折々の記へ
折々の記 2016 ④
【心に浮かぶよしなしごと】

【 01 】04/17~     【 02 】04/25~     【 03 】04/27~
【 04 】05/01~     【 05 】05/02~     【 06 】05/04~
【 07 】05/05~     【 08 】05/05~     【 09 】05/07~

【 08 】05/05

  05 05 安倍内閣上層部の動きは何を物語るのか   振り回されている姿
  


 05 05 (木) 安倍内閣上層部の動きは何を物語るのか     振り回されている姿

与野党ともに50年後を想定した政治理念の骨組みをしっかりつくりあげてほしい。 日米安保の旗のおかげで右往左往し、近隣諸国との信頼関係にも積極的なかかわりを持てずにミットモナイ。

和の合理的論理を確立して、手を携えて強調する国是を国民は求めています。




     今日の新聞での上層部の動き

     安倍首相、メルケル首相と会談 財政出動、協力焦点
           http://digital.asahi.com/articles/DA3S12342578.html
     円高「しっかり対応」 麻生氏、介入辞さぬ主張
           http://digital.asahi.com/articles/DA3S12342579.html
     安保ただ乗り論、高村氏懸念示す トランプ氏発言巡り
           http://digital.asahi.com/articles/DA3S12342580.html
     岸田外相がラオス訪問
           http://digital.asahi.com/articles/DA3S12342576.html



安倍首相、メルケル首相と会談 財政出動、協力焦点

 欧州を訪問中の安倍晋三首相は4日昼(日本時間4日夜)、ドイツのベルリンに到着し、同日夜(同5日未明)、メルケル首相と会談した。今月26、27日の主要7カ国(G7)首脳会議(伊勢志摩サミット)に向け、ドイツから機動的な財政出動への協力をどこまで引き出せるかが焦点だ。

 安倍首相は今回のサミットで、減速する世界経済への対応策として金融政策と財政出動、構造改革の「G7版3本の矢」に一致して取り組む姿勢を打ち出すことを目指している。だが、ドイツは財政規律を重視しており、安易な財政出動の拡大には慎重だ。

 (ベルリン=小野甲太郎)

円高「しっかり対応」 麻生氏、介入辞さぬ主張

 アジア開発銀行の総会に出席している麻生太郎財務相は3日(日本時間4日未明)、ドイツのフランクフルトで記者会見し、円高が進んでいる為替市場について、「一方的で、投機的な動きが強まっていることに憂慮している」と述べた。

 麻生氏は「為替市場における過度な変動や、無秩序な動きは経済に悪影響を与える」とし、「為替市場の動向をこれまで以上に注視し、必要な時はしっかりと対応していく」と強調。円売り介入も辞さないという従来の主張を繰り返した。

 日本銀行の黒田東彦(はるひこ)総裁は同じ会見で、「(為替が)経済や物価の動向にどのような影響を与えるかを十分に注視していく」と発言。そのうえで、「2%の物価安定目標の達成のために必要になれば、ちゅうちょなく量、質、金利の三次元で、追加的な金融緩和措置を講ずる用意がある」と述べた。

 (フランクフルト=奈良部健)

安保ただ乗り論、高村氏懸念示す トランプ氏発言巡り

 自民党の高村正彦副総裁は4日、米大統領選の共和党候補者指名獲得を確実としたトランプ氏をめぐる情勢について、「米国国民に『安保ただ乗り論』的なものが根付いている」と述べた。トランプ氏が日米安保体制への不満を表明していることに懸念を示したものだ。訪問先の北京で記者団の取材に答えた。

 高村氏はトランプ氏の発言を取り上げて「米国は日本を守るのに、日本は米国を守らないのは不公平だ、と。いわゆる『安保ただ乗り論』的なことを言っている」と指摘。その上で、「トランプ氏の発言を支持する米国国民に、『安保ただ乗り論』的なものがしっかり根付いているのは懸念要素だ。そういう国民の一部の意識は、誰が大統領になっても一定の影響を及ぼす」と語った。

 (北京=石松恒)

岸田外相がラオス訪問

 東南アジア歴訪中の岸田文雄外相は4日、ラオスの首都ビエンチャンを訪れ、サルムサイ外相と会談した。岸田氏によると、中国が進出を強める南シナ海問題について、双方は国際法に基づき平和的に解決する重要性で一致した。会談後、記者団に答えた。また、両外相はベトナムからラオス、タイを通り、ミャンマーまでを結ぶ国際道路「東西経済回廊」の改修費用などに、日本が約27億円の無償資金を提供する交換公文に署名した。(ビエンチャン)



【下平記】

「折々の記 2016 ④ 【 08 】05/05~」の“労働力、移民でしのぐ 外国人政策、ドイツは”を参考にすれば、日独の相違がよくわかる。

また、「折々の記 2016 ④ 【 02 】04/25~ 田中宇の国際ニュース解説⑫」をみれば、USAがどんな立場であるかよくわかる。

 欧州では、対米従属を続けたいという考えがいまだに上層部で強いが、草の根の国民は、EUが好戦的な米国に従属した挙句、難民危機やテロ、不必要なロシアとの敵対に巻き込まれていることに反対する傾向を強めている。その象徴の一つが、先日オランダで行われた国民投票でEUとウクライナとの協定への反対が可決されたことだ。米国は、上層部が好戦的な軍産に従属していることに、草の根の市民が反対を強め、その流れでトランプが台頭しているが、欧州も同じ構図で、草の根市民に支持された非主流派の右派と左派が選挙で勝って台頭している。機能的に軍産の一部であるマスコミは、欧州の非主流派を「(危険な)極右・極左」と報じ、主流派(軍産)の好戦策の方が危険でしかも失敗していることを軽視している。 (Dutch referendum on Ukraine treaty will test anti-EU sentiment) (ギリシャから欧州新革命が始まる?) (欧州極右の本質)

 欧州諸国が、米国の要求に応じて軍事費を増やせば、ますます国民の支持を失う。だから欧州は、米国から求められる軍事費増に応じられない。トランプは、それをわかった上で「欧州が軍事増に応じなければ」という、軍産好みの条件をつけてNATO解体論を語っている。「欧州に軍事費を増やさせる方法としてトランプのやり方は使える」と言っている軍産の議員は、実のところトランプと同じ隠れ多極主義(隠れ親露・親中)なのかもしれない。 (ニクソン、レーガン、そしてトランプ)
さらに、「折々の記 2016 ③ 【 09 】04/12~ アベノミクスの岐路」を見れば、黒田総裁に進めさせた無法な金融対策が間違いであることもよくわかる。 いつまでもUSAの匙加減そのままにやっていくのか。

こうした国際間の一連の動きを見ていて、私が注視しているのはドイツです。

ドイツの政治姿勢は根底から学ぶ必要があると思います。 卑近の例で言いますと、メルケルの忠告に耳を貸さない安倍さんの政治思想です。

こころみに、「メルケルの忠告」の語で検索してみました。 検索語として反応するか心配してキイを押してみるとどうでしょう。 次のような結果が出てきました。




メルケルの忠告 google検索
      https://www.google.co.jp/?gws_rd=ssl#q=%E3%83%A1%E3%83%AB%E3%82%B1%E3%83%AB%E3%81%AE%E5%BF%A0%E5%91%8A

   検索結果として、驚くなかれ 0.28秒 で 約 18,800 件 検索されました。 1頁目は次の通り。


① メルケルの忠告 「リットン調査団」を思い出す 安倍首相に「聞く耳」はあるのか
http://blogs.yahoo.co.jp/mochimoma/19860223.html
2015/03/11 - ドイツのメルケル首相が、9日来日して、安倍首相と会談した(10日には、帰国したという)。 これらは、昨日(10日)の『朝日新聞』の報道だ。 メルケル首相は、9日朝に、東京に到着するや、午前中に開催された朝日新聞、財団法人ベルリン日独 ...

② メルケル首相の穏やかな忠告を安倍首相は聞き入れるだろうか …人民網…
j.people.com.cn/n/2015/0310/c94474-8860726.html
2015/03/10 - だがメルケル首相は日本到着当日に自ら歴史問題に言及。第2次大戦後のドイツと被侵略国との和解実現に触れて、戦争の歴史に誠実に向き合うよう日本に促した。(文:蘇暁暉・中国国際問題研究院国際戦略研究所副所長。人民日報海外 ...

③ 日本、反省どころか開き直り…メルケル首相の忠告を聞くどころかドイツ ...
https://www.youtube.com/watch?v=KlBTYcfhgQs
日本、メンケル首相の忠告を無視して逆に批判ww お気に召しましたら下記チャンネルの登録お願い致します。 https://www ...

④ メルケル独首相の忠告を受け入れよ | ちきゅう座
chikyuza.net/archives/51490
2015/03/09 - 池田龍夫:毎日新聞ОB>. ドイツのメルケル首相が3月9日来日。2008年の洞爺湖サミット以来 7年ぶりである。メルケル氏は「訪日は極めて重要だ。我々は価値観を共有している」とビデオメッセージを発表しており、訪日によって先端的な科学 ...

⑤ メルケル首相の忠告に対し、ドイツ教科書の慰安婦記述を ... - 2ちゃんねる
yomogi.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1426263048/l50
2015/03/14 - 日本を訪問したドイツのメルケル首相が和解のために過去を直視せよと忠告しましたが、安倍政 府はこれ見よがしにごり押しするもようです。国際社会の忠告も無視したまま、意地になって歴史 不正を繰り返す安倍政権の動きから和解の意志 ...

⑥ 【慰安婦問題】 日本、反省どころか逆切れ…メルケル首相の忠告に対し ...
yomogi.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1426263048/
2015/03/14 - 日本を訪問したドイツのメルケル首相が和解のために過去を直視せよと忠告しましたが、安倍政 府はこれ見よ ... いわゆる従軍慰安婦問題の解決を求めるような発言をしたとの報道に関し、ドイツ政府から「メルケル首相は過去の問題について

⑦ 国際世論はメルケル首相の日本への忠告を肯定  新華網日本語
jp.xinhuanet.com/2015-03/16/c_134070317.htm
2015/03/16 - 国際世論はメルケル首相の日本への忠告を肯定---ドイツのメルケル首相はこのほど、日本訪問期間に歴史を直視することは「戦後の和解を実現する前提だ」と何度も強調した。

⑧ 日本、反省どころか開き直り …メルケル首相の忠告を聞く …
gensen2ch.com/archives/24646512.html
2015/03/14 - <アンカー>最近、訪日したドイツのメルケル首相が日本の過去の歴史態度を批判しましたが、日本が反省どころか開き直りました。ドイツ教科書に書かれた慰安婦部分について、文句をつけたのです。東京からチェ・ソンホ特派員です。

⑨ 安倍首相への「忠告」に注目 : メルケル首相の日本訪問、ドイツメディアは ...
matome.naver.jp/odai/2142606849423958501/2142607145325754003
2015/03/11 - メルケル首相は9日、朝日新聞東京本社で行った講演会で歴史問題について言及。ドイツ以外の欧米有力メディアもこれを「忠告」とみなしているようだ.

⑩「過去の総括が和解の前提」メルケル首相、安倍首相への忠言  海外報道
newsphere.jp › 政治ニュース
2015/03/10 - 海外メディア各社は、今回のメルケル首相の発言と同等かそれ以上に、安倍首相が今後行う発言に注目しているようだ。談話の表現次第では、安倍首相は、中国、韓国との関係にさらなるダメージを与える危険を冒す、とガーディアン紙は語る。


① 【メルケルの忠告】「リットン調査団」を思い出す  安倍首相に「聞く耳」はあるのか
      http://blogs.yahoo.co.jp/mochimoma/19860223.html

ドイツのメルケル首相が、9日来日して、安倍首相と会談した(10日には、帰国したという)。

   【写真】朝日新聞 3/10  イ 「過去の総括 和解の前提」 ロ 「歴史原発 日独の距離感」

これらは、昨日(10日)の『朝日新聞』の報道だ。

メルケル首相は、9日朝に、東京に到着するや、午前中に開催された朝日新聞、財団法人ベルリン日独センター共催の講演会に出席し、講演を行った。

   【写真】朝日新聞 3/9  ハ 「東アジアの緊張緩和促す」

これが、『朝日新聞』の9日の夕刊の紙面。

この講演の冒頭、メルケル氏は次のように話している。

『142年前のきょう、1873年3月9日、岩倉使節団がベルリンに到着しました。岩倉具視が特命全権大使として率いる使節団がヨーロッパ諸国を訪れ、政治、経済、社会など様々な分野で知見を深める旅行をしたのです。岩倉使節団は、私が考えるに、日本の世界に向けて開かれた姿勢、そして日本の知識欲を代表するものだと思います。そしてこの伝統は、この国において今でも変わらず守られています。』

日本が喜びそうな話を『枕』に示しながら、進めていくという『当然の手法』ではありながら、巧みな進め方である。

メルケル氏は、この講演の中で、次のようなことを述べている。いずれも『朝日新聞』の要約による。

『第2次大戦後の独仏の和解は、隣国フランスの寛容な振る舞いがなかったら可能ではなかった。ドイツもありのままに見ようという用意があった。』

『アジア地域に存在する国境問題も、あらゆる試みを重ねて平和的な解決策を模索しなければならない。』

メルケル首相は、質疑応答で質問されると、『ドイツの首相としてこの地域にアドバイスをする立場にはないが』と前置きをしつつ、こうした言葉を述べたと報道されている。

実は、この講演会、3週間ほど前にネットでか『朝日新聞』紙上でだったか、開催されることを知り(その時は、何を話すのか見当もつかなかったが)、とりあえず、メールで申し込みをしていた。
だが、当然、申し込む人は多数いたのだろう、当選者あてに送られてくる通知ハガキは送ってこなかった。

こういうことがあったので、何を話すのか関心があったが、安倍首相との首脳会談の直前に話す内容としては、かなり異例なものだと思う。

そして、メルケル首相は、安倍首相との対談(2時間10分だったという)の中でも、『東アジア情勢について「アドバイスする立場にない」と前置きしたうえで、ドイツが戦前のナチスの行為を透明性を持って検証した経緯を紹介した』(『朝日』)と報じられている。

会談後の記者会見では、『過去の総括は和解のための前提になっている』と述べたともいう。

『メルケル首相が今回の訪日で歴史認識にここまで言及するとは、事前には予想されていなかった。首相があえて踏み込んだのは、日中韓の緊張が、地理的には遠く離れたドイツにも看過できない現実的なリスクになっているからだ。』と『朝日新聞』は報じてもいる。

だが、どちらかというと10日の『朝日新聞』の報道は控えめな気がする。
これは、『慰安婦』問題や福島原発の『吉田調書』の報道問題で、さんざんバッシングを浴びせられた新聞として、再び、自らが主催する講演会でメルケル首相が話した内容を元にして、『反日』メディア呼ばわりされるのを避けたいという思いがあるのかもしれない、という気がしないでもない。

だが、これはいくら隠そうとしても、エポック・メーキングな出来事である。

『朝日新聞』は、<ただ、首脳会談では、メルケル首相から「ドイツの経験」についての紹介があっただけで、「歴史認識などで両首脳間で何かやりとりがあったわけではない」(世耕弘成官房副長官)という。>とも報じた。

しかし、そもそも、首脳会談で世耕氏が終始、同席していたのかどうか、知らない。
仮にしていたとしても、自分たちに都合の悪いことを、世間に伝えるわけがない。
上記のような『やりとり』があったということだけで、もはや十分であろう。

安倍首相とメルケル首相との間の認識のずれは、福島原発事故後の『原発政策』『エネルギー政策』にも及んでいる。

安倍首相は、この点について、ドイツ人記者から、『なぜ日本はまた再稼働を考えているのか』と聞かれて、『低廉で安定的なエネルギーを供給していくという責任を果たさなければならない。基準をクリアしたと原子力規制委員会が判断したものは再稼働していきたいかなければならない。』などと答えたという。

『基準をクリアしたと原子力規制委員会が判断したもの』は安全だと言うのは、新たな『安全神話』に過ぎず、日本の中では、『そういう話にしておこう』という約束事になっていることに過ぎない。
こんな理屈が、世界に通用するはずがない。

安倍首相とメルケル首相と、どちらの言うことが日本人のこれまでの『考え方』に沿っているかといえば、メルケル首相のほうであろう。

安倍首相は、さらに、福島原発事故を含めた<3・11からの復興>の優先順位を下げて、<2020年東京オリンピック>という必要のないイベントまで招致して、結局、<3・11を本当に乗り越えていく>という日本人が果たすべき『課題』を後回しにしているという、重大な『ミス』(というより、『裏切り』)を犯している。

戦前に、『満州国』の建国問題について、国際連盟の『リットン調査団』が、日本、中華民国、そして満州にやってきて調査を行い、それなりに、日本の立場を配慮したといわれる報告書を出したにもかかわらず、日本はそれを否定し、国際連盟脱退の道を選ぶという過ちを犯した。

何となく、同じような間違いを日本は、現在でも続けているような気がする。

② メルケル首相の穏やかな忠告を安倍首相は聞き入れるだろうか  人民網

ドイツのメルケル首相が9日、日本を訪問した。G7サミットに向けた準備が大きな目標だ。慣例に基づき、議長国はサミット開催前に参加国を訪問し、日程を話し合う。だがメルケル首相は日本到着当日に自ら歴史問題に言及。第2次大戦後のドイツと被侵略国との和解実現に触れて、戦争の歴史に誠実に向き合うよう日本に促した。(文:蘇暁暉・中国国際問題研究院国際戦略研究所副所長。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)

 メルケル首相には日本の安倍首相に忠告する資格がある。第2次大戦後から現在までに、ドイツは被侵略国の許しを得て、国際社会の信用と尊敬を勝ち取った。ドイツ高官は泰然と歴史に言及し、自国の経験を他国の模範とすることができる。ロイター通信や英紙ガーディアンなどはこのニュースを報じる際「メルケル首相訪日、日本に歴史の直視を促す」「メルケル首相が『戦争に言及する』よう日本に促す」といった類似の文言を多く用い、メルケル首相の発言を丁寧に促したとして、肯定的に評価している。

 メルケル首相には安倍首相に忠告する必要もあった。最近、安倍首相の準備している戦後70周年談話が注目されている。安倍首相は戦時中の歴史に対して懺悔を表明する必要性を表明しつつも、「侵略」「植民地支配」といったキーワードは使用しないことを示唆している。その姿勢はすでに近隣国の不満を招いており、中韓などの関係をさらに傷つける恐れもある。

 メルケル首相は穏やかに忠告したが、安倍首相が聞き入れるとは限らない。

 安倍首相に歴史問題の話題を拒む気持ちがあるのは明らかだ。メルケル首相訪日前にドイツメディアは「安倍政権はドイツ側が第2時大戦の反省の問題に言及することを懸念している。安倍政権に代表される日本保守勢力は同国の第2次大戦の問題に対する姿勢への外部の批判に非常に敏感だ。したがって、たとえ善意の忠告であっても、安倍首相は歓迎しない」と断言している。

 安倍首相に忠告したのはメルケル首相が初めてではない。実際には、日本国内には歴史の直視を呼びかける声がいくらでもある。日本はまだ戦争の歴史を正しく扱っていないとの見解は中韓だけでなく、東南アジア、米国、欧州の知識階級にも何年も前から幅広く存在する。日本の元高官は、過去の過ちを認めることは反対に国の道義的立場を揺るぎないものにすると指摘した。だが安倍首相を含む一部の人々は、歴史と向き合うことをあくまでも「自虐史観」と誹謗する。

 実は日本は国際社会の立場をよく分かっている。第2次大戦終結50年の際に、当時の村山富市首相は談話を発表。前半部分は反省と謝罪に集中し、「植民地支配」などの表現を用いて、体外拡張政策が他国の国民を深く傷つけたことを認め、日本がかつて加害者であったという歴史的事実を認めた。この談話を米国の大統領は「非常に勇気ある声明」とし、国際社会も積極的に応じた。誠意あるおわびをしたうえで、村山談話は後半部分で戦後日本の過去と決別した新しい生き方について説明し、国際協力、平和、民主主義に対する約束を確認した。戦後60年の小泉談話も村山談話の内容を基本的に踏襲し、やはり反省を基調とした。

 メルケル首相は日本での講演で、「(ナチスドイツの)過去に目を閉ざす者は現在にも盲目となる」ということを明確に指摘した、故ヴァイツゼッカー元大統領の1985年の演説に言及した。安倍首相は忠告を聞き入れないことを選択できるが、懸命に推し進めるいわゆる「積極的平和主義」はそれによって絵空事となる。

 日本は加害者であり、中韓などは被害者だ。被害者に相手を許し、受け入れる心がないわけでは決してないが、加害者はそれ以上に誠意を示し、行動に移す必要がある。(編集NA)

 「人民網日本語版」2015年3月10日

⑦ 国際世論はメルケル首相の日本への忠告を肯定  新華網日本語

 【新華社北京3月16日】ドイツのメルケル首相はこのほど、日本訪問期間に歴史を直視することは「戦後の和解を実現する前提だ」と何度も強調した。日本を含む各国の世論は、これが日本の現政府に対する歴史認識を正し、隣国との真の和解を実現するように求めた忠告と受け止めている。

 アナリストはメルケル首相の日本に対する「戒め」は安倍内閣が誤った路線をますます遠く進んでいく国際社会の懸念を反映しており、日本の人々に安倍首相の歴史認識問題における国際的に孤立した立場をはっきりと認識させるものだと分析している。

「歴史修正主義」を批判

 メルケル首相は訪問中に多くの場所で歴史認識問題に言及し、国際世論の高い注目を集めた。国際世論は安倍首相の「歴史修正主義」という誤った立場に注視している。

 日本とドイツの両国は第二次世界大戦期間にともに「侵略国」だったが、戦後の隣国との和解において、日本とドイツの両国が得た評価は全く正反対だ。シンガポール紙の『聯合早報』は評論で、ドイツは戦後に歴史の誤りを勇敢に認めたことによって、欧州が和解し、一体化建設路線を歩んできた。逆に日本を見ると、歴史問題において中国と韓国に終始、「反論」していると述べた。

 『韓国時報』は次のように報じている。メルケル首相の談話は、戦争の罪行を粉飾することを試みる日本の指導者への間接的な批判だと認識された。政府首脳がある国を訪問する際は通常、敏感な内容の提言を避けることを考慮すると、メルケル首相の今回の談話は尋常ではない響きがあり、韓国のこの隣国が誤った路線を突き進んでいることを示している。

メルケル首相がはばかることなく直言したのは何故か

 ドイツのボン大学、グローバル研究センター主任の辜学武教授は次のように指摘した。メルケル首相は外交の場所では通常、比較的謙虚で控えめな人だが、今回は「鋭い発言」が目立った。これは一時の衝動ではなく、事前に準備したものだ。

 「21世紀のドイツ首相が日本を訪問し、歴史問題について言及しないことは不可解で、少なくともメルケル首相がドイツ社会と世論の了承を得られないだろう。なぜなら、大多数のドイツの知識人は日本人のエリートが第二次世界大戦の歴史に関しては成績が相当劣ると考えている。この意義から言うと、メルケル首相の東京での歴史問題についての大いなる発言は、事実上、ドイツの主流社会の日本政府の歴史観に対する強い不満を表現している。」辜学武教授は11日、新華社記者にこう語った。

安倍内閣は気まずい状況に

 メルケル首相は今回、日本の民衆に欧州の大国ドイツの姿勢を直接、表明したことから、安倍内閣は気まずさが増すと同時に、安倍首相の「歴史修正主義」の立場が国際的に孤立した状況にあることを日本の国民の前に明らかにした。

 日本の『朝日新聞』は評論で次のように指摘している。メルケル首相が訪日期間に歴史認識問題についてこれほど深刻に言及するとは誰も予想していなかった。日本とドイツの首脳会談の状況を見ると、双方は歴史認識問題で隔たりがあり、メルケル首相がドイツの歴史認識について言及しても安倍首相は反応を示さなかった。

 メルケル首相は7年ぶりに訪日したが、安倍首相は本来、今回のメルケル首相の訪問の機会を利用してドイツとの関係を縮めたいと考えていたが、メルケル首相が自らの経験・体験を例に挙げて道理を説く「歴史の授業」を行ったことは意外だった。

 国内外の世論の重压を受けて、日本政府は反応せざるを得なくなった。日本の岸田文雄外相は10日、記者会見で安倍内閣は日本の歴代内閣の立場を継承し、日本は「かつて多数の国家、特にアジア各国の民衆に巨大な損失と苦痛をもたらしたことを認め、この認識は歴代内閣と同一だ。」と表明した。

 日本の高官が依然として「侵略」という表現を故意に回避していることは明白だ。国際世論が注目する焦点の一つはまさに、安倍首相が今年に発表する第二次世界大戦終戦70周年の談話で、村山富市前首相の20年前の談話の精神を受け継ぎ、日本が過去に犯した侵略の罪行を反省するかどうかということだ。

 実際に、日本の学界自体は侵略の事実の歴史認識問題についての意見は一致しているが、日本の右翼勢力は終始、人の耳を混乱させようと意図している。

 日本の共同通信社は10日、安倍首相の「安倍談話」の起草に協力する専門家会議代理議長で、日本国際大学の北岡伸一学長が述べた談話を引用して、「日本が侵略戦争を発動したことは誰の目にも明らかだ。日本の歴史学者に尋ねると、99%は侵略戦争だと認めるだろう。」と報じた。

 安倍首相が歴史認識問題において誤った立場を是正できるかどうかに国際社会は注目している。「日本は第二次世界大戦前、一貫してドイツの忠実な教え子だったが、現在も日本が引き続きドイツから学ぶことを希望する。」辜学武教授はこのように述べた。

(新華網日本語)

 当社サイトのコンテンツは著作権法によって保護されます。無断転用、複製、掲載、転載、営利目的の引用は禁じます。

推薦記事:  参考のために開いて読むことがいい。

メルケル首相、安倍首相に1度の歴史の授業を補講 http://jp.xinhuanet.com/2015-03/13/c_134064671.htm

日本老政治家が勉強会を設立 歴史を直視を呼びかけ http://jp.xinhuanet.com/2015-03/13/c_134064089.htm

日本は侵略を反省する歴史的チャンスを掴むべき http://jp.xinhuanet.com/2015-03/13/c_134064089.htm

⑧ 日本、反省どころか開き直り…メルケル首相の忠告を聞くどころか

<アンカー>最近、訪日したドイツのメルケル首相が日本の過去の歴史態度を批判しましたが、日本が反省どころか開き直りました。ドイツ教科書に書かれた慰安婦部分について、文句をつけたのです。東京からチェ・ソンホ特派員です。

<記者>日本政府が突然、ドイツ教科書に問題を提起しました。日本外交部は、自民党右派議員の会で、いわゆる'日本の名誉と信頼回復特別委'でドイツの出版社クレットの中学校歴史教科書が日本軍慰安婦について歪曲された事実を記述していると主張しました。

ドイツ教科書は「日本軍が占領地の婦女子20万人に軍施設で売春を強要した」と指摘し、「搾取と戦争犯罪、占領地差別から抵抗運動が高まった」と記述しています。産経新聞は数字は分からないというのが日本の立場で、ずっと指摘していく必要があるという日本政府の方針を伝えました。

日本政府は米国マグロウヒル社に教科書修正を要求をしたのと似た措置に出ると見られます。

日本を訪問したドイツのメルケル首相が和解のために過去を直視せよと忠告しましたが、安倍政府はこれ見よがしにごり押しするもようです。国際社会の忠告も無視したまま、意地になって歴史不正を繰り返す安倍政権の動きから和解の意志は見つけることは困難です。

ソース:SBSニュース(韓国語) 日本、限りない居直り…ドイツ教科書けちをつけること
http://news.sbs.co.kr/news/endPage.do?news_id=N1002879087

⑩ 「過去の総括が和解の前提」メルケル首相、安倍首相への忠言   海外報道

 ドイツのメルケル首相が、9日より2日間の日程で訪日した。訪日は2008年以来となる。9日には、朝日新聞東京本社内ホールにて、同社などが主催する講演会で講演を行った。メルケル首相はその中で、ドイツが戦後、周辺国と和解することができたのは、フランスなどドイツの被害をこうむった国の寛大さのおかげであると同時に、ドイツが自分たちの過去にきちんと向き合ったからだ、と語った。

◆自分たちの過去に率直に向き合うことと、周辺国の理解が不可欠

 AP通信によるとメルケル首相は講演で、ドイツは、第2次世界大戦中に自国が行った残虐行為にきちんと向き合うという取り組みのおかげで、国際社会で尊敬される地位に復帰することができた、と語ったという。

 ドイツがどうにか名誉を回復できたのは、元敵国側に、ドイツは自分たちの過去と向き合ったと認める気があったおかげだと、メルケル首相が語ったと英ガーディアン紙は伝える。

 メルケル首相は、戦争とホロコーストの惨事にもかかわらず、ドイツが国際社会に復帰するのを受け入れた周辺国の寛大さに、ドイツはいまでも感謝している、と語ったという(AP通信)。

「もし周辺国によるこれらの寛大なそぶりがなかったならば、このこと(和解)は不可能だったでしょう」「しかしながらドイツ国内にも、自国の歴史と、きちんとまっすぐに向き合う心構えがありました」(ガーディアン紙)

◆安倍首相の70年談話に海外メディアが示す懸念

 海外メディア4社(ロイター、AP通信、BBC、ガーディアン紙)はおしなべて、メルケル首相の発言を、安倍首相に対する忠言と見なしたようだ。

 どのメディアも、安倍首相が今夏、戦後70年談話を発表することを紹介する。安倍首相はその談話で、戦後50年の「村山談話」、戦後60年の「小泉談話」で使用されてきた「植民地支配と侵略」への「痛切な反省」、「心からのおわび」といった文言を、もっと弱い表現に置き換え、謝罪の意を薄めるのではないかとの憶測があると、ロイター以外の3社は非常に似通った表現で伝えている。

 海外メディア各社は、今回のメルケル首相の発言と同等かそれ以上に、安倍首相が今後行う発言に注目しているようだ。談話の表現次第では、安倍首相は、中国、韓国との関係にさらなるダメージを与える危険を冒す、とガーディアン紙は語る。多くの海外メディアで、もはや通念化している安倍首相のイメージは、そういった懸念を呼ぶものとして語られている。

◆海外メディアによる安倍首相評

 AP通信によると、安倍首相は「修正主義のタカ派と見なされている」。英BBCによると、「タカ派の見解で知られている」。日本と中韓との関係は、安倍首相が就任した2012年以来、特に緊張が高まっている。安倍内閣は靖国参拝を中韓から公然と非難されている。また、アジアの女性を強制的に性奴隷にしたことに対する、1993年の日本の画期的な謝罪(「河野談話」)を再検証しようとしたことも、猛烈な非難を招いた、とBBCは語る。

 安倍政権のもと、日本では、戦中の残虐行為を実際よりも軽く見せる取り組みが強まっていると見られている、とAP通信は語る。

 安倍首相は、何万人という主にアジア人女性を強要して、戦時の性奴隷として働かせるのに日本軍が果たした役割と、20世紀前半に日本がアジアで行ったことは侵略だったという大多数が一致している見解を問題視することによって、日本国内で歴史修正主義を新たに活気づかせるのに加勢している、とガーディアン紙は語る。

 またBBCは、日本の歴史の学校教科書は、自国の戦中の残虐行為についての真実を糊塗しているとして、長らく批判されている、と語る。日本と中韓の不和という問題は、安倍首相が集団的自衛権としてその正当性を主張している日本の軍国化への動きによっても、また領有権主張によっても、一層重くなっている、としている。

◆中国、韓国にも和解を妨げる政治的要素が

 メルケル首相の講演では、相手国の寛容さも、和解の成功には重要だということがほのめかされていた。メルケル首相は日本の周辺国も、和解の雰囲気に溶け込む必要があるとほのめかした、とガーディアン紙は語る。

 日中韓が戦争の影響をいまだに抜け出せていないのは、日本の保守政治家が過去の謝罪にしばしば疑念を投じているためで、日本に責任の一端があるものの、中国と韓国も、歴史問題が便利な政治外交カードとなり得るため、あえて緊張関係を維持させている、と主張している学者もいる、とロイターは伝える。

 日本政府が見たところ反省に欠けているということを、中国および韓国政府首脳は、国内での支持を強めるために、不当に用いようとしている、とガーディアン紙は指摘する。日本が行った侵略戦争を、これまでよりも日本にとって好都合なように表現するという安倍首相の決意にも、同様の意図がある、と同紙は見ているようである。

(Newsphere編集部)

(イ) 「過去の総括が和解の前提」
      http://newsphere.jp/politics/20150310-2/

 ドイツのメルケル首相が、9日より2日間の日程で訪日した。訪日は2008年以来となる。9日には、朝日新聞東京本社内ホールにて、同社などが主催する講演会で講演を行った。メルケル首相はその中で、ドイツが戦後、周辺国と和解することができたのは、フランスなどドイツの被害をこうむった国の寛大さのおかげであると同時に、ドイツが自分たちの過去にきちんと向き合ったからだ、と語った。

◆自分たちの過去に率直に向き合うことと、周辺国の理解が不可欠

 AP通信によるとメルケル首相は講演で、ドイツは、第2次世界大戦中に自国が行った残虐行為にきちんと向き合うという取り組みのおかげで、国際社会で尊敬される地位に復帰することができた、と語ったという。

 ドイツがどうにか名誉を回復できたのは、元敵国側に、ドイツは自分たちの過去と向き合ったと認める気があったおかげだと、メルケル首相が語ったと英ガーディアン紙は伝える。

 メルケル首相は、戦争とホロコーストの惨事にもかかわらず、ドイツが国際社会に復帰するのを受け入れた周辺国の寛大さに、ドイツはいまでも感謝している、と語ったという(AP通信)。

「もし周辺国によるこれらの寛大なそぶりがなかったならば、このこと(和解)は不可能だったでしょう」「しかしながらドイツ国内にも、自国の歴史と、きちんとまっすぐに向き合う心構えがありました」(ガーディアン紙)

◆安倍首相の70年談話に海外メディアが示す懸念

 海外メディア4社(ロイター、AP通信、BBC、ガーディアン紙)はおしなべて、メルケル首相の発言を、安倍首相に対する忠言と見なしたようだ。

 どのメディアも、安倍首相が今夏、戦後70年談話を発表することを紹介する。安倍首相はその談話で、戦後50年の「村山談話」、戦後60年の「小泉談話」で使用されてきた「植民地支配と侵略」への「痛切な反省」、「心からのおわび」といった文言を、もっと弱い表現に置き換え、謝罪の意を薄めるのではないかとの憶測があると、ロイター以外の3社は非常に似通った表現で伝えている。

 海外メディア各社は、今回のメルケル首相の発言と同等かそれ以上に、安倍首相が今後行う発言に注目しているようだ。談話の表現次第では、安倍首相は、中国、韓国との関係にさらなるダメージを与える危険を冒す、とガーディアン紙は語る。多くの海外メディアで、もはや通念化している安倍首相のイメージは、そういった懸念を呼ぶものとして語られている。

◆海外メディアによる安倍首相評

 AP通信によると、安倍首相は「修正主義のタカ派と見なされている」。英BBCによると、「タカ派の見解で知られている」。日本と中韓との関係は、安倍首相が就任した2012年以来、特に緊張が高まっている。安倍内閣は靖国参拝を中韓から公然と非難されている。また、アジアの女性を強制的に性奴隷にしたことに対する、1993年の日本の画期的な謝罪(「河野談話」)を再検証しようとしたことも、猛烈な非難を招いた、とBBCは語る。

 安倍政権のもと、日本では、戦中の残虐行為を実際よりも軽く見せる取り組みが強まっていると見られている、とAP通信は語る。

 安倍首相は、何万人という主にアジア人女性を強要して、戦時の性奴隷として働かせるのに日本軍が果たした役割と、20世紀前半に日本がアジアで行ったことは侵略だったという大多数が一致している見解を問題視することによって、日本国内で歴史修正主義を新たに活気づかせるのに加勢している、とガーディアン紙は語る。

 またBBCは、日本の歴史の学校教科書は、自国の戦中の残虐行為についての真実を糊塗しているとして、長らく批判されている、と語る。日本と中韓の不和という問題は、安倍首相が集団的自衛権としてその正当性を主張している日本の軍国化への動きによっても、また領有権主張によっても、一層重くなっている、としている。

◆中国、韓国にも和解を妨げる政治的要素が

 メルケル首相の講演では、相手国の寛容さも、和解の成功には重要だということがほのめかされていた。メルケル首相は日本の周辺国も、和解の雰囲気に溶け込む必要があるとほのめかした、とガーディアン紙は語る。

 日中韓が戦争の影響をいまだに抜け出せていないのは、日本の保守政治家が過去の謝罪にしばしば疑念を投じているためで、日本に責任の一端があるものの、中国と韓国も、歴史問題が便利な政治外交カードとなり得るため、あえて緊張関係を維持させている、と主張している学者もいる、とロイターは伝える。

 日本政府が見たところ反省に欠けているということを、中国および韓国政府首脳は、国内での支持を強めるために、不当に用いようとしている、とガーディアン紙は指摘する。日本が行った侵略戦争を、これまでよりも日本にとって好都合なように表現するという安倍首相の決意にも、同様の意図がある、と同紙は見ているようである。

(Newsphere編集部)

(ロ) <メルケル首相来日>歴史・原発問題で発言 日本とドイツの「距離感」
      https://thepage.jp/detail/20150316-00000006-wordleaf

 7年ぶりに来日したドイツのメルケル首相の発言が波紋を広げています。安倍首相との首脳会談でこそ深入りはしませんでしたが、来日中の会見や講演では、歴史認識問題や原発問題について踏み込んだ発言をしました。今回の来日をめぐっては、メディアの総括も「実利的な接近」(産経新聞)、「違い浮き彫り」(朝日新聞)などとまちまちです。どう評価すればいいのか。元外交官の美根慶樹氏が解説します。

 ◆ 歴史と原発で異なる両国の状況

[写真]ウクライナ情勢などを中心に協議した日独首脳会談(ロイター/アフロ)

 ドイツのメルケル首相が7年ぶりに訪日しました。ともにG8(主要国首脳会議)の一員として世界の政治・経済に大きな役割と責任を有する両国の首脳は、東アジア情勢、独仏両国の和解、ウクライナ情勢、過激派組織「イスラム国」、G8の議長、国連安保理の改革、日・EUの経済連携協定などについて話し合いました。

 この中に日独両国の立場が異なる問題が含まれていました。一つは、かつて敵対していた国との和解であり、ドイツはフランスとの和解を実現し、またそのことについて強い自負と思い入れがあります。しかし、日本と中国および韓国との関係は独仏のようには進展していません。東アジアと欧州が歩んできた道は異なっています。

 もう一つの原発については、ドイツはすでに脱原発を決定しているのに対して、日本は安全性を確認できた原発は再稼働する方針であり、両国の姿勢は非常に違っています。

 メルケル首相はこれらの問題についてかなり踏み込んだ発言をしましたが、「東アジア情勢についてアドバイスする立場にない」と断るなど、日本に対して批判的になるのは極力避けていました。相手国の置かれた状況を理解し、それなりに認めつつ話し合いを行なうことが国家間の関係では非常に重要です。メルケル首相はそのような配慮をしっかりとしながら和解と原発について明確にドイツの考えを述べていました。立派な外交姿勢であったと思います。

 しかし、多くの日本国民は、また、メディアも、メルケル首相の訪日になにかはっきりしないところがあると感じているように思われます。報道の力点もまちまちです。日独間の距離を感じたとするものもあります。そのような印象になるのは日独双方に原因があるようです。

 ◆ 独にとって対中国関係も重要に

 ドイツにとっての外交課題を考えてみると、対応を誤ると直ちにドイツに影響が及んでくる国として米国、次いでロシアがあります。順序は逆かもしれません。米国とは同じNATO加盟国ですが、水面下には盗聴問題が象徴するような緊張関係もあります。米国との関係をうまく処理できないドイツの指導者は失格でしょう。ロシアはエネルギーの供給国ですが、欧州の安全保障にとって脅威となりうる国であり、冷戦時代からあまり変化していない面があります。

 この両国に次いでEUとの関係が重要であり、各国と協力しながらギリシャなどの財政困難を処理することが求められています。

 また、新しいパワーである中国は、ドイツにとっても重要になっています。ドイツは米国に次ぐ、またEU内では抜群の輸出大国であり、中国のような巨大な市場、しかも急速に拡大する市場はドイツにとって極めて重要です。しかも、中国は国際政治面でも独特の考えと主張があり、ドイツとしては慎重に友好関係を築き上げ、維持していかなければなりません。

 日本とは、歴史的、伝統的に親しい関係にあり、同じG8のメンバーとして安心して付き合える国であり、ドイツに危険を及ぼす可能性は世界で最も小さいでしょう。メルケル首相は訪日の前に、日本は「価値を共有する国だ」と言ったそうですが、この言葉は日本のイメージを端的に表明しているように思われます。このように考えれば、メルケル首相が過去7年間日本を訪問していなかったことはうなずける面もありました。要するに、日本とドイツは分かりあえているから、あえて訪問する必要はなかったということなのでしょう。

 しかし、このような日本の状況に最近変化が生じ、国内政治においても対外的においても新しい主張が強くなりました。また、尖閣諸島や歴史問題をめぐって中国との矛盾が激化し、ドイツにとって理想的な、日本との友好関係を維持しつつ中国との経済関係を増進させていくのに支障が生じるかもしれない状況になってきました。

 ◆ 日本にとって独は現状「遠い国」

 一方、日本は、ドイツを明治維新後に学んだ国、第二次大戦で共に戦って敗れた国、どちらの国民も優秀かつ勤勉である、というイメージで見る傾向が強いですが、メルケル首相が率いる現在のドイツを見るのに、このようなイメージは時代遅れか、あるいは当たり前すぎるでしょう。

 もし日本が現在のドイツを、西側の重要な一員でありながらイラク戦争のような場合には米国に同調しないという選択をできる国、脱原発という、経済的には負担が大きくなるが一大決断をできる国、という目で見るならば、メルケル首相の訪日もかなり異なるものとなり、緊迫感を伴ってきたかもしれません。しかし現実には、知識としてはドイツのこのような面を知っていても、日本の現状からは遠く離れた国のこととみなしています。要するに、現在のドイツは日本にとって直接影響のある国ではなく、また、日本とは環境があまりにも異なっているという印象が強いのです。

 両国とも以上のような立場の違いは十分理解しているので、メルケル首相の訪日に際し、立場の違いを目立たせないよう気を付けながら無難に首脳会談を行いました。メルケル首相はかなり踏み込んだ発言もしましたが、原発については、「日本はあれ程ひどい被害をこうむっておきながらなぜ続けるのか」と言いたかったのではないかと思われます。しかし、外交的配慮からそこまで言いませんでした。だからメルケル首相の訪日のポイントは何か分かりにくくなったのです。

福島第一原発の視察を希望した?

 最後に、メルケル首相は人道上の理由と福島原発の崩壊の2点から東日本大震災について強い関心を持っているはずです。今回の訪日に際して、日本政府に被災地や福島原発の視察を希望したのではないかと、個人的には想像しています。メルケル首相が福島原発の視察に行けばあまりにもドイツと日本の違いが強調されすぎてしまうので、日本政府としては応じることはできなかったでしょうが、この点について少しでも情報が公開されていれば、メルケル首相の姿勢が明確になったのではないでしょうか。

 実際には何も発表されていないので、想像を重ねることになってしまいますが、日本政府には情報提供のあり方について考慮してもらいたく、またメディアにはこのような問題意識をもって追究してもらいたかったと思います。

(美根慶樹/平和外交研究所)

■美根慶樹(みね・よしき) 平和外交研究所代表。1968年外務省入省。中国関係、北朝鮮関係、国連、軍縮などの分野が多く、在ユーゴスラビア連邦大使、地球環境問題担当大使、アフガニスン支援担当大使、軍縮代表部大使、日朝国交正常化交渉日本政府代表などを務めた。2009年退官。2014年までキヤノングローバル戦略研究所研究主幹

(ハ) メルケル独首相、東アジアの緊張緩和促す
      http://uni.open2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1425878365/

1 :◆sRJYpneS5Y:2015/03/09(月)14:19:25 ID:??? ドイツのアンゲラ・メルケル首相(60)が9日、7年ぶりに来日し、東京・築地の浜離宮朝日ホールでの来日講演会(朝日新聞社、財団法人ベルリン日独センター共催)で講演した。東アジアで日中韓など近隣諸国の緊張が続いている問題を巡り、「大切なのは平和的な解決策を見いだそうとする試みだ」と述べ、関係国に緊張緩和に向けた取り組みを促した。

 メルケル首相の来日は2008年の北海道・洞爺湖サミット以来。10日まで滞在する。

 メルケル首相は講演後の質疑応答で、東アジアにおける隣国同士の関係改善や和解をどう進めるべきかを問われた際に、独仏の関係改善の歴史に言及。他の地域にアドバイスする立場にないとしながらも、ドイツが欧州で和解を進められたのは「ドイツが過去ときちんと向き合ったからだ。隣国(フランス)の寛容さもあった」と述べた。東アジアでも「あらゆる努力を惜しまず、平和的な努力をする必要がある」と語った。

 一方で、戦後70年の節目を踏まえ、敗戦国である日独両国が「世界秩序の中でグローバルな責任を持っている」 と指摘し、世界の安全保障問題などに連携して取り組む姿勢を強調した。

 続きは朝日新聞会員記事 <http://www.asahi.com/articles/ASH3871P4H38UHBI018.html>だがジャンプできない。

  -参考-

○  飯田図書館 朝日新聞の閲覧・印刷 ( 2015/03/09 , 2016/03/10 )

○  「メルケル独連邦首相の日本訪問」(DW English、The Federal Chancellor、イランラジオ日本語
   http://www.asyura2.com/15/kokusai10/msg/267.html

○  (ドイツ連邦首相サイトから、この記事のドイツ語原稿-Merkel in Japan - Dem internationalen Recht    Geltung verschaffen: Die Bundeskanzlerin)
   http://www.bundeskanzlerin.de/Content/DE/Reiseberichte/2015-03-09-merkel-japan.html

×  (メルケル独首相の講演全文:朝日新聞デジタル)
   http://www.asahi.com/articles/ASH397WCTH39UHBI032.html
   http://www.asahi.com/articles/ASH39760VH39UHBI036.html
   http://www.asahi.com/articles/ASH397680H39UHBI039.html

○  (ドイツ連邦首相サイトから、講演のドイツ語原稿-Rede von Bundeskanzlerin Merkel bei der Tageszeitung „Asahi Shimbun“ am 9. März 2015: Die Bundeskanzlerin)
   http://www.bundeskanzlerin.de/Content/DE/Rede/2015/03/2015-03-09-merkel-asahi-shimbun.html

○  (ドイツ連邦首相サイトから、講演原稿の英訳-Speech by Federal Chancellor Angela Merkel during the    event hosted by the newspaper : The Federal Chancellor)
   http://www.bundeskanzlerin.de/Content/EN/Reden/2015/2015-03-09-merkel-asahi-shimbun_en.html

○  (日独共同記者会見:首相官邸)
   http://www.kantei.go.jp/jp/97_abe/statement/2015/0309kaiken.html