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            朝日新聞
             1 2018/08/25 社説 米中貿易摩擦 拡大回避へ対話続けよ
             2 (インタビュー) 経済学者・思想家、アタリさん
               ※ 『超ノマド』階層の羅針盤は?

【 04 】朝日新聞
 A 冬季オリンピック若者の活躍 B 公文書改ざん問題 新聞 3/26
 C 公文書改ざん問題 新聞 3/28 D 公文書改ざん問題 新聞 3/27
 E 金正恩氏訪中 対話生かす国際連携を F ◆米覇権の転覆策を加速するトランプ
 G ◆トランプのバブル膨張策 H 「核なき世界」日本異論 03/31
 I 安倍内閣ガタガタ 04/05 J 国会混迷 04/06
 K 森友学園疑惑 消された政治家と昭恵夫人 L 加計問題「首相案件」の記録提示
 M 「首相案件」愛媛県知事が認めている N 覚醒したい今日の課題
 O 「本件は、首相案件」 P ゴースト血管とは
 Q クマザサの効能 R 現代人は、圧倒的に腸内細菌が不足
 S こうじ水パワー T 「みる・きく・はなす」はいま
 U 尖閣諸島と竹島を放棄せよ V 米中貿易摩擦

 08 27 (月) 08/25 社説     米中貿易摩擦 拡大回避へ対話続けよ

世界の人々が戦争拒否の希望を持っているのに反し、国政を預かる政治家は国益のための政策を第一としている。 何とかできないのか?

国内政治においても、選挙といえば国益を最優先とした政党の争いになる。 国民は自分の理想社会実現の政策を優先せよという政党要求を出していない。 こんな政治の根底になっているのに、政治家自身は親分に従っての発言しかできない。 みともない民主主義である。

過去の戦勝国にしても戦敗国にしても、戦争を拒否するという理想を実現しようとしないのはどうしたことか。

最大の原因は、お金持ちが政治家に献金をして自分たちの経営の悪化を避けようとしているからである、と言っても間違いがない。

会社はお金を儲けようという金持ちたちが出資をしている。 資本主義の基本になる考え方である。 だからと言って戦争肯定という論理には直結してはいない。

歴史の流れを見ている限り、資本主義の考えは行き詰っていくと推論せざるを得ない。

フランスのピケティさんの警鐘を知っても、その対策を現実社会に築いていこうという政治家の意見は一向に出てきていない。 ピケティさんの警告は、聞き流されるしかないのか。

社会主義の改善という考えから、資本主義の弱点を修正する考えが出てきてもいいはずだ。 だがそれも今のところ聞こえてはこない。

一般の識者の意見をどしどし出して私たちを啓蒙してほしい。 啓蒙思想という言葉すらかすれてきて耳にすることがなくなってきた。 私は歳はとったが困っている。 いい智慧を聞かせてほしい。

朝日の社説の意見を超大国の政治家の人たちは受け止めてほしいし、世界の平和への道のりを一歩でも進めてほしい。




  米中貿易摩擦 拡大回避へ対話続けよ
朝日新聞 社説

 世界第1と第2の経済大国が2度にわたり、制裁と報復の高関税措置を発動し合う異常事態だ。3度目の応酬は絶対に避けねばならない。米中両国は対話を続け、妥協点を見いだす必要がある。

 米国と中国が、年間輸入額にして160億ドル(約1兆8千億円)に相当する互いの輸入品に、25%の高関税を導入した。7月6日の340億ドル分に続く措置だ。

 米国は2千億ドル分を対象にした3度目の制裁を、9月以降に発動することを検討している。実行されれば中国からの輸入額約5050億ドルの半分近くに広がる。中国も対抗する構えで、米国からの輸入額約1500億ドルの7割程度が対象となる見込みだ。「その他の反撃措置」も示唆しており、より深刻な局面を迎える。

 米国の制裁措置は、中国による知的財産の侵害を理由にしているが、狙いはそこにとどまらない。第2弾までの高関税は、中国の産業振興策の恩恵を受ける電子部品などを主な対象としており、ハイテク分野での中国の台頭を牽制(けんせい)する意図が見える。巨額の対中貿易赤字に、トランプ大統領が不満を募らせているのは言うまでもない。

 今回の制裁発動と並行するように、米中の次官級による協議が行われた。米政府によると「両国の経済関係を、公正で均衡の取れた互恵的なものとする方策について、意見を交わした」という。知的財産権の侵害など中国の「構造問題」についても議論したようだ。

 6月初旬の閣僚級以来となる公式対話の再開は、評価できる。対立緩和の糸口を探る場は閉ざさず、歩み寄る努力を続けていくしかない。

 自らの経済力を振りかざし、国際ルールを無視する米国の振る舞いはもちろん許されない。

 米国は欧州連合(EU)と7月下旬、自動車を除く工業製品で関税を下げる交渉で合意し、交渉中は自動車への追加の関税はかけない方針だ。中国とも一時休戦するべきだ。

 中国側にも改めるべき点は多い。いまだに高い関税の引き下げや、知的財産のより厳格な保護、補助金など政府による企業支援の見直しなど、世界第2の経済大国にふさわしい政策への転換が求められる。

 いま何ができるのか。中期的に取り組むべき課題は何か。振り上げた拳をいったん下ろし、冷静に話し合わねばならない。

 制裁と報復の応酬を続けていては、両国だけでなく、世界経済が傷つくだけだ。


 2030年、未来予想図  (インタビュー)
経済学者・思想家、ジャック・アタリさん


【映像】「私は悲観主義者ではありませんが、破局を回避するためには脅威の把握と観察が不可欠です」=飯塚晋一撮影

 20世紀以降、英米、米ソ、米中と2大国の関係が世界情勢を左右してきた。一方で市場のグローバル化に伴い、国家の力は弱くなってきている。保護主義が台頭し、北朝鮮の非核化が焦点となる中、日本や欧州は両大国とどうかかわるべきか。数々の予言を的中させてきたジャック・アタリさんに、2030年の未来予想図を聞いた。

 ――数々の「未来」を予測してきました。

 「06年に米国の住宅向け融資『サブプライムローン』の危険性を指摘し、翌年、実際に世界金融危機が起きたことが、よく引き合いに出されます。07年6月にiPhone(アイフォーン)が発売される前に、世界を自由に横断する『ノマド』が持つ情報発信機器として『オブジェ・ノマド』の普及を予測し、スマートフォンの大衆化を言い当てたとも言われました」

   【アイフォーン】(iPhone)米国アップル社が開発したスマートホンのシリーズ名
   【ノマド】(nomad)放浪者

 ――最近出版された「新世界秩序」(作品社刊)では、30年の世界像を描いています。

 「世界のGDP総額は現在の2倍になり、地球上の総人口は15%増え、85億人に達します。うち70億人が携帯電話を持っているでしょう。大国はライバルを圧倒するのに手いっぱいで、自国の利益のためだけに立ち回り、市場のグローバル化が国家をのみ込みます。国境を越えた不正行為が増え、麻薬や売春などの犯罪経済が世界のGDPの15%を超えることでしょう。それは破局に直面し、無政府化とカオス化が進んだ世界です」

   【新世界秩序】2018/6/30 ジャック・アタリ 山本 規雄訳 単行本¥ 2,592
   【カオス化】この世が始まったとき最初に無の空間に誕生した神で、混沌を神
    格化したもの。一人でガイア(大地)、タルタロス(奈落)、エロース(愛
    ;別説有)、エレボス(暗黒)、ニュクス(夜)といった神々を生んだ。
    カオスと同時にガイアとタルタロスが生まれたという説もある。
    原義は大きく開いた口、空っぽな空間の事だったらしい。
    また、混沌、無秩序を意味するカオスは、コンピュータの発達により「決定
    論的システムが作り出す予想不能のふるまい」、 即ち、ほんのわずかな初期
    条件の違いが予想もつかないほど大きく違った結果を生む現象、個々の現象
    は決定論的に予測できても、総体としては非連続でバラバラな挙動を示し予
    測不可能なこととしても認知されるようになった。気象学者エドワード・
    ローレンツのローレンツアトラクタが有名。
    この不規則で非常に複雑に見える現象が、簡単な方程式で書き表せることも
    ある、とするのが「カオス理論」である。(常にそうできる、とまでは主張
    しない。) カオス理論は数学、物理学だけでなく、化学、医学などの生命科
    学、経済学や社会学など、全ての学問体系に影響を及ぼしている。
    転じて、日常でも混沌としている様子や雑然とした場所などについて、「カオ
    ス」と形容することがある。 また文脈や展開的に支離滅裂になった場合にも
    しばしば使用される。

 ――なぜ、そんな状況に。

 「最も憂慮すべきは、最近の米国の関税攻勢に見られるような保護主義です。現政権は極端に走りがちなのが気がかりです。例えば、赤字の発生源だからと日本車の輸入自体を禁じるような……。保護主義が行きすぎると、世界経済は破局へ至ります。中国は歯車が破局へと自転しないよう、賢明な対応をしていると思います。日本と欧州は、共通の危機にさらされていると指摘しておきます」

 ――どんな危機ですか。

 「米中の2大国に加え、ロシアやインドなど近未来の大国は、友好国にすら容赦しなくなります。日本と欧州は、資本や高い技術を持ちながらも、守勢に立たされがちです。企業買収や技術移転などを通じ、悪い表現ですが『生き血を吸われる』危険がある。それを防ぐには、以前よりも多様化した同盟関係を結ぶ必要があります」

 「現代の市場が『ミー・ファースト』(私が一番)の原理で動いていることに、この傾向は起因します。市場は、本来なら『お客様が一番』のはずですが、実態は逆になっている。競争や宣伝で『私が一番』を唱えるありようは、ポピュリズムの原理と通底します。地球規模で利己主義と利他主義、つまり『自分の幸せのために』と『他人の幸せのために』という価値観がせめぎ合っています」

   【ポピュリズム】(populism)
    1 (Populism)19世紀末に米国に起こった農民を中心とする社会改革運動。
      人民党を結成し、政治の民主化や景気対策を要求した。
    2 一般に、労働者・貧農・都市中間層などの人民諸階級に対する所得再分配、
      政治的権利の拡大を唱える主義。
    3 大衆に迎合しようとする態度。大衆迎合主義。

 ――英国が欧州連合(EU)からの離脱を決めた際、「一国なら良くなる。まずは自国から」「昔はよかった」という考え方は短絡的で誤っていると批判しました。

 「ミー・ファーストにも通じる考えですが、根底には『未来を恐れる』心情があります。米国も日本も同じ傾向にあります。誰でも昔は若かったし、時間もあった。でも懐古的で内向きな心情に浸る傾向は、望ましくありません」

    ■     ■

 ――現在の世界情勢と1910年代の類似性も指摘しています。

 「本当にすごく似ています。10年代は、技術発展の時代でした。エレベーター、ラジオ、自動車、電力など、現在の私たちの生活の基盤を形作るものが続々と発明され、普及しました。これらの技術を背景に、強力なグローバリゼーションが進みました。ロシアや中国などで急激に民主化運動が広がったのもこの時期です」

 「そして反動が来ました。07年に米国で金融恐慌が起き、14年に第1次世界大戦が始まるまでの間、テロリズムやニヒリズムが広がり、保護主義とナショナリズムが台頭します。そして2度の大戦を経て冷戦が終結に至るまで、75年もの圧迫の時代に世界は突入してしまった。現在も急激な技術発展とグローバリゼーションが進む一方で一国主義や懐古趣味が広がっている。危険な兆候です」

   【グローバリゼーション】(globalization)
    1 国家などの境界を越えて広がり一体化していくこと。特に、経済活動や
      ものの考え方などを世界的規模に広げること。グローバライゼーション。
    2 コンピューターのソフトウエアなどにおける国際化。

 ――以前、東シナ海や南シナ海での「日米対中国」の構造は大きな軍事的火種だと指摘しました。

 「いま世界で一番リスキーなのは、米中のライバル関係です。北朝鮮への対応をめぐり、両国間に何かが起こる危険がある。ただ、強調しておきますが、中国は戦争を望んでいません。彼らが最も求めているのは『尊重されること』です。彼らの軍事力が米国に肩を並べるのは、2030年ごろだと私はみています。それまで中国は戦争を回避し続けるでしょう」

   【リスキー】(risky)
    [形動]危険の多いさま。冒険的。「リスキーな投資」

    ■     ■

 ――6月の米朝首脳会談は、緊張緩和に役立ったのでは。

 「現時点では、何らかの成果をもたらしたとは言えません。最も重要なのは非核化の実現ですが、現在、その兆候は希薄です。このままだと米国は成果を求め、強硬手段に訴える危険性がある。10~11月ごろに、北朝鮮の核廃絶の意思が本物か否かが見えてくるでしょう。この時期が東アジアにとって、非常に重要な局面になると考えています

 「米国の政策のまずい点は、間違った認識の上に成り立っていることです。例えば、旧ソ連の崩壊は、米国が考えている『経済制裁の成果』ではなく、ゴルバチョフが民主化を望んだからなのです。もし彼が民主化を嫌っていたら、ソ連という国は今も存在しているはずです。ベネズエラやキューバや北朝鮮も同じです。経済制裁は一層、非効率的な手段になりました。当時ソ連を支援した国は皆無でしたが、今は北朝鮮を中国が支えるでしょう。米国が北朝鮮やイランへの経済制裁が不首尾だったと判断すると、年末ごろ、強硬手段に訴える可能性があります

 ――日本の役割は。

 「朝鮮半島の非核化に向け世界にキャンペーンを張るべきです。北朝鮮の核保有を許したら、イランや他の国の核保有を止められるでしょうか。日本は世界で唯一、核兵器の惨禍を体験した大義名分を持ちます。米国との協調も重要ですが、もっと幅広い回路を駆使し、持てるすべての外交力で、半島の非核化を目指すべきです

 「NATOを発展させた組織への参加も、日本は検討するべきです。大西洋から環太平洋へと市場の中心が移動するなか、日本とNATOが同盟を結ぶのは、価値があります。米国も日本が他の相手と同盟するよりは受け入れやすいでしょう。30年後、欧州は共通の軍隊を持っているか、欧州自体がなくなっているか、そのどちらかだと私は考えています。日本と今以上の親密なパートナー関係を築くことは、双方にとって長期的に重要な課題だと思っています」

   【NATO】(北大西洋条約機構)は、北大西洋条約に基づき、アメリカ合
    衆国を中心とした北アメリカ(=アメリカとカナダ)およびヨーロッパ諸
    国によって結成された軍事同盟である。前身はブリュッセル条約 (1948年)。
     略称は頭字語が用いられ、英語圏では、North Atlantic Treaty Organization
    を略した NATO(ネイトー)と呼ばれ、日本やドイツ語圏では NATO(ナトー)
    フランス語圏・スペイン語圏・ポルトガル語圏等では OTAN(オタン)と呼ばれる。

    ■     ■

 ――市場の中心が環太平洋に移動したとのことですが、東京は。

 「世界経済の核となる『中心都市』は13世紀のベルギー・ブリュージュに始まり、8番目が1929~80年のニューヨーク、80年代以降はロサンゼルスというのが、私の持論です。東京は9番目の中心になる機会がありながら、逸しました。金融や官僚組織の古い体質バブル対策の失敗世界から優秀な人材を誘引できず、個人主義も未開花な点などが理由です

 ――失われた30年ですね。

 「最大の課題は人口問題です。『1億人程度でいい』と言うかもしれませんが、減少は止まらないでしょう。女性にはもっと働きやすい環境が必要ですし、男性の育児休業だって取りやすくするべきです。家族政策は永続性が重要です。フランスは20年以上かけて人口減を食い止めたので、良いモデルになります。必要なのは文化的側面まで見据えた施策です。女性の地位を高め、出産や育児によりキャリアが不利にならない文化を定着させる努力が欠かせません

 ――「人口が減っても別段構わない」という意見もあります。

 「日本は現在、公的債務がGDPの230%に達しています。この問題の深刻な点は、次世代の蓄えに依存して、現世代が生きていることです。経済も、環境問題も、年金や福祉も、課題が次世代へ先送りされている。人口が減少すると、国民の負担は破局的に深刻化します。施策の幅を狭め、相続放棄の出来ない借金を次世代へ課すことになるのです

 ――日本や欧州に、破局を回避する処方箋(せん)はないのでしょうか。

 「未来志向の社会的な実験を専門的に担う銀行や環境犯罪を裁く国際法廷の創設企業定款に次世代への貢献内容の明記を義務づけることなどを提言してきました。しかし実は、能力も、テクノロジーも、財源も、起業家も、独創的な人材もみなそろっています

 「残っているのは力を合わせることです。『新世界秩序』に詳しく書きましたが、国境を越え、高い独創性を発揮する『超ノマド』と言うべき階層が現れ始めていることに、特に注目すべきです。危機感を共有した超ノマドたちが、既存国家の枠組みを尊重しながらも、資源や軍備、食糧生産、環境などの現状と展望を示すこと。それが第一歩になるはずです」

 (聞き手 編集委員・永井靖二)

    *

 Jacques Attali 1943年生まれ(今年の誕生日には満75歳になる)。81年にミッテラン大統領の特別顧問、91年に欧州復興開発銀行の初代総裁。現大統領マクロン氏の政界入りも主導した。



さてここで「ノマドとは」をGoogleで調べると、

ノマドってどういう意味?言葉の歴史やライフスタイル、働き方など | ノマド ...
    https://nomad-journal.jp/archives/5589
2017/12/01 - 時間と場所にとらわれない働き方を意味する「ノマド」という言葉。最近よく聞くこの言葉の意味をご存じでしょうか?今回はノマドの語源やフリーランスとの違い、ノマドのメリット・デメリットについて現役ノマドワーカーである著者が解説していき ...
‎ノマドの語源はフランス語の ... · ‎ノマドとは具体的にどんな ... 、

という解説があり、この項を見ると次のように説明しています。


nomad journal 2017.12.01

ノマドってどういう意味?言葉の歴史やライフスタイル、働き方など

インターネットの発達により、近年急増している「ノマド」という働き方。これまでの「出社して仕事」といった一般的な働き方と異なり、「ノマド」は時間と場所にとらわれません。その働き方には多くの注目が集まっています。この記事では、そんな「ノマド」の語源やメリット、デメリットについてまとめてみました。

  目次
  •1 ノマドの語源はフランス語の「遊牧民」
  •2 ノマドとは具体的にどんな働き方をする人?フリーランスとの違いは?
  •3 ノマドのメリットについて
  •3.1 (1)生産性の向上
  •3.2 (2)人間関係ストレスからの解放
  •3.3 (3)収入増加が簡単
  •4 ノマドのデメリットについて
  •4.1 (1)厳しい自己管理能力が必要
  •4.2 (2)社会的信用の低下
  •5 まとめ

 1 ノマドの語源はフランス語の「遊牧民」

ノマドとは英語で「nomad」、本来は「遊牧民」や「放浪者」を意味する言葉です。

ただ近年は「定住地を持たず移動しながら暮らす人」という本来の意味から派生して、「時間と場所にとらわれずに働く人、もしくはそういった働き方」として使われています。

また、上記のように働く人を「ノマドワーカー」と言ったり、「ノマドする」のように動詞として使用したりすることもあります。

今から10年以上前、フランスの大統領補佐官を勤めた経験もある経済学者ジャック・アタリは著書「21世紀の歴史」(2006年発刊)の中で、ノマドという言葉を使って「インターネットの発達によりクリエイター階級が時間と場所にとらわれず活躍する時代がくる」と解説しています。

現代は、まさにこの予言通りの時代が来ていると言っても過言ではないでしょう。

日本でノマドの概念が世間一般に広く認知され出したのは2010年前後で、ベストセラー「レバレッジシリーズ」で有名な本田直之氏や、情熱大陸にも出演した安藤美冬氏がノマドブームの火付け役となりました。

ノマドという言葉ははるか昔から存在していたものの、その存在や働き方が注目され出したのはインターネットが急速に発達してきたここ10年前後なのです。

 2 ノマドとは具体的にどんな働き方をする人?フリーランスとの違いは?

ノマド(ノマドワーカー)の定義は、先ほど解説した通り「時間と場所にとらわれない働き方」(そういった働き方をしている人)です。この条件に当てはまれば仕事の内容に関わらず、誰でもノマドと言って差し支えないでしょう。

例えば、会社員であっても、その日の出勤が義務づけられていなければそれはノマドとなります。

しかし、現実にそうした働き方が可能な職種は限られています。そのため、世間一般ではパソコン1台持ってカフェで仕事をしたり、旅行中の飛行機や電車の中で仕事をしたりすることが可能な、ライターやデザイナーなどの個人事業主をノマドと呼ぶ傾向が強いです。

また、よくノマドと混同される「フリーランス」ですが、こちらは「自分のスキルで企業や個人と契約を交わし仕事をする人」のことです。

フリーランスの中にはノマド的な働き方をしている人もいれば、オフィスに常駐する人もいるため、「ノマド」=「フリーランス」とは必ずしも言えません。

簡単に言ってしまえば、ノマドは主に働く場所や時間が自由、フリーランスは主に働き方が自由、ということです。

 3 ノマドのメリットについて

(1)生産性の向上(1)生産性の向上

ノマドは働く場所と時間を選ばないため、労働環境を自分好みに改善することが可能です。これにより、本人次第でいくらでも生産性を向上させることができます。

(2)人間関係ストレスからの解放

ノマドワーカーは一般的な会社員とは異なり、上司や部下がいない個人事業主として働くことがほとんどです。そのため、わずらわしい人間関係のストレスで悩む機会はグッと減るでしょう。特に昨今問題になっているブラック企業で雇用形態や人間関係に悩んでいる人は、そのメリットを存分に感じることができるはずです。

(3)収入増加が簡単

これは人によって事情が大きく異なりますが、基本的にノマドは契約ベースで働くことが多いため、働けば働くほど収入が増加します。一方、会社員で月に1〜2万円の昇給をしようと思えば最低でも1年かかります。場合によっては「どれだけ働いても、どんなに長期間継続して勤めても昇給しない」といったことも。これはノマドの大きなメリットと言えるでしょう。

 4 ノマドのデメリットについて

(1)厳しい自己管理能力が必要

会社員であれば、周りの目もありそこまで仕事をサボることはできません。また、一部成果報酬型の職種を除き、一般的には成果が上がらなくても毎月決まった額の給与が支給されます。

しかし、ノマドは仕事量はもちろん、交渉、モチベーションなどをすべて自分一人で管理する必要があります。そのため、自己管理能力が欠如している人の場合は怠けてしまい生産性が低下することも。

(2)社会的信用の低下

ノマドは比較的新しい働き方であるため、賃貸やクレジットカード、ローンなどさまざまな審査で会社員よりも不利な傾向にあります。私自身も独立当初は賃貸審査に連続で落ちた経験がありますし、実際に不動産業者から「独立したての個人事業主(ノマド)は会社員や公務員に比べて審査が通りにくい」とも言われました。

この傾向は東京や大阪といった都市部よりもノマドが少ない地方都市で特に実感します(著者は地方都市在住)。

 5 まとめ

インターネットの発達により実現可能となった、これまでとは異なる新しい働き方「ノマド」について、言葉の意味やメリット、デメリットを解説しました。言葉の意味と実態を正しく把握し、「本当に自分が求めている働き方なのか?」を見極めていきましょう。なお、東京でノマドワークを具体的にする方法について『ノマドワーカー実践講座〜持ち物、服装から仕事場の選び方などリアルな実践例で紹介』という記事でまとめてますので、是非ご覧ください。

執筆者:河内 勝男

会社に勤めつつ2014年から副業を開始。2015年に会社を退職しフリーランスライターとして独立しました。会社員時代の副業経験を活かした記事はもちろん、ライター業以外にサイト運営もしているため、実践的なSEOやコンテンツマーケティングの記事執筆には自信があります。


実は枠内の説明は社説とインタビューを取り上げ、まとめた後になって追加して取り上げた内容でした。 この内容を読んでみると、私がいろいろと悩んで困っていることにかかわったことが言われておりました。

大変示唆に富み有益な内容です。 私なりの勝手な方向がまとまりそうです。 有難い考え方に出会いました。