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折々の記 2015 ③
【心に浮かぶよしなしごと】

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【 04 】04/23

  04 23 2回目の日中首脳会談   雲行良好か
  04 25 日本政治の今日の断面   こんなままでいいのか

 04 23 (木) バンドン日中首脳会談    小康を維持

二束のわらじが見え見え



4月23日 4時21分 NHK
① 首相 習主席との対話重ね関係改善進める考え
   http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150423/k10010057601000.html

安倍総理大臣と中国の習近平国家主席の2回目の首脳会談が実現したことを受けて、政府内からは関係改善に弾みがつくと歓迎する受け止めが出ており、安倍総理大臣は今後も国際会議に合わせて習主席との対話を重ねることで、関係改善を着実に進めたい考えです。

安倍総理大臣は22日、訪問先のインドネシアで中国の習近平国家主席と去年11月以来、2回目となる日中首脳会談に臨み、日中両国が戦略的互恵関係を推進し、地域と世界の安定と繁栄に貢献していく必要性があるという認識で一致しました。

今回の会談について、同席した政府高官は「前回の首脳会談よりも和やかな雰囲気で、関係改善を図ろうという習主席の熱意を感じた」と述べるなど、政府内からは経済分野をはじめとする日中関係の改善に弾みがつくと歓迎する受け止めが出ています。

ただ一方で、政府関係者の1人は「会談に積極的に応じた中国側の意図を、きちんと分析する必要がある」と述べるなど、中国側が歴史認識を巡って日本側へのけん制を続けるなか、今後の動向をよく注視すべきだという指摘も出ています。

安倍総理大臣は22日、記者団に対し、「今後もさまざまな国際会議が予定されており、こうした機会を利用して首脳会談を行い、ともに両国関係を発展させていくよう努力していきたい」と述べており、ことし秋に行われるAPEC=アジア太平洋経済協力会議の首脳会議やG20サミットなどの国際会議に合わせて習主席との対話を重ねることで、関係改善を着実に進めたい考えです。

4月23日 6時00分 NHK
② 習主席 日本のAIIB加盟に期待感示す
   http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150423/k10010057591000.html

インドネシアで行われた日中首脳会談で、安倍総理大臣が中国の提唱するAIIB=アジアインフラ投資銀行の組織運営などに懸念を伝えたのに対し、習近平国家主席は「AIIBは国際的に一定の評価を得ており、日本の評価が得られると信じている」と述べ、日本の加盟に期待感を示していたことが分かりました。

インドネシアを訪れている安倍総理大臣は22日、去年11月以来5か月ぶりに中国の習近平国家主席との日中首脳会談に臨み、その詳細が日中外交筋の話で明らかになりました。

それによりますと、安倍総理大臣は中国が提唱するAIIB=アジアインフラ投資銀行について、「アジアのインフラ需要が増すなかで、これに対応する金融システムを強化する必要があるという認識は共有しているが、組織運営など、いくつかの懸念があるので事務的な協議を進めたい」と述べました。

これに対して習近平国家主席は「AIIBは国際的に一定の評価を得ており、日本の評価が得られると信じている」と述べ、日本の加盟に期待感を示したということです。

また、習主席は歴史認識を巡る問題について、「アジアの国々の関心でもあり、歴史を直視することを対外的に発信して欲しい。中国は、ことし抗日70周年を迎えるが、特定の国を標的にはしない」と述べたということです。

そして、習主席が「両国関係の基盤は国民感情だ。それを良好なものにするために、われわれリーダーの姿勢が大事だ」と述べたのに対し、安倍総理大臣は「私自身も私の内閣も、村山談話や小泉談話を含む歴代内閣の立場を全体として引き継いでおり、今後も引き継いでいく」と述べたうえで、国民感情の改善に努める考えを示したということです。

4月23日 6時51分 NHK
③ 米 2回目の日中首脳会談実現を歓迎
   http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150423/k10010057701000.html

アメリカ国務省のハーフ報道官代行は「日本と中国の関係は、地域にとどまらず全世界の平和と繁栄に影響する」と述べ、安倍総理大臣と中国の習近平国家主席の2回目の首脳会談が実現したことを歓迎しました。

安倍総理大臣は22日、訪問先のインドネシアで中国の習近平国家主席と去年11月以来、2回目となる日中首脳会談に臨み、日中両国が戦略的互恵関係を推進し、地域と世界の安定と繁栄に貢献していく必要性があるという認識で一致しました。

これについてアメリカ国務省のハーフ報道官代行は22日の記者会見で「首脳会談の実現を歓迎する。日本と中国の関係は地域にとどまらず全世界の平和と繁栄に影響する」と述べました。

一方、安倍総理大臣が22日、インドネシアで開かれているアジア・アフリカ会議で行った演説については、「特にお伝えできるような分析はない。来週からの安倍総理大臣のアメリカ訪問を楽しみにしている」と述べるにとどめました。

安倍総理大臣は来週29日に日本の総理大臣としては初めて、アメリカ議会の上下両院の合同会議で演説する予定で、その内容に注目が集まっています。

 04 25 (土) 日本政治の今日の断面    こんなままでいいのか

悲しいかな この現実

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2015年4月24日 朝日新聞デジタル
① 離島防衛、日米の協力明記 5分野に拡大 ガイドライン概要
   http://digital.asahi.com/articles/DA3S11721339.html

 日米両政府が今月末に改定する「日米防衛協力のための指針」(ガイドライン)の概要が分かった。「切れ目のない日米協力」をうたい、日本防衛のために日米が協力する分野を、これまでの3分野から、5分野に拡大する。尖閣諸島を念頭に「離島防衛」を明記し、日本が攻撃の阻止や奪還作戦を行い、米軍は支援するとの役割分担も明らかにする。▼3面=改定のポイント

 新ガイドラインは、日米が27日にニューヨークで外務・防衛担当閣僚会合(2プラス2)を開き、正式合意する。与党が安全保障法制の見直しで基本合意した内容に基づくが、安保法制が国会で審議されるより前に、日米防衛協力の具体像が決まることになる。

 1997年に作った今のガイドラインは、(1)平素(2)日本が危なくなりそうな「周辺事態」(3)日本が戦争状態になる「日本有事」の三つの分野で協力事項を定めている。新ガイドラインでは「平素から武力攻撃事態に至るまで切れ目なく協力、共同で対処する」と明記する。そのうえで、これまでの3分野を撤廃し、(1)平素からの協力(2)日本の平和と安全に対する潜在的な脅威への対応(重要影響事態)(3)日本に対する武力攻撃事態への対処行動(4)集団的自衛権行使を前提とした日本以外の国への武力攻撃に対する行動(5)日本での大規模災害での協力、の5分野に作り直す。

 「日本への武力攻撃への共同対処」には、尖閣諸島を念頭に「離島防衛」を明記する。自衛隊は陸上攻撃の阻止を主体的にするとし、仮に離島が占拠された場合は、「自衛隊は奪還するための作戦を実施」し、米軍は「支援・補完」すると役割分担も明らかにする。一方で、偶発的な衝突を避けるため、日米共同演習などを通じて対応能力を相手側に認識させる「日米共同柔軟抑止選択肢(FDO)」を新設する。

 集団的自衛権行使の一部容認を認めた武力行使の「新3要件」に基づいて日米が協力することを明記。米艦などを守る「アセット(武器など)防護」、捜索・救難、機雷除去、強制的な船舶検査、後方支援などを盛り込む。安倍晋三首相が意欲を示す停戦前の中東・ホルムズ海峡での機雷除去も想定している。一方、新ガイドラインでは「地域を超えたグローバルな日米協力」もうたう。米国が世界中でかかわる国際紛争で、自衛隊が後方支援を行うことが主な狙いだ。(今野忍)



2015年4月24日
② 米軍への協力、質量とも拡大 日米ガイドライン、改定のポイント
   http://digital.asahi.com/articles/DA3S11721258.html

 日米防衛協力のための指針(ガイドライン)が今月末、18年ぶりに改定される。安倍政権は、集団的自衛権行使を含み、平素から有事までの「切れ目のない」対応をめざすとしているが、自衛隊の米軍への協力内容が質量とも格段に広がることになる。▼1面参照

 ■なぜ今か 中国の軍備増強に対応

 ガイドラインは、日本が他国に武力攻撃された時などの自衛隊と米軍の役割分担を定めた政策文書だ。1978年、旧ソ連の日本侵攻を想定して作成され、冷戦後の97年には朝鮮半島有事を想定して改定された。

 今回の改定では、中国の軍備増強や、東シナ海、南シナ海への海洋進出に、日米でどう対抗するかが大きな課題となった。

 中国の軍事費は公表分だけで10年前の4倍になり、日本の3倍近い。一方、米国は財政難で軍事費の削減を余儀なくされている。米国は、中国に対抗するために、自衛隊ができることや活動範囲を広げ、米軍の肩代わりをしてほしいと考えている。

 日本には、中国公船の領海侵入が相次ぐ尖閣諸島の防衛に、米国を巻き込みたいという思惑がある。新ガイドラインでは、日米共同で武力行使する具体例に「離島防衛」を明記するが、これは日本が強く求めたものだ。

 自衛隊は離島防衛の作戦に「主体的な責任」を持ち、米軍は「自衛隊を支援及び補完する」と役割分担をはっきりさせたのが特徴だ。米軍は自衛隊を支援する際、「打撃力の使用を伴う作戦を実施する場合がある」ともする。日米の「平素からの協力」にも、離島の不法占拠など、武力攻撃には至らない「グレーゾーン事態」を含める。

 ■自衛隊は 地理的な制約なし

 安全保障法制で自衛隊ができることを広げ、それをガイドライン改定で日米の具体的な役割分担に反映させる。双方は「車の両輪」だ。今回の改定で、自衛隊と米軍の一体化が質的にも地理的にも拡大する。

 91年の湾岸戦争の際、自衛隊はペルシャ湾の機雷除去に参加した。だが、集団的自衛権が使えなかったため、参加したのは停戦後だった。安保法制とガイドラインの見直しで、米国が求めてきた中東・ホルムズ海峡での機雷除去が停戦前でも可能になる。

 米軍などへの後方支援も大幅に拡大する。安保法制では、周辺事態法から重要影響事態法に衣替えし、「日本周辺」という地理的制約を取り払った。時の政権が必要と判断すれば世界中で後方支援が可能になる。対象も米軍だけから、豪州などにも広げる。

 また「国際平和支援法」を新設することで、日本に直接関係ない戦争での後方支援が可能になる。新ガイドラインは「地域を超えたグローバルな日米協力」と明記し、地球規模で自衛隊が米軍に協力する枠組みを打ち出す。ただ、自衛隊の活動範囲が広がれば、より紛争現場に近いところで活動することを意味する。米国の戦争に巻き込まれる危険は高まる。

 ■新たな分野 宇宙・サイバーでも

 新ガイドラインでは、新たな協力分野として、宇宙・サイバー空間での協力を盛り込む。現代の戦争では、これらの分野が決定的な役割を果たすからだ。

 ここでも背景にあるのは中国だ。中国は07年に人工衛星の破壊実験に成功。衛星攻撃能力は飛躍的に進歩しているとされている。

 衛星や全地球測位システム(GPS)が一時的にでも使えなくなれば、軍の情報収集や伝達、部隊の運用にも大きく影響する。日本は1969年の国会決議で自衛隊の衛星利用を制限してきたが、08年の宇宙基本法制定で、安保分野の活用に道を開いた。新ガイドラインでは、日米の連携を強める方針だ。

 政府機関のコンピューターシステムなどを狙ったサイバーテロへの備えも明記。日米はすでにサイバー攻撃に備えた「サイバー防衛協議」を実施。防衛省は担当する自衛官を米国に派遣し、最新技術を学ばせている。  (今野忍)

 ■<考論>離島防衛での米関与、重要

 慶応大学准教授・神保謙さん 今回のガイドラインのキーワードは「切れ目のない対応」だ。中国の台頭に対し、とりわけ日本への武力攻撃に至らないグレーゾーン事態に対する米国の関与は重要な論点だ。平時における日米の警戒監視活動や離島防衛の協力強化は、グレーゾーン事態対応への重要な布石となる。海上保安庁の巡視活動への妨害に日米同盟がにらみをきかせるイメージだ。「切れ目のない対応」では平時から有事に至る段階的管理が重要だ。その隙間を埋めていく日米協力を明記した非常に画期的な改定だ。(聞き手・今野忍)

 ■<考論>自衛隊の協力、具体性欠く

 元内閣官房副長官補の柳沢協二さん 前回までは想定する事態がはっきりしていたが、今回はあらゆる事態としており、具体的にどういう場面で自衛隊が米軍に協力するのかわからない。ガイドラインをもとに日米の制服同士が共同作戦をつくるが、国民が知らないうちに現場の協力が進む。米軍の期待を日本が断れるのか疑問だ。米国の武力行使(戦争)に巻き込まれる可能性が高まる。

 自衛隊の役割が地球規模に広がるが、中国と何かあった時に米軍は何をしてくれるのか、米軍の関与が不明確だ。(聞き手・三輪さち子)



2015年4月24日
③ 新たに治安維持活動を定義 安保法制、現行法改正の条文案判明
   http://digital.asahi.com/articles/DA3S11721259.html

 新たな安全保障法制のうち、現行法を改正する条文案の全容が明らかになった。現行の国連平和維持活動(PKO)協力法改正案では、国連が統括しない紛争後の治安維持任務を「国際連携平和安全活動」と位置づけ、自衛隊による新たな活動対象とした。政府は24日の与党協議で、これらの条文案を示す。

 政府は、周辺事態法改正案(重要影響事態法案)など計10本の現行法改正案を改正一括法案とする。これに、戦争中の他国軍を後方支援するための恒久法「国際平和支援法案」を合わせ、国会に提出する。

 明らかになったPKO協力法改正案は第3条で、国際連携平和安全活動を、紛争当事者間の武力紛争の再発の防止に関する合意の順守の確保▽紛争による混乱に伴う切迫した暴力の脅威からの住民の保護▽武力紛争の終了後に行われる民主的な手段による統治組織の設立及び再建の援助などを目的として行う活動、と定義。これまで国連が統括する人道復興支援に限られていた自衛隊の活動を、治安維持任務まで広げる。

 国連以外の機関について、改正案は別表をつけ、国連の関連機関である国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)や欧州連合(EU)など多国間の条約により成立した機関を政令で定め、それらの機関から要請があれば自衛隊を派遣することができるとした。

 集団的自衛権の行使容認は武力攻撃事態法を改正し、名称を「武力攻撃事態等及び存立危機事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律」とする。

 昨年7月の安保法制整備についての閣議決定では、集団的自衛権を行使する際の判断基準として、(1)我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある(2)我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がない(3)必要最小限度の実力行使にとどまる、という内容の「武力行使の新3要件」を定めた。武力攻撃事態法改正案では、3要件のうち(1)は第2条に、公明党が条文化にこだわった(2)は第9条にそれぞれ盛り込まれ、(3)は趣旨が第3条に入った。

 ■判明した条文案

 ◆武力行使の「新3要件」はどう反映されたか?

 【武力攻撃事態法改正案】

 2条4項 存立危機事態 我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態をいう

 3条4項 武力の行使は、事態に応じ合理的に必要と判断される限度においてなされなければならない

 9条2項 (対処基本方針に定める事項)国民を守るために他に適当な手段がなく、事態に対処するため武力の行使が必要であると認められる理由

 ◆「周辺事態」に代わる「重要影響事態」とは?

 【周辺事態法改正案】

 1条 そのまま放置すれば我が国に対する直接の武力攻撃に至るおそれのある事態等我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態(重要影響事態)

 ◆重要影響事態で米軍や他国軍に支援できる内容は?

 周辺事態法改正案の別表1

 補給、輸送、修理及び整備、医療、通信、空港及び港湾業務、基地業務、※宿泊、※保管、※施設の利用、※訓練業務 (注)※は新設の支援内容

 ◆国連が統括しない治安維持活動は?

 【PKO協力法改正案】

 3条2項 (イ)武力紛争の停止の合意があり、当該活動が行われる地域の属する国及び紛争当事者の同意がある場合に実施される活動(ロ)武力紛争が終了して紛争当事者が当該活動が行われる地域に存在しなくなった場合において、当該活動が行われる地域の属する国の同意がある場合に実施される活動(ハ)武力紛争がいまだ発生していない場合において、当該活動が行われる地域の属する国の同意がある場合に、武力紛争の発生を未然に防止する活動



2015年4月24日
④ 歴史認識、試される首相 訪米控え各国注目
   http://digital.asahi.com/articles/DA3S11721284.html

 夏に戦後70年の談話を出す安倍晋三首相の歴史認識に、各国の注目が集まっている。月末に控える米議会での演説や先のアジア・アフリカ会議(バンドン会議)の演説など、外交の舞台で首相が歴史観を披露する場が続くからだ。首相は日本の平和国家としての歩みを強調し、歴史問題への懸念を払拭(ふっしょく)したい考えだ。

 首相は26日から訪米し、29日に日本の首相として初めて米議会上下両院合同会議で演説する。安倍談話を発表する前の対外的なメッセージとも言え、米政府関係者も関心を寄せている。

 「米国は、どこの国も関係改善と和解を進めるよう歴史問題に取り組むことが大切だと強調してきた」。米国務省のハーフ報道官代行は21日の会見で、安倍談話についてこう述べた。首相は前日のテレビ番組で、戦後50年の村山談話にある「植民地支配」「おわび」などの文言について「同じことを入れるのであれば談話を出す必要はない」と述べた。ハーフ氏の発言はこれを受けたものだが、首相の訪米に配慮してか具体的な言及は避けた。

 米国内には、安倍政権の安定基盤を歓迎する一方、「日本帝国の他のアジアの国々への侵略や虐待を否定する歴史修正主義的視点を持っていることを示唆している」(米議会調査局の報告書)といった不安視もある。緊張関係が続く中国と韓国はなおのことだ。22日の日中首脳会談では、中国の習近平(シーチンピン)国家主席が「歴史を直視して、積極的なメッセージを発信するよう希望する」と牽制(けんせい)した。

 在日米大使館の公使は首相の訪米に備え、自民党幹部など首相に近い人々を訪ね、歴史認識や政策について情報を収集した。面会を受けた首相側近は米国内にある懸念を意識し、「日本に歴史修正などという議論はない」と伝えたという。

 首相も国会答弁で「私は歴史修正主義ではまったくない」と強調。22日のバンドン会議でも、平和を追求する姿勢を演説した。(星野典久)

 ■韓国、孤立化を懸念

 安倍首相と中国の習近平国家主席が昨年11月に続いて22日にも会談したことをめぐり、韓国では23日、「韓国が孤立するのではないか」との懸念が相次いだ。日韓間では安倍首相と朴槿恵(パククネ)大統領の首脳会談が一度もないためだ。

 韓国紙「朝鮮日報」は23日、「孤立を避ける戦略はあるのか」と題した社説を載せた。韓国日報も1面の見出しで「孤立を憂慮」と掲げた。

 韓国外交省報道官は23日の会見で、政府が日中韓首脳会談の早期開催に努力していると主張。「日中関係が改善するなら、韓国側のこうした努力にも役立つ」と評価した。ただ日韓首脳会談については、慰安婦問題の進展と日本の指導者による正しい歴史認識の表明が必要だ、と従来通りの考えを示した。(ソウル=東岡徹)

 ■証拠重ねた歴史、政治家は尊重を 高橋哲哉・東大院教授

 文書資料や証言を中心に記述され、語られてきた歴史が、時の推移を経て見直されることは当然ある。歴史記述や歴史観の修正自体は、学問的にも正当なことだ。

 しかし、現在の歴史修正主義が否定的に語られるのは、証拠を積み上げ確立してきた歴史を、根拠が薄弱なまま疑わしいと主張するからだ。論理的な飛躍を犯しながら、自分たちが否定したい事柄は「捏造(ねつぞう)だ」と言い、修正を図る。

 日本は敗戦後、アメリカの庇護(ひご)の下で経済成長にいそしみ、真に過去と向き合ってきたとは言いがたい。帝国主義時代の精神性やものの見方が清算されずに、残っているとも言える。その中で、1990年代後半から歴史を見直す動きが激しくなった。戦争の被害者自らが、日本による侵略と植民地支配の責任を問う声を上げると、それに反発する形で歴史修正主義的な言説が広がった。

 だからこそ、政治家の歴史に対する姿勢が問われる。民主主義や平和を追求するなら、人々の権利を侵害した歴史を直視し批判的な認識を持つことが必要だ。政治家は歴史家による事実の探求の成果を尊重した上で、自己の判断と認識を磨き続けなければならない。(聞き手・藤原慎一)

     *

 たかはし・てつや 1956年、福島県生まれ。哲学者。東大大学院総合文化研究科教授。著書に「犠牲のシステム 福島・沖縄」「靖国問題」など。



2015年4月24日
⑤ 戦争法案発言「修正要求、許さない」
   長妻氏、戦中の「反軍演説」削除引き合い
   http://digital.asahi.com/articles/DA3S11721285.html

 「国会での発言の削除や修正の要求は、絶対に許さないという意思を明確に出さないと、どんどん押し切られて議会の役割を果たせなくなってしまう」

 民主党の長妻昭代表代行は23日、社民党の福島瑞穂氏が安全保障関連法案を「戦争法案」と国会で質問したのに対し、自民党の議員が修正を要求したのを受け、記者会見で語った。

 1940年に政府・軍部の日中戦争の対応を批判した斎藤隆夫の「反軍演説」が、衆院本会議の議事速記録から削除されたことを引き合いに出したものだ。

 反軍演説は3分の2が議長職権で削除された。演説が原因で斎藤は衆院議員を除名。その後、各政党は解党し、大政翼賛会を結成した。長妻氏は「野党が大声を上げ国民に問題点を説明しないと、自由の範囲が狭くなり、戻れない地点まで行きかねない」とも語った。(奈良部健)



2015年4月24日
⑥ 3閣僚が靖国参拝
   高市・山谷・有村氏
   http://digital.asahi.com/articles/DA3S11721286.html

 高市早苗総務相は23日午後、春季例大祭が行われている東京・九段北の靖国神社に参拝した。この日午前には、山谷えり子拉致問題担当相と有村治子女性活躍相も参拝した。

 高市氏は国務大臣として署名し、玉串料(初穂料)は私費から出したと説明。A級戦犯が合祀(ごうし)されている靖国神社への閣僚らの参拝には、中韓両国などから批判も出ている。参拝後、高市氏は記者団に、「国家のために命を捧げられた方を追悼することについて、外交問題であるべき性質のものではない」と述べた。

     ◇

 中国外務省の洪磊副報道局長は23日の定例会見で、山谷えり子拉致問題担当相ら閣僚が靖国神社に参拝したことを受け、「歴史に対する間違った態度を表すものであり、断固反対する」と批判した。(北京)



2015年4月24 (社説余滴)
⑦ 指から漏れる白砂のように
   恵村順一郎
   http://digital.asahi.com/articles/DA3S11721232.html

 目に映る話は大きくないかもしれない。けれど、その底流にこそ目を凝らしたい。

 自民党がテレビ朝日とNHKの幹部を呼び出したこと。

 福島瑞穂参院議員の「戦争法案」との国会発言に、自民党が修正を求めたこと。

 7年前、89歳で亡くなった評論家、加藤周一の言葉を思い出す。

 ――二・二六事件以後真珠湾までの東京。日常の生活に大きな変化はなかった。衣食は足り、電車は動き、六大学野球のリーグ戦もあった。

 「その背景の見えないところで、どういう圧力や取引や『自己規制』が言論機関に作用していたかは、当時の私には知る由もなかった。しかし報道言論の表面にあらわれた変化、一見おだやかな、なしくずしの変化に、特定の方向のあることだけは、私にも見誤りようがなかった」

 もちろん戦前と今は違う。

 大日本帝国憲法が「法律の範囲内」でしか認めなかった言論の自由は今、日本国憲法によって保障されている。

 戦争の宣伝に加担した戦時の放送への反省から、「放送の自律」を保障した放送法もある。

 ただ、私たちの言論の自由は、私たち自身が勝ち得たとばかりは言えない。

 「戦後の革命的な空気のなかで、上から与えられたもので、水が海綿をつたってゆくように下からのぼっていったものとはいい難い」

 1956年、当時の朝日新聞論説主幹、笠信太郎が記した言葉だ。

 私たちの言論の自由に命を与えるには、報道機関も、政治権力も、細心の注意とたゆまぬ努力が欠かせない。

 報道機関に求められるのは圧力に屈せず、事実に厳密な姿勢を貫くことだ。

 権力に求められるのは「放送の自律」を踏み越えない自制であり、福島氏の発言について言えば異なる意見を尊重する態度だ。

 そしてひとりひとりの国民には、報道機関と権力を厳しく見張っていただきたい。

 異論や批判を排除せず、むしろ敬意を示す。そんな多様性ある社会こそが、健全な民主主義を育むことができる。

 「真珠湾まで」を振り返る加藤の言葉に返りたい。

 「言論の自由は、そしてあらゆる批判精神は、指の間から漏れる白砂のように、静かに、音もなく、しかし確実に、失われつつあったのである。その結果がどこへ行き着いたかは、いうまでもない」 (えむらじゅんいちろう 政治社説担当)



2015年4月24日 (インタビュー)
⑧ 教科書検定「密室」の内側
   検定調査審議会の前歴史小委員長・上山和雄さん
   http://digital.asahi.com/articles/DA3S11721215.html

 中学校の教科書の検定や編集でルールが変わり、領土問題や近現代史の記述をめぐって政府の立場が一層強調される結果になった。「密室での議論だ」との批判もあがる検定の実際と、あるべき姿とは。文部科学省・教科用図書検定調査審議会の歴史小委員会委員長を務め、3月に退任した上山和雄・国学院大学教授に聞いた。

 ――今回の検定から、社会科では政府見解がある場合は、それに基づいて書くよう求めることになりました。歴史小委員会では、どんな議論があったのですか。

 「政府見解の記述を求めたのは東京裁判に関して2社、旧日本軍の慰安婦の問題で1社にです。東京裁判の方は『日本人から、自分たちが学んできた歴史への誇りと信頼を失わせました』などの記述が問題になり、私を含む何人かが批判しました。『歴史研究のイロハを踏まえてない』『教科書としてのバランスが崩れている』と」

 ――具体的に言うと?

 「戦勝国の行為を裁かなかったことや、平和に対する罪を過去にさかのぼって適用したことの不当性など東京裁判の問題点ばかりを取り上げ、民主化や戦後改革がなぜ必要になったかなどを十分記述していなかった点です。その後、日本政府も判決を受け入れたことを加えてもらうなどしました」

 「教科書には、守るべき最低ラインがあると思うんです。戦後の日本は、太平洋戦争を引き起こした仕組みの否定、つまり東京裁判を受け入れ、民主化を進めるところから出発したわけです。これは政府見解というより国民の共通認識でしょう。そこを否定するのは戦後の日本を否定するものと言わざるを得ません」

 ――検定基準の変更が審議会で了承された2013年12月当時、上山さんは変更に反対でした。

 「政権交代で政府の見解が変わり、教科書の記述がころころ変わるとまずいでしょう。近現代史で通説的な見解がない数字などを書く場合は、それを明示することにもなりましたが、通説とは何かを判断するのも難しい。通説ではないとして審議会が訂正や削除を求めても、納得しない教科書会社や執筆者から裁判を起こされたら勝てないかもしれない」

 ――しかし東京裁判のケースでは、政府見解を載せたことでバランスがとれた面もあるのでは?

 「政府の立場を書くこと自体は悪いことではないと思う。ただ、基準にまですると危うさをはらみます。検定基準の変更ではありませんが、学習指導要領の解説が昨年改訂され、領土問題で竹島と尖閣諸島の記述が社会科の全20冊に入りました。各社とも『日本固有の領土』『竹島は韓国に不法に占拠されている』などと、とってつけたように書きましたが、韓国と中国の見解を載せた会社はない」

 「一つの問題には二つ、三つの見方があると教えるのが教育でしょう。領土問題でいえば、外交や政治で解決できないテーマで、教育を通じて政府の立場を刷り込もうとしていると心配しています」

 ――全体を振り返ると。

 「検定が厳格になったとは思ってません。むしろストライクゾーンが広がったと感じます。日本のいいところばかり書こうとする『自由社』と、歴史の具体的な場面から書き起こす新しいスタイルですが、学習指導要領の枠に沿っていない『学び舎(しゃ)』。この2冊とも、いったん不合格になりながら結局、合格したのですから」

 ――なぜ、合格に。

 「不合格後に出てきた本は政府見解などを加えていたので、事前にチェックする文科省の教科書調査官の案は、両方とも『○』になっていました。自由社の方は、これまでも同じ論調の別の教科書を合格にしているので、『×』にすると継続性の点で問題がある。では、もう1社の学び舎を『×』にするかですが、基準を一方に緩く、一方に厳しくするのはまずい。結果として間口が広くなったと感じています」

     ■     ■

 ――そもそも検定作業は、どのように行っているのですか。

 「検定結果が決まる前年の春、教科書会社は文科省に検定を申請します。まず数人の教科書調査官が調べて、各教科書に対する検定意見の案をつくる。調査官は、大学院を出た、大学の教員レベルの文科省職員です。その後、各委員に会社の名前が伏せられ、番号だけふられた白い表紙の教科書、いわゆる白表紙本が段ボールで、どんと届く。夏休み中これを読み、秋の審議会に臨むのです」

 ――審議会は非公開。どんな様子ですか。

 「教科別に分かれ、歴史の場合は朝から夕方まで文科省の会議室に缶詰めです。それを何日か重ねます。調査官が作っておいた意見の案がその場で配られ、問題箇所について1件ずつ調査官の説明を聞いて順に判断していきます」

 「委員たちは結構発言してるんですよ。ですが、調査官から『それはまだ一般的ではないのでは』『中学生にそこまで必要でしょうか』などと言われると、調査官の案がそのまま通ることが多い」

 ――委員は大学教授らプロが多いのに、反論しないのですか。

 「見方が分かれて問題になる箇所も、専門外だと詳しいことはわからない。結果として調査官の説明で判断することになる。いくつかの問題に限れば、調べて見解を持ち寄って議論できますけど。委員に与える情報を制限し、時間をあまりかけずに終わらせる。文科省の作戦かもしれない」

 「今回も関東大震災の際の朝鮮人虐殺で犠牲者を『数千人』と書いた教科書があったのですが、調査官が、通説のないことがわかるように意見をつけたいと言いました。例えば『おびただしい数』など幅を持った表現でどうかと。委員からは、それ以上意見が出ませんでした」

     ■     ■

 ――委員退任のあいさつで検定の公開を提案したと聞きました。

 「議論の内容をもっと出せ、もっと公にしろ。これに尽きます。検定意見は公開されますが、実質的な議論の場である部会や小委員会は、結論だけ書かれた議事要旨が公表されるだけ。私は会自体を公開すればいいと思っていますが、せめて議論の内容や経過を議事録として残し、検定結果の発表直後に公表すべきです。それによって議論が広がり、教育委員会の教科書採択にも役立つようになると思うんです」

 ――自由な意見交換が制約されるなどと文科省は言います。

 「教科書は教育を受ける権利を保障すると同時に、国家が国民を統合するという意味も持ち、国が無償で配る公共財です。審議会は社会に対し、それぞれの教科書のいいところも悪いところもわかるようにする責任があります」

 「検定意見の原案は調査官が書き、審議会でもだいたい認められる。国の多くの審議会と同様、行政の隠れみの的なものになっています。実質的な議論が行われるようにするためには、各委員が教科書をしっかり検討できる仕組みをつくったうえで、審議会を透明化することが必要です」

     ■     ■

 ――近現代史には南京事件や慰安婦の問題など見解が分かれるテーマもあります。

 「どの問題も共通点がある。被害を受けた側と与えた側とでは、見方が違う点です。沖縄の集団自決でも、軍から手榴弾(しゅりゅうだん)を渡された住民は強制されたと思うが、渡した方は、そう思わない。確定した事実を記したうえで、両者の見方を書くのが原則だと思います」

 「歴史の見方には、いくつかあると思います。お国自慢をする『花のお江戸史観』、その反対の『自虐史観』。もっとも、自虐史観と非難される人々が日本を愛していないわけではない。愛しているからこそ過去の誤りを率直に認め、二度と起きないようにする考えもあるでしょう。三つ目としては戦前の皇国史観のように国民を動員するのを狙うものもある」

 「四つ目は『両論史観』。事実を大切にし、いいことも悪いことも、バランスよく見ていく方法。あまり面白くないかもしれませんが、私はこの史観です」

 ――歴史の教科書は、どうつくっていけばよいと思いますか。

 「教育の最大の目的は、子どもたちがきちんと生きていけるようにすること。一面的な考え方しかできない。近くの国と仲良くできない。そんな人間をつくっていいとは誰も思わないでしょう」

 「歴史教科書は、国民共通の歴史認識の土台となるものです。だからこそ、その土台をどうつくっていけばいいのか、検定の過程をオープンにして議論を深めることが必要です。審議会の委員も、教科書の執筆者も、教科書を選ぶ教育委員も、そして住民も」

     *

 うえやまかずお 46年生まれ。専門は日本近現代史。06~14年度に検定調査審議会委員。著書に「陣笠代議士の研究」「北米における総合商社の活動」。

 ■取材を終えて

 検定で非公開の審議内容を委員が語るのは珍しい。なぜインタビューに応じたのか。上山さんは言う。「議論の中身のわかる記録をと文科省に働きかけたが実らず、委員として説明責任を果たしたかった」。その点で今回の発言は、個人による「審議の透明化」の意味を持つと私は受け止めている。(編集委員・氏岡真弓)



2015年4月24日 (池上彰の新聞ななめ読み)
⑨ テレ朝・NHK聴取 自民こそ放送法違反では
   http://digital.asahi.com/articles/DA3S11721214.html?ref=pcviewpage

 これが欧米の民主主義国で起きたら、どんな騒動になることやら。放送局の放送内容に関して、政権与党が事情聴取のために放送局の幹部を呼び出す。言論の自由・表現の自由に対する権力のあからさまな介入であるとして、政権基盤を揺るがしかねない事件になるはずです。

 テレビ朝日の「報道ステーション」とNHK「クローズアップ現代」で事実ではないことが放送されたとして、自民党が、両局の幹部を呼んで事情聴取しました。

 これについて、新聞各紙は記事で報道すると共に、社説で取り上げました。

 〈放送は自主・自律が原則であり、放送局を萎縮させるような政治介入は控えなければならない〉(毎日4月17日付朝刊)

 〈番組に確かに問題はあった。だからといって、権力が安易に「介入」と受け取られる行為に踏み込むことは許されない〉(朝日4月17日付朝刊)

 〈放送免許の許認可権は、総務省が持っている。意見聴取は、政権側による「圧力」や「介入」との疑念を持たれかねない〉(読売4月18日付朝刊)

 いつもは論調に大きな違いのある新聞各紙が、この問題に関しては、自民党に批判的な立場で歩調を揃(そろ)えています。それだけ重大な問題であるとの認識では共通しているのでしょう。

     *

 朝日新聞は、さらに4日後に再び社説で取り上げました。

 〈番組内容に問題があったことは、両放送局とも認め、視聴者におわびしている。だからといって、その問題を理由に政権党が個別の番組に踏み込むのは、行き過ぎた政治介入というほかない〉(朝日4月21日付朝刊)

 ただ、毎日の社説を読むと、「放送局を萎縮させるような政治介入は控えなければならない」と書いています。では、萎縮させないような政治介入ならいいのか、と突っ込みを入れたくなる文章です。

 そもそも政治介入はいけないはず。だったら、「政治介入は控えなければならない」と書くべきだったのではないでしょうか。いや、「控えなければならない」とは、妙に微温的です。「政治介入は許されない」と、なぜ書けなかったのでしょうか。まさか萎縮なんか、していませんよね?

 読売は、「疑念を持たれかねない」という批判。「持たれかねない」という文章には、「本当はそうではないけれど」という文意が垣間見えます。これも微温的ですが、それでも読売の場合は、この文章の前に「政権与党がテレビ局幹部を呼び出すのは、行き過ぎではないのか」と、キッパリ批判しています。

 朝日新聞は、2度目の社説で、「行き過ぎた政治介入」と断じています。態度が明確です。

     *

 では、なぜ自民党の行動は問題なのか。自民党が呼び出した理由は、放送法に違反した疑いがあるから。放送法の第4条第3項に「報道は事実をまげないですること」とあるからです。

 しかし、実は放送法は、権力の介入を防ぐための法律なのです。

 放送法の目的は第1条に書かれ、第2項は次のようになっています。「放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによって、放送による表現の自由を確保すること」

 つまり、「表現の自由」を確保するためのもの。放送局が自らを律することで、権力の介入を防ぐ仕組みなのです。

 この点に関しては、さらに第3条に明確化されています。「放送番組は、法律に定める権限に基づく場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない」

 戦前の日本放送協会が権力の宣伝機関になっていたことへの反省を踏まえ、放送局が権力から独立したものになるような仕掛けにしたのです。これが放送法です。

 自民党には、「法律に定める権限」がありませんから、放送局に対して干渉することはできないのです。その意味では、自民党の事情聴取こそが放送法違反になりかねない行為だったのです。

 ◆東京本社発行の最終版を基にしています。



2015年4月24日
⑩ 慰安婦問題、提言を確認 日韓の団体シンポ
   http://digital.asahi.com/articles/DA3S11721302.html

 日韓の元慰安婦支援団体が23日、国会内でシンポジウムを開き、慰安婦問題をめぐる(1)事実認定(2)公式謝罪(3)賠償の3点を軸とする提言を改めて確認した。韓国挺身(ていしん)隊問題対策協議会(挺対協)の尹美香(ユンミヒャン)・常任代表は提言について「まさに私たちが求める解決」と述べた。

 提言は、8カ国・地域の元慰安婦支援団体が昨年6月、東京で開いた「日本軍『慰安婦』問題アジア連帯会議」でまとめられ、内閣府に提出された。日韓両国政府は今年に入って局長級協議を重ね、慰安婦問題解決の具体案を模索してきた。韓国世論に強い影響力を持つ挺対協が提言を改めて確認したことで、今後の日韓協議に影響を及ぼす可能性もある。

 提言は、1993年の河野洋平官房長官談話(河野談話)を継承・発展させ、旧日本軍が軍の施設として慰安所を設置・管理したことなどを認めるよう日本政府に求めている。そのうえで公式謝罪と、謝罪の証しとして賠償を求めている。

 シンポには、元慰安婦への「償い事業」を手がけた「女性のためのアジア平和国民基金(アジア女性基金)」元専務理事の和田春樹・東京大名誉教授も参加した。「今回の提言は解決案に近い。安倍晋三首相は朴槿恵(パククネ)大統領と会う機会に、慰安婦問題の解決を呼びかけてほしい」と述べた。(編集委員・北野隆一)



2015年4月24日
⑪ 下村氏に対する告発受理 政治資金問題
   http://digital.asahi.com/articles/DA3S11721323.html

 下村博文・文部科学相を支援する任意団体「博友会」をめぐる政治資金問題で、東京地検特捜部は23日、下村氏や団体役員らに対する政治資金規正法違反容疑での告発を受理した。

告発した市民団体「政治資金オンブズマン」共同代表の上脇博之・神戸学院大教授が、明らかにした。



今日は9:00から氏神様の草刈清掃作業をした。