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折々の記 2016 ③
【心に浮かぶよしなしごと】
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【 04 】03/25
03 25 春がきた 桜のころの同級会
03 25 これがカラダの新常識 若さと美の秘密
03 29 安全保障法制の施行 (朝日) 社説 & 永遠平和と安保法
03 25 (金) 春がきた 桜のころの同級会
若いときは九人いたが、今年九十歳になる二人と八十八歳になる一人、あわせて三人の同級会となった。 恒例の弥生で4月11日 11:30 に集まる手配になっている。
年齢相応の老境になってきているが、それだけに語る中身に味がある。 海千山千という猛々しいことではなしに、枯淡山月を友にしたいと思う老人の集まりである。 齢をかさねるとそうなってくるものです。
記録のため
1 松村商店より、ソーラー湯沸かしボイラーのモーター(1万9千円)購入取り付け 2 噴霧発電機発火修理済み受け取り
3 中古耕耘畦立機購入 農協機械修理部、下沢さんより購入(10万円)試運転
03 25 (金) これがカラダの新常識 若さと美の秘密
家族の健康は、和の源でありすべての基盤になります。
殊に高齢者は家族に迷惑のかからないように気を付けている。 その中で一番気を付けたいのは病気にかからないこととボケないことです。
次のサイトはそうした意味で取り上げて気を付けていきたいのです。
これがカラダの新常識 若さと美のヒミツ 検索
① 痩せ菌を増やせ!
② 秘密は腸と血管&睡眠にあった!
ひよこのブログ
① 痩せ菌を増やせ!(腸内細菌・毛細血管・快眠)
http://hiyokonoitoko.hatenablog.jp/entry/2016/03/23/200913
目次
*【ダイエットの新常識】 ◦【胃のヒミツについて】 ◦【痩せ菌のパワー】
◦【痩せ菌を増やすためには、正しいエサが必要!】 ◦【痩せ菌の大好物】
◦【水溶性食物繊維が多く含む食材】 ◦【腸には筋トレで若さアップ!】
◦【健腸料理!刺身とわかめをシソやエゴマで巻く!】◦【縄文式!ネバネバあえ料理】
*【美肌の新常識!】 ◦【恐怖!毛細血管が消える・・?!】◦【美肌ケアのターゲットは「壁細胞!」】
◦おすすめ食品『ピーヤシオ』
*【血管美人3大食品】 ◦【血流改善!こまめな運動が秘訣】◦【動脈マッサージポイント!】
◦【ほうれい線マッサージポイント】
*【快眠の新常識】 ◦【よい睡眠=腸美人】◦【快眠が脳をデトックス?!】
【ダイエットの新常識】
【胃のヒミツについて】
一日7千キロカロリー(とんかつ15枚分)食べても太らない152cm42㎏の女性。 普通の女性の3,5日分になるそうです!
こんなに食べても痩せているそのヒミツとは・・ 専門家によると、腸内細菌が関係している!
100兆あまり腸内細菌がありますが中には痩せる菌が2ついます。
ビフィズス菌・バクテロイデス (=痩せ菌)!!
日本人の平均に対して、この女性の割合を見ると痩せ菌が人よりも多いことが分かりました。
【痩せ菌のパワー】
マウスで実験。 片方に、痩せ菌を含んだエサを二週間与えたら通常のエサを与えるよりも痩せていました。
重要なのが腸内細菌が作る天然の薬である 短鎖脂肪酸。
短鎖脂肪酸があると脂肪の取り込みをブロック。 肥満を防いでくれる!
【痩せ菌を増やすためには、正しいエサが必要!】
一つ目は『らっきょう』
二つ目は『オートミール えん麦』
【痩せ菌の大好物】
食物繊維!中でも、水溶性です。 短鎖脂肪酸を作りやすい。
【水溶性食物繊維が多く含む食材】
切り干し大根・ひじき・のり・ごぼう・納豆 先ほどの、オート-ミール・らっきょうなど
【腸には筋トレで若さアップ!】
腸には筋トレで『美腸』に
小腸:栄養を取り入れる 8メートルあり、消費エネルギーは25%も増加!
腸の筋肉の鍛える方法は
『消化の悪い物を食べるのがおすすめ!』
頑張って動き、筋肉が強まり粘膜にも良いホルモンも出やすくなる 腸内細菌にも◎
【健腸料理!刺身とわかめをシソやエゴマで巻く!】
先生おすすめは刺身とわかめ。 塩とごま油だけでいただきます。
【縄文式!ネバネバあえ料理】
もずく いくら 山芋 なめこ など和えたもの。 ※なめこは湯通し
DHEA成分が含まれているこの2品は女性ホルモン男性ホルモンの元になる成分なので滋養強壮にオススメ!
【美肌の新常識!】
シワから薄毛まで毛細血管が大事、血管の流れが悪くなると髪の毛にも影響が出てしまう
【恐怖!毛細血管が消える・・?!】
毛細血管も年齢と共に減ることが分かった。 次第にゴースト化してしまうことで酸素なども通りにくくなる。
【年齢別、毛細血管】
30代:血液がスムーズ 40代:形が歪み、劣化が始まる 60代:一部がゴースト化。 4割が消滅してしまうそうです。
【美肌ケアのターゲットは「壁細胞!」】
毛細血管を保護するように周りを覆っている壁細胞が重要なんです。
40代をさかいに、どんどん剥がれてしまう。 およそ、3割も!
栄養が過剰に漏れて隅々までいかなくなってしまう。
繊維芽細胞に届かなくなるとコラーゲンを作る能力が失われていき、シワの原因になってしまうそうです。
大事なのはTIE2という接着剤の役割を持つのを強化すること! 繊維芽細胞からアイジオポエチン2の成分が出ておりこの成分は接着剤をより強化してくれる。
おすすめ食品『ピーヤシオ』 別名「ヒハツ」とも呼ばれる。 石垣島のヒハツは沖縄特産の香辛料。 ぴりっとしている。こしょうの一種。
【血管美人3大食品】
ヒハツ(ピーアシオ)・シナモン・ルイボスティー
接着剤を強化するアイジオポエチンを活性化! 血管の壁を強くしてくれるのです。
【血流改善!こまめな運動が秘訣】
血流をよくすることが若くする秘訣。 腸にとっても血流が大事!
さらにおすすめ静脈マッサージのやり方 静脈に沿って心臓に戻して上げる。
【動脈マッサージポイント!】
心臓に対して遠い方から近い方へ。 やや強めになでる入浴中が効果的!
リンパを綺麗に流すことが大事!
【ほうれい線マッサージポイント】
①耳の後ろをマッサージ
②首から鎖骨へのマッサージ
③耳の周りをマッサージする
耳を潰してマッサージをすると顔が温かくなり血流がよくなり、頭皮もマッサージするとさらに効果あり★
【快眠の新常識】
寝入り直後の3時間前に成長ホルモンが分泌! 細胞の修復をしたり、良い効果があります。
【よい睡眠=腸美人】
よい睡眠に関わるメラトニンの原料トリプトファンは腸内細菌を作る 腸が健康になれば眠りにも良い!
【快眠が脳をデトックス?!】
睡眠によって老廃物が除去される 実は脳は液体に包まれている=「脳脊髄液」
デトックス効果の主役!デトックス(detox)とは、体内に溜まった毒物を排出させることである。この呼び名は "detoxification"、解毒[1]の短縮形である。つまり、(体内から毒素や老廃物を)取り除くことである。
アルコール依存症や薬物依存症の際に身体から薬物を減少させる治療を解毒(detoxification)と呼び、デトックスと言う場合もある。この場合、離脱症状の管理も必要とされる。
「現代社会を暮らしていく上で、体内に人体に悪影響を及ぼす化学物質(主に重金属や合成化合物、薬物のうち、特に有害なもの)が蓄積され、また自身の体内からも活性酸素などが生成されている」とされている。デトックスとは主に下記の方法で、こういった体内の有毒な物質を排出することを指す。これら有害な物質の多くが脂肪に蓄積されることから、ダイエットと関連付けられることもある。(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%83%88%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9)
最も高いデトックス効果があるのは排便で、なんと全体の約75%、汗の25倍の効果があります。次に尿(約20%)、汗(約3%)、爪・髪(約2%)となっているそうです。(http://wooris.jp/archives/56118)
起きている間に脳には老廃物がたまる、寝ると脳の細胞が縮み、脳脊髄液が流れ込みデトックス効果を発揮します。
老廃物の中にはアミロイドβもあり、溜まるとアルツハイマー病の1つにもなっているので流すことが大事なんです。
はむそに! beauty&health
② 秘密は腸と血管&睡眠
http://hamsonic.net/2016/03/24/post-12408/
この「はむそに」はコピーができません。 ただ、面白いことに、ホームページ<http://hamsonic.net/>を開いて見ると、右側の「NEW POST」「人気のページ」「カテゴリー」の各欄には興味深いタイトルが数多く紹介されています。
この中からお気に入りの項目を選びクリックして印刷し利用できますから、お薦めします。
03 29 (火) 安全保障法制の施行 (朝日) 社説 & 永遠平和と安保法
日本の戦後歴史に大きな汚点を残した、違憲‘安全保障法制’施行の日
(朝日社説)2016年3月29日
安保法、施行
集団的自衛権容認、専守防衛を転換 違憲批判、参院選争点
集団的自衛権を行使できるようにする安全保障関連法が29日、施行された。自衛隊の海外での武力行使や、米軍など他国軍への後方支援を世界中で可能とし、戦後日本が維持してきた「専守防衛」の政策を大きく転換した。民進、共産など野党は集団的自衛権の行使容認を憲法違反と批判。安保法廃止で一致し、夏の参院選の争点に据える。▼2面=違憲の疑念残る、4面=広がる自衛隊活動、16面=社説、17面=永遠平和と安保法、38面=この先も考える
安保法は、昨年9月の通常国会で、自民、公明両党が採決を強行し、成立した。集団的自衛権行使を認める改正武力攻撃事態法など10法を束ねた一括法「平和安全法制整備法」と、自衛隊をいつでも海外に派遣できる恒久法「国際平和支援法」の2本からなる。
戦後の歴代政権は、集団的自衛権行使を認めてこなかった。しかし安保法により、政府が日本の存立が脅かされる明白な危険がある「存立危機事態」と認定すれば、日本が直接武力攻撃されなくても、自衛隊の武力行使が可能になった。
安倍晋三首相は日本の安全保障環境の悪化を挙げて法成立を急いだ。しかし、国連平和維持活動(PKO)での「駆けつけ警護」や平時から米艦船などを守る「武器等防護」をはじめ、同法に基づく自衛隊への新たな任務の付与は、夏以降に先送りする。念頭にあるのは、今夏の参院選だ。世論の反対がなお強いなかで、安保法を具体的に適用すれば、注目を集めて参院選に影響する。そうした事態を避ける狙いがある。
その一方で、安保法を踏まえた日米防衛協力のための指針(ガイドライン)に基づき「同盟調整メカニズム」が始動。自衛隊と米軍の連絡調整は一層緊密化した。今年1月以降の北朝鮮の核実験やミサイル発射を受け、首相は「日米は従来よりも増して緊密に連携して対応できた」と安保法の効果を強調した。自衛隊は今後、部隊行動基準や武器使用規範を改定し、それに従った訓練を行う。
民進党に合流する前の民主、維新両党は2月、安保法の対案として「領域警備法案」などを国会に提出。共産党など他の野党とは「集団的自衛権の行使容認は違憲」との点で一致し、安保法廃止法案も提出している。首相は野党連携に対し、「安全保障に無責任な勢力」と批判を強める。安保法をどう見るかは、今夏の参院選で大きな争点となる。(本田修一)
■安全保障関連法の主な法律
・集団的自衛権の行使を認める改正武力攻撃事態法
・地球規模で米軍などを後方支援できる重要影響事態法
・平時でも米艦防護を可能とする改正自衛隊法
・武器使用基準を緩め、「駆けつけ警護」や「治安維持任務」を可能とする改正PKO協力法
・他国軍の後方支援のために自衛隊をいつでも派遣可能にする国際平和支援法(新法)
(朝日社説)安全保障法制の施行
「違憲」の法制、正す論戦を
新たな安全保障法制がきょう施行された。
昨年9月、多くの市民の不安と反対、そして憲法専門家らの「違憲」批判を押し切って安倍政権が強行成立させた法制が、効力を持つことになる。
11本の法案を2本にまとめた法制には、憲法解釈の変更による集団的自衛権の行使容認、米軍など他国軍への兵站(へいたん)(後方支援)、国連平和維持活動(PKO)の任務拡大など、幅広い自衛隊の海外活動が含まれる。
安倍政権はこれだけ広範な法制を、わずか1会期の国会審議で成立させた。背景に、首相自身が昨年4月に訪米中の議会演説で「(法案を)夏までに成就させる」と約束した対米公約があった、との見方が強い。
法制の成立後、首相は「これから粘り強く説明を行っていきたい」と語ったが、実行されていない。その後の国会審議も十分とは到底言えない。
■投網をかけるように
憲法が権力を縛る立憲主義の危機である。この異常事態を放置することはできない。
幅広い国民の合意を欠く「違憲」法制は正さねばならない。法制の中身を仕分けし、少なくとも違憲の部分は廃止する必要がある。国会、とりわけ野党が果たすべき役割は大きい。
安倍政権は、集団的自衛権の行使容認は限定的で、だから合憲だと説明してきた。
一方で、政府の裁量をできるだけ広く残そうと、「限定」の幅についてあいまいな国会答弁を繰り返してきた。時の政権の判断で、いかようにも解釈できる余地が残されている。
集団的自衛権を容認した眼目は、中国にいかに対抗し、抑止力を高めるかにある。
米軍をアジア太平洋地域に引き留め、そのパワーが相対的に低下しつつある分は、自衛隊の強化や地域諸国との連携によって補う。そんな考え方だ。
米軍との共同行動に支障を来さないよう、投網をかけるように幅広く、海外で自衛隊が動けるようにしておく。有事だけでなく平時から米軍など他国軍との共同訓練や情報共有、装備面での連携が進むことになる。
■9条を対話の基盤に
問題は、そのために自衛隊の海外活動に一定の歯止めをかけてきた「9条の縛り」を緩めてしまったことだ。
2月末、アーミテージ元国務副長官ら日米の有識者らによる日米安全保障研究会が「2030年までの日米同盟」という報告書をまとめた。
日米の対中戦略の共有が不可欠だと強調し、「十分な予算に支えられた軍事力」「アジアやより広い地域で日米の政策、行動を可能ならば統合する」ことを日本に求めた。防衛予算の拡大をはじめ、あらゆる面で日米の一体化をめざす方向だ。
だが、中国との関係に限らず、米国の利益と日本の利益は必ずしも一致しない。
時に誤った戦争に踏み込む米国の強い要請を断れるのか。集団的自衛権の行使について、首相は「(日本が)主体的に判断する」と答弁したが、9条という防波堤が揺らぐ今、本当にできるのか。
留意すべきは、米国自身、中国を警戒しながらも重層的な対話のパイプ作りに腐心していることだ。日本も自らの平和を守るためには、中国との緊密な対話と幅広い協力が欠かせない。
それなのに日本は日米同盟の強化に傾斜し、日中関係の人的基盤は細るばかりだ。中国に近い地理的な特性や歴史の複雑さを思えば、その関係はより微妙なかじ取りが求められる。
米国の軍事行動とは一線を画し、専守防衛を貫くことで軍拡競争を避ける。憲法9条の機能こそ、抑止と対話の均衡を保つための基盤となる。
■問われる国会の役割
夏に参院選がある。衆参同日選の可能性も指摘されている。
そんななか安倍政権は、平時の米艦防護やPKOに派遣する自衛隊の「駆けつけ警護」、米軍への兵站を拡大する日米物品役務相互提供協定(ACSA)改定案の国会提出など、安保法制にもとづく新たな動きを参院選後に先送りしている。
選挙前は「経済」を掲げ、選挙が終われば「安保」にかじを切る。特定秘密保護法も安保法制も同じパターンだった。
政権は今回も、選挙に勝てば一気に進めようとするだろう。
安倍政権は特定秘密保護法、国家安全保障会議(NSC)の創設など、政府への権限を集中させる外交・安保施策を次々と打ち出してきた。
だからこそ、国会のチェック機能が重要なのに、肝心の国会が心もとない。野党が共同で提出した安保法制の廃止法案や対案を審議すらしない現状が、国会の機能不全を物語る。
野党の使命は極めて重い。政党間の選挙協力を着実に進め、市民との連帯を広げる。立憲主義を守り、「違憲」の法制を正す。それは、日本の政治のあり方を問い直す議論でもある。
(インタビュー)編集長 池孝晃 & 寺田俊郎
カントの永遠平和と安保法
聞き手 諸永裕司
敗戦を告げる玉音放送から70年7カ月と14日。月刊「PLAYBOY」など雑誌編集の最前線で大衆と向き合い、18世紀ドイツの哲学者、カントの名著「永遠平和のために」の新訳本を世に送った編集者は何を見てきたのか。今、何を語るのか。戦後の安全保障政策を転換する安保法が施行される29日。その言葉に耳を傾けた。
――9年前に企画・編集した「永遠平和のために」が今、読まれているそうですね。
「カントの著作を、ドイツ文学者の池内紀さんにわかりやすい言葉で抄訳してもらい、2007年に出版しました。以後、絶版のような状態でしたが、安保法案が話題になっていた去年6月に復刊されました。じわじわ売れて3刷になったそうです」
――積極的平和主義を掲げる安倍晋三首相にも、ぜひ読んでほしいですね。
「じつは、お渡ししたんです。復刊直後の7月15日、安保法案が衆院の委員会を通過した夜のことです。池内さんと私、担当編集者の3人で、東京・赤坂のそば屋で食事をしました。周囲には黒塗りの車がとまり、報道陣も集まっていました。店に安倍さんがいたんです。この本は彼にこそ読んでほしいと話していたので、おかみさんを介して差し上げました。こんな偶然って、あるんですね」
――その安保法が施行されます。カントは何と言うでしょう。
「平和への歩みは遅々としているけれども、いつか永遠の平和が実現するのを期待して歩むことが大事なんだ、とカントは言っています。人類の歴史は戦争の歴史だからこそ戦争のない社会を、と理想を掲げたんですね。隣り合った人々が平和に暮らしているのは、人間にとって『自然な状態』ではなく、敵意で脅かされているのが『自然な状態』である。だからこそ、平和状態を根づかせなければならない、と。共通の敵でもない別の国を攻撃するために軍隊を他国に貸すことがあってはならない、とも言っています。まさに集団的自衛権のことでしょう」
――戦後日本の安保政策の転換点になります。
「この70年あまり、僕たちの国は一度も戦争をしなかった。カントが照らした道を世界で最も忠実にたどったのは戦後の日本でしょう。転換点を迎える今、思い浮かぶのはカントのこんな一節です。『たまには、老哲学者の言葉に耳を傾けてはどうか』」
■ ■
――この本を編もうと思い立ったのはどうしてですか。
「03年3月のことです。米国のイラク爆撃の様子をテレビで見ました。映像がすごくリアルで、それはもう驚きでした」
――戦争と平和を論じる本が売れる、という編集者の嗅覚(きゅうかく)が働いた、ということですか。
「最初に思ったのは、あの爆撃の下には普通の人々が暮らしているということです。身がすくむ思いでした。幼い頃、戦地で負傷した叔父が帰ってきて土間に担ぎ込まれた時、近所の人が集まって、ものすごくざわついた雰囲気だったのを覚えています。焼夷(しょうい)弾から逃げて転んだ祖母は腰の骨を折って、寝たきりになった。そんな記憶がいっぱいある。戦争が普通の人々の生活や人生を大きく変えるということは、やはり覚えておかねばなりません」
――そんな経験を……。
「戦争というのは、体験するのとそうでないのとでは全然、違うんですね。60年安保の時、僕は大学生でしたが、運動に参加した同世代も多かれ少なかれ、戦争を体験していました。戦争が終わり、これからは希望を持って、それぞれの道を歩もうという時代でした。けれども、岸信介首相は米国との同盟を強め、平和憲法を変えようと考えていました。だから安保に反対だ、と」
「しかし、70年安保の中心になったのは戦後生まれの団塊の世代です。当時、『戦争を知らない子供たち』という曲がヒットしました。まさに戦争を知らない若者たちの一部が、過激な暴力闘争に突入し、72年に連合赤軍のあさま山荘事件が起きます。警察が鉄球で建物を壊す場面で、どこかのテレビ局がサイモン&ガーファンクルの『明日に架ける橋』を流していたのを覚えています。こんな闘いの先に、どんな夢や希望があるのか、僕にはさっぱり理解できなかった」
――その後、創刊に関わった月刊「PLAYBOY」日本版の読者は「戦争を知らない」若者たちだったのでしょう。
「米国版の翻訳とオリジナルの記事で編集しました。白人女性のヌードグラビアが話題になりましたが、藤原新也さんら当時の若手写真家によるアジアやアフリカの写真紀行、三島由紀夫に関するスクープ記事など政治や社会、文化まで硬派な記事を並べました。エロからサルトルまで、です」
「じつは、日本で若者が立ち上がる日は、もう来ないだろうと思っていました。でも、政治的に挫折しても問題意識を持つ若者の関心に応えたかった。権力に敗れた若い人たちに、世界へ飛び出して目を開いてほしかったのです。75年5月21日に発売された創刊号は、45万8千部がその日の午前中に売り切れました」
――エロと哲学。まさに雑誌という感じがします。
「ところが、80年代に入ると、若い人たちは自分の半径3メートルにしか関心を向けなくなった。政治的闘争なんて、どこにもないのですから、当然かもしれません。ファッション誌やサブカルチャー誌が好まれ、若者は政治や社会を語ることを退屈だと考えるようになったようです。86年、僕は46歳で書籍編集へ移り、好きだった欧州の作家の翻訳書を手がけます。プルーストやジョイスなどです。政治的な闘争に参加するより、本を読んでいたいというクチなので楽しかったですね」
■ ■
――しかし、と。
「僕が若い人たち相手の仕事を離れて、好きなことをしている間に、戦後生まれが7割を超え、戦争体験を持つ政治家も次々に政界を去っていった。自衛隊もイラクに派遣され、長く戦争とは無縁だった日本がそうもいかない感じになってきた。僕は編集者として何をやっていたのか、と考えました。子会社・綜合社での定年も見えはじめたころです。編集者人生の最後の1冊で若い人たちに何かを残したい。そう思った時、手に取ったのがカントの『永遠平和のために』でした。日本の憲法がその精神を受け継いでいる、と聞いたからです」
――自信作ですね。
「難解な書ですが、平易な言葉で若い人に伝えたい。そう考えているうちに、06年に安倍さんが首相になって、憲法改正を堂々と唱えた。戦後生まれの政治家の言葉に、頭を殴られたような気がしました。僕に残された時間は少なかった。カントを早く出したい、と焦る思いでした。刷り上がったのが07年11月、ちょうど定年退職の日です。安倍さんは出版の2カ月前に退陣していましたが」
――返り咲いた安倍首相は、29日に施行される安保法が平和をもたらす、と訴えます。
「カントは行動派の政治家の特徴として『まず実行、そののちに正当化』『過ちとわかれば、自己責任を否定』と述べています。また『力でもって先んじなければ、力でもって先んじられると主張する』という指摘にもハッとさせられます。他国への侵略に絡んでの指摘なので安倍さんとは前提が違いますが、力でという発想は重なるようにも見えます。しかも、こうした主張を受け入れる国民が少なくない。多くの人にとって、僕が体験した戦争はもう、遠い出来事になっているのでしょう」
――夏の参院選では、18歳が選挙権を持ちます。戦争どころか、バブル景気も知らない世代です。
「18歳は、憲法改正の国民投票もできますね。だからこそ、自分の考えを持って政治に参加してほしい。そのために世界にはこんな考えもあるということを知ってほしい。今の日本は、200年前、遠い欧州の哲学者が唱えた『永遠平和のために』という呼びかけに応えているか。自身で考え続けてほしいのです」
*
いけたかあき 1939年生まれ。62年集英社入社。78~82年まで「PLAYBOY」日本版編集長。文芸出版部取締役を経て、綜合社(当時)社長。2007年退職。
■理性とユーモア、本質突く (上智大学教授・寺田俊郎さん)
「永遠平和のために」は、哲学者カントが亡くなる9年前、71歳のときの著作です。
1724年生まれのカントが生きた18世紀は戦争が絶えませんでした。オーストリアがフランス、スペイン、スウェーデン、ロシアと結び、プロイセン、イギリスと戦った七年戦争など、ヨーロッパのほぼすべての国が戦争と関わり、時とともに死者が増えていくような時代でした。カントの言葉を借りれば、平和があるとすれば「墓場の平和」だと思われるような時代です。
この本は、こうした戦乱期を生き抜いた老哲学者が、平和に向けた提案を世に問うたものです。理性によって考える道筋をつくったカント哲学の集大成、思索の結晶と言っていいでしょう。
カントは、今でいう民主主義的な社会と、国籍にとらわれない世界市民の精神が「永遠平和」をもたらす、と訴えました。コスモポリタニズムと呼ばれます。高いモラルに支えられた崇高な理念には「絵空事」といった批判もありますが、きわめて現実的な思考の持ち主でした。
たとえば、世界市民社会を実現するには一気に国境をなくすのではなく、あくまで国民国家をもとにすべきだと考え、国際連合を構想しました。また、紛争解決の手段としての暴力は否定しても、自衛のために武器を取ることは否定しませんでした。
この著作を出したのは、国王が検閲を復活させるなど政治的な圧力がかかる中でのことでした。平和を唱えることはおのずと時の為政者との対決を意味します。それでも、ユーモアや諧謔(かいぎゃく)のオブラートに包みながら、巧みに、鋭く本質を突く言説を展開したのです。
「政治家たちは、哲学者は夢のようなことばかり言う、とバカにしている。だから、私が夢のようなことを言っても目くじらを立てないでもらいたい」と皮肉を込めた言葉も残しています。
「永遠平和のために」は冷戦後の新秩序を模索するなかで、刊行200年となる1995年ごろから、あらためて世界で読み直されています。カントは、理性的な思考力だけでなく、ジャーナリスティックな目と人間への鋭い洞察力を備えていました。だからこそ、その言葉は時を超えても色あせないのだと思います。
(聞き手はいずれも諸永裕司)
*
てらだとしろう 1962年生まれ。専門は哲学。共著に「カントを学ぶ人のために」「世界市民の哲学」など。