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【心に浮かぶよしなしごと】

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【 04 】01/30

  01 31 松下幸之助の経営哲学「」
        (1) 企業は誰のものか
        (2) 率先垂範
        (3) 素直な心
        (4) 雨が降れば傘をさす
        (5) 熱意が大切
        (6) 物をつくる前に人をつくる
        (7) 衆知のカクテルを
        (8) 治に居て乱を忘れず
        (9) みずからを知る
        (10) 生きがいの多い時代



 01 31 (火) 松下幸之助の経営哲学     

   https://www.php.co.jp/keieihyakuwa/?gclid=CMGOourj6tECFQubvAodvi0BpA

経済誌などが実施する「尊敬する経営者」ランキングなどで、つねに上位に顔を出す松下幸之助。 実際、松下の著作などに啓発されたと語る経営者、ビジネスリーダーは少なくありません。

京セラ株式会社名誉会長 稲盛和夫氏

「経営についての指南書は数多くある。しかし松下幸之助氏の経営は、それらとは次元を異にするものであった。氏は、あらゆる人、あらゆる物、また遭遇するあらゆる困難を師と仰ぎ、そこから自らの思考によって汲み取られた真理と信念に従い、自らの独創的経営を行なってこられたのである。この意味で松下氏は、思考と実行の双方をかね備えた名経営者であったと私は思っている。 今回のDVD版『松下幸之助 経営百話』は松下幸之助氏の経営哲学の集大成であり、氏の経営・人生の真髄が語られている。是非、経営を担われる多くの皆さんにご覧いただけることを願ってやまない」

エイチ・アイ・エス会長 澤田秀雄氏

「ほめたほうが伸びる人もいれば、叱ったほうが伸びる人もいます。収入が増えることを喜ぶ人もいれば、仕事の内容や質が高まることを喜ぶ人もいます。私が右を向けと言っても、一割くらいの人は右を向かない。それが人というものではないでしょうか。ですから、組織の全員をやる気にさせるというのは、ほんとうにむずかしいことなのですが、松下さんはそれが実にうまい。人と組織をやる気にさせる天才だったのだと思います」

松下幸之助の経営哲学が当代の名経営者に支持されるのは、使命感、基本理念、また方針や目標も、みずから心の底から納得でき、悟りともいえるほどのものにたどりつくまで悩み、考え続けることによって生み出されたものであったからではないでしょうか。



(1) 企業は誰のものか  第一巻 経営の基本理念十話(約53分)

松下幸之助は、正しい経営の基本理念をもつことを重視していました。“本立ちて道生ず”といわれるように、根本となる事業理念があればこそ発展の道筋も見えてくるのではないでしょうか。

 ◦企業は誰のものか   ◦税金で悩んだ話   ◦真使命を悟る   ◦生産人の使命   ◦利益とは
 ◦利益確保は義務   ◦適正利益の根拠   ◦世間は正しい   ◦中小企業は弱くない   ◦共存共栄を目指して

“……少なくとも今までは別といたしまして、これからは、お互い企業は国民全体の共有財産である、共有の事業である。それを便宜に自分たちが預かって経営しているんだから、この企業というものは非常に大事にしなくちゃならんのだ。企業が発展するか発展しないかということによって、国民の福祉が増進するか増進しないかということに結びつくんである。だから非常に大事なものであるということを考えるときに、そこに非常に強いと申しまするか、非常に力強いものが生まれてくると思うんであります。これが、私は企業に対する一つの考え方だろうと思うんです。……”

(2) 率先垂範 第二巻 経営者の責任十話(約48分)

経営者の一挙手一投足が、事業経営全体に大きな影響を与えることは、あらためていうまでもありません。松下幸之助は、パナソニック(旧松下電器産業)を創業して以来、その過程で経営者の責任をどのように考え、実践してきたのか。自身の体験をもとに語られています。

 ◦一人の責任   ◦責任と給料   ◦失敗の責任は   ◦経営者の出処進退   ◦将来の方向を示す
 ◦適切な要求者になる   ◦率先垂範   ◦部下の力を引き出す   ◦社長は心配役   ◦片手に商売 片手に政治

“……うまくいってるときはね、「まあしっかりやってくれ」「まあ、みなさんやってくれ」と言うて、部下に命じて事すむ。それはそれでいい、そういうときもあってもいい。しかし、事、非常時に臨んだときはそんなことではいけない。やっぱり率先垂範する。身をもって率先垂範するか、精神的に率先垂範するか、その両方をもって率先垂範するか、何らかそういうものをもたなならん。そうすると無言のうちに、空気が変わってくる。そういうことが、私はまずこういうような非常時に際しての、つまり責任者もしくは所長とか首脳者の私は責任態度やないかと思うんですね。……”

(3) 素直な心 第三巻 決断の心得十話(約45分)

「決断するのが経営者の仕事だ」といわれます。長きにわたって、経営者として決断の日々を重ねた松下幸之助は、企業にとってきわめて重要な経営者の決断について、どのように考えていたのでしょうか。

 ◦決断してこそ経営者  ◦専門家としての決断  ◦迷いと判断  ◦小事と大事と  ◦非常時の決断
 ◦電子計算機の使用をやめた話  ◦技術の進歩と決断  ◦引きさがる決断  ◦素直な心  ◦真の勇気

“……われわれは常に、何が正しいかということを考えつつ仕事を進めますが、その根底をなすものは素直な心でものを見ようと。いいかえますと、白は白というように見えるように、青は青と見えるように、黒は黒と見えるように素直にものを見ていこうと、こういうことであります。そうすると白を黄色に見たり、赤色に見たりするようなことはなかろうと思いますから、判断に過ちがないと思うんであります。……”

(4) 雨が降れば傘をさす 第四巻 成功の心得十話(約51分)

企業を着々と繁栄、発展させていく経営者もあれば、志半ばにして、挫折の悲哀を味わわざるを得ない経営者もいます。そうした違いはいったいどこから生じてくるのでしょうか。長年の実業体験に基づく松下幸之助の話の中から「成功の心得」ともいうべきものを収録しています。

 ◦二軒のぜんざい屋  ◦経営のコツを自得する  ◦好きになる  ◦私の初商売  ◦自己観照
 ◦資金借り入れの要諦  ◦病気の早期発見  ◦事破れて悟る  ◦自分の運命に従って  ◦雨が降れば傘をさす

“……雨が降れば傘をさすということはきわめて自然の状態でありまして、暑くなれば薄着になる、寒くなれば厚着になるということでございますが、これはもう誰しもそのとおりやっておるんでありますから、いわばみんなが天地自然の法に基づくところの生活方法をやっておられるということになろうかと思うんであります。しかし、事が商売ということに入りますると、どうも天地自然の法にかなったようなやり方をなさらないような経営を、私はちょいちょい見受けるんであります。そういうところは、概して失敗していく。そうでないところは成功していく。いいかえますと、天地自然の法にかなった経営法をしておるところは成功していく。……”

(5) 熱意が大切 第五巻 人を活かす心得十話(約44分)

“事業は人なり”といわれます。一代で世界的企業を築き上げた松下幸之助は、その経営を進める過程で、“事業は人なり”の信念を貫き通しました。人を育て、活かすことに心血を注いだ松下幸之助の体験の中から「人を活かす心得」というべきものを収録しています。

 ◦公に尽くす心意気  ◦経営者次第  ◦熱意が大切  ◦部下が偉く見えるか  ◦不平不満の原因
 ◦60%の可能性があれば  ◦欠点を知らせる  ◦判断のよりどころ  ◦大胆に人を使う  ◦人を得るのは運命

(6) 物をつくる前に人をつくる 第六巻 人を育てる心得十話(約44分)

人づくりの大切さを重視した松下幸之助は、人材の活用すなわち人を活かすこととあわせて、人材育成にも心血を注ぎました。みずからの体験に基づく松下幸之助の話の中から、「人を育てる心得」ともいうべきものを収録しています。

 ◦物をつくる前に人をつくる  ◦人を育てる基本は  ◦言うべきを言う  ◦たえず訓練を  ◦困難が人を育てる
 ◦ただ任せるだけでは  ◦適材適所と素直な心  ◦人材を引き抜けば  ◦後継者の育成  ◦自分で自分を育てる

“……いかなる場合といえども、われわれのやはり一つの強い信念、それが正しいもんであり、それが国の安定と発展に寄与するもんであり、従業員の福祉に通ずるもんであるならば、断固、それを堅持して必ず容れられると思うんであります。みなさんの頭が、物をつくることもまことに大事であるが、その大事なものをつくるためには何が必要であるか、それは人が必要である。正しいものの考え方を保持するところの人が必要であるというようにお考えくださるならば、大事な製品をつくるために、まず人をどうするかということに、みなさんの頭がお働きをされると思うんであります。……”

(7) 衆知のカクテルを 第七巻 衆知を集める心得十話(約49分)

「事業を発展、繁栄させる要諦の一つは、その経営にいかに多くのすぐれた衆知を集め得るかということである。だから私は、いつも衆知を生かした経営の実践を心がけてきた」——松下幸之助の言う衆知経営とは、いったいどのようなものでしょうか。

 ◦衆知のカクテルを  ◦ワンマン経営の欠陥  ◦ワンマン経営に見えても  ◦強い信念のもとにこそ  ◦部下の提案を喜ぶ
 ◦ガラス張り経営  ◦自由な意見具申  ◦お得意先、世間に聞く  ◦開発と衆知  ◦八百万の神々と衆知

“……私は会社の経営にいたしましても、会社に今二万五千人あれば、二万五千人の衆知によるところの経営が行われない限りは、この会社はやがて行きづまるだろうと思っているんであります。偉人の経営で発展しても、やがて崩壊するでありましょう。賢人の経営にいたしましても、やがて崩壊するでありましょう。衆知によらないところの経営以外には、ほんとうの神の経営というものはないと思うんであります。衆知によるところの経営は、いわゆる真の民主主義の経営であります。真の民主主義には衆知が集まるんであります。そう私は考えていきたいと思うんであります。……”

(8) 治に居て乱を忘れず 第八巻 不況克服の心得十話(約49分)

事業を進める過程では、時に不況に直面し、逆風、波瀾の中での経営を余儀なくされます。不況、不景気に対して経営者がどう備え、どのように対処していくかが企業の盛衰を大きく左右することはいうまでもありません。松下幸之助の体験に基づく不況克服の心得を収録しています。

 ◦不況またよし  ◦昭和不況時の体験  ◦改善の好機  ◦苦労は買ってでも  ◦時には一服も
 ◦腹を決めて臨む  ◦経営者の信念こそ  ◦戦の中での商売よりも  ◦治に居て乱を忘れず  ◦不況に伸びる会社

“……とかく人間というものは、十年平和が続く、十年安泰が続くと、治に居て乱を忘れるという傾きになります。いいかえますと、非常に内部に脆弱性というものが醸されてくるんであります。常に荒波に対している、常に乱に直面していると、それはそういうようにならないんであります。たえず心がまえというものは緊張しています。しかし、これは一面にいいが、一面にそれは決していいことじゃありません。そう常に乱ばかりに対するような姿は人生の望みではありません、目的ではありません。やはり泰平にして平和な生活を楽しむということが、われわれの欲するところであります。しかし、だからといってそういうことに慣れますと、人間というものはとかくその平和に酔いしれてしまうという傾きがございます。……”

(9) みずからを知る 第九巻 反省の心得十話(約48分)

松下幸之助は、経営者には“朝(あした)に発意、昼に実行、夕べに反省”の心がまえが大切だと説いています。事業盛衰の鍵を握る経営者は、みずからのあり方について、またその仕事について、日々どのような反省を加えていけばよいのでしょうか。

 ◦つまずきの原因は  ◦みずからを知る  ◦自分は適材か  ◦公憤をもっているか  ◦商売は真剣勝負
 ◦上には上がある  ◦愚痴の聞き役を  ◦千の悩みも  ◦帝王学のすすめ  ◦公と私の葛藤

“……自分は自己認識をして、そして過ちなきを期してきた。こういうように、私自分で考えているんです。自己認識をせざる人は、過ちをおかす場合が多くなります。自分の力を低く見すぎても仕事はできません。自分の力をば誇大に見たならば失敗をいたします。そういうところが非常に大事やと思うんです。みなさんはこれから幾多の仕事をなさる。一年ごとにどういうような変化があるかわからない。しかしその場合でも、みなさんは、みなさん自身というものを採点していかなきゃいかんと思うんです。“今の自分は五十点の力がある”ということを自分で考えることができるかどうか。それが正当にできたならば、非常に私はおもしろいと思うんですね。……”

(10) 生きがいの多い時代 第十巻 経営者の生きがい十話(約49分)

経営者が日々の重責を全うしていく上で心の支えとなるのは、やはり経営者としての仕事のやりがい、生きがいというものでしょう。事業人、産業人としての使命達成に文字どおり全身全霊を打ち込んだ松下幸之助は、その生きがいをどこに求めていたのでしょうか。

 ◦責任ある地位にあればこそ  ◦瞬時も休めない生活  ◦悩み不安の中で  ◦きびしさの中に  ◦経営者と遊び
 ◦首脳者の孤独と喜び  ◦全力を尽くしたあとに  ◦生きがいの多い時代  ◦現代は芝居の舞台  ◦感謝の心をもって

“……非常に困難な時代である。商売の競争も非常に激しい時代である。三年ほどぼやぼやしてるともうすっかり地位が変わってしまうほど、商売も激変する時代である。そら、昔の時代のほうが悠長であるから、非常に安定してる。今はもう安定も何もない。安定という言葉はもうなくなるほど激変の時代である。そういう時代でありますけれども、だから困るんやなくして、だからおもしろいんだと、こういうように考えますと、私は今日は、みなさんもさようでありますが、今日生きておるところの人びとというものは、過去のいかなる人の時代よりもおもしろい時代である。おもしろいというよりも、非常に有意義な時代であると。この時に生きて、そして、それぞれの思いをもってわが仕事に対して取り組んでいくということが、非常に恵まれた世代に生きたもんだという考えをもったらどうか。少なくとも私は、そういうようにもたなんだらいかんぞと、私は、自分で自分に言うて聞かしてるんです。……”