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折々の記 2016 ⑤
【心に浮かぶよしなしごと】

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【 04 】05/11

  05 11 円高を加速する米政府とヘッジファンドの「緊密な関係」   日米癒着の深さ   IWJ homepageより
       日中関係が改善していると思っているのは日本人だけ   姫田小夏 [ジャーナリスト]   IWJ homepage
  05 13 櫻井よし子氏に公開討論を要求   IWJ homepage
       高市早苗総務相に計925万円もの「闇ガネ」疑惑   IWJ homepage
       奥野信亮衆議院議員には計327万9400円の「闇ガネ」疑惑   IWJ homepage

 05 11 (木) 円高を加速する米政府とヘッジファンドの「緊密な関係」     日米癒着の深さ

日米同盟の長短ト本来の在り方を総括していかなければならない。 短だけをとらえて云々を重ねていても、望ましい解決方法とは言えない。

やはり、日本が求める将来像を描くことが最重要であろう。

世界の現状に迎合するやり方を探る路線は好ましくはない。 望まして家庭の在り方を基盤にすえて、温かい和の理想を掲げる骨組、構造についての討議をし実現していく歩みが望ましい。

いつまでも日米のギクシャクした狭間にあって時の政権によって悩まされ続けることには限度がある。



2016年5月6日 Diamond.jp【第427回】
円高を加速する米政府とヘッジファンドの「緊密な関係」
      真壁昭夫 [信州大学教授]
      http://diamond.jp/articles/-/90510

◆ 日銀に追い打ちをかけた 米国財務省の為替報告書

為替市場では、ゴールデンウイーク中に円高・ドル安傾向が進展した

 4月28日の日銀の金融政策現状維持の決定を受けて、為替市場では、ゴールデンウイーク中に円高・ドル安傾向が進展した。日銀の決定に追い打ちをかけたのが、4月29日に米国財務省が発表した為替報告書だ。

 為替報告書の中で米国財務省は、わが国を通貨政策の「監視リスト」に載せ、為替介入を強く牽制する姿勢を示した。それをきっかけに、海外のヘッジファンドなどの投機筋が一斉に円買い・ドル売りを仕掛け、一時、1ドル=105円台にまで円高が進んだ。

 今回の為替市場の動きは、円高というよりもむしろドル安と見るべきだ。これまでのドル安の動きは、2011年11月から2015年の年央までのドル高トレンドの反動と見るとわかりやすい。

 2008年のリーマンショック以降、下落傾向が続いていたドルは、2009年の年央以降、米国経済の回復基調が鮮明化するにつれて、強含みトレンドへと反転した。そのトレンドは2015年の6月まで続いた。

 しかし、中国経済の減速などの要因で原油価格が下落し、シェール革命に沸いた米国企業の収益が悪化すると、ドル高の負担が米国企業の重くのしかかった。2015年7月以降には、米国主要企業の収益が前期対比でマイナスに落ち込んだ。

 ここへきて米国の政策当局としても、ドル高傾向の転換を模索せざるを得なくなった。それに加えて、米国FRBの金利引き上げ時期の後ずれの思惑が高まったこともドル下押しの材料になった。

 ヘッジファンドや為替ディーラーなどはそうした状況に敏感に反応し、取引の薄いゴールデンウイーク中にドル売り・円買いを仕掛けた。それが今回の円急騰を演出した。

 リーマンショックから立ち直った米国経済は、2009年6月以降、原油高やシェール革命を背景に力強く回復傾向を歩み始めた。それに伴い、量的緩和策を続けていたFRBは、徐々に金融政策の正常化に動きだした。

 米国金利が強含みの展開を示すに従い、為替市場ではドル買いが活発化し始めた。その結果、ドルは2011年11月以降上昇トレンド入りすることになる。

◆ 手のひらを返した米国 曲がり角を迎えたアベノミクス

 対円でドル高を加速したのは、2013年春先に黒田総裁が打ち出した“異次元の金融緩和策”だった。日銀は非伝統的金融緩和策を実施し、金利を一段と低下させることで円安・ドル高を促進し、それを支えに株高を演出することに成功した。

 米国は、自国経済が堅調に推移している間はとても寛大な国だ。政策当局は、「ドルが高く、円が安くてもいい」と言ってくれる。しかし、一旦、自国経済の先行きに不透明要素が見え始めると、米国は手のひらを返す。

 米国の為替政策は、徐々にドル安にして自国企業の収益を支える方向へと大きく舵を切る。今回の為替報告書の中で、対米貿易黒字の大きい日本、中国、韓国、ドイツ、台湾の5ヵ国を監視リストの中に上げて、ドル高を強く牽制する姿勢を示した。

 監視リストに加えて5月下旬の伊勢志摩サミットを控え、わが国政府としては「実弾」による為替介入のハードルが上がったとみられる。そうした観測も、為替投機筋から円買い・ドル売りを仕掛けやすい条件の一つになった。

 為替市場の円安傾向に変化が見られると、わが国企業収益の先行きにも黄色信号が灯る。これまでの円安傾向でかさ上げしてきた、大手輸出企業などの収益状況に懸念が出るからだ。そうした流れを見る限り、これまでのアベノミクスの円安・株高のトレンドが曲がり角を迎えたと言える。

◆ 米国政府のコバンザメ!? ヘッジファンドとの「緊密な関係」

 現在、世界の為替市場では1日に約5兆ドルの取引があると言われている。そのうち、ドルに係る取引が圧倒的シェアを占めている。取引の主体を見ると、ヘッジファンドや為替ディーラーなどのシェアがかなり高い。

 しかも、投機筋は一回当たりの取引量が大きいため、為替市場の動きに与えるインパクトは大きい。彼らが扱う通貨は基軸通貨であるドルが圧倒的に大きく、時に、彼らの売買動向が市場を乱高下されることもある。

 そうした投機筋が最も注目している要素に、米国をはじめ主要国の金利動向と経済政策がある。短期的に彼らのオペレーションでは、金利の低い通貨で資金調達し、その資金を高金利通貨で運用する、いわゆるキャリートレーディングの割合が高いケースが多い。

 特に最近、欧米諸国やわが国で積極的な金融緩和策が取られてきたこともあり、当該国の金融・為替政策に対する注目度が高まっている。

 ヘッジファンドのマネジャー連中と接触すると、彼らが米国の経済政策に並々ならぬ注意を払っていることがよくわかる。あるベテラントレーダーは、「われわれは米国政府のコバンザメみたいなもんだ」と言っていた。

 ヘッジファンドは米国政策の意図を敏感に読み取って、それに基づいて売買を行う可能性が高いということだ。逆に、米国政府としても、為替市場で政策意図を実現する場合、大手投機筋が政府の思い通りに動いてくれることは重要なメリットになる。

 今回、米国政府の為替政策が「ドル高容認から緩やかなドル安」へと動いたことは、彼らにとって見逃すことのできないビジネスチャンスになるはずだ。しかも、幸運なことに日本の連休前に、日銀が予想外の金融政策の現状維持を決めたことは、彼らのオペレーションを行ないやすくしたことに違いない。

◆ 今後の為替動向 基本的に円高傾向が続く!?

 ゴールデンウイーク中に円高が進んだことに対して、安倍首相や麻生財務大臣が「必要措置を取る」と口先介入を行った。一方、米国FRB関係者も、「6月の利上げを排除しない」との発言が出ている。

 米国の金利が上昇することはドルを上昇される要因になることもあり、取り敢えず、ドル円の為替レートは1ドル=106円台を中心に推移している(5月5日現在)。

 ただ、日本の政策当局の為替介入には大きな期待はできない。まず、先述した通り、米国財務省の為替報告書やサミット開催を控えていることを考えると、日本政府が「実弾」を使った大規模な為替介入を実施するにはハードルが高い。

 また、仮に日本政府が介入を行ったところで、これまでの歴史の中で、日本の単独介入の効果は限られている。投機筋は介入に対して、短期的に一旦持ち高を縮小するものの、少し長い目で見れば、日本単独の介入の効果が限定的であることを十分に理解している。

 彼らは少し様子見をして、他の主要国との協調体制ができていないと見れば、一斉に円買いを仕掛けてくる可能性が高い。とういうことは、基本的に、今後も円高傾向が続くとの読みができる。

 しかし為替レートは、所詮、二通貨の交換レートである以上、日米の経済・金融情勢を反映する。米国でインフレ圧力が高まり、FRBが金利引き上げを余儀なくされる可能性が高まると、基本的にドルは強含みの展開になりやすい。

 これからFRBの利上げ観測が高まると、投機筋もドルの売り持ちポジションを手仕舞うことが想定される。その場合には、一時的にドルが買い戻される。

 しかし、米国経済が予想外の好調を維持する展開にならない限り、基本的には昨年までのドル高の反動もあり、ドルの弱含み・円の強含みの展開になるだろう。それは、米国の政策当局の意図にも合致する流れだ。


2016年5月6日 Diamond.jp【第427回】
日中関係が改善していると思っているのは日本人だけ
      姫田小夏 [ジャーナリスト]
      http://diamond.jp/articles/-/90691

 4月30日、中国・北京で岸田文雄外相が李克強首相、王毅外相らと会談した。国際会議を除いて日本の外相が中国を訪問するのは、2011年以来5年ぶりのこと。一歩前進を期待させる一方で、会談が暗示したのは「楽観は禁物」という脆弱な日中関係だ。

【写真映像】 4月30日、日本の外相としては5年ぶりに訪中した岸田外相(左)は、李克強首相(右)や王毅外相らと会談したが… Photo:REUTERS/AFLO

 近年、中国で沸き上がる訪日旅行ブームにより「日中の二国間関係も好転している」と感じた市民や企業人も少なくないだろう。日中関係は改善に向かっているかのようだったが、実は中国当局は内心腹を立てていたのである。

 それが現れたのは、会談中に中国側が示した「4つの希望と要求」である。そのひとつに「二度と中国脅威論をまき散らさないこと」という強めの文言がある。安倍晋三首相が国際会議の場で中国の海洋進出への批判を繰り返してきたことが、中国の癇(かん)に障ったようだ。

◆ 改善ムードくっきりの2015年

 今年の春節、埼玉県のある友好団体が主催した賀詞交歓会の席で、中国大使館員が述べた言葉は印象的だった。

「2015年を節目に、日中関係は改善の方向に向かっている。複雑な問題が残されているものの、中国には『問題より解決策の方が多い』ということわざがある」――

 会場のムードはそんな前向きなスピーチになごんだ。2012年に尖閣諸島を国有化して以降、数年に及んだ「堅い空気」はすっかり取り払われたかのようだった。

 2015年を振り返れば、安倍首相は4月、訪問先のインドネシアで、習近平国家主席と会談した。2014年11月の北京での会談で険しい表情を崩さなかった習氏が一転してにこやかな表情になり、習氏が「中日関係は改善してきた」と述べたことは日本でも話題となった。

◆ 企業経営のやりにくさに大きな変化はない

 同年5月、自民党の二階俊博総務会長率いる民間人3000人が、北京の人民大会堂を訪れた。夕食会には習氏も出席し演説を行った。「両国人民の友好を子々孫々続けることを心から期待する」とした「習演説」について、日本の外交専門家は「『対日牽制』より『民間交流への期待』の色合いが強い」という解釈を与えていた。

 戦後70年を迎えるにあたって安倍首相が8月に発表した「安倍談話」についても、中国は厳しい批判を見せなかった。続く9月には「抗日戦争勝利70年」の式典が北京で行われたが、この軍事パレードについて中国政府は「特定の国に向けたものではない」と、再三強調した。

 戦勝記念日の連休中、愛国運動の激化を怖れて多くの日本人が上海から退避したが、結局何も起こらなかった。同月、日本政府では安保関連法案が成立したが、これに対する中国外交部報道官のコメントも極めて冷静なものにとどまった。

中国の日本企業も「やりづらい」

 確かに日中間には、こうした空気の変化が存在した。だが明けて2016年、日中関係の先行きがかすんでくる。筆者は2月末、上海で何人かの日系企業の管理職と面会したが、意外にも耳にしたのは「日中関係はいいとは思わない」という声だった。

 大手日本メーカーの中国人幹部のひとりは次のように語った。

「日中関係が改善していると思っているのは日本人だけ。現地での企業経営のやりにくさは、2011年の反日デモ以来、大きな変化はありません」

 2015年から転じたといわれる関係改善ムードだったが、中国における企業経営の現場でその実感は乏しい。またその変化を鵜呑みにできるほど中国は日本に対して寛容でもないという。

 前出の幹部は「恐らく南シナ海の問題かもしれない」と手をこまねく。中国では「日本が中国の海洋進出に難癖をつけていることが中国を怒らせた」と語られており、中国の態度硬化の原因は、南シナ海における人工島造成をめぐりアメリカと歩調を合わせて中国を牽制する日本であると、昨年末から憶測が流れていた。

 一方、それが明らかになるのが今年3月の全国人民代表大会(全人代)である。これに合わせて開催された記者会見で、日本の新聞記者が王毅外交部長に対し、「日中関係は実際好転しているのか、改善していないのか」と質問した。

 中国中央テレビの報道によれば、王毅氏は記者会見で次のように述べ、日本政府の二枚舌を批判している。

「日本政府と指導者は、一方で関係改善を叫びながら、一方で中国にとっての厄介ごとを探している。“二つの顔を持つ”ということの典型的な事例だ」

 さらに「病根は絶つべき」とし、「関係悪化の病根は日本の政治家の対中認識にある」と主張、「中国は友人なのか敵なのか、日本はこの問題を真剣に考えるべきだ」と語った。

 そして、4月30日に行われた会談では、王毅氏は日本に「4つの希望と要求」を突きつけたのだ。「1つの中国の原則を守れ」「中国脅威論をまき散らすな」「中国を対等に扱え」「中国への対抗心を捨てよ」とする「要求と希望」からは、安倍政権の対中政策への不満が見て取れる。「病根」は安倍首相その人だというわけである。

◆ 日中関係は「政冷民熱」か

 1978年に日中平和友好条約が締結されると、1980年代を通じて日中関係は「蜜月時代」を迎える。しかし、90年代以降は教科書問題や靖国参拝など歴史をめぐる話が何度も蒸し返され、ナショナリズムに火がつくこともたびたびあった。

 もともと盤石とは言えない日中関係は、これまでの歴史に見るとおりだ。その先も大きな期待はできないと筆者は予測するが、それでも注目すべき変化がある。

 それが、前回のコラム(「日本は理想郷」ネオ親日派は中国を変えるか)で述べた“訪日旅行ブーム”である。政治面では関係改善には至らないながらも、中国の民間では“日本ブーム”が到来している。日本の商品やサービスのみならず、産業転換や社会制度に関心を持つ中国人が徐々に増えているのだ。

 言ってみれば日中関係は、政治は冷めているが民間はそれなりに熱いという“政冷民熱”状態にある。依然としてアンバランスな関係には変わりはないし、「楽観は禁物」である。だが、それでも望みがあるとすれば「民の成熟」である。日中関係は世代交代と市民の成熟とともに、異なる展開が生まれてくる可能性がある。


 05 13 (金) 櫻井よし子氏に公開討論を要求     IWJ homepage




2016/01/24 IWJ(Independent Web Journal)のホームページ
櫻井よし子氏に公開討論を要求
      立憲政治を取り戻す国民運動委員会
      http://iwj.co.jp/wj/open/archives/283121

2016/01/19 櫻井よし子氏に公開討論を要求!  安倍政治が壊した「古きよき日本」を取り戻す  〜護憲派から改憲派の憲法学者、ジャーナリストら200人でつくる「立憲政治を取り戻す国民運動委員会」

 ◆ 「櫻井よし子さんに公開討論を提案したいと思います」

 これ以上ないくらいの危機感を共有し、安倍政権から立憲主義を取り戻そうとする動きが、改憲派で知られる憲法学者、小林節・慶応大教授の呼びかけで始まった。その名も「憲政の常道(立憲政治)を取り戻す国民運動委員会」。略称名は「民間立憲臨調」で、現在200人の賛同者が集まる。今後の活動の中で小林氏は、自民党の改憲草案を強力に後押しするジャーナリストの櫻井よし子に公開討論を求めていきたいと、IWJ記者の質問に答えた。

 自らを、政治運動を行わない「情報機関」として位置付ける同委員会だが、声明文の中で「安倍政権打倒」を明確に打ち出していることから、間接的に、有権者の投票行動に一石を投じるつもりだろう。今後、月1回のペースで集まり、政治状況を議論、分析しながら情報発信を続けるという。2016年1月19日、衆議院議員会館で開かれた発足記者会見で掲げられた声明文を、以下、紹介する。

1.去る9月、国会における論争が嚙み合わぬままに新安保法制(戦争法)は強行成立させられた。これは立憲主義を否定した民主主義の暴走である。

2.憲法9条が海外派兵を認めてないことは、自民党政権の伝統的解釈が語っている通りで、今に至っても違憲なものは違憲である。

3.憲法9条の下で、わが国が採用してきた専守防衛政策は、わが国の独立を守りつつ、平和国家としてのわが国の信用の確立に寄与しており、紛争の絶えないこの世界にあって、この平和大国は、仲裁者として有用な立場のはずである。

4.新法は、いずれ確実に、わが国に、イスラムの「敵の友は敵」であるとして、テロと米国に続く戦費破産の危機をもたらす。

5.このような安倍政権の暴走に対して、さまざまな新しい反対運動が自然発生的に立ち上がったことは、わが国の民主主義の発展のために喜ばしいことである。

6.政党間でも、新たな選挙協力や連立政権構想が提案されているが、喜ばしいことである。

7.選挙によって成立した政権が立憲主義を否定した暴走は、有権者が選挙で倒して立憲主義を回復すべきで、それこそ、国民主権の具体化である。

記事目次

小林節氏「櫻井よし子さんたちには腹が立っている。ぜひ、公開討論をやりたい」

報道陣に呼びかけ「安倍内閣とヒトラー内閣はよく似ている」

第2ラウンドは「戦争法案反対」ではもう足りない 〜安倍政権が「緊急事態条項」を突然打ち出してきた理由

安倍総理が不快感、ナチス・ドイツの「国家授権法」と同一視するのは限度を超えているのか

「緊急事態条項は後戻りできない、憲法が全部、眠らされてしまう」

•⑥「ReDEMOS」「市民連合」に次ぐ、「立憲政治を取り戻す国民運動委員会」の役割とは?中野晃一氏に聞く

 ◆① 小林節氏「櫻井よし子さんたちには腹が立っている。ぜひ、公開討論をやりたい」

     ◦日時 2016年1月19日(火) 14:00~
     ◦場所 衆議院第一議員会館(東京都千代田区)
     ◦主催 民間立憲臨調事務局

 「憲政の常道(立憲政治)を取り戻す国民運動委員会」は「民間立憲臨調」を略称とするが、櫻井よし子氏が代表となり、改憲議論を促進するために開設した「民間憲法臨調」と響きが似通っている。略称は櫻井氏らを意識したものなのか、IWJが小林氏を問いただした。

 「櫻井さんのことは意識にもなかった。なぜかというと、『戦争法案』が動きだしたとき、我々は何度も公開討論を要求したが出てこなかった。そして、発言者を一人ずつ『不公平』だといって言論の場から退場させる動きをしてきた。それに対して、腹が立っています、すごく。これからも、私は公開討論を提案していきたいと思います。マスコミの皆さんも『言っていたよ』と伝えてください。ぜひ、やりたい」

 櫻井氏との公開討論には、改憲派の小林氏と護憲派である水島朝穂・早稲田大教授が応じる予定だと小林氏は付け加えた。

報道陣に呼びかけ「安倍内閣とヒトラー内閣はよく似ている」

 発言者として会見に登壇した10人の中で、小林氏や水島教授、元日弁連会長の宇都宮健児弁護士、ジャーナリストの岩上安身、政治学者で上智大教授の中野晃一氏の5人が、ヒトラー政権と関連づけながら、政府与党が改憲議論の出発点にすえる「緊急事態条項」に言及した。

 「メディアの方に分かってもらいたいのは、安倍内閣とヒトラー内閣はよく似ているということです」

 ◆② 水島教授は、冒頭、報道陣に向かってこう呼びかけた

 安倍政権が掲げる「一億総活躍」は、かつて、国民を総動員して雇用を増やし、経済を国民の最大の関心事に掻き立てたヒトラー政権の「アウトバーン」に共通すると、水島教授は指摘する。アウトバーンとは1933年1月、ヒトラーが政権獲得直後、軍事上の目的と雇用対策を兼ねて実施した道路建設計画で、当時650万人に及んだ失業者の救済措置としても実施された。

 経済問題で一斉に世論をひきつけると、ヒトラー政権は同年2月に起きた国会議事堂放火事件を口実に、その翌日、ヒンデンブルク大統領に緊急令を布告させ、共産党、社会民主党員を含む、政権反対派など、プロイセン州だけで約5000人を令状なく逮捕、弾圧。抵抗勢力が抵抗できなくなった段階で、3月23日、全権委任法を成立させ、絶対的な権力を手にし、一気に独裁政権を確立した。その後、ヒトラー率いるナチス党がポーランドを侵攻、ユダヤ人大虐殺、障害者に対するT4作戦などの殺戮行為を行なったのは言うまでもない。

 ◆③ 第2ラウンドは「戦争法案反対」ではもう足りない
       〜安倍政権が「緊急事態条項」を突然打ち出してきた理由


 現在の安倍政権はどうか。

 世界でテロが横行し、北朝鮮の核実験のニュースが出たこのタイミングで、安倍総理は突然、「緊急事態条項」を打ち出してきた。水島教授は、こう分析する。

 「皆さん、お気づきではないと思います。安保法で入っていなかったのは国民保護法制(※)の改正案です。

 自衛隊を海外で武力行使できるようにする法律が11本にばらされて作られた。対外的な9条の空洞化はこれでできあがった。一方、足りないのは国民や自治体への統制と義務付け。これは安保法ではできなかった。

 時代はちょうど北朝鮮が核実験をやり、まさに、国民保護法案的な形で緊急事態条項を入れてくる。国民や自治体の義務、国民に罰則を科すことも含んでくる。今度はそれが正面に据えられる。私たちの第2ラウンドは、いわゆる『戦争法案』うんぬんでは足りません」

 夏の参院選では、どの政党を選ぶのか、どういう政策を支持するのか、安全保障はどうするのかといった個別の問題をすべて棚上げにしてでも、安倍政権打倒で戦う選挙にするべきだと、水島教授は訴えた。

(※)正式には「武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律」といい、武力攻撃事態等において、武力攻撃から国民の生命、身体及び財産を保護し、国民生活等に及ぼす影響を最小にするための、国・地方公共団体等の責務、避難・救援・武力攻撃災害への対処等の措置

 ◆④ 安倍総理が不快感、ナチス・ドイツの「国家授権法」と同一視するのは限度を超えているのか

 「安倍内閣とヒトラー内閣は似ている」と聞いて「大袈裟ではないか」と、笑ってとりあわない人もいることだろう。国会で社民党の福島みずほ参議院議員から、緊急事態条項をナチス・ドイツの国家授権法になぞらえて批判された安倍総理も「限度を超えている」と不快感を示した。しかし、ナチスになぞらえることが、本当に度を超えた例えなのだろうか。

超重要!!【国会ハイライト】ついに国会で緊急事態条項の危険性が取り上げられる! 緊急事態条項は「ナチスドイツの国家授権法と全く一緒だ」福島議員が追及! なんと安倍総理は中身について答弁せず逃走!

 大規模災害で「国民の安全を守るため」に同条項が必要だという安倍総理の常套句は、そもそも、前提が破綻している。何も、緊急事態条項がなくても、現行法で十分対処できるというのが識者の大方の見方だ。自然災害時においては、都道府県、市町村、関係公的機関の対応は法律で細かく定められており、緊急事態条項で国に権限を集中させる必要はない。

 また、対テロには、国民保護法や武力攻撃事態国民安全保護法の「緊急対処事態」があり、刑罰法規も、爆発物取締規則、刑法、ハイジャック防止法、テロ資金提供処罰法、組織犯罪処罰犯罪収益規制法が整備されていると、日弁連災害復興支援委員会前委員長の永井幸寿弁護士が岩上安身のインタビューで説明している。

2015/12/19 2016年最大の喫緊のテーマ!「国家を守り、人権を制限するのが国家緊急権。多くの国で権力に濫用されてきた過去がある」 〜岩上安身による永井幸寿弁護士インタビュー

 つまり、国民の安全を守るという言い分は、単なる口実に過ぎない。現行法では不十分というなら、どこが不十分なのかという議論がなされるべきであり、批判が間違っているならば、その理由を安倍総理は、改憲草案の条文に沿って明らかにすればいいだけである。議論から逃げたのは安倍総理ではないのか。

 昨年2015年11月のフランス・パリで起きた同時多発テロ直後、フランス国内で何が起きたのか。

 オランド仏大統領は非常事態宣言を発令し、集会やデモの許可を取り消し、不要不急の外出を控えるよう国民に通達した。警察権限が大幅に強化され、デモを画策していると疑われた市民の自宅を令状なしに家宅捜索、パソコンなどを押収した。ほかにも、「公の秩序と安全に対し、危険な活動をしている」という疑いで市民164人を自宅軟禁状態に、793件の家宅捜索と174件の武器押収を行なったと、同月20日の上院でバルス首相が認めている。

 しかし、フランスのこの「非常事態宣言」は警察権を強化するという、一法律にしか過ぎない。それに比べると、自民党の改憲草案で盛り込まれている「緊急事態条項」は、国会が作る法律と同じ効力を持つ緊急政令を出す権限を内閣に与え、憲法を「停止」し、無期限、無制限の権力を与えてしまうのである。

 IWJ代表でジャーナリストの岩上安身は、これをプロレスや格闘技の技の一つ、「スリーパーホールド」に重ね、危険性を力説した。

 ◆⑤ 「緊急事態条項は後戻りできない、憲法が全部、眠らされてしまう」

 「ジャーナリストとしての『矩(のり)』というものがあるが、それを超えなければいけない」

 世話人の一人として会見に出席した岩上は、反応の鈍いメディアや世論に危機感を覚え、自民党の改憲草案、中でも緊急事態条項の危険性を訴えるため、迷いながらも小林氏からの誘いを受けたと話した。

(取材・文:ぎぎまき 文責:岩上安身)

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2016.5.11 IWJ(Independent Web Journal)のホームページ
高市早苗総務相に計925万円もの「闇ガネ」疑惑
      取材・文 原佑介、文責 岩上安身
      http://iwj.co.jp/wj/open/archives/301235

【スクープ!】安倍内閣にまた「政治とカネ」高市早苗総務相に計925万円もの「闇ガネ」疑惑が浮上!同じく奈良選出の自民党・田野瀬太道、奥野信亮両衆議院議員と合わせて市民団体が刑事告発! 2016/05/11

 安保法案の強行採決に賛成した議員らへの落選運動に取り組む「落選運動を支援する会」が2016年5月10日、自民党の高市早苗総務相(奈良2区)、奥野信亮(おくの しんすけ)議員(奈良3区)の2人を政治資金規正法違反の疑いで奈良地方検察庁に告発した。2人の収支報告書から、高市氏に計925万円、田野瀬氏に440万円、奥野氏に327万9400円の「不記載」が見つかったという。告発状は、いずれも「闇ガネ」である可能性を指摘している。

 2人はいずれも奈良県選出の衆議院議員。4区あるうちの1区では民進党(当時・民進党)の馬淵澄夫議員が当選しているため、奈良県選出の自民党衆議院議員の過半数に政治資金規正法違反の疑いが浮上したことになる。

 刑事告発された3人のうちの1人、高市早苗議員は、現職の大臣である。告発が受理され、起訴に至れば、大臣の辞任は必至。甘利明元経済再生担当相の失脚に続き、大物閣僚が辞任に追い込まれれば、安倍内閣はもたないのではないか。そうなれば解散・総選挙もありうる。政局にも今回の刑事告発が影響を与える可能性は否定できない。

 「落選運動を支援する会」の呼びかけ人の一人で、今回の告発人でもある上脇博之神戸大学大学院教授は、IWJの取材に対し、「1人の収支報告書を調べていっても限界がある。(各都道府県には)支部連があるので、収支報告書などで関連をみていくとつながっていく」と述べた。今回、奈良県選出の自民党議員全員に「政治資金規正法違反」の疑いが明らかになったことについては、「自民党・奈良県支部連合会の体質というよりは、他の県でも調べれば出てくるかもしれない。もはや自民党の体質自体の問題ではないか」と話した。

記事目次

  ① 高市早苗総務相に計925万円もの「闇ガネ」疑惑

  ② 奥野信亮衆議院議員には計327万9400円の「闇ガネ」疑惑

 ◆① 高市早苗総務相に計925万円もの「闇ガネ」疑惑

 高市早苗総務相に対し、「政治資金規正法違反」の疑いを指摘した。告発状は、計925万円もの「闇ガネ」疑惑を指摘している。

 「奈良県支部連」(代表・奥野信亮)が奈良県選挙管理委員会に提出している2012年分の政治資金収支報告書の支出欄には、高市氏が代表を務める「自由民主党奈良県第二選挙区支部」に対して同年8月21日に440万円を「交付金」として寄附した旨の記載がある。ところが、「第二選挙区支部」の政治資金収支報告書には、「県支部連」からの寄附の受領については一切記載されておらず、2013年には、435万円が同様に不記載になっていたという。

 それぞれの受領寄附440万円と435万円について、告発状は「闇ガネ」として支出したとしか考えられない」と断じ、政治資金規正法第25条「不記載罪」に違反すると指摘した。

 また、2014年には「奈良県薬剤師連盟」と「自由民主党奈良県参議院選挙区第一支部」が、高市氏が代表を務める「第二選挙区支部」にそれぞれ5万円ずつ寄付しているが、「第二選挙区支部2014年分収支報告書」には、いずれの記載もなかったという。

 さらに同年、「奈良県トラック運送事業政治連盟」が、これも高市氏が代表を務める政治団体「新時代政策研究会」に対し、「パーティー券購入代金」として40万円を支出したが、「新時代政策研究会」の収支報告書には受領の記載がなかったという。

 ◆② 奥野信亮衆議院議員には計327万9400円の「闇ガネ」疑惑

 「自由民主党奈良県第二選挙区支部」(代表・高市早苗氏)の収支報告書によると、奥野氏が代表を務める「奈良県支部連」は、2014年に「第二選挙区支部」から122万円の会費が収められているはずが、県支部連の収支報告書にはそれが記載されていない。

 また、「奈良県歯科医師連盟」は2014年分の収支報告書で、こちらも奥野氏が代表を務める「自由民主党奈良県第三選挙区支部」へ5万円の寄付をした旨を記載しているが、「第三選挙区支部」の収支報告書にはこの5万円の受領が記載されていないという。告発状は、この受領政治資金計127万円の不記載について、やはり「闇ガネ」として支出された可能性を指摘している。

 さらに「第三選挙区支部」の収支報告書には、「第三選挙区支部」が「奈良県支部連」から2011年に88万1400円、2012年に81万2400円、2013年に31万5600円をそれぞれ受領した旨が記載されているが、「奈良県支部連」の収支報告書にはこれらの寄付の記載がない(不記載罪)という。告発状は、この計200万5400円について、「出所不明金」の「闇ガネであったとしか考えられない」と指摘している。

 以下、IWJが入手した告発状を全文掲載する。今回の告発には、複数の証拠がそろっており、捜査当局も素通りすることは許されない。国会での追及も待たれる。
   (以下告発状に始まる部分が続くがIWJ会員登録してないので見れません)


 ◆【参考】参考のため参考記事など残しておく

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