでしまうのだ。

この小口債券が一体どこへ行ったのかが問題で、最終的にはヘッジファンドが扱うようになっていきました。なぜなら、不動産価格が上昇しつづけるというバブルな状態であれば、全力でこのサブプライムローン債権などを証券化したCDO(債務担保証券)に対して投資すれば、非常に高い利回りでガンガン儲けることができるからですね。

そして、サブプライム問題が持ち上がります。つまり、投資の失敗です。

そもそも右肩上がりの価格上昇を前提としているのが間違っている。永遠に不動産価格が上昇することはあり得ない。これは日本の土地バブルの時を見れば明らかです。それだけでなく、貸してはいけないサブプライム層にむりやりお金を貸したので、返済が滞って破綻するのは当然。結果として一体どれぐらい焦げ付いたのか?金額を見れば一目瞭然です。

  猶予は3カ月しかない:破綻目前、サブプライムの猶予は3カ月 /
  SAFETY JAPAN [大前 研一氏] / 日経BP社

    サブプライム問題はどれくらい深刻なのだろうか。この後、世界市場にどの位の影
   響を及ぼすのだろうか。また、貸してはいけない人々に、どれくらいのお金を貸して
   しまっているのだろうか。

    サブプライムローンの総額は日本円にして170兆〜180兆円、そのうち返済が滞っ
   ているのは30兆円といわれている。実に16パーセントあまりが焦げ付いている計算
   だ。

焦げ付き始めると本来出す予定だった利益が出なくなります。なぜなら、これだけ大量に焦げ付くと、担保として取り上げられた住宅が大量に出回ることになります。そうなれば市場ではたたき売りされることになります。供給過多になったわけです。そうなると、完全に行き詰まります。

  サブプライムローンの返済ができなくなるサブプライム層が大量出現
  ↓
  担保として取り上げた住宅が市場に一気に増える
  ↓
  住宅供給過多となり、住宅の価格が下がる
  ↓
  ローンの返済が完遂していなくても住宅を売れば儲かるはずだったのに、儲からなくなった

さて……このサブプライムローンは「債券化」されています。つまり、銀行ではなくヘッジファンドなどが投資目的で持っているわけです。持っているだけではもう利益は出ません。売らなくてはいけないのですが、利益のでない債権に価値はないので誰も買いません。サブプライムローン債権はこの誰も買わない状態が極端なまでに顕著だったのです。一旦問題が明らかになったものを一体、誰が好き好んでわざわざ買うのでしょう?誰も買いませんね。手元流動性の枯渇と損失の表面化という問題が発生するわけです。

そしてここからが最悪の連鎖の始まりです。ヘッジファンドはその運転資金を銀行や投資家などから借りており、これの返済が必要ですし、ファンドを運営しているのであれば余計に資金の確保は必須です。銀行はリスクを低くするためにあわてて資金回収をします。そのため、ヘッジファンドは短期的な利益を確保して資金を銀行に返済する必要が出てくるため、持ち株などを次々と売って当面の利益を得ようとします。それでも穴を埋めることができないヘッジファンドが次々に出現、清算したり廃業に追い込まれたりするケースも登場。こういうことが露見して報道されると市場はますます警戒しますので、資金流動性が余計に低下します。信用が低下し、みんなが警戒するため、お金がなかなか動かなくなるわけですね。しかもみんな利益を確定させようと、あるいは損を最小限にするためになんとかしようと躍起になる、これがサブプライム問題です。

  サブプライムローン債権で儲かりまくりだった
  ↓
  住宅の価格が供給過多で下落、さらに景気も停滞し始めた
  ↓
  サブプライムローン債権に頼ってファンド運用していたヘッジファンドが破綻
  ↓
  銀行や投資家があわてて資金回収し始める
  ↓
  ヘッジファンドはサブプライムローン債権の穴埋めのためにほかの方法で利益を上げようと必死になる
  ↓
  穴埋めできないヘッジファンドは崩壊、清算、廃業
  ↓
  サブプライムローン債権を含んでいるかもしれないファンド運用に対して信頼性が急速に悪化
  ↓
  お金の動き、つまり流動性が低下。全世界に波及。

すると当然、株式市場では株が大きく動きまくるので、結果的に株安が進行しますし、このサブプライムローン債券を持っていたのはアメリカのファンドだけではありませんので、全世界の同じようなファンドがすべて影響を被ります。こうなると米国のドルに対して動きが大きくなりますので、必然的に円高が進行することになります。それも急激に。そうしないとどんどん穴が大きくなるので世界中のヘッジファンドが今、必死になっているというわけ。それがここ数日の値動きの原因です。

これがさらに加速して深刻化していくと予想されている原因は、この焦げ付きが会社・企業・法人間の貸し借りや融資ではなく、「個人」であるという点。既に解説したように、サブプライム問題のローンは住宅ローンで、借りているのは「個人」です。返済するのも「個人」です。これが返済不能になるケースが上記引用の通り、既に16%が焦げ付いているということは、早い話が「アメリカ自体の経済が根本的なところでぐちゃぐちゃになりつつある」予兆である、というわけです。こうなると予想されるリスクを低減するためになりふりかまわずいろいろなことが起きてきます。日本の銀行にも影響は飛び火してきており、それが以下の結果につながって国内の株価下落要因となっています。

  FujiSankei Business i. 総合/サブプライム危機 世界同時株安
  カネ余り、忘れたリスク

   日本でも、あおぞら銀行が10日に、サブプライム関連で07年4〜6月期に44億8000
   万円の評価損が発生したと発表。すでに野村ホールディングスが同1〜6月期に約
   720億円、新生銀行も同期に34億円の損失が発生するなど、影響が徐々に広がり
   始めている。

こうなると信用萎縮状態が発生し、本来であれば資金が向かうべき場所に資金が向かわなくなります。住宅であれば既に貸し出し基準が米国では厳格化されつつあり、結果として、それまで問題なく借りることのできた層が借りられなくなりつつあります。つまり、サブプライム問題というのはヘッジファンドの問題だけにとどまらなくなっているわけです。株ばかりしている人はどうしてもヘッジファンドとかその当たりばかりに目を向けがちで「サブプライムローンは証券化しているので世界中にリスクが分散されており、影響は少ない」という見解を出しがちですが、実際には「なぜこんな事になったのか?何が起きつつあるのか?」という根本的な問題を見落としてはならない、ということです。

既に個人消費の減速は米国の先月の住宅着工数が10年ぶりに減少していることなどで徐々に明らかになりつつあります。現時点では全体像がまだ把握できていないため、ちょっとした市場のパニック状態、つまり市場の不安心理が広がるという状況で済んでいるだけだと考えた方が無難でしょう。現在の米国の実体経済が明らかになったとき、一体何が起きるのかという点には今後も注意が必要です。
上記内容を理解したら、いよいよ今回の本筋です。

■そもそも何が起きたのか?

これら一連の騒動のスタートは9月8日にアメリカ財務省がファニーメイとフレディマックを国有化した時から始まります。

  米政府、ファニーメイとフレディマックを政府管理下に | Reuters

これら2社の総資産は実に5兆ドル(約529兆円)以上で、これらの会社はアメリカ国内におけるほとんどの抵当(担保・住宅ローン・抵当権)を保証すること(債券化すること)を支援していました。

財務省はこの2社を監視して監督することに決め、これによって「アメリカの抵当市場およびその機関が壊れている」とアメリカ政府が認識していることが明らかになりました。実にやばい状況であることがはっきりと露呈したわけです。

そして9月15日、米国史上最大の破産申立がリーマン・ブラザーズによって行われました。リーマンの資産は6000億ドル(約63兆5997億円)以上で、2万5000人の従業員がいました。これ以前に行われた大きな破産申立はワールドコム社によるもので1000億ドル(約10兆5999億円)だったので、どれだけ大規模な破産かがわかります。

翌日の9月16日(日本では9月17日)、連邦準備制度理事会は世界最大の保険会社であるA.I.G.に対してブリッジ・ローン(Bridge Loan、短期のつなぎ融資)を行いました。A.I.G.はマンチェスター・ユナイテッド・サッカー・クラブのシャツ・スポンサーとしてよく知られており、1兆ドル(約105兆9995億円)以上の資産および100,000人以上の従業員を世界的に持っています。連邦準備局には、A.I.G.の株の80パーセント以内を購入するオプションがあり、次の2年にわたってその資産を売却することにより、次第にA.I.G.は縮小されることになっています。

■なぜこのようなことが起きたのか?

3つのケースすべてに共通するのは「資金調達する能力をなくしてしまった」ということです。しかし理由はそれぞれのケースにおいて異なっています。

★ファニーメイとフレディマックが発端であり、震源地

この2社は極めて独特な立場にあり、住宅市場を支援するためには必要な措置だったというのがポイント。どういう会社だったのかというのは以下の記事を読むと理解しやすいです。

  米国版住専のファニーメイ・フレディマック
   - [All About マネー]All About

   というのも銀行が住宅ローンの証券化を行い、フレディマックとファニーメイに売却し、
   さらにフレディマックとファニーメイはそれを元本として新たな金融派生商品や社債
   を発行して、世界中の金融機関にばらまいていたのです。その全容は非常に複雑
   で、実体が解明しにくい状況にあると言えます。

この両社は保証抵当(それらがある標準を満たしたと規定する)を支援し、自分の負債を出すことによってこれらの保証に資金を提供することができました。これは「暗黙の政府保証」とされていたため、フレディマックとファニーメイは通常の企業よりも多くの負債を持つことが可能だったわけです。ただ、実際には政府保証はないのがポイントです。そうであるにもかかわらず、どれぐらいの信用力だったかというのは以下を読めばわかります。まずはファニーメイから。

  Fannie Mae(FNMA=Federal National Mortgage Association)[ファニーメイ]
   - 野村證券

   1938年に米国の法律に基づいて設立された政府系金融機関である。1968年に民
   営化され、1970年に株式がニューヨーク証券取引所に上場した。

   ジニーメイのように、米国連邦政府の公的保証は受けていないが、政府機関債として
   米国国債に次ぐ、信用力を保持している。

主に民間金融機関から直接住宅ローン債権を買い取って証券化していたため、もろにあのサブプライムローン関連の影響を被ったというわけ。次にフレディマックを見てみましょう。

  Freddie Mac(FHLMC=Federal Home Loan Mortgage Corporation)[フレディマック]
   - 野村證券

   政府出資は受けておらず、株式がニューヨーク証券取引所とパシフィック証券取引
   所に上場されている民間会社である。

   ジニーメイのように、米国連邦政府の公的保証は受けていないが、政府機関債として
   米国国債に次ぐ、信用力を保持している。

これも「米国国債に次ぐ、信用力を保持している」のが特徴で、民間金融機関から直接住宅ローン債権を買い取って証券化していました。

要するに、フレディマックとファニーメイは「米政府が暗黙の保証をしている金融機関」と思われていたため、強力な信用力を持ち、この両社の発行する証券の信用度を疑う者は当時、どこにもいなかった……というわけです。

で、この両社は本来であれば、住宅所有者の住宅ローン費用を減少させるため、政府保証を使用することに原則としてはなっているにもかかわらず、そうせずに、民間金融機関による抵当市場から資金を搾り取って利益を上げる方法を使用したわけです。

多くの会社および外国の政府がフレディマックとファニーメイの負債(債券)を米国債証券の代わりと見なし、それを熱心に先を争ってつかみました。これによってフレディマックとファニーメイは本来のコア業務から大きく乖離し始め、交付された調達資金を使って、通常であれば基準を満たさない抵当のモーゲージ担保証券(不動産担保証券)を買い始めました。

  不動産担保証券 - Wikipedia

   アメリカではジニー・メイ(連邦政府抵当金庫)、ファニー・メイ(連邦住宅抵当公庫)、
   フレディマック(連邦住宅金融抵当金庫)といった政府系機関の発行残高が大きな
   シェアを占める。政府による全額出資により設立され、完全な政府保証のあるジニー
   メイに対し、民間上場企業であるファニーメイ、フレディマックには明示された政府保
   証はないが、住宅政策支援機関として優遇措置がとられていることが暗黙の政府保
   証とされ、これらの機関により発行される不動産担保証券は国債に次ぐ信用力を持つ。

これが「サブプライム」あるいは「サブプライムローン」と呼ばれるものになっていったわけです。この際のモーゲージ担保証券については、以下の解説を読むとわかりやすいです。

  モーゲージ担保証券を、平たく教えてください。 - Yahoo!知恵袋

そして昨年、この両社の自己資金が想定された以上に実は少ないことが発覚、これらの二級品の抵当上の損失を補填するのには十分ではなかったことが明らかになりました。もしこれらの証券がデフォルト、つまり「債務不履行」に陥ってしまった場合、大量に広がってあちこちの金融機関などに抱えられている負債が一気に崩壊し、とんでもないことになってしまう可能性が出てきたわけです。

そのため、アメリカの財務省は明示的にこれらの負債に対する保証を政府が行うことを発表した……という次第です。このことは以下の回答文中の説明が非常に簡潔でわかりやすいです。

  サブプライム、日経平均株価 -OKWave

   これまで、GSEは米政府が暗黙の保証をしている金融機関と思われていたのです
   が、その地位がはっきりしない事が数年前から問題視されていた事も事実です。で
   すから、今回、ファニー、フレディ両社の株価が急落した事により、実は暗黙の保
   証は本当の保証ではないかもしれないとの不安につながった訳なのですが、結局、
   米財務省とFRBが、GSEは絶対に破綻させないとのある意味「明示的な保証」を与
   えた形となり、これにより、何とか米国株価の下落を押しとどめている状態です。

だがしかし、問題はここで止まりはしなかったわけです。理由はこの両社が行った「証券化」というビジネス。

  質問なるほドリ:サブプライムの影響はなぜ大きい?=回答・坂井隆之
   - 毎日jp(毎日新聞)

 Q 米国以外の金融機関がサブプライム問題の影響を受けているのはどうして?

 A ローンの債権を小口に分けて投資家に売る「証券化」が進み、世界中で販売され
   ていたからです。証券会社や投資銀行は、住宅ローンを銀行などから買い集め、
   ローンによって得られる金利収入や元本の返済金を原資にして配当する証券を作
   り、販売していました。米国の住宅市場が活況だったときは有力な金融商品として
   世界各国の金融機関が購入しましたが、米国の住宅価格が下落に転じて以降、
   証券の価格が急落したため、保有する金融機関に損失が広がったのです。

ポイントは一番最後の「保有する金融機関に損失が広がった」という一文。その切っ先が、リーマンを直撃していくことになるのです。

★そして借り続けることができなくなったリーマンの終焉へ

リーマンは不動産投資・債券・公債・金融資産について資金調達するため、毎月少なくとも1000億ドル(約10兆5999億円)を転がしていました。それらの投資をモニターするのがコール資金の貸方にとって難しく、借り手であるリーマンが急速にバランス・シートに関するリスクを変更することができるため、貸し主は短期融資を選ぶことになっていきました。これ自体はリーマン、あるいはすべての投資銀行にとっては適切な行いであり、短期金融は事故にはなりませんでした。

ところが、何ヶ月もの間、空売り筋(相場師)たちはリーマンの不動産ロスが、リーマン自身が認めたよりもずっと大きいと確信していました。フレディマックとファニーメイによるロスを含めて、不動産市場に関するより多くの悪材料が出現するとともに、この考え方は市場に広がりました。そのため、リーマンの借用のコストは高くなり、リーマンの株価はどんどん低下しました。そして、リーマンに対する信用格付けがダウングレードされることにより、将来の信用状態がさらにきつくなることが心配され、リーマンの信用格付けはどんどん下げられていきました。信用格付けが下がると余計に資金繰りが悪化し、資金繰りが悪化すると見込まれるとさらに格付けが下がるという悪循環に陥ったわけです。

ここ最近のリーマンの格付けの推移を見てみると、じわじわとリーマンが追いつめられていく様子が手に取るようにわかります。日時とその見出しの内容などを順に見ていきましょう。

  2008年03月18日 03:12
  米リーマンとジェフリーズの見通しを安定的に引き下げ
  =ムーディーズ | マネーニュース | 最新経済ニュース | Reuters

  ↓

  2008年03月24日 07:17
  米ゴールドマンとリーマンの格付け見通しを「ネガティブ」に=S&P | ビジネス | Reuters

  ↓

  2008年04月02日 09:23
  米リーマンの格付け見通しを「ネガティブ」に下げ=フィッチ | ビジネス | Reuters

    フィッチは「リーマンは2008年を通じて、エクスポージャーを縮小しており、活発な証
    券化市場の欠如で、今後のバリュエーションの変化や実現損失により利益が減少する
    可能性がある」との懸念を示した。

  ↓

  2008年06月09日 21:25
  米リーマンの見通しをネガティブに引き下げ、赤字見通し受け=ムーディーズ
   | マネーニュース | 企業業績・格付け | Reuters

  ↓

  2008年06月10日 03:30
  米リーマンの長・短期発行体デフォルト格付けを引き下げ=フィッチ 
  | マネーニュース | 最新経済ニュース | Reuters

    リーマンが第2・四半期に巨額の損失を計上する見通しを発表しこたとを受けた動き。

  ↓

  2008年06月14日 08:21
  米リーマン・ブラザーズを格下げ方向で見直し=ムーディーズ
   | マネーニュース | 最新経済ニュース | Reuters

  ↓

  2008年06月17日 08:17
  UPDATE2: 米リーマンの3─5月期は28億ドルの赤字、CEOは今後に自信
  | マネーニュース | 企業業績・格付け | Reuters

    16日午後のリーマンの株価は1.57ドル高の27.38ドルで、依然として簿価の3
    2.95ドルを大幅に下回っている。これは、投資家がさらなる評価損を予想しているこ
    とを示している。

  同社が抱えるモーゲージや不動産資産、資産担保証券(ABS)は600億ドルを超
  え、純資産を大きく上回る。

  ↓

  2008年07月18日 09:59
  リーマン・ブラザーズの長期格付けをA1からA2に引き下げ=ムーディーズ
  |マネーニュース | 投資信託 | Reuters

   長期債務格下げは、リーマンの商業および住宅用モーゲージの評価損が膨らむとの
   ムーディーズの予測を反映している。

  ↓

  2008年07月28日 22:38
  米リーマン、第3四半期に評価損25億ドル計上も─メリル=ブルームバーグ
  | マネーニュース | 企業業績・格付け | Reuters

    メリル・リンチは、米大手投資銀行リーマン・ブラザーズ・ホールディングス(LEH.N:
    株価, 企業情報, レポート)の第3・四半期決算が赤字となり、住宅ローン関連で25
    億ドルの追加評価損を計上する可能性があるとの見方を明らかにした。

  ↓

  2008年08月05日 08:56
  再送:米リーマン、リスク資産売却すれば増資迫られる可能性
  | マネーニュース | 企業業績・格付け | Reuters

    しかし、約650億ドル相当のモーゲージ関連資産を抱えるリーマンにとって、選択肢     はほとんどない。

  ↓

  2008年08月26日 07:08
  MBS格下げで最大4690億ドル売却の可能性=リーマン | Reuters

    リーマンの試算によると、商業銀行が保有するトリプルA格付けの非政府機関MBS
    は3800億ドルで、うち1100億ドルにリスクがあるという。また、米国外投資家の保有
    額は4130億ドルでうち1180億がリスクにさらされているという。

  ↓

  2008年09月10日 08:07
  米リーマンを格下げの可能性、株価の急落受け=S&P
  | マネーニュース | 最新経済ニュース | Reuters

    この日リーマンの株価は、韓国産業銀行との出資交渉が打ち切られた可能性がある
    とのうわさで40%以上下落した。

  ↓

  2008年9月10日 16:30
  スタンダード&プアーズ - リーマン・ブラザーズを格下げ方向で
  「クレジット・ウォッチ」に指定

    スタンダード&プアーズは9日、米リーマン・ブラザーズ・ホールディングスの長期・短
    期カウンターパーティ格付けと個別債務格付け(サムライ債を含む)、および同社の
    すべての関連会社の格付けを引き下げる方向で「クレジット・ウォッチ」に指定した。
    ここ数日の同社の株価急落を受けて、同社が追加資本の調達を行えるのか不確実
    性が増していることに基づく。格付けは最終的に据え置かれる可能性もあるが、現段
    階では1ノッチ(段階)を上回る格下げの可能性も否定できない。

  ↓

  2008年09月11日 06:29
  米リーマンの長期格付けを引き下げ=DBRS | Reuters.co.jp

  ↓

  2008年09月11日 07:17
  米リーマン、格下げ方向での見直し継続=S&P | マネーニュース | 最新経済ニュース | Reuters

  ↓

  2008年09月11日 09:07
  米リーマンは格付け維持に過半数株売却や身売りが必要、増資だけでは不十分=ムーディーズ
  | マネーニュース | 最新経済ニュース | Reuters

  ↓

  2008年9月11日
  米リーマンは格付け維持に過半数株売却や身売りが必要=ムーディーズ
  :NBonline(日経ビジネス オンライン)

    ムーディーズ・インベスターズ・サービスは10日、米証券大手リーマン・ブラザーズは
    本体の過半数株の売却、もしくは身売りなどの取引を行わない限り、債券の格下げは
    免れないだろう、と述べた。

そして9月15日、リーマンは破綻したため、破産法を申請した……というわけです。当然ながら直後にリーマンの格付けは一気に低下しています。

  米リーマン:ムーディーズが10段階格下げでB3−フィッチもDに

    米格付け会社のムーディーズは、米国の投資銀行リーマン・ブラザーズ・ホールディ
    ングスの格付け(優先債)を投資適格級のA2から投機的等級のB3へと一気に10段
    階、格下げした。

そして、これがAIGへと飛び火するわけです。

★570億ドルの保険契約を書いてしまったAIG

   American International Group, Inc. (アメリカンインターナショナルグループ;AIG) は
   アメリカ合衆国ニューヨークに本拠を置く保険会社。
   2006年末において、130以上の国・地域で事業を展開し、約106,000人の従業員を有している。

こうして、サブプライムローン関連の投資について受けた損失に対してかけられていた570億ドル(約6兆円)もの保険金を支払う必要がAIGに発生、支払金のために資金調達する必要性に迫られることになります。AIGの保険業務のコアは「クレジット・デフォルト・スワップ」(C.D.S.'s)と呼ばれる契約。

  金融崩壊:リーマン・ショック/中(その1) AIG処理、「2年で」最後通告
   − 毎日jp(毎日新聞)

    AIGは企業向け融資や証券化商品が焦げ付いた際損失を肩代わりする「クレジット・
    デフォルト・スワップ(CDS)」と呼ばれるデリバティブ(金融派生商品)市場を主導す
    る立場にあった。CDSは世界の大手金融機関や投資家の間で取引が急増、総額は
    60兆〜80兆ドル(約6000兆〜8000兆円)ともいわれる。

このCDS自体は順調だったのですが、さらに、住宅市場が下がり続けた場合、さらなるロスの可能性が出てきてしまったのです。

そのため、潜在的損失を見る格付け会社はA.I.G.の負債を格下げ。より低い信用格付けにならないようにするため、A.I.G.は保険契約をサービスするためにちゃんと担保を持っていたことを実証することを要求されることになります。推定値は即時の担保中でおよそ150億ドル(約1兆5899億円)を必要とすることを示唆していました。A.I.G.が直面した別の問題は、担保を実証できなければ、CDSがデフォルト(債務不履行)になってしまうということでした。もしCDSがデフォルトされてしまうと、A.I.G.と契約しているその他のパートナー各社は「債券の前払いを主張することができるようになる」という条項を含んでいました。つまり、このままだとA.I.G.は一斉にお金を支払う必要が出てくるため、すべての現金やら何やらを吐き出してしまい、ぶっつぶれてしまう可能性が出てきたわけです。

また、このリーマンの件以外にも3800億ドル(約40兆2627億円)ものほかの保険契約が未解決になっており、世界中で出回っている債券のうち1600億ドル(約16兆9527億円)分を所有していました。これらの債券はファニーメイとフレディマックと同じレベルで世界中に拡散していました。

さらに米債券運用会社パシフィック・インベストメント・ マネジメント・カンパニー(PIMCO)はCDS契約の書かれたA.I.G.の債券を保証していました。

これらの契約のサイズがあまりにも巨大で複雑に絡み合っているため、連邦準備制度理事会は、A.I.G.によるデフォルトが金融制度をむちゃくちゃにし、破産が伝染して、次々と会社がつぶれていってしまうと判断し、契約を保証する担保のためにA.I.G.に850億ドル(約9兆円)を貸し出したというわけ。

これら一連の過程は以下の記事を順に見ていけば、どれだけの規模で信用不安が起きたのかがわかります。

  2008年08月26日 08:00
  米AIGの第3四半期は大幅赤字の見込み=クレディ・スイス | ビジネス | Reuters

    同社の金融商品は時価ベースで65億ドルの赤字と試算。従来は26億ドルの赤字を見込んでいた。

    近い将来、格付けが変更される可能性は明らかに高まったとし、ムーディーズとS
    &PがともにAIGを1ノッチ格下げした場合、最大133億ドルの追加担保が必要にな
    る可能性があると述べた。

  ↓

  2008年09月06日 00:48
  米AIGを「イコールウエート」に引き下げ=モルガン・スタンレー | マネーニュース | 株式市場 | Reuters

  ↓

  2008年09月10日 08:39
  米AIG株が19%超急落、資本調達をめぐる懸念で | Reuters

    住宅ローン市場へのエクスポージャーの大きさからあらたな資本調達を迫られるので
    はないかとの懸念が再び浮上した。

  ↓

  2008年09月12日 13:50
  米AIG、生保業界で時価総額世界首位から転落 | Reuters

  ↓

  2008年09月12日
  AIG、迅速な資産売却が必要 - NIKKEI NET(日経ネット)
  :米DJニュース −米ダウ・ジョーンズのニュース

    同氏が行動を起こさなければ、そしてAIGの株価が下落し続ければ、AIGは格下げ
    に直面する可能性がある。この場合、同社が引き受けているCDSの追加担保として
    少なくとも100億ドルの差し入れを迫られる恐れがある。そうなれば、同社はさらなる
    増資を迫られることが考えられる。

  ↓

  2008年09月12日 23:57
  米AIG株が20%超急落、住宅ローンへのエクスポージャーめぐる懸念で
  | マネーニュース | 株式市場 | Reuters

  ↓

  2008年09月13日 07:33
  米AIGを格下げする可能性=S&P | マネーニュース | 株式市場 | Reuters

  ↓

  2008年09月15日 08:01
  AIGが航空機リース事業売却へ 大規模リストラ策

    航空機リース事業は900機以上を保有し、500億ドル(約5兆3500億円)以上の資
    産価値があるという。

  ↓

  2008年09月15日 10:46
  AIG、事業売却など発表へ NY連銀につなぎ融資を要請 - NIKKEI NET(日経ネット)
  :国際ニュース−アメリカ、EU、アジアなど海外ニュースを速報

    信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題の深刻化に伴い、AIG
    は毀損(きそん)した自己資本を充足する必要に迫られている。

  ↓

  2008年09月15日 12:31
  JCフラワーズ・KKR・TPG、米AIGへの出資見合わせ=NYT | Reuters

    NTYは、カウンターパーティーが資本を引き揚げれば、AIGはあと48時間から72時
    間しか存続できない可能性がある、と報じている。

  ↓

  2008年09月15日 15:14
  米AIG、リーマン清算で相当な評価損計上も=UBS | マネーニュース | 企業業績・格付け | Reuters

  ↓

  2008年09月15日 14:46
  米AIGが資金不足に直面、PEとの交渉不調でFRBに異例の支援要請 | ビジネス | Reuters

    先月の規制当局への報告によると、格下げされた場合145億ドルの追加担保差し入
    れが求められるという。

  ↓

  2008年09月15日 16:09
  米AIG、リーマン清算で相当な評価損計上も=UBS | ビジネス | Reuters

    UBSは、アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)(AIG.N: 株価, 企業情報,
    レポート)について、第3・四半期にスーパーシニア級のクレジット・デフォルト・スワッ
    プ(CDS)で100億ドル以上の損失を被り、投資ポートフォリオで50億ドルの実現損
    失を計上する可能性があるとの認識を示した。

  ↓

  2008年09月15日 22:41
  米AIGの株価が時間外取引で一時40%近く急落 | マネーニュース | 株式市場 | Reuters

  ↓

  2008年09月16日 01:39
  AIG、グループ内で融通 NY州が許可

    AIGが資金繰りのためグループ会社から200億ドル(約2兆1000億円)の融通を受
    けることを認める方針を明らかにした。

  ↓

  2008年09月16日 07:57
  米AIG、資本200億ドルの利用可能に=NY州知事 | ビジネス | Reuters

    AIGは保険子会社の資金を親会社に移すことが可能となる。

  ↓

  2008年09月16日 11:43
  米AIG、グループ内の200億ドルの資金利用可能に | Reuters

    AIGは、住宅ローン関連デリバティブの保証を引き受けていたことで業績が悪化、過
    去3四半期で合計180億ドルの赤字を計上している。

  ↓

  2008年09月16日
  AIG:格付け、Aマイナスに引き下げ−−S&P − 毎日jp(毎日新聞)

  ↓

  2008年09月16日 16:07
  米AIGの存続が再び焦点、格下げと世界の株安で | Reuters

    AIGは格下げにより、担保の積み増しと保険契約の取り消しを余儀なくされる公算が
    大きい。また、これにより存続を脅かすような連鎖反応が引き起こされる可能性がある。

  ↓

  2008年09月16日 16:09
  AIG、深刻な資金繰り悪化に直面 - NIKKEI NET(日経ネット)
  :米DJニュース −米ダウ・ジョーンズのニュース

    AIGが8月に証券取引委員会(SEC)に提出した書類によると、ムーディーズとS&P
    が格下げすれば、AIGは取引相手から追加担保として 145億ドルを差し出すよう要求
    される可能性がある。この資金をいつまでに調達する必要があるのかははっきりしな
    い。また、格下げを根拠にAIGまたはその取引相手が契約満了前に解約を求める可
    能性があり、そうなれば支払額は最大約54億ドルになる見通しだという。

    15日夜の時点でAIGにとって明るい要素の1つは、同社のエクスポージャーの大部
    分がクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)関連だということだった。CDSは、企業の
    債券のデフォルト(債務不履行)に備えた保険のような契約。AIGが引き受けている
    CDSの契約相手にはウォール街の各社が含まれる。それらの企業は、より広範な混
    乱を引き起こさないためにも、追加担保を直ちに差し出すよう要求することはないと考
    えられる。追加担保を差し出す場合は、現金または国債や地方債など流動性の高い
    資産を用いるとみられる。

  ↓

  2008年09月16日 22:27
  大手保険AIG格付け、米三大機関が引き下げ 
  写真6枚 国際ニュース : AFPBB News

    急拡大する金融危機の中での三大機関による格下げは、AIGにとって命綱を断たれ
    たに等しいと見ることができ、流動性危機への対処に必要な資金調達をいっそう難し
    くするとみられる。

  ↓

  2008年09月17日 00:17
  asahi.com(朝日新聞社):AIG本社格下げ 傘下のアリコジャパンなども - ビジネス

    米格付け会社大手スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は16日、AIG本社に加
    え、日本国内で大きなシェアを占めるアリコジャパンやAIU保険、アメリカンホーム
    保険、AIGエジソン生命の格下げを発表した。

  ↓

  2008年09月17日 07:57
  米AIG、破産法適用申請の可能性考慮し法律事務所と契約=NYT

  ↓

  2008年09月17日 08:09
  米AIG、破たんの確率高まっている=クレディスイス | Reuters

  ↓

  2008年09月17日 08:33
  米FRBがAIGに850億ドル融資し株式80%を取得へ=NYT紙 | Reuters

  ↓

  2008年09月17日 09:43
  AIG取締役会、850億ドル規模の政府主導救済策を承認=WSJ | Reuters

  ↓

  2008年09月17日 10:20
  FRB、AIGに9兆円融資 国際ニュース : AFPBB News

  ↓

  2008年09月17日 12:13
  FRB、AIGに9兆円融資=政府80%の株取得権、実質管理下に - 時事ドットコム:指定記事

    米連邦準備制度理事会(FRB)は16日、経営不振の米保険最大手アメリカン・イン
    ターナショナル・グループ(AIG)に対し、同社資産を担保に最大850億ドル(約9兆
    円)を融資すると発表した。見返りに米政府は、同社株式の79.9%の取得権を獲
    得し、AIGは実質上、政府管理の下で再建を図る。

■なぜ財務省と連邦準備局はリーマンを破産させたのに、ファニーメイ、フレディマック、A.I.G.を救済したのか?

既に上記までの内容で説明していますが、これまでの内容を簡単にまとめると以下のようになります。

リーマン:明確に格下げとお金が借りられない悪循環ループが始まったのは2008年3月頃であり、破産するまでの時間が比較的長く、他社には対応する時間があったし、リーマン自身も回避するための時間が残されていた。また、リーマン自身が債券を発行していたわけではない。

ファニーメイとフレディマック:この両社の発行した債券が世界中に散らばっているので、破綻すると世界中に影響が波及する。

A.I.G.:世界中のさまざまな保険を請け負っているため、ここが破綻すると世界中の会社に影響が波及する。

何より、ポイントは「破綻する可能性が大きくなるまでの速度」だと言えます。リーマンについても実際はここが破産することによってA.I.G.に影響が出てしまったわけなので、そうなる前にリーマンを救済しておけば良かった……という結果論を指摘することは可能です。ですが、そうならないようにするだけの時間的余裕があったはずなので、救済には値しなかった、というわけ。ただし、それによって引き起こされたA.I.G.の危機はあまりにも急速に進行したため、救済せざるを得なかったという次第です。

■私はリーマンやA.I.G.で働いていませんし、債券を所有しているわけではないのですが、何に気をつければいいですか?

現在さまざまな方面で騒いでいるのは決してリーマン自身の破綻についてではなく、資金を提供してくる金融機関全体が無力化していくことについてです。金融会社は通常の会社および個人に信用を施すことにはるかにより用心深くなります。つまり、信用のコストが跳ね上がるわけです。これによって経済全体の成長がスローダウンしていきます。

わかりやすく言うと、お金をなかなか貸してくれなくなるというわけ。こうなるとあらゆる会社のあらゆる局面において金回りが悪くなっていきます。個人の場合、今まで出ていた予算が出なくなる、何かの予算がカットされて計画が中止させられる、あるいは給料が安くなる、などの影響が考えられます。つまり、海の向こうにある対岸の火事ではない、というわけです。特に今回の破綻は世界中に証券化という形で散らばっているため、世界中のあらゆる金融機関に波及していきます。どのような企業や個人であっても金融機関と一切無関係ということはまずないので、日本においてもその影響は避けられないものになるのは確実です。かつての日本の土地バブルが破綻した際にはこのような証券化はしていなかったので、日本だけの影響に限定され、その副作用が世界に飛び火する形になったわけですが、今回のサブプライムローン問題に端を発する破綻は、世界のあらゆる個所にまで影響していくというわけです。

さらに、世界恐慌以来、金融制度に対してあまりこの種のストレスを見出してきた経験が我々にはありません。したがって、スローダウンの大きさの量を計る際に参考となる最近の歴史がほとんどなく、一体どれだけの影響が今後世界中に波及していくかが正直なところ、さっぱりわからないわけです。

なお、ゴールドマン・サックスの Jan Hatzius氏による最近の経験による推定では、G.D.P.成長が2008年と2009年においてより低く約2パーセントになるだろうということを示唆していますが、彼の説明による推定は言うまでもなく、かなり不確かです。

最後に、一般のニュースなどでは表層的な出来事のみを報じて「次のリーマン、AIGはどこだ!」「なぜリーマンは救済しないのに、AIGは救済したのか!」などという軽薄な論調が多く見られますが、何も理解していないことを大々的に叫んでいるようなモノなので、今回のような大規模な金融関連事件の場合は、過去の事実経緯を順におさらいして、自分なりに整理するほうがより確実です。