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続折々の記 2019②
【心に浮かぶよしなしごと】
【 01 】03/25~ 【 02 】03/29~ 【 03 】04/01~
【 04 】04/04~ 【 05 】04/07~ 【 06 】04/21~
【 07 】05/02~ 【 08 】05/04~ 【 09 】05/06~
【 2019② 】の内容一覧
ゴーンの醜聞 A【01】 ゴーンの醜聞 B【01】
春はあけぼの【02】 奢れる人も久からず【02】
新元号発表【03】 新元号発表記事【03】
天声人語 令和に関して・他【03】 忖度発言【04】
ゴーンの醜聞 C【04】 米中争覇【05】
日本へのサイバー攻撃【05】 日米2+2拡大志向【05】
1条 憲法を考える:1【05】 陛下退位【06】
05/02 新聞記事【07】 05/03 新聞記事【08】
03 28 (木) ゴーンの醜聞 衣の館はほころびにけり
実は3月18日以降、momo.887の「A4版 印刷集・目次」の作成に当たってきました。 ことに「No.3 超古代史、歴史ミステリーの記事(118件) 」では、「049」の “世界文明は日本から始まっていた” までの内容をPCへ取り込み整理していた。 でも考えてみるとこの方法ではコピーには図版や写真は編集できないので、実際の利用には役に立たないことが大きいとわかってきた。 それでそのPCへ取り込んで整理したものはすべて破棄した。
この 「No.3 超古代史、歴史ミステリーの記事(118件) 」 は、日本歴史を非常に明らかにしている大事なものですから、直接印刷するようにしました。 印刷するとしても膨大なページになると予想されるので、簡単なわけにはいかない。 お盆までには完成させたいとは思っている。 というわけで、大変な労力の無駄遣いになった。
★ ★ ★ ★ ★ カルロス・ゴーンについてのニュースが再び多くなってきた。 ちょっと見ても大変なことがわかる。
日産に会長職の廃止提言、権限集中防ぐ ガバナンス委(2019/3/28)有料記事
日産、ゴーン被告の子の学費負担か 4人分6600万円(2019/3/27)
日産にカットされかけた部品大手 ゴーン事件への視線(2019/3/27)有料会員限定記事
(ゴーンショック 繰り返す統治不全:上)独裁体制、「塩路天皇」の再来(2019/3/27)有料記事
(聞きたい)「ゴーン事件」、受け止めは? ヨロズ会長・志藤昭彦氏(2019/3/27)有料記事
国家がグローバル企業のために刑事司法を使う時代(2019/3/26)
四番目の記事、老生が一番嫌がる記事だ。
(ゴーンショック 繰り返す統治不全:上)独裁体制、「塩路天皇」の再来
横浜市のみなとみらい21地区にそびえる日産自動車グローバル本社。22階建てのビルの上層階にある役員用会議室で、経営の重要事項を決する取締役会が月に1度のペースで開かれる。
前会長のカルロス・ゴーン(65)が昨年11月に逮捕されるまでの数年間、取締役会の所要時間は1回あたり平均30分を切っていた。短い時は10分弱のこともあり、「ゴーン以外に発言もないままシャンシャンで終わることも珍しくなかった」と日産幹部。役員ごとの報酬額の決定をゴーンに一任することも、異論もなく決まった。人事と報酬を掌握したゴーンに面と向かって反論できる役員は残っていなかった。
2000年代の初頭。日産で月に1度開かれる経営会議では、ゴーンが役員を罵(ののし)る声がたびたび響いた。
「お前の言っていることはうそだ」「お前のプロジェクトはモンスターだ」
担当事業の収益低迷を報告する度に、副社長らも居並ぶ前で口を極めて非難されたと元常務は振り返る。
「私はゴーンの側近と対立していたので、抵抗勢力と色分けされていた。ゴーンは自分が気に入らない者はどんどん排除した」
大赤字を垂れ流していた車種群の収益改善という難題を命じられ、懸命に改善策を説明しても、「お前の言うことは信じられない」と一蹴された。「ひどいときは、報告しても話も聞かずに無視された」
倒産寸前だった日産をV字回復へと導いたゴーンは自分への異論を許さなくなり、周囲はイエスマンで固められていった。「コミットメント(必達目標)」を掲げて幹部に責任感を植え付けようとしていたのに、米国事業で大赤字を出した側近の外国人幹部を栄転させるなど次第に変節。信賞必罰の気風は弱まり、社内の規範は失われた。
元副社長の森山寛は06年、日産社内での体験をつづる回顧録を執筆するうちに強い既視感にとらわれた。「私はゴーンの中に塩路(しおじ)一郎を見たんです」
塩路は、かつて「塩路天皇」の異名をとるほどの権勢をふるった労働組合のボスだった。=敬称略
(9面に続く)
労働運動家だが夜の銀座に通い、ヨットを楽しむ。そんな振る舞いから、塩路(しおじ)一郎は「労働貴族」と揶揄(やゆ)された。日産グループを中心に組織された自動車労連(現日産労連)の会長として1980年代半ばまで四半世紀も日産に君臨。人事部門を歩んだ元副社長の森山寛は、経営に介入する塩路とたびたび対立した。
■新任の労組詣で
日産は戦後、財閥解体と公職追放で経営幹部の人材が手薄になったところを激しい労働争議に襲われた。
塩路は、50年代に労働争議を繰り返した労組に代わり、労使協調を掲げる第二組合のトップに就任。日本興業銀行から日産の常務に送り込まれ、労使関係の安定を望んだ川又克二は第二組合を支援した。塩路は、社長・会長として経営トップを28年務めた川又と蜜月関係を結び、経営に大きな影響力を持つ存在へとのし上がった。「海外出張者の人選や日々の残業の承認から、生産ラインの変更などの経営方針に至るまで、ありとあらゆることで組合の了解をもらわなければならなかった」と元幹部。労組は工場の組長や係長ら生産ラインの人事権を握って影響力を強め、管理職の人事にまで口をはさむと言われた。
日産の新任課長は人事が発令されるたびに、人事担当者と連れ立って組合の事務所にあいさつに出向くのが習わしだった。「こっちは20~30人。向こうは塩路だけ」と元課長。労組の大切さを説く塩路の講話を管理職が拝聴する異様な光景が繰り返された。
■恐怖による支配
労組への批判は許されなかった。当時、広報担当課長だった川勝宣昭は「恐怖による支配だった」と振り返る。「労組が強いというより、会社がそうさせたんだよ」と元副社長。川勝はいま、「塩路を生んだ我々の体質にも問題があった。日産の経営には骨格がなかった」と指摘する。
一方、日産の「救世主」となったゴーンは、森山が回顧録を出版した前年の05年にルノーと日産の社長を兼務した。森山はこのころから「ゴーンが独裁者になりつつある。塩路と共通性がある」と感じるようになった。
自らに権限を集中させ、独裁をほしいままにしたゴーンは次第に傲慢(ごうまん)になり、気に入らない意見を言われると「こてんぱんにやり込めるようになった」(元側近)。ゴーンの不興を買ったこの元側近は取引先メーカーに転出した。「刃向かう者は辞めろ、だった」。またも恐怖政治が支配した。
面と向かって対峙(たいじ)する者は現れず、日産が自浄作用を働かせて「ゴーン支配」を崩すこともなかった。ゴーンの不正を知る幹部が検察との司法取引に応じ、ゴーンは逮捕された。
その軌跡は、週刊誌に醜聞を書き立てられて失脚した塩路と重なる。2人はマスコミや検察という外部の力を借りて追い落とされた点でも共通していた。
■官僚気質の社風
日産はなぜ「独裁者」への迎合を繰り返すのか。
「日産にはモンスターが生まれやすい土壌がある」と元常務は指摘する。
日産は1933年、鮎川義介率いる新興財閥、日産コンツェルンの傘下に生まれた。鮎川は財閥解体で日産を去り、創業家のDNAは断ち切られた。「日産は早い段階で創業者が去り、創業者が強烈な文化や価値基準を残さなかった」「創業家が求心力を持ち続けるトヨタ自動車や、創業者の精神がいまも息づくホンダと違って軸がない。カリスマが現れると従う集団だ」。元幹部は口々にそう指摘する。
かつて東京・銀座に本社があった日産。首都圏の学校秀才が多く集まり、役員には東大卒が多かった。穏やかだが、官僚的な社風。同じ気質の官庁と波長が合い「銀座の通産省」とも呼ばれた。元副会長は「日産は評論家のような社員ばかり。ものづくりの会社とは思えない」と話し、「ゴーンが来ると、あっという間にゴーン流に染まった」とみる。そして、監視機能を失った取締役会がゴーンの数々の不正を許してきた。
西川(さいかわ)広人社長兼CEO(最高経営責任者)が率いる日産の現経営陣は、検察の力を借りてゴーンの排除を成し遂げた。4月8日の臨時株主総会でゴーンを取締役からも解任し、6月までに新体制を固める方針だ。だが、「ゴーンの傍若無人を容認してきた責任は西川らにもある」と現経営陣を批判する声は根強い。
大争議、労使対立、経営危機……。「ピンチが英雄を生み、官僚的体質がその英雄を独裁者に仕立て上げてきた」。森山は回顧録にそう記した。
「ゴーンを追い出した後、日産にはまた中心がなくなる」。元副会長はそう言って、統治不全を繰り返す日産の体質を嘆いた。
=敬称略
◇
企業統治の不全をまたも露呈し、「独裁者」の出現を再び許した日産の企業体質に3回で迫る。
この紙面を読んでいると、だれしも反吐が出るほどの思いがする。 今時こんなことがあるのか? だが、今でもゴーン氏の語り口を見ていると、独裁者にもほどがあるという拒否感を感ずる。
記事の中に「企業家のDNA」という言葉が出ている。 トップに立つ者のDNA。 すぐに安倍総理のDNAは? という思いが老生にまといつく。
安倍貞任の 「年を経し糸の乱れの苦しさに」 という言い訳がましい言葉が脳裏をかすめる。
ゴーンの場合、そんな素振りのかけらすら見えない。 厚かましい。 時代の流れは「古今著聞集」のような風流な記録にもならない。
私たちはこんな世相の中にあって、どう対処したらいいのだろうか?
樹木希林のように 「なるようになる」 という、流れに身をゆだねるってことかなぁ……、 「東日本大震災 花は咲く」のように……、 今年の二月亡くなったドナルド・キーンさん、【特集】ドナルド・キーンさん;「魂を日本のため使う」のように……、他人の考えをまねて自分で身構えようか。希林さんは、こんな言葉も残しています。
◆「おごらず、人と比べず、面白がって、平気に生きればいい」※ 希林さんの本
◆「あのね、年をとるっていうのは本当におもしろいもの。年をとるっていうのは絶対におもしろい現象がいっぱいあるのよ。」
◆「サヨナラ、地球さん。」「あとは、じぶんで考えてよ。」
◆親がへたばって喜ぶ子供はいないでしょ。
◆面白いわよねぇ、世の中って。「老後がどう」「死はどう」って、頭の中でこねくりまわす世界よりもはるかに大きくて。予想外の連続よね。楽しむのではなくて、面白がることよ。楽しむというのは客観的でしょう。中に入って面白がるの。面白がらなきゃ、やってけないもの、この世の中。
「樹木希林 120の遺言 ~死ぬときぐらい好きにさせてよ」 (上製本) 単行本 – 2019/1/28
きょうの新聞に「ガバナンス改善特別委員会」の姿勢
日産に会長職廃止提言
日産自動車のガバナンス(企業統治)の立て直しについて外部有識者らが議論してきた「ガバナンス改善特別委員会」が27日、最終会合を開いて提言をとりまとめ、日産に提出した。会長職を廃止し、6月末に「指名委員会等設置会社」に移行するよう提言。会長が兼ねていた取締役会議長を社外取締役が担うなど、業務執行と監督の分離を明確にすることを求めた。日産は提言を尊重し、6月の株主総会までに新体制を固める方針だ。▼3面=不正認定、8面=問われる実効性
特別委は、前会長カルロス・ゴーン被告の不正を長く許してきた根本的な原因は、前会長への権限集中にあったと指摘。外部の目による経営監視を強めるため、取締役の過半数を社外取締役にし、現在の「監査役会設置会社」から社外取締役の役割を強める「指名委員会等設置会社」に移行するよう提言した。横浜市で記者会見した共同委員長の榊原定征(さだゆき)氏(前経団連会長)は、「社外取締役が取締役会を牽引(けんいん)する環境をつくることが(提言の)大きな特徴だ。実現すれば、相当高度なガバナンス体制が実現できる」と述べた。
日産はゴーン被告の不正を受け、昨年12月に特別委の設置を決定。元裁判官で弁護士の西岡清一郎氏と榊原氏が共同委員長を務め、会合を重ねてきた。日産の西川(さいかわ)広人社長兼CEOは27日夜、記者団に「大変重い提言だ。できるだけ早く取締役会で検討して、できる限り実現していく方向で進めていきたい」と述べた。
■特別委の提言の骨子
・6月末に「指名委員会等設置会社」に移行
・取締役の過半数を社外取締役に
・取締役会議長を社外取締役に担わせる
・日産の会長職を廃止
・社外取締役のみの会合を定期的に開催する
・日産の代表執行役はルノーや三菱自動車の取締役、執行役などを兼任してはならない
・CEOリザーブ(予備費)の廃止
不正認定
日産自動車の「ガバナンス改善特別委員会」が27日に公表した報告書は、前会長カルロス・ゴーン被告(65)について、役員報酬の虚偽記載や私的損失の付け替えといった東京地検特捜部の起訴内容を追認した。これまで表に出ていなかった前代表取締役グレッグ・ケリー被告(62)の報酬隠しも指摘した。▼1面参照
同委員会は日産から今年2月1日時点の調査報告書の提出を受け、担当者から説明を受けた。両被告をのぞく経営陣の聞き取りも行ったという。
報告書は、金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)罪に関連して、ゴーン前会長が「開示される自らの取締役報酬の金額を減らすため、一部の支払時期を退任後に繰り延べるなどして開示しなかった」と指摘。2009~17年度分で「報酬総額は過少に開示された」と認定した。
「繰り延べ報酬」の支払い方法はケリー前代表取締役ら少数で検討。前会長の退職慰労金を増額するための「書類の改ざん」があったとも指摘した。
会社法違反(特別背任)罪関連でも、前会長が08年、巨額の評価損が生じた私的な投資契約を日産に付け替えたと認定。「日産に実損が発生したが、ゴーン前会長から実損分が日産に支払われた。取締役会に取引内容は開示されなかった」とした。前会長は、この契約を自分に戻す際の信用保証に協力した中東の実業家に、CEO(最高経営責任者)直轄の「CEOリザーブ(予備費)」から不正な送金をしたとされる。報告書は予備費は09年ごろに創設され、「支出の適切さに疑義を述べることは困難だった」と指摘した。
ケリー前代表取締役の12~17年度分の報酬が、開示義務がある1億円を毎年超えていたが、「複数の方法を用いて、開示しなかった」とも明らかにした。
(ゴーンショック 繰り返す統治不全:中)
生え抜きトップ、薄い危機感
【写真・図版】生え抜きの歴代社長は日産の経営を再建できなかった
日産自動車の社長・会長として経営トップを15年務めた石原俊(たかし)は労使関係の正常化に力を注いだ。会長時代の1986年、労働組合のボスだった塩路(しおじ)一郎をようやく追放し、長年の労組支配を脱した。だが、その後の日産の経営は暗転していく。
生え抜きの石原は77年に社長に就くと、海外進出を積極的に推し進めた。国内販売でトヨタ自動車の後塵(こうじん)を拝する状況を打開しようと、海外に活路を求めたのだ。スペインの自動車メーカー、モトール・イベリカに資本参加し、伊アルファロメオや独フォルクスワーゲン(VW)とも相次いで提携。米国や英国には自社工場を建設した。
「(石原は)ダボハゼのように海外案件に飛びついた。このころから拡大一辺倒になった」(財務部門出身の元副社長)。だが、スペインのメーカーは赤字続きで、アルファロメオとの合弁はのちに解消。旧座間工場(神奈川県座間市)で始めたVWの乗用車「サンタナ」のライセンス生産も成功しなかった。
■遅れたリストラ
石原から久米豊にバトンが渡された後、時代はバブル期に突入した。「シーマ」や「シルビア」がヒットし、日産は黄金時代を迎える。九州工場(福岡県苅田〈かんだ〉町)を増強し、大分への工場進出も計画した。メインバンクの日本興業銀行から役員が代々送り込まれ、投資資金は銀行が貸してくれた。財務の規律は緩んだ。久米と後任の辻義文の時代に過大な設備投資を続けた結果、バブル崩壊後に販売が悪化すると、累増した負債が残った。
「バブル後も設備投資の抑制が遅れた。量を追い求め、質を求めない経営だった」と元副社長。用地取得も一部済ませた大分での工場建設計画は頓挫し、日の目をみなかった。
生え抜きの歴代トップは、社員に痛みを強いるリストラには躊躇(ちゅうちょ)した。辻の時代に座間工場の閉鎖に踏み切ったが、「遅きに失した」(元副社長)。一方で、財界活動には熱心だった。石原は経済同友会代表幹事、久米と辻は経団連副会長に就き、華やかな活動にいそしんだ。
組織は縦割りで、たこつぼだった。「販売が売らないから」「いや、良い車を開発できない方がおかしい」。「わが事と考えない他責の文化」(元財務担当役員)が社内を支配し、多くの社員は「日産がつぶれるはずがない」と考えていた。
■シェア目標裏目
経営危機が次第に忍び寄る中、96年に塙義一(はなわよしかず)が社長に就いた。長身で温和。早くから「日産のプリンス」と将来を嘱望されていた。
真っ先に掲げたのが国内販売のシェア奪還。30%を超えていた国内シェアは低落し、塙の就任時は22%になっていた。ホンダに抜かれて3位に転落しかねないとの危機感から、「トヨタ1強でいいのか」と、2010年までにシェア30%の回復を目標にした。日産は当時、4期連続の赤字。資金繰りは厳しく、売れそうな新車もない。「本気ですか」。販売担当役員がいさめても、塙は方針を変えない。秘策があるわけもなく、打ち手は販売店への奨励金の拡大など実質的な値引きに限られた。「カネがないのに、カネを使う方策だった。シェアを落としてでも身を固めるべきだった」。当時の財務担当役員はそう回想する。日産はこの後、さらに窮地に陥っていく。
思い余った財務担当役員は97年ごろ、塙が臨席した社内の会議で「このままでは破綻(はたん)の危険性がある」と書いた資料を配って、警鐘を鳴らした。山一証券が破綻し、金融危機が列島を襲っていた。格付け会社から格付けを引き下げられ、資金調達が困難になる見通しを解説した。出席者の一人が驚いて「日産は大丈夫ですか」と尋ねると、塙は「経理はいつも針小棒大なんだよ」と経営不安を打ち消した。危機意識は共有されなかった。
■米国悪化で窮地
負債は2兆5千億円に達した。銀行は貸し渋り、海外での資金調達が特に難しくなった。北米の販売台数を増やそうとリース販売を進めた結果、米国事業の採算が悪化して97年度は赤字に転落。海外の自動車大手と資本提携し、巨額資金を融通してもらうほかに生き残る道はなかった。ダイムラークライスラーとの交渉が決裂し、仏ルノーに望みを託して手を結んだ。
99年3月、ルノーとの資本提携を発表した記者会見で、ルノー会長のルイ・シュバイツァーは「カルロス・ゴーンにコスト低減を任せたい」と述べ、塙は「彼には私と副社長の間に位置してもらう」と応じた。
シュバイツァーは当時、ゴーンの任期は4年程度で、社長にすることは考えていない、と朝日新聞のインタビューに述べていた。だが、塙は翌年、あっさり社長職をゴーンに譲った。
人事部門を歩んだ塙も若いころ、塩路を批判して労使の正常化にかかわった。その塙が、ゴーンという新たなカリスマを招く皮肉な役回りを演じた。=敬称略
裁判は別として、日産経営者やルノーの経営者及び世界の大企業経営者などの動きはどうなるのか。 そんなことは関係なく日産問題を正常にしなくてはならないし、経営者の報酬と従業者の給与の望ましい関係、在り方をどうするのか。 できる限り日本式の考えを確立することが望まれる。 (ゴーンショックの下)を見て感想をまとめようと思う。
これとは別の問題でこれも長いことすっきりした道筋がないまま識者の間でも取り残されている課題がある。 それはきょうの朝日新聞39面には二つの記事が出ている。 いじめは一向に減らない。
福岡県久留米市の県立高校2年の男子生徒(当時16)が昨年6月に自殺し、県教委の第三者委員会は27日、ほかの生徒からのいじめがあったと認定し、自殺との因果関係を認める報告書を県教委に提出した。…以下略厚生労働省の自殺の統計を見ると、何を調べているのかさっぱりわからない記事ばかりが出ている。 官僚の人たちはいじめや自殺をどうしようとして調査し報告しようとしているのか。その意図は国民にとって筋違いの解説しか出ていないとおもう。
2014年に鹿児島市の県立高校1年の男子生徒が自殺し、原因などを調べていた県いじめ再調査委員会は27日、「いじめを中心とする学校での事情が大きな影響を与えた」として、いじめを自殺に至る主な要因とする報告書をまとめた。…以下略
NPO法人 自殺対策支援センター ライフリンクのHPを見ると、日本の自殺の現実として
日本では、毎日90人もの人たちが自殺で亡くなっています。未遂者は
既遂者の10倍はいると言われていますから、この同じ時代に、この同
じ社会で、毎日1000人もが自殺を図っていることになるわけです。
それが、日本の「自殺の現実」です。
と解説している。 では、何をどうして自殺者を減らそうというアイデアは出てこない。
政治家も地方組織の指導者も評論家にしても、自殺者を取り巻いている人たちの核心には迫っていない。 取り巻きの制度や対応組織の意識改革などの意見に終始しているのである。 これでは自殺者は減らない。
私の意見、考えは次のとおりである。
子供が死にたいと思うその原因は何なのか。 そのことを抜きにして考えを進めるのは的外れでしかないことを根底に据えなければならない。
イ 子供が生まれてから(自殺したいと思う)その年齢までの心の成長を第一に洗い出すこと。
・子供が生まれて、自分で死のうとは思わないことは間違いない。 それどころか殊に親は赤ちゃんのニッコリする微笑みに接して、「どんなことがあってもこの子を大事に育てよう」と覚悟する、それが誰しも感ずる親の気持ちだろう。
・さてそこで、中学は勿論高校でも大学においてすら「赤ちゃんをどう育てるか」について、何一つ教わっていないないのです。
鳥でも野ウサギでも「赤ちゃんをどう育てるか」について何一つ教わってはいません。 どんな動物でもそうなんです。 だから、人間もそれでいいという人は、誰一人いないと思います。
・人は意思疎通の方法として言葉を使います。 文字も使います。 草刈りもするし、野菜も育てます。 いろいろのことを記憶する能力もあります。
そんなことは当然だというでしょう。 では、言語表現の方法、礼儀作法、食べ物・病気・健康・長寿などの生体生理、知識や学問はどうでしょう。 それは保育園や学校などの木養育施設で身につけます、というのでしようか。
・落とし穴があるのです。 親子の成長の中核になっているのは愛です。 鳥でも野ウサギでもおんなじなんです。 ただ違うのは、言葉・知識・学問・能力など、生まれてから三年前後までに頭の大脳機能の開発をしないと、人としての成長にバラツキが生じてしまうことが判ってきているのです。
・三~四歳までの心の成長はうまくいったのだろうか? 第一の洗い出しをすることが必要です。 わが子への愛をはたしてきたのか、これが自殺についての第一の啓発すべきことです。
ロ 集団組織の中で……国として、親は子供の養育ができる期間を三年間確保すること
・会社などの組織の一人として働いている場合、出産後育児期間(三年間)確保できるよう法整備すること。
・子育ては、その家庭だけの課題ではなく社会全体の大事なことと位置付けないと自殺解消へと進まないことを心すべきなんです。 一人一人の問題ではないのです。 みんなが賛成してほしい。
ハ 高等学校の三年間の学習単位の中に、「人間はドン用に成長するのか」という学習単位を2単位くらい確保してほしい。
・内容については、いろいろと検討していけばよい。
ニ 仲間意識の醸成は、育児期間と保育園活動の中を主として取り組みをしていけばよい。
・保育園は物凄く子供たちの大脳活動が旺盛な時期ですから、独自の教育内容を作らなくてはならない。 これは大事な問題です。 私にはその案はできていません。
・三歳までの育児期間が制度化されれば三歳未満児を受け入れる必要はなくなります。 現状でも、私は未満児童をお願いするのは親の育児放棄だと思っています。
以上大ざっぱてるけれど、現状の行政機関の考え方では自殺問題解決の見通しは立たないと考えております。
NPO法人のような問題の認識と世界に目をむけた視野をもって、問題解消をしていくように願うのです。
03 29 (金) ゴーンの醜聞 衣の館はほころびにけり
今日の新聞「カルロス・ゴーンに関するトピックス」を見ると、次の四つが新しい。
・(ゴーンショック 繰り返す統治不全:下)
独裁者追放しても続く苦境(2019/3/29)有料記事
・(社説)日産企業統治 組織を整えるだけでは(2019/3/29)
・指名委設置会社、三菱自前倒しへ 「今年中に」意欲(2019/3/29)有料記事
・「日産委報告、根拠ない中傷」 ゴーン前会長代理人が声明(2019/3/28)有料記事
(ゴーンショック 繰り返す統治不全:下)独裁者追放しても続く苦境
独裁者追放しても続く苦境(2019/3/29)有料記事
西川(さいかわ)広人(65)が率いる日産自動車の経営陣は昨年11月22日の臨時取締役会で、金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)容疑で逮捕されたカルロス・ゴーン(65)の会長職を解任し、代表権を外すことを全会一致で決めた。
逮捕からわずか3日後。電光石火の早業だった。社長兼CEO(最高経営責任者)の西川は日産でただ一人の代表取締役になり、「ゴーン後」の命運を一手に握るが、社内での求心力はいま一つだ。「経営ビジョンが見えない」「人望がない」「口数が少ない」……。OBの評価も芳しくない。
今月14日、三菱自動車の水島製作所(岡山県倉敷市)。日産と三菱自が共同開発した軽自動車のお披露目会があった。ゴーンの逮捕以降初めての新型車の発表で、両社の提携強化を社内外にアピールする絶好の機会になるはずだった。
三菱自会長兼CEOの益子修(70)とともに西川も出席する予定だったが、前日の夕方になって突然欠席が伝えられた。欠席の理由は「諸般の事情」。「どうせ気まぐれだろう。相変わらず空気を読まない」。日産幹部はため息をついた。
■経営陣に批判も
日産の経営陣は4月8日の臨時株主総会でゴーンを取締役からも外して「完全追放」する構えだが、法人としての日産も、ゴーンとともに同法違反の罪で起訴されている。「不正を見抜くのは困難だった」。西川はそう釈明し、日産の「ガバナンス改善特別委員会」が今月27日に公表した報告書も、現経営陣の責任には触れなかった。だが、ゴーンの不正を長年許してきた西川の経営責任を問う声は収まる気配がない。
長年ゴーンに仕え、購買担当として頭角を現した西川は、社内で「ゴーンチルドレン」と目されてきた。
「ゴーンのことをよく知る西川は、ゴーンの次に悪い。いまの役員は全員取っ換えないと、日産はよくならない」(元常務)。そんな厳しい声も飛び交う。
日産は6月までに「ゴーン後」の体制を固めるが、新体制の行く手は課題山積だ。世界販売の3割を占める米国事業が低迷し、収益悪化が目立つためだ。
2018年度の米国販売は145万台を見込む。期初の予想を約10万台引き下げ、前年実績を約14万台下回りそうだ。営業利益の予想は4500億円で、期初予想を900億円下回る。営業利益率は4%を割り込む見込みで、8%台のトヨタ自動車との差は歴然だ。
ゴーンが米国で強引に進めた拡販戦略が裏目に出ている。値引きの原資となる販売奨励金を増やした結果、販売台数が増えても利益が出にくい構造に陥り、奨励金を削減すれば、売価が上がって客足が遠のく。悪循環から抜け出すのは容易でなく、「立て直しには1年以上はかかる」(幹部)との声がもっぱらだ。
今の苦境は、90年代後半に社長を務めた塙義一(はなわよしかず)の時代に重なる。塙は米国販売を伸ばそうとするあまり、一時的に販売台数を増やせるリース販売に手を染めてつまずき、負債を膨らませた。そして、瀕死(ひんし)の日産にゴーンが乗り込んだ。
ゴーンに引き立てられて社長に上り詰めた西川の経営トップとしての手腕は未知数だが、日産への影響力を維持したい仏ルノーとの主導権争いでは、その交渉力を評価する声がある。ルノーの新会長ジャンドミニク・スナール(66)から「日産の新しいガバナンス(企業統治)を尊重する」との言質を引き出した西川は、スナールらと並んで開いた今月12日の共同記者会見で晴れやかな表情を浮かべた。
■くすぶる統合話
ゴーンとは対照的に物腰が柔らかなスナールに対し、日産社内には「紳士的で立派な人だ」と早くも楽観ムードが漂う。2月の来日時にスナールと会談した日産や三菱自の幹部らの評価も上々だ。
だが、スナールは仏タイヤ大手ミシュランで、「コストカッター」と恐れられたゴーンさながらのリストラで頭角を現した一面を併せ持つ。ルノーと日産の経営統合を狙っているとされる仏政府の信頼も厚い。両社のいびつな資本関係の見直しは当面棚上げされているが、日産の古参の幹部は「近い将来、経営統合の話がまた浮上するのは間違いない」と警鐘を鳴らす。
日産は、80年代半ばまで四半世紀も君臨した労働組合のボス、塩路(しおじ)一郎を追い出すことには成功した。だが、歴代の経営トップはその後、日産を成長軌道に乗せることにことごとく失敗した。東京拘置所から保釈されたゴーンは今月12日、弁護団との会議でこう言ったという。「日産が心配だ。支えるにはリーダーシップがいる」
英雄から「独裁者」に変貌(へんぼう)したゴーンを追い出した後、西川は日産の統治を改善し、業績を回復させることができるのか。歴代トップと同じ轍(てつ)を踏めば、求心力のさらなる低下は避けられない。=敬称略
(このシリーズは徳島慎也、大鹿靖明、木村聡史が担当しました)
(社説)日産企業統治 組織を整えるだけでは
日産自動車の企業統治改善について、提言がまとまった。社外の有識者と日産の社外取締役からなるガバナンス改善特別委員会が発表した。
東京地検に逮捕・起訴されたカルロス・ゴーン前会長らの行動については、日産の社内調査の結果を追認。報酬の過少開示、会社資金・経費の私的利用などについて法令や社内規定の違反を疑うに足りる事実、経営者としての倫理観の欠如を示す事実があると指摘した。
不正の根本原因として、ゴーン前会長への個人崇拝が進み、大株主であるルノーのトップも兼ねたために人事・報酬などの権限が集中したことを挙げた。取締役会の監視機能も有効に働いていなかったという。
改善策としては、指名委員会等設置会社への移行を提言。取締役の過半数を独立性のある社外取締役にし、会長職を廃止するよう求めた。業務を担う執行役と、それを監督する取締役の分離を徹底する内容であり、当然といえる要請だ。
一方で、今回の内容で経営の立て直しに十分とは、到底いえない。特別委は「ガバナンスの改善」に目的を絞っており、事実認定や前会長ら以外の経営責任について、踏み込んだ検討や説明をしていないからだ。
そもそも特別委は7人中3人を社外取締役が占め、日本弁護士連合会のガイドラインに基づく「第三者委員会」ではない。ゴーン前会長らからの聴取も行わなかった。様々な制約がある中での調査とはいえ、客観性には留保をつけざるをえない。
報告書に示された不正の事実も、多くは項目の列記にとどまり、具体的な内容の説明は避けている。捜査・公判への影響を考慮したとしても、株主、消費者、従業員への情報開示の観点から疑問が残る。
最大の問題は、現経営陣の責任の有無に言及しなかったことだ。西川広人社長兼CEOは05年に副社長に就き、ゴーン体制下で経営を担ってきた。不正があったとすれば、自ら関与していないにしても、経営者として看過した責任は免れない。
日産は会社としても起訴されている。その他の役員も含め、取締役としての務めを十全に果たしてきたのかを不問にしたままでは、いくら組織を整えても経営の刷新は無理だ。
自動車業界は激変期にあり、社会にどんな価値を提供していくのかが改めて問われている。経営の迷走に終止符を打ち、消費者の期待に応える企業として再生するための時間は、決して多くは残されていない。
指名委設置会社、三菱自前倒しへ 「今年中に」意欲
三菱自動車の益子修会長兼CEO(最高経営責任者)は28日、2020年に予定していた指名委員会等設置会社への移行について「今年の実現へチャレンジしたい」と述べ、前倒しを目指す考えを示した。6月の定時株主総会での定款変更をめざし準備を進める。
東京都内であった新型車発表会で報道陣に答えた。三菱自は2月、カルロス・ゴーン前会長の逮捕を受けてガバナンス(企業統治)を強化するため、社外取締役を中心に報酬や役員人事を決める指名委員会等設置会社へ20年に移行する計画を示していた。
「日産委報告、根拠ない中傷」ゴーン前会長代理人が声明
日産自動車の「ガバナンス改善特別委員会」が27日の報告書で、前会長のカルロス・ゴーン被告に役員報酬の虚偽記載などの不正があったと結論づけたことに対し、ゴーン前会長側は同日、「根拠のない中傷キャンペーンの一環だ」などと強く反発した。
欧米メディアによると、ゴーン前会長の広報代理人が声明を出し、「(仏ルノーとの)連携強化を妨げ、日産の業績悪化を隠すのが狙いだ」と報告書を批判。ゴーン前会長は取締役会と株主から全権を委ねられて行動していたとして、「彼(ゴーン前会長)の最重要の目標は日産の株主価値を高めることだった」と主張した。(シアトル)
カルロス・ゴーンの新聞記事はまだ続くと思うが、ごーンに関するプリントはずいぶん取り上げたのでこれ以上は取り上げないことにする。 ここまでくると現西川社長に関しても企業統帥は不可能のように思われる。
三人寄れば文殊の知恵という教えを大事にして、みんなで方向を定めてほしい。