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続折々の記 ⑤
【心に浮かぶよしなしごと】
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【 09 】07/05
07/05 憲法改正「僕は反対。これが信念です」 野中広務氏
07/20 面舵いっぱい「健康長寿」へ No.1 年寄の軌道修正
07 05 (水) 憲法改正「僕は反対。これが信念です」 自民元幹事長野中広務氏
朝日デジタル 2017年7月5日10時01分
憲法改正「僕は反対。これが信念です」 野中広務氏
http://digital.asahi.com/articles/ASK752T9QK75UTFK002.html
(安倍晋三首相が提案している憲法改正について)僕は反対です。私みたいに戦争に行って戦争で死なないでかえってきた人間は、再び戦争になるような道は歩むべきではないと。これが私の信念です。死ななかったから今日の私があるんですから。死んでいった連中を今思い起こしても、本当に戦争というものを二度と起こしてはならない。それが私の今日までの姿です。(4日、東京都内で記者団に)
07 20 (木) 面舵いっぱい「健康長寿」へ 年寄の軌道修正
ニュースされている新聞紙上の言葉も放送界のいろいろのニュースも事実のことでしょう。 社会生活それ自身は玉石混交善悪入り乱れた事実が展開されているのだから、全体の動静を判断して自分の認識をもとうとしても判断の流れも常に軌道修正をしなくてはならない。
流れに掉させば流されると「草枕」に出ていたが、水の流れもいろいろとあるに違いはない。 棹さしたところの流れだけでは全体の流れを判断できないのは当然の論理である。 ことに政治の動きには飽きあきしてきている。
戦争を卒業しようとする根本となる心掛けが全く見えてこない。 家庭の平和を実現する大前提なくして、地域の人々の生活も、村や県の人々の生活も、国や世界の人々の生活も、望ましい議論の方向が決まるはずがない。
しばらくは、この方面への意識を離れ「一人ひとりの健康長寿のためにはなにをしていったらよいのか」へ意識を集中していきたい。
◆◆ No.59 かえるの会 2017/7/4 7:30(あれあいセンター) 資料
No.1
1 資料の はじめに 1枚 (3p)
2 大隅典子の仙台通信
井村先生の『健康長寿のための医学』 3枚 (4p)
3 ライフコース・ヘルスケア(検索名) 2枚 (7p)
4 特集 先制医療が目指すもの 井村裕夫氏 7枚 (9p)
5 胎生期から乳幼児期における栄養環境と
成長後の生活習慣病発症のリスク 8枚 (16p)
6 人口構造の変化(日本の人口ビラミッドの変遷) 2枚 (24p)
7 都道府県の平均寿命ランキング 3枚 (26p)
8 都道府県別の健康寿命ランキング 3枚 (29p)
9 都道府県の死亡率ランキング 3枚 (32p)
No.2
10 内閣府
少子化の現状
1 出生数、出生率の推移 2枚 (35p)
2 総人口の減少と人口構造の変化 1枚 (37p)
3 婚姻・出産等の現状 2枚 (38p)
4 結婚、出産、子育てをめぐる状況 6枚 (40p)
5 諸外国との国際比較 3枚 (46p)
11 『健康長寿のための医学』終章
健康長寿社会を実現するために
一人ひとりが主役の未来 2枚 (49p)
12 健康長寿ネット フレイルとは 2枚 (51p)
13 健康長寿ネット フレイルの原因 4枚 (53p)
14 健康長寿ネット フレイルの診断 7枚 (57p)
15 健康長寿ネット フレイルの治療 5枚 (64p)
No.3
16 健康長寿ネット フレイルのケア 5枚 (64p)
17 健康長寿ネット フレイルの予防 3枚 (69p)
18 大隅典子の仙台通信
脳と脂質:母親の偏った多価不飽和脂肪酸摂取は
仔マウスの脳形成不全と過剰な不安を引き起こす 5枚 (72〜76p)
1 資料の はじめに 1枚 (3p)
http://park6.wakwak.com/~y_shimo/momo.671.html
仰向きになって腕をのばし、その二の腕をみてつくづく思うのです、筋肉がなくなったなァ~と。 無理もないのです。 ‘オギャ~、オギャ~’と産声をあげてから80年余も生きてきたんだもの。
だが、まだまだ欲が深く元気でいたい。 みんなに迷惑をかけないようにして死を迎えたいものだと勝手に思う。
…………………………………………………………………………………
ちょっと待てよ…、ピンピン・コロリの言葉もある。 あちらこちらで新しかったり、なるほどなあと納得できる考えを見たり聞いたりしていると、二の腕がやせていても健康でピンピンしていることが可能だと思うようになってくるから不思議です。 齢(トシ)に応じたバランスがとれた食事や筋肉をじょうぶにする体操、それにボケ防止対策、この三つに取り組んでいけばいいというのである。
…………………………………………………………………………………
調べてみていると、自分で実際にやったことが、自分を作り上げてきたことには相違ない。 このことは生涯のすべてのことに通ずることに相違ない。
…………………………………………………………………………………
それじゃあこれから、老骨ながら三つのことを声をかけあって気持ちを新たにして取り組んでいけば、ピンシャンとした生活に取り組めるんじゃないか。 早速三つの分野のそれぞれのついて。どういう内容のものをどんな手はずでどう取り組んでいったらいいのか、考えなくちゃならない。
自分のことは自分でやらないと実現できない。 三人よれば文殊の知恵という。
…………………………………………………………………………………
老人が健康で生活していかないと、自分の子や孫たちにとんでもない迷惑をかけることになる。 葬式はやってもらわなくてはなりません。 でも、それまではボケもせず、寝たきりにもならず、自分の始末は自分でできるようにしたいものです。
このことは自分の家族のみならず、地域社会や公共団体ひいては少子社会を迎える国の将来にとっても、大事なことに相違ないのです。 幸福の要件としては、老人の健康は孫子(マゴコ)にとっても絆の役目を果たしていきたいものです。
2 大隅典子の仙台通信 井村先生の『健康長寿のための医学』 3枚 (4p)
http://nosumi.exblog.jp/23131886/
京大総長を務められた井村裕夫先生は、神戸市立医療センター中央市民病院院長や初代の総合科学技術会議議員等の要職を経られ、現在は先端医療振興財団理事長や稲盛財団の会長を務めておられる。すでに多数の医学関係の書籍を出版されているが、この2月に『健康長寿のための医学』というご高著を岩波新書として上梓された。
『健康長寿のための医学』 (岩波新書)
井村先生は京都大学医学部卒の内科医としてのバックグラウンドから、人体の成り立ちについて広い見識を持っておられるだけでなく、「進化医学」や「先制医療」などの重要なキーワードを社会に浸透させるのに重要な役割を果たしてこられた。今回の書籍ではさらに広げて「ライフコース・ヘルスケア」という概念を提唱されている。年をとってからの病気を予防する上では、成人期からではなく、青年期、あるいは胎児期まで遡ったケアが必要であるという考え方だ。
また、健康状態や疾病の発症は、その個体よりも前の世代の影響も受ける。この概念は「DOHaD仮説」(Developmental Origin of Health and Deseaseの頭文字を取ったもの)もしくは「発達プログラミング仮説」とも呼ばれ、前世紀終わりから着目されつつある(拙著『脳からみた自閉症』の中でも触れた)。第2次世界大戦時のオランダでの大飢饉の頃に胎児期を過ごした人が成人になってから、心疾患、糖尿病、高血圧やメタボリックシンドロームの発症が増加した。同様な結果はイギリスのバーカーも報告しているが、バーカーはさらに古く、出生時の低体重と成人期の虚血性心疾患の発症に相関性があることを見出していたため、「バーカー仮説」と呼ばれることもある。さらにSusserらは、オランダの飢餓後のコホート調査により、統合失調症の増加も報告している。なぜそのようなことが生じるのかについては、ぜひ本書の第5章を読んで頂きたい。
本書ではさらに発達期のストレスの問題、母親の痩せ願望によると考えられる低体重出生の増加なども取り上げられているだけでなく、精子から子どもに伝わるエピジェネティックな変化など、最新の基礎研究についても触れられている。医学は一生、勉強し続ける必要があるが、85歳を超えられてなお最先端の研究動向を消化されている井村先生には、尊敬の念を禁じ得ない。
第2次世界大戦以降、乳幼児の感染症が激減したことにより、平均寿命がどんどん伸びて、日本では2014年時点で女性が86.83歳、男性が80.50歳となった。115歳くらいまでは生きられるとも言われているので、医療はこれまで以上に長いスパンで考える必要がある。受精から発生、発達、そして成人期から高齢期へと、人体は時間とともに変化する。増大する医療費を抑えるためには、「ライフコース・ヘルスケア」が必須であろう。そして、従来の「予防医学」よりも一歩先んじて行う「先制医療」に取り組む必要がある。そのためには、大規模かつ長期のコホート研究や、個人の遺伝子型の同定や各種バイオマーカーの探索も重要といえる。
本書は、健康に気を使われる方であれば是非、読まれるべきである。また、今年の学部生向けの「お勧めの本」に加えておきたい。 (下平記→本書の出版は 2016/02/19 であり、書評は 2016/05/09 に書かれたことがわかった)
【関連リンク】
日本DOHaD研究会
拙ブログ:「DOHaD」という概念
拙ブログ:脳と脂質:母親の偏った多価不飽和脂肪酸摂取は
仔マウスの脳形成不全と過剰な不安を引き起こす
3 ライフコース・ヘルスケア(Google検索による検索結果) 2枚 (7p)
https://www.google.co.jp/?gws_rd=ssl#q=%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%95%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%98%E3%83%AB%E3%82%B9%E3%82%B1%E3%82%A2&spf=1500803120817
検索結果 約 1,990,000 件 (0.38 秒)
特集 先制医療が目指すもの 監修 井村 裕夫 氏 - 株式会社 ライフ・サイエンス
特集 先制医療が目指すもの
疾患発症には遺伝素因と環境因子が深く関わっていることから,井村氏は「ライフコース・ヘルスケア」の概念を提唱し,生涯にわたる健康管理の重要性を訴えている。その中で先制医療は重要な役割を担うことになるが,この新たな医療の実現・普及のために ...
女性の心を掴むならライフコースヘルスケアを意識しよう|女性の健康と ...
女性の心を掴むならライフコースヘルスケアを意識しよう
2016/06/13 - 今月も半分終わってしまったけど、今月の目標PVは楽に達成できそうです。まだ今日のウーマンズラボを見てない方はぜひチェックしてください ニコニコ. ひらめき電球 ・女性の心を掴むならライフコースヘルスケア!ヘルスケアビジネス加速の ...
『健康長寿のための医学』とは? - ビジネス書10000冊から答えを見つけて ...
『健康長寿のための医学』とは?
2016/03/11 - 人生の生活史の特徴と、それに基づくヘルスケア. 7.高齢期の健康-サクセスフル・エージングのために. 8.ライフコース・ヘルスケア-新しい健康管理. 9.先制医療-医学の新しい挑戦. 10.健康長寿社会を実現するために-一人ひとりが ...
女性のライフコースマーケティング:サービスラインナップ:三菱総合研究所
女性のライフコースマーケティング
三菱総合研究所は、総合シンクタンクならではの科学的・学際的なアプローチでお客様の抱える高度で複雑な課題を解決いたします。三菱総合研究所の女性のライフコースマーケティングをご紹介しています。
「ライフコース別戦略」で女性の消費を促す売場づくりとは?メーカー ...
マーケティング事例
2016/11/07 - メーカー・チェーン店・商業施設編 | 女性マーケティング視点で読み解く、ヘルスケアビジネスニュースサイト. 女性マーケティング視点で ... 前半は、ライフコース別戦略を企業が取り入れることでなぜ「売場の成長戦略になるのか?」の解説です。
学会長挨拶 | 第27回 日本疫学会学術総会
学会長挨拶
第27回日本疫学会学術総会を2017年1月25日から27日に山梨県で開催させていただくことになりました。学会長として一言ご挨拶申し上げます。 本学術総会のテーマは「ライフコース・ヘルスケアを支える疫学」としました。「ゆりかごから墓場まで」は第二次大 ...
[PDF]ライフコースアプローチによる地域健康づくりの展開 Enhancement of the ...
ヘルスサイエンス・ヘルスケア Volume 14,No.1(2014). “ライフコースアプローチ”について、行政に. 勤務する歯科衛生士として学ぶ必要性を感じ、第. 13回コロキウムに初めて参加させていただいた。 地方自治体の課題は時代と共に変遷してきた。 日本経済が ...
ウーマンズ: 女性マーケティング視点でヘルスケアビジネスを支援
www.womans-jp.com/
ヘルスケアビジネス(健康・予防医療・美容)の活性化支援など、女性の心をつかむマーケティング支援なら、仕事実績豊富なウーマンズにお任せ ... ウーマンズでは20~70代の女性を20のライフコースにセグメントして、女性の心を掴む戦略を設計しています。
[PDF]胎児期∼乳幼児期(小児期含む)に着目した 先制医療 ... - 科学技術振興機構
胎児期∼乳幼児期(小児期含む)に着目した 先制医療
をテーマとした検討においては、一生涯を通じた健康・心身のケアが達成すべき大きな. ビジョンで .... 独立行政法人科学技術振興機構研究開発戦略センター(JST-CRDS)ライフサイエンス・ ..... 2-1 「DOHaD 学説とライフコースヘルスケアおよび先制医療」.
[PDF]ライフコース・ヘルスケア - 笠間市
www.city.kasama.lg.jp/data/doc/1465377352_doc_1_3.pdf
―慢性疾患は、軽度異常の時期こそが大事
ライフコース・ヘルスケアに関連する検索キーワード
先制医療 予防医療 違い 先制医療 問題点 先制医療 定義 先制医療 厚生労働省
先制医療 英語 先制医療 井村 井村裕夫 バイオマーカー
4 特集 先制医療が目指すもの 井村裕夫氏 7枚 (9p)
http://www.lifesci.co.jp/special/%E7%89%B9%E9%9B%86%E3%80%80%E5%85%88%E5%88%B6%E5%8C%BB%E7%99%82%E3%81%8C%E7%9B%AE%E6%8C%87%E3%81%99%E3%82%82%E3%81%AE/
総論:先制医療の現状と課題 Interview
ライフコース・ヘルスケアは
社会と健康の概念を変革する医療
~個の予防としての「先制医療」は胎生期から~
MEDICAMENT NEWS 第2225号 2016年3月15日
発症前診断によりリスクの高い人に適切な治療介入を行い,発症を未然に防ぐ「先制医療」。「個の予防」とも言われる先制医療は,今後の医療の在り方を変革するものとして期待が寄せられている。今回の特集は,先制医療の名付け親である井村 裕夫氏に監修をお願いし,先制医療の今を俯瞰できる構成とした。本総論では井村氏に,先制医療の概念が生まれてきた経緯,そして今後の医療の方向性について伺った。疾患発症には遺伝素因と環境因子が深く関わっていることから,井村氏は「ライフコース・ヘルスケア」の概念を提唱し,生涯にわたる健康管理の重要性を訴えている。その中で先制医療は重要な役割を担うことになるが,この新たな医療の実現・普及のためには,社会の理解と協力,そして健康教育がポイントになることを井村氏は強調された。
進展する遺伝子研究の予防医学への応用
――先制医療の概念が生まれてきた背景について
井村 私は1998年から2004年までの6年間,総合科学技術会議(当初は科学技術会議)の常勤議員を務めました。その期間は,1990年代初頭から解読が始まっていたヒトゲノム計画が進捗し,2000年6月のドラフト配列の公表,2003年4月のヒトゲノム解読完了宣言の時期と重なります。わが国もその計画に参画していましたが,2000年のドラフトが明らかにされた頃,当時の小渕恵三首相が主導していたミレニアム・プロジェクトで次に日本の科学をどう推進していけばいいかとの相談を受け,私たちは疾患遺伝子研究をその1つとして提案したのです。具体的には,疾患と関係する一塩基多型(SNPs)を解明するというプロジェクトです。おそらくこの研究に着手したのは世界の中でも日本が最も早かったと思います。
ただ,当初はまだ手探りの状態で,技術的に非常に手間がかかり,必ずしも効率よく疾患に関係するSNPsを見出すことはできませんでした。その後,米国企業がマイクロアレイを用いた網羅的な解析技術を開発し,世界的に疾患とゲノムの研究が急速に進むようになりました。その結果,多くの疾患に関連するSNPsが見つかりましたが,がん,糖尿病,心筋梗塞などの一般的な疾患に大きな影響を及ぼす遺伝子異常は未だにほとんど発見できていません。ただし,ゲノム研究は少しずつ深まり,多くのことも分かってきました。次の段階は,遺伝子研究の診断・治療への応用のみでなく,予防医学への展開も考えられるようになりました。このような背景が「先制医療」が生まれてくる前段階にあったのです。
「個の予防」としての先制医療
――予防医学と先制医療との違いは?
井村 先制医療は予防医学の一種です。従来の予防医学は集団を対象とした疫学研究を基礎にしていました。言わば「集団の予防」です。わかりやすい例を挙げると,1948年から米国で開始され,現在も続いているフラミンガム研究です。当時は第2次世界大戦が終わって間もない頃でしたが,米国で1年間に心筋梗塞で死亡する人が戦争で死んだ全アメリカ兵の数を上回っていました。そこで,ボストン近郊のフラミンガム市の全住民を対象にどんなタイプの人が心筋梗塞を起こしやすいかというコホート研究を始めたのです。10年ほどの調査で,年齢によって異なりますが,脂質異常症,高血圧,喫煙,心肥大のある人はそうでない人たちに比べ心筋梗塞がはるかに高率で発症していることが分かりました。リスク因子という概念もこの研究から生まれました。心筋梗塞にならないためにリスク因子を避けるというのが従来の予防医学の典型的な手法です。
ただし,そのリスク因子の全てを持っていても心筋梗塞を起こさない人がいます。逆にリスク因子を0か1つしか持っていない人が心筋梗塞を起こす場合もある。あくまで集団として調べてみると,リスク因子を持っている群の方が心筋梗塞になる割合は有意に高いということなのです。つまり,一人ひとりのケースには必ずしも当てはまらない。これが「集団の予防」であり,限界もそこにあります。
そこで先述のゲノム情報や蛋白質のプロテオームなどの各種バイオマーカーを使って,個々の人で進行している病的状態を予測し,疾患が発症する前にその人に合った対策を立てるという手法が「先制医療」です。つまり従来の「集団の予防」に対して,先制医療は「個の予防」になります。その人の特徴に応じて疾患を予測し,集中的な介入ができれば,より効率的な予防医学,別の言葉で言えば「精密予防」が実現するでしょうし,指導を受ける人のモチベーションも上がるでしょう。「あなたの場合,何%の確率で糖尿病になります」と言えば,生活習慣の改善にもきっと積極的に取り組めるようになるはずです。
――「先制医療」と名付けられた経緯を
井村 私は2004年に総合科学技術会議を辞し,その後先端医療振興財団の理事長に就任しましたが,並行して科学技術振興機構(JST)の研究開発戦略センター(CRDS)で首席フェローとして臨床医学を推進するための提言をする役職にも就きました。JST-CRDSでは様々な領域の研究者が集まっていて,わが国の臨床医学を俯瞰し,何が大切なのかを熱心に議論しました。急速に増える高齢者の疾患の治療対策はもちろん必要ですが,病気になってから治療するのでは,個人も国も経済的負担が大きく,患者さんにはむろん苦痛を伴います。より大切なのは「予防対策」ではないか。従来の予防医学から一歩進んだ「個の予防」を実現するにはどうしたらよいかという提言を2011年にまとめました。その名称を考えた時に,「Preemptive Approach」という言葉が既にあり,この「preemptive」という言葉を日本語に直して「先制医療(Preemptive Medicine)」と名付けました。これは先制攻撃(preemptive attack)の「先制」と同じ能動的な意味が込められています。
NCD対策を日本が世界へ示すことの意味
――先制医療が対象とする疾患について
井村 慢性の非感染性疾患(Noncommunicable Disease:NCD)が主な対象になります。NCDは,国連が2011年に大臣クラスのハイレベル会合を開催して議論するほど,喫緊の問題として対策が求められている疾患群です。NCDは基本的には感染症以外のほとんどの疾患が含まれており,特に今,問題となっているのが,心筋梗塞,糖尿病,がん,COPDなどの疾患です。このNCDで死亡する人の8割は途上国の人たちだと言われています。その理由としては,医療制度が整備されていないことがまず挙げられますが,もう1つ重要な要因は,急激な生活環境の変化です。
このような状況下,日本がNCDを対象に先制医療を推進することには大きな意味があります。というのも,わが国は現在の途上国よりも少し早い時期に生活習慣が欧米化しましたが,その割には糖尿病患者の増加は現在の途上国に比べるとそれほど著しくありません。国際糖尿病連合(IDF)による2035年の世界の糖尿病予測では,糖尿病患者の増加率が少ないのが欧州,北米,次いで日本を含む東アジア,そして豪州です。顕著な増加が見込まれるのはインド,アラブ諸国,アフリカとなっています。
日本と現在の途上国との間で糖尿病増加に差が見られるのは,遺伝素因もあるかもしれませんが,やはり生活環境の違いが大きいと考えられます。環境因子は先制医療にとって,遺伝素因とともに考慮すべき重要なファクターです。その意味でNCD対策については,日本が世界に比べ一歩先を行ける可能性があります。
胎生期の環境因子が疾患発症に影響するDOHaD学説
――早期の環境因子の違いがNCDの発症に影響する?>
井村 その通りです。NCDの発症は,母親のお腹の中にいる胎生期の頃からの影響を受けることが最近明らかになりました。これはDOHaD(Developmental Origins of Health and Disease)学説と呼ばれています。第二次大戦末期の1944年12月から1945年5月の連合軍による解放まで,オランダ西部の地域でナチスドイツの食料供給遮断による極めて厳しい飢餓状態が約5~6カ月間続きました。解放後は飢餓状態が速やかに解消されましたが,ハーバード大学の栄養学の教授が,飢餓の後に産まれた子どもはそれ以前に産まれた子どもに比べ,生下体重が約200gも低いことに気づき,オランダ政府にこの子どもたちの追跡調査を行うことを進言しました。この飢餓のコホート研究では,20年ほど経過し子どもたちが成人となった時点で,統合失調症やパーソナリティ障害が多いことが分かりました。さらに40年が経過すると,心筋梗塞,糖尿病,肥満などが増加していました。この要因として胎生期の低栄養状態が示唆されたのです。
これらのデータを裏付けることになったのが,英国の疫学研究です。第二次大戦後は英国でも心筋梗塞の発症が増えました。ところが不思議なことに豊かなロンドンやその周辺地域よりもイングランド西部やウェールズ,北部イングランドなどの貧しい地域で発症率が高かったのです。その原因を調べるためにDavid Barker 博士らがハートフォードシャー郡の出生時体重の記録と発症率を照合したところ,出生時体重と心筋梗塞発症に逆の相関関係があることが明らかになりました。
さらにBarker 博士はフィンランドのヘルシンキ大学病院に1934年から約10年間にわたる生下体重,生後の体重,胎盤の大きさなどの記録があることを知り,ヘルシンキ大学との共同研究を行いました。するとやはり生下体重が低い子どもにNCDが高率に発症し,加えてうつ病や認知機能障害なども多くなることが示されました。なお余談ですが,フィンランドでは1960年代から住民登録番号制が敷かれており,大部分の人の追跡調査が非常に短期間で可能になりました。わが国より50年も早いわけです。今後,先制医療やライフコース・ヘルスケアの実現に向けて,このようなビッグデータにゲノム情報やバイオマーカーを連結させることで,研究が飛躍的に進展することが期待されます。
DOHaD学説では,このように胎生期に低栄養状態という環境に曝された子どもが生後も貧しい環境に生きるようにプログラミングされたにもかかわらず,その後豊かな環境で成長したことで,メタボリックシンドロームや糖尿病,心筋梗塞に罹りやすくなったと考えます。人間の体が形成される際に遺伝素因はもちろん重要な役割を果たしますが,胎生期あるいは産まれて間もない頃の環境因子も大きく影響することになります。これはエピジェネティック(epigenetics)な変化と考えられ,一部は次の世代から三世代ほどまで遺伝すると現在では考えられています。
「ライフコース・ヘルスケア」の必要性
――先制医療には遺伝素因と環境因子の両方が重要なのですね
井村 もう1つ,世界的に問題になっているのが,子どもの肥満です。学齢期に肥満すると,後に糖尿病や心筋梗塞の発症率が高くなります。したがって,子どもの肥満をどうやって防ぐのかは大きな課題です。
一方,喫煙もNCD発症に大きく影響してきます。英国の医師を対象にした長期コホート研究では,5割の対象者が亡くなった時点を比較すると,喫煙者群は非喫煙者群に比べ約10年早く死亡しています。この差は非常に大きい。米国の調査では喫煙者は非喫煙者より3割医療費を多く使うとも報告されています。すると喫煙を始める思春期の頃を対象に禁煙対策を講じることはNCDの予防にとって非常に効果的な対策となります。
また最近,自閉症やADHD(注意欠陥・多動性障害)の子どもが世界的に増えてきています。その原因も胎生期あるいは生後間もない時期の環境が影響しているのではないかと言われています。単に身体的健康だけではなく,精神的健康もかなり早期からの環境因子の影響を受けている。先ほど紹介したオランダやヘルシンキ大学の疫学研究でも統合失調症やうつ病などの精神疾患が増えていました。
このようにNCDや精神疾患に対するヘルスケアは,従来,成人病健診のように40歳を過ぎてから始めればよいとされてきましたが,実は胎生期から,つまり生涯を通じた節目,節目の介入を考えなければ,老後の真の健康は達成できないのではないかと思われます。そこで私は「ライフコース・ヘルスケア」という新たな概念を提起しました(図1)。先制医療はこのライフコース・ヘルスケアの一部になります。
例えば胎生期には母親に母子手帳が渡されて定期的に産科医が診ているわけです。現在のところ,ほとんどの産科医は出産の時までの合併症にしか注意を払っていません。しかし,最近の日本女性は体重が少なく,そのため低体重出産も多い。本当は産科医も十分に理解していると思うのですが,これでは将来,NCDのリスクを負う子どもがたくさん増えることになります。日本ではかつて「小さく産んで,大きく育てる」ことがよいとされてきましたが,今やまったく逆であることが明らかになったのです。このような事実も含めて,ライフコース・ヘルスケアの重要性を医療者ばかりでなく,社会の多くの人に知ってもらう必要があります。
図1 ライフコース・ヘルスケアと先制医療
これからのヘルスケアは,胎生期から実施することが求められる。それは人生の早い時期にプログラミングが起こると考えられるからである。そしてNCDは長い経過の後に発症するが,遺伝素因,早期の環境,そして検査によって,将来は発症前に診断が可能となると考えられる。この時期,すなわち発症前に介入するのが先制医療である。 (井村裕夫編:医と人間.p105,岩波新書,2015より)
社会全体で守る健康~医療者の役割も変化する~
――ライフコース・ヘルスケアは,医療者だけでは成り立たない?
井村 ライフコース・ヘルスケアは社会全体の問題になっていきます。そうでなければ先制医療もうまく機能しないでしょう。これまでは,人生の中のある時点までは健康でいて,あるところから急に何かが起こって病気になると考えられてきました。「病気は一時的な健康障害」という位置づけです。ところが大部分の病気(NCD)はそうではなかった。もう胎生期の頃から芽があり,それが長い経過を辿って,少しずつ発症に至る。このような病気が超高齢社会を迎えて圧倒的に増えてきたわけです。糖尿病しかり,アルツハイマー病しかり,さらに精神疾患なども含まれます。このように従来の疾患に対する概念が今では一変してしまったことを社会の全ての人たちに理解してもらう必要があると思います。
そこで大切になるのは「健康教育」です。2015年に開催された第29回日本医学会総会2015関西(会頭:井村裕夫氏)のプログラムには,学生も参加してもらいました。彼らは3年かけて高校で健康についての講義に出向き,その後に「健康に対する意識」のアンケート調査をしました。その結果,現在の高校生は健康に対してはほとんど無知であり,健康教育は急務であると訴える結論に達しました。
日本は今後,健康保険や介護保険を支える若い世代が減っていきます。逆に高齢者はどんどん増えてくる。そこで高齢者は,人の迷惑にならないよう,病気に罹らないようにすることができれば理想的なのですが,このような「健康長寿」の実現には,健康教育によって本人が健康についての意識を持つことで,かなりの病気を防ぎ,あるいは軽症化させることが可能になると考えられます。
振り返ってみると,これまで医療者は病気になった患者さんが病院に来るのを待っていたわけです。健康な人は保険も使えません。ところが,健康な状態の時から潜在的な病気は既に始まっており,何らかの対策を打つことで,その病気を抑え込むことができるかもしれない。このような意識改革は社会全体で行っていかなければ不可能です。そのためには,医学会総会で学生たちが高校へ講義に行ったように,医療関係者もただ待っているだけではなく,もっとコミュニティに入っていくべきだと私は思っています。最近,参加型医学(participatory medicine)の必要性が欧米でさかんに叫ばれるようになりましたが,これからの社会にはまさに「自分の健康について積極的に参加していく態度」が強く求められるようになるのではないでしょうか。
先制医療が期待される疾患領域 ~がん,アルツハイマー病,糖尿病など~
――では具体的に,先制医療が必要とされる疾患領域について
井村 まずは,がん領域です。一部のがんに対しては,先制医療が可能になってきました。例えば,ウイルス性肝炎患者さんを治療することで肝がんの発症を抑制できます。またヘリコバクターピロリを除菌することで胃がんの発症を抑えることができる。乳がんについては,日本人には少ないのですが,女優のアンジェリーナ・ジョリーさんのように遺伝子異常で起こるタイプも解明されてきました。その対策として乳腺切除もありますが,薬物治療など他の選択肢も考えられます。
そして現在,最も先制医療が期待されているのはアルツハイマー病とパーキンソン病です。これらの疾患は発症した時点で既に神経細胞の50%以上が死滅しており,そこで治療を開始しても死んでしまった神経細胞は元に戻らないからです。アルツハイマー病については発症前診断が可能になってきました。ただし,診断ができても治療法がない限り,その人を安心させることはできないため,現時点の日本では健康な人に発症前診断を行っていません。先端医療振興財団では現在,軽度認知障害(MCI)の方にのみ発症前診断を行い,いくつかの治験にも参加してもらう試みを行っています。既にいくつかの認知症発症リスクは明らかになっていることから,ローテクの介入(糖尿病などの生活習慣病の適正な管理,社会との関係を持たせる,運動療法など)を行うことで,発症を遅らせることができるという報告もかなり出てきました。認知症の発症を1年でも遅らせることができればこれは素晴らしいことです。認知症では医療費もそうですが,介護が大変になります。子どもが仕事を辞めて親の面倒を看なければならないなど,社会的な損失面も大きいのです。このように現時点のアルツハイマー病の先制医療は,MCIの診断をきちんとつけて,適切な介入を行って効果を検証しているという段階です。
パーキンソン病については,残念ながらまだ発症前診断の方法が確立されていません。パーキンソン病は70歳以上で1%ほどの割合の有病率とされていて,高齢化が加速している現在,ますます増えてくる疾患です。先制医療が強く期待される領域と言えます。
――糖尿病については
井村 糖尿病の発症前診断もまだ現在ではできません。糖尿病に関連するSNPsは調べられていますが,多くのSNPsが見つかっているものの,1つひとつの影響力が小さいため,発症前診断には使えません。糖尿病では環境因子の影響がかなり大きいのです。それ以外にも多くの研究がなされており,膵島容積の画像診断などが検討されていますが,今のところ,軽度の血糖値異常を見つけて介入するのが現実的な対策です。ただし,発症が確認された時には動脈硬化はかなり進行している場合もあります。したがって先ほど述べた,ライフコース・ヘルスケアでのアプローチが重要になります。出生時の低体重,小児期の肥満などに気をつけ,運動療法などの介入には効果が期待できます。
ライフコース・ヘルスケアの目標は「長く幸せに生きること」
――健康教育を社会全体で考える時期にきているという点が強く印象に残りました
井村 ライフコース・ヘルスケアは人間の一生をまるごと診ていくという考え方をします。また,身体的健康と同じくらい大切なのが精神的健康です。近年増えてきた,家庭内暴力やネグレクト(育児の怠慢,放棄)を受けた子どもは,後年精神疾患に罹患する率が高いと言われています。このような問題も社会全体で考えていく必要があるでしょう。
英国は戦後出生コホートという調査を行っています。これは第二次世界大戦が終わった1946年3月の第2週に産まれた約15,000人の子どもの中からいろんな条件を揃えて,約6千人のコホートを構築し,現在もまだ追跡しています。生下時体重ばかりでなく,社会経済的階級,認知機能,職業などと健康との関係も調べられています。その中で明らかになってきたのは,家庭が経済的に貧しいと,後年の健康にも障害が出てくる傾向にあるというものでした。学校に行けない,いい職業に就けない,いろんな技術を身に付ける機会がないといった要因が考えられます。英国政府には,このような経済格差は健康格差をも生じさせるとして,格差是正に努めるべきとの勧告がなされました。そこで期待されているのが「教育」です。勧告では,認知機能だけを重視せず,様々な仕事に応じた必要な技能を身に付けさせることが必要であるとしています。米国でも,ハンディキャップのある子どもたちを集めて,従来の教育を受けさせた群とよりきめ細かく徹底して教育を受けさせた群を比べて,後者の徹底した教育群の方がより健康であったとの報告があります。
このように,ライフコース・ヘルスケアには,恵まれない子どもたちに対して,どのような支援をしていくかという社会的な側面もあることを知っておいていただければと思います。経済格差を少なくさせるだけではなく,教育が加わることで,健康格差の是正をも期待したいわけです。
――多くの人が幸せに暮らせるということが目標になりますか
井村 そうです。せっかく産まれてきた命です。全ての人が幸せに長く生きてほしい。そのためには若い頃からの生き方が大切になります。人間の能力にはいろんなものがあります。能力に適合した技術を身に付け,それによって仕事を見つけることで,安定した収入を得ることができる。この道筋をつけるのが教育の重要な役割です。ところが日本では,どうも知的教育の方にばかり力が注がれているように見えます。ライフコース・ヘルスケアは,そのような問題にまで踏み込んでいく必要があるでしょう。簡単なことではありませんが,そこまでを目標にしたいものです。
私は医師になってはや60年が過ぎました。医師になった頃を思い出すと,不治の病がたくさんあり,若くして亡くなる患者さんも多かった。「1日でも長く生きていてほしい」と願ったことがいくどもありました。ところが現在,日本人の平均寿命は80歳を超えました。これは単に半数の人が80歳まで生きられるということではありません。乳幼児期に亡くなる場合は平均寿命を大きく下げますので,実際には80歳まで生きられる人はもっと多いのです。だからこそ自分の健康は自分で守るようにしていかなければ,社会がもたなくなってしまいます。そんな時代が来たのです。人間は必ず死にますが,生きている間は幸せであってほしい。そのためには身体的健康とともに精神的健康,それから社会的な活動を維持できる社会的健康が必要です。ライフコース・ヘルスケアと先制医療はこの3つの健康を維持するために必要となる手法です。このほど上梓した『健康長寿のための医学』では,ライフコース・ヘルスケアの概念とその重要性を解説しています(図2)。多くの皆さんに先制医療とライフコース・ヘルスケアの意義を理解していただき,健康に対する意識を変えていただければと思っています。
5 胎生期から乳幼児期における栄養環境と成長後の生活習慣病発症のリスク 8枚 (16p)
https://www.google.co.jp/?gws_rd=ssl#q=%E8%83%8E%E7%94%9F%E6%9C%9F%E3%81%8B%E3%82%89%E4%B9%B3%E5%B9%BC%E5%85%90%E6%9C%9F%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8B%E6%A0%84%E9%A4%8A%E7%92%B0%E5%A2%83%E3%81%A8%E6%88%90%E9%95%B7%E5%BE%8C%E3%81%AE%E7%94%9F%E6%B4%BB%E7%BF%92%E6%85%A3%E7%97%85%E7%99%BA%E7%97%87%E3%81%AE%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%82%AF&spf=1500846942026
利用するには表題を検索語として Google で調べだし、[PDF]を開いてコピーするのがよい。 図版が多く使われています。
6 人口構造の変化(日本の人口ビラミッドの変遷) 2枚 (24p)
第I部 人口の減少、少子高齢化の進展など人口構造の変化に対応した国土交通行政の展開
第2節 少子高齢化の進展
https://www.mlit.go.jp/hakusyo/mlit/h14/H14/html/E1012100.html
1.人口構造の変化
近年の我が国人口の年齢構造を見ると、年少人口(15歳未満)の減少と老年人口(65歳以上)の増加が著しく、少子高齢化が急速に進んでいる。人口構造の変化について、いわゆる人口ピラミッドの変遷で見てみると、戦前からの「富士山型」から、高齢化の進展により、二度のベビーブームによる凹凸はあるものの、現在では「釣鐘型」となっており、将来的には、さらに少子化が進んで、「つぼ型」に変わっていくといわれている。
図表I-1-2-1 日本の人口ピラミッドの変遷(1950年、2000年、2050年)
この図表は上掲URLを開けばわかる通り、国土交通白書によるもので、2050年現在は完全な「釣鐘型」となっている。
7 【最新】47都道府県の平均寿命ランキング 3枚 (26p)
http://womanslabo.com/news-20170412-1
日本人の平均寿命が男性80.75歳、女性86.99歳と過去最高を更新したことを2017年3月1日に厚生労働省が公表した。しかし都道府県別に見ると、第1位の長野県と最下位の青森県では男性は3.6歳、女性は1.84歳の開きがあり、地域によって差が見られるようだ。都道府県別の平均寿命をランキング形式で見てみよう。(参照:厚生労働省 平成22年都道府県別生命表の概況)
※2017年4月現在においては、2013年に公表された平成22年版が最新のランキングとなる。次回の都道府県別平均寿命が公表されるのは2017年度末の予定
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都道府県別の平均寿命ランキング(男女別)
最新の平均寿命ランキングでは、男女ともに第1位は長野県、最下位は青森県。「長寿県」として近年注目されている長野県と、一方で「短命県」としてネガティブなイメージがついてしまった青森県はメディアでも度々取り上げられ、その理由について食生活や運動習慣、県民性など様々な視点から指摘されているが、健康寿命のランキングを見てみると長野県は男性18位、女性16位と上位にはランクインしていない。寿命が長くても健康寿命が短ければQOLは低下する。平均寿命のランキングだけに着目するのではなく、「健康寿命との開き」を確認したい。以下ランキングと合わせて、都道府県別健康寿命もチエックしてみよう。
都道府県別平均寿命ランキング (2013)
8 都道府県別の健康寿命ランキング(男女別) 3枚 (29p)
http://womanslabo.com/2016120-1
最新の健康寿命ランキングでは、男女ともに第1位は山梨県。前回の平成22年健康寿命ランキング第1位は、男性は愛知県、女性は静岡県で、山梨県は男性第5位、女性第12位だったので、両者とも大きく順位を上げた。今後は山梨県が「健康県」として知名度を上げそうだ。
最新の健康寿命ランキング
男女の平均寿命と健康寿命の推移
上図は2001~2013年の男女別平均寿命と健康寿命の推移。
日本全体で平均寿命・健康寿命ともに伸びていることがわかる。しかし平均寿命と健康寿命の差(日常生活に制限がある状態で生活する期間)に関しては男女ともに開きが大きくなっていることに注意したい。
日本人の平均寿命は今年も過去最高を更新したが、平均寿命と健康寿命の開きを埋める施策が急務だ。
9 都道府県の死亡率ランキング 3枚 (32p)
http://womanslabo.com/news-20170615-6
厚生労働省は6月14日、2015年の都道府県別の死亡率(※)を発表した。47都道府県の中で死亡率が最も高かったのは男女ともに青森県、最も低かったのは長野県だった。47都道府県の死亡率ランキングを高い順に見てみよう。日本人に多い死因である悪性新生物、脳血管疾患、心疾患の3大死因別死亡率の都道府県別ランキングはこちら⇒【最新】47都道府県の3大死因死亡率ランキング
都道府県別死亡率ランキング2017(年齢調整死亡率)
※本記事のランキングでは年齢調整死亡率を使用。年齢調整死亡率とは、地域によって異なる年齢構成の差を調整して、年齢構成の違いを気にすることなく地域間で死亡状況を比較できるように算出した死亡率のこと。例えば、若者の多い東京と高齢者の多い秋田県の死亡率を比較する場合、秋田県の死亡率が必然的に高くなるため、地域間で正確な死亡率を計算できない。しかし年齢構成を調整して揃えた年齢調整死亡率で比較すれば、正確に地域比較ができる。
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