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折々の記 2015 ③
【心に浮かぶよしなしごと】

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  04 30 安倍首相米議会で演説 その二   

 04 30 (木) 安倍首相米議会で演説 その二    

関連する報道内容

          ① 安倍首相、米議会で演説
          ② 演説の全文〈日本語〉
          ③ (社説)
          ④ (社説)
          ⑤ (時時刻刻)日米の和解強調
          ⑥ 3面=同盟アピール
          ⑦ 4面=Q.米議会両院会議で演説、なぜ実現?
          ⑧ 7面=TPP、迫る時間切れ 日米首脳、妥結へ協力一致
          ⑨ 歴代首相演説、にじむ日米関係
          ⑩ 首相「辺野古、揺るがぬ」 オバマ氏「負担軽減に協力」
          ⑪ 「戦争巻き込まれる」はレッテル貼り 安倍首相、日米共同会見でも持論
          ⑫ 日米首脳共同会見の要旨




2015年4月30日05時00分
⑦ Q.米議会両院会議で演説、なぜ実現?
    歴史発言含め安倍首相に関心
      http://digital.asahi.com/articles/DA3S11731499.html

 Q 安倍晋三首相が米議会の上下両院合同会議で演説したね。

 A 池田勇人首相や岸信介首相が米議会で演説をしたけれど、上院か下院のいずれか一方でのことだった。上下両院の議員が集う「合同会議」での演説は、日本の首相として初めてだ。

 Q 意外だね。演説をするための基準があるの?

 A 国の元首が国賓として招かれた場合、米議会としても最上級に位置づけられる合同会議に招待することが多い。日本は首相を元首と定めているわけではなく、厳密な意味で国賓ではない。ただ、合同会議への招待に明確な基準があるわけではなく、国家元首ではない英国の首相なども招かれているよ。

 Q これまでどんな国のリーダーが合同会議で演説したの?

 A 最多はイスラエルで8回。英国は首相が7回のほかに、エリザベス女王も1度演説した。韓国も過去6回、大統領が演説した。英国のチャーチル首相やイスラエルのネタニヤフ首相は、4回ずつ演説したよ。

 Q なぜ今回、日本の首相による演説が実現したんだろう?

 A いろいろな要因がある。安倍政権は小泉政権以来の安定政権とみられていて、首相が出すメッセージへの関心は低くない。今回は安倍首相の滞在期間も長く、議会も開会中だ。過去にも中曽根康弘首相や小泉純一郎首相が演説を模索したが、貿易摩擦や靖国神社参拝などが障害になってできなかったと言われている。

 Q 米国内では、首相の歴史認識を懸念する声もあるんでしょ?

 A 米議員の一部は明確な謝罪が必要と訴え、韓国系の団体などが首相の演説に反対している。安倍首相の歴史認識を「歴史修正主義」と批判する人もいる。安倍首相は、1941年に真珠湾攻撃を受け、当時のルーズベルト大統領が日本への戦争を宣言したのと同じ演壇に立ったんだ。そこで、戦後70年の節目に、安倍首相がどんなメッセージを発信するのか、注目されていたんだ。(ワシントン=佐藤武嗣)



2015年4月30日
⑧ TPP、迫る時間切れ 日米首脳、妥結へ協力一致
     http://digital.asahi.com/articles/DA3S11731514.html

 環太平洋経済連携協定(TPP)交渉で、日米首脳が早期妥結に向けて協力することで一致した。日米が国内事情を乗り越えて、アジアの巨大な貿易圏をつくれるのか。来年の米大統領選を前に「時間切れ」が迫りつつあり、交渉は正念場を迎える。

 「日米交渉は出口がすぐそこに見えている。米国と日本のリーダーシップでTPPを一緒に成し遂げましょう」。安倍晋三首相は29日、米議会での演説でそう語りかけた。

 日米は、TPP交渉参加12カ国の経済規模の約8割を占める。全体交渉に先駆けて日米間で合意できるかが、重要とされてきた。しかし、甘利明TPP相と米通商代表部(USTR)のフロマン代表が4月に夜を徹して協議しても、難航する農産品や自動車分野で折り合えなかった。

 それだけに、今回は日米両政府とも、首脳会談の数日前から「最終合意の発表はない」と、期待感を下げた。米戦略国際問題研究所(CSIS)のマイケル・グリーン副所長らは28日、「日米は今後数週間、全体交渉の早期合意に向け、他の10カ国への説得を加速させるだろう」と指摘した。

 今後、合意へとカギを握るのが、米議会が大統領に貿易交渉を一任する「貿易促進権限(TPA)」法案のゆくえだ。米議会の「お墨付き」ともいえるこの権限を米政府が持たないため、日本などの参加国は合意に二の足を踏んでいる。

 来年の米大統領選が本格化するこの夏を過ぎると、米議会での与野党の協力は難しくなる。米政権は5月中旬にも法案を可決させ、TPP全体の早期合意につなげたい考えだ。

 だが、オバマ政権の与党・民主党内では、雇用への影響の懸念などから、下院を中心にTPPに反対の声が強まっている。(ワシントン=五十嵐大介)

 ■日米が描くTPP交渉のシナリオ

 <5月中旬>
        米議会、貿易促進権限(TPA)法案を可決

 <下旬>
        日米の二国間で合意
        参加12カ国による閣僚会合→全体交渉で合意



2015年4月30日05時00分
⑨ 歴代首相演説、にじむ日米関係
     http://digital.asahi.com/articles/DA3S11731503.html

 安倍晋三首相が日本の総理大臣として4人目、54年ぶりに米議会での演説に臨んだ。上下両院合同会議では初めてだ。演説の文言からは、その時々の日米両国の関係性が透けて見える。

 「日米同盟は、深い信頼と友情に結ばれた同盟だ」

 安倍首相は米議会の演説で、日米両国の友好関係を強調。27日に合意した「日米防衛協力のための指針(ガイドライン)」にも触れ、「真に歴史的な文書に合意した」と述べた。

 ■54年 「親善」を強調

 この「日米防衛協力」の中核を担う自衛隊が発足した1954年、米議会で日本の首相が初めて演説をした。ニクソン副大統領に「自由世界の偉大な指導者の一人」と紹介された、吉田茂首相だ。

 吉田氏は「(米国)訪問によって得られた多くの楽しい思い出をもって帰国する」とあいさつ。戦後10年目での訪米の目的「親善」の成功を強調した。

 3年後の57年6月。安倍首相の祖父・岸信介首相は内閣発足から4カ月後に訪米し、演説をした。

 「米国との連携こそ最も重要」「世界各地で緊張が存続する現状では、日米両国の友好関係、協力のきずなは、いよいよ強固なものでなければならない」

 岸氏が強調した日米の連携は、半世紀以上後の安倍首相演説と重なる。

 ■61年 成長経て自信

 岸首相の後に就任した池田勇人首相は61年に米議会上下両院でそれぞれに登壇した。「所得倍増計画」を打ち出した池田氏は、議会演説でも大半を経済政策の取り組みにあてた。

 訪米について「援助の要請にきたのではない」と断言。「経済成長にともない、ようやく我が国も自由世界の共同の事業において、より多くの貢献を果たしうるようになったことを申し上げることを喜ぶものだ」と述べた。戦後の日本経済が、米国と肩を並べつつあると自信を見せた。

 今回、初の合同会議演説が実現した理由に、菅義偉官房長官は「戦後70年間、わが国が歩んできた基本的人権、民主主義、平和、法の支配が世界から高く評価された」ことを挙げた。(藤原慎一)

 ■57年 岸信介首相(当時)の演説要旨

 1957年6月20日、岸信介首相(当時)が、米上院で行った演説の要旨は以下の通り。

     ◇

 今日、日本は真に、民意に立脚した強固な政治の基礎を築くため、誇りと固い決意を持って邁進(まいしん)している。

 我々が自由世界の側にくみしているのは、自由、正義、平等という民主主義の原則によらざるかぎり、真の平和もなく、真の安全もなく、また真の進歩も幸福もありえない、と信ずるからである。我々の自由世界との関係において、米国との提携こそ最も重要なものである。我々は終戦以来、わが経済の混乱を回復するための米国から受けた援助に対して、感謝している。世界各地で緊張が存続する現状では、日米両国の友好関係、相互の尊敬と信頼、さらに両国間の協力のきずなは、いよいよ強固なものでなければならない。

 私はアイゼンハワー大統領との会談を通じて、強固にして恒久的な日米両国間の協力関係が生まれるものと信じている。



2015年4月30日05時00分
⑩ 首相「辺野古、揺るがぬ」 オバマ氏「負担軽減に協力」
     http://digital.asahi.com/articles/DA3S11731506.html

 28日の日米首脳会談で、安倍晋三首相は普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の同県名護市辺野古への移設を進める考えを改めて強調した。辺野古移設に反対する沖縄県の翁長雄志(おながたけし)知事は、首相発言に反発している。

 日本側の説明によると、首脳会談で安倍首相は、翁長知事が辺野古移設に反対しているとオバマ大統領に伝えた。翁長知事は首相訪米に先立つ17日に首相と会談し、こうした考えを米側に伝えるよう求めていた。

 首相はそのうえで、「辺野古移設が唯一の解決策との立場は揺るぎない。沖縄の理解を得るべく対話を継続する」との考えを表明。「国民の支持を得るために協力してもらいたい」とオバマ氏に要望した。オバマ氏は「沖縄の負担軽減については引き続き協力をしていく」と応じた。

 首脳会談に続く共同記者会見で、安倍首相は「普天間飛行場の危険性を辺野古移設によって一日も早く除去する。沖縄の基地負担の軽減を、日米の強い信頼関係のもとで進めていく」と表明した。一方、オバマ氏は「新たなガイドラインは地域への基地の影響を縮小するための、沖縄を含む米軍再編を補完するものだ」と述べたが、約1時間の会見で「普天間」の名前を一度も言わなかった。

 ■沖縄知事「首相の固定観念」

 翁長知事は29日の記者会見で、「多くの国民が反対するなかで首相のかたくなな固定観念が示されたことは残念だ」と首相の発言を批判。「政府が地元の理解を得ることなく辺野古に新基地を建設することは不可能だ」と述べた。

 5月下旬にも訪米する意向を示したうえで、「沖縄の実情がわからない場合、日米安保体制や日米同盟に困難が立ちはだかることを伝えたい」と語った。(笹川翔平、山岸一生)



2015年4月30日05時00分
⑪ 「戦争巻き込まれる」はレッテル貼り 安倍首相、日米共同会見でも持論
     http://digital.asahi.com/articles/DA3S11731507.html

 安倍晋三首相は28日昼の日米共同記者会見で、集団的自衛権の行使容認を含む安全保障法制をめぐり、「『戦争に巻き込まれる』といったレッテル貼り的な議論が日本で行われることは大変残念」と改めて持論を展開した。

 首相は1960年に日米安全保障条約を改定した際も同じように批判されたが、同条約によって「日本の安全は守られ」たとし、「批判が全くの間違いであった」と強調した。

 昨年7月、集団的自衛権の行使を認める閣議決定をした際も、首相は記者会見で「外国を守るために日本が戦争に巻き込まれるという誤解がある。そのようなことはありえない」と主張。さらに今年3月の防衛大学校の卒業式では、「ただ不安をあおろうとする無責任な言説」「荒唐無稽な批判」と発言していた。(藤原慎一)



2015年4月30日05時00分
⑫ 日米首脳共同会見の要旨
     http://digital.asahi.com/articles/DA3S11731504.html

 米ワシントンで28日(日本時間29日)にあった、安倍晋三首相とオバマ米大統領による共同記者会見の要旨は次の通り。

 【日米同盟】

 オバマ大統領 我々は安全保障、人間の尊厳に関して団結する地球規模のパートナーだ。

 日米安全保障条約第5条は、尖閣諸島も含めて日本が統治する全地域を対象としているものだと重ねて言いたい。

 安倍晋三首相 今回のガイドラインと安全保障法制について、「戦争に巻き込まれる」といったレッテル貼り的な議論が、日本で行われていることは大変残念だ。

 【米軍再編】

 首相 普天間飛行場の危険性を辺野古移設によって一日も早く除去する。

 【慰安婦】

 首相 慰安婦問題は、人身売買の犠牲となって筆舌に尽くしがたい、つらい思いをした方々のことを思い、非常に心が痛む。河野談話を継承し、見直す考えはない。

 【TPP】

 オバマ氏 安倍首相は私と同じように、これを成し遂げることを強く決意している。

 首相 アジア太平洋地域に、新たなルールを作り上げていくことは、地域の安定に資する戦略的意義を有する。

 【アジアインフラ投資銀行(AIIB)】

 首相 日本はAIIBに参加するという決定は、まだしていないが、まず、公正なガバナンスが必要だ。

 オバマ氏 我々はAIIBそのものに反対したり、他国の参加に反対したりしているわけではない。

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