絵はいまいちですがお許しを……
タバードは中世イギリスで官服として着用されたもので、戦いに赴く高官らが鎧の上に身につけました。そのため、かなりゆったりしたサイズで、肩や胴の部分が開いていて紐で結んでとめるようにできています。紋章は自分の家のものか、主君のものでしょう。
官服だったタバードは、やがて法王が着るような豪華なものから、一介の兵士が着るものまで多種多様になっていきます。おそらく、『魔法の国のアリス』に出てくるトランプの兵士や王様が着ているのもタバードなのでしょう。
しかし、なんといってもタバードといえば、十字軍の兵士が身につけたことで有名です。彼らは十字架の印のついたタバードを着て、異教徒の地へ赴きました。そのためタバードはキリスト教の信仰心の象徴として珍重され、『ほんものの陣羽織』のようなエピソードを生んだのです。