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折々の記 2015 ①
【心に浮かぶよしなしごと】

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【 04 】02/14~     【 05 】02/24~     【 06 】02/24~
【 07 】02/26~     【 08 】02/28~     【 09 】03/06~

【 08 】02/28

  02 28 歳相応の生き方   姨捨山老人の遺し言葉
  03 05 暗いニュースリンク   政府があなたに熟考してほしくない由々しき情報
  03 05 「存立事態」新設提案へ   集団的自衛権行使向け 現行法を改正方針
       【戦争可能体制①】  安全保障法制)乱立、五つの「事態」    日本の曲がり角
  03 05 米・イスラエル亀裂深刻   訪米の首相、オバマ外交批判 イラン核問題巡り
       割れるユダヤ系米国人   イスラエル首相演説に波紋

 02 28 (土) 歳相応の生き方    


      学事第一

      地球は廻っている

      人は、生まれ、苦しみ、そして死んでいく

      好きな人も死んでいくし、嫌いな人も死んでいく

      春になって芽を出す草も、また秋がくると枯れていく

      諸行無常 是生滅法

      色即是空


アレクサンダーが大帝国を作ったとき、人間の歴史を編纂するよう命じたという。 出来上がった歴史は膨大で、王様は多忙で読めないから、要約するよう命じました。 学者はまた歴史の編纂をしなおして一冊の本にしたという。 そのとくには王様は歳をとり病床で目も弱まり読めなくなっていたという。 結局学者は、人間の歴史をわずか一行にして、死に逝かんとする王の耳元でささやきました。

「人は、生まれ、苦しみ、そして死ぬ。それが、人間の歴史でございます」と。

この話は青春時代に耳にし、自分作りの大事な材料となりました。 さらにヒュームの言葉からも無常観が形作られてきました。


2 寂即美        24・2・25下宿

 私は一人で暮らそう。 一人で、独りで。 心よ聞け! 独りで生きるのだ。 独りという字は独立の独の字だ。 人間は終極は独りだ。 ゲーテを見よ、ニーチェを見よ、ボードレールを見よ。 彼等は如何に生きたか私はしらない。 一人の人間の世界を必ずしも賞めてはいないが、人が生まれて、止むに止まれぬ憧憬・欲求・悩み、それらは皆対象物の獲得により各々終止すべき性質のものではないのだということを言わんとしているのではあるまいか。 永遠の何物かを追求し、憧れ、夢みていく旅の鳥だ。 シェレーはその詩にうたった。 空高く鳴き尽くす彼の雲雀を見て、その心事を察して歌ったではないか。 そしてまた、 T・E・ヒユームは言ったではないか。 まだ忘れでもよいことだ。

 「すべて灰燼、築きあげられた部分。 それで問題は、どの程度築きあげられ、どの程度われわれに与えられているかだ。 世界の柔軟度の問題だ」

 更に続けて言う。

 「しかし劇場で考え、聴衆を眺める。 ここに現実がある。 ここに人間的な動物がいる。 壮大な台詞に耳を傾け、それから、拍手喝采する人のその群をみよ」

 現実は一切まとまりのない灰の山であり、泥濘である。 築きあげられた観念だけが美しげな衣をみせ、壮大な言葉となり、夜のロンドンのようにきらびやかに輝いているに過ぎない。 くりかえして言えば、ヒュームの眼の前にあったものは、現実の統一のない灰色の灰燼の世界であった。 そしてその闇の世界のあちこちに夜の燈火のようにきらめく人間の築いた観念の世界をみたのである。

 何と気持ちよい言葉であろうか。 探究に探究を重ね、果てしなき人の世界は灰燼と映じたヒユームの心境はいかばかりだろうか。 私は独りで寂しく美しく生きよう。 すべてにがい試練であり、血と汗を払って得ることのできる経験である。 それは埋ずもれる金剛石のように、光らずともよいではないか。 桜花の満開せるを楽しむは一面から見れば佳境であるが、散りゆく花の道理をつかみそれを眺むる心がけも、一面から見れば、得難き味わいをわが人生に与えるものと信ずる。
  http://park15.wakwak.com/~yoshimo-2/moto.50.html より


拝金主義者と言われてもいいだろう。 だが、形而上の思考を忘れ『死の商人』と同じく武器を作ってそれを売りさばき、積極的平和と唱えながら武力を以って相手を殺戮する方法までとって「戦争放棄」の約束を破る日本の代議士を、われわれの信託者として認めるわけにはいかない。

人としての道義に反している。 信頼はできない。

日本文化を支えてきた民衆の切なる願いを横において、『儲かるか、損するか』の判断で国政を判断されてはたまったものではない。

文化の値打ちは『人が喜んでくれるか、人が悲しむか』によって決まる。

IS(イスラム過激派)のテロは許してはならない、世界中がそんな一色になるような烏合の衆に化すると、形而上の判断はソッチノケになるのが常なんです。

即ち『武力でねじ伏せるやり方』が、21世紀の街道を大手を振ってノッシノッシと歩き始めるのです。 そこでは思想や言論の自由もなくなり強権政治が残されるだけという始末になる。

私たちは『テロが何故起きてきたのか』少しの検証も知らされてはおりません。 検証しようという意見も聞いてはおりません。

恐らくは、検証していくと、お金持ちの人たちの中に困る人たちがいて、ものすごい抵抗をするからに違いありません。

そうでないとすれば、今回の『ISによるテロが何故起きてきたのか』を検証すればいいじゃありませんか。

闇の世界に住むお金持ちは、必死の抵抗をするに違いありません。 あらゆる想定される手段を講じて、プロパガンダによる『目潰し、耳潰し』が始まります。

『一色の烏合の衆』と化した世界では、相互殺戮はいつまでも続きます。 そうなると大事な夫婦も大事な親子も、戦争だけはしたくないと泣き叫び、悲嘆にくれるようになります。 世界の中の多くの家族の人たちが、みんな戦争だけはしたくないと悲嘆にくれます。

自分はいい、という考えは通用しないのです。

みんなで如何なる理由があろうとも、武器使用による戦争は拒否しなければなりません。

姨捨山の一老人の遺し言葉です。


 03 05 (木) 暗いニュースリンク    政府があなたに熟考してほしくない由々しき情報

このホームページを開いたとき、ハッと胸を打たれました。

安倍さんの人間性の中には、人としての倫理の世界はないのだろうか、恥ずかしくない倫理観の世界があるならば、日本の平和や世界の平和を心から願うためには一人の人間としての倫理観に基づいた政治の方向の旗を気色鮮明に押し立てなければなりません。

日米関係の歴史によって直ぐにはできないとか、順序があるとか、そんな言い分けがましいことを言う必要はありません。

一軒の家の家長としては、毅然として平和を求める方針を明示しなくてはならないのです。

真実をカモフラージして立ち振る舞うのは、他人の思いをピエロとして振舞うのと同じことです。 それはプロパガンダの手法に変わりありません。

私は世界中を飛び交うプロパガンダの嵐の中に立たされていることを実感しています。 私だけではありません。

目の前の人が戦争で死んでいくのを見ている私にとっては、家族が殺される戦争に近づくことは許してはならないことなのです。

鉄砲は人を殺したり建物を破壊したりするものです。 そんなことに手を貸してはなりません。

騙しあいにはもうウンザリです。 生活の中に騙しあいをしてはなりません。

そんなことを頭において、騙しあいが何をもたらすのか知っていることも大事です。



暗いニュースリンク

政府があなたに熟考してほしくない由々しき情報
(リンク、引用はご自由にどうぞ)

http://hiddennews.cocolog-nifty.com/gloomynews/2004/06/post.html



2004/06/03
自由の為に戦場に赴き、帰還すれば路上生活者
…米国で深刻化する退役軍人ホームレス問題…


ロサンゼルスタイムズ2004/05/30付け記事(TheSunHerald転載)より。要約するには重過ぎる内容なので、以下に全文を翻訳掲載しました。


何千もの退役軍人が路上で眠り、ホームレスの英雄が溢れている

---問題解決に苦慮する退役軍人局と国防総省---


無事帰還を果たし、黄色いリボンが片付けられた後、かつてアメリカ合衆国陸海空軍に所属した者の多くは、最終的には舗道で眠ることになるかもしれない。

これは兵役についての、滅多に知られることのない追記事項である。連邦政府の報告によれば、アメリカでは兵役経験者は全国民のうち9%を占めているが、ホームレス人口のうち兵役経験者の占める割合は23%であるという。ホームレスの男性に関して言えば、兵役経験者は33%にもなるのである。

その集団には、ピーター・スタークスやカルビン・ベネットのような人々も含まれている。彼等は30年間近くをロサンゼルスの路上で過ごしているホームレスで、薬物中毒者である。

あるいは、ボストン在住のヴァネッサ・ターナーのような、昨夏イラクで負傷し、帰還してから医療保障を受けることが出来ず、住む場所を見つけられない人もいる。

ケン・サックスは枯葉剤作戦の結果、合併症で足を失い、カリフォルニア州サンタバーバラの格安アパートの隣人が車椅子用のスロープに文句をつけたことから、住居を失ってしまった。

「私は56歳になった」サックスは語る。「路上では死にたくないね。・・・これが(イラク駐留軍兵士が)戻ってくるべき故郷なのかね?連中も私みたいな人生を送ることになるんだろうか?彼等に神の祝福があらんことを。」

調査によれば、兵役についた男性は、そうでない男性より1.3倍ホームレスになる可能性が高く、兵役についた女性の場合では(ホームレスになる可能性は)3.6倍も高い。退役軍人局によれば、ベトナム戦争から帰還した兵士でホームレスになった人数は、ベトナムで死んだアメリカ兵の人数の2倍を超えるという。

過去には、退役軍人のホームレス調査データは存在すらしなかったと、米国庁間ホームレス協議会を率いるフィリップ・マンガノ氏は語っている。

「ずっと調査不足だったので、暗闇を手探りであたっているような状態です」

しかし1996年に、広範囲なホームレス調査が米国勢調査局と退役軍人局、その他連邦政府関係機関によって共同実施され、かつて制服を着ていた男女についての憂慮すべき外郭が浮かび上がることになったという。

ホームレスになった退役軍人のうち47%がベトナム戦争従軍兵ではあるが、調査では、はるか過去の第二次大戦従軍兵から最近の湾岸戦争従軍兵までがホームレスに陥っている実情が明らかになっている。

ホームレスになっている退役軍人の人数を正確に知ることは大切であるが、専門家によれば、約30万人もの退役軍人が日常的にホームレス生活を送っていて、1年の内に住居のない状態を経験している退役軍人は50万人ほどいるということである。

さて、イラクとアフガニスタンで戦闘が継続している状態で、社会福祉事業提供者たちは、この世代の兵士たちが帰還したら、どんなことになるか懸念している。

「兵士達が帰還したら、(社会福祉事業の人たちは)どうするつもりだろうね?旗を振ったりビールをおごったりする他に何ができる?」ポール・カマチョ氏は問いかける。彼はボストンのマサチューセッツ大学社会科学部教授で、ベトナム戦争従軍兵だ。

退役軍人がホームレスになる単一の原因を指摘することはできない。兵役を経験していない者に関しては、ホームレスになる理由は様々だ。高額な住居費用、失業、薬物乱用、教育不足等々。退役軍人の場合は、これら原因の他にも、戦傷、心的外傷後ストレス症候群、家族との亀裂などがあるだろう。

叩き上げの軍人から都会の放浪者への移行は、人生に何が欠けていて、何が足りているかということと同じくらいの問題を抱えている。厳格で、規則正しい軍隊生活では、全ての兵士に住居と食事と医療保護が提供されているので、必ずしも退役後に外の世界で経験する不規則な生活への準備ということにはならないのである。

住居の購入を助成するという退役軍人借入助成策は、極度に困難な生活を送っていて収入がほとんどない者にとって何の救いにもならない。

退役軍人のホームレス問題は、今のところ国防総省と退役軍人局の共通議題であると、退役軍人局ホームレス対策室の責任者、ピーター・ダファティ氏は話している。

「従来どおりに言えば、兵士が軍を去ってから経験する事柄については、軍部の懸念することではないのです」

国防総省は、移管助成プログラムを創設し、軍隊生活から市民生活へのスムーズな移行を促進しているが、専門家の話では、そうした努力も問題解決には程遠いとのことである。


 03 05 (木) 「存立事態」新設提案へ 集団的自衛権行使向け 現行法を改正方針    

日本は秘密裏の日米協力という打合せにより、USAの言いなりになって軍事化への法律整備が始められている。 このことはおそらく間違えではないでしょう。

国際間の紛争解決ということでは、最終的に武力による解決方法がとられ続けています。 世界中がそうした空気の中で紛争解決の対策が講じられています。

不戦条約という考え方の修正意見は聞こえてこないのです。 唯一、つつましく気品を保っているのは、スイスしか見当たりません。 日本は新憲法第二章に「戦争放棄」を謳いました。

新憲法のバックボーンであるこの第二章第九条を、精神的なバックボーンとしている政治家は一部の人たちしかいません。

日本人の倫理観はどうしたのでしょうか。

いまの自衛隊は災害援助隊と改名して世界中の災害発生の現場へ急行し災害を防ぎ被災者の救援活動をしたらよいのではないでしょうか。

平和憲法という現行憲法は戦争を一切拒否することを理念とし、武力による紛争解決を拒否することが最大関心事でなくてはなりません。


それでは政治の現状変容をよく検証していくようにしましょう


2015年3月5日05時00分 朝日新聞デジタル
「存立事態」新設提案へ
   集団的自衛権行使向け 現行法を改正方針

      http://digital.asahi.com/articles/DA3S11633192.html

 政府は4日、新たな安全保障法制の整備をめぐり、現行の武力攻撃事態法を改正し、日本が直接攻撃を受けていなくても集団的自衛権が行使できる「存立事態(仮称)」という新たな概念を盛り込む方針を固めた。6日に予定される安保法制の与党協議で、自民、公明両党に提案する。▼3面=乱立する「事態」

 与党は昨年7月の閣議決定の記述に沿ってテーマごとに議論を進めている。政府はそのたびに、現行法の改正や新たな恒久法(一般法)制定という方針を示してきた。今回、集団的自衛権の行使についても方針を固めたことで、政府が想定する安全保障関連法案がほぼ出そろったことになる。

 自民党の高村正彦副総裁と公明党の北側一雄副代表は4日、都内で会談し、公明党が求めている国際法上の正当性など自衛隊派遣の新たな3原則について、できるだけ法案に反映させることを確認した。今後の与党協議では、具体的にどのような文言を歯止めとして法案に盛り込んでいくのかが焦点となりそうだ。

 昨年の閣議決定は、集団的自衛権の行使を容認するに当たり三つの要件を設けた。日本と密接な関係にある他国が攻撃を受けた際、(1)我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある(2)武力行使以外に適当な手段がない(3)必要最小限度の実力行使にとどまる、という内容だ。  政府は、この状況を存立事態と位置づけ、日本が他国からの侵攻やテロ攻撃を受けた際などの対応を定めた武力攻撃事態法に盛り込むことにした。武力攻撃事態とは別に新たな概念を加えるため、法律の名称も「武力攻撃事態および存立事態対処法(仮称)」などに変更することも検討している。

 また、政府は自衛隊の活動や出動ルールなどを定めた自衛隊法も同時に改正する方針だ。現行の自衛隊法は自衛隊が武力を行使する防衛出動やそのための待機命令について、日本が直接攻撃を受ける「武力攻撃事態」や日本が狙われているような「武力攻撃予測事態」の場合に限って認めている。これを、日本の存立が脅かされる存立事態でも防衛出動が可能となるよう条文を加える。

 自衛隊法は防衛出動の国会承認について原則、事前承認を求めており、緊急の場合は事後承認も認めている。集団的自衛権の行使でも、この部分はそのまま適用される方向だ。

 (今野忍、池尻和生)

 ◆■安保法制をめぐる政府提案の一覧■◆

 【集団的自衛権の行使(次回提案予定)】
   ◆「存立事態(仮称)」を新設→武力攻撃事態法改正+自衛隊法改正

 【日本の国際貢献(2月20日、27日提案)】
   ◆海外でテロに巻き込まれた邦人救出・奪還→自衛隊法改正
   ◆日本周辺以外でも船舶検査。強制検査も可能に→船舶検査法改正
   ◆周辺事態の概念廃止、米軍以外にも支援拡大→周辺事態法の抜本改正
   ◆他国軍の後方支援や人道復興支援→恒久法(一般法)制定
   ◆PKOでの武器使用基準緩和→PKO協力法改正

 【グレーゾーン事態(2月13日提案)】
   ◆武装漁民などへの迅速対応→電話による閣議決定
   ◆米軍以外の艦船も防護可能→自衛隊法改正

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1面につづく▼3面=乱立する「事態」
(安全保障法制)乱立、五つの「事態」
   集団的自衛権行使へ改正案

      http://digital.asahi.com/articles/DA3S11633143.html
      【戦争可能体制②】→ http://park6.wakwak.com/~y_shimo/momo.533.html

乱立する事態、どうなっているの?

   【日本への攻撃】  【自衛隊の行動】
   ① 武力攻撃事態.
     日本への武力攻撃が発生、または明  防衛出動
     白な危険が切迫している事態  (個別的自衛権)
   ② 武力攻撃予測事態.
     日本への武力攻撃が予測される事態  ※待機命令含む
   ③ 緊急対処事態.
     武力攻撃に準ずる手段によるテロ  防衛出動
     行為が発生、または明白な危険が切  (集団的自衛権)
     迫している事態.
   【他国への攻撃など】  【自衛隊の行動】
   ④ 存立事態(仮称).
     日本と密接な他国への武力攻撃が  防衛出動
     発生し、日本の存立が脅かされ、国  (集団的自衛権)
     民の権利が根底から覆される明白.
     な危険がある事態.
   ⑤ 重要影響事態(仮称).
     日本の平和と安全に重要な影響を  後方支援
     与える事態  (武力行使はできず)
     (周辺事態法改正で新設).

 新たな安全保障法制をめぐり、政府は現行の武力攻撃事態法を改正し、集団的自衛権の行使を可能とする方針を固めた。日本が直接攻撃される武力攻撃事態に加え、日本の存立が脅かされる「存立事態(仮称)」なども加わり、複数の事態をいかに整理するのかが課題となる。それぞれの事態に応じて手続きや歯止めのかけ方も、与党協議の焦点となりそうだ。▼1面参照

 ◆境目あいまい、整理難題

 武力攻撃事態法は有事法制の一つとして2003年に成立した。日本に直接の武力攻撃があった際、自衛隊が武力を使って反撃する手続きなどを定めている。

 日本への武力攻撃について、同法は三つの事態を想定している。まず、日本への武力攻撃がすでに発生するか、明白な危険がある場合を「武力攻撃事態」とし、日本への武力攻撃が予想される事態を「武力攻撃予測事態」とする。さらに、国内の原発などにゲリラ攻撃が発生した場合を「緊急対処事態」と定める。どのような事態であるかは、政府が認定することになっている。

 政府は今回、この武力攻撃事態法を改正し、日本への直接の武力攻撃は起きていないものの、他国への攻撃に対して自衛隊が武力を使って支援する「存立事態」を加えることにした。武力攻撃事態とは違い、存立事態では「国民の権利を制約する必要はない」(政権幹部)として国民保護法の改正は行わない方針だ。

 一方、政府はすでに、米軍を後方支援する周辺事態法を抜本改正し、法律の名称を変更して事実上の地理的な制約を取り除き、米軍以外の他国軍への支援も可能とする方針を固めている。これは、他国への攻撃に際して、他国軍を後方支援する想定で、政府は現段階で「重要影響事態(仮称)」という概念を盛り込む方向でいる。

 日本への攻撃に関して三つの事態があり、他国への攻撃で二つの事態が生じることになる。この五つの事態をどのように整理していくか、現段階でははっきりしていない。特に、日本が直接の武力攻撃を受けていない「武力攻撃予測事態」と「存立事態」、「重要影響事態」では、それぞれの境目にあるような状況をどのように定めるのか。

 また、それぞれの事態で認められる自衛隊の活動は個別的自衛権、集団的自衛権、後方支援などに分かれている。認められる権限に大きな違いもあり、手続きや歯止めのかけ方が課題となりそうだ。

 ◆高村氏、公明説得に自信

 政府が集団的自衛権の行使に関する法制化の方針をまとめたことで、新たな安全保障関連法案の全体像が明らかになった。

 公明党は自衛隊を海外に派遣する際の歯止め策として、(1)国際法上の正当性(2)国民の理解と民主的な統制(3)自衛隊員の安全確保という3原則をまとめている。今後の自民、公明両党による与党協議は、この原則をいかに安保関連法案に落とし込んでいくかが最大の焦点となる。

 4日にあった公明党の安保法制に関する部会では、政府側を代表し、防衛省出身の高見沢将林・官房副長官補が前回の与党協議で議論となった船舶検査に関して、新たに自衛隊派遣の五つのポイントを示した。

 活動の正当性(国連安保理決議などを想定)▽国会の関与▽活動の内容(現地の安全状況など)▽武器使用の権限▽活動の主体(自衛隊か、警察など法執行機関か)の5点だ。柱立ても公明党の3原則に沿っており、公明党幹部は「船舶検査に関わる内容とはいえ、安保法制の基本にかかわる原則となる」と話す。

 与党協議の座長を務める自民党の高村正彦副総裁もこの日、記者団に「公明党が言う『3原則』は十分話し合える。合意にそれほど高いハードルがあるとは思っていない」と語り、公明党の説得に自信を見せた。

 ただ、集団的自衛権に加え、有志連合への後方支援や人道復興支援を随時可能とする恒久法(一般法)制定のほか、周辺事態法を抜本改正する政府方針など課題は山積する。

 国際的な正当性をめぐっては、国連決議を求める公明と決議のない有志連合を支援したい政府・自民とで開きがある。公明党が思うような明確な歯止めの原則になるかどうか、現段階では見通せていない。

 (三輪さち子、石松恒、上地一姫)


 03 05 (木) 米・イスラエル亀裂深刻    訪米の首相、オバマ外交批判 イラン核問題巡り

イスラエルという国家はシオニズム運動という第二次大戦後の民族独立運動の結果1948.5.14に建国された。 みんなが知っているとおりユダヤ系の人々の聖地エルサレムへ帰還しよういう民族独立が達成された国です。

もともと新米の国ですが、詳しいことは判らないけれど最近ギスギスした感情が動いているようです。

アメリカの政治の姿勢に変化が起こっているのではないだろうか。 これからはこうした視点からも注視していきたい。



2015年3月5日
米・イスラエル亀裂深刻
  訪米の首相、オバマ外交批判 イラン核問題巡り

     http://digital.asahi.com/articles/DA3S11633144.html
 イスラエルのネタニヤフ首相が米議会でオバマ大統領のイラン政策を批判するという、異例の演説に踏み切った。以前から折り合いが悪かった両首脳だが、イランの核開発問題をめぐり対立はさらに深まる。同盟関係にある両国間には、かつてない緊張が生まれている。▼国際面=割れるユダヤ系米国人

 「これは非常に悪い取引だ。ないほうがいい」

 3日、米議会の上下院議員を前に演説したネタニヤフ氏は、オバマ政権がイランの核開発問題で同国のロハニ政権と目指す合意を真っ向から批判した。ケリー米国務長官とイランのザリフ外相がスイスで協議を続けている最中に、外国首脳が米議会で米外交に反対する演説をしたことに、米国内では波紋が広がった。

 オバマ氏が働きかけた中東和平交渉にネタニヤフ氏が反発するなど、両首脳はもともと折り合いが悪かった。共和党からは「オバマ氏はイスラエルを支持する姿勢が不十分だ」(ジュリアーニ元ニューヨーク市長)といった批判が強い。

 こうした中で、オバマ政権の「野党」にあたる共和党のベイナー下院議長が、オバマ氏と協議しないままネタニヤフ氏に議会演説を要請し、ネタニヤフ氏が受諾。ホワイトハウスは、イスラエルでの総選挙が近いことを理由に首脳会談を行わず、共和党が主導した議会演説にも反対した。

 ネタニヤフ氏は今回の訪米で「オバマ大統領を尊敬している」と述べるなど一定の配慮も見せた。しかし、3日の演説には民主党議員約50人が欠席。ネタニヤフ氏の演説に拍手をする共和党議員に、下院のペロシ民主党院内総務が抗議をする場面もあった。

 両国関係がここまで険悪になった最大の要因は、イランの核問題だ。

 オバマ政権が目指す合意はイランの核開発を大幅に制限しつつ、医療や電力など平和目的での利用を認める内容だ。ネタニヤフ氏は演説で「合意はイランの核兵器保有を保証するようなものだ」と批判した。

 オバマ氏はこの日の演説について「ネタニヤフ氏は実行可能な代替案を全く示さなかった」と反論。「合意がなければイランは直ちに核兵器保有を目指す活動を再開する」と話し、合意に向けイランとの交渉を続ける考えを示した。(ワシントン=大島隆)

 ◆首相、共和党と連携

 ネタニヤフ氏は、米英独仏中ロ各国とイランによる核協議への懸念を、国連などで繰り返し訴えてきた。

 イスラエルは、制裁の強化でイランへの圧力を強め、核開発の断念に追い込むのが最良の解決策と考えている。だが、制裁とともに対話も重視するオバマ政権とは隔たりが大きい。

 ネタニヤフ氏はそこで、自ら率いる右派政党リクードとつながりが強い米共和党と連携し、今月中に山場を迎える核協議に水を差そうとしたとみられる。

 イスラエルで17日に総選挙が予定されていることも理由の一つだった。直前に米議会で演説をすることで、イランへの強硬な姿勢を有権者にアピールした。

 エルサレムで3日にあった総選挙の討論会では、リクードのシュタイニッツ戦略担当相が「未来の安全保障が脅かされているときに黙ることはない」とネタニヤフ氏を擁護した。

 これに対し、野党を中心に「対米関係を損ねる」と懸念の声も強まる。労働党のヘルツォグ党首は「演説後もイスラエルの(国際的な)孤立は変わらず、米国などとイランとの協議は、イスラエルの関与無しに続く」と批判した。

 (エルサレム=渡辺丘)

 ◆キーワード

 <米国とイスラエル> 祖国を持たなかったユダヤ人の国家イスラエルが1948年に建国された時、米国は最も早く国家承認した。米国内のユダヤ人有権者に配慮したとされる。米国は、イスラエルを中東の外交・安全保障政策の重要なパートナーとして重視。事実上の同盟国として軍事支援も続けている。

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国際面=割れるユダヤ系米国人
割れるユダヤ系米国人 イスラエル首相演説に波紋
   http://digital.asahi.com/articles/DA3S11633257.html

 米議会でオバマ大統領のイラン政策を猛批判したイスラエル首相の演説が波紋を広げている。イランとの核協議に批判的なイスラエルの情報機関の元長官ですら、訪米を「大きな間違い」と批判した。これまで超党派でイスラエルを支持してきた米国内でも、民主・共和両党の支持者で差が生まれた。ユダヤ系米国人の賛否も割れる。▼3面参照

 米外交の特徴の一つは、党派を超えた確固たるイスラエルへの支持だ。しかし、最近では、支持政党によって、イスラエルへの姿勢に差が出ている。ネタニヤフ首相の米議会演説をめぐる民主、共和両党の対立の背景には、そんな事情もあるようだ。

 2日朝、ワシントンで開かれた「米国・イスラエル公共問題委員会(AIPAC)」の年次総会で、ネタニヤフ氏は万雷の拍手で迎えられた。約1万6千人の参加者に「米イスラエル関係が強化されてきた大きな理由は、(民主、共和)両党が支持してきたからだ」と訴えた。

 米国でも最も影響力が強いロビー団体に数えられるAIPACは、党派間の中立を重視。総会でも両党の議員があいさつをする。

 ただ、ギャラップ社の最新の世論調査では、米国民の7割がイスラエルを、45%がネタニヤフ氏個人を好意的にとらえているものの、いずれの調査でも、共和党支持者の親イスラエルぶりが、民主党支持者と比べて突出している。

 一方、ピューリサーチセンターの2013年の推計で600万人前後(人口の約2%)とされるユダヤ系米国人は、伝統的に民主党支持者が多い。米メディアの出口調査では、14年の中間選挙でも66%が民主党候補に票を投じた。ユダヤ系団体の統計では連邦議員も民主党は上下院合わせて28人いるのに対し、共和党は新人の下院議員1人だけ。

 こうした政治状況を反映し、ユダヤ系米国人の間にも変化が生まれている。

 イスラエルを全面的に支持するAIPACに対し、リベラルなユダヤ系ロビー団体として08年に結成された「J Street」は、今回の議会演説を前に「私はユダヤ人だが、ネタニヤフ氏は私を代弁していない」という署名活動を展開した。

 ユダヤ系新聞の「ジューイッシュ・ウィーク」は、昨年、米政府の忠告を聞かないネタニヤフ氏を「現実離れしている」と社説で批判した。ゲーリー・ローゼンブラット編集長は「以前なら猛抗議が来た内容だが、今は違う。ユダヤ系米国人の腹の中で、対イスラエル感情が変わっている」と話す。

 (ワシントン=中井大助)

 ◆米内政に干渉、関係壊した モサド元長官、ダニー・ヤトム氏

 イスラエルの情報機関モサドの元長官ダニー・ヤトム氏は4日までに朝日新聞の取材に応じ、ネタニヤフ首相の訪米と米議会演説について批判した。

 ――首相の訪米と米議会での演説をどう見ますか。 第一にイランの核武装はイスラエルだけでなく、中東の周辺諸国にとって大きな脅威だ。そうなれば、エジプトやサウジアラビア、トルコなど多くの国との軍拡競争になるだろう。

 米国主導のイランとの核協議はすべての詳細を知らないが、悪い合意になるとみる。(この条件では)イランに核保有国となる能力を与える。イランへの経済制裁は効果的であり、欧米諸国はもっと良い内容に出来たのではないか。

 その上で、首相の訪米には全く同意しない。大きな間違いだと思う。オバマ政権との関係は、歴代大統領の間でかつてなかったほど緊張している。民主、共和両党の間の米国内政治に干渉し、超党派の支援を得てきた関係を壊している。

 オバマ大統領に反対されながら演説しても、米政権の態度を変えないばかりか、もっと良い合意内容に変えるために大統領にそっと意見をする機会も閉ざす。(首相は)総選挙で少し多くの議席を得るためにこれら全てを犠牲にしている。イスラエルと米国の間の困難を見て、喜ぶのはイランだ。

 ――イスラエルの外交政策はどうあるべきか。

 イスラエルと穏健なイスラム諸国は、イランとテロという共通の脅威を抱える。中東和平、パレスチナ自治区ガザの復興なども合わせて取り組む地域の会議を開催すべきだ。そうしなければ、戦争やテロが繰り返される。それは、イスラエルの人々にも耐えられないことだ。

 (エルサレム=渡辺丘)

     *

 1945年生まれ。イスラエル軍の要職を歴任し、96~98年に情報機関モサド長官。イスラム組織ハマス最高指導者暗殺未遂事件の責任をとって辞任。労働党選出の国会議員も務めた。

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