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折々の記 2016 ⑧
【心に浮かぶよしなしごと】

【 01 】田中宇     【 02 】田中宇     【 03 】田中宇
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【 07 】田中宇     【 08 】田中宇     【 09 】田中宇

特別編集 田中宇の国際ニュース解説
世界はどう動いているか

【 08 】
2020/1~7月1日まで
2020/7~2021/1月2日まで

 2020/12 04 (金) 国際ニュース解説        2020年7月8日から12月04日まで

「大リセット=新常態=新しい生活様式」のからくり
 【2020年12月4日】 大リセットと新常態と新しい生活様式は、同じものを違う側面から見ている用語である。それらが意味するものは米国覇権の自滅と覇権多極化だ。「完全雇用と大量消費、全国民の中産階級化などで構成される戦後の米欧のリベラル資本主義体制を、コロナを使って自滅させること」とか「リーマン後、米欧金融を延命させてきた米欧日の中銀群のQEをコロナを使って限界以上に拡大させて破綻させ、米国の覇権を金融面から自滅させること」とか「米国覇権を自滅させる一方で中国を台頭させ、日韓を米国傘下から中国傘下に移転させて中国を強化し、覇権を多極化すること」である。


バイデンの愚策
 【2020年11月30日】バイデンは、政権をとる前提で閣僚人事を進めた。国務長官にアンソニー・ブリンケン・ブリンケン、国防長官にミッシェル・フロノイ、気候変動問題の特使にジョン・ケリーなどが報じられている。これらの人事、とくに国務長官と国防長官の人選を見ると、バイデン政権は、かつて共和党のブッシュ政権がやって大失敗が見事に確定した「単独覇権主義」や「先制攻撃による政権転覆」の戦略を再び引っ張り出してきて実行することで「米国が世界を率いる」覇権体制を復活させようとしていることが見て取れる。これは、あまりに愚策だ

◆米大統領選とコロナの行方
 【2020年11月23日】なぜトランプは、自分の依頼を断りそうなミシガンの2人をわざわざマスコミが感知する中で大統領府に呼び、自分を敵視するマスコミが、自分の策略の失敗を大喜びで喧伝する流れを容認したのか。トランプ陣営は事前にミシガンの共和党の様子を把握していたはずだ。トランプは、わざと自分の失敗をマスコミに喧伝させ、民主党と軍産を油断させようとしたのでないか。

新型コロナでリベラル資本主義の世界体制を壊す
 【2020年11月21日】 リベラル資本主義をやってきた米欧諸国は誇張されたコロナ危機によって資本主義を自滅的に壊し、長続きできないQEやUBIの社会主義体制に移行し、移行から10年前後でそれも経済破綻・ドル崩壊し、単なる貧しい国々になっていく。対照的にこれまで「社会主義市場経済」「集団指導体制」など無理やりリベラル資本主義に似せたことをやってきた中国は今後、習近平による内需主導型経済への転換(双循環)戦略や、「一帯一路」の地域覇権的な広域経済戦略によって、大量生産・大量消費・完全雇用のリベラル資本主義的な経済体制を維持できる唯一の経済大国として存在し続ける。資本主義だった米欧が社会主義になって破綻していき、社会主義だった中国が資本主義になって繁栄を続けるという逆説的な世界になる。


◆トランプ再選への裏街道〈3〉
 【2020年11月18日】今の時点でトランプが国防総省の上層部を入れ替えて猛然と世界撤兵を開始し、それを軍産民主党側が「トランプはどうせ辞めるのだから放っておけ」と高をくくって放置していると、憲法修正12条などを使ってトランプが続投を決めた場合、世界撤兵を食い止められず、大変なことになる。

◆トランプ再選への裏街道〈2〉
 【2020年11月12日】FOXやWSJといった共和党系のマスコミは、今のところバイデン勝利を宣言したままで、マスコミ内部の統合(権威保持のための談合体制維持)を重視している。だが私の見立てでは、これから共和党側が選挙不正に対する反撃を強めていくと、FOXやWSJが民主党による選挙不正を報じ始め、これまで一枚岩だったマスコミのウソ保持体制が壊れていく。エスタブ業界や各種権威筋も分裂し、軍産が作ってきたウソ構造に亀裂が入り、世界が巨大な茶番であることが露呈していく。

トランプ再選への裏街道
 【2020年11月7日】 米大統領選挙に関して「トランプとその支持者は、民主党が広範な選挙不正をしたというウソを言って、敗北が決定的なのに負けを認めようとしない」という見方が席巻している。だが実は、民主党が広範な選挙不正をした可能性は十分にある。そして、米国の選挙制度を見ていくと、トランプと共和党が民主党の選挙不正を指摘し続け、自分の勝ちを主張し続けて敗北を認めずに頑張っていると、たとえ「民主党の選挙不正」がマスコミや権威筋も認める公式な話にならなくても、選挙制度に沿って、合憲的に、トランプが勝っていく道筋があることがわかる。それは、大統領選挙で勝者を確定できず揉めた場合にどうするかを決めた合衆国憲法の修正12条に依拠した道筋だ。

米民主党の選挙不正
 【2020年11月6日】 私が注目したのは、マスコミの開票速報がバイデン264、トランプ214のまま止まっていることだ。バイデンは、あと6人とれば当選確実になる。残っている4州のうち一つ取ればよい。マスコミが勝敗を確定すると覆すのが困難になる。民主党とマスコミなど軍産側は、ネバダあたりの選挙管理委員会を急かせて不正票含みで開票を進めてバイデンの勝ちを確定するのが良い。しかし、どういうわけかそれは寸止めされている。もしかして・・・と私が思ったシナリオは、民主党に不正をさせるのがトランプの仕掛けた罠でないか、というものだ。


トランプの敗北?
 【2020年11月5日】 米国の選挙は、投票する有権者でなく、開票する選挙管理委員会が(不正によって)勝敗を決める。そんな揶揄の記事も出ている。偽造票の束を、開票所に持ち込むのでなく、郵便局の集配振り分け室に裏口から民主党支持者の郵便局員を通じて持ち込んで集配システムの中に入れてしまえば、簡単に不正ができる。選管が票の偽造に絡んでいるのだろうから、偽造票と正規票を見分けるのは困難だ。

投票後に政権転覆・カラー革命の試みに転換する米大統領選
 【2020年11月4日】 トランプが勝利宣言した時点で、トランプ政権を転覆するためのクーデター、カラー革命の試みが始められる。ウクライナやベラルーシ、シリアなどでトランプ以前の米諜報界が地元の野党勢力やテロ組織を動員・扇動して試みた各種のカラー革命は、いずれも数か月から数年続いている。米国でもポートランドなど左翼が治める諸都市ではコロナ危機開始以来、左翼による市街地占領や略奪が断続的に何か月も続いている。サンライズ運動の破壊行為も今後延々と続きそうだ。

◆通貨デジタル化の国際政治
 【2020年11月2日】中国は通貨のデジタル化で世界の最先端を行っているが、中国自身は今後、経済を内需主導型に転換していくことで30年ぐらい高度な経済成長を続けられ、従来型の完全雇用システムのままやっていける。UBIは必要ない。完全雇用システムは資本主義的で、UBIは社会主義的だ。社会主義を標榜する中国が今後も完全雇用システムで、資本主義を標榜する欧米がUBIになるのは皮肉に見えるが、資本主義の先に社会主義があるというもともとの考え方からすると、皮肉でない。中国が通貨をデジタル化するのは、習近平の独裁強化と中国の覇権拡大のためだ。中国と欧米では通貨デジタル化の理由が異なる。

中国覇権下に移る日韓
 【2020年10月24日】英国は、自ら能動的に世界の単一化や国際社会の創設を手掛けただけに、世界に対する支配欲も強い。対照的に中国は、自国を近代国家や市場経済として統合・発展させる際に、共産主義や社会主義市場経済など、欧英が開発したシステムを借りて改造してきた歴史があり、まず自分たちをうまくまとめることに苦心してきた。中国は少なくとも今のところ、英米にとって代わって世界支配しようという気がない。習近平は、英米資本家の誘導に沿って一帯一路でユーラシアの地政学的逆転を進めているわけで、英米にとって代わるどころか、英米と協力して国際活動をしている。


◆決定不能になっていく米国
 【2020年10月21日】日本や韓国も対米従属だが、コロナの自滅的な都市閉鎖をトランプらから強要されていない。その理由は、トランプらの構想が多極化であり、日韓は中国の傘下に入る方向なので、日韓を自滅させず無傷で中国圏に押し込み、中国圏の力を全体として維持させたいからだろう。中国は米欧経済のコロナ自滅をしり目に成長を続け、世界最大の経済大国が米国から中国に交代するのが今年に前倒しされた。日韓が中国傘下に吸い寄せられれていく。世界の状況が見えにくいコロナの体制下で、覇権の転換が黙々と進んでいく。日本が中国の傘下に入っていくことは全く報じられず、国民も気づかない。

隠れ支持者がトランプを再選させる
 【2020年10月17日】私は大統領選でトランプが再選されると予測している。前回16年は辛勝だったが、今年はもっと余裕のある勝ち方、たぶん圧勝になる。前回に予測を間違えたマスコミや権威筋は、今回も間違える。米国の一般市民の56%がトランプ再選を予測している。マスコミより一般市民の方が正しく予測している。マスコミや権威筋は、意図的に同じ過ちを繰り返させられている。

◆「事実」の不安定化
 【2020年10月12日】これまで世界で「何が事実か」を決めるのは覇権国である英米だった。しかし今、覇権の低下によって、事実を事実として確定させる人類のちからが低下し、同時に覇権を維持するための事実の歪曲や捏造もひどくなり、それがまた覇権の低下に拍車をかけている。覇権とともに、事実も不安定化している。最近は新型コロナをめぐる事実の不確定がひどい状態だ。多くの人は、マスコミを軽信する旧来の体制下でまだ生きているので事実の不安定化に気づかない。覇権の低下と、事実の不安定化は今後さらにひどくなる。いずれ人々は気づいていく。

国際政治劇として見るべきコロナ危機
 【2020年10月11日】北欧や日本などの例外を除き、先進諸国の多くは、都市閉鎖やマスク義務化など厳しいコロナ対策を、見かけ上の陽性者数を恣意的に増やす歪曲策までやって続けている。対照的に、発展途上諸国の多くは厳しいコロナ対策をやってこなかった。しかし、手ぬるい対策の途上諸国がコロナの蔓延で大変かというと、そうでもない。騒いでいるのは先進諸国だけで、しかも騒ぎのほとんどは陽性者や死者の数を捏造して増やすなど自作自演だ。なぜこんな状態が延々と続くのか。

◆アジアを非米化するトランプの2期目
 【2020年10月6日】世界の中で、欧州と東アジア、EUと日韓豪印以外の地域は、ブッシュからトランプ1期目までの20年で、米覇権低下と多極化への道筋が見えてきている。だから2期目のトランプは、これまで軍産側の妨害策があって手がつけられていない欧州と東アジアの非米化にいよいよ着手するのでないか。


コロナの歪曲とトランプvs軍産の関係
 【2020年9月26日】コロナ危機は「危険な感染症が世界で流行し、米国が感染症対策と称する覇権行使の強化・世界的な有事体制の確立をやるべきだという話になる」という、軍産の覇権強化策としての「パンデミック」のシナリオに沿っている。コロナは米覇権拡大のパンデミックのシナリオだが、やっている策は正反対に、米国と同盟国を経済破綻させる都市閉鎖、軍産のエージェントが世界各国に行けなくなる国際旅客航空便の停止など、米国覇権を自滅させている。なぜこうなっているかという疑問も、トランプらが軍産を乗っ取り、軍産の策であるパンデミックのシナリオを発動し、それを自滅的な具体策で進めることで、トランプらがやりたい覇権崩壊や多極化につなげていると考えれば納得できる。


◆近づく世界の大リセット
 【2020年9月22日】大リセットへの対策が最も進んでいるのは中国だ。トランプは米中分離を進め、中国が米国に頼らず非米的な独自の国際システムを作っていくよう仕向けてきた。中国と一帯一路の諸国は、国際決済をドルに頼らず、人民元など各国の通貨で決済する傾向を強めている。中国は金融のバブルも米国側と比べると少なく、習近平は国内金融バブルを膨張させない策をとり続けている。中国など非米諸国は米国に頼らない独自システムに移行し、ドルと米覇権が崩壊する大リセットが起きてもあまり悪影響を受けない。


安倍から菅への交代の意味
 【2020年9月19日】安倍はトランプに加圧され、愚策なのでやりたくないロックダウンを薄めた非常事態宣言の策をやらされていた。その安倍が8月28日、辞任表明の同日に、コロナが大変な病気であるという法的根拠の根幹にある感染症指定を、自分が辞めた後の日本政府が見直していくと発表した。これは、米国から加圧されていやいやながらやっていた「コロナが大変な病気なので大恐慌になっても都市閉鎖をやる」というインチキコロナ危機の愚策を、安倍が辞めた後に日本がやめていくということだ。


◆中国イラン同盟は多極化の道筋
 【2020年9月13日】イランは中国と協定し、米国からの経済制裁を無効化し、中国製の国民監視システムを導入してスパイによる政権転覆も無効化していく。これを見て、米国から脅されてきた世界の諸国の多くが、自国も同様に中国と組むことで米国の脅しを乗り越えたいと考えているはずだ。中東や中央アジア、アフリカ、東欧、中南米などの多くの諸国の指導者が、自分と自国を強化し、米国を恐れなくてすむようにするために、イランのように中国と関係を強化したい。中国が世界各国との関係を強化するほど、世界は米国の支配システムを無効化でき、米国がとってきた政権転覆策が終わり覇権が低下する。


米欧日の儲けを中国に移転するトランプの米中分離
 【2020年9月11日】米中分離によって、中国市場での利益のすべてが中国人のふところに入る。ブランド力で大儲けしていた米欧日の企業は、トランプの米中分離とコロナ危機の策略によって、中国から退却させられていく。中国企業は下請けから脱却し、高いブランド製品の製造主になり、外国人にとられていた儲けを初めて中国人自身のものにしていく。中国人が、中国市場の主人になる。これは、アヘン戦争以来の中国の夢の実現でもある。それを実現してくれるのが、トランプの米中分離策である。トランプは、中国にとってニクソン以上の「恩人」になる。中国をボロクソに言って敵視しているトランプが、である。


◆ドルの劣化
 【2020年9月7日】ドルの金融システムが潜在的に劣化している状態はリーマン危機から12年間も続いている。コロナは、ドルの劣化状態をひどくした。だが劣化はコロナ後も顕在化・公式化せず、潜在状態のままだ。この状態がいつまで続くのか不明だ。だが、ドルの劣化が顕在化して実際のドル崩壊になったらその後どうなるかについては、リーマン倒産時からだいたい同じ体制・様相が予測されてきた。最近も、フィンランド中央銀行元幹部で大学教授のペンティ・ピッカライネンが、きたるべきドル崩壊後の世界の通貨体制について、ドル、ユーロ、人民元、日本円、英ポンドといった諸大国の通貨に加えて金地金も有力通貨とみなされる多極型の通貨体制になるとの予測を発している。


コロナのインチキが世界的にバレていく
 【2020年9月2日】人類が集団免疫をほぼ達成して実際にはコロナの感染者がほとんどいない状態になっても、PCR検査で過剰な増幅を行い、病院に補助金を与えて死因をごまかせば、コロナ統計を何倍にも水増しし続けられる。実際の感染者がゼロになっても、感染者や重症者や死者がどんどん出ているかのような構図を維持し、危機を永続化できる。だが最近、歪曲の構造を米当局自身が認め始め、コロナ危機のインチキが世界的にバレていく流れになっている。コロナ危機のインチキを米当局自身が間接的に認める流れは今後も続くと私は予測している。それがトランプと共和党を優勢にするからだ。

◆暴動から内戦になり崩壊していく米国社会
 【2020年9月1日】民主党支持のリベラルマスコミや左翼運動家は警察が一方的に悪いと言い募り、反警察デモを暴動や略奪に発展させている。共和党支持のブログなどは、警察は正当な行動をしただけであり、事態を歪曲してそれを口実に破壊活動を広げている左翼運動家と、それを容認扇動しているリベラルマスコミこそが悪だと言っている。どちらが正しいのか。フロイドやブレイクが殺された状況が不確定なので善悪が不確定だ。不確定である以上、民主党支持者は「警察と右派とトランプが悪い」と言い募り、共和党支持者は「左翼とリベラルマスコミが悪い」と言い募る。対立が深まるばかりだ。

新刊本「コロナ時代の世界地図 - 激変する覇権構造と進む多極化」 ついに軍産支配の終焉か? コロナ危機からドル崩壊を経て多極化に進む世界を読み解く

◆安倍辞任は日本転換の好機
 【2020年8月30日】安倍は、表向きの軍産プロパガンダ主導の対米従属・中国敵視と、現実策としての中国への擦り寄りをバランスする路線だった。今後トランプの対日政策が強硬になり、バランスを維持できなくなるので安倍は辞める。安倍は、トランプと喧嘩でき、プロパガンダに冒されている自民党やマスコミ軍産と戦えるかもしれない石破を次期首相にするために、後継者を非公式にも指名せずに辞めるのでないか。トランプのように軍産に負けない指導者が日本にも必要だ。安倍辞任は、小沢鳩山以来の日本転換の好機である。


安倍辞任の背景にトランプの日米安保破棄?
 【2020年8月28日】日米同盟は今、安倍とトランプの個人的な親密さで維持されているのだから、トランプが在日米軍の縮小を具体的に検討開始するなど、安倍や日本との関係を切ることにしたのでないかぎり、安倍が今回のように簡単に辞任を表明するのはおかしい。日米安保の円滑な維持を考えると、安倍は病気を悪化させないようにしつつ続投するのが筋だ。安倍の辞任は、トランプが再選される選挙を前に、在日米軍の縮小や日米安保の解消を本格検討し始めたのでないかとの疑念を抱かせる。

◆米中逆転を意図的に早めるコロナ危機
 【2020年8月27日】コロナを機に中国が経済力で米国に追いついて米中が対等な状態になり、米国が中国を敵視して世界が米中に分裂・デカップリングしていく中で、これまで米国側についてきた諸国が中国側に寝返る傾向が増していく。コロナはそれを加速する。トランプは、中国を勝たせるために中国敵視やデカップリングをやっている。そんなはずはない、と思っている人は、今後の流れを読み間違える。

新型コロナ集団免疫再論
 【2020年8月24日】集団免疫は人々の70%以上が感染して獲得免疫を持たないと達成されないと言われてきたが、新型コロナは多くの人が自然免疫で撃退し、獲得免疫を得る人は重症化した人だけだ。新型コロナはふつうの風邪と同じ大した病気でないのでこうなる。世界的に陽性者や重症者の出現率が大きく低下し、自然免疫と獲得免疫を組み合わせた集団免疫が、すでに世界の多くの国で達成されていると考えられる。「第2派」は検査増などによる歪曲の産物だ。陽性者や重症者が最近増えたNZや豪州は、他の世界から隔絶しているのでコロナの展開が遅く、これから集団免疫になる。

◆中国の悪さの本質
 【2020年8月23日】中共の基本姿勢は「香港の回収」であり、それは香港を完全に中国の一部にして社会主義と中共独裁を敷くことであるはずだった。だが実際のところ、当時の中共の権力者だったトウ小平が採った政策は「香港の返還から50年間は資本主義体制を残す。政治的にも中共の統治でなく香港人(財界)の自治を守る」という「一国二制度、港人治港」だった。これは1985年に中共が制定した香港基本法に盛り込まれた。中共は自ら、香港の回収を50年先延ばしした。なぜか。

米大統領選挙戦を読み解く
 【2020年8月20日】米国では極左による暴動や反政府デモの激化で、民主党左派の市民が共和党支持の市民を口頭や暴力で攻撃する事案が急増した。そのため共和党のトランプ支持者の多くが、自分の支持や政治思想を隠している。トランプ支持者の3分の2が、世論調査に対して無回答、支持者なし、まだ決めてないなどと答えたと推定されている。3分の2は大げさだとしても、こうした隠れトランプ支持者が1-2割いただけでトランプ勝利に転じる。

◆イスラエルUAE外交樹立:中東和解の現実路線
 【2020年8月17日】米国の覇権が蘇生する可能性はとても低い。おまけにトランプは米覇権を意図的に壊している。イスラエルやサウジなどは、米国に頼らずに自国の存続を考えねばならない。まず相互の敵対関係を解消していく必要がある。これまで米国から利益を得るために維持してきた中東の対立構造が、中東諸国の存続をおびやかす脅威になっている。こうした状況下で今回、イスラエルとUAEが和解し、サウジもイスラエルと和解しそうな流れになっている。

ただの風邪が覇権を転換するコロナ危機
 【2020年8月12日】新型コロナの親戚筋であるSARSやMERSも、最初は重症者や死者がどんどん出て恐れられたが、2-3か月で重篤性が大幅に低下し、誰も感染発症しなくなって消えた。新型コロナも、SARSやMERSの時の終息期と同じ段階に入っている。しかし新型コロナは今だにすごく騒がれている。それはウイルス自体の問題でなく、新型コロナが引き起こす危機を長期化させたい国際的な政治謀略が存在しているからだ。

◆中国の対米離脱で加速するドル崩壊
 【2020年8月7日】今後のドルと米覇権の崩壊の引き金を引く要素は、金融のバブル崩壊や実体経済のコロナ不況でない。トランプが煽っている米中対立に押されて中国が経済的に米国やドルから離脱していく「中国の対米自立」がドル崩壊を誘発する。米国は自滅し、日韓や欧州は、中国中心の新世界システムへの参加を余儀なくされる。これは、1945年に米国(国連P5を作ったロックフェラーとか)が作ろうとして英軍産に冷戦で阻止された多極型の世界体制を実現する策略だ。多極化は、今後の均衡のとれた世界経済の長期的な発展のために必要なのだろう。

中国が内需型に転換し世界経済を主導する?
 【2020年8月6日】米国の差し金で、米欧日は今後もずっとコロナ対策として無意味な都市閉鎖・経済停止をやらされ続ける。米欧日は世界経済を牽引できない。中国がうまいこと内需主導に転換できると、中国の内需が世界経済を牽引する役割になる。これまで米国が覇権国だった一つの理由は、世界最大の消費市場だったからだ。この機能が米国から中国に移っていく。中国は経済面で覇権国になる。中国市場は中国企業が中心になるが、中共としては、他の国々の企業を参入させてやっても良い。その国が中国を敵視せず尊重するなら、という条件つきだ。日本も欧州も英国も豪州もインドも、中国を敵視できなくなる。最後には米国も中国と和解する。内需型に転換できると中国は無敵になる。軍事でなく、経済が覇権を決める。

◆急接近するドル崩壊
 【2020年7月31日】今後ほぼ確実に、コロナの長期化で金融バブルが再崩壊する。QEの再度の急増が必要になるが、それをやるとドル崩壊に拍車がかかり、米国覇権の喪失と多極化が急進展する。一方、これ以上QEをやらないと、金融バブルの大崩壊が起こり、それも米覇権喪失と多極化につながる。早ければ11月の米大統領選挙の前に金融崩壊が起きる。ドルや金融が崩壊すると金相場が高騰する。米連銀がQEを再増加すると、金相場はいったん暴落してから反騰する。QEがもう拡大されないなら、このまま続騰する。

暴動が米国を自滅させる
 【2020年7月30日】 民主党は分裂が激化して11月の選挙に勝てそうもない。バイデン優勢の報道は、16年のヒラリー優勢と同様、民主党系が多い米マスコミの勇み足だ。トランプが勝つと民主党内で主流派の権威が落ち、左派がますます言うことを聞かなくなって過激化し、トランプの連邦政府と鋭く暴力的に対立する。コロナは米国で第2波、第3波が扇動され続け、人々の生活がさらに悪化する。悪化は、人々と公的財政に蓄えがあったこれまでより、蓄えが尽きるこれからの方がひどくなる。経済悪化と暴動悪化が悪循環になり、米国は統制不能になっていく。

◆中露イランと対決させられるイスラエル
 【2020年7月27日】ICCが中国を頼り、中国がイランなど反米諸国の肩を持つほど、ICCが米イスラエルを有罪にする日が近づく。米イスラエルはICCの判決を無視するだろうが、そうすると国際社会で中国の権威が高まり、米イスラエルの権威が下がる。覇権が転換する。米イスラエルが戦後のドイツを延々と苦しめた善悪歪曲・ウソまみれの攻撃手法が、今まさに米イスラエルに向けられている。隠れ多極主義のアイデアはすごい。戦後世界の最大のウソが自滅させられていく。

◆コロナ第2波で金融危機の再燃へ
 【2020年7月24日】コロナ第2波の扇動で不況が悪化して金融危機が再燃しそうだ。暴落しても米連銀などがQEを再増額して買い支えるので反騰する。これはQEによる株価粉飾だ。コロナ恐慌は3年ぐらいは続く。その間、金融と財政を支える力はQEだけだ(力というより詐欺の手法)。金融崩壊するとQEを増額して小康状態に戻るが、しばらくするとまた金融崩壊してQEを再増額する繰り返しになる。ドルの基軸性が低下し、中国など非米諸国が金地金を押し立てる。

中国は台頭するか潰れるか
 【2020年7月23日】最近の中国は、破綻する方向の要素が減り、台頭する方向の要素が増えている。中共はコロナの感染防止策として人々への行動監視を強めており、反政府運動を広めていくことが以前よりさらに難しくなった。外国人への監視も強まり、米マスコミの記者も追放された。米諜報界のスパイも中国で活動できず、米国は政権転覆を支援できない。

◆文明の衝突を再利用するトルコのエルドアン
 【2020年7月21日】エルドアンは、きたるべき非米型の中東和平でパレスチナ側=ハマスの後見役になろうとしている。トルコがハマスの後見役をやる一方、ロシアはイスラエルを説得する。トルコとロシアが話し合って和平交渉のお膳立てを進め、非米型の中東和平が進む。プーチンがアヤソフィアのモスク転換を黙認したのは、外交的に見ると無理がない。

新型コロナ「第2波」の誇張
 【2020年7月17日】新型コロナのウイルス感染拡大の「第2波」が来たと騒がれているが、日々のコロナの統計を詳細に見ていくと、感染者数が増えたのはPCRの検査数を増やした影響が大きいことがわかる。検査が増えれば感染者が増えるのは当然だ。これは感染拡大でない。日本や米国の政府は、検査を増やして第2波を演出している。検査数の増加以外にも、新宿区でのPCR陽性者への10万円支給など、第2波を演出する政策的な仕掛けが巧妙に作られている。また、ウイルスが気道上に付着しているだけで感染しない人が多いのに、PCR検査はそれらの人も陽性となり感染者扱いしてしまう。


◆コロナ時代の中国の6つの国際戦略
 【2020年7月14日】中国共産党中央委員会の対外連絡部は、共産党中枢で対外工作を担当する諜報機関だ。この機関の元副長官である周力が6月22日、中国政府系の学術誌「中国社会科学報」に「国際情勢の変化に積極的に対応する」と題する論文を発表した。論文は、対外連絡部が中共中央に命じられ、今後の世界情勢の変化とその対策を6か条にまとめたもの。中共全体が今後、この論文の内容に沿って動いていくことになる。この論文は、今後の「コロナ時代」の中共の国際戦略の要諦を示した重要文書だ。

新型コロナのウイルスは存在する?
 【2020年7月8日】私自身、大橋氏の動画を見て、いったんは「新型コロナウイルスは存在しない」という考え方に傾いたが、今回の記事で長々と展開した思考を経て、「やはり、新型コロナウイルスは存在していると考えた方が自然だ」という考え方に戻った。コロナ危機の本質は、存在しないウイルスを存在すると言っていることでなく、重篤性が低いウイルスを大変なウイルスだと誇張し、都市閉鎖や社会距離などの効果がなく有害なだけの策を人類全体に延々と強要していることにある。

 2020/07 06 (月) 国際ニュース解説        2020年1月2日から7月1日まで

◆ずっと世界恐慌、いずれドル安、インフレ、金高騰、金融破綻
 【2020年7月1日】コロナの世界恐慌はずっと続き、その悪影響を最大限に受けるのは米国だ。世界経済は米国から離れていく。ドルは基軸通貨の座から落ちていき、ドル安になり、インフレがひどくなり、長期金利が上昇し、米政府は国債利払いが困難になる。米国では社会保障制度も破綻し、暴動や内戦で社会の不安定が増す。ドルに代わる多極型の基軸通貨の世界体制はまだ確立していないので、ドルを見放した資金の行き先として金地金が重要になる。金相場は今後、米連銀QEの謀略によるV字型の一時的な暴落がしばらく繰り返されるかもしれない。だがQE資金が金相場暴落と、株・債券高騰の謀略を露骨にやるほど、米連銀とドルに対する信用が落ちていく。多極化とのバランスで、今後いずれの時点でドル崩壊や米国の金融破綻が急進展する。

コロナ、米中対立、陸上イージス中止の関係
 【2020年6月26日】最近の大きな出来事である新型コロナ、米中対立の激化、日本の陸上イージス配備中止は、相互に因果関係がある。コロナ危機によって米国が経済・消費の覇権国でなくなるため、中国は米国と仲良くしている意味がなくなってトランプが売ってくる喧嘩を買うようになり、日本は経済的に米国でなく中国に頼る傾向になって、中国に尻尾を振る意味で陸上イージスの中止を発表した。トランプは、コロナ危機を奇貨として、もしくはコロナ危機を誘発して、米中対立を激しくして中国を対米自立に押しやり、日本を親中国に追いやっている。

◆ドル崩壊への準備を強める中国
 【2020年6月24日】コロナ危機後、米国側は不健全なQEを急拡大し、大恐慌が続く経済の実体と、QEでバブル膨張させられる金融相場との歪曲的な乖離も急拡大した。中国は、これまで躊躇していた米国との経済金融のデカップルを進める気になり、米国と経済協調して発展する従来の国家戦略を離れ、米国覇権を崩壊に追い込んで世界を多極化して中国の影響圏を強化する策を重視し始めた。中共の金融担当の現職の高官が初めてドルと米金融覇権の崩壊の予測を明確に公言した今回の郭樹清の発言は、このような中国の転換を踏まえたものだ。

◆トランプ、安倍、金正恩:関係性の転換
 【2020年6月21日】日本の安倍も北朝鮮の金正恩も、トランプとの関係を使って独裁体制を維持してきた。安倍はトランプと組むことで、日本の権力を軍産傘下の官僚機構から奪ってきた。だが今、トランプが軍産に勝って覇権放棄を進める中で、安倍は自分の権力と日本の安保を守るため、米国から距離を置き、中国に接近する傾向を強めている。その象徴が6月15日の地上イージスの中止だった。北の金正恩もトランプの覇権放棄を受け、再和解しようと言ってくる韓国をまず突っぱねつつ、これまでの中国との疎遠な関係をやめて、先軍政治を経済重視に戻す転換を模索している。

新型コロナはふつうの風邪の一種?
 【2020年6月17日】これまで、新型コロナとの関係で人々を区分すると以下の4つだった。(A)ウイルスが体内に入ったことがない人。(C)ウイルスが体内に入り感染したが無症状の人、その後治癒した人。(D)感染し発症したが軽度な人と、その後治癒した人。(E)感染発症し重症化した人、その後治癒した人、死亡した人。そこに、今回の米国とスイスの研究をふまえると、新たに(B)ウイルスが体内に入ったが既存の免疫で撃退し感染しなかった人、が加わる。(B)の人はかなり多い。人類の半分もしくはもっといる。抗体保有率の異様な低さを考えると、日本では人々の90-99%が(B)に入るかもしれない。

◆加速するトランプの世界撤兵
 【2020年6月15日】トランプが世界からの撤兵を言い続けると、同盟諸国は撤兵や同盟解体を前提として動いて対米自立していく。中露は米国を恐れず大胆に国際社会を動かすようになり、同盟諸国は米国を軽視して非米諸国を重視する。軍産がトランプを無視しても、トランプは軍産を無視して覇権放棄を進め、軍産の治外法権的な世界支配を解体していく。


永遠の都市閉鎖 vs 集団免疫
 【2020年6月8日】プロパガンダの力を使って都市閉鎖を正当化し、集団免疫を攻撃誹謗する軍産傀儡軽信筋の動きを見ていると、同じ軍産筋が2003年の米軍イラク侵攻時に「政権転覆による中東民主化」を正当化し、イラク占領の失敗予測や開戦大義(イラクの大量破壊兵器保有の濡れ衣)への疑問を表明する人々を攻撃誹謗していた時とよく似ていると感じる。米軍は簡単にイラクを政権転覆し、まもなくイラクは自然に民主化して素晴らしい国になるとマスコミが喧伝し、みんなそれを軽信していた。これは「都市閉鎖でウイルスを撃退し、まもなくワクチンが完成して世界経済は以前の繁栄に戻る」という喧伝・軽信と構造的に同じだ。実のところ、イラクは占領と市民殺害の泥沼に入り込んで何年も続き、イラクの人口の5%にあたる100万人が殺された。都市閉鎖もこれから世界大恐慌と米国内戦の泥沼に入り込んで何年も続き、最終的にコロナで死ぬ人の何十倍もの人が、貧困などで死んでいく。そしていずれのケースでも傀儡筋は以前に自分たちが軽信したことをきれいさっぱり忘れ、次の軽信に移っていく。

◆トランプの覇権放棄としての中東和平の終わり
 【2020年6月6日】ネタニヤフが西岸を併合すると中東和平の構図が崩れ、米国が中東和平の仲介役としてイスラエルやパレスチナを経済支援し続けねばならない構図も終わる。トランプはイスラエル(入植者)の言いなりになることで、イスラエル自身に中東和平の構図を破壊させ、米国が中東和平の仲裁者としてイスラエルの傀儡にされてきた構図から脱却していく流れを作っている。

新型コロナの脅威を誇張する戦略
 【2020年6月4日】人類の多数を占める、政府やマスコミの発表を鵜呑みにしている軽信的な人々から見れば、デンマークとドイツの事例はいずれも政府上層部の方が正しく、反対論を出して潰された政府内の専門家たちの方が「陰謀論者」であり間違っている。しかし、これまでの私の記事を読んである程度納得している人は「新型コロナの危険性は大したものでないのに、各国政府はコロナの危険性を誇張し、まっとうな反対意見を出す専門家たちを陰謀論扱いして潰し、悪影響がものすごく多い愚策の都市閉鎖策を強行した」と思うだろう。

◆米国の暴動はコロナ愚策の都市閉鎖が主因
 【2020年5月31日】「極悪な保守派の白人警官が、正義のリベラル派の黒人市民を不当逮捕して絞殺した」という喧伝されている構図は、ミネアポリス暴動の主因でない。暴動の主因は、コロナに対する愚策である都市閉鎖である。民主党左派は、国家体制を社会主義に近づけるため、政府の権限や財政の肥大化を好むので、都市閉鎖や、経済を当局の資金で支えるQEやMMTをやりたがる。左翼であるミネソタ州のワルツ知事は都市閉鎖に積極的で、3月末から5月18日まで都市閉鎖・外出禁止・経済停止の策が行われた。外出禁止が解かれた1週間後の5月25日に起きた、黒人のフロイドが白人警官に殺された事件を機に、都市閉鎖でたまっていた貧困層の不満が爆発するかたちで暴動が起きた。都市閉鎖による経済停止は失業を急増させ、貧乏人ほどひどい目に遭う。金持ちは大して困らないが、貧困層はとても窮乏させられる。

911とコロナは似ている
 【2020年5月29日】新型コロナの危機は、01年の911事件で始まった「テロ戦争」と本質的に似ている。似ている点はいくつかある。ひとつは、両者とも「脅威」とされた対象が、よく見ると「闇夜の枯れすすき」であることだ。当局やマスコミが脅威を誇張し、人々が枯れすすきを化け物だと信じ込む状態を作った。似ている点の2つ目は、人々が政府マスコミの誇張に見事に騙されて本気で恐怖のどん底に陥れられ、政府の大間違いな政策に積極的に賛成したことだ。3つ目は、911事件やコロナ感染による犠牲者の人数よりも、テロやコロナへの「対策」と称して行われた戦争や都市閉鎖による犠牲者の人数の方が、最終的にはるかに多くなることだ。


◆コロナ大恐慌を長引かせる意味
 【2020年5月28日】コロナ大恐慌が異様に長引きそうな理由として私が考えている最重要なものは、トランプ米大統領ら、世界の長期的な経済利得を拡大させる目的で、既存の米国覇権体制を壊して多極型体制に転換しようとしている勢力(隠れ多極主義者たち)が、コロナ大恐慌をできるだけ長期化してその間のすべてのコストを米連銀のQE策(ドルの造幣)に背負わせ、米国覇権の基底にあるドルの基軸通貨性を崩壊させ、多極化を実現しようとしているから、である。

都市閉鎖の愚策にはめられた人類
 【2020年5月16日】既存のインフルエンザの致死率は0.07%だ。今回計算できた新型コロナの致死率は0.08%であり、既存のインフルエンザと近い。既存のインフルエンザがどんなに蔓延しても世界的な都市閉鎖をすべきだという話にならない。それを提案する人は頭がおかしいと思われる。対照的に新型コロナは、都市閉鎖をすべきでないと提案する人の方が頭がおかしいと非難される。恐怖戦略の大成功に押され、コロナは大変な病気だと皆が思い込み、合理的な議論が何も行われず都市閉鎖が世界中で延々と続けられる。世界の都市閉鎖は今後、開けたり閉めたりのどっちつかずな期間を含め2-3年以上続くだろう。無数の倒産、失業、貧困化が発生し、ドルや米覇権も崩壊して莫大な経済損失になる。放置型のワイルドな集団免疫策の方がましだったというとんでもない結論になる。都市閉鎖はまさに愚策である。

コロナ危機に関する私の認識のまとめ
 【2020年5月13日】WSJはコロナ危機を扇動された「恐怖戦略」と看破したが、世の中の多くの人々は歪曲報道を軽信してコロナに怯え上がり、政策に対してものすごく従順になっている。恐怖戦略は大成功している。感染してもほとんどは無発症か準無発症(軽症)だし、コロナ死者の多くは死因を歪曲されている。それなのに人々は感染を過剰におそれて都市閉鎖を延長してもらいたいと思っている。半分ぐらいの人は、政府が生活費をくれるなら仕事が再開されなくても良いと思っている。コロナによる「医療崩壊の危機」が喧伝されるが、これも簡単に歪曲できる事象だ。

◆すべてのツケはQEに
 【2020年5月11日】QEの急拡大は米連銀の脆弱化を生み、先進諸国の金融市場を機能不全の腐ったものに変えている。中国など非米諸国が米国覇権を引き倒しやすい状況ができている。実際の米覇権の引き倒しやドル崩壊、覇権のリセットには何年もかかる。トランプら米国の隠れ多極主義者たちは、コロナ危機を無駄に長引かせる必要がある。世界中が都市閉鎖をやらされ、いったん感染拡大が沈静化してもそのあと小規模な感染再拡大が延々と続く事態に陥らされているのは、多分そういう理由からだ。都市閉鎖策は、人類を集団免疫に至らせず、コロナ危機による鎖国状態、経済全停止を無駄に長引かせ、経済全停止の長期化がQE依存の肥大化・米連銀の弱体化を生み、中国など非米諸国による米覇権の引き倒しを誘発する。

◆コロナ対策の国民監視システムを国際的につなぐ
 【2020年5月6日】豪州とNZの人的交流の再開計画には、カナダやシンガポール、韓国も入りたい。豪NZ加シンガポ韓国の通商相はテレビ会議を行い、相互の人的交流・出入国の再開をめざすことで合意した。これはアジア太平洋の経済圏であるTPP11の顔ぶれと似ている。しかし、TPP11の主要な諸国の中で、一つだけ入っていない国がある。それは、わが日本だ。カナダやシンガポ、韓国はコロナの国民監視システムを持っているが、日本は持っていない。

中国式とスウェーデン式
 【2020年5月4日】他の諸国でもスマホの位置情報を使った感染者の追跡は試みられているだが、全国民のすべての外出情報を顕示的・積極的に集めて、恒久的な全人民の行動追跡システムが確立しているのは中国だけだ。GPSと通信基地による追跡はどの国でもやれるが、中国のQRコード検問システムはそれをはるかに超えている。コロナ対策で、スウェーデン式はリベラル、中国式はイリベラルの極致だ。

◆コロナ危機による国際ネットワークの解体
 【2020年5月1日】米英同盟、NATO、日米や米韓、ファイブアイズなどは、軍産が日欧の地元傀儡勢力をあやつる、もしくは地元傀儡勢力が嬉々として軍産にあやつってもらうかたちで運営されていた(米英同盟は逆に、英国が米国に入り込んで軍産独裁を維持)。これらの同盟関係は今後、コロナ危機が長期化し、世界各国の鎖国体制が固定化するほど機能しなくなる。日本の官僚機構は、米国に傀儡扱いされたくても、してもらえなくなる。

都市閉鎖 vs 集団免疫
 【2020年4月28日】集団免疫策は不完全だ。集団免疫策は「人殺し」扱いだ。しかし同時にいえるのは、都市閉鎖や外出自粛が良い政策でないことだ。中国の例でわかるように、閉鎖や自粛は強硬にやるほど、免疫保有者の増加を抑止し、短期的にはコロナに「勝利」しうるが、勝利は近視眼的で、逆に都市や国家の閉鎖を長く続けねばならなくなる。世界市場は失われる。閉鎖が長引くほど、経済破綻、財政破綻、金融破綻、生活困窮者の増加など、マイナス面の方がはるかに大きくなる。閉鎖と再開を何度も繰り返した後、最終的に感染者が増えなくなる時、それは集団免疫が自然に形成された時でもある。

集団免疫を遅らせる今のコロナ対策
 【2020年4月26日】コロナ危機の解決策は「集団免疫の形成」しかないが、それを掲げているのはスウェーデンだけで、しかも国際的に誹謗中傷されている。英国もいったん集団免疫のグランドデザインを発表したが、叩かれて引っ込めた。人類は、コロナ危機の唯一の解決策を自らに禁じている。日本や世界のマスコミが報じ続けているのは、近視眼的な話か、悪質な脅しやプロパガンダばかりだ。米欧も日本も政府は事実上、国民に「1日じゅう家にいてテレビを凝視して軽信しなさい」と言っている。世界のしだいに多くの人が、コロナプロパしか報じないテレビのインチキさを感じて見たくなくなる。日本人は間抜けな軽信者ばかりかもしれないが。

◆露サウジの米国潰しとしての原油暴落
 【2020年4月24日】サウジアラビアとロシアがコロナ危機に便乗し、米国のシェール革命を潰して米国の金融システムと覇権を失墜させようとする策をやっている露サウジ(OPEC+)は米国からの依頼を受けて産油量を減らしたことになっている。だがサウジは、米国との談合前に、大量の原油をタンカーに積んで米国に送り込み、米国の石油タンクを一杯にして、今回のWTIの暴落を誘発した。4月20日のWTIの暴落とマイナス化の一因は、サウジが米国にねじ込んできた石油だ。

新刊本「感染爆発・新型コロナ危機 - パンデミックから世界恐慌へ」
【予約受付中】ワクチン開発前の最終的解決策は「集団免疫」の獲得しかない! 米中の覇権交代と時を同じくして起こった新型コロナウイルス危機。パンデミックの裏で進行する地殻変動とは? 史上最悪の世界恐慌を食い止めることはできるのか? 閉鎖や自粛は、集団免疫の形成を遅延させるだけで間違った政策ではないのか? ・・・迫真の同時進行ドキュメント

◆コロナ危機が世界を平和にする?
 【2020年4月20日】国連提案の世界停戦は意外と進む。トランプは軍産複合体と暗闘して勝った。トランプは表向き軍事費を巨額に計上するなど軍産支持を演じ続けるが、コロナ危機下の米国は財政的にも信条的にも世界各地で内戦に加担したり支配を続けるのを嫌がっている。外国のことなんかどうでもいい、と多くの米国民が思っている。米軍の空母では次々とコロナ感染が拡大しており、戦争どころでない。

コロナ危機はまだ序の口
 【2020年4月16日】権威筋はコロナ危機の長期化を望んでいる。5月からの経済の再開は限定的で、再開はゆっくり進む。再開に時間がかかっているうちに企業の倒産、失業や貧困が増え、経済的な被害が拡大する。経済被害の穴埋めは、米連銀など米日欧の中銀群のQEでまかなわれる。「金融市場の国有化」が進む。中銀群は、コロナ危機の経済損失をすべて負担させられて機能不全に陥る。米国の覇権やドルの体制が破綻する。そこまで到達するのにかかる時間が2-3年なので、コロナ危機を3年続ける。

◆ウイルス危機が世界経済をリセットする(下)
 【2020年4月12日】今回のウイルス危機は、イラク戦争だけでなく、08年のリーマン危機とも似ている。今回のウイルス危機は、リーマン危機で果たせなかった暗闘の2回戦であるとも考えられる。イラク戦争は「軍産vs隠れ多極主義」だが、リーマンは「米金融覇権主義vs隠れ多極主義」である。米金融覇権主義は、米金融界の主流派のことだ。軍産と、米金融覇権主義は、米国覇権の永続を望む点で同根・仲間どうしだ。両者ともエスタブリッシュメントの一員だ。
【下平記】エスタブリッシュメント(英語: Establishment)とは、「社会的に確立した体制・制度」やそれを代表する「支配階級」を言う。 政治学では、政治を「エスタブリッシュメント間の抗争」と捉えることもある。

◆ウイルス危機が世界経済をリセットする(上)
 【2020年4月11日】コロナ危機も、イラク侵攻などと同様、軍産のふりをした隠れ多極主義のネオコン的な勢力が軍産系の諜報機関に中国でのウイルス漏洩を誘発させ、軍産的には中国に経済的な打撃を与えて米国をしのぐことを阻止する予定だったのが、中国より米国側諸国の経済に大打撃を与えるネオコン的なブローバックとなり、QEの行き詰まりで米国覇権の金融からの崩壊につながり、世界が多極化し、G20+UNの世界政府が台頭してくる新世界秩序へとつながる。隠れ多極主義者たちはリーマン危機でやり切れなかった米金融覇権の自滅を、今まさに進めている。

日本のコロナ統計の作り方
 【2020年4月9日】統計上の感染者数を増やして国民に恐怖感を持たせ、外出を自粛させるなら、日々の検査数を増やすのが良い。日本政府は、できるだけ検査せず感染者を隠す3月半ばまでの策をやめて、検査と感染者統計を急増する策に転換した。なぜ転換したのか。前の隠然策が破綻したからではない。前の策はそれなりに機能していた。おそらく日本政府の転換の理由は、感染の状況そのものと関係ない。米国などが日本に「都市閉鎖もしくはそれに準じたことをやれ」と加圧し、政策転換を命じたのだろう。

◆中央銀行群はいつまでもつか
 【2020年4月7日】米連銀などのQEがすべての借金を面倒見るとなると、債務者の方はとたんに自律的な努力をしなくなって倫理的に腐敗し、QEへの依存がますます強まる。モラルハザードに陥る。最悪の場合、米連銀は世界の負債総額である250兆ドルのQEをやらねばならない。米国のGDPと同額の22兆ドルだと思っていたQEの想定額が10倍以上にはねあがる。中銀群が、人類の負債をすべて肩代わりする。そこまで行く前に、巨大な金融崩壊が起きて肩代わり不能になる。

ウイルス統計の国際歪曲
 【2020年4月6日】日本は米国などと逆に、コロナ検査をできるだけやらない方針だが、毎日の検査数をどうするかのさじ加減は政府が握っている点は米国などと同様で、日々の感染者統計も操作された数字だ。五輪の延期を決めた直後から、日々の感染者数が数日ごとに100人、200人、300人と増えていくよう設定されてきた観がある。米国が「最も苦しい1週間」を宣言したのに連動して、安倍首相はイメージだけ衝撃的な「非常事態宣言」を発する。安倍は、トランプと連動している。トランプが子分の安倍に「五輪を延期してオレと一緒にコロナ危機を醸成しろ」と命じたっぽい。

BCGと新型ウイルスめぐる考察
 【2020年4月5日】新型ウイルスは変異しにくい。中国とイタリアのウイルスはほとんど同じだ。「欧州から日本に帰国した人々が新型ウイルスの欧州型を日本に持ち込み、日本で強烈なウイルス感染拡大の第2波が起きつつある」という一部の指摘は間違った「(政府肝いりの)陰謀論」である。欧米と日本など東アジアの発症者の比率の大きな差の原因は、こうした陰謀論でなく、BCG接種の有無であると考える方が自然だ。

◆静かに世界から手を引く米国
 【2020年4月2日】イラク、イラン、シリア、アフガニスタン、ベネズエラなど、これまで米国が政権転覆を試みたり軍事占領をやってきた国々で、米国の力の衰退や撤兵が起きている。いずれの諸国に対しても米国は表向き、支配や転覆の戦略をとり続けている。だが詳細にみていくと、押しの力が弱くなっていたり、軍事再編という口実で撤兵を進めていたりする。米国全体がコロナ危機に襲われて世界支配どころでない中で、トランプ政権は静かに世界から手を引いている。

集団免疫でウイルス危機を乗り越える
 【2020年3月29日】都市閉鎖(ロックダウン)は最良の策でない。ワクチンがない段階での新型ウイルス危機の唯一の最終解決策である「集団免疫」の形成は、都市閉鎖をできるだけやらない方が達成しやすい。加えて、都市閉鎖をやらない方が経済活動をできるだけ存続して失業や企業破綻を回避できる。集団免疫と経済維持の両面で、都市閉鎖はできるだけやらない方が良い。

◆史上最大の金融バブルを国有化する米国
 【2020年3月25日】多くの米企業が巨額の借金を抱えてウイルス危機に直面し、倒産しかけている。多くの企業が、あと2か月は続く米経済の閉鎖・停止状態を乗り切れずに破綻する。金融界や投資家は、連鎖破綻させられたくないので、米連銀や政府に圧力をかけ、QEや財政出動で自分たちの債券や融資債権を買わせようとしている。米国は、巨大な金融バブルを国有化しようとしている。

長期化し米国覇権を潰すウイルス危機
 【2020年3月20日】新型ウイルスは実体が不明なまま放置され、その一方で恐怖心やパニックが扇動され続ける。実際に重篤に発症して苦しんだり死んだりする人もけっこういるが、それほど多くの人が重篤に発症するものではない。それでも「あなた自身を含む、驚くほど多数の人々が発症したり死んだりする」という脅しが流され続け、金融バブルの崩壊で米国覇権体制が不可逆的に完全に潰れるまでそれが続く。これは、ある種の国際詐欺である。隠れ多極主義的な詐欺だ。米覇権に対する前回の自滅策であるリーマンショックでやり切れなかった米金融システムの破壊を新型ウイルスがやってくれている。QEで金融システムを延々と延命させている中央銀行群を潰すためのの策でもある。これが意図的なものであると仮定すると、いろんなことに合点がいく。

◆無制限の最期のQEに入った中央銀行群
 【2020年3月19日】今後、QE資金を全開で注入しても米国債の金利上昇を止められなくなったら、それが中銀群と金融システムの終わりになる。それはもう不可避だろう。いつまでもつか、いつ力尽きるかという話だ。中銀群は最期の策として、無制限のQEを開始した。これがいつまで事態を延命できるかが今後の注目点になる。

英国式の現実的な新型ウイルス対策
 【2020年3月16日】英国やドイツが出したシナリオに対して「何の根拠があるのか?。いい加減なことを言うな」という批判がある。しかし世界的に、英独などが出した予測以外の具体的な予測は出されていない。英国は、科学について国際的な権威の国だ。英国は「科学という名のプロパガンダ」の世界体制を創設・維持する科学の覇権国だ。その英国の首相が「人々の60%が感染して集団免疫をつけるしかない」と提案したのだから、それが正しいと考えるべきだ。新型ウイルスは不明な点が多く、確定的な予測や対策を出せない。根拠が薄いから間違いだと言う人は現状を理解していない。

◆史上最大の金融破綻(2)
 【2020年3月15日】中央銀行によるQEが効いたとしても、ウイルス危機による実体経済の世界的な停止はまだまだ続く。だれもリスクを取りたくない。企業活動の停止が続くと、企業は資金が足りなくなり、起債した社債を償還できず破綻・デフォルトし、それが連鎖して社債のシステム危機が起きる。実体経済の復活の見通しが全くないので、社債市場の崩壊はほぼ不可避だ。これまで株価の上昇は、企業や金融機関が債券発行して作った資金で株を買って実現してきた。社債が崩壊すると、株を買う資金もなくなり、株価はさらに暴落する。

人類の7割が感染し2年以上続くウイルス危機
 【2020年3月11日】独米英での予測を総合すると、ワクチンなど予防策がない限り、人類の40-80%が新型ウイルスに感染する。感染しないのは大人より免疫力が強い子供たちでないか。感染しても80%は無発症か、ごく軽症だ。感染者のうち残りの20%(人類の12%前後)が中程度から重篤に発症する。中程度以上の発症者の25%、つまり人類の3%前後、感染者の5%前後は入院が必要になり、入院者の10%(人類の0.3%)が死亡する。致死率は人類の0.3%、感染者全体の0.5%ほどになる。

◆史上最大の金融破綻になる
 【2020年3月11日】MbSのサウジはロシアと組んで茶番劇をやった。サウジは米傀儡のふりをして原油の減産(米シェール産業救済策)をロシアに要求し、反米的なロシアが減産要求を拒否する演技を行い、怒ったサウジがロシアを制裁すると称して安値増産し、原油を暴落させた。ロシアの財政は原油安に脆弱と言われるが中国への安定供給があるので実はそうでなく、米国のシェール産業が最大の被害者になり、シェールなど米エネルギー産業の社債の金利が上昇し、2-3か月も続けばシェール産業から社債市場全体へと破綻が連鎖する。米連銀など中銀群がQEを拡大して米国の社債を全力で買い支えれば、破綻せず延命する。日本の公的年金基金が人柱にされるかも。

◆株から社債の崩壊に拡大する
 【2020年3月8日】株の暴落は危機の序の口だ。株価の暴落よりも恐ろしい、社債の暴落(金利高騰)の兆しが見え始めた。米国債の金利は史上最低だが、社債の金利は上がっている。3月6日、米国の航空、レンタカー、クルーズ船、外食、石油ガスなど、ウイルス危機による経営悪化が不可避な業界の社債の金利が大幅上昇(債券の価値が下落)し、債券破綻への保険であるCDSの指標が急騰(保険料率が急上昇)した。これはリーマン危機の初期にあたるサブプライム危機の際に起きたことと同じだ。ウイルス危機はまだ始まったばかりだ。事態はリーマンの時よりずっと悪い。

長期化するウイルス危機
 【2020年3月6日】今後の展開は不透明だが、ウイルス危機がこれから何年も続き、巨大な金融崩壊が発生するという前提ですべてのことを考えていった方が良い。すべてが終わった後、世界がどんな風になっているか想像がつかない。幸いなことに今回のウイルスは、ほとんどの人、とくに若者にとって発症時の重篤性が低いので、すべてが終わった後でも人類のほとんどが生きている。事態はおそらく覇権体制の転換につながる。これは本来なら世界大戦(核戦争)によって引き起こされる転換だ。ウイルス危機は核戦争よりはるかにましだ。2度の世界大戦では若者がたくさん死んだが、今回は若者たちが生き残るので、危機終息・転換後の世界経済の発展がやりやすい。

◆不確定がひどくなる世界
 【2020年3月4日】権威筋による公式論・正論の多くが、しだいに信じるのに無理がある歪曲的な「邪論」に成り下がり、世界観の確定が困難になる不確定化がひどくなっている(911あたりから)。ウイルス危機によって、その傾向がぐんと増した。人類の多くが、1週間後に自分が発症せず元気でいられるかどうか不確定な状態になった。だからこそ、権威筋による正論の押し売りがひどくなり、「間違った言説」に対する取り締まりが強まっている。大事なことに関する真偽が不確定になるほど、上からの真偽の決定力が強くなる。

◆ウイルスの次は金融崩壊
 【2020年3月2日】ウイルスはいずれ治療薬が出てくるか、感染すべき人々が感染すれば深刻さが低下し、経済や社会も復旧する。対照的に、金融システムは崩壊するとなかなか再生できない。リーマン危機から12年たったが、いまだに世界の金融は中銀群のQEによる救済策がなければ再崩壊する。リーマン危機の時は中銀群に大きな余力があったが、今は余力をほぼ使い果たした。巨大な金融危機の再来に、中銀群は弾切れの状態で向きあわねばならない。勝てない可能性が大きい。敗北すると、米国債や日本国債の金利上昇・ドル崩壊になる。金地金ぐらいしか価値を保てるものがなくなる。

新型ウイルスとトランプ
 【2020年2月27日】トランプの米政府は同盟諸国に非常に冷淡に接する覇権放棄策を採っているので、日本に対して何も指導せず、クルーズ船の対策でも船会社が米国なのに動かず、日本政府のやり方が全くダメだとわかってから、批判したり、米国人を帰国させたりする他人行儀な策に終始した。国家安全の重大事に際し、米国(お上)が主導してくれることで政府内の結束を作る仕掛けになっていた日本では、米国が何もしてくれないので、無策なだけでなく政府内の結束すらとれず、ウイルス対策は見事に失敗し続けている。

◆シリア内戦終結でISアルカイダの捨て場に困る
 【2020年2月24日】トルコは、国境のシリア側に幅15キロの帯状の安全地帯を作り、ISカイダと親族・支持者らのための難民キャンプ・定住地を作りたい。一方シリアはトルコを信用していないので、安全地帯を作るとそこから再びトルコや軍産がISカイダに内戦を再開させかねないと懸念している。ここで、仲裁役であるロシアの出番になる。シリアは安全地帯を一時的に認める代わりに、アサド政権に対する国際的な再承認を得るのでないか。ただし米国はそれを認めず自ら「お味噌」になっていく。

新型ウイルス関連の分析
 【2020年2月20日】ロシアが今のタイミングで中国人の入国を全面禁止したのは、中国がこれから従来の厳しい国内諸都市の封鎖を少しずつ解いていくからだ。封鎖解除とともに、中国国内の人的の交通がしだいに増えていく。ロシア(や日韓など周辺諸国)にやってくる中国人も少しずつ再増加する。中国は、経済再開がこれ以上遅れると、習近平の独裁と中国共産党の統治の正統性が失われかねないので、無理をして封鎖解除・経済再開を進めている。日韓も、中国人を今すぐ入国禁止にするのが良い。

世界に蔓延する武漢ウイルス(2)
 【2020年2月18日】日本や韓国などアジア諸国の多くは、政治的な中国への配慮・媚中と、経済的な成長急減への恐怖から、水際政策も国内感染拡大抑止策も無策に近い。だが、意外にも「神風」的なものが吹いている可能性がある。それは、ウイルスが感染を繰り返すほど重篤性(病原性、致死率)が下がることだ。発生地の武漢から遠ざかるほど発症者の数が桁違いに少ない。これは遅行性の問題なのか?。いずれ武漢から遠い諸外国でも発症が急増して毎日世界で数万人ずつ発症するのか?。私は最近までそれを恐れ、悲観論を展開してきた。しかし、これまでのアジア諸国での感染拡大の流れを見ると、そうはならないとも思える。

世界に蔓延していく武漢ウイルス
 【2020年2月15日】米政府のウイルス対策担当部署CDCの所長が「ウイルスは米国でも蔓延し、感染問題は今年じゅうに終わらず、来年まで続くかもしれない」と警告した。世界で最も厳しい措置をとってきた米国でさえ、ウイルス蔓延の可能性が高まっている。しかも蔓延が来年まで続くかもしれないという予測だ。これは衝撃だ。「ウイルスは3月に終息していく」との楽観論は政治的な目的を持った甘すぎる予測・プロパガンダなのだ。中国でのここ数日の事態の悪化を見ても、簡単に終息しないことがわかる。

悲観論が正しい武漢ウイルス危機の今後
 【2020年2月12日】中国共産党は、国内には「長く厳しいウイルスとの戦争」を言い聞かせる一方で、世界には「もうすぐウイルスを打破して経済を再開する」と喧伝する二枚舌戦略をやっている。中共は、経済成長の実現が最大の政治正統性であり、経済成長を止めて4億人分の都市を封鎖したのは、国家安全に対するウイルスの危険が非常に大きいことを意味する。未発症で感染する武漢ウイルスの感染防止策は、大規模な隔離封鎖しかない。中国以外の多くの国は大規模な隔離封鎖をやれない。中国以外の国の感染者が急増したら、十分な隔離封鎖をやれず感染が大幅拡大するかもしれない。こうした危ない国の中に日本が入りうる。

◆ウイルス戦争で4億人を封鎖する中国
 【2020年2月10日】「新型ウイルスは危険でない。習近平は独裁強化のためにウイルスとの戦争だと言っている」という説があるが間違いだ。中共の政治正統性は経済成長にある。ウイルス感染で中国が経済成長できなくなると、中共と習近平独裁の正統性が失われる。中京は今、経済を犠牲にして4億人に自宅検疫を強要している。このウイルスはやはり中国の国家安全の脅威になる危険なものなのだ。習近平は1月23日に武漢周辺を完全閉鎖した時点で、武漢が全滅しても国家を救うためにやむをえないと考えて見捨てた。武漢の患者救済を優先していたら、外部との交通遮断が遅れ、感染が中国全土や全世界にもっと急速に広がっていた。

【2月10日の短信】フィリピンのドゥテルテ大統領が米国との軍の地位協定を破棄すると表明した。以前から米国と対立するたびに破棄を表明するが決行せず。だが米覇権衰退・中国台頭の中、いずれ決行するはず。今回が本番か?。フィリピンは米国傘下から中国傘下へ。ウイルスで弱っている中国に恩を売る策略かも。(Philippines' Duterte moves to terminate defence pact with US)

◆武漢コロナウイルスと世界不況
 【2020年2月7日】中国政府が、予定どおり2月10日から経済活動の再開を決めるのか、それとも10日以降も検疫の延長、経済活動の停止をしばらく続けるのか、これからの土日の2日間でわかってくる。習近平は、経済よりウイルスの解決を優先している。中共が、来週も中国経済の停止を続けると、世界経済への悪影響が大きくなる。今は、その分岐点にいる。

武漢コロナウイルスの周辺
 【2020年2月4日】今回の新型ウイルスが、どこかの山でコウモリから野生哺乳類に移り、その動物が武漢の野生市場で売られている間にヒトに感染し、潜伏期間中のヒトから他のヒトに急速に拡大して今の事態になったという「自然発生」の可能性はもちろんある。しかし同時に武漢市には、厳重に封じ込められている状態であるが、ヒトに感染しうるコウモリ由来の多数の危険なコロナウイルスが存在する場所としてウイルス研究所が存在している。これは偶然の一致なのか?。ウイルスが研究所から漏れた「人為発生」の可能性はゼロなのか。

◆国連を再生するプーチン
 【2020年1月27日】ロシアのプーチン大統領が、今年じゅうに国連安保理常任理事国の5か国で首脳会談を開こうと提案した。軍産が強かった従来は、安保理も米英仏vs露中の対立構造で、世界を安全・安定化するための建設的な話し合いが無理だった。だが、米国で軍産が弱まり、英国もEU離脱騒動で機能不全である今後、とくに今秋のトランプの再選後は、露中が主導し、米英仏も反対せず、安保理で世界の安全・安定に関して建設的な話し合いができる状況になる。

見かけ倒しの米中貿易協定
 【2020年1月25日】今回の米中協定は、今年11月の米大統領選挙後までうまくいきそうな感じを醸成してトランプの再選に貢献するが、その後は「中国が約束を守ってない」という話になり、来年初めにトランプの2期目が始まった後ぐらいに再び米中の経済対立が激しくなるのでないか。トランプの本心は、中国と貿易協定を結んで米中対立を恒久的に解消することでなく、逆方向の、米中貿易戦争を未解決のまま放置することだ。

◆プーチンの新世界秩序
 【2020年1月22日】スレイマニ殺害によって中東の覇権がロシアのものになっていく傾向が加速した直後に、プーチンが憲法を改定して24年以降もロシアの権力を握り続けることを決めた。このタイミングの一致はイスラエルの視点に立つと理解できる。プーチンが失脚したら中東は混乱し、イスラエルの存続もおぼつかなくなる。イスラエルに支持されている以上、プーチンが権力を長期化しても国際マスコミや軍産は非難・妨害しにくくなる。ロシアの権力者はプーチンでなければならない。それはロシアのためでなく、人類のためだ。

米国を中東から追い出すイラン中露
 【2020年1月19日】イランからイラクを通ってシリアやレバノンの地中海岸に至る地域では、シリア内戦の終結によって、中国がインフラ整備を手掛けやすい状況になった。イランのスレイマニ傘下の軍勢が事態を安定させ、中国がインフラ整備をして、その代金として中国が中東の石油ガス利権を得る流れだ。その流れを壊す一つの策がトランプのスレイマニ殺害だった。トランプは、中国の下請けをしていたスレイマニを殺害した。トランプは、軍産のふりをした「隠れ多極主義」で、隠れ親イラン・隠れ親中国なので、殺害は逆効果になるように仕組まれているのだが。

◆中央銀行の弾切れ
 【2020年1月14日】米欧の中央銀行家たちの間から「中央銀行群は、次に金融危機(バブル崩壊)が起きたとき、危機を十分に緩和できるだけの金融資源を持っていない」という「弾切れ」宣言が出されている。カーニー英中銀総裁は、きたるべきバブル大崩壊との戦いに中銀群が自力で勝てないことを認めて白旗を掲げ、政府群に救援を要請した。だがカーニーの警告は、バーナンキ米連銀元議長のバブリーな主張と相殺され、静かに無視されている。

イスラエルが対立構造から解放される日
 【2020年1月11日】イスラエルの労働党系のエリートたちが建国以来の長期計画としてひそかに狙っていたことは、イスラエルが領土を獲得した後にアラブ・イラン側と和解して自国周辺を安定発展させ、中東を米英覇権から自立させた上でユダヤネットワークの所有権を英米からイスラエルに移し、イスラエルが隠然と主導する中東地域を世界の覇権地域(の一つ)にすることだったのでないか。この仮説に立脚すると、70年代以降、イスラエルのエリートの戦略を妨害するため、アラブやイランとの恒久敵対を扇動する右派活動家が米国から多数送り込まれて入植地を作り、リクードが台頭して労働党を万年野党にさせた流れの意味が見えてくる。

◆イランを健闘させたトランプ
 【2020年1月9日】イラン上層部が勇気を出してやってみた米軍への報復攻撃は、トランプに黙認され、大成功に終わった。イラン政府は事前にイラク政府経由で、米政府にどこを攻撃するか伝えてきていたので、米軍はイランから飛んでくるミサイルを迎撃できたはずだ。しかし迎撃は行われていない。トランプが迎撃を命じなかったため、イランのミサイルは米軍基地の格納庫などの標的にうまく命中し、イランの強さを中東全域に知らしめることになった。「力こそ正義」と思われる傾向がある中東において、このイランの成功は非常に重要だ。トランプがイランの健闘を引き起こし、イランに力をもたせた。

イランを強化するトランプのスレイマニ殺害
 【2020年1月7日】トランプのスレイマニ殺害は、イラクにおける米国とイランの均衡を破壊した。イランとイラクのシーア派が結束し、米国を中東全域から追い出す策を何年もかけて展開していく。トランプは、この手の流れが起きることを予測した上でスレイマニを殺した。スレイマニ殺害はイラン敵視に見えて実のところ米国よりイランの方がマシだという感情を扇動し、米軍や米国がイラクから追い出される状況を作っている。トランプは米国の覇権を弱め、イランを強化している。

◆異常なバブル膨張、でもまだ崩壊しない
 【2020年1月2日】米国中心の金融システムの不健全なバブル膨張がひどくなり、再び健全な状態に戻る可能性が減り、逆に、株や債券の再起不能な大幅下落など、史上最大のバブル崩壊によって金融システムが破綻する可能性の方が高まっている。しかし今後、米日欧の中銀群が思惑通りのQEを続けられる限り、株価の高値が続き、債券の金利も上がらない。ときおり相場が崩れても、QEの資金注入によって短期間に元に戻る。構造的には異常なバブル膨張なので、オルトメディアに「間もなく金融が大崩壊する」と予測する記事がたくさん出ているが、その「間もなく」は来月や再来月でなく、来年や再来年だ。


【下平記】

えらいことになってしまった !!   術なきものか?

※ 新型コロナの類似ウイルスをセンザンコウから検出、人へ媒介か
   https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/20/032900203/
  センザンコウ違法取引が拡大、新型コロナで急展開も
   https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/20/021900111/
  エボラウイルスの感染源に意外な動物
   https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/20150107/430945/