折々の記へ
折々の記 2014 ④
【心に浮かぶよしなしごと】

【 01 】03/22~     【 02 】03/22~     【 03 】03/26~
【 04 】03/30~     【 05 】04/10~     【 06 】04/12~
【 07 】04/13~     【 08 】04/17~     【 09 】04/21~

【 05 】04/10

  04 10 STAP細胞 小保方晴子 No.2  朝日新聞大々的に取り上げ


 04 10 (木) STAP細胞 小保方晴子  朝日新聞大々的に取り上げ

  この記事に関するニュース

  ① 理研 再調査行うか来週中に判断へ 【 04 】既出(4/10)
  ② 「論文撤回せぬ」「200回以上作製」 小保方氏会見 【 04 】既出・動画あり(4/10)
  ③ 小保方氏、会見2時間半 「論文撤回、正しい行為でない」「STAP細胞作製、コツある」(4/10)
  ④ (時時刻刻)存在力説、消えぬ疑問 STAP問題、小保方氏会見(4/10)
  ⑤ (時時刻刻)理研の対応は――調査態勢の不備指摘 STAP問題、小保方氏会見(4/10)
  ⑥ 理研優遇の法人指定法案、今国会成立断念へ STAP問題で(4/10)
  ⑦ 小保方氏説明会見、識者に聞く STAP問題(4/10)
  ⑧ 「公開実験に協力したい」 小保方氏会見、主な一問一答 STAP問題(4/10)
  ⑨ 「情けない」時折涙 「研究続けていきたい」 STAP問題、小保方氏会見(4/10)

  ⑩ 未熟わびつつ反論 小保方氏「悪意ない」 声震わせ、涙浮かべ(4/9)
  ⑪ 小保方氏「再調査実施を」 STAP論文、不服申し立て(4/9)

  ⑫ 小保方氏「理研で研究続けたい」 午後にも不服申し立て(4/8)
  ⑬ 小保方氏との雇用契約、理研が更新 肩書も変わらず(4/8)
  ⑭ STAP「不正」、悪意どう解釈? 小保方氏、会見で反論へ(4/8)

  ⑮ STAP論文問題、検証実験の詳細は 会見の一問一答(4/7)
  ⑯ STAP論文問題、共同著者が謝罪 1年かけ検証実験(4/7)

  ⑰ 細胞有無「ゼロから検証」 STAP論文、画像捏造と認定 理研調査報告(4/2)
  ⑱ 「捏造」個人の不正強調 理研「通常の研究者、ない」 STAP論文調査報告(4/2)
  ⑲ (社説)STAP論文 理研の責任は重い(4/2)


  ※ 小保方晴子(おぼかたはるこ)


NHKニュース 4月10日 4時10分
① 理研 再調査行うか来週中に判断へ 【 04 】既出



朝日新聞デジタル 2014年4月10日02時26分
② 「論文撤回せぬ」「200回以上作製」 小保方氏会見 【 04 】既出



朝日新聞デジタル 2014年4月10日05時00分
③ 小保方氏、会見2時間半 「論文撤回、正しい行為でない」「STAP細胞作製、コツある」

 STAP(スタップ)細胞の論文が不正と認定された問題で、9日に大阪市内で記者会見した理化学研究所の小保方(おぼかた)晴子ユニットリーダー(30)は、論文の撤回について「結論が正しい以上、正しい行為ではない」と述べ、取り下げない考えを表明した。STAP細胞の存在は「別の人が独立して作れている」と語ったが、新たな根拠は示されなかった。

 (2・3面=存在力説、23面=識者に聞く、33面=会見一問一答、35面=「情けない」涙)

 ■「申し訳ない」謝罪

 約2時間半に及んだ会見で、小保方氏は300人を超す報道陣の前で、「本当に情けなく支えてくれた方に申し訳ない」と謝罪した。小保方氏は今後について「未熟な私に研究者としての今後があるなら、STAP細胞を誰かの役に立つ技術に発展させるという思いを貫いて研究を続けたい」と訴えた。

 一方で、STAP細胞の有無については「200回以上作製に成功した」などと、繰り返し存在を強調。STAP細胞の存在を示す実験試料を「研究室の中で保存している」と説明した。ただ、具体的な証拠は見せなかった。

 また、STAP細胞の重要な証拠とされ、理研の調査委員会が捏造(ねつぞう)と認定した画像については、正しい画像を調査委に提出しており、実験ノートに記述があることから実験の追跡は可能と説明した。しかし、会見では画像そのものは示されなかった。

 これまで小保方氏以外に、国内外でSTAP細胞を再現できた報告はない。小保方氏は「コツがあり、論文として発表したい」と述べ、「次の研究にかかわる」と詳しい説明を拒んだ。

 論文の撤回については「撤回は国際的に結論が完全に間違っていたと発表することになる。結論が正しい以上、(撤回は)正しい行為ではない」と否定した。

 理研側はこれまで小保方氏も撤回に同意したと説明してきた。だが、小保方氏は「『撤回を視野に入れて検討したらどうか』という話には『わかりました』と言ったが、撤回そのものには同意していない」と反論した。

 小保方氏は、理研の調査委が捏造や改ざんを認定するまでの調査の経緯に不満をもらした。「初めての経験で体調が思わしくないなか、十分な答えもできていなかった」と振り返り、「調査委からの質問に答えるだけで、弁明させてもらう機会は少なかった」と明かした。

 さらに、調査委のメンバーについて「同じ人で(調査結果が)覆るのかと思う。別の人に審査してほしい気持ちがある」と、不服申し立てで再調査を求めた理由を説明した。

 また、理研の調査で、3年間で2冊とされた実験ノートは、「提出したのが2冊」「(以前留学した)ハーバード大にもあり、4~5冊はある」と説明した。

 小保方氏は2月に論文への疑惑が表面化して以来、沈黙を保ってきたことについては「私の口から説明させてほしかったが、理研が適切でないと判断し、会見できなかった」と語った。(野中良祐)

 ■「厳正な調査」 理研コメント

 小保方氏の記者会見を受け、理研広報室は「申し立てされたことと内容については、小保方氏が4月1日に公表したコメントに沿ったものと理解している。規程に基づき対処して参ります」と答えた。調査が不十分との指摘には「調査委にしっかりと調査して頂いた結果で、厳正な調査結果」とコメントした。

 ■データ示さず疑惑残る

 《解説》「生物学の常識を覆す」と称賛された論文に不正が認定され、所属機関に不服を申し立てた筆頭著者が自ら説明する。9日の記者会見は小保方晴子氏にとって疑惑を晴らす格好の機会のはずだった。ところが、実験記録やデータなど新たな証拠を示すことはなく、不正認定された行為を「論文の体裁上の不備」と表現した。

 科学の発見は客観的に再現されて初めて認められる。実験条件と結果をありのまま記録し、それをまとめたものが論文だ。ここにごまかしが混じると、営みの根底が崩れる。小保方氏は改ざんとされた画像加工について「結果に影響がないので問題ない」と反論したが、科学者の常識では受け入れがたい。

 STAP細胞があるのかないのかという最大の関心事についても、データのない説明で混迷に拍車をかけた。「STAP細胞はあります」「200回以上作った」といくら言葉で繰り返しても、科学的根拠がなければ単なる主張になってしまう。

 一方、不正を認定した理化学研究所の方にも問題があった。調査委員会の結論は懲戒処分に直結し、小保方氏の研究者生命に関わる。なぜ不正といえるのか、厳格な裏付けが必要なのに、研究者の常識ではありえないという推論に頼った。中間報告では「故意か単純な間違いか、データとヒアリングで客観的に判断したい」と説明していたが、最終報告は約2週間後だった。拙速な結論が混乱を拡大させた。(阿部彰芳)



朝日新聞デジタル 2014年4月10日05時00分
④ (時時刻刻)存在力説、消えぬ疑問 STAP問題、小保方氏会見

 「STAP細胞はあります」――。理化学研究所の小保方晴子ユニットリーダーは9日の記者会見で、自ら「発見」した万能細胞の存在を力説した。だが、新たな証拠は出ず、捏造(ねつぞう)や改ざん疑惑も解消されたとは言い難い。小保方氏の主張を検証する。▼1面参照

 ■「200回成功した」――細胞作製「自分以外も確認」

 「STAP細胞は200回以上、作製に成功している」。小保方氏は会見でそう明言した。200回は、何を意味しているのか。

 小保方氏らが1月末に説明していたSTAP細胞の作り方はこうだ。マウスのリンパ球などの細胞を37度の弱酸性液に25分間浸し、それを培養すると、数日後に新しい万能細胞になる――。

 9日の会見で小保方氏は、作製過程を「研究室にいた周りの人が見ている」と述べ、STAP細胞の存在を確認しているのは自分だけではないと主張した。小保方氏がかかわる研究チーム以外で、STAP細胞の再現が報告されていないことを踏まえ、「私自身のコツ、レシピのようなものはある」と語った。

 熊本大発生医学研究所の粂昭苑(くめしょうえん)教授は「根拠となる実験記録が残っているのかわからない」としたうえで、200回という数字は、様々な細胞になれる万能細胞の目印を確認しただけで、「作製した」と判断している可能性を指摘する。目印だけでは、万能細胞であることの完全な証明にはならない。

 万能性を証明するためには、マウスを使って、その子どもの体の組織にSTAP細胞が取り込まれているかを確認する必要がある。理研は、STAP細胞の存在を検証する実験に1年近くかかるとしている。

 ■実験ノート――「まだあるが、公開できぬ」

 「もっともっと(ノートは)存在します」

 小保方氏はSTAP細胞の実験ノートについて、理研の調査で「3年で2冊」だったのは少ないのではないか、と問われて反論した。小保方氏は「理研に提出したのが2冊。(留学先だった)ハーバード大にもある。4~5冊はある」と主張した。

 理研の調査委は実験ノートなどを調べたうえで、「第三者が小保方氏の実験内容を正確に追跡し理解することが困難」として論文の不正を認定した。ノートの少なさも問題視した。

 渡辺恭良・理研ライフサイエンス技術基盤研究センター長は「実験内容とデータ保管の仕方によって、ノートの分量は変わる。最近はほとんどのデータはコンピューターの中にあり、例えば、膨大な画像や顕微鏡写真を印刷して張っている研究者は少ない」と指摘する。

 実験ノートの書き方について著書がある隅藏康一・政策研究大学院大准教授は「冊数は一概に多い、少ないと言えない。ただ、日付の証明、本当に実験をしたかどうかが、不正の疑義があったときは重要」と言う。

 理研の調査委によると、小保方氏のノートには詳細な日付はなく、内容も断片的だった。小保方氏は会見で「自分で書いたノートなので自信が当然ある。しかし第三者的観点から記述していなかったのは反省する」と話した。ただ、実験ノートの公開については「秘密実験もあるのですべての方には公開できない」と述べるにとどまった。

 ■画像の捏造は――「元データたどれば」釈明

 理研調査委が、研究の根幹となるSTAP細胞の万能性を示す画像が「捏造」と判断したことについて、小保方氏側の弁護団はこの日の会見で「存在しない画像を作り出したのではなく間違って掲載しただけ」と反論し、捏造を否定した。

 小保方氏によると、ネイチャーに掲載された画像は元データではなく、共同研究者への説明用に作った資料の画像という。「元データをたどればよかったと反省している」と釈明した。

 取り違えに気づいたのは2月18日。学生時代に撮った写真だとわかり、その日のうちにネイチャーの編集者に修正写真を送った。調査委には、20日に修正を申し出た。その際に酷似した写真を自身の博士論文でも使っていたことを伝えなかったのは「そこまで気が回らなかった」と述べた。

 後で送った修正写真が、どの細胞に由来するのか追跡できないと理研が指摘している点については、「実験ノートに記述がある。詳しく聞いて頂ければ理解できたのでは」と反論した。

 調査委は、ネイチャーと博士論文では実験条件が異なり、取り違えることはあり得ないと指摘。実験ノートの記載は詳しくなく、画像の由来を追跡することは不可能とした。小保方氏の行為はデータの信頼性を失わせる危険性を認識しながら行ったと言わざるを得ず「捏造」と判断した。

 ■改ざんは――切り張り認め「結果同じ」

 STAP細胞がリンパ球からできたことを示す画像。2枚の実験の画像を切り張りし、1枚にしていた。

 調査委は「手法が科学的な考察と手順を踏まないことは明らか。誤った解釈へ誘導する危険性を認識しながらされた行為と評価せざるをえない」として「改ざん」と認定した。理研の定義では、研究資料に操作を加えて結果を正しくない方向に導けば「改ざん」になる。

 小保方氏側は画像の切り張りは認めた。しかし、この日の会見で、「画像を見やすくするために行った。論文掲載上の問題で、研究で得られる結果は変わらない」として、「改ざん」にはあたらないと反論した。訂正の原稿をすでにネイチャーに提出しているという。

 会見では「悪意がなくても、科学の世界で画像の切り張りは不正と見られても仕方ないのではないか」という質問が出た。これに対して小保方氏は「私が不勉強で自己流でやったこと。反省している。申し訳ございません」と謝罪。学生のころからいろいろな研究室を渡り歩くうち、研究の仕方が自己流になってしまったと釈明した。

 (3面に続く)



朝日新聞デジタル 2014年4月10日05時00分
⑤ (時時刻刻)理研の対応は――調査態勢の不備指摘 STAP問題、小保方氏会見

 (2面から続く)

 記者会見で小保方氏は、自ら説明をしたいと理研に希望したのに認められなかったと明らかにした。

 1月の発表以降、沈黙してきた理由を小保方氏は「論文に関し、私の口から説明させてほしいと言ったり、コメント案を作ったりしたが、理研が適切ではないという判断で発表できなかった」と説明した。

 この点について、理研側は1日の調査報告後の記者会見で「調査中は遠慮してもらっていた。心身ともに疲れ果てているのが事実」と説明していた。

 理研が実施した調査の不十分さも指摘された。

 3月の中間報告後の小保方氏の聞き取り調査は、理研広報室はテレビ会議を含め「2回」としているが、小保方氏は聞き取りは「1回」と主張。「十分な聞き取りをしていただいた認識はない。質問への回答が多かった。私が弁明をさせてもらう機会は少なかったと思う」と語った。

 理研が定めた研究不正防止の規程は「弁明の機会を与えなければならない」としているが、「弁明の機会」は十分でなかった。

 また、小保方氏を指導する立場にあった幹部の問題も出てきた。

 小保方氏が画像の取り違えに気づいた際、共著者の笹井芳樹・理研副センター長に、博士論文と酷似する画像を使っていると「報告していた」と述べた。

 調査報告によると、笹井氏は調査委の当初の聞き取りで博士論文との酷似を報告しておらず、「当初の説明は不十分」「調査に支障をきたす恐れがある」と指摘している。研究倫理に詳しい山崎茂明・愛知淑徳大教授は「理研は早く決着させようと結論を焦ったのではないか。米国の研究不正調査では、研究者の聞き取りが最重要視されている。そうしないと、なぜ不正が起きたのかという動機や細部を明らかにできない」と語る。

 ■科学者のモラルは――「未熟だった」謝罪繰り返す

 理研の調査委は、研究不正があったと断じる一方、背景として本人に「研究者倫理とともに科学に対する誠実さ・謙虚さの欠如」があったと指摘していた。小保方氏はこうした点について「未熟だった」などとくり返し頭を下げた。

 「博士漂流時代」などの著作があり、若手研究者の現状に詳しい近畿大医学部の榎木英介講師(病理学)は「未熟だと強調することで故意はなかったと言いたかったのかもしれないが、だとすれば、理研のユニットリーダーには値しないということになる」と指摘。「理研にとどまるということと自己矛盾しているような印象を受けた」と話した。

 羽田貴史・東北大教授(高等教育論)は、今回の問題は、日本の生命科学全体にダメージを与えたとする。「(研究不正に対し)対策を取っていた理研でこのようなことが起きたことを深刻に受け止めるべきだ。日本は研究倫理について個々の機関や大学、研究者任せ。大学院の博士課程で研究倫理を必修化するなどの対応が必要だろう」と話した。

 ■撤回問題は――措置の告知、懸念か

 小保方氏は9日の会見で、ネイチャー誌掲載の論文撤回について「撤回すると、『STAP細胞はなかった』と国際的に伝えることになる。正しい行為ではない」と話し、撤回の意思がないことを改めて強調した。

 ネイチャー・パブリッシング・グループによると、一度掲載された論文を撤回するには共著者全員が撤回に同意するのが原則だが、状況によっては全員の同意がそろわなくても、編集部の判断で撤回することがある。

 STAP論文については、小保方氏と並んで論文に責任を持つハーバード大のチャールズ・バカンティ教授も「結論に影響のないミス」として、撤回に同意していない。

 論文が撤回されると、撤回を告知する記事が掲載される。同意していない筆者がいた場合は、その名前も明記する。撤回後も、論文はネイチャーのウェブサイトから削除されず、全文読むことができる。ただし、冒頭に「撤回」という表記がつく。

 つまり、撤回されると成果は白紙に戻るうえ、論文は「白紙」には戻らず、この撤回措置が公の場に示され続けることになる。小保方氏はこれを懸念していると見られる。



朝日新聞デジタル 2014年4月10日05時00分
⑥ 理研優遇の法人指定法案、今国会成立断念へ STAP問題で

 安倍内閣は、研究者に高給を認めるなど理化学研究所を優遇する法案の今国会成立を断念する方向で調整に入った。理研はSTAP細胞の論文に不正があったと認定したが、筆頭著者の小保方晴子氏が否定し、全容が解明されていない。疑惑を招いた理研の組織的な問題も指摘されており、このままでは与野党の理解を得るのは困難と判断した。

 法案は、理研を世界最高水準の研究機関にしようと「特定国立研究開発法人」に指定するもの。内閣は今月中旬に閣議決定し、法案を国会に出す予定だった。しかし、菅義偉官房長官は9日の会見で「一連の問題にメドが立たないうちは閣議決定しない」と明言。政権幹部も「成立は難しい」と認めた。

 小保方氏が理研に求めている再調査が認められた場合、結果が出るまで最長50日かかる。6月22日の今国会会期末までに法案を提出しても、十分な審議時間を確保できないため、今国会での法案成立をあきらめる方向となった。産業技術総合研究所も同法人の候補だが、内閣は理研と同時に指定する方針で、産総研の指定も先送りされる見通し。



朝日新聞デジタル 2014年4月10日05時00分
⑦ 小保方氏説明会見、識者に聞く STAP問題

 STAP細胞の論文に関して、筆頭著者の小保方晴子理化学研究所ユニットリーダーが9日、不正疑惑の指摘後初の記者会見を開いた。疑惑や理研の調査に対する小保方氏の説明を科学者はどう受け止めたのか。分子神経生物学を第一線で研究する森郁恵・名古屋大教授と、研究不正や、科学と社会の関わりに詳しい池内了・総合研究大学院大名誉教授に話を聞いた。

 ■謎は何も解消されず 名古屋大教授・森郁恵

 科学者として私たちが抱いていた疑問は何も明らかにされなかった。

 一言でいえば「論点がずれている」。切り張りをした画像について、2枚の画像がそれぞれ存在するので「改ざん」には当たらないと主張していたが、別々の画像を1枚にした時点で科学の世界では「ないものを作った」ことになる。

 写真の取り違えについては、自分で気づいてネイチャーに訂正を出した際、今年2月に撮り直した写真を出したと言っていた。これも科学者の常識に反する。実験をした時期に撮った写真を提出すべきだ。

 STAP細胞が本当にあるのかについて「ある」と断言し、「コツが必要」と説明しているのに、そのコツを聞かれたら「次の論文に支障があるので言えません」と言ったのも変だ。すでに出た論文の再現に必要な情報を「次の論文」のために明かさないということはありえない。

 調査についての理研の記者会見で聞いたことも含めてつくづく感じるのは、論文を書く前の手続きが不十分だったということだ。

 通常は、論文を書く前には未発表のデータを見せ合って、徹底的に議論する。この時点では性悪説でいかないといけない。うちの研究室では、第三者からは嫌みにしか聞こえないようなことを言い合うミーティングを毎週やる。反論できなければ実験をやり直す。それを繰り返し、ようやく論文投稿に至る。

 論文として出たら、性善説で考える。論文に改ざんや捏造(ねつぞう)があるかもしれないなどとは考えない。そこは信頼に基づく世界になる。

 今回の件は、性悪説にのっとって議論するところが非常に不十分だった。なぜそうなったのかは、ちょっとわからない。

 涙のシーンがあったが、全然心は動かなかった。

 (聞き手・編集委員 高橋真理子)

 ■理研調査、不十分では 総合研究大学院大名誉教授・池内了

 小保方氏がミスを非常に反省しながら、「不正という理研の一方的な決めつけは受け入れられない」という気持ちは理解できる。

 理研調査委員会の最終報告書は、捏造(ねつぞう)をしたという証拠に欠ける。調査委の「そんな重要な画像を間違えるはずがない」との主張は裁判で勝つ論理ではない。私なら「捏造の疑いがある」と言うだろう。

 調査の急所は実験ノートだと思う。最終報告は2冊しかないとしたが、小保方氏は4、5冊あると説明した。「本当にこれだけか」と詰め切れていなかったことになる。早く決着をつけるため、調査が不十分だった感をぬぐいきれない。

 これほど重要な発表の論文でミスは許されない。絶対の完璧を期すべきだ。理研の共著者らは図のチェックも含めて完全な論文に仕上げるべきだった。

 科学研究の現場で「知の退廃」が起きていると感じる。若い研究者の実力が落ちてきているのではないか。コピペも普通の感覚でやっていて、罪の意識がうかがえない。

 かつては先生の背中を見て、研究者の基本や「これはしてはいけない」という倫理を知らず知らずに身につけた。今、指導者は資金の獲得や運営、各種の審査など多くの仕事を抱え、落ち着いた雰囲気で研究者教育をできない。研究費申請の書類書きの背中を見せても、「実験の詳細も知らず、結果だけで論文を書くのだな」と思うだろう。

 入学や研究室配属など節目節目での「研究倫理教育」「研究者教育」を充実させるしかない。

 科学の真実は一つ。捏造はいずればれる。起こった結果にはきちっと対応するべきだが、予防的な制度を作ることには反対だ。研究の自由度が損なわれ、思い切ったアイデアの研究ができなくなる。

 (聞き手・鍛治信太郎)



朝日新聞デジタル 2014年4月10日05時00分
⑧ 「公開実験に協力したい」 小保方氏会見、主な一問一答 STAP問題

 理研の小保方晴子ユニットリーダーは、「STAP細胞」の論文について「捏造(ねつぞう)」「改ざん」とする認定を強く否定し、理研の調査への不信感をのぞかせた。「200回以上作製に成功した」というSTAP細胞の真正性を強調。2時間半に及んだ9日の記者会見の主な一問一答は次の通り。▼1面参照

 ――小保方氏しかSTAP細胞の作製に成功していない。何回作製したのか。

 私自身、STAP細胞はもう200回以上作製に成功しています。今回の論文は私の中では現象論を記述したものであって、最適条件を証明したものではないという認識でした。これからSTAP細胞の最適条件を示すような論文をまさに準備しようとしていたところだったんですけども、このような騒動になり研究が止まってしまったことに本当に心を痛めております。

 ――STAP現象を200回以上確認したのなら、論文をいったん撤回する考えはないか。

 論文の撤回というのは、国際的にはその結論が完全な間違いであったと発表することになると思います。撤回するということは、オーサー(著者)がこの現象は完全に間違いですと世界に発表することになりますので、この結論が正しい以上、そのことを世界に発表するというのは正しい行為でないと考えております。

 ――公開実験をすることは条件が整えば可能か。

 もし私が実験して細胞をつくるのを見たいという人がいれば、できるだけの協力をしていきたい。

 ――再現実験、作製実験を公開するのか。ノートを公開するのか。

 公開実験については私の判断では決められない。実験ノートについても秘密実験もあるのですべての方に公開できない。

 ――なぜ。

 時間も場所もいるし、環境も整えないといけない。

 ――すれば疑義が晴れると思う。

 理研の判断では第三者の再現が必要。どちらが正しいかは分かりかねます。

 ――若山照彦・山梨大教授は「信じられなくなった」と発言した。

 若山先生が画像取り違えについてご存じなかったということを、私は若山先生の記者会見を見て知った。実は1月の記者会見以降、私のメールも完全にパンク、若山先生の電話も完全にパンクするような状態で、著者間でのやりとりが全くできないような状態でした。

 ――STAP細胞はあるんでしょうか。

 STAP細胞はあります。

 ――方法を共同研究者に教えて作製してもらう確認はしなかったのか。

 あります。その方は成功しています。

 ――どなたですか。

 個人名になってしまうので。あまりにも公の場ですので。

 ――もっとも決定的な証拠は(英科学誌)ネイチャーの論文に掲載した胎盤が光り、胎児も光っている細胞標本。どこにあるのか。

 (理研の)固定液に保存してあります。

 ――ES(胚性幹)細胞が混入したのではないか。

 STAP細胞を作製していた頃、研究室内ではES細胞の培養を一切行っていない状況なので、混在ということが起こりえない状況を確保しておりました。

 ■不勉強なままで自己流

 ――画像の取り違えの経緯がわかりにくい。

 本当に申し訳ございませんとしかいいようがないんです。何度も何度もデータをまとめ、バージョンアップしてデータを集めていましたので、そこに載っているデータを安心しきって論文に使ってしまいました。その時に元データをたどっていれば、絶対にこのようなことにならなかったので、本当に後悔と毎日反省しています。

 ――バージョンアップしたデータから論文に使われたのはこの画像だけか。

 その画像だけだと思います。

 ――画像の取り違えについて自己申告したと主張しているが、気づいたのはいつか。外部指摘より早く気づいたのか。

 写真の取り違えに気づいたのは2月18日だと記憶しています。その日のうちにネイチャーのエディターにメールを問い合わせの形で送っています。

 ――意図を持ってしたことではないと。

 そうです。

 ――理研の調査委員会では真正な画像がどこの細胞に由来するか追跡できないと言っている。

 自分でやった実験ですので、自分で書いたノートですのでそこには自信が当然ございます。真正な写真というのは調査委員会に報告しております。

 ――「改ざん」と認定された画像の切り張りについて。悪意はないと不服申し立てで言っているが、見栄えをよくするため注釈なしに切り張りするのは科学的に批判を免れない。

 私が不勉強なままで本当に自己流でやってしまったことを本当に反省しています。このたび、ネイチャーに問い合わせしましたら、黒い線を両サイドに入れておけばよかったのになというご指示を頂きました。私の不勉強によるもので、本当に申し訳ございません。

 ――200回も成功しているんだから、切り張りとか細かい話はいいじゃないかぐらいに自分で思うようなところはあったのか。

 いえ、そのようなことはありません。

 ――共同執筆者全員から訂正原稿を提出された。共同執筆者の方とどういったやりとりをされていたか。

 今回の論文発表以降、すべての共同執筆者がそれぞれに大変忙しい状況になってしまったので、あまりコミュニケーションがとれていない場面もあるのですけれども、私からは本当にこのような事態になって申し訳ないということを言っております。

 ■ノート、少なくとも4冊

 ――実験ノートが2冊だけで、理研の調査委としてはずさんな管理が捏造の決め手となったとしている。

 最終報告では3年間で2冊となっているようですが、実際にはそんなことはありません。もっともっと存在します。ただ、調査委に提出したのは2冊だったということ。ノートの提出を突然その場で求められ、その時あったノートが2冊だったということです。

 ――STAP研究に関してノートは何冊あるのか。写真はどれくらいお持ちか。

 写真は間違いなく何百枚という単位であります。ノートはハーバードにもありますし、少なくとも4冊は。4、5冊あると思います。

 ――理研は小保方氏が論文撤回に納得したと言っていた。

 撤回を視野に入れて検討したらどうかという話には、わかりましたという風に言いましたが、撤回自体には同意しておりません。

 ――不服申し立ての中には理研の調査報告と食い違う点がある。理研は3回聞き取りしたというが小保方氏は1回だと。

 3回というのは中間報告までの間に3回という発表だと思います。今回の不服申し立てでは、中間報告から最終報告までの間に1回だということです。中間報告後、委員2人が神戸に来てくださいましたが、調査委員全員に対するヒアリングは1回だった。

 ――神戸での現地調査は、調査ではないという認識か。

 十分な聞き取りをしていただいたという認識は私にはないということです。

 ――理研の調査が非常に短期間で不十分だったという主張を繰り返している。

 私自身、調査委員会にお答えすることが人生初めての経験でしたので、どういうものが一般的な調査の仕方かよく理解していないままだったんですけれども、もう少し弁明の機会を与えていただけたらと願ったことはあります。途中からだんだんと体調が思わしくない中での調査になってしまい、十分なお答えもできていなかったと思います。

 ――STAP細胞の万能性を裏付ける「テラトーマ」に関する記述は提出してないノートに書かれているのか。

 テラトーマに関しましては、提出してあるノートに書かれております。ただ調査委員会の方は詳しくどこの部分の記載ですかという質問をするわけではなかった。もし詳しく聞いてくだされば、もう少しは説明させていただけたのかと思っております。

 ――理研に裏切られたという気持ちはあるか。

 そのような気持ちは持つべきではないと思っております。

 ■体調、もう絶不調

 ――こういう騒動があると、科学者としての立場はつらいところがあると思う。今後はどうしていきたいか。

 私にできる社会貢献があるなら、それを探していきたいと思っております。

 ――STAP細胞による再生医療の進歩に期待した難病患者はすごく多い。

 もし私にこの先、研究者としての道があるならば、STAP細胞の研究をできるだけ早く進めて、そのように希望を持ってくださっている方の思いに少しでも応えていきたいと思っております。

 ――割烹(かっぽう)着を着ているというような報道があった。どう思ったか。

 みなさんおもしろいところに興味を持つなと思いました。あまりにも予想外な報道だったので。恐ろしかったです、正直。

 ――論文が不正と認定された後の体調は。

 体調。そうですね。もう絶不調でした。

 ――理研の指示もあって2カ月間公の場に姿を見せず、家の中から出られないという状況だったというが、この2カ月間何をなさっていたのか。一見大丈夫なようにも見えるが。

 この2カ月間はめまぐるしく日々が変わっていくような状態で、だんだんと体調が悪くなり、家で静養しているような状態でした。心身共に消耗しきってしまって、日常生活に支障がでるような状態でした。

 ――憤りを感じているというコメントが申し訳ないと変わっているが、心境の変化か。

 弁護士の先生方が同席している中で、先生方が強い気持ちのコメントを書く手伝いをしてくれた。私はあまりにも落ち込んだ状態だった。

 ――今後の会見はあるのか。

 (弁護士)現時点では医師から反対されている。

 ――最後に一言。

 本当に申し訳ありませんでした。



朝日新聞デジタル 2014年4月10日05時00分
⑨ 「情けない」時折涙 「研究続けていきたい」 STAP問題、小保方氏会見

 9日午後、約2カ月ぶりに公の場に姿を現した小保方(おぼかた)晴子・理化学研究所ユニットリーダー。会見ではなぜ論文に「不備」が生じたのかを繰り返し問われたが、「私の未熟さ」「情けない」と自身の責任を強調する発言に終始。詳細な経緯やSTAP細胞の存在の証拠についてはあいまいさも残った。▼1面参照

 バスケットコートより少し小さい、定員250人とされる会見場には報道陣約300人が詰めかけた。カメラのフラッシュが絶え間なく光るなか、小保方氏は、代理人弁護士2人に付き添われて会見場に入った。冒頭にコメントを読み上げ10秒近く深々と頭を下げた。会見は2時間の予定だったが、44人の記者たちが質問し、2時間35分に及んだ。

 「情けない」「不勉強」「後悔」「未熟」。質疑が始まると、小保方氏は何度も繰り返した。質問した記者の方を向きながら丁寧に答えたが、表情は硬く時折涙を浮かべた。論文に「捏造(ねつぞう)」「改ざん」があったとした理研の認定には、うつむいたり言葉に詰まったりしながらも、ミスだったと強調し続けた。

 しかし、STAP細胞の存在については一転し、はっきりした口調で「200回以上作製に成功した」と自信をみせた。小保方氏が論文撤回に同意したと理研が説明している点も「同意していない」と明言。その後、記者が「改めて小保方さんの口から聞かせてください。STAP細胞はあるんでしょうか」と問いかけると、「あります」と一段と大きな声で答えた。

 今後に話が及ぶと、「STAP細胞がだれかの役に立つ技術にまで発展させていくんだという思いを貫いて研究を続けたい」と語り再び涙があふれた。STAP細胞に期待している難病患者について問われると、「研究をできるだけ早く進めて、希望を持ってくださっている方の思いに少しでも応えていけるような態度を示していきたい」と唇をかみしめながら語った。「ゼロからでなくマイナス100からだと思って、科学や研究に向き合っていくチャンスがあれば」と話した。

 だが、STAP細胞が存在する証拠については言葉を選び、慎重な物言いに終始。実験ノートを公開しないのかと記者が尋ねると、「秘密実験もたくさんあります。すべての方に公開する予定はありません」。再現実験に成功した個人がいるとも主張したが、それが誰かは「個人名になってしまうので。あまりにも公の場なので」と述べた。

 「これで十分に研究者を納得させることができますか。これより強い証拠はないんですか」との質問には、助けを求めるように同席した代理人弁護士の表情をうかがい、弁護士が代わって「今から調べ、強い証拠を提出したい」と話した。

 STAP細胞を作製できる自信があるかと問われたときには、笑みを浮かべた。「もし私が細胞を作るところを見たいという方がいれば」と表情を和らげ、「ぜひ、どこにでも行って、この研究を少しでも前に進めてくださる方がいるならば、できるだけの協力をしていきたい」と語った。

 退場時に「最後に一言あれば」と聞かれると、「本当に申し訳ございませんでした」と深く頭を下げた。

 ■「船場吉兆」偽装問題に携わる 代理人の三木弁護士

 小保方氏の代理人を務める三木秀夫弁護士(58)は1984年に弁護士登録。大阪弁護士会副会長を務めたベテランだ。

 企業法務に明るく、コンプライアンス(法令順守)に関連した問題では、2007年に牛肉の産地偽装などが発覚した大阪市の高級料亭「船場吉兆」の社内調査委員や、阪急阪神ホテルズのメニュー偽装表示問題で第三者委員会の委員を務めた。

 ■論文撤回の意思変わらず 若山教授

 共同著者の1人で、論文の撤回を呼びかけた山梨大の若山照彦教授は9日夜、小保方氏の会見を受け、甲府市の大学キャンパス内で取材に応じた。若山教授は「考えに変更はない」として、論文撤回の意思を改めて示した。その理由について、「論文にはミスが多く、信用性を失っている」とメールで回答した。また、小保方氏の会見について「ミスを認め謝罪したことで、この騒動が前進したと思う」と取材陣に語った。STAP細胞があるかどうかは「第三者の検証や理研の検証実験をみて考える」と話すにとどめた。(福宮智代)

 ■識者、会見どう見た 理研と罪のなすりつけあい

 識者らは今回の記者会見をどうみたか。

 「嫌われ女子50」などの著作があるエッセイストの犬山紙子さん(32)は「本人も『不注意、未熟』で世間が納得するとは思っていないはず」と分析する。それでもこの説明で通す態度に幼さを感じた。「30歳のひよっこだから許してね」と言っているように受け取られかねないという。

 「今後も明晰(めいせき)な頭脳を生かして頑張って欲しいが、30代の女性が未熟だと世間に思われたならば、残念だ」と話した。

 企業の危機管理コンサルタント会社「リスク・ヘッジ」(東京)の田中辰巳代表は「未熟だったと繰り返し、謙虚な姿勢で応じる上手な会見だった」と分析した。ただ、画像の問題など肝心の疑念に対してはあいまいで、腑(ふ)に落ちない部分があったという。

 田中代表は「今回の混乱の真の被害者は、STAP細胞に期待した重篤患者や医師、そして世紀の発見に喜んだ国民であるはずだ」と指摘。混乱の責任は理研にも、小保方氏にもあるのに、両者が罪のなすりつけあいをしている印象を受けるという。「小保方氏やその上司、理研の上層部は対立し合うのではなく、一緒に責任をもって、疑念を払拭(ふっしょく)する努力をするべきだ」と話した。

 広報の専門家で「メディアブリッジコンサルティング」(東京)の吉池理(まさし)社長は、「イメージ戦略だったとすれば、『小保方さんかわいそう』と思う人は増えただろう」と話す。理研の調査への反論は「論理的ではない」とみるが、やつれた様子や涙ながらに話す姿は「見る人の情緒に訴える力があった」と分析した。

 同志社大の太田肇教授(組織論)は「小保方さんは未熟だった。論文は研究者の名前で発表し、全面的に責任が問われる。今回の問題は理研というよりも、むしろ共同執筆者の責任が問われるのではないか。研究機関の中だけの問題ではない」と話した。

 ■理系学生・女性研究者は 成果出したい気持ち分かる

 不勉強、不注意、未熟さ――。小保方氏は会見で、画像の切り張りや写真の取り違えについてこう繰り返し、「体裁上の不備」とも表現した。

 都内の国立大工学部3年の男子大学生(21)は「納得がいかない」と憤る。「画像加工や取り違えは、学部生の論文でもありえない。理工系の研究者の卵たちも、同じことをしているのかと疑われ、信頼が失われかねない」と語った。

 また、論文の作成について小保方氏が「研究室を渡り歩き、自己流で走ってきてしまった」と説明したことに、自分をだぶらせたという。「自分も大学で研究倫理や論文の書き方を教わっていない。教育の機会を設けないと、せっかくの研究成果が台無しになりかねない」と懸念する。

 東京大大学院で分子生物学を学ぶ修士2年の男子学生(23)は「厳しい世界で成果を出したいという気持ちはよく分かる」と話す。研究生活2年。誰がやっても同じ結果が出る「再現性」が求められる科学の世界でも、生物学は再現実験が困難だと感じている。実験結果が仮説と一致するとすごくうれしい半面、自分寄りに解釈する危険性もあるという。「第三者のチェックや自分を疑う姿勢が常に求められている。『画像加工は過失』とする言い訳が通じるなら科学は崩壊する」

 「理系の女の生き方ガイド」(共著)などの著作があるルイ・パストゥール医学研究センターの宇野賀津子・基礎研究部室長(64)は「自分に厳しくなってほしい」と話す。見やすくするためという画像の切り張りに、「きれいな結果が出るまで再実験をするべきだ」。確認不足という写真の取り違えについては、「ちゃんと整理するのが当然」と指摘。「いい加減なデータを示す行為は、科学の世界では『捏造(ねつぞう)』『改ざん』と言われても仕方がない」と話した。



朝日新聞デジタル 2014年4月9日16時30分
⑩ 未熟わびつつ反論 小保方氏「悪意ない」 声震わせ、涙浮かべ

 何度も確認された真実です――。「生物学の常識を覆す画期的な成果」とされた発表から2カ月余り。STAP細胞の論文の筆頭著者、小保方晴子(おぼかたはるこ)・理化学研究所ユニットリーダーは9日午後の会見で、STAP細胞の存在を強調し、論文に「捏造(ねつぞう)」「改ざん」があったとする理研の認定に異議を唱えた。▼1面参照

 1月28日の論文発表の会見以降、公の場で初めて取材に応じた小保方氏。同席した代理人の弁護士は会見前、7日から入院していた小保方氏について「医師が別室に待機しております。小保方さんの体調が思わしくなくなった場合は、途中で会見中止となることがありますのでご了承ください」と説明した。

 「清水の舞台から飛び降りるような気持ち」(小保方氏)で臨んだという大阪市内の会見場には、約250人の報道陣が詰めかけた。午後1時、紺色のワンピース姿に真珠のネックレスを付けた小保方氏が緊張した様子で現れると、カメラのフラッシュが一斉に光った。1月に「成果」を発表した際の笑顔の会見とは対照的に、疲れた表情だった。

 正面を向いた小保方氏は冒頭、謝罪の言葉を述べようとしたが、しばらく言葉につまって唇を震わせながらうつむいた。その後、声を震わせながら「私の不注意、不勉強、未熟さゆえに多くの疑念を生み、多くの皆さまにご迷惑をおかけしてしまったことを心よりおわび申し上げます」と謝罪し、頭を下げた。

 理研は今月1日、STAP細胞がどんな細胞にもなれる万能性を示した画像に「捏造(ねつぞう)」、遺伝子を解析した画像に「改ざん」の不正があったとする調査結果を公表した。

 これに対しては「実験は確実に行われており、データも存在している」「私は決して悪意をもってこの論文を仕上げたわけではないことをご理解いただきたく存じます」と力を込めて反論した。

 「STAP現象は何度も確認された真実です。私はSTAP現象に出会って以降、この現象を発表する使命感と共に、毎日実験に取り組んでまいりました」。手にしたコメント文をここまで読み上げると、一時うつむいて言葉を詰まらせた。最後に再び「このたびは本当に申し訳ありませんでした」と10秒近く深く頭を下げた。時間は約8分。途中で何度も深く息をはいた。

 その後、代理人の弁護士が8日に理研に対して行った不服申し立ての内容を説明。弁護士は、小保方氏に「改ざん」と認定された遺伝子解析画像の切り張りを実際に再現させ、申立書を作成したと話した。画像の切り張りについて、弁護士がスクリーンを使って説明を始めると、小保方氏は険しい表情でスクリーンを見つめた。その後は正面を向き、うつむいていた。

 弁護士の説明が終わると、小保方氏は報道陣の質疑に応じた。画像取り違えの経緯について「何度もパワーポイントでデータをバージョンアップしていたため、その時のものと取り違えた。元画像を使っていればこんなことにはならなかったと反省しています」と語った。

 画像を切り張りして見栄えをよくした点については「自己流でやったことを反省している。不勉強によるもので、申し訳ございません」と改めて陳謝した。

 ■不勉強、結果的に多数の不備生まれた 小保方氏コメント全文

 小保方晴子ユニットリーダーが9日の会見前に配布した「不服申し立てに際してのコメント」の全文は以下の通り。

 この度はSTAP細胞に関する論文の作成に関し、私の不注意、不勉強、未熟さ故に多くの疑念を生み、理化学研究所及び共同執筆者の皆様をはじめ、多くの皆様にご迷惑をおかけしてしまったことを心よりお詫び申し上げます。また、責任を重く受け止め、深く反省しております。本当に申し訳ありませんでした。今日まで、筆頭著者である私から何も情報の発信が出来なかったことを重ねてお詫び申し上げます。

 国際間をまたぐ2つの研究室で、2本分のNature論文のデータを同時にまとめ執筆していく作業は私の能力を遥かに越えていたのかも知れませんが、私はその時々に論文発表に向け全力で取り組んで参りました。生物系の論文の基本的な執筆法や提示法について不勉強なままでの作業になり、それに加え私の不注意も加わり、結果的に多数の不備が生まれてしまったことを大変情けなく、申し訳なく思っております。それでも私はSTAP現象がいつか必ず誰かの役に立つと信じ、研究を続けてきました。多くの研究者の方々から見れば、考えられないようなレベルでの間違いだと思いますが、この間違いによって論文の研究結果の結論に影響しない事と、なにより実験は確実に行われておりデータも存在していることから、私は決して悪意をもってこの論文を仕上げた訳ではないことをご理解いただきたく存じます。

 そもそも私が正しく図表を提示していたならば、調査委員会自体も必要なく、お忙しい中、調査に参加してくださった調査委員の先生方にも心からのお詫びと感謝を申し上げます。しかし、調査結果では、事実関係をよく理解していただかないまま不正と判定されてしまいました。弁明と説明の機会を十分に与えてくださったならば、必ず間違いが起こった経緯を理解していただけるものと思いますので、昨日不服申し立てをさせていただきました。

 STAP現象は何度も確認された真実です。私はSTAP現象に出会って以降、この現象を発表する使命感と共に、毎日実験に取り組んでまいりました。そして、この現象のメカニズムが詳しく理解され、いつか多くの人に役立つ技術にまで発展させていける日を夢見てきました。どうかSTAP現象が論文の体裁上の間違いで否定されるのではなく、科学的な実証・反証を経て、研究が進むことを何よりも望んでおります。

 この度は本当に申し訳ありませんでした。



朝日新聞デジタル 2014年4月9日00時47分
⑪ 小保方氏「再調査実施を」 STAP論文、不服申し立て

 STAP(スタップ)細胞の論文に不正が認定された問題で、理化学研究所の小保方(おぼかた)晴子ユニットリーダーは8日、弁護士を通じて、理研に対し、再調査と不正認定の撤回などを求めて不服を申し立てた。申立書で「(理研の)調査委員会は自らの検証や解析を妄信して判断を誤った」などと主張し、所属組織に真っ向から反論した。

【特集】STAP細胞

 小保方氏の代理人の三木秀夫弁護士によると、A4判で約20枚の不服申立書を、理研の規定に基づき、監査・コンプライアンス室宛てにメールで送った。理研は申し立てを受理したと発表。「内容を調査委で確認のうえ、規定にのっとって対応していきます」とコメントした。再調査する場合は50日以内に結論を出す。理研によると、2005年に規定ができてから論文不正の調査で不服申し立てが出たのは初めて。

 申立書は「不十分な調査により、結論を断ずることは許されない」などと主張。再調査では、調査委員を交代させ、本人から十分な聞き取りをしたうえで反論の機会を与えることを求めた。英科学誌ネイチャーに掲載された画像が博士論文と酷似していることや遺伝子解析の画像を切りばりしたことは、それぞれ「正しいデータ」が存在するとして、理研の定義する改ざんや捏造(ねつぞう)にはあたらないとしている。

 一方で、三木弁護士らは、小保方氏が画像の取り違えなどを「深く反省している」と説明。9日午後、大阪市内のホテルで記者会見を開き、「関係者や社会に迷惑をかけた」と謝罪したうえで、不正認定の撤回を訴える予定。STAP細胞の存在は「確信している」と話しているという。

 STAP細胞論文の調査は2月13日に開始。理研の調査委は、調査対象の6項目のうち2項目を不正と認定し、最終報告を3月31日に小保方氏に通知した。

 小保方氏は4月1日、調査結果に対し「悪意のない間違いであるにもかかわらず、改ざん、捏造と決めつけられたことは、とても承服できません」と反論する声明を発表した。三木弁護士によると、小保方氏は体調不良で7日から入院している。(小堀龍之)

     ◇

■小保方晴子氏の理化学研究所に対する不服申立書(骨子)

 ・改ざん、捏造(ねつぞう)とされた調査結果について、再調査を求める。
 ・研究不正を行っていないとの認定及び報告を求める。
 ・改ざんとされたものは、研究結果に影響のない部分のデータを見やすくするために加工したもの。改ざんにはあたらない。
 ・捏造とされたものは、悪意のない画像の取り違えであり、正しい画像が存在している。存在しないデータをつくったわけではない。
 ・委員会の調査は、本人への聴取が不十分で、弁明の手続きも十分ではなかった。



朝日新聞デジタル (4/8)
⑫ 小保方氏「理研で研究続けたい」 午後にも不服申し立て

 STAP細胞の論文に不正が認定された問題で、筆頭著者の小保方晴子・理化学研究所ユニットリーダーが理研で研究を続ける意向を示していることがわかった。ただ、小保方氏の不正を認めた調査委員会の結論を受け、理研は今後、懲戒委員会を開き処分する方針。小保方氏は8日午後、理研に対して、調査委の結論への不服を申し立てた。

【特集】STAP細胞

 小保方氏の代理人弁護士が7日明らかにした。「(小保方氏は)理研で頑張りたいと思っている。辞める気はもちろんない」という。理研の規定では、調査委の結論に対して不服を申し立てられ、再調査になった場合、50日以内に結論が出る。小保方氏は、論文の画像の一部が捏造(ねつぞう)や改ざんと認定された点について「悪意のない間違いだった」と主張する。

 一方、理研はSTAP細胞の存在を検証する実験に取り組む方針。論文の共著者が中心となって進めるが、小保方氏は参加させない方針を明らかにしている。

 代理人によると、小保方氏は入院中だが、9日の会見には出席する予定。8日朝に「不安な気持ちでいっぱいです。がんばります。支えてください」と伝えてきたという。小保方氏は2011年4月、理研チームリーダーだった若山照彦・山梨大教授のもとで客員研究員としてSTAP細胞を研究。2年後に理研に採用され、ユニットリーダーに着任した。



朝日新聞デジタル (4/8)
⑬ 小保方氏との雇用契約、理研が更新 肩書も変わらず

 理化学研究所が今月1日付で、小保方晴子ユニットリーダーとの雇用契約を更新していたことがわかった。契約は1年更新。肩書はユニットリーダーのままで変わらないという。

【特集】STAP細胞

 小保方氏が所属する理研発生・再生科学総合研究センターによると、小保方氏に対する懲戒委員会はまだ立ち上がっておらず、処遇について結論が確定していないとして契約が更新されたという。



朝日新聞デジタル (4/8)
⑭ STAP「不正」、悪意どう解釈? 小保方氏、会見で反論へ

 STAP細胞論文の問題で、不正があったと認定した理化学研究所に対し、小保方晴子ユニットリーダーの弁護団が8日、不服申し立てをする。9日には小保方氏自身が会見を開き、「悪意はなかった」と反論する見通し。研究における悪意とは何か。その解釈が焦点となる。▼1面参照

 理化学研究所の小保方さんが8日に申し立てる反論は、理研調査委の「捏造(ねつぞう)・改ざん」認定と真っ向から対立する内容だ。

 弁護団によると「捏造」とされた画像については、「2012年7月に撮影したSTAP実験による正しい写真を投稿すべきだったが、間違った。悪意のない過失に過ぎない」と主張する。

 「改ざん」とされた画像についても「見やすくしようとしただけ。論文が示そうとした結論は変わらない」といい、改ざんの定義にそぐわないとする。

 ■研究上「故意」が焦点

 「悪意のない過失」の「悪意」とは何なのか。研究不正での「悪意」は、一般で使っている意味とは違っている。

 文部科学省の特別委員会は2006年、研究不正対応のガイドラインを示した。作成に関わった東北大の水野紀子教授(民法)は「小保方さんは日常用語で使われる、『だます』など他人への害意として『悪意』を使っているのではないか」と語る。「悪意」は定義があいまいなので、研究不正のガイドラインでは「故意」という言葉を使い、「故意によらないことが根拠をもって明らかにされたものは不正に当たらない」としたという。

 「法律上の『悪意』は、道徳上の『悪意』を必ずしも意味しない」という。例えば、他人の土地と知らずに使っていた場合、法律上「悪意」ではない。他人の土地と知っていたのなら「悪意」とみなされる。「他人のもの」と知っていたかどうかがポイントとなる。

 理研の規定でも「悪意のない間違い」は不正とはしていない。調査委員会委員を務める渡部惇弁護士は「悪意があったかどうかは、『知っていながら』ということ。知っていながらなされた行為ということで、今回の2件を研究不正とした」と説明している。

 東京理科大の武村政春准教授(生物教育学)は「一般通念からすれば、『これだけ間違いがあるのだから不正だ』と考えるのは普通だろう。ただ、『悪意』があったかどうかは、第三者が結論づけるのは難しい」と指摘する。「『思い込んでいて間違えた』と主張することはできる。だが、不正認定に対し不服申し立てをして、認めてもらうには、小保方氏側が説得力のある論拠を示さなければならない」と語る。研究倫理の原則では、指摘された側に説明責任があるからだ。

 ■理研調査委と小保方氏の主張の比較

 ◆問題点:博士論文と酷似した写真

 調査委員会の認定

  【捏造】重要なデータの信頼性を壊す危険性を認識しながらの行為

 小保方氏の主張(弁護団による)

  【単純な取り違え】実在する正しい写真と勘違いした過失

 ◆問題点:画像の切りばり

 調査委員会の認定

  【改ざん】きれいに見せる意図で行った合成。手順が科学的でない

 小保方氏の主張(弁護団による)

  【結論は変わらない】加工前のデータをそのまま出しても、結論は変わらない。見やすくしただけ



朝日新聞デジタル (4/7)
⑮ STAP論文問題、検証実験の詳細は 会見の一問一答

 STAP細胞の再現検証について、論文共著者の一人で検証実験の中心となる理化学研究所「発生・再生科学総合研究センター(CDB)」の丹羽仁史(にわひとし)プロジェクトリーダーと相沢慎一特別顧問、坪井裕理事は7日、検証実験の詳細などについて記者会見で質問に答えた。主なやりとりは次の通り。(敬称略)

STAP論文問題、共同著者が謝罪 1年かけ検証実験

――丹羽氏は、どのようにSTAP細胞の研究にかかわったのか。

 丹羽 2013年1月から研究に参加した。論文の構成への助言や、幹細胞の研究をしているので、その方面から適切に表現できるよう助言した。直接、実験はしていない。STAP細胞が存在するのかどうか知りたいから検証に参加した。

――検証実験はだれがするのか。

 相沢 専属のスタッフを雇用し、丹羽も指導しながら進める。

――小保方氏抜きで再現実験ができるのか?

 相沢 検証には小保方氏は加えない。小保方氏しか知らない情報がある可能性はあるが、情報を求めても、メンバーには加えない。作製手順に公表されている以外のデータがあれば、順次公開する。検証は、我々が再現できたことでは完結しない。第三者が再現できたことをもって完結する。

――再現実験は小保方、笹井氏ら当事者がやるべきではないか。

 相沢 理研自らの手で再現実験して、検証結果を明らかにしたい。小保方、笹井氏の責任ではあるが、できる精神状況ではない。信頼もしてもらえない。

――小保方氏を外して、理研として検証実験をしなければならない理由は。

 相沢 ネイチャー論文の学問的なインパクト、社会に対するインパクトはかなり大きかった。小保方氏が実験できる状況にないということで引き延ばすことはできない。我々がSTAP細胞を作製できなかったときには、何らかの形で小保方氏に実験に戻ってもらう。一方的に「ない」というのはつらいなと思う。

――(再現実験の進捗は)公開してほしい。

 相沢 それなりの進捗が得られたら、第三者の山中さん(山中伸弥京大教授)さんとかの立ち会いでやらせていただきたい。

――実験ノートが2冊しかなかったという。気づかなかったか。

 丹羽 すでにデータがブラッシュアップされていたので生データにさかのぼっての確認はしなかった。

――STAP細胞からつくったマウスが、リンパ球由来だと示すデータはあるか。

 丹羽 マウスによっては判断が難しい。微弱な形では出たが、正直、データとして甘い。

――STAP細胞ではなく、たとえば胚性幹(ES)細胞が混入したのではないかという仮説は。

 丹羽 専門家の判断からすると、そんな簡単なものではない。

 相沢 ES細胞が混入したかどうかという検証は行わない。STAP現象が存在するかどうかを問う。

――残っている実験試料の検証はしないのか。

 相沢 検証しても、STAP細胞の有無という観点から答えは出ない。問題はSTAP現象があるかないかだ。

――他の研究機関で再現できていない。その理由は。

 丹羽 マウスから素早く臓器を取り出し、リンパ球を抽出する手技には熟練を要する。

――再現実験の経費はいくらか。

 坪井 1300万円。理研の本部の経費としてやる。

――丹羽氏個人としては道義的責任をどう感じているか。

 丹羽 このような事態になったことについて、どこかで防げたのではと自問自答している。責任を果たす一つの手立てとして検証を行うと決意した。一度はSTAP現象があるということに携わった科学者の責任として検証する。

――小保方氏は調査委員会の結論に「承服できない」と反論しているが。

 丹羽 STAP細胞の根幹まで否定されていることに対してのコメントで、気持ちとしてはわかる。STAP現象は、仮説としては留保されている。だからこそ検証する。

――共著者である米ハーバード大学のバカンティ教授も作製手順を公表している。

 丹羽 並行して試す。



朝日新聞デジタル (4/7)
⑯ STAP論文問題、共同著者が謝罪 1年かけ検証実験

 STAP細胞の論文問題で、理化学研究所は7日、存在の有無を検証する実験計画の詳細を発表した。共著者の一人で、検証の実施責任者である理研発生・再生科学総合研究センター(CDB)の丹羽仁史(にわひとし)プロジェクトリーダーは都内で記者会見し、「このような事態になったことを深くおわびしたい」と謝罪した。

STAP論文問題、検証実験の詳細は 会見の一問一答

 丹羽氏は万能細胞研究の第一人者。英科学誌ネイチャーに発表したSTAP細胞論文に専門的助言をした。訂正論文を出した3月9日の時点では正しいと判断していたが、その後新たな疑義が出たため撤回に同意したという。STAP細胞の存在については「更地に戻った」と説明。「あるかどうか知りたい」と検証への意欲を語った。

 理研によると、検証実験のスケジュールは約1年で、4カ月をめどに中間報告を出す予定。実験の費用は1300万円かかるという。丹羽氏やCDBの相沢慎一特別顧問ら6人が担当し、筆頭著者の小保方晴子ユニットリーダーは加わらない。相沢氏は「小保方さんから情報を得られる状況ではない」と説明した。

 計画ではまず、論文の方法に沿ってマウスから血液細胞の一種のリンパ球を取り出して酸に浸し、万能性を持った細胞ができるかどうかを確かめる。さらに、リンパ球以外の筋肉や肝臓の細胞に人工的に目印を付けて酸に浸し、実際に体のさまざまな組織になれるかを厳密に確認する。

 丹羽氏は昨年1月からSTAP細胞の研究に参加。自分では実験していないという。「小保方氏が細胞を処理して万能性を確かめる実験の流れを3回、目で確認した」と説明した。小保方氏の実験ノートは「確認していない」と話した。

 STAP細胞とされる細胞は、受精卵からつくる万能細胞の「ES細胞」の混入だったのではないかとの指摘について、丹羽氏は「25年間研究してきて知る限り、ES細胞とは考えられない」と否定した。(野中良祐)



朝日新聞デジタル (4/2)
⑰ 細胞有無「ゼロから検証」 STAP論文、画像捏造と認定 理研調査報告

 「STAP(スタップ)細胞」の論文に不正が認定された問題で、理化学研究所の野依良治理事長は1日、記者会見し、「科学社会の信頼を損ない、おわび申し上げる」と謝罪した。理研はSTAP細胞の有無をゼロから検証する方針。論文はこれまで「撤回を勧める」としていたが、「正式に取り下げの勧告をする」と踏み込んだ。▼2面=論証失格、3面=国「不十分」、14面=社説、33面=個人の不正強調

 ■小保方氏「撤回の意思ない」

 一方、著者の小保方(おぼかた)晴子・ユニットリーダー(30)は代理人弁護士を通じて「承服できない」などとする声明を発表。不服申し立てをする構えで、所属組織との主張の対立が浮き彫りになった。

 理研の調査委は同日午前、STAP細胞がどんな組織にもなれる万能性を示した画像に「捏造(ねつぞう)」、遺伝子を解析した画像で「改ざん」の不正があったとする調査結果を公表した。

 さらに理研の野依理事長は「研究者は全面的に責任を負わねばならない」と指摘。今後、懲戒委員会を設置して、小保方氏や共著者に処分を下す方針を示した。

 理研の川合真紀理事によると、小保方氏には3月31日に報告書を手渡した。その際はとまどっている様子だったという。

 一方、不正認定に対し、小保方氏は1日出したコメントで「規定で不正の対象外となる『悪意のない間違い』である」と反論。捏造とされた画像については「単純なミスで不正の目的も悪意もない」と釈明し、「真正な画像データが存在し捏造する必要はない」と述べた。改ざんに関しては「元データの結果と何も変わらない。見やすい写真を示したいという考えにすぎない」と説明。これらすべてを訂正したと主張した。

 反論に対し、野依理事長は「(STAP細胞の)存在を信じて思い入れがあるから、こういう言い方をするのだろう」と話した。

 調査委は「不確実なデータを意図的に使ったことが不正だ」と指摘した。

 その上でこの論文について小保方氏の代理人は1日、「小保方さんは撤回に同意した覚えはなく、撤回の意思もない」と語った。

 一方、STAP細胞の存在の有無について、理研は詳細な再現計画を公表。万能性をもった細胞がつくれるかや、実際に体の組織になれるかどうかをマウスをつくり確認する。スケジュールは約1年で、4カ月後には中間報告を出す予定。

 STAP細胞が実在するかどうかについて、論文共著者で理研発生・再生科学総合研究センターの笹井芳樹副センター長は「疑義を生じたデータを除いても、他のデータでSTAPを前提としないと説明できないものがある」などとするコメントを発表した。

 2人の上司にあたる竹市雅俊センター長は「すべてのデータが否定されたわけではない」と釈明する一方、「あるかないかは、はっきり見えない。ゼロから存在を検証する」と語った。(野中良祐)

 ■信用回復へ全容解明を

 《解説》理化学研究所はSTAP細胞の論文に捏造(ねつぞう)があったとして、組織として撤回の意向を示した。これだけ決定的な判断をするなら、「STAP細胞そのものも存在しなかった」と考えるのがふつうだ。

 だが、理研は「あるかないかは何の結論も出ていない」として、野依良治理事長が主導する検証をゼロから始める。論文の不正とは別に、STAP細胞が存在することはまだ信じたいという意向がにじむ。

 小保方氏らがつくったとするSTAP細胞そのものはすでに残っていない。ノートにも十分な実験記録は載っていなかった。小保方氏らの実験をいくら調べても、STAP細胞が本当なのかを確かめるのは難しい――。理研がゼロからの検証を始める背景には、そんな判断があった。

 「一番大事なのは、(体の細胞が刺激によって万能の状態に戻る)『STAP現象』があるかどうか」。理研の竹市雅俊・発生・再生科学総合研究センター長は1日の会見でそう強調した。それだけ、STAP細胞への驚きと期待が大きかったともいえる。

 STAPとされた細胞にほかの細胞の混入はなかったのか。体の細胞からできたというデータは本当なのか。最終報告は出ても、論文をめぐる疑問はまだいくつも残っている。小保方氏ら個人だけでなく、理研自身の対応も含めて今回、何があったのかを丁寧に明らかにしなければ、STAP細胞の検証結果も社会からは信頼されないだろう。(編集委員・田村建二)

 ■STAP論文の調査委最終報告(骨子)

 ・小保方晴子ユニットリーダーの研究不正行為を2点で認定。別の実験画像を切り張りした行為は改ざん、博士論文と酷似した実験画像を使った行為は捏造(ねつぞう)

 ・小保方氏は到底容認できない行為を重ねており、研究者としての未熟さだけに帰することはできない。実験ノートの記述不足などデータ管理もずさんで第三者の追跡は困難

 ・小保方氏以外の共著者に研究不正は認められない。共著者のチェック機能が果たされていなかった

 ・データの正当性を確認せず投稿した若山照彦・山梨大教授と笹井芳樹CDB副センター長の責任は重大

 ・研究から発表に至る過程を点検し、再発防止の具体的措置をとるべきだ



朝日新聞デジタル 2014年4月9日16時30分
⑱ 「捏造」個人の不正強調 理研「通常の研究者、ない」 STAP論文調査報告

 STAP(スタップ)細胞の論文を不正と認定した理化学研究所と、筆頭著者小保方(おぼかた)晴子ユニットリーダーの見解の相違による対立が1日、鮮明になった。理研から不正の唯一の実行者とされ、小保方氏は「承服できない」と徹底抗戦の構え。理研の組織的な問題を指摘する専門家もいる。一方、新たな万能細胞に期待していた患者や、「リケジョ」と呼ばれる女性理系研究者、学生らは肩を落とした。▼1面参照

 東京・両国で1日午後に開かれたこの日2回目の記者会見。約300人の報道陣に囲まれ、野依良治理事長は「彼女(小保方氏)はSTAP細胞の存在を信じている。自分の研究なので思い入れがある」と述べた。

 この日午前の記者会見で、理研調査委員会が研究不正を認定したのは小保方氏だけ。ほかの3人の論文の共著者は「責任は重大」としながらも、不正はなかったと判断した。

 画像の「捏造(ねつぞう)」について、石井俊輔調査委員長は「通常の研究者ではまずない」と小保方氏を批判。3年間で実験ノートが2冊しかなかったことに「内容が断片的で、実験をフォローできないというのは、経験がない」とした。

 野依氏は懲戒委員会で処分を検討するとしたが、具体的に名前が挙がったのは小保方氏だけだった。

 しかし、報道陣からは、共著者や理研の組織としての責任を追及する質問が相次いだ。「(小保方氏だけ)トカゲのしっぽ切りではないか」といった指摘もあった。理研発生・再生科学総合研究センターの竹市雅俊センター長は「若手登用のサポート体制が不十分であったことを学んだ」と話し、再発防止策として若手研究者への研究倫理教育の充実を挙げた。

 理研の組織としての責任について、専門家からも指摘の声が上がった。科学技術振興機構前理事長で東京都市大学の北沢宏一学長は「ひとりの研究者がすべての実験データを管理すると捏造が起こりやすい。組織として独立した検証を怠ったため、理研はわなにはまった。手続きの問題だ。理研にはSTAP細胞があるのか、真相を明らかにする責任がある」と話した。

 ■小保方氏、不服あらわ

 小保方氏の代理人弁護士は1日、朝日新聞の取材に、9日までに理研に不服申し立てを行うことを明らかにした。4人の弁護団を結成。依頼の経緯は話せないという。広報担当の三木秀夫弁護士は「小保方さんの置かれている状況に人権侵害のおそれがある。守らないといけない」と話した。

 最終報告の内容は、3月31日に神戸市で理研側から小保方氏に直接説明された。同席した三木弁護士によると、小保方氏は顔色を変えて不服をあらわにしていたという。

 小保方氏はSTAP細胞の存在を確信している様子で、第三者による再現実験が成功していない点は「実験には数カ月かかる」と説明しているという。理研側から発言を控えるよう求められていたといい、最終報告を待ってコメントを公表したという。

 弁護団によると、不服申し立ては理研の規定に基づくもので、受理される見通しという。今後、本人の記者会見を開くことも検討しているが、心労がたまって体調がよくないといい、慎重に判断する。

 理研によると、小保方氏は神戸市の研究所には出勤していない。3月19日と23日に神戸と東京であった調査委の聞き取りには「無理して出てきてもらった」(石井俊輔調査委員長)という。

 ■優秀だった、背景解明を 学生時代を知る若手研究者

 「努力を惜しまない非常に優秀な研究者だと思っていた。なぜこんなことになったのか」。学生時代の小保方氏を知る若手の男性研究者はショックを隠さない。

 博士課程時代の小保方氏はすでに、STAP細胞につながる細胞について研究。研究室の発表では、膨大な論文を読んで身につけた知識をもとに、指導教官らからの質問によどみなく答えていたという。1月にSTAP細胞論文が発表された時は「さすが小保方さんだ」と思った。

 論文に問題があると指摘された時も「単純ミスだろう」と思っていた。しかし、理研の最終報告は「捏造(ねつぞう)」や「改ざん」と断定。男性は「予想どころか、理解すらはるかに超えたレベル」と驚いた。

 男性が最も気にしているのは、不正と断定された行為に至った理由だ。若くして研究リーダーを任され、組織内に過剰な期待があったのか。研究実績を出す焦りを感じたのか。理研は「動機はわからない」(川合真紀理事)としているが、男性は「経緯や背景が解明されない限り、若手研究者が同様の行為を繰り返しかねない」と危惧する。

 若手女性研究者の間にも衝撃が広がった。「数少ない女性の理系研究者の快挙に誇らしさを感じていたので、ショックです」。東京大学大学院理学系研究科で博士課程2年の20代女性は語る。学部時代の同期の女性比率は1割以下、修士課程の女性同期は1人だけ。同じ女性として期待していただけに、落胆も大きい。「切り張りやデータの流用は、研究者がやってはならないことの初歩中の初歩。理系の研究全体が正しく行われているのか疑われかねないことが残念」

 都内の国立大で生命科学を学ぶ大学4年の女性(21)は「理研の論文のチェック体制や研究倫理の教育が、不十分だったのでは」とみる。この女性は、大学で研究者倫理について体系的に学ぶ講義を受けたことがないという。「理系の研究への信頼度を上げるためにも、研究者が倫理を学ぶ機会を必修にしてほしい」と話した。(千葉卓朗、渡辺洋介)

 ■患者「淡い期待抱いていた」

 「淡い期待を抱いていました」。腎臓の機能が低下し、人工透析を受けている東京都の団体役員、俣野公利(またのきみとし)さん(50)はSTAP細胞が再生医療へ応用されることを願う一人だった。

 15年前から週3回、5時間ずつ透析を受ける。全国に透析患者は約31万人いるが、年間の腎臓移植は1200例程度。ニュースでSTAP細胞を知ったときは、自分の細胞から腎臓をつくって移植することで、完治もありえると考えた。ところが、研究不正とはっきり指摘され、夢はしぼみつつある。俣野さんは「うそだったら、自分も小保方さんも、だれも得をしないですよね」。

 期待を持ち続ける人もいる。東京都の地方公務員桐生寛子さん(30)は、4年前に脊髄(せきずい)を損傷し、車いすで生活する。医学の発展で、いつかは歩行機能が回復すると信じ、ジムに通う。同い年の小保方氏を「こんなにすごい人がいるなんてと思っていた。本人がSTAP細胞はあると言うなら、信じたい」と話す。

 沖縄県うるま市の我如古盛健(がねこせいけん)さん(58)は14年前、筋力が低下していく難病と診断された。車いすで生活し、手の筋力が弱まりながらも三線(さんしん)を左手に固定して音楽活動を続ける。「STAP細胞の存在が証明できるまでがんばってほしい」と話した。(小寺陽一郎、二階堂祐介)

 ■小保方氏コメント(全文)

 調査委員会の調査報告書(3月31日付)を受け取りました。驚きと憤りの気持ちでいっぱいです。特に、研究不正と認定された2点については、理化学研究所の規程で「研究不正」の対象外となる「悪意のない間違い」であるにもかかわらず、改ざん、捏造と決めつけられたことは、とても承服できません。近日中に、理化学研究所に不服申立をします。

 このままでは、あたかもSTAP細胞の発見自体が捏造であると誤解されかねず、到底容認できません。

 レーン3の挿入(「改ざん」と認定された画像の切り張り)について

 Figure 1i(論文中の画像)から得られる結果は、元データをそのまま掲載した場合に得られる結果と何も変わりません。そもそも、改ざんをするメリットは何もなく、改ざんの意図を持って、Figure 1iを作成する必要は全くありませんでした。見やすい写真を示したいという考えからFigure 1iを掲載したにすぎません。

 画像取り違え(「捏造」と認定された博士論文と酷似した画像)について

 私は、論文1(STAP細胞を報告した論文)に掲載した画像が、酸処理による実験で得られた真正な画像であると認識して掲載したもので、単純なミスであり、不正の目的も悪意もありませんでした。

 真正な画像データが存在していることは中間報告書でも認められています。したがって、画像データをねつ造する必要はありません。

 そもそも、この画像取り違えについては、外部から一切指摘のない時点で、私が自ら点検する中でミスを発見し、ネイチャーと調査委員会に報告したものです。

 なお、上記2点を含め、論文中の不適切な記載と画像については、すでにすべて訂正を行い、平成26年3月9日、執筆者全員から、ネイチャーに対して訂正論文を提出しています。

 以上



朝日新聞デジタル 2014年4月9日16時30分
⑲ (社説)STAP論文 理研の責任は重い

 理化学研究所は幕引きを急いでいるのではないか。そんな疑念をぬぐえない。

 多くの疑問点がふきだしている新万能細胞「STAP(スタップ)細胞」の論文について、理研の調査委員会はきのう、筆頭著者の小保方(おぼかた)晴子ユニットリーダーに「捏造(ねつぞう)」と「改ざん」という研究不正があったとする最終報告書を公表した。

 これに対し、小保方氏は「承服できない。不服申し立てをする」とのコメントを発表した。

 調査委は論文全体を精査してはいない。6項目にしぼり、ミスを超える不正の有無を判断しただけである。また、小保方氏本人は否定している。不正と決めつける十分な根拠があるのか、見方はわかれそうだ。

 理研は報告書を受けて、小保方氏らへの処分や再発防止策の検討に進む方針だ。しかし、全容を解明せずに、実のある再発防止策が打ち出せるとはとうてい思えない。

 国は今月、研究開発を先導する特定国立研究開発法人を指定する方針だった。理研はその最有力候補だった。それをにらんで結論を急いだ面はないか。

 そして、責任を小保方氏個人に集中させていないか。共著者のベテラン研究者らは何をし、何をしなかったのか。実験やデータ、試料の管理のどこに問題があったか――。

 理研は内部調査で済ますのでなく、第三者に調査を委ねて結果を公表すべきだ。それなくして信頼は取り戻せないだろう。

 科学は、研究者が個人の責任で学術誌に論文を投稿するなどし、他の研究者の批判にさらされることで前進してきた。研究者が所属する研究機関の役割はさほど目立たなかった。

 だが、厳しい国際競争を背景に多額の研究予算がつぎ込まれる現在、大学や研究所などは新たな役割を果たさなければならなくなってきた。

 研究者や研究の「質の保証」である。

 不正の認定以前に、小保方氏の実験ノートが3年間で2冊しかなかったとか、画像切り張りを問題と認識していなかったといった事態は、およそ研究者の常識からは考えられない。

 博士号を与えた大学や指導的研究者として迎えた理研は、組織としての責任を免れない。

 指導的立場の共著者が実験ノートをひと目見ていれば、今回の問題は防げたのではないか。

 高血圧薬など臨床研究をめぐる不正発覚に引き続き、基礎研究でも失態が明るみに出た。

 研究の質を確かなものにする取り組みが急務である。



  小保方晴子(おぼかたはるこ)<http://www.asahi.com/topics/word/小保方晴子.html>

小保方氏の指導役「STAPは本物の現象」 来週会見へ
■他の研究者も反論 STAP細胞論文の著者の笹井芳樹氏や小保方晴子氏らは、「STAP細胞はES(胚性幹(はいせいかん))細胞が混入したものではないか」との疑念に強く反論している。 ES細胞は、1981…(2014/04/11)

「STAP現象、本物」 小保方氏指導、理研の笹井氏会見へ
STAP(スタップ)細胞の論文問題で、理化学研究所の小保方(おぼかた)晴子ユニットリーダーの指導役の笹井芳樹氏(52)が朝日新聞の取材に「STAPはreal phenomenon(本物の現象)だと考え…(2014/04/11)

STAP、成長戦略に影 政権―柱に期待、あて外れ 理研―新法人へ弾み、一転
理研の小保方(おぼかた)晴子ユニットリーダー(30)が記者会見を開いた9日、安倍政権は理研を世界最高水準の研究機関にしようと「特定国立研究開発法人」(新法人)に指定する法案の今国会成立を断念する方向で…(2014/04/11)

「小保方さん、一生懸命やっているのでは」自民・町村氏
■町村信孝・元官房長官 テレビを見ると小保方晴子さんばかり映っている。みんなでバッシングしてるのではないか。彼女がかわいいから言うわけではない。ちょっとそれもあるかもしれないが、それをぬきにしても、一…(2014/04/10)

〈速報〉江口氏の小保方リーダー似顔絵に賛否両論
「ストップ!! ひばりくん!」などの作品で知られる漫画家の江口寿史氏(58)が、理化学研究所の小保方晴子・研究ユニットリーダーを描いた似顔絵を10日、自身のTwitterに公開した。 先月から、デッサ…(2014/04/10)

VOX POPULI, VOX DEI/天声人語
お察しのとおり、きのう、小保方晴子氏の会見を聞いて胸に浮かんだ▼「未熟で情けなく、申し訳ない」と、涙まじりの謝罪だったが、STAP細胞の存否に話がおよぶと口調は引き締まった。「何度も確認された真実です…(2014/04/10)

〈速報〉古舘氏“パワポ知らない”に驚く視聴者も
古舘キャスターは、理化学研究所の小保方晴子・研究ユニットリーダー(30)による記者会見のニュースを取り上げるなかで、同会見中に話題に上がったパワーポイントについても説明。「(パワーポイントが何なのか)…(2014/04/10)

小保方氏会見、つぶやき沸騰 「頑張れ」「具体的な答えない」
STAP(スタップ)細胞の論文に不正があったとされる問題で理化学研究所の小保方(おぼかた)晴子ユニットリーダー(30)が9日に臨んだ記者会見は、インターネット上で大きな反響を呼んでいた。短文投稿サイト…(2014/04/10)

「信じたい」「ごまかされた」 小保方氏会見どう映った
STAP細胞の論文が不正と認定された問題で、9日に大阪市内で記者会見した理化学研究所の小保方(おぼかた)晴子ユニットリーダー(30)。約70日ぶりに姿を見せ、STAP現象の真実性を自ら訴えた会見は、テ…(2014/04/10)

小保方氏会見、ツイッター沸騰 内容分析してみると
STAP(スタップ)細胞の論文に不正があったとされる問題で理化学研究所の小保方(おぼかた)晴子ユニットリーダー(30)が9日に臨んだ記者会見は、インターネット上で大きな反響を呼んでいた。短文投稿サイト…(2014/04/10)

〈速報〉ウーマン村本、小保方さん「隙間狙える」
STAP細胞問題の小保方晴子さんについては「タイプです。今なら心の隙間を狙える」。商品ゆるキャラの「カレーメシくん」に対しては「俺は下半身がゆるキャラ。カレーメシと笑い飯は嫌いなんじゃ」と対抗意識を見…(2014/04/10)

〈速報〉小保方氏会見12・3% 各局で高視聴率
9日に行われた理化学研究所の小保方晴子研究ユニットリーダーの記者会見を中継したテレビ各局の番組が高視聴率を記録した。10日、ビデオリサーチの調査で分かった。 関東地区で、日本テレビ系「情報ライブ ミヤ…(2014/04/10)

一夜明け小保方氏「体調大丈夫」 理研は再調査か審査
STAP細胞の論文に不正があったとされる問題で、理化学研究所の小保方晴子ユニットリーダーの代理人の三木秀夫弁護士は10日、大阪市内で「理研から再調査するかどうかの審査に入ると連絡を受けた」と明らかにし…(2014/04/10)

バカンティ教授「新たなコメントはない」 STAP問題
STAP細胞論文の不正問題で、主要共著者の1人、米ハーバード大のチャールズ・バカンティ教授は9日、理化学研究所の小保方晴子ユニットリーダーの記者会見を受け、所属する病院を通して「現段階で新たなコメント…(2014/04/10)

理研の優遇法案、今国会成立を断念へ STAP問題受け
理研はSTAP細胞の論文に不正があったと認定したが、筆頭著者の小保方晴子氏が否定し、全容が解明されていない。疑惑を招いた理研の組織的な問題も指摘されており、このままでは与野党の理解を得るのは困難と判断…(2014/04/10)

小保方氏、会見2時間半 主な一問一答
理研の小保方晴子ユニットリーダーは、「STAP細胞」の論文について「捏造(ねつぞう)」「改ざん」とする認定を強く否定し、理研の調査への不信感をのぞかせた。「200回以上作製に成功した」というSTAP細…(2014/04/10)

存在を力説、消えぬ疑問 小保方氏会見、新たな証拠出ず
理化学研究所の小保方晴子ユニットリーダーは9日の記者会見で、自ら「発見」した万能細胞の存在を力説した。だが、新たな証拠は出ず、捏造(ねつぞう)や改ざん疑惑も解消されたとは言い難い。小保方氏の主張を検証…(2014/04/10)

(天声人語)小保方氏の「真実」
お察しのとおり、きのう、小保方晴子氏の会見を聞いて胸に浮かんだ▼「未熟で情けなく、申し訳ない」と、涙まじりの謝罪だったが、STAP細胞の存否に話がおよぶと口調は引き締まった。「何度も確認された真実です…(2014/04/10)

小保方氏、会見2時間半 「論文撤回、正しい行為でない」「STAP細胞作製、コツある」
と答えた。調査が不十分との指摘には「調査委にしっかりと調査して頂いた結果で、厳正な調査結果」とコメントした。 ■データ示さず疑惑残る 《解説》「生物学の常識を覆す」と称賛された論文に不正が認定され、所…(2014/04/10)

「情けない」時折涙 「研究続けていきたい」 STAP問題、小保方氏会見
9日午後、約2カ月ぶりに公の場に姿を現した小保方(おぼかた)晴子・理化学研究所ユニットリーダー。会見ではなぜ論文に「不備」が生じたのかを繰り返し問われたが、「私の未熟さ」「情けない」と自身の責任を強調…(2014/04/10)

「公開実験に協力したい」 小保方氏会見、主な一問一答 STAP問題
理研の小保方晴子ユニットリーダーは、「STAP細胞」の論文について「捏造(ねつぞう)」「改ざん」とする認定を強く否定し、理研の調査への不信感をのぞかせた。「200回以上作製に成功した」というSTAP細…(2014/04/10)