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折々の記 2013 ⑥
【心に浮かぶよしなしごと】
【 01 】10/15~ 【 02 】10/25~ 【 03 】10/27~
【 04 】10/30~ 【 05 】11/09~ 【 06 】11/11~
【 07 】11/14~ 【 08 】11/17~ 【 09 】11/21~
【 06 】11/11
11 11 秘密保護法案、賛成30%反対42% 朝日新聞世論調査
11 12 秘密保護法案―極秘が支えた安全神話 11/12 朝日社説
11 12 衆議院特別委での「秘密法案」審議を傍聴しよう CMLから
11 12 昔はよかったは本当か 天声人語
11 12 フィリピン台風、死者1774人確認
11 12 小泉純一郎「原発ゼロ」会見に安倍首相が戦々恐々 「最悪のタイミング」と悲鳴
11 12 元首相発言 トイレなき原発の限界 (社説)
11 12 社会に不安、廃案にせよ 特定秘密保護法案(第一面) 論説主幹・大野博人
①(日曜に想う)名作に常識は似合わない 論説主幹・大野博人(9/8)
②(日曜に想う)拷問、あるいは忘れられる歴史 論説主幹・大野博人(8/11)
③(日曜に想う)グローバル人材ってだれ? 論説主幹・大野博人(6/16)
11 11 (月) 秘密保護法案、賛成30%反対42% 朝日新聞世論調査
朝日新聞デジタル> 記事 2013年11月11日00時14分
秘密保護法案、賛成30%反対42% 朝日新聞世論調査
http://digital.asahi.com/articles/TKY201311100124.html?ref=com_top6_1st
朝日新聞社は9、10の両日、全国定例世論調査(電話)を実施した。特定秘密保護法案の賛否について聞いたところ、「賛成」は30%で、「反対」の42%の方が多かった。
秘密保護法案、投稿マップ ⇒
質問では、同法案について「国の外交や安全保障に関する秘密を漏らした人や、不正に取得した人への罰則を強化し、秘密の情報が漏れるのを防ぐことを目的としている。一方、政府に都合の悪い情報が隠され、国民の知る権利が侵害される恐れがあるとの指摘もある」と説明した上で、賛否を尋ねた。「その他・答えない」は28%だった。
また、特定秘密保護法ができることで、秘密情報の範囲が広がっていく不安をどの程度感じるか、4択で尋ねると、「感じる」と答えた人は「大いに」19%、「ある程度」49%を合わせて68%にのぼった。「あまり感じない」は22%で、「まったく感じない」は5%だった。
この法案を今国会で成立させる必要があるかどうか、聞いたところ、「必要はない」は64%で、「必要がある」の20%を引き離した。
一方、小泉純一郎元首相が、政府や自民党に対して「原発ゼロ」をめざすべきだと主張していることについて、支持するか支持しないかも質問した。「支持する」は60%で、「支持しない」の25%を大きく上回った。福島第一原発事故に関わる除染費用を、東京電力の代わりに国の税金で負担することについては「納得できる」という回答は48%で、「納得できない」は40%だった。
環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉にあたり、コメなどの重要5項目の一部の品目で関税を撤廃することについて「賛成」は46%で、「反対」の28%を上回った。日本がTPPに参加することに「賛成」は52%(9月定例調査は48%)、「反対」は25%(同26%)だった。
全国各地のホテルや百貨店に入る飲食店などで発覚が相次いでいる「食材偽装」についても聞いた。ホテルや百貨店の「偽装する意図はなかった」との説明に「納得できない」という人は87%にのぼり、「納得できる」は8%にとどまった。
安倍内閣の支持率は53%(10月定例調査は56%)、不支持率は25%(同24%)だった。
◇
〈調査方法〉
9、10の両日、コンピューターで無作為に作成した番号に調査員が電話をかける「朝日RDD」方式で、全国の有権者を対象に調査した(福島県の一部を除く)。世帯用と判明した番号は3416件、有効回答は1751人。回答率は51%。
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特定秘密保護法案を閣議決定 11月上旬にも審議入り(10/25)
秘密保護法案、投稿マップ ⇒
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ニュース> トピックス> 特定秘密保護法案に関するトピックス
特定秘密保護法案
① 投稿マップ
② 特定秘密保護法案
③ 外国の秘密保護制度
④ 読み解く
⑤ 社説
① 投稿マップ
安倍政権が今国会で成立をめざす特定秘密保護法案について、みなさんの意見を聞かせて下さい。横軸と縦軸のそれぞれのテーマについて、自分の意見にもっとも近いと考えるマス目を選び、そのマス目を選んだ理由(具体的に)」とともに投稿してください。投稿数が多いマス目は色が濃くなります。他の人の意見を読むこともできます。
【ここに「投稿マップ」がある】 URLを開いてコピーして利用するとよい
投稿方法
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投稿内容について
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・ツイッターアカウントを記入した方には、取材のため、記者から連絡をさせていただくことがあります。
・投稿されたコメントは、即時には反映されません。
② 特定秘密保護法案
防衛、外交、スパイ活動の防止、テロ防止の4分野で、漏れれば国の安全保障に支障をきたすおそれがある情報を閣僚らが「特定秘密」に指定。特定秘密を扱う公務員や警察官、民間業者などがこれを漏らせば、最長懲役10年の罰則が科せられる。特定秘密の指定期間は最長5年で、5年ごとに延長できる。30年を超える場合は内閣の承認が必要となる。漏洩をそそのかした場合は最長懲役5年となるが、知る権利を保障する観点から、出版、報道の取材行為については、法令違反や著しく不当な方法でない限りは正当とする。
安倍政権は、日本周辺の安全保障環境の悪化に対応するため、国家安全保障会議(日本版NSC)の創設をめざす。そこで米国などと機密情報を交換、共有する考えだが、そのためには法整備をして秘密保全の仕組みを整える必要がある、としている。
特定秘密保護法案の全文(10/25)
折々の記 2013⑥>【 04 】>11 08
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③ 外国の秘密保護制度
④ 特定秘密保護法案を 読み解く
安倍政権は秋の臨時国会に特定秘密保護法案を提出する予定です。どんな内容の法案で、どの点が問題となっているのか、解説していきます。(連載期間:2013年9月)
(1)記者の取材活動も処罰される? 9月19日
(2)なぜ急ぐの? 外国の情報、国内から漏れ防ぐ 9月20日
(3)なぜ厳罰化? 米に配慮、懲役10年の対象拡大 9月21日
(4)適性評価って? 職員の資質見極め、差別の恐れも 9月25日
(5)パブリックコメントでは? 賛成13%、反対77% 9月28日
(6)指定するのは誰? 「行政機関の長」客観性が課題 10月1日
(7)誰が扱うの? 資格ある公務員や民間人 10月2日
(8)いつまで秘密なの? 永久に公開しないことも可能 10月3日
(9)過去にも浮上? 「スパイ防止法」世論の反発で廃案 10月4日
⑤ 社説
■特定秘密保護法案 市民の自由をむしばむ(11/8)
■秘密保護法案 社会を萎縮させる気か(11/6)
■情報を守る 盗聴国家の言いなりか(10/31)
■秘密保護法案 首相動静も■■■か?(10/30)
■日本版NSC 軍事の司令塔にするな(10/29)
■特定秘密保護 この法案に反対する(10/26)
■疑問の根源は変わらぬ(10/18)
■知る権利はつけ足しか( 9/19)
※ WEBRONZA・WEB新書の検索結果
特定秘密保護法について(内田樹の研究室)(2013/11/08)
「強制しない」と首相が約束した国旗国歌法。それがつくった今の社会(ニュースの現場で考えること)(2013/11/07)
いまなぜ秘密保護法なのか 危険な国の拡大解釈、脅かされる知る権利(2013/10/25)
スパイと記者を同一視した秘密保護法案(川本裕司)(2013/10/22)
11 12 (火) 11/12朝日社説 秘密保護法案―極秘が支えた安全神話
「極秘」のスタンプが押された文書に、侵入センサーなどの防護措置が列挙され、自衛隊、警察、海上保安庁などの対応要領も記されている――。
原発テロ対策を検討した16年前の政府の資料を朝日新聞社が入手して報じたことがある。同じ内容の「現代版」があれば、特定秘密になるだろうか。
特定秘密保護法案で原発がどういう取り扱いになるか。国会審議の焦点の一つである。
森雅子担当相は特定秘密の例として「警察による原発の警備の実施状況」を挙げた。だが、警備の実施状況とはどこまでを指すのだろう。
森氏は「原発の設計図は対象とならない」と述べた。では、それ以外はどうなのか。安全性にかかわる様々な情報が指定される可能性が残る。
特定秘密の指定については、外部の有識者が「基準づくり」に関与するが、個々の指定まではチェックが利かない。
秘密扱いになる警備情報はあるだろう。だが法律ができてしまえば、国会や裁判所も含め、第三者が指定の是非を検証することは極めて難しくなる。
何が秘密かの判断を事実上、官僚の手に委ねるのが、法案の特徴だ。そこに恣意(しい)的な判断の入り込む余地はないか。
こんな例がある。
外務省は84年、原発攻撃を受けた場合の被害予測を極秘に研究していた。「緊急避難しなければ最大1万8千人が急性死亡する」という結論だったが、反原発運動への影響を恐れて部外秘扱いにしてしまった。
そこには、送電線や原発内の電気系統が破壊され、全電源喪失になる想定も含まれていた。福島第一原発の事故を見通すような内容だ。
仮にこの研究が公表されていれば、安全対策が進んでいたかもしれない。ところが秘密扱いになったことで、情報は政府内ですら共有されなかった。
結果として大きな問題が放置された。原発の「安全神話」を支えたのは、秘密をつくりたがる官僚体質と、それを許した政治の不作為ではなかったか。
国の原子力委員会の専門部会が、原発テロ対策の強化など「核セキュリティー」の確保について報告書をまとめたのは、福島の原発事故後の11年9月。同部会による報告書の作成は約30年ぶりだった。
これまでも肝心なことが覆い隠され、先送りされてきた。法案が通れば、なおさらだ。
ほんとうに「特定秘密」が日本を守るのか。根底から考え直すべきだ。
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(社説)特定秘密保護法案 市民の自由をむしばむ(11/8)
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(声)与党有力者の発言、責任もって(6/22)
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11 12 (火) 12日(火)も衆議院特別委での「秘密法案」審議を傍聴しよう!/CMLから
薔薇、または陽だまりの猫
http://blog.goo.ne.jp/harumi-s_2005/e/05b2110318995e814bec7e02b056e7dd
2013-11-12 02:00:43 | 社会
杉原浩司(「何が秘密?それが秘密」法に反対するネットワーク)さんから
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稀代の超悪法「秘密保護法案」の実質審議が連日続いています。
本日12日(火)午後1時~5時にも、与野党による質疑が行われます。
また、13日(水)9時~12時20分には参考人質疑も行われます。
自公与党側は連日審議を入れて、来週早々にも委員会採決、そして本会議採決を目指している模様です。
【11月12日(火)】衆議院 国家安全保障に関する特別委員会
[12:40~ 理事会]
13:00~13:30 寺田稔(自民)
13:30~13:45 牧島かれん(自民)
13:45~14:00 濱地雅一(公明)
14:00~14:55 後藤祐一(民主)
14:55~15:50 山田宏(維新)
15:50~16:20 井出庸生(みんな)
16:20~16:40 赤嶺政賢(共産)
16:40~17:00 玉城デニー(生活)
※衆議院インターネット審議中継
→ http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php
国会が緊迫する中で、以下のように様々な立場から反対の声が上がり始めています。
TVキャスターら秘密保護法案に反対声明
(11月11日、朝日) http://www.asahi.com/articles/TKY201311110316.html
秘密保護法案の撤回・修正求める声明 外国特派員協会
(11月11日、朝日) http://www.asahi.com/articles/TKY201311110075.html
秘密保護法案、賛成30%反対42% 朝日新聞世論調査
(11月11日、朝日) http://www.asahi.com/articles/TKY201311100124.html
民主党はじめ野党には、安易な「修正協議」に乗らないようクギを刺す必要があります。
また、重要法案の審議の際に行われる公聴会(中央、地方)を開催するよう要求していくことも大切ではないでしょうか。
とにかく、衆議院通過を一日でも遅らせるために出来ることを何でもやっていきましょう。
というわけで、本日12日も委員会傍聴を呼びかけたいと思います。
傍聴手続きは、阿部知子衆議院議員事務所にお願いしています。
★傍聴を希望される方は、本日【12日(火)の朝9時まで(厳守)】に、杉原までメールか、電話で、【お名前とご職業と電話(あれば携帯電話)番号】をお知らせください。
そのうえで、12日(火)【12時30分までに、衆議院議員面会所(国会議事堂前駅すぐ、衆議院第一議員会館の道路はさんで向かい)のロビー】にお集まりください。
※目印を持って杉原がおります。
杉原浩司 (E-mail) kojis@agate.plala.or.jp
(携帯) 090-6185-4407
<11・21日比谷野音大集会へ! http://www.himituho.com/ >
※ (CML)とは現実的な興味津々な活動団体です(老生)
市民のML(CML)設置趣旨
市民のML(Civil mailing list。以下、CMLと略称します)は、日本および国外における平和、反戦、環境、労働、ジェンダー、人権や市民的な権利、社会的なマイノリティーの権利などのために活動しているさまざまな市民運動、社会運動、民衆運動に関する情報や資料の交換を目的とします。また、CMLは、旧オルタナティブ運動メーリングリスト(AML)の閉鎖という事態をうけて、そのメーリングリストを発展的に継承、再構築するために、旧AMLを超えて、さらに広範な民衆の情報発信・情報交換を目的とします。旧AMLでは環境系やジェンダー系の情報は必ずしも多くはありませんでしたが、そのような情報の今後の発信にも期待します。また、旧AMLと同様に国内だけでなく、海外からの情報、あるいは海外への情報発信なども積極的に扱っていきたいと考えています。CMLへの投稿・情報のジャンルは問いませんが、たとえ市民運動や草の根の運動であっても、民族差別やナショナリズムを煽ったり、人々の人権を侵害するような情報発信に場を提供しようとするものではありません。
11 12 (火) (天声人語)昔はよかったは本当か
わが身の不明を恥じている。以前、電車の中で化粧をする女性がいつごろ出現したのかについて触れた。20年ほど前の本紙に、近ごろ多いとの投書が載っていると報告した。それどころではなかった▼驚いたことに、1935年6月の本紙にあった。電車や人混みで顔をはたき口紅を塗る女性をよく見かけるが、感心しない、人の見ない場所でしなさい、と。実は戦前すでに珍しいことではなく、年長者は眉をひそめていたらしい▼お年寄りや重い荷物を持った人に電車の席を譲ろうとしない青年をとがめる文章もある。眠るふりをしたり、読んだ新聞に再び目を落としたりという描写は今日でも通用しそうである。37年4月の本紙だ▼こうした事例を集めて一冊の本ができた。コピーライターの大倉幸宏(ゆきひろ)さん(41)による『「昔はよかった」と言うけれど』。現代日本のモラルの低下を憂える声に疑問をもった。戦前はこんなではなかったって本当か、と。5年かけて材料を集めた▼古きよき時代を懐かしみ、今時の若い者を嘆く。人の世の歴史はその繰り返しだろう。昔はよかったとは往々、印象論か個人的な感慨にとどまる。過去への幻想や錯覚をもとに「取り戻せ」と唱える危うさを、大倉さんの本は指し示す▼小中学校の道徳教育を教科に格上げするという。文科省の懇談会が案をまとめた。政権の悲願だ。何をどう教えるか。かつての修身はよかった、戦後教育の罪は大きいという、ありがちな発想に陥ることのないよう願う。
11 12 (火) フィリピン台風、死者1774人確認
朝日新聞デジタル> 記事 2013年11月12日05時00分
5メートルの高潮、命と家奪った フィリピン台風、死者1774人確認
マニラ国際空港からチャーターした軽飛行機で上空から街を見下ろすと、ところどころ白い煙が見える。何かが燃えているようだ。晴天なのにタクロバン上空だけかすみがかっている。
貨物船や漁船が内陸部まで打ち上げられ、海の中には横倒しになったバスやトラックがつかったままだ。沿岸部では約5メートルの高潮が押し寄せたといい、海岸沿いの樹木は上部の枝がへし折られ、葉っぱは吹き飛んでいた。家屋はことごとく崩壊。犠牲者の多くは建物の下敷きになったり、溺死(できし)したりしたようだ。
空港は管制機能をかろうじて維持しているものの、ターミナルの白い壁は崩れ落ち、屋根は完全に吹き飛んで赤い鉄骨がむき出しになっていた。
「水をわけてもらえませんか」。滑走路脇で原稿を書いていると、韓国人男性のマルコス・キムさん(24)に声をかけられた。宣教師で教会の建設のためにレイテ島を訪れていたという。「早朝6時に教会を離れて空港に向かった。途中でナイフを持ってうろうろする人たちを見た」と肩をすくめた。
食料不足から、各地で略奪が起きているという。治安維持のためにアキノ大統領に戒厳令を出すよう求める声も出ている。
政府の11日午後の公式発表では、確認された死者は1774人としているが、レイテ州の地元警察当局によると、1万人に上る恐れがあるという。全国で約967万人が被災し、約61万人がなお避難所にいる。軍幹部は「死者数の報告がないのは、通信手段がダウンしているためだ」と話した。(タクロバン=都留悦史)
【下平・註】
長いスパンで見て、大気汚染はただ事ではない。 どこの国でも異常なことが多く発生してきています。 政治家は国と国の軍事に関心を持ち国益という言葉を使って手前勝手なことをしています。
仲良くしていこうという平和への取り組みをおろそかにしています。
一般市民の不安心は高まるばかりであるのに、更に地球規模での環境汚染が急速に進んでしまっています。 取り返しがつきません。
医食同源の原則から外れて、美食に走り食料の質の低下は健康を不安にし、都合のいい生活文化が優先されて環境汚染がわかりながら放置されて地球の環境汚染は人々の生活を脅かしています。
環境汚染対策は緊急の一大事なのです。 大気汚染は人々の生活を破壊し始めています。 早急に知恵を出しあって原因を治さなくてはなりません。 いい知恵をだして活動したいと思います。
11 12 (火) 小泉純一郎「原発ゼロ」会見に安倍首相が戦々恐々
日刊ゲンダイ 2013年11月11日 掲載
小泉純一郎「原発ゼロ」会見に安倍首相が戦々恐々
「最悪のタイミング」と悲鳴
安倍首相はどう対応するのか/(C)日刊ゲンダイ
「いったい、なにを話すつもりなのか」――と、安倍政権が戦々恐々となっている。12日、「原発ゼロ」を訴えている小泉純一郎元首相(71)が、日本記者クラブで1時間半にわたって記者会見するからだ。「原発推進」を掲げる安倍首相を痛烈に批判するのではないか、と官邸に動揺が走っている。
2006年に総理を辞めてから、政治的な発言は一切してこなかった小泉元首相。なぜか3・11から2年以上経ってから、突然「原発ゼロ」を訴えはじめている。ただ、これまでは私的な講演などでの訴えだった。
ところが、12日は記者300人を集めた公式な記者会見の場で「脱原発」を表明する。メディアが飛びつき、大々的に報じるのは確実だ。発言は世界中に配信される。
「小泉さんが“脱原発”を訴えはじめた目的は、〈日本にシェールガスを売りたいアメリカの意向だ〉などと、臆測が飛んでいます。原発が次々に再稼働すると、シェールガスの必要性は薄れてしまう。原発はゼロにしようということです」(電力会社関係者)
どんな狙いがあるにせよ、「原発輸出」「再稼働」を推し進めている安倍首相と正面衝突することは間違いない。すでに小泉は、安倍首相を挑発、批判する発言をくり返している。
〈原発を失ったら経済成長できないって経済界は言うけど、そんなことないね。昔も『満州は日本の生命線』と言ったけど、満州を失ったって日本は発展したじゃないか〉〈いまゼロという方針を打ち出さないと将来ゼロにするのは難しいんだよ。総理が決断すりゃできる〉
安倍首相が「私は責任ある立場でエネルギー政策を考えないといけませんから……」と牽制しても、お構いなしだ。
おじけづいた自民党内は「触らぬ神にたたりなし」と、誰が小泉に“反論”するか、石破幹事長と高市政調会長が責任を押しつけ合っているありさまである。
<来年1月の「再稼働」強行を断念>
「まさか300人の記者を集めて会見までやるとは、と安倍官邸は苦り切っています。官邸が危機感を持っているのは、国民の8割が“脱原発”を支持しているだけでなく、自民党内も潜在的には“脱原発”が少なくないことです。キッカケがあれば、原発推進の安倍首相は少数派になってしまう。もはや、来年1月に強行しようと画策していた原発の再稼働は難しそう。12日の小泉会見のインパクトが大きかったら、国民の反対を押し切って“特定秘密保護法案”を15日に衆院で強行採決しようとしていたスケジュールも変更せざるを得ない。安倍官邸は“12日の会見は最悪のタイミングだ”とうめいています」(政界事情通)
小泉元首相は年末に「脱原発」の本も出版する予定だ。
「もし、安倍首相が再来年9月の総裁選で再選されると、総理在任期間は5年8カ月と、小泉さんの5年5カ月を超える可能性が高くなる。小泉さんは、それが気にくわないようです。いずれ、原発政策で行き詰まる、とも見ているようです」(自民党関係者)
パフォーマンスだけで国民をだましてきた小泉元首相に安倍首相がどう対応するのか見モノだ。
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11 12 (火) (社説)元首相発言 トイレなき原発の限界
朝日新聞 2013年10月22日05時00分
(社説)元首相発言 トイレなき原発の限界
http://digital.asahi.com/articles/TKY201310210687.html?iref=comkiji_redirect
小泉純一郎元首相が、ここにきて積極的に「原発ゼロ」を訴えている。
放射性廃棄物という「ごみ」の始末に道筋がついていない以上、原発を続けるのは無責任。自然エネルギーや省エネを生かした循環型社会を目指すべきだ――といった内容である。
「トイレなきマンション」になぞらえられるこの問題は、私たちも社説で折に触れて指摘してきたところであり、小泉氏の主張はもっともだ。
日本のエネルギー政策を見直すうえで、根源的かつ早急な対応を迫られている課題である。そのことを、政府はしっかり認識してもらいたい。
安倍首相は今国会で、野党の質問に答える形で「可能な限り原発への依存度を下げる」と繰り返している。
だが、発言とは裏腹に、政府内で進められている議論は「原発回帰」が鮮明だ。
年末に向けたエネルギー基本計画の見直し作業でも、原発の必要性を強調する議論ばかりが先行している。原発の後始末にかかる政策は、いっこうに具体化が進んでいない。
とくに、放射性廃棄物を深く地中に埋める「地層処分」の候補地については、02年から公募を続けているが、手をあげる市町村がない。福島の原発事故を目の当たりにしたのだから、なおさらである。
安倍首相はきのうの国会答弁で、地層処分について技術面でさらなる検討を加える意向を示したが、問題の根本は原子力政策そのものへの国民的合意がないことにある。
脱原発とセットで廃棄物処理の具体策を検討すべきだ。
その点で、日本学術会議がまとめた提言は参考になる。
まず、廃棄物を地表か浅い地中で暫定保管する方針に切り替える。そのうえで、ごみの量が増加し続けないよう総量の上限を設ける。
私たちは核燃料サイクル事業もやめるべきだと考える。使用済み燃料棒は不安定なプールではなく、「乾式キャスク」と呼ばれる強固な入れ物に移し、地表で暫定管理する。
そうした環境を整え、最終処分法についての研究や社会の合意形成をじっくり進めていくのが現実的だろう。
暫定保管とはいえ、安全基準を定め、法律を整備し、貯蔵のための設備を製造・構築するにも時間がかかる。条件を満たせない原発は運転を認めない、といった規制も必要になる。
後始末なき原発回帰は、「国の責任」からほど遠い。
この記事に関するニュース
(声)小泉氏の原発ゼロ発言に共感(11/8)
小泉元首相が反論 「処分場造れば原発継続可能との考え、無責任」(11/4)
EDITORIAL/社説―元首相発言(10/22)
元首相発言―トイレなき原発の限界(10/22)
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11 12 (火) 社会に不安、廃案にせよ 特定秘密保護法案(第一面) 論説主幹・大野博人
朝日新聞デジタル> 記事 2013年11月8日05時00分
社会に不安、廃案にせよ 特定秘密保護法案 論説主幹・大野博人
特定秘密保護法案は、廃案にするべきだ。
政府は、安全保障の観点から必要な仕組みだと主張する。日本の安全のためであり、人々が安心できる社会のためというわけだ。
だが、そうだろうか。この法案が通れば、むしろ社会に安心より不安の影を広げることになるだろう。
最大の問題は「秘密についての秘密」だ。この法案によると、政府がいったいどんな情報を秘密にしているのかも秘密になる。
「特定」とうたいながら、法案は秘密にする情報をきちんと「特定」していない。あいまいだ。しかも、時を経ても明らかにならない恐れが強い。
情報を持っている人と知ろうとする人にとって、どこからが秘密でどこからがそうではないのか、わかりにくい。やりとりをすれば法に触れるかもしれないという不安。情報交換で成り立つビジネスや研究、市民活動などが、どこからか監視されているのではという不安。
「秘密についての秘密」という仕掛けがあれば、秘密の領域はどんどん自己増殖し、社会に不安が広がる。
ネット時代、強者が入手しようと思えばできる情報量は途方もない規模になっている。その一端は、米政府による盗聴問題でかいま見えた。他国の要人の携帯電話を盗聴していただけではなく、欧州では市民のメールや電話を1カ月に数千万規模で傍受したといわれる。日本も監視対象だったとされる。
それは、強国とそうではない国、政治権力者と市民との間の情報格差が幾何級数的に広がる時代になったことを示唆する。法案はそうした格差の拡大に拍車をかけるばかりだろう。しかも対抗するために欠かせない情報公開の仕組みは、まったく不完全なままだ。
かつて情報統制が行きわたった独裁政権の東欧やアジアの国を取材するたびに感じたことがある。こうした国々の国民は、政権に抵抗しようとすると弾圧されていただけではない。日々の暮らしも、何が問題にされるかわからない不安と、だれが味方で敵かわからないという相互不信でよどんでいた。
日本にそんな空気を入り込ませないためにも、この法案は通すべきではない。
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①(日曜に想う)名作に常識は似合わない 論説主幹・大野博人(9/8)
②(日曜に想う)拷問、あるいは忘れられる歴史 論説主幹・大野博人(8/11)
③(日曜に想う)グローバル人材ってだれ? 論説主幹・大野博人(6/16)
ニュース>記事 2013年9月8日
①(日曜に想う)名作に常識は似合わない 論説主幹・大野博人
図書館は異様な空間だ。残虐で不条理で不道徳な話に満ち満ちている。
青年が金貸しの老婆と妹をおので打ち殺す(ドストエフスキー「罪と罰」)。アラブ人を殺した男が動機を問われ「太陽のせいだ」と答える(カミュ「異邦人」)。若者が皇族と婚約した女性を妊娠させる(三島由紀夫「春の雪」)……。
きりがない。人によっては「正しくない」と感じるような日本人観だって、名作の中にもすぐ見つかる。
「倭寇(わこう)は我々日本人も優に列強に伍(ご)するに足る能力のあることを示したものである。我々は盗賊、殺戮(さつりく)、姦淫(かんいん)等に於(お)いても、決して『黄金の島』を探しに来た西班牙(スペイン)人、葡萄牙(ポルトガル)人、和蘭(オランダ)人、英吉利(イギリス)人等に劣らなかった」(芥川龍之介「侏儒(しゅじゅ)の言葉」)
すぐれた作品には読む側の常識や良識とぶつかるところがある。主張の根幹をなす場合もあるし、時代を反映している場合もある。それに読者は戸惑ったり、反発したり、考え込んだり。自分が安住する世界を揺さぶる力が宿っていれば、あらがえず読み進む。
「はだしのゲン」が良識にかなっているかどうか。そう問うのはヘンだと思う。暴力や利己的な人間たちの生々しい描写、鮮烈な歴史観。それもあるから多くの人が惹(ひ)かれる。平和は大切だという価値観だけで咀嚼(そしゃく)できる作品だったらだれも読むまい。
非常識な本がすべて名作だというのではない。しかし名作は常識や良識の枠にはおさまらない。
*
イスラム教の預言者ムハンマドの風刺画が大騒ぎを引き起こしたことがある。2005年にデンマークの新聞が掲載。それがイスラム諸国などで激しい反発を呼んだためだ。
だが、イスラムに辛辣(しんらつ)な部分を持つ作品なら昔から少なくない。
古くは、たとえばダンテの神曲に地獄で腹を裂かれたムハンマドが描かれている。フランスの代表的作家の01年の話題作にも、イスラム教を憎む主人公が、パレスチナの子どもや女性が銃弾に倒れたと聞くと「身震いするような快感を覚える」と独白する場面などがあった。物議は醸したが、風刺画のときのように激しい抗議の波は起きなかった。
論争的な内容の作品はあまたある。それがいつも規制を求める運動につながるとは限らない。だが、特定の作品をめぐって、だれかが教育的配慮や宗教の尊厳、歴史認識を持ち出し、放置していいのか、と批判の口火を切る、あるいは、作者自身がもっぱら挑発のために作品を発表する。すると議論が肥大化し始める。表現の自由にかかわるから私たちメディアも取り上げ、作品を読んでいなかった人も関心を高め、ときに強く反応する――。
挑発の意図があってもなくても、いったん規制をめぐる論争になれば文芸の世界はおいてきぼりだ
*
6年前、核不拡散条約再検討会議の準備委員会がウィーンであったとき、日本政府は会場で「はだしのゲン」の英訳版(抜粋)を配った。当時外相だった麻生太郎現副総理の肝いりだ。
作者の中沢啓治氏とは、政治的な考え方も歴史観もかなり違うはずの麻生氏が高く評価したのは、政治性を超えた作品としての質ではないか。
麻生氏は今回の論争について「もっと禁止したほうがいい成人向け漫画がある」「『はだしのゲン』が今そんなに読まれているか知りませんが、あの時代はそういうものが多かった」とコメントしている。漫画の世界に造詣(ぞうけい)が深いだけに、全体を見ずに一作品を論じることへの違和感がにじむ。
平和を訴える本に感動すれば反戦主義者になる、戦記に夢中になれば好戦的になる、というほど人は単純ではない。さまざまな作品を糧としながら自分の考え方をはぐくむ。だから図書館は豊かで異様な空間であってこそ意味を持つ。そこに常識と衝突する作品があることは異様ではない。
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ニュース>記事 2013年8月11日
②(日曜に想う)拷問、あるいは忘れられる歴史 論説主幹・大野博人
フランスから先月、老ジャーナリストの訃報(ふほう)が届いた。アンリ・アレグ氏。享年91。
対仏独立戦争(1954~62年)が続くアルジェリアで植民地支配を批判する左翼系現地紙の編集長だった。かつてカミュも記者をしていた新聞だ。
仏軍に捕まり、仲間について吐けと「気が狂いそうになった」ほどの拷問を受ける。その体験記「尋問」はサルトルら多くの知識人の支持を受けた。ロンドンで東欧系ユダヤ人の家庭に生まれ、幼時にフランスに移り住む。若き日に各地を旅してアルジェリアに魅せられたという。
12年前、パリ郊外の住まいを訪ねて話を聴いた。そのころ一冊の本が仏社会を揺さぶっていたからだ。著者は、戦時中アルジェリア駐在の仏軍情報将校だったポール・オサレス氏。独立派指導者らを裁判抜きで処刑したり、拷問にかけたりしたことを暴露した。
しかも「テロから市民を守るためだった」「それが私の任務だった。悔悟の念はない」と言い切る姿勢に、政界からも「真実の究明を」「勲章を取り上げろ」と批判が噴出した。
騒ぎにアレグ氏は冷ややかだった。
「とっくにわかっていたことばかりだ」。実際、当局の妨害をかいくぐって体験記を出版したのは58年。社会的反響は小さくなかったが、政府は見て見ぬふり。実態調査などしなかった。「覆い隠せなくなったからといって、今さら改悛(かいしゅん)の意を示して歴史のページをめくろうなんて私は反対だ。むしろ起きた事実を周知させるべきだ」
少し驚いた。というのもオサレス氏も本の序文でこう書いていたからだ。
「(歴史の)ページをめくるには、その前にページを読まなければならない。そのためには書かれなければならない」「気楽に謝ってすませるより、事実をあからさまにするべきだ」
国家の名の下に拷問した者とされた者。両者がともに国と社会に「忘れるな」と詰め寄っているようだった。
*
ネットサイト「ザ・ハフィントン・ポスト」日本版で6月、拷問についての議論がしばらく続いた。日本の憲法36条は拷問を「絶対に」禁ずるとしているが、自民党は改正草案で「絶対に」を削った。それをどう考えるか。
「米中央情報局がビンラディンの隠れ家を特定するためにテロリストを水責めにしたことを認めたが、これは拷問の成果では」「(爆弾をしかけた)場所を突き止められなければ10万人死ぬことが明らかな場合に(逮捕した犯人への)拷問を禁じるべきか」
国家や国民の安全はきれいごとではすまないのではないか。それをめぐって議論は熱を帯びていった。
どこの国でも、多くの政治家や論者は国家運営は「きれいごとではすまない」と考えるだろう。だから、おぞましい選択肢も「絶対に禁止」とは言いたくない。だが、実行したあとは、汚れ仕事に手を染めた者、犠牲になった者たちから目を背ける。アレグ氏の怒りもオサレス氏の挑発もそこを撃つ。
*
「国民の本質とは、すべての個人が多くの事柄を共有し、また全員が多くのことを忘れていることです」。フランスの歴史家、エルネスト・ルナンは1882年、パリ・ソルボンヌ大学での講演「国民とは何か」でそう語った。ナショナリズムについての基本文献の一つとされる。
翻訳した一橋大学大学院の鵜飼哲教授は「ふつう国民は記憶を共有していると言われる。けれど、それは膨大な忘却があって成り立つ」と話す。国内外での数々の虐殺や迫害。国家機密にしなくとも、学校で教えず、マスメディアで話題にならなければ、多くのことが人々の頭から消えていく。何を残すかは、政治勢力が作りたい国家像による。「忘却は組織的です」
多くのことをいっしょに忘れる。それが国民の本質なら、忘れられた歴史は、記憶されている歴史よりずっと重いだろう。
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③(日曜に想う)グローバル人材ってだれ? 論説主幹・大野博人
「グローバル人材」とは、どんな人のことだろう。
金融危機とか温暖化とか、深刻なグローバル危機が議題の国際会議があるとする。そこで活躍する日本人を2人想像してみる。
(1)日本の代表団の一員。堪能な語学などを武器に交渉を巧みにこなし、国益を守りぬいた。ただ、ほかの国々にも有能な人材はいて合意は妥協的な内容に。危機の打開はまだ遠い。
(2)国際機関のメンバー。やはり抜群の能力をフルに生かして各国から譲歩を引き出した。問題は解決に向けて大きく前進したが、日本も痛みを強いられることに。
国益を確保する(1)か、グローバル益を優先する(2)か。
「グローバル人材」の育成に向けて官民が駆けだしている。小学校から英語を学ぶ、高校から外国の大学進学を目指す、そして語学力や問題解決力を身につける――。時代が求める「スキル」の議論や取り組みは盛んだ。けれど、肝心な点がよく見えない。
彼や彼女は、どの社会のために働く人材として思い描かれているのか。
*
「世界で勝つ」。先月、成長戦略第2弾について安倍首相がスピーチしたときのキーワードがこれ。その文脈で、大学改革などを打ち出した。期待されているのは、日本が「勝つ」ための人材、つまり(1)のようだ。
「グローバル時代のスキル」を身につけさせる教育に傾いているのは日本だけではない。そんな国は多い。しかし、それが国という社会に役立つ人材育成につながるだろうか。そう問いかけるのは、先月訪日したパリ西大学のクリスチアン・ラバル教授。教育問題で活発に発言している社会学者だ。
「18世紀以降、教育とは基本的に国民の共同体で生きる人を育てることだった。公教育、国民教育だ。それが近年、新経済自由主義的なグローバル化が進むにつれて変容している」。今、国境を超えるビジネス界の求めに応えて、各国が懸命に育てようとしているのは結局、「共同体のメンバーではなく、市場で競争に勝つための経済的な人的資源だ」。
本来、教育は「市場ではなく共同体のため」だったのに逆転したという。そこで育つのは、たとえば多国籍企業が「勝つ」ために能力を発揮する個人。たしかに、もうけに貢献した社員が日本人であっても、それが日本という国の「勝ち」にはならない。
――国民教育の原点に戻れと?
「それも無理。将来世代が直面するのはすべてグローバルな問題だ。こわばったナショナリズムを国歌や道徳で動員しても解決はできまい。必要なのはグローバルな共同体のための教育」
*
しかし、そんな(2)のような人材につながる教育は可能だろうか。
たとえば、世界の有力大学が採り入れる受験資格として近年注目が集まっている国際バカロレア(IB)。それに向けた教育課程のある学校は世界で急増中だ。実は、2015年からはこの教育課程で、外国語や数学などを除いた多くの科目を日本語でも教えられることになった。文部科学省も力を入れていて、この課程の認定校を5年間で200校にしたいという。
課題発見、コミュニケーションなどの能力を重視するこの教育が育成を目指すのは「21世紀に、よりよい平和な世界を作るための人材」とIB機構の坪谷ニュウエル郁子・アジア太平洋地区理事。(2)の養成に重きを置いているように見える。ただ、国などと違って輪郭のはっきりしないグローバル社会のための人材育成は、かなり難度の高い試みだろう。
どの社会のために働く人か。この問いには、だれもが納得できる答えがなかなか見つかりそうにない。ただ、それを考えないままでは、高度なスキルを身につけた「グローバル人材」は社会に背を向け、一人で市場に歩きだしてしまうだろう。
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