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折々の記 2009 F

【心に浮かぶよしなしごと】

【 01 】教育問題のまとめ【その六】        【 02 】教育問題のまとめ【その七】
【 03 】教育問題のまとめ【その八】        【 04 】教育問題のまとめ【その九】
【 05 】教育問題のまとめ【その十○】        【 06 】教育問題のまとめ【その十一】
【 07 】教育問題のまとめ【その十二】        【 08 】教育問題のまとめ【その十三】
【 09 】教育問題のまとめ【その十四】        【 10 】教育問題のまとめ【その十五】
【 11 】教育問題のまとめ【その十六】        【 12 】教育問題のまとめ【その十七】
【 13 】教育問題のまとめ【その十八】        【 14 】教育問題のまとめ【その十九】
【 15 】教育問題のまとめ【その二十】

以上で「教育問題のまとめ」終わり



【 13 】2010/08/19

08 19 今までの教育問題のまとめ【その十八】

  1009 08 05 世帯年収高いほど高学力(学力問題)
  1009 08 05 衣食足りて礼節を知る(学力問題)
  1009 08 09 教育・学力テスト記事は読売新聞
  1009 08 29 第三回全国学力テストの結果

08 05(水) 世帯年収高いほど高学力(学力問題)

このような分析をしたものが新聞に載ったのは初めてのことです。 

幼児への言葉がけに力を注いだ場合と、言葉がけなど力を入れなかった場合と、こうした観点からの分析を是非したいものです。 驚くべき結果が現われるはずなのです

老生の言う「0歳教育」のスタートは「幼児への言葉がけ」が第一だからです。



成績と親の年収、比例する傾向 小6学力調査を国が分析
8月5日 アサヒコム
現在位置:asahi.com > ライフ > 教育 > 小中学校 > 記事


    全国学力調査の結果を分析したところ、保護者の収入が多い家庭、教育支出が多い家庭ほど子どもの成績がよくなる傾向があることが、文部科学省がお茶の水女子大学に委託した調査で確認された。年収によって正答率に最大約23ポイントの差がついたほか、塾や習い事などの支出が「ない」という家庭と「5万円以上」という家庭では、最大約27ポイントの差がついていた。

 保護者の収入と子どもの学力の関係について、国が具体的に分析、公表したのは初めて。東京大学の調査でも収入で大学進学率に大きな差があることが確認されており、教育費の公的負担のあり方が一層議論になりそうだ。

 調査は、お茶の水女子大の耳塚寛明・副学長(教育社会学)の研究班が昨年度、約6千人の小学6年生について実施。保護者にも年収をたずねて相関関係を分析し、4日、結果を公表した。

 それによると、国語のA問題(知識中心)は年収200万円未満の家庭の子どもは正答率が56.5%にとどまったが、年収が上がると、正答率もほぼ右肩上がりに上昇。1200万円以上1500万円未満の層は78.7%に達した。国語B(知識の活用中心)、算数A、算数Bでも傾向は同じで、年収によって最大約20〜23ポイントの差があった。

 ただし、年収が最も多い区分の1500万円以上では、1200万円以上1500万円未満の層に比べ、四つのテストすべてで微減。0.3〜1.4ポイント下回っていた。

 研究班は、年収が同レベルの中で比べて、成績が良い子どもに共通するものがあるかどうかも分析。「保護者がニュースについて子どもと話す」「小さい頃に絵本の読み聞かせをした」「家に本がたくさんある」などの項目が当てはまったといい、「幼児期から学校の学習になじみやすい家庭環境をつくることが重要だという示唆」「経済環境による学力差を緩和するカギを握っている」と指摘している。(上野創)

世帯年収高いほど高学力 08年学力テストの小6
08月04日(火)22:03 信毎
現在位置:信濃毎日新聞 フロント > 国内外一覧 > 主要 > 記事詳細


 昨年実施した全国学力テストの公立小6年生の結果について追加調査した文部科学省の専門家会議は4日、保護者の年収が高い世帯ほど子どもの学力が高いとする調査結果を報告した。年収1200万円以上では国語、算数とも正答率が平均より8〜10ポイント高く、200万円未満は逆に10ポイント以上低かった。所得の高低により算数(B問題)で最大23ポイントの差が開いた。

 全国学力テストの結果と年収の相関関係を裏付けるデータの公表は初めて。公教育をめぐり低所得者の支援があらためて課題となりそうだ。

 調査は五つの政令市の公立小計100校を選んで6年生8093人を対象にし、5847人の児童の保護者が回答した。

 結果によると、知識の活用力を問う算数Bの平均正答率は年収による差が最も大きかった。年収700万円未満では平均の55・8%を下回り、「700万円以上800万円未満」は57・1%。「1200万円以上1500万円未満」は65・9%と平均を10・1ポイント上回り、「200万円未満」の42・6%とは23・3ポイントの開きがあった。

 学校外の教育費支出を調べたところ「月に5万円以上」は、算数Bの正答率が71・2%だったが、「支出なし」は44・4%で26・8ポイントの差。専門家会議は「年収が高いほど塾など子どもの教育費に投資するため、差が生じた」と分析している。

 国語Bは平均正答率が55・5%で、700万円以上の世帯は平均以上だった。基礎知識をみる国語、算数のA問題でも年収と成績は同様の傾向。

 正答率の高かった子の家庭はニュースや新聞記事を話題にしたり、親が言わなくても子どもが自分から勉強したりする傾向が強いことも分かった。同じ年収でも「小さいころ、絵本の読み聞かせをした」「家に本がたくさんある」という家庭の方が正答率が高かった。

全国学力テスト分析、親の収入高いほど高学力
(2009年8月5日 読売新聞)

 親の所得が高いと子供の成績は良いが、低所得でも親の心がけ次第で学力向上につながる――。

 昨年度の全国学力テストの結果を、文部科学省の委託を受けたお茶の水女子大の耳塚寛明教授らが分析した結果、そんな傾向が出ていることが4日、明らかになった。全国学力テストの結果と親の所得の関連を追った調査は初めて。絵本の読み聞かせなども成績向上に効果があり、耳塚教授は「経済格差が招く学力格差を緩和するカギになる」と話している。

 調査は、全国学力テストに参加した小6のうち、5政令市から100校、計約8000人を抽出し、親と教師を対象に学習環境などを調べた。

 世帯収入と平均正答率(国語と算数)の関係を見ると、高所得ほど正答率も高い傾向がみられ、最も平均正答率が高かったのは、1200万円以上1500万円未満の世帯。200万円未満の世帯と比べると平均正答率に20ポイントの開きがあった。

 親が心がけていることについて調べたところ、高学力層の子供の親は、「小さい頃から絵本の読み聞かせをした」「博物館や美術館に連れて行く」「ニュースや新聞記事について子供と話す」といった回答が多かった。このうち、「本の読み聞かせ」や「ニュースを話題にする」は、親の所得に関係なく学力向上に一定の効果がみられたという。

 調査では、学校での取り組みも調べた。家庭環境にかかわらず、児童にあいさつを徹底したり、教員研修を積極的に行ったりしている20校では、学力向上に一定の効果がみられた。



    [解説]学力テスト好成績の秋田
           少人数学級、地域に学校開放…「細やか指導」が成果

 29日公表された文部科学省の全国学力テストでは、秋田県が2年連続でトップクラスになるなど、昨年の上位県が今年も好成績を維持した。

 「学力」の高さの背景に何があるのか、共通点や地域ごとの特徴を探った。

 秋田県の中心部に位置する人口約5770人の井川町。町唯一の小学校である町立井川小(児童数289人)に29日午後、全国学力テストの結果が県教委から届けられた。井川小の平均正答率は国語、算数ともに、基礎を問うA問題、応用力を試すB問題のいずれも県平均とほぼ同じ。全国平均より7〜12ポイントも高かった。

 水田と山林が8割を占める同町では、児童の約6割が3世代家庭で育てられている。井川小では少人数指導が徹底しており、6年生の場合、2学級の児童43人を算数では習熟度別や弱点別などによって3クラスに分け、授業によっては2人の教師が指導する。

 秋田の学力がなぜ高いのか。秋田県教委は要因として、井川小のような「地域、家庭、学校との連携」と「少人数指導」をあげている。

 秋田では2005年度から、保護者や地域住民が自由に学校を訪問できる「みんなの登校日」を実施し、昨年は県民の4分の1にあたる延べ28万人が訪れた。01年度からは全国に先駆けて小1、小2、中1の3学年で30人程度の「少人数学級」を導入。家庭や地域と連携した、きめ細かな指導が実を結んだという分析だ。

 秋田は今回、小学校の国語、算数ともに正答率が2年連続でトップ。中学校も国語Aで1位、残りの3分野も3位以内だった。さらに8分野すべてで全国平均との差が昨年より広がり、好成績が“偶然”ではないことを全国に示した。

 昨年、43年ぶりに全国学力テストが実施されるまで、この結果を予想した関係者はほとんどいない。

 秋田の07年度の所得水準は全国41位で、大学進学率は38位にとどまる。自己採点による大学入試センター試験の得点も英語が18位、国語が19位だったほかは、数学1Aが39位、数学2Bが43位、物理1と化学1は42位。1960年代に実施された学力テストでは下位に低迷していたことから、同県教委は昨年の結果公表時に謝罪会見を考えていたほどだ。

 それが昨年の結果公表以降、学力の高さが知られるようになり、様々な分析が行われている。

 秋田大教育文化学部の阿部昇教授が着目するのは、今年のテストも昨年同様、記述式のすべての問題で全く答えを書かない無解答率が全国平均を下回った点。

 定期的に「学級だより」を発行している学校が小学校で62%(全国平均37%)、中学校で72%(同31%)と全国平均よりはるかに高いことも指摘し、「自分の意見をまとめ、考えを発表する授業で、子供の発言にうなずいたり、ほめたりする教師が多く、子供の『とにかくやってみよう』という気持ちが養われている。学校の様子をつぶさに伝えることで家庭学習への意欲を駆り立てる効果もある」と分析する。

 「秋田に学べ」のキャッチフレーズを広告に使った大手進学塾「栄光ゼミナール」(本部・東京)は、秋田県教委が算数・数学の単元ごとに独自に作成している「定着テスト」を評価する。問題と問題ごとの平均点をインターネットで各校に配信しており、教師は自由にテストを取り出して使い、自分のクラスの平均点と比較できる。同ゼミナールは「少人数で指導し、習ったことがどれだけ身についているかテストで確認するという作業はある意味で塾と同じ」(横田保美・広報部長)と指摘している。

   上位県 教師も自己研さん

 学力テストで好成績をあげた秋田、福井、富山の3県は何が共通しているのか――。文科省は、3県の今年のデータを抽出し、傾向を分析した。

 その結果、「補習をよく行っている」と回答した学校の割合が、秋田、福井とも小中学校の国語、算数・数学で全国平均を大きく上回っており、小学算数では秋田47%、福井45%と全国平均(36%)より10ポイント前後高かったことがわかった。

 「宿題をよく出した」と回答した学校の割合では、3県とも、おおむね「よく出した」と答えた学校の割合が全国平均を上回り、特に福井の中学校では、国語で40ポイント高い78%、数学も28ポイント高い71%に上った。

 もう一つ、成績上位県に共通する要素の一つとして、教育界で指摘されているのが「教師の熱心さ」。富山では教科研究などを行う教師の任意団体が、小中学校とも100%近い組織率を誇り、授業や教材の研究に取り組んでいる。秋田でも、大半の教師が教科ごとに開かれる研修会に参加し、授業研究の活動も盛んだ。

 これについて、フィンランドの教育制度などを研究する都留文科大の福田誠治教授は「少人数指導や家庭教育、さらに教員の質の高さは、学力世界一のフィンランドとも共通する」と語る。フィンランドは、子供25人につき教師1人が配置されるなど少人数教育が実施されており、教師は大学院修了者で医師と同じ専門家として社会的地位が高い。子供が家庭で読書をして過ごす時間も長い。

 「学力向上の秘訣(ひけつ)は、いかに子供から自発的に学ぶ意欲を引き出すかだ」と福田教授は強調する。

 成績上位県の教育の特徴はこれまで十分、分析されているとは言えなかった。何が学力向上につながっているのかをさらに詳しく研究し、教育施策に積極的に取り入れる必要がある。

(2008年8月30日 読売新聞)

08 05(水) 衣食足りて礼節を知る(学力問題)

‘年収が多いほど高学力’当然のことでしょう。 昔はみんな貧乏でしたが、礼節は大事にしてきた。 

質素倹約をしてきて‘倹と悋は似て非なり’としての心得があり、公共事業で学校を建てるとか橋を作るとか、こんなときには資産家は寄付をするのを当然と心得ていた節があります。 佐久の中込学校建築を見ると、そのことがよくわかる。

貧乏人でさえ人の道については、儒教の影響があったのか、みんな正直とか真面目さを大事にしてきた。 それだけに、小さいときからいろいろの諺や昔話が伝えられてきていた。 そして、幼いながら耳からの学問、目からの学問を身につけていたのです。

そんな一つに「衣食足りて礼節を知る」がありました。 調べてみると

    倉廩実則知礼節    倉廩(そうりん)実(み)ちて則(すなわ)ち礼節を知り、

    衣食足則知栄辱    衣食足りて則ち栄辱(えいじょく)を知る         『管子・牧民』

    倉廩 ――穀物を蓄えておく倉
    栄辱 ――栄誉と恥辱
    〔管子(牧民)〕人間は生活が豊かになって初めて礼儀・節度を考える余裕が生まれる。
    〔管仲〕?〜紀元前645年
      中国の春秋時代における斉の政治家。諱は夷吾である。後に管子とも呼ばれる。
      桓公に宰相として仕え、桓公を覇者に押し上げた。
      友人としてこれ以上ないくらいの親密であるという意味の言葉の「管鮑の交わり」の由来となった人でもある。
      管仲のリンク集  Wikipedia: 「管仲」をWikipediaで調べる

    《故事・ことわざ・四字熟語》 辞典

上記の《故事・ことわざ・四字熟語》 辞典はいろいろ調べるのに都合のいい辞典です。

    http://www.geocities.jp/tomomi965/index2.html くろご式 慣用句辞典
    http://www.geocities.jp/tomomi965/ichiran.html ことわざ一覧
    http://www.fruits.ne.jp/~k-style/index.html#x3 k-style ことわざ(英語&日本語) Proverbs(500)
    http://www.7key.jp/ Ray:雑学事典
    http://contest2004.thinkquest.jp/tqj2004/70237/index.html 故事成GO!!
    http://www.sanabo.com/kotowaza/ ことわざデータバンク
    http://www.h3.dion.ne.jp/~urutora/kotowazaoeji.htm ことわざ集
    http://home.alc.co.jp/db/owa/s_kaydic?ctg_in=3&char_in=a 英語表現事典 ことわざ・慣用句集:スペースアルク
    http://kuroneko22.cool.ne.jp/index2.htm 珠玉の格言集
    http://www.ok312.com/j2e/index.htm Words of Wisdom OK312 JAPANESE-English Dictionary
    http://www.meigensyu.com/ 名言集.com - 名言・ことわざ・金言・格言集めました

これらも折々に調べだしたものです。

ジョセフ・チルトン・ピアスが解説する人の<心/脳=mind-brain>システムは、胎児の遺伝子のなかに創造力に満ちた驚くべき可能性が組み込まれ、開花の時を待っていると説いています。

乳幼児への母親の語りかけ如何によって、この驚くべき才能は開花していくのです。


たとえ、そんなことは何も知らずに、かわいさゆえの語り掛け自身能力開発は想像以上にその結果を現前してくれるものです。

「年収が高いほど高学力」はその一面を言い当てたものに過ぎません。

08 09(日) 教育・学力テスト記事は読売新聞

教育についての記事は読売が一番大事に取りあげており、記事も多いようにおもう。 読売のサイトを開いてみると、次のような記事が載っていた。

現在位置:読売 > ホーム > 教育 > ニュース

学力テストの結果を27日に公表   (2009年8月8日 読売新聞)

 文部科学省は7日、全国の小学6年生と中学3年生約234万人を対象に今年4月21日に実施した第3回全国学力テストの結果を、今月27日に公表すると発表した。

 結果は、教育委員会と各校に同じ日に到着するよう送付される。 

大学進学率、初めて5割超す   (2009年8月7日 読売新聞)

入学率は最高92.7%、全入には至らず

 今春の大学への進学率が現役・浪人合わせて初めて5割を突破したことが6日、文部科学省の学校基本調査(速報)でわかった。

 短大を含めた進学率も56・2%と過去最高を更新。志願者に対する入学者の割合は92・7%に達したが、「大学全入」時代には至らなかった。

 同調査によると、今春の大学への進学者は60万8730人となり、昨春より約1500人増え、進学率は1・1ポイント上昇して50・2%だった。進学者数は、調査項目に加わった1954年度(13万5833人)の4・5倍。進学率は、94年度に30%を超えてから徐々に増加し、この15年間で20ポイント増えたことになる。短大を含めた進学率は、昨春より0・9ポイント増の56・2%。現役だけでも53・9%となり、過去最高となった。

 一方、大学と短大の志願者(73万5843人)に占める入学者(68万1893人)の割合も92・7%と過去最高を更新した。ただ、中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)は2007年度に大学全入(100%)を迎えるとしていたが、今回も届かなかった。

 また、大学卒業後、進学も就職もしなかった人は前年度比約8000人増の6万7888人となり、6年ぶりに増加に転じた。文科省は、昨秋からの景気の悪化が原因とみている。

小中生不登校やや減
 今回の調査では、不登校の小中学生が前年度より約2000人減少し、12万6805人だった。ただ、少子化で子供の数が減っているため、全体に占める割合(1・2%)は0・02ポイントの改善にとどまった。文科省は「問題の深刻さは変わらない」としている。

 全国の国公私立の小中学校の児童・生徒1072万人余りのうち、病気や経済的な事情以外の理由で年間30日以上欠席した小中学生は12万6805人。13万8722人と過去最多だった01年度以降は減少していたが、06年度以降は微増傾向だった。

公立高家庭も教育費に格差…日教組調査   (2009年8月1日 読売新聞)

 高校3年間の家計からの支出が同じ公立高校でも地域や学校で異なり、50万円以上開きがあることが31日、日本教職員組合(日教組)の調査で分かった。出費は進学校ほどかさむ傾向にあり、日教組は「貧困世帯の生徒は公立でも学校選択の幅が狭まっている」と指摘している。

 調査は今年3〜5月、日教組の下部組織を通じて32都道府県を対象に実施し、18都府県の217校から回答を得た。支出が最も多かったのは鳥取県の高校で101万円。最も少なかったのは沖縄県の高校の44万円で、その差は57万円だった。支出の中には授業料(公立の場合、3年間で36万円程度=文部科学省調べ)も含まれている。

科学五輪、日本躍進のワケ   (2009年7月30日 読売新聞)

 数学、物理、化学、生物、情報の各種目で、世界の高校生らが知識と応用力を競う「国際科学五輪」。今年の日本勢は、種目ごとに上位約10%に与えられる金メダルが、既に過去最多の10個に達し、4個にとどまった昨年から一転して活躍が目立つ。

 理数離れが指摘されて久しい日本の子供たち。大躍進の秘密を探った。

 科学五輪の起こりは、1959年にルーマニアで初めて開かれた数学五輪。その後、種目が順次増え、参加国も全世界に広がった。

 今月14〜21日にドイツで開かれた数学五輪。104か国・地域の代表565人の中で、中国の代表とともに2人だけ満点に輝いた副島真さん(東京・筑波大付属駒場高3年)は、「難問として出された問題も易しく感じられました」と大会を振り返る。他のメンバーも好成績で、代表6人のうち5人が金メダルを獲得、昨年の2人を上回った。6人の合計点で争う国別順位も中国に次ぐ2位で、過去最高だった。

 数学以外の種目でも日本代表は好調。茨城県つくば市で行われた生物学五輪では、大月亮太さん(千葉県立船橋高3年)が日本初の金に輝き、国別順位も昨年の14位から過去最高の6位に上昇した。化学五輪でも初めて金2個を獲得。物理五輪も昨年の17位から11位へと順位を上げ、8月の情報五輪の結果を待たずして、金の総数は昨年の2倍以上になっている。

 文部科学省によると、大会支援の予算は各種目とも約2500万円と昨年並み。それでも躍進した理由として、同省担当者が第一に挙げるのが参加者の増加だ。国内選考には5種目で計6968人が挑み、前年より約1500人増えた。生物学五輪の地元開催もあり、大会の認知度が理数好きの高校生の間で格段に上がったことや、国内選考の結果を入試で評価する大学が増えていることが影響していると、担当者はみる。

 さらに今年は、筆記に加えて実験問題も出される物理、化学、生物の対策として、代表の生徒を大学の実験室に出向かせて、想定される実験を行わせるなど、より実践的な準備を重ねた。また、数学では国内の2次選考を通過した約20人を対象に、初めて6泊7日の合宿を実施している。

 物理五輪の国内事務局、物理チャレンジ・オリンピック日本委員会の並木雅俊副委員長(高千穂大教授)は「スポーツでは才能のある子を伸ばすのは当たり前だが、学問の世界でも、優秀な子を伸ばすことの重要性が社会に理解されるようになってきた」と好成績の背景を語る。「根っからの理数好きはまだまだ埋もれているはず。底辺拡大も大切だが、優秀な人材の発掘も必要です」

 未来の天才科学者が教室の片隅で専門書を開いているかもしれない。(小林健)


  喬木村の教育は喬木村の責務、それが原則です。

  百姓が作物を作るときに第一に心していることは、立派な苗をいかにして作るかにあります。

  このわかりきった原則を教育でも地道に進めなくてはなりません。


08 29(土) 第三回全国学力テストの結果

おととい、第三回全国学力テストの結果が発表されました。 新聞その他でこれについての意見なり考えなりが出ております。

まず、NHKニュース > 科学文化 に出てきたニュースを取りあげます。


       NHKニュース > 科学文化
  学力定着傾向も活用に課題  8月27日 17時11分

 文部科学省の全国学力テストの結果が27日、公表されました。基礎的な学力は定着する傾向が見られるものの、資料を読み取って自分の考えを表現したり、基礎的な知識を日常生活の中で活用したりすることに依然として課題があることがわかりました。

 3回目となる全国学力テストは、ことしの春、全国の小学6年生と中学3年生のおよそ235万人を対象に、国語と算数・数学でそれぞれ読み書きや計算などの基礎的な学力を調べる「問題A」と知識や技能を活用する力を調べる「問題B」のあわせて8つのテストが行われ、27日、結果が公表されました。正答率の平均は、問題の数を減らした影響で、小学校・国語の「問題B」と中学校・数学の「問題A」を除いて去年より3ポイントから13ポイント高くなりました。その一方で、過去2回の結果と同じように基礎的な学力を問う「問題A」に比べて活用力を問う「問題B」の正答率が低く、文部科学省は資料から必要な情報を読み取って自分の考えを表現する力や、基礎的な知識を日常生活の中で活用する力の育成に課題があると分析しています。正答率の平均を公立の学校について都道府県別で見てみますと、秋田県が小学校の4つのテストのうち3つで平均正答率が最も高く、中学校でも2つのテストでトップとなりました。残る3つのテストはいずれも福井県がいちばん高く、この二つの県はいずれのテストでも上位3位以内に入って全国平均を4ポイントから10ポイント上回りました。学力テストでは、あわせて子どもたちに生活習慣や学習環境について尋ねていますが、例えば、秋田県の小学生は、休みの日でも1日に1時間以上勉強していると答えた子どもが75.5パーセントと全国平均より23ポイントも高く、文部科学省は家庭で学習する習慣が身に付いていることが学力の向上につながっているものとみています。一方、正答率が低かったのは沖縄県で6つのテストで最も低く、北海道は2つのテストで最下位でした。文部科学省は結果を詳しく分析するとともに、各地の教育委員会や学校にもそれぞれ課題を整理するよう求め、指導方法の改善を図りたいとしています。

  教育条件の充実 対策は難航   8月28日 4時49分

 ことしで3回目となる全国学力テストの結果が27日に公表されましたが、各地の教育委員会は、学力テストの結果を受けて教材づくりや教員の研修には取り組んでいるものの、教員の数を増やすなど、教育条件の充実にまで対策を進めるのは難しい状況であることがわかりました。

 全国の小学6年生と中学3年生を対象に行われた全国学力テストは、27日に結果が公表され、過去2回のテスト結果と同様に知識や技能を活用する力の育成に課題があることがわかりました。公立の学校について都道府県別の正答率を見ますと、ほとんどの地域が全国平均の上下5%以内に入っていますが、正答率が最も高い県と低い県で、およそ20ポイント差があるテストもあって、文部科学省は地域による学力の差が固定化するおそれもあるとしています。一方で、学力テストを授業の改善にどのように生かしているのか、文部科学省が都道府県と政令指定都市の教育委員会に聞いたところ、ほとんどの教育委員会がテスト結果を参考に教材づくりや教職員の研修をしていました。しかし、結果を受けて教職員や非常勤講師の配置に配慮したという教育委員会はほぼ半数にとどまり、財政状況が厳しい中で教員の数を増やすなど教育条件の充実にまで対策を進めることが難しい状況であることがわかりました。これについて、教育社会学が専門のお茶の水女子大学の耳塚寛明教授は「学校や学級単位で、どのような課題があるのか分析をしたうえで、指導法の改善だけでなく、課題が集中しているところにより多くの教員を配置するなど教育の条件整備を進める必要がある」と話しています。


次に、朝日新聞の表記を見ていきます。


       現在位置 : asahi.com > ライフ > 教育 > 小中学校 > 記事
  応用問題が苦手、変わらず 第3回全国学力調査結果  2009年8月27日

 文部科学省は27日、全国の小学6年生と中学3年生を対象に、今年4月に実施した3回目の全国学力調査の結果を発表した。基礎的な知識を問う問題は答えられるが応用問題には弱い、という傾向は今回もはっきり出ており、改めて課題が浮き彫りに。毎回注目を集める都道府県別の成績は、上位層、下位層とも大きな変化はなかった。

 全国学力調査では、国語と算数・数学について、知識を問うA問題と知識を活用する力をみるB問題がそれぞれ出題される。

 全体の正答率の平均は、A問題については中学の数学(63.4%)を除くといずれも70%台だった。ただし、B問題になると、中学国語(75.0%)以外はいずれも50%台にとどまる。応用力に力点を置いた授業は各地で進められているが、目に見える効果はまだ出ていないようだ。

 都道府県別の公立校の平均正答率をみると、各教科、小、中とも秋田、福井、富山などが上位に来ている。下位層では沖縄、北海道、高知などが目立った。小学校の下位で一部変動があるが、傾向は過去2回とおおむね変わらず、固定化している。

 調査では同時に生活習慣などについてもたずねており、いくつかの点で向上の兆しがみられた。文科省や教育委員会は「全体の生活習慣を整えるもとになる」などとして朝食をとることを奨励しているが、実際に毎日食べている子どもは小6で88.5%、中3で82.3%。前年に比べそれぞれ1ポイント強増えた。同じ質問調査は01年度にも実施しているが、それと比べると小中とも12ポイント前後の増。今回の学力調査でも成績との関係が確認され、毎日朝食をとる子は全くとらない子に比べて正答率が14.1〜19.8ポイント高かった。

 調査では携帯電話の利用状況も質問。ほぼ毎日通話やメールをする子は小6で10.0%と前年比1.6ポイント減、中3では31.8%と4.0ポイント減。携帯を持っていない子も、小6は69.1%で1.0ポイント増、中3が39.0%で1.7ポイント増だった。子どもたちの携帯依存やトラブルが問題になり、学校や家庭でルールづくりが進んでいることが背景にあるとみられる。(上野創)


つづいて、読売新聞を見てみます。


       ホーム > 教育 > ニュース
  学力テスト、地域差埋まらず  秋田、福井、富山は今年も好成績

 文部科学省は27日、第3回全国学力テストの結果を公表した。小学6年、中学3年の計約222万8000人が対象。

 市町村別の成績公表など橋下徹知事のもとで対策を講じてきた大阪府は、小学国語Bが昨年の45位から34位に上昇した。上位グループは中学生の国語・数学のBで、秋田、福井、富山の3県が昨年に続いてベスト3に入った。小学生の下位グループは沖縄県、北海道など昨年と同じ自治体が目立ち、地域差が埋まらない傾向がうかがえた。

 テストは小学生が国語・算数、中学生は国語・数学。いずれも基礎知識を試すA問題と応用力をみるB問題があり、4月21日、全国一斉に実施された。

 都道府県別では、秋田県が小学生の国語B(平均正答率60・4%)、算数B(同63・7%)でいずれもトップ。同県は第1回のテスト以来、両科とも3年連続で1位となった。福井も3年連続でベスト3入り。

 大阪府は昨年2月に就任した橋下知事が改革に取り組み、小学生は算数Bも昨年の34位から27位になったが、中学生は国語・数学とも下位グループを抜け出せなかった。

 中学生の国語・数学のBは、大阪府とともに、沖縄、高知県が昨年に続いてワースト3だった。

(2009年8月28日 読売新聞)

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  全国学力テスト分析、親の収入高いほど高学力
       新聞記事を話題に…成績アップ効果

 親の所得が高いと子供の成績は良いが、低所得でも親の心がけ次第で学力向上につながる――。

 昨年度の全国学力テストの結果を、文部科学省の委託を受けたお茶の水女子大の耳塚寛明教授らが分析した結果、そんな傾向が出ていることが4日、明らかになった。全国学力テストの結果と親の所得の関連を追った調査は初めて。絵本の読み聞かせなども成績向上に効果があり、耳塚教授は「経済格差が招く学力格差を緩和するカギになる」と話している。

 調査は、全国学力テストに参加した小6のうち、5政令市から100校、計約8000人を抽出し、親と教師を対象に学習環境などを調べた。

 世帯収入と平均正答率(国語と算数)の関係を見ると、高所得ほど正答率も高い傾向がみられ、最も平均正答率が高かったのは、1200万円以上1500万円未満の世帯。200万円未満の世帯と比べると平均正答率に20ポイントの開きがあった。

 親が心がけていることについて調べたところ、高学力層の子供の親は、「小さい頃から絵本の読み聞かせをした」「博物館や美術館に連れて行く」「ニュースや新聞記事について子供と話す」といった回答が多かった。このうち、「本の読み聞かせ」や「ニュースを話題にする」は、親の所得に関係なく学力向上に一定の効果がみられたという。

 調査では、学校での取り組みも調べた。家庭環境にかかわらず、児童にあいさつを徹底したり、教員研修を積極的に行ったりしている20校では、学力向上に一定の効果がみられた。

(2009年8月5日 読売新聞)


最後に「イザ!」を取りあげてみます。 この「イザ!」サイトは一般の新聞では公表されていない「学力テスト結果」を掲示しています。 どういうルートで入手したのかはわかりません。

  http://www.iza.ne.jp/ とは何でしょうか。 まず開いてみてください。
   イザ!とは を見ますと、利用の仕方が出ていますから、利用方法を知っておくことがよいです。

  http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/education/294747/slideshow/217044/
   「学力テスト 橋下知事ニンマリ、大阪が低位から浮上」

   ここにはなんと全国学力テストが表示してあるのです。 因みに幾つか拾ってみましょう

小    学    校
 - 
中    学    校
国語 順位 算数 順位 合計 順位 県別 国語 順位 数学 順位 合計 順位
120.9 -(-) 133.5 -(-) 254.5 -(-) 平均 152.8 -(-) 120.4 -(-) 273.2 -(-)
132.5 2(2) 142.9 2(2) 275.4 2(2) 福井 162.8 2(1) 135.7 1(1) 298.5 1(1)
135.7 1(1) 149.9 1(1) 285.6 1(1) 秋田 164.1 1(1) 132.2 2(3) 296.3 2(2)
124.1 10(4) 137.3 9(3) 161.4 9(4) 富山 161.9 3(3) 132.0 3(2) 293.9 3(3)
126.1 5(5) 138.2 6(6) 264.3 5(6) 石川 157.7 5(6) 128.9 4(8) 286.6 4(5)
120.2 25(13) 131.9 30(28) 252.1 26(20) 岐阜 157.6 6(5) 128.6 5(6) 286.1 5(4)
122.3 13(11) 132.3 26(16) 254.6 18(12) 山形 159.1 4(4) 124.3 10(12) 283.4 6(8)
120.0 28(16) 133.4 20(22) 153.4 25(18) 静岡 156.5 8(7) 126.5 6(7) 283.0 7(6)
121.1 20(24) 132.4 23(21) 253.5 24(25) 群馬 156.3 9(8) 125.0 9(11) 281.3 8(9)
125.7 6(10) 136.4 10(8) 262.1 8(8) 香川 155.0 12(9) 126.1 7(4) 281.1 9(7)
122.0 15(16) 135.8 12(13) 257.8 13(14) 奈良 154.3 18(12) 124.3 11(10) 278.6 10(11)
121.5 19(16) 133.9 18(23) 255.4 17(19) 長野 152.7 25(19) 119.2 26(20) 271.9 26(19)

 教育県と自負してきた長野県は一体どうしたのでしょう。

 いまの村井知事は飾り物にしたような人で、大阪の知事とは雲泥の違いがあります。
 田中康夫知事は自己主張を持っていましたが、村井知事にはそれが一向にありません。

 このサイトにある「関連ニュース」を開くと、大阪の橋本知事の
 “「このザマは何だ!」 橋下知事、伝わらない意思にいらだち”
 に始まる【橋下流 学力再生】のタイトルがいくつも出てきます。

 これらのサイトは、 「義務教育に関しては市町村の教育委員会がすべて権限を持っている。知事として府の教育委員会といろいろ政策を立案しているが、実践できるかどうかは市町村教委しだいだ」 という基本理念からスタートしていますから、老生らの “喬木村の教育をどうしていったらよいか” には大変参考になる記事です。 印刷します。

 参考のためにその一部を掲載しておきます。


  「このザマは何だ!」 橋下知事、伝わらない意思にいらだち  2009/05/11 19:32

  【橋下流 学力再生】 (上)/(中)/(下)

 「義務教育に関しては市町村の教育委員会がすべて権限を持っている。知事として府の教育委員会といろいろ政策を立案しているが、実践できるかどうかは市町村教委しだいだ」

施策導入に目立つばらつき 背景に財政…
市議や町議と橋下知事がタッグ、教育改…

 4月7日、大阪府庁で開かれた「大阪教育維新を市町村からはじめる会」の初会合。会長の橋下徹知事は自らが掲げる学力向上策が現場に十分浸透していないと強調したうえで、「市町村議の先生方の力をお借りしなければなりません」と繰り返し訴えた。

 同会は、吹田市の神谷宗幣(そうへい)市議(31)が「大阪の教育を変えるために市町村の若手議員でメンバーを組みたい」と発案、府内20市町の議員で発足した。年度内に府内43市町村すべてに会員を置くことを目指している。

 全国学力テストの成績が2年連続で最下位近くに低迷した大阪府。その汚名返上を目指す橋下知事は批判の矛先を常に市町村教委へ向けてきた。

 昨年の学テ結果が公表された際は「このザマは何だ」と激怒、市町村別の成績公表を訴え、これを拒む教委を「くそ教育委員会」「そんな自治体に何かしてやる必要はない」と痛烈に批判した。

 橋下知事は、情報公開請求に応じて市町村別データを開示したその日に、学力向上プラン「『大阪の教育力』向上に向けた緊急対策」を発表。新たに教育委員に起用した陰山英男氏(51)、小河勝氏(64)らが提唱する「反復学習メソッド」の徹底などを打ち出した。データ開示によって自治体ごとの課題を明らかにしたうえでの「次の一手」である。

 しかし、これらの施策の取り組み方には市町村によって大きなばらつきがあり、「今年の学テでは自覚のあるところ、そうでないところで、まだらの結果が出る」(陰山氏)との見方も根強い。

 「はじめる会」の議員たちも認識は同じだ。事務局長を務める神谷市議は「知事の政策が市町村でどれだけ徹底されているのか非常に不明確だと感じていた。われわれが主体的に各自治体で広めていけば、大阪の教育改革が加速するのではないかという思いで会を立ち上げた」。

 同会は近く、一連の学力向上策の市町村ごとの実施状況について詳細な実態調査を行う予定だ。知事の教育改革の「実動部隊」の登場に対し、「議員を使って“合法的”に市町村教委を動かそうという気なのか」(府南部の市教委職員)という懸念の声もある。

 橋下知事は4月9日の定例会見で、会の活動について「市町村議を通じて府の方針を浸透させるという、ある意味『政治的』な手法」と明言したうえで、次のように述べた。

 「市町村教委が府教委の言うことをまったく聞かないとなったら、府教委の存在は何なんだ。大阪の教育が悪くて矢面に立たされるのは僕なのに、僕には権限がないという…。とんでもないっすね。教育システムの大欠陥だと思う」

     ◇

 4月21日に実施され、9月をめどに結果が公表される3回目の全国学力テストで、「橋下流学力再生」は初めてその成果を問われる。知事による市町村別データ開示から半年。市町村教委や教育現場で何が変わったのかを探る。

  施策導入に目立つばらつき 背景に財政難  2009/05/12 19:26

  【橋下流 学力再生】 (上)/(中)/(下)

 大阪府教育委員会の学力向上策は、市町村ごとの取り組み状況にばらつきがあるとされる。昨年9月に始まった小中学校での放課後補習「おおさか・まなび舎」の導入率も市町村ごとに大きく異なっている。

  「このザマは何だ!」橋下知事、伝わら…
  橋下知事が方針転換 学力向上事業を批…

 全国学力テストの結果との関係でも「悪かった自治体ほど取り組んでいる率が高い」とは言いがたい。府教委の斡旋(あっせん)を受けて課外授業に塾講師を招いているのも豊中、池田など6市にとどまる。

 橋下徹知事は「現場教員の考え方の違いが大きい」とし、「一部教員が教育現場は神聖不可侵であると勘違いし、『指図は受けない』と言い張っている」と主張。知事を会長とする議員の団体「大阪教育維新を市町村からはじめる会」事務局長、神谷宗幣(そうへい)吹田市議(31)も「市町村長らの考え方が『親橋下』か『反橋下』かに左右されている」と推測する。

 ただ、府教委の幹部はこうした見方を真っ向から否定する。「まなび舎の実施率のばらつきは予算上の理由によるもので“やる気”の差とはいえない」

 実際、導入率が低い市町村教委に理由を尋ねると多くは財政難を挙げた。豊中市教委は「財政は年々厳しくなる一方。事業を維持していけるかどうかの見通しが立たないので、モデルケース的な導入にとどめた」。和泉市教委は「事業実施が決まったのが年度途中ということもあり、予算を確保できなかった」。

 今年3月まで吹田市教育委員を務めた関西大学の内田慶市教授(58)は「予算や教員の数を増やすことこそが急務だ」と言い切る。「大阪の教育を何とかしたいという橋下知事の思いは理解できる。ただ、成績開示によって市町村教委を動かそうとしても難しい。単に『うちの市はよかった』『悪かった』と一喜一憂しただけで何も解決していない」

 とはいえ、市町村別データ開示が「起爆剤」になった自治体もないわけではない。小学校、中学校いずれも府平均を大きく下回った門真市は、まなび舎とは別の市単独の土曜日無料補習「かどま自学自習室サタスタ」を始めることを決め、講師の報酬や教材の印刷費として534万円を今年度予算に盛り込んだ。

 対象は小学4、5年と中学2年。家庭教師派遣業「トライグループ」の講師や教職志望の大学生らが指導にあたり、5月9日のスタート時には市立小学校3校が参加した。市教委の担当者は「学テの結果が振るわなかったことを重く受け止めた。市の財政は厳しいが、学力向上は喫緊の課題と考え予算を確保した」と話す。

 府教委は今年度、「市町村支援プロジェクト事業」(予算額4億9650万円)に着手、5月に申し込みを受け付ける。学力向上に積極的に取り組む市町村に対し、小中学校1校あたり年75万円を上限に補助する。

 府教委幹部は「知事が問題にしているような各教委の意欲は、このプロジェクトに食いつくかどうかで初めて判断できるのではないか」とみている。

  学力定着の成否は教員の意識次第 大阪の教育力  2009/05/14 02:40

  【橋下流 学力再生】 (上)/(中)/(下)

 「きょうは引き算の1章です。さあ袋からDSを出して」。数学の玉置貴明教諭(28)が呼びかけると、教室の中学1年生たちは携帯ゲーム機「ニンテンドーDS」を手に取り、計算問題が次々と映し出される画面にタッチペンで答えを入力し始めた。

  施策導入に目立つばらつき 背景に財政…
  【主張】全国学力テスト 授業向上こそ…

 大阪府大阪狭山市の市立第三中学校では、府教育委員会が進める携帯ゲーム機活用学習を今年1月から取り入れている。公立小中学校計20校に40台ずつDSを貸し出し、学習ソフトによって基礎学力定着を促す取り組み。橋下徹知事が昨年の全国学力テストの市町村別結果開示に合わせて発表した学力向上プラン「『大阪の教育力』向上に向けた緊急対策」の目玉である。

 第三中では早くも「DS効果」が表れ始めている。現2年生約180人を対象に行った計算力テストの平均正答率は、DS導入後の2カ月間で64.1%から80.8%に上昇。最後の問題までたどり着いた生徒の率は30.1%から60%とほぼ倍増し、計算のスピードが着実にアップしていることもうかがえる。

 「即座に答えが表示されることが通常の学習にはないメリット。大量の問題をテンポよくこなしていくことは子供たちに達成感を与える」と玉置教諭。「20問ごとに時間が表示されるので『次はもっと早く解こう』って思う。問題のレベルが少しずつ上がっていくからゲームみたいで楽しい」。1年生の押村佑哉君(12)は声を弾ませた。

 全国に先駆けてDSを学校に導入したのは京都府八幡市教委だった。

 平成19年度から市立の全4中学校、20年度から9校中5校の小学校で英単語や漢字の学習に活用。中学生の場合、覚えている英単語が1人平均836語から1136語に増え、英検3級レベルとされる1300語をマスターした生徒の率は8.2%から31.3%に急上昇したという。

 大阪府でのDS活用に際し、府議会などでは「子供がゲーム漬けになるきっかけを与えるのではないか」との批判もあがっているが、八幡市教委の担当者は「そもそも学校で使う前からDSを持っている子がほとんど。保護者からのクレームもない」。大阪狭山市立第三中の寺井靖博校長(55)は「DSだけでは考える力をはぐくむことはできない」としながらも、「生活になじんでいる機器なので子供たちにとっては取っつきやすいようだ」とメリットを強調する。

 市町村ごとの実施状況にばらつきが目立つ大阪府の学力向上策。背景には各自治体の予算確保の困難さなどがあるとみられるが、加えて寺井校長は現場の意識の問題を挙げた。

 「どうしても教員は今までしてきたことから離れるのに不安を感じてしまう。DSなどの新しいものに飛びつく意気込みを持てるかどうかも、取り組みの成否を左右している」

 また、府議会一般質問などで画一的な施策展開に疑問を投げかけてきた梯(かけはし)信勝議員(55)=民主=は「学力向上策の中身に反対するつもりはない」と断ったうえで、市町村や学校ごとに予算や人材を傾斜配分できる仕組みづくりを提案する。

 「学力以前の『子供を落ち着かせておく』といった課題に追われている学校もある。そうした学校への支援を手厚くしない限り、学力テストの市町村別結果を公表しても、興味本位の見方と学力格差固定を招くだけではないか」

 (この連載は松本学が担当しました)

● goo ニュース

      ニュース >社会 >記事
   全国学力テスト 大阪急上昇 取り組み奏功…知事「ホッ」   2009年8月28日(金)08:05

 「正直ホッとしている。教員や地域の皆さんが協力してしっかり子供たちを支えてくれた」。大阪府の橋下徹知事は、上向き始めた学力に満足げだ。

 過去のテストで小学校が41位(昨年)、45位(一昨年)、中学校がともに45位と低迷、橋下知事の大号令で学力向上に取り組んできた大阪は、小6は34位、算数だけなら27位にまで浮上した。

 府では昨年10月、橋下知事の意向で、陰山英男・立命館小副校長らが教育委員に就任。府教委は陰山氏の教育理論に基づいた「百マス計算」「漢字の反復学習」に加え、弱点を見極める独自の「つまずき調査」をセットにした教材を作成し、始業前などに毎日10〜15分間、取り組ませた。反復学習は3月末までに小学の91%、中学の73%に広がったという。

 陰山氏は「実質2カ月の取り組みで、これだけの結果が出た。1年後には、12〜13位までは十分射程内だ」と自信をみせる。

 ただ、中学は45位と結果が出なかった。橋下知事は「中学校は深刻。自治体の長の責任だと思う。保護者は怒ってほしい」と、府内の自治体の奮起を促した。

 山口県は小6で10、中3で8つ順位を上げた。過去2回の学力テストのアンケートで、山口は「間違えた問題の復習」「放課後の補充的学習」などが全国に比べ薄いことが分かった。県教委は学習内容の定着度を重視したプログラムを作成し、各学校に提供した。

 中馬好行・県義務教育課長は今回の成績を「授業改善の成果が表れ始めた」と評価しつつ、「正答率はまだ全国平均以下。さらに課題を検証したい」と話す。

 全科目が2年連続で最下位だった沖縄県。今回、初めて小学の算数が46位に浮上、算数A単独では41位に。県教委義務教育班の廣幸和班長は「子供だけでなく、教師への対策の成果が徐々に出てきた」と話す。

 19年度の最下位の衝撃をきっかけに、県教委では今年4月から成績トップの秋田県との教員相互派遣も開始した。現在、秋田の2人が教壇に立つが「きめ細やかで丁寧な教え方など、学ぶところは多い」という。


◆ 文科省のデータバンク

次のような検索をたどります

   リンク集 -首相官邸ホームページ-
    文部科学省ホームページ
     教育 小学校、中学校、高等学校
      全国的な学力調査(全国学力・学習状況調査等)
       平成21年度全国学力・学習状況調査の調査問題・正答例・解説資料について
        リンク先(※国立教育政策研究所ホームページへリンク)

リンク先の 「国立教育政策研究所」 には次のページが貼り付けられています

   平成21年度全国学力・学習状況調査の調査問題・正答例・解説資料について

これを開くと、次のように小中の国語、算数数学のPDF(文書ファイル)へジャンプできます

   平成21年4月21日に実施した「平成21年度全国学力・学習状況調査」の解説資料を公開します。
    ○ 調査問題の解説資料
       【小学校】      国語(PDF:5,342KB) 
                   算数(PDF:4,540KB)
       【中学校】      国語(PDF:7,373KB)
                   数学(PDF:6,026KB)

ここには、詳細な解説資料が公開されています。 教育関係者は一応目を通しておくことがよい